JP2012070515A - 固定子製造方法、固定子製造装置 - Google Patents

固定子製造方法、固定子製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】焼き嵌めリングと可動型の内面との間の隙間の部分にモールド樹脂が侵入することを防止すること。
【解決手段】
分割固定子組立体22を焼き嵌めリング21により一体的に結合させた固定子組立体2をインサート成形する方法であって、焼き嵌めリング21を可動型4と固定型3で挟み、固定子組立体2の端面から突出するコイルエンド部24cをモールド樹脂29でモールドする固定子製造方法において、モールド樹脂29が熱硬化性樹脂であること、モールド樹脂29を注入する注入口が、焼き嵌めリング21の一端面21D側に設けられていること、焼き嵌めリング21の他端面21C付近を加熱する加熱手段6を有すること、モールド樹脂29を注入するときに、加熱手段6で焼き嵌めリング21の他端面21C付近を加熱することにより、加熱手段6と接触するモールド樹脂29を硬化させることにより、隙間Xにモールド樹脂29を侵入させない。
【選択図】図5

Description

本発明は、分割固定子組立体を焼き嵌めリングにより一体的に結合させた固定子組立体をインサート成形する方法であって、焼き嵌めリングを可動型と固定型で挟み、固定子組立体の端面から突出するコイルエンド部をモールド樹脂でモールドする固定子製造方法及び、固定子製造装置に関する。
固定子には、分割型の固定子と一体型の固定子が存在する。分割型の固定子とは、分割固定子コアにコイルを配設できる分割固定組立を複数円形状に集合させ焼き嵌めリングにより一体的に結合させるものである。一体型の固定子とは、一体固定子コアにコイルを配設することによりできるものである。
従来、一体型の固定子に樹脂モールド部を成型するものとして、特許文献1の固定子製造装置がある。
特許文献1の固定子製造装置は、可動型と固定型を有する。固定型には、モールド樹脂を流入させる流路が形成されている。可動型内には、流路と接続するキャビティが形成されている。キャビティは、一体型の固定子を挿入し、モールド樹脂が流し込まれて一体型の固定子の樹脂モールド部を成型するための空間である。
上記の作用は、以下の通りである。
一体型の固定子を、可動型のキャビティに挿入する。可動型が一体型の固定子の下から当接する。次に、可動型が上方向に可動し、一体型の固定子の上から当接する。一体型の固定子は、一体型の固定子の上部が固定型と下部が可動型と上下方向から当接され押圧されることにより固定される。
流路にモールド樹脂を流し込む。モールド樹脂が、キャビティ内に流れこむ。キャビティ内に流れ込んだモールド樹脂が硬化し一体型の固定子の樹脂モールド部を成型する。
以上から、固定子製造装置を用いることで、一体型の固定子の外周部に樹脂モールド部を成型することができる。
特開2008−147666号公報 特開2004−336928号公報
一方、分割型の固定子に樹脂モールド部を成型するものは、先行技術文献にはない。
そこで、本出願人は、分割型の固定子に樹脂モールド部を成型する固定子製造装置100を試みてきた。現在公知ではない、固定子製造装置100を図12に示し、固定子製造装置100の課題を明らかにする。また、図13に図12の点線Fの部分拡大図を示す。
[固定子製造装置100の構成]
図12に示すように、固定子製造装置100は、可動型120と固定型130を有する。
固定型130には、流路131と導入路132が形成されている。可動型120内には、導入路132と接続するキャビティ121が形成されている。キャビティ121は、分割型の固定子110を挿入し、モールド樹脂を流路131から流し込み分割型の固定子110の樹脂モールド部140を成型するための空間である。
