JP2012069292A - 回路遮断器 - Google Patents

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Abstract

【課題】スラストバーの他端が過度に回転することを規制すると共に、回路遮断器の故障を抑制可能な回路遮断器を提供する、
【解決手段】接点部13と、回動自在に支持されるハンドル140と、一端がハンドル140に回転自在に軸支されるスラストバー143及びスラストバー143の他端を係脱自在に係合する係合部を有し、ハンドル140の回転動作に応じて接点間を接離させるリンク機構14と、接点部に異常電流を検知した際、係合部の係合を解除して接点部13を開極させる電磁釈放手段150と、一方の端部14dが器体10に固定され、開極位置側へハンドル140を弾性付勢するハンドルばね147とを備え、係合突片141dは、トリップ時にスラストバー143を反時計方向に回転させる力を与え、ハンドルばね147の一方の端部14dは、係合部の近傍に延設されてスラストバー143の他端に当接してスラストバー143の回転を規制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路遮断器に関するものである。
従来から、器体と、器体内に配設される接点部と、ハンドル操作に応じて接点間を接離させるリンク機構と、異常電流が流れた際にリンク機構を駆動して接点間を開極させるトリップ機構と、表示部材とを備えた回路遮断器がある(例えば特許文献1参照)。
接点部は、固定接点及び当該固定接点に接離する可動接点を有している。
リンク機構は、一端がハンドルに回転自在に軸支されるスラストバーと、当該スラストバーの他端を係脱自在に係合する係合部が形成されたリンク片とを有し、ハンドルの回転動作に応じて可動接点を固定接点に接離させる。
そして、トリップ機構によって接点間が強制開極された際、リンク片の係合部とスラストバーの他端との係合状態が解除される。その際、リンク片が、スラストバーの他端に対して一方の回転方向に働く力を付与し、当該力によって一方向へ回転したスラストバーが表示部材に当接してスラストバーの一方向への回転が規制される。これにより、スラストバーの他端が、一方向へ過度に回転することを防止でき、トリップ状態から復帰させる際、スラストバーの他端を係合部へスムーズに戻すことができて当該係合部とスラストバーの他端との係合状態を容易に復帰させることができる。
特開2009−212065号公報
上記従来例における回路遮断器では、トリップ動作が行われた際、スラストバーの他端が表示部材に接触することで、スラストバーの過度の回転が規制されていることから、例えば表示部材が破損する等の不具合が回路遮断器に発生する虞があった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、スラストバーの他端が過度に回転することを規制すると共に、回路遮断器の故障を抑制可能な回路遮断器を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の回路遮断器は、器体と、固定接点及び当該固定接点に接離する可動接点を具備して前記器体内に配設される接点部と、前記器体の外部に露出する操作部を有して前記器体に対して回動自在に支持され、前記可動接点を前記固定接点に当接させる閉極位置と前記可動接点を前記固定接点から離間させる開極位置との間で回動するハンドルと、一端が前記ハンドルに回転自在に軸支されるスラストバー、及び当該スラストバーの他端を係脱自在に係合する係合部が形成されたリンク片を有し、前記ハンドルの回転動作に応じて前記可動接点を前記固定接点に接離させるリンク機構と、閉極時において前記接点部に流れる異常電流を検知した際、前記リンク片の係合部と前記スラストバーの他端との係合状態を解除し、前記接点部を開極させるトリップ動作を行うトリップ機構と、一端側が前記ハンドルに固定されて他端側が前記器体に固定され、閉極位置から開極位置へ回動する方向へ前記ハンドルを弾性付勢する捩りコイルからなるハンドルばねとを備え、前記リンク片は、前記トリップ動作が行われた際、前記スラストバーに対して一方の回転方向に働く力を与え、前記ハンドルばねの他端側は、前記係合部の近傍に延設されて一方向に回転する前記スラストバーの他端に当接し、当該スラストバーの一方向への回転を規制することを特徴とする。
本発明では、スラストバーの他端が過度に回転することを規制すると共に、回路遮断器の故障を抑制可能な回路遮断器を提供することができるという効果がある。
第1の実施形態におけるブレーカーのオフ状態を示し、第2ハーフを外した状態の第2ハーフ側から見た側面図である。 同上におけるブレーカーのオフ状態を示し、第2ハーフを外した状態の斜視図である。 同上におけるブレーカーの斜視図である。 同上におけるブレーカーのオン状態を示し、第2ハーフを外した状態の第2ハーフ側から見た側面図である。 同上におけるブレーカーのトリップ状態を示し、第2ハーフを外した状態の第2ハーフ側から見た側面図である。 同上におけるブレーカーのオン状態を示し、第1ハーフを外した状態で第1ハーフ側から見た、ハンドル周辺の側面図である。 同上におけるブレーカーを示し、第1ハーフにハンドルと可動バーと加圧ばねを取り付けた状態の説明図である。 同上におけるブレーカーに用いる支持アームの斜視図である。 同上におけるブレーカーを示し、図9Aは図3の表示部材周辺の断面図、図9Bは図4の表示部材周辺の断面図、図9Cは図5の表示部材周辺の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
本発明の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態は、正常な回路条件下で電流を投入し、流し、切ることができ、また短絡など定められた異常な回路条件下で電流を投入し、一定時間流し、切ることができる開閉装置、すなわちブレーカーである。以下、図1における上下左右を基準とし、上下左右方向に直交する方向を前後方向として説明を行う。
図1〜図5に示すように、本実施形態のブレーカーは、第1ハーフ11および第2ハーフ12から構成される器体10と、固定接点130および可動接点132を備えた接点機構13と、操作つまみ14aを有するハンドル140を備え、このハンドル140を介して固定接点130と可動接点132との間の電気的な接続をオンオフするよう構成されたリンク機構14と、固定接点130と可動接点132との間に異常電流(短絡電流および過負荷電流)を検知すると、リンク機構14にトリップ動作を行わせて接点を強制開極させるトリップ機構(電磁釈放手段150および熱動釈放手段151)と、接点のオン、オフ状態を表示するための合成樹脂製の表示部材16と、接点の開極時に発生するアークを速やかに消弧するための消弧装置17と、第1の外部電線など(図示せず)を電気的に接続するための第1の端子ブロック18と、第2の外部電線など(図示せず)を電気的に接続するための第2の端子ブロック19とを備える。
本実施形態のブレーカーは、リンク機構14の動作によって、図1,4,5に示すような異なる状態をとる。本実施形態のブレーカーのとりうる異なる状態として、まず、可動接点132が固定接点130から開離してハンドル140の操作つまみ14aが図1中左側にあるオフ状態がある。また、可動接点132が固定接点130に接触してハンドル140の操作つまみ14aが図4中右側にあるオン状態、及び可動接点132が固定接点130から開離してハンドル140の操作つまみ14aが図5中右側にあるトリップ状態がある。
図3に示すように、器体10は、丸孔状の2つの工具挿入口100,100を備える。工具挿入口100の奥には、それぞれねじストッパー101が形成される。また器体10は、左右の両側部にそれぞれ、第1の挿入口102と、第2の挿入口103と、排気口104とを備える。また器体10は、上部に操作開口105を備える。第1ハーフ11の上部には、矩形状の表示開口11oが形成されている。第1の挿入口102を備える側部が、器体10の厚さを定め、第1の挿入口102,102が設けられた左右の両側部が、器体10の長さを定める。本実施形態のブレーカーは、操作開口105が形成された上部を正面側として、使用される。
器体10を構成する第1ハーフ11および第2ハーフ12は、それぞれ、絶縁性を有する合成樹脂によって一面が開口した箱状に形成されている。図2に示すように、第1ハーフ11の内壁部の四隅および中央部には、貫通孔11aが形成されている。また、第1ハーフ11の左右両側壁には、開口を有する係止部11b,11bがそれぞれ設けられている。第2ハーフ12の内壁部の四隅および中央部には、ボス(図示せず)が突設されている。また、図3に示すように、第2ハーフ12の左右の両側壁には、それぞれ係止爪12bが設けられている。第1ハーフ11と第2ハーフ12とは、互いの開口部の開口縁を合わせ、第2ハーフ12のボスを第1ハーフ11の貫通孔11aにそれぞれ挿入した状態で、各係止爪12bを各係止部11bにそれぞれ引掛係止させる。