分割型の固定子110は、分割された電磁鋼板が積層された分割固定子コア113と、分割固定子コア113にコイル112が巻線されている。分割型の固定子110は、複数の分割固定子コア113が円周状に並べられ、その外周に焼き嵌めリング111が嵌めこまれることにより構成される。焼き嵌めリング111は、円筒形状の円筒部111A、図12中の円筒部111Aの上方向の円筒部一端面111Dが形成されている。また円筒部一端面111Dに対して垂直方向につば部111Bが形成される。円筒部一端面111Dの反対側の他端面に円筒部他端面111Cが形成されている。
[固定子製造装置100の作用効果]
分割型の固定子110を、可動型120のキャビティ121に挿入する。可動型120の型締部122に分割型の固定子110のつば部111Bの下部が当接される。次に、可動型120が図12中の上方向に可動し、分割型の固定子110のつば部111Bの上部に固定型130の型締部133が当接する。分割型の固定子110は、つば部111Bの上部と下部とが当接することにより固定される。
流路131にモールド樹脂を流し込む。モールド樹脂は、導入路132を介し、キャビティ121内に流れこむ。キャビティ121内に流れ込んだモールド樹脂が硬化し分割型の固定子110の図示しない樹脂モールド部を成型する。
以上から、固定子製造装置100を用いることで、分割型の固定子110の外周部に樹脂モールド部を成型することができる。
しかしながら、固定子製造装置100、及び固定子製造装置100を用いた固定子製造方法には、次のような問題があった。
すなわち、図13に示すように、注入されたモールド樹脂が、焼き嵌めリング111と可動型120の内面との間に存在する隙間Xに入り込む問題がある。分割型の固定子110をキャビティ121内に挿入するため、クリアランスを設ける必要があるからである。隙間Xの長さは、最低限のクリアランスであり3mm程度の長さである。図12及び図13においては、隙間Xが理解しやすいように、大きく示している。
焼き嵌めリング111とキャビティ121との間の隙間Xの部分にモールド樹脂が侵入して、焼き嵌めリング111の外周部にモールド樹脂が固まる。外周部にモールド樹脂が存在すると、後工程において、焼き嵌めリング111の外周面を用いて位置決めするときに、位置決めができないため問題となる。
また、位置決めをするために、焼き嵌めリング111の外周部に固まったモールド樹脂をはがす後工程が必要となる。後工程が必要になると、時間及びコストがかかる問題がある。
また、隙間Xは、焼き嵌めリング111を可動型120のキャビティ121内に挿入するため必要となされるクリアランスであるため無くすことができないため問題となる。
一方、焼き嵌めリング111の円筒部一端面111D、及び円筒部他端面111Cを押圧し、分割型の固定子110を固定することが考えられる。しかし、焼き嵌めリング111は円筒形をしており、上下方向から押圧すると形状が変形する恐れがある。焼き嵌めリング111が変形すると、内部で固定されている分割型の固定子110が変形する。分割型の固定子110が変形すると、分割型の固定子110の内周面の真円度に影響が出て、最終製品であるモータのロータがステータと接触する可能性があるため焼き嵌めリング111の円筒部一端面111D及び円筒部他端面111Cを押圧することができない。
すなわち、分割型の固定子110は、複数の分割固定子ユニットを円形状に集合させ焼き嵌めリング111により一体的に結合させたものであるため、外部から力がかかると分割型の固定子110が変形する恐れがある問題が生じる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、焼き嵌めリングと可動型の内面との間の隙間の部分にモールド樹脂が侵入することを防止することができる固定子製造装置、及び固定子製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様における固定子製造装置、及び固定子製造方法は、以下の構成を有する。
(1)分割固定子組立体を焼き嵌めリングにより一体的に結合させた固定子組立体をインサート成形する方法であって、前記焼き嵌めリングを可動型と固定型で挟み、前記固定子組立体の端面から突出するコイルエンド部をモールド樹脂でモールドする固定子製造方法において、前記モールド樹脂が熱硬化性樹脂であること、前記モールド樹脂を注入する注入口が、前記焼き嵌めリングの一端面側に設けられていること、前記焼き嵌めリングの他端面付近を加熱する加熱手段を有すること、前記モールド樹脂を注入するときに、前記加熱手段で前記焼き嵌めリングの他端面付近を加熱することにより、前記加熱手段と接触するモールド樹脂を硬化させること、を特徴とするものである。
(2)分割固定子組立体を焼き嵌めリングにより一体的に結合させた固定子組立体をインサート成形する装置であって、前記焼き嵌めリングを可動型と固定型で挟み、前記固定子組立体の端面から突出するコイルエンド部をモールド樹脂でモールドする固定子製造装置において、前記モールド樹脂が熱硬化性樹脂であること、前記モールド樹脂を注入する注入口が、前記焼き嵌めリングの一端面側に設けられていること、前記焼き嵌めリングの他端面付近を加熱する加熱手段を有すること、を特徴とするものである。
次に、上記構成を有する本発明の固定子製造装置、及び固定子製造方法についての作用、及び効果について説明する。
(1)(2)モールド樹脂が熱硬化性樹脂であること、モールド樹脂を注入する注入口が、焼き嵌めリングの一端面側に設けられていること、焼き嵌めリングの他端面付近を加熱する加熱手段を有すること、モールド樹脂を注入するときに、加熱手段で焼き嵌めリングの他端面付近を加熱し、加熱手段と接触するモールド樹脂を硬化させることにより、焼き嵌めリングと可動型の内面との間の隙間Xの部分にモールド樹脂が侵入することを防止することができる。
その理由は、隙間Xに流入しようとするモールド樹脂を隙間Xの入り口部分においていち早く加熱手段により硬化させる。入り口部分のモールド樹脂が硬化することで、その後、隙間Xに流入しようとするモールド樹脂の流入を防止することができるからである。
また、加熱手段によりモールド樹脂を硬化することでモールド樹脂の隙間Xへの流入を防止できるため、焼き嵌めリングに対して力を加える必要がない。焼き嵌めリングに力が加わらないため、固定子組立体の位置に狂いを生じさせることもない。
また、隙間Xに流入しようとするモールド樹脂の流入を防止することができため、後工程においての固定子の位置決めに支障をきたすことがない。後工程の前に、隙間Xに流入したモールド樹脂を削り取る工程を追加する必要がないため、工程を減らすことができる。工程を減らすことができるため、結果として生産コストを下げることができる。
また、加熱手段の温度を他の部分の温度よりも20度以上とすることにより、加熱手段に接液したモールド樹脂を直に硬化させること、又は、モールド樹脂を著しく流動性を低下させることができる。そのため、隙間Xに流入しようとする樹脂を他の部分よりも早く硬化させることができ、後に流入してくるモールド樹脂の隙間Xへの流入を防止することができる。
本実施形態に係る固定子製造装置の概念図(1)を示す。 本実施形態に係る固定子製造装置の概念図(2)を示す。 本実施形態に係る固定子製造装置の概念図(3)を示す。 本実施形態に係る図3に示す固定子製造装置の一部拡大図を示す。 本実施形態に係る固定子製造装置の概念図(4)を示す。 本実施形態に係る図5に示す固定子製造装置の一部拡大図を示す。 本実施形態に係る固定子製造装置の概念図(5)を示す。 本実施形態に係る固定子製造装置の概念図(6)を示す。 本実施形態に係る固定子組立体の外観斜視図を示す。 本実施形態に係る固定子組立体をモールド成型した固定子の外観斜視図を示す。 本実施形態に係る分割固定子ユニットの外観斜視図を示す。 本出願人が試作した固定子製造装置の概念図を示す。 本出願人が試作した図12に示す固定子製造装置の一部拡大図を示す。
次に、本発明の固定子製造装置1の一実施形態について図面を参照して説明する。はじめに、固定子製造装置1により製造される対象である固定子組立体2の構成について説明する。
[固定子組立体の構成]