器体10の工具挿入口100は、第1ハーフ11の上部の開口縁に設けられた半円形の凹溝11cと、第2ハーフ12の上部の開口縁に設けられた半円形の凹溝(図示せず)とによって、それぞれ形成される。ねじストッパー101は、第1ハーフ11の内壁部に設けられたリブ11eと、第2ハーフ12の内壁部に設けられたリブ(図示せず)とによって、それぞれ形成される。これらのリブには、それぞれ、半円状に凹んだ凹溝が形成されている。第1の挿入口102は、第1ハーフ11の左右両側壁の開口縁に設けられた角穴状の凹溝11gと、第2ハーフ12の左右両側壁の開口縁に設けられた角穴状の凹溝(図示せず)とによって、それぞれ形成される。第2の挿入口103は、第1ハーフ11の左右両側壁の開口縁に設けられた角穴状の凹溝11iと、第2ハーフ12の左右両側壁の開口縁に設けられた角穴状の凹溝(図示せず)とによって、それぞれ形成される。排気口104は、第1ハーフ11の左右両側壁の開口縁に設けられた角穴状の凹溝11kと、第2ハーフ12の左右両側壁の開口縁に設けられた角穴状の凹溝(図示せず)とによって、それぞれ形成される。操作開口105は、第1ハーフ11の上部の開口縁に設けられた角穴状の凹溝11nと、第2ハーフ12の開口縁とによって、形成される。
接点機構13は、図1に示すように、固定接点130が設けられた固定接点板134と、可動接点132が設けられた可動バー136とを備える。固定接点板134および可動バー136は、所定の厚みを有する金属板に、抜き加工および曲げ加工を施して形成される。
固定接点板134は固定接点130を備え、器体10内の所定の位置に固定されている。
可動バー136はT字型であって、下部に可動接点132が設けられている。また、可動バー136の上部の右側には、図6に示すように、ばね受け片136aが設けられ、上部の左側には、図1に示すように、ストッパ片136bが設けられている。可動バー136の長手方向の中間部には、編組線137(図1,4,5以外では省略している)の一端が固着されている。可動バー136は、リンク機構14と連動することにより、可動接点132が固定接点130に接触する位置と、可動接点132が固定接点130から開離する位置との間で動くことができるようになっている。
次にリンク機構14の構成について図1、6を用いて説明を行う。リンク機構14は、ハンドル140と、支持アーム141と、ラッチ部材142と、第1、第2連動リンク143、144と、ラッチばね145と、リンクばね146と、ハンドルばね147と、加圧ばね148と、第1、第2回動軸14e、14oとを備えている。
ハンドル140は、合成樹脂から円柱状に形成されてその外周面に略直方体状の操作つまみ14aが形成されている。支持アーム141とラッチ部材142は、所定の厚みを有する金属板に抜き加工および曲げ加工を施して形成されている。スラストバー143とストップバー144は、丸棒状の金属棒の両端を一方向に各々折曲することによって略コの字状に形成される。ラッチばね145とリンクばね146とハンドルばね147と加圧ばね148は、それぞれ、両端部が互いに逆方向に突出するねじりコイルばねから形成される。第1回動軸14eと第2回動軸14oは、それぞれ、丸棒状の金属棒から形成される。
ハンドル140には、軸穴14bが形成され、前面には円周方向に沿った長孔状のガイド溝14cが形成されている。このハンドル140は、操作つまみ14aを器体10の操作開口105から露出させた状態で、軸孔14dが第1ハーフ11に設けられたハンドル軸11pに回動自在に支持される。そして、操作つまみ14aが開極位置(図1における左側)と閉極位置(図1における右側)との間で回動自在となっている。
ハンドルばね147は、図6に示すように、ハンドル140の後面と第1ハーフ11との間に配設され、巻回部147aにハンドル軸11pが挿通する。また、ハンドルばね147の一端147bは、ハンドル140の後面の外縁部に沿って形成される円弧状のリブ140aに係止され、他端は延設されて延設部147cが形成されてハンドル140から外方に突出している。
延設部147cは、それ自身もばねとして機能し、巻回部147a側の一部が図7に示すように、第1ハーフ11に設けられる半円筒状のリブ11mの溝部11rに係止される。ここで、延設部147は、後述する係合部Aの近傍まで延設されており、当該係合部Aと表示部材16との間に配設される。