図9に、固定子組立体2の外観斜視図を示す。図10に、固定子組立体2のコイル24のコイルエンド部24cにモールド樹脂29をモールドし樹脂モールド部30が形成された状態のモールド固定子20の外観斜視図を示す。図11に、分割固定子ユニット23の外観斜視図を示す。
図9に示すように、固定子組立体2は、18個の分割固定子ユニット23を組み合わせ、その外周に焼き嵌めリング21を嵌めこんで形成されている。
焼き嵌めリング21は、円筒形状の円筒部21A、円筒部21Aの図中上方向の一端に円筒部一端面21Dが形成され、円筒部一端面21Dの垂直方向につば部21Bが形成されている。円筒部21Aのうち円筒部一端面21Dの反対側の端面に円筒部他端面21Cが形成されている。
図10に示すモールド固定子20は、図9で示した分割固定子ユニット23のコイルエンド部24cに、樹脂モールド部30が覆われている形で形成されている。樹脂モールド部30は、モールド樹脂29が凝固することにより固設されたものである。固定子組立体2に樹脂モールド部30が成型されたものをモールド固定子20とする。
図11に示すように、分割固定子ユニット23は、分割固定子コア25が備えるティース部25aに、コイル24を挿入することで形成される。
分割固定子コア25には、内周側に図示されない台形状態のティース部25aが突出するように形成されている。
コイル24は、平角導体がエッジワイズ曲げ加工されて巻回形成されたものであり、平角導体は銅製の平角材の外周に絶縁皮膜が設けられたものである。図11中の上下方向のコイル24のコイルエンド側に位置するコイルエンド部24cを有する。図11中の上方向には、コイルエンド部24cから第1端子24a及び第2端子24bが垂直方向に突出して形成されている。
[固定子製造装置の構成]
図1に固定子製造装置1の概念図を示す。
固定子製造装置1は、固定型3と可動型4を有する。
固定型3は、図中上方向に上面3a、図中下方向に下面3bを有する。上面3aから下面3bにかけて垂直に流路33が形成されている。下面3bには、円筒形状の固定子組立体2が挿入される固定型キャビティ31が円筒中空状に形成されている。下面3bのうち固定型キャビティ31の内周部に固定側導入路32が形成されている。
可動型4は、図中上方向に上面4aを有する。上面4aから垂直に円筒形状の固定子組立体2が挿入される可動型キャビティ41が円筒中空状に形成されている。上面4aのうち可動型キャビティ41の内周部に可動側導入路42が形成されている。可動型キャビティ41の周辺の内壁には、第2ヒータ7が固定されている。
可動型キャビティ41のうち固定子組立体2のコイル24と当接する当接面が底部41aである。底部41aの外周部には、ヒータ部材61と断熱部材62を有する加熱手段6が形成されている。
図4に、図3の点線Rに示す、固定子製造装置1のうち加熱手段6の部分拡大図を示す。図4に示すように、ヒータ部材61は、ヒータ突出部611とヒータ固定部612を有する。ヒータ突出部611は、焼き嵌めリング21とコイル24の間に挿入されるように円筒形状に形成されている。ヒータ固定部612は、ヒータ突出部611の根元に固定するように中空円筒形状に形成されている。ヒータ固定部612と可動型4が当接する部分には、ヒータ固定部612を囲う断熱部材62が形成されている。断熱部材62は、ヒータ固定部612を囲うように形成されているため、可動型4に円筒型に形成されている。
図3に、可動型4が可動し固定型3に可動型4が当接した状態の概念図を示す。可動型4と固定型3は、焼き嵌めリング21のつば部21Bを挟んで当接する。
固定型3の固定型キャビティ31と可動型4の可動型キャビティ41により、キャビティ51が形成される。キャビティ51内には、固定子組立体2が挿入される。また、固定型3の固定側導入路32と可動型4の可動側導入路42により、導入路52が形成される。流路33は、導入路52と接続し、導入路52はキャビティ51に接続する。