ここで、ハンドルばね147は、中央の孔の径が大きくなる向きに付勢されている。そして、ハンドル140は、ハンドルばね147の付勢力によって、閉極位置から開極位置へ向かう方向(図1中反時計回り方向)に弾性付勢されている。
支持アーム141は、図8に示すように、第1ハーフ11側の第1側板141a、及び第2ハーフ12側の第2側板141b、及び第1側板141aと第2側板141bとを結合する中間片141cとを有する。第2側板141bの上端からは、右斜め上方へ延設されてなる係合突片141dが形成されている。また、第1側板141aの左側縁の略中央には、先端が上方向へ突出した略L字型の突出片141eが突出して形成されている。中間片141cは、第1側板141aの左側縁の上端と、第2側板141bの左側縁の上端とを結合している。また中間片141cの下端からは、可動バー136のストッパ片136bに対向する係合片141fが、下方へ突出して形成されている。
支持アーム141の第1側板141aと第2側板141bとには、上から上下方向にそって2つの挿通孔141g、141hが形成されている。そして、各挿通孔141gには、第2回動軸14oが挿通する。この第2回動軸14oは、第1ハーフ11内壁面に設けられる軸穴11hおよび第2ハーフ12の内壁面に設けられる図示しない軸穴に固定される。
可動バー136の上部は、支持アーム141の第1側板141aと第2側板141bとの間に介装される。そして、可動バー136に形成される図示しない挿通孔と、支持アームの挿通孔141hに第1回動軸14eが挿通される。これによって、支持アーム141が第2回動軸14oの周りで回動すると、可動バー136が支持アーム141と共に移動する。また、第1回動軸14eは、第1ハーフ11の内壁に設けた円弧状のガイドリブ11rに嵌合されて、このガイドリブ11rに沿って移動するように構成されている。支持アーム141は、第1回動軸14eが固定接点130から最も離れた位置にあるオフ位置(図1参照)と、第1回動軸14eが固定接点130に最も近づくオン位置(図4参照)との間で、第2回動軸14oの周りで回動自在となっている。
加圧ばね148は、図7に示すように、巻線部148aに第2回動軸14oが挿通され、一端部148b第1ハーフ11に設けたばね受け突起11jに当接し、他端部148cが、図6に示すように、可動バー136右側のばね受け片136aに当接する。この加圧ばね148は、可動バー136に対して、第1回動軸14eの周りで可動接点132から固定接点130へ向かう向き(図3中時計回りに回転する方向)の付勢力を与えている。また、可動バー136のストッパ片136bが支持アーム141の係合片141fに当接した状態では、可動バー136と支持アーム141とに対して、第2回動軸14oの回りに図3中反時計回りに回転する方向の付勢力を与える。
ラッチ部材142は、図1に示すように、上端左側にL字型の爪片142aを備え、上部右側にL字型のばね受け片142bが設けられている。また、ラッチ部材142の下部左側縁からは、第1押圧片142cが延設され、下部の右側縁からは、略L字型の第2押圧片142dが延設されている。このラッチ部材142は、略中央に第2回動軸14oが挿通され、第2回動軸14oの周りに回動自在に軸支されている。また、下端部に形成された略矩形状の切り欠き部142eにが第1回動軸14eが係合している。
スラストバー143は、左脚部143aがハンドル140に設けられた軸穴14bに回動自在に軸支され、右脚部143bが、ラッチ部材142上部の爪片142aおよび支持アーム141の上部の係合突片141dからなる係合部Aに係脱自在に係合する。
ストップバー144は、右脚部が支持アーム141左側縁の係合片141fに引掛係止されている。また、ストップバー144の左脚部は、ハンドル140に設けられたガイド溝14cに係入されている。
ラッチばね145は、巻回部に第2回動軸14oが挿通し、一端がラッチ部材142のばね受け片142bに係止されるとともに、他端が表示部材16に当接するように設けられる。ラッチばね145は、ラッチ部材142に対して、第2回動軸14oの周りで図3中時計回りに回転する方向の付勢力を与えている。
リンクばね146は、図1に示すように、巻線部にハンドル軸11pが挿通し、左端部がハンドル140に当接する。また、リンクばね146の右端部がストップバー144の左脚部に当接し、ストップバー144をガイド溝14c内で右方向へ弾性付勢している。
トリップ機構である電磁釈放手段150は、図1に示すように、平角巻線からなるコイル152と、コイルボビン153と、磁性材料からなる固定鉄芯(図示せず)及び可動鉄芯(図示せず)と、付勢ばね(図示せず)と、押圧ピン154と、ヨーク155とで構成される。コイル152の一端には、固定接点板134が固着されている。押圧ピン154は、可動鉄心に結合されている。ヨーク155は磁性材料によって左下部に切欠を有する中空矩形枠状に形成されて、ヨーク155に囲まれるようにコイルボビン153が配置される。ヨーク155の右側には、押圧ピン154を挿通する挿通孔15a(図2参照)が形成される。この電磁釈放手段150は、コイル152に電流が流れていない状態では、復帰ばねの付勢力によって可動鉄芯が固定鉄芯から離間し、可動鉄芯に連結された押圧ピン154が図1中左端の位置まで後退するように構成されている。短絡電流等の過大な電流がコイル152に流れると、復帰ばねの付勢力に抗して可動鉄芯が固定鉄芯に近づくように移動し、可動鉄芯に連結された押圧ピン154が右方向へ突出する。そして、押圧ピン154の先端部が、ラッチ部材142の下部左側に設けられた第1押圧片を右側へ押圧するようになっている。
トリップ機構である熱動釈放手段151は、図1に示すように、帯板状のバイメタル板156から構成される。バイメタル板156としては、自己発熱によって湾曲する形式の直熱型や、板状のヒータが積層されヒータによる加熱で湾曲する傍熱型のものを用いることができる。このバイメタル板156は、中間位置において、一端が可動バー136に固着された編組線137の他端に固着されている。また、バイメタル板156の下部には、編組線138(図1、4、5以外では、図示を省略している)の一端が固着されている。このバイメタル板156は、平常時は湾曲していない。過負荷電流のような過大な電流が流れた時には、過負荷電流によってバイメタル板156の温度が上昇する。これによりバイメタル板156が湾曲して、バイメタル板156の先端が、ラッチ部材142の第2押圧片142dを右側へ押圧するようになっている。
表示部材16は合成樹脂成型品からなり、第1ハーフ11の上面に開口する表示開口11o内で、オフ状態、オン状態、トリップ状態のいずれかを表示するために用いられる。図4に示すように、表示部材16の上部には、円弧状の表示部160が形成されている。
表示部160は、上面の円周方向の中間部がオフ状態を表示するオフ表示部、上面の円周方向の左側がオン状態を表示するオン表示部、上面の円周方向における右側がトリップ状態を表示するトリップ表示部となっている。
また、表示部材16は、その下部に、第2回動軸14oが挿入される軸孔を備えており、第2回動軸14o(旋回軸)に回動自在に軸支されている。表示部材16の中央部左側には、器体10の厚さ方向の一側(図4における紙面手前側)に突出する当接片161が設けられる。この当接片161は、支持アーム141の長手方向中央部に設けられた係合片141fに、上方から当接できるようになっている。
また当接片161には、ラッチばね145の一端が当接する。ラッチばね145は、表示部材16に対して、表示部材16が第2回動軸14oの回りに図4中反時計回りに回転するような付勢力(表示部160がハンドル140に近づく向きの付勢力)を与えている。
また、表示部160の下部には、台形状のベース板162が形成されている。ベース板162の下部には、器体10の厚さ方向の一側(図4における紙面奥側、図6における紙面手前側)に突出する突起状の突片163(図6参照)が設けられている。この突片163と係合部Aとの間に、ハンドルばね147の延設部147cが延設されている。
また、表示部160の図4中の左側端において、器体10の厚さ方向(図4における紙面に対して垂直方向)の両側縁からは、一対の係止爪片164,164が、表示部160の上面に沿って右側方向へそれぞれ延長するように形成されている。この係止爪片164,164は、第1ハーフ11に設けた係止突起11qおよび第2ハーフ12に設けた係止突起(図示せず)に係止される。
消弧装置17は、図4に示すように、アーク走行板170と消弧グリッド171とで構成される。アーク走行板170は、帯板状の金属板を曲げ加工することによって形成されている。アーク走行板170は、一端にバイメタル板156の基部が結合され、他端には消弧片172を備えている。消弧グリッド171は、上下方向に所定の間隔をおいて平行配置された複数枚の導電板からなる消弧板173と、絶縁材料により形成された2つの支持板174,174とで構成されている。支持板174,174は、各消弧板173の幅方向における両面を覆って各消弧板173を所定間隔で保持している。この消弧グリッド171は、消弧片172とヨーク155の下側との間に配置されている。尚、消弧装置17は従来周知のものを用いることができるので、詳細な説明は省略する。