固定子組立体2の外周とキャビティ51の間には、隙間Xが生じる。隙間Xは、固定子組立体2をキャビティ51内に挿入するため、固定子組立体2とキャビティ51との間にクリアランスを設ける必要上生じる。隙間Xの幅(固定子組立体2の外周からキャビティ51までの幅)は、最低限のクリアランスである3mm程度の幅である。図3等においては、隙間Xを理解しやすいように、固定子組立体2の外周とキャビティ51の間のクリアランスを大きく示したが、実際には3mm程度のクリアランスであるため、隙間Xは図3等に示されるほど大きくはない。
隙間Xの上部は、図3に示すように、固定型3と可動型4が焼き嵌めリング21のつば部21Bに当接している部分までである。固定型3と可動型4はつば部21Bに当接しているため、当接している部分には隙間が生じない。一方、隙間Xの下部は、図3に示すように、焼き嵌めリング21のうち円筒部他端面21Cとキャビティ51の間に隙間が生じる部分から始まる。
隙間Xは、上部には隙間の入り口はない。一方、下部には円筒部他端面21Cとキャビティ51の間に入り口がある。そのため、隙間Xは、袋小路のような状態となっている。
[固定子製造装置の作用効果]
固定子製造装置1は、以下に示す5つの工程により、固定子組立体2にモールド成型を行い樹脂モールド部30が成型されたモールド固定子20を製造することができる。第1工程から第5工程までの工程を図1、乃至図8を用いて、以下詳細に説明する。
[第1工程]
図1に示すように、固定子組立体2を可動型4の中心位置に合わせ、図中可動型4の上方向に位置させる。
次に、図2に示すように、可動型4の可動型キャビティ41内に、固定子組立体2を挿入する。固定子組立体2を可動型キャビティ41内に挿入すると、図4に示すように、焼き嵌めリング21の円筒部他端面21Cとコイル24の間に、ヒータ突出部611が挿入された状態となる。
[第2工程]
図3に示すように、可動型4を図2示す状態から、図中上方向に可動させる。可動型4を図2に示す状態から、上方向に可動させると、固定子組立体2を介して、可動型4が固定型3に当接する。可動型4と固定型3が当接すると、図3に示すように、固定型3の固定型キャビティ31と可動型4の可動型キャビティ41により、キャビティ51が形成される。キャビティ51内には、固定子組立体2が挿入された状態となる。また、固定型3の固定側導入路32と可動型4の可動側導入路42により、導入路52が形成される。流路33は、導入路52と接続し、導入路52はキャビティ51に接続する。
[第3工程]
図5に示すように、流路33からモールド樹脂29を流し込む。モールド樹脂29は、熱硬化性樹脂を用いる。熱硬化性樹脂とは、加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる樹脂のことをいう。具体的には、不飽和ポリエステル等を用いる。不飽和ポリエステルは、150℃〜200℃の温度で硬化する。また、熱硬化性樹脂の熱伝導性を高めるために、熱硬化性樹脂にフィラー等を注入することもできる。
モールド樹脂29は、流路33から導入路52へ流れ、キャビティ51に流れ込む。モールド樹脂29を流路33に流す以前にヒータ部材61、及び第2ヒータ7を加熱する。
キャビティ51内では、固定子組立体2の外周とキャビティ51との間に隙間Xがあり、モールド樹脂29が隙間Xに侵入しようとする。具体的には、モールド樹脂29は、隙間Xへの入口がある円筒部他端面21C側から隙間Xへ侵入しようとする。一方、つば部21B側からは、隙間Xへの入り口がないため隙間Xに侵入することができない。すなわち、隙間Xは、袋小路の状態にあるため、円筒部他端面21C側からのみモールド樹脂29が隙間Xへ侵入することができる。
円筒部他端面21C側から隙間Xへ流入しようとするモールド樹脂29は、加熱されたヒータ部材61に接液し、加熱される。モールド樹脂29は、熱硬化性樹脂であるため、加熱されると硬化する。ヒータ部材61に接触したモールド樹脂29が、円筒部他端面21Cとヒータ突出部611との間で始めに硬化する。そのため、後に流入しようとするモールド樹脂29が円筒部他端面21C側から隙間Xに流入することができない。したがって、隙間Xにモールド樹脂29が流入することがない。