第1および第2の外部電線などは、それぞれ第1の端子ブロック18または第2の端子ブロック19に接続される。第1の端子ブロック18は、図5に示すように、金属板によって断面角括弧状に形成され器体10に固定された固定端子180と、矩形状の金属片によって中空矩形枠状に形成された可動端子枠181と、合成樹脂から形成されたストッパー182と、端子ねじ183とを備えている。第2の端子ブロック19は、第1の端子ブロック18と同様の構造であって、固定端子190と、可動端子枠191と、ストッパー192と、端子ねじ193とを備えている。
第1の端子ブロック18の固定端子180には、一端がバイメタル板156の下部に固着された編組線138の他端が固着され、第2の端子ブロック19の固定端子190には、コイル152の一端が固着されている。この構成によって、可動接点132が固定接点130に閉じられた状態では、第1の端子ブロック18の固定端子180−編組線138−バイメタル板156−編組線137−可動バー136−可動接点132−固定接点130−固定接点板134−コイル152−第2の端子ブロック19の固定端子190の経路で、電路が形成される。
次に、本実施形態のブレーカーの動作について、図1、4,5、及び図9A〜9Cを参照しながら説明する。
まず、図1に示すオフ状態では、ハンドル140は、ハンドルばね147によって閉極位置から開極位置へ向かう方向(図1中の反時計回り)に付勢され、開極位置に保持されている。ラッチ部材142は、ラッチばね145による第2回動軸14o周りでの時計回り回転の付勢力を受けながら、スラストバー143の右脚部に係止される。加圧ばね148は、可動バー136に第2回動軸14o周りで時計回り回転の付勢力を与え、また、支持アーム141に第1回動軸14e周りで反時計回り回転の付勢力を与えている。支持アーム141は、加圧ばね148の付勢力を受けて、下部に挿通された第1回動軸14eが、ガイドリブ11rの終端位置(右端)で停止している。また可動バー136は、ストッパ片136bが支持アーム141の係合片141fに当接した位置で停止している。そして、可動接点132が固定接点130から開離している。表示部材16は、ラッチばね145による第2回動軸14oの周りでの反時計回り回転の付勢力を受けている。係止爪片164は、図9Aに示すように、第1ハーフの係止突起11qおよび第2ハーフの係止突起に右側から当接して、これらの係止突起に係止されている。表示部材16は、表示部160のオフ表示部が、表示開口11oを介して露出している(オフ表示位置)。
次に、ハンドル140の操作によって、オフ状態(図1参照)からオン状態(図4参照)へと移行する間の動作について説明する。オフ状態から、ハンドル140が時計回り方向へ回転されると、スラストバー143の右脚部143bによって、支持アーム141の係合突片141dが右向きに押圧される。これにより、支持アーム141は第2回動軸14oの周りで時計回りに回転する。このとき、第1回動軸14eに軸支された可動バー136も、支持アーム141とともに左側へ移動する。ここで、ストップバー144の左脚部が、右脚部とハンドル軸11pとを結ぶ直線よりも右にあるときには、ハンドル140の回転によって下側へ移動する。このとき、ストップバー144の右脚部が、可動バー136のストッパ片136bを下向きに押圧する。つまり可動バー136は、加圧ばね148によって第1回動軸14eの周りで時計回り方向の付勢力を受けながら、ストップバー144の右脚部から反時計回り方向に押圧される。この状態から、さらにハンドル140が回転されて、ストップバー144の左脚部が、右脚部とハンドル軸11pとを結ぶ直線よりも左に移動すると、ストップバー144は上側へ引き上げられる。このとき、ストップバー144の右脚部は上側へ移動し、可動バー136のストッパ片136bに対する押圧がなくなる。押圧がなくなると、可動バー136は、加圧ばね148の付勢力によって第1回動軸14eの周りで時計回りに急速に回転する。そして、可動接点132が固定接点130に当接する。これにより、可動接点132が、固定接点130に短時間で接触することになってアークの発生を抑制することができる。ラッチ部材142は、ラッチばね145の付勢力によって時計回りに回転する。また、表示部材16は、当接片161が支持アーム141の中間片141cから、上側へ押圧されることにより、第2回動軸14oの周りで時計回りに回転する。