ヒータ部材61の加熱温度は、使用するモールド樹脂29に応じて、隙間Xとヒータ部材61の温度の相関を測り、樹脂硬化によるシール構造の限界値により決定する。
本実施例では、ヒータ部材61の温度を170度にする。ヒータ部材61以外の第2ヒータ7は、ヒータ部材61よりも20度低い150度にする。ヒータ部材61が170度と、ヒータ部材61以外の第2ヒータ部材7の150度よりも20度以上高いことで、隙間Xに流入するモールド樹脂29を直に硬化させることができる。ヒータ部材61がモールド樹脂29を直に硬化させることができることにより、後から隙間Xに流入しようとするモールド樹脂29の流入を確実に防止することができる。
ヒータ部材61を加熱することでモールド樹脂29を硬化させるため、焼き嵌めリング21に対して直接の力を加える必要がない。焼き嵌めリング21に直接の力が加わらないため、分割固定子ユニット23の位置に狂いを生じさせることがない。分割固定子ユニット23の位置に狂いが生じないため、固定子組立体2の内周面の真円度を保つことができる。そのため、完成品であるモータのロータとステータが接触することがないため、モータの性能に悪影響を与えない。
また、焼き嵌めリング21と可動型4の内面との間の隙間Xに流入しようとするモールド樹脂29の流入を防止することができる。そのため、後工程の前に、隙間Xに流入したモールド樹脂29を削り取る工程を追加する必要がないので、工程を減らすことができる。工程数を減らすことができるため、生産コストを下げることができる。
また、本実施形態においては、つば部21B側からは隙間Xへの入り口がないのに対して、円筒部他端面21C側から隙間Xへの入り口があるため、隙間Xは袋小路の状態となっている。隙間Xが袋小路の状態となっているため、円筒部他端面21C側にヒータ部材61を有することで、モールド樹脂29の隙間Xへの流入を防止することができる。
また、ヒータ部材61は、断熱部材62により囲まれているため、ヒータ部材61の熱は、可動型4に伝わりにくくなっている。ヒータ部材61の熱が、モールド樹脂29以外に伝わると、その他の部分が熱変形する可能性もあるためである。
[第4工程]
モールド樹脂29が第2ヒータ7の加熱により凝固した後、図7に示すように、可動型4を図中下方向に可動させる。モールド固定子20の固定型キャビティ31を枠にした部分にモールド樹脂29が凝固し樹脂モールド部30を形成する。
[第5工程]
図8に示すように、可動型4から固定子組立体2を取り出す。固定子組立体2の可動型キャビティ41を枠にした部分にモールド樹脂29が凝固し樹脂モールド部30が形成される。樹脂モールド部30が形成されることによりモールド固定子20となる。
以上5つの工程により、固定子組立体2に樹脂モールド部30を形成したモールド固定子20を製造することができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る固定子製造装置1、及び固定子製造装置1を用いた固定子製造方法よれば、モールド樹脂29が熱硬化性樹脂であり、モールド樹脂29を注入する注入口が、焼き嵌めリング21の円筒部一端面21D側に設けられており、焼き嵌めリング21の円筒部他端面21C付近を加熱するヒータ部材61を有することで、モールド樹脂29を注入するときに、ヒータ部材61で焼き嵌めリング21の円筒部一端面21D付近を加熱し、ヒータ部材61と接触するモールド樹脂29を直に硬化させることができる。
このため、ヒータ部材61付近のモールド樹脂29を直に硬化させることにより、焼き嵌めリング21と可動型4の内面との間の隙間Xの入口部分にモールド樹脂29の壁ができる。モールド樹脂29の壁ができることにより、後から流入したモールド樹脂29が隙間Xに侵入することを防止することができる。
また、ヒータ部材61を加熱し、モールド樹脂29を直に硬化させることで、後に流入するモールド樹脂29が隙間Xに流入しないようにすることができる。そのため、焼き嵌めリング21に対して直接力を加えなくても、隙間Xへのモールド樹脂29の流入を防止することができる。焼き嵌めリング21に直接力を加える必要がないため、分割固定子ユニット23の位置に狂いを生じさせることがない。分割固定子ユニット23の位置に狂いが生じないため、固定子組立体2の内周面の真円度を保つことができるため、完成品であるモータの性能に悪影響を与えない。