オン状態(図4参照)においては、ラッチ部材142は、ラッチばね145による第2回動軸14o周りでの時計回り回転の付勢力を受けながら、スラストバー143の右脚部143bに係止される。可動バー136は、加圧ばね148によって、第1回動軸14eの周りで時計回り方向に付勢されている。ストップバー144の右脚部は、可動バー136のストッパ片136bと支持アーム141の左側縁とに当接している。また、スラストバー143の右脚部143bは、支持アーム141の係合突片141dとラッチ部材142の爪片142aとからなる係合部Aに係止されている。スラストバー143の左脚部143aが、ハンドル軸11pとスラストバー143の右脚部143bとを結ぶ線よりも下側に位置することによって、ハンドルばね147の付勢力と加圧ばね148の付勢力などがバランスしている。この力のバランスによって、ハンドル140の操作摘み14aが閉極位置で保持され、可動接点132と固定接点130との接触が保持される。また、加圧ばね149の付勢力によって、可動接点132と固定接点130の接圧が得られるようになっている。表示部材16は、ラッチばね145による反時計回り方向の付勢力を受け、当接片161が支持アーム141の中間片141cに接触している。表示部材16は、表示部160のオン表示部が表示開口11oを介して露出する(オン表示位置、図9B参照)。
続いて、ハンドル140の操作によって、オン状態(図4参照)からオフ状態(図1参照)へと移行する間の動作について説明する。オン状態から、ハンドル140を反時計回り方向へ所定角度回転させると、スラストバー143の右脚部143bが上側に引き上げられる。これにより、スラストバー143が支持アーム141を押圧する力がなくなる。そして、可動バー136は、加圧ばね148の付勢力によって第1回動軸14eの周りで時計回りに回転し、支持アーム141は、加圧ばね148の付勢力によって第2回動軸14oの周りで反時計回りに回転する。支持アーム141は、第1回動軸14eがガイドリブ11rの終端位置まで移動した位置で停止し、可動バー136は、上部左側のストッパ片136bが支持アーム141の係合片141fに当接した位置で停止する。そして、可動接点132が固定接点130から開離する。ここで、ハンドル140は、ハンドルばね147によって開極位置へ向かう方向(反時計回り方向)に付勢されている。従って、スラストバー143の左脚部143aが、ハンドル軸11pとスラストバー143の右脚部143bとを結ぶ線を左から右へ通過すると、ハンドル140は開極位置へ向かう方向に急速に回転する。これにより、可動接点132が固定接点130から急速に引き外されるので、アークの発生を抑制することができる。ラッチ部材142は、スラストバー143の右脚部143bに引かれて、第2回動軸14o周りで反時計回りに回転する。表示部材16は、ラッチばね145の付勢力によって第2回動軸14oの周りに反時計回り方向に回転され、係止爪片164が係止突起11qに係止される。
更に、電磁釈放手段150または熱動釈放手段151が異常電流を検出することで、オン状態(図4参照)から接点が開極されたトリップ状態(図5参照)へと移行するときの動作について説明する。
電磁釈放手段150または熱導釈放手段151が異常電流を検出すると、ラッチ部材142の第1押圧片142cが押圧ピン154に押圧される、または、第2押圧片142dがバイメタル板156に押圧される。すると、ラッチ部材142が第2回動軸14oの周りで反時計回りに回転し、支持アーム141の係合片141fに対する右方向への押圧がなくなる。すると、可動バー136および支持アーム141は、可動バー136のストッパ片136bが支持アーム141の係合片141fに当接した状態で、加圧ばね148の付勢力によって第2回動軸14oの周りで反時計回りに回転する。これにより、可動接点132が固定接点130から開離する。その際、図5に示すように、スラストバー143の右脚部143bが、支持アーム141の係合突片141dに押圧されてラッチ部材142のばね受け片142bに乗り上げる。このようにして、スラストバー143が、左脚部143aを回転中心として反時計周りに回転し、右脚部143bがハンドルばね147の延設部147cに下方から接触して当該延設部147cを上方に変位させる。ここで、スラストバー143は、その右脚部143bが延設片147cに当接することで反時計方向への過度の回転が規制される。