また、焼き嵌めリング21と可動型4の内面との間の隙間Xに流入しようとするモールド樹脂29の流入を防止することができるため、後工程においての固定子組立体2の位置決めに支障をきたすことがない。その理由は、後工程の前に、隙間Xに流入したモールド樹脂29を削り取る工程を追加する必要がないからであり、工程を減らすことができるからである。そのため、工程数を減らすことにより生産コストを下げることができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明をなんら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
例えば、上記した実施の形態において、ヒータ部材61を円筒部他端面21C付近の他に、つば部21B付近に備えてもよい。ヒータ部材61をつば部21B付近に備えることにより、固定型3と可動型4の押圧力が弱く、つば部21Bからモールド樹脂29が流入するような場合に、モールド樹脂29を硬化させて、隙間Xの上部入口からのモールド樹脂の流入を防止することができる。
また、本実施形態においては、ヒータ部材61値第2ヒータ7の温度を変更することにより、隙間Xに流入しようとするモールド樹脂29を硬化させることとしたが、ヒータ部材61と第2ヒータ7の加熱開始時間を変更しタイミングをずらすことによっても、本実施例と同様の効果を得ることができる。すなわち、ヒータ部材61の加熱開始時間を先に行うことで、隙間Xに流入しようとするモールド樹脂29を隙間Xの入口部分で硬化させることができる。隙間Xの入口部分で硬化させることにより、その後流入したモールド樹脂29が隙間Xに流入することがないからである。隙間Xの入口部分でモールド樹脂29を硬化させた後に第2ヒータ7の加熱を開始し、その後に流入したモールド樹脂29を硬化させる。
1 固定子製造装置
2 固定子組立体
20 モールド固定子
21 焼き嵌めリング
21B つば部
21C 円筒部他端面(請求項中の「焼き嵌めリングの他端面」)
21D 円筒部一端面(請求項中の「焼き嵌めリングの一端面」)
22 分割固定子組立体
24 コイル
24c コイルエンド部
29 モールド樹脂
3 固定型
4 可動型
6 加熱手段
X 隙間

Claims (2)

  1. 分割固定子組立体を焼き嵌めリングにより一体的に結合させた固定子組立体をインサート成形する方法であって、前記焼き嵌めリングを可動型と固定型で挟み、前記固定子組立体の端面から突出するコイルエンド部をモールド樹脂でモールドする固定子製造方法において、
    前記モールド樹脂が熱硬化性樹脂であること、
    前記モールド樹脂を注入する注入口が、前記焼き嵌めリングの一端面側に設けられていること、
    前記焼き嵌めリングの他端面付近を加熱する加熱手段を有すること、
    前記モールド樹脂を注入するときに、前記加熱手段で前記焼き嵌めリングの他端面付近を加熱することにより、前記加熱手段と接触するモールド樹脂を硬化させること、
    を特徴とする固定子製造方法。
  2. 分割固定子組立体を焼き嵌めリングにより一体的に結合させた固定子組立体をインサート成形する装置であって、前記焼き嵌めリングを可動型と固定型で挟み、前記固定子組立体の端面から突出するコイルエンド部をモールド樹脂でモールドする固定子製造装置において、
    前記モールド樹脂が熱硬化性樹脂であること、
    前記モールド樹脂を注入する注入口が、前記焼き嵌めリングの一端面側に設けられていること、
    前記焼き嵌めリングの他端面付近を加熱する加熱手段を有すること、
    を特徴とする固定子製造装置。


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