そして、延設部147cが、表示部材16の突片163に接触して当該突片163を押し上げ、表示部材16を第2回動軸14oの周りで反時計回りに回転させる。このとき、図9Cに示すように、表示部材16はオフ状態の位置を超えてさらに回転し、係合爪片164が係止突起11qを乗り越える。そして、表示部160のトリップ表示部が、表示開口11oから露出する(トリップ表示位置)。
トリップ動作の終了後、ハンドルばね147の付勢力によって、ハンドル140は開極位置まで反時計回りに回転する。ここで、スラストバー143の右脚部143bは、ハンドルばね147の延設部147cの復元力によって下向きに押圧される。これにより、スラストバー143の右脚部143bは、ラッチ部材142のばね受け片142bに沿って左へ移動して爪片142aに当接する。つまり、スラストバー143の右脚部143bは、ハンドルばね147における延設部147cの復元力によって自動的に係合部Aまで復帰する。
また、表示部材16は、係止爪片164が第1ハーフの係止突起11qおよび第2ハーフの係止突起を乗り越えた位置で停止する。表示部材16は、表示開口11oからトリップ表示部を露出させた状態で保持される(図9C参照)。つまりブレーカーは、表示部材16の回転位置を除けばオフ状態と同様の状態となる。
トリップ動作終了後の状態からオン状態に移行するときの動作は、オフ状態からオン状態に移行するときと同様であるので、説明は省略する。
上記の通り本実施形態の回路遮断器では、トリップ動作が行われた際、スラストバー143の右脚部143bが、係合部Aの近傍に延設された延設部147cに当接することで反時計方向への過度の回転が規制される。
また、延設部147cが、弾性を有することから、係合部Aから外れたスラストバー143の右脚部143bは、延設部147cの復元力によって自動的に係合部Aに復帰することとなり、トリップ状態からの復帰がスムーズに行われる。
また、従来例の回路遮断器では、スラストバー143の右脚部143bが表示部材16に直接接触していたが、本実施形態の回路遮断器では、スラストバー143の右脚部143bがハンドルばね147の延設部147cに接触した後に当該延設部147cが表示部材16に当接する。
つまり、本実施形態の回路遮断器では、スラストバー143の右脚部143bが表示部材16に直接接触することがなく、スラストバー147の右脚部143bの接触により押し上げられた延設片147cが表示部材16に接触することで、表示部材16が回転してトリップ表示を行う。そのため、表示部材16にかかる負荷を低減することができ、例えば表示部材16の破損等を防止して回路遮断器の故障を抑制することができる。
10 器体
13 接点部(接点機構)
14 リンク機構
14a 操作つまみ(操作部)
140 ハンドル
141d 係合突片
142a 爪片
143 スラストバー
147 ハンドルばね
147c 延設部
150 電磁釈放手段(トリップ機構)
151 熱動釈放手段(トリップ機構)

Claims (1)

  1. 器体と、
    固定接点及び当該固定接点に接離する可動接点を具備して前記器体内に配設される接点部と、
    前記器体の外部に露出する操作部を有して前記器体に対して回動自在に支持され、前記可動接点を前記固定接点に当接させる閉極位置と前記可動接点を前記固定接点から離間させる開極位置との間で回動するハンドルと、
    一端が前記ハンドルに回転自在に軸支されるスラストバー、及び当該スラストバーの他端を係脱自在に係合する係合部が形成されたリンク片を有し、前記ハンドルの回転動作に応じて前記可動接点を前記固定接点に接離させるリンク機構と、
    閉極時において前記接点部に流れる異常電流を検知した際、前記リンク片の係合部と前記スラストバーの他端との係合状態を解除し、前記接点部を開極させるトリップ動作を行うトリップ機構と、
    一端側が前記ハンドルに固定されて他端側が前記器体に固定され、閉極位置から開極位置へ回動する方向へ前記ハンドルを弾性付勢する捩りコイルからなるハンドルばねとを備え、
    前記リンク片は、前記トリップ動作が行われた際、前記スラストバーに対して一方の回転方向に働く力を与え、
    前記ハンドルばねの他端側は、前記係合部の近傍に延設されて一方向に回転する前記スラストバーの他端に当接し、当該スラストバーの一方向への回転を規制することを特徴とする回路遮断機。

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