WO2014167603A1 - 動作表示機構、回路遮断器、複合遮断器、及び表示部材 - Google Patents

Abstract

動作表示機構（５０）は、回路遮断器の回路の動作状態を表示する表示部材（５１）を備える。表示部材（５１）は、ハンドルによる遮断機構の接点の開閉や、回路が所定の動作状態に達したことで引外装置によって遮断機構の接点間が引き外されたことを表示する。表示部材（５１）は、ばね係合部（５６）や係合凸部（５８）を備える。ばね係合部（５６）は漏電遮断器の右極の遮断機構に係合可能であって、係合凸部（５８）は漏電遮断器の左極の遮断機構に係合可能である。

Description

動作表示機構、回路遮断器、複合遮断器、及び表示部材

　本発明は、動作表示機構、回路遮断器、複合遮断器、及び表示部材に関する。

　回路遮断器には、電源に接続される端子部と、負荷に接続される端子部とが設けられている。回路遮断器は、電源と負荷とを接続した回路において所定の回路状態に達した際には、接点間を引き外して回路を遮断する（例えば、特許文献１）。回路遮断器は、例えば、配線用遮断器、漏電遮断器、過電圧遮断器、不足電圧遮断器等がある。配線用遮断器は、短絡又は過負荷による異常電流が流れた際に回路を遮断する。漏電遮断器は、漏電が発生した際に回路を遮断する。過電圧遮断器は、回路の電圧が所定電圧よりも高い際に回路を遮断する。不足電圧遮断器は、回路の電圧が所定電圧よりも低い際に回路を遮断する。配線用遮断器や漏電遮断器に上記の過電圧遮断器や不足電圧遮断器等の回路遮断器を組み合わせた複合遮断器を使用することもある。

　上記の回路遮断器は、接点間を開閉する遮断機構と、回路を開閉操作するハンドルと遮断機構の接点間を引き外す引外装置と、回路の動作状態を表示する動作表示機構と、を備えている。

特開平８－１３８５２１号公報

　ところで、上記回路遮断器では、遮断器ごとに異なる動作表示機構が備えられているため、遮断器ごとに異なる表示部材が必要であり、部品管理が煩雑である。
　本発明の目的は、部品管理が容易にできる動作表示機構、回路遮断器、複合遮断器、及び表示部材を提供することにある。

　以下、上記目的を達成するための手段について説明する。
　上記課題を解決する動作表示機構は、ハンドルの手動操作に応じた遮断機構の接点の開閉状態と、回路が所定の動作状態に達したときに引外装置によって遮断機構の接点間が引き外された状態とを含む、回路遮断器の複数の状態を表示する表示部材を備え、前記表示部材は、複数の回路遮断器の異なる種類の遮断機構にそれぞれ係合可能な複数の係合部を備えることをその要旨としている。

　上記動作表示機構について、前記複数の回路遮断器は、配線用遮断器を含み、前記複数の係合部は、前記表示部材が前記配線用遮断器の遮断機構と連動して移動するように前記配線用遮断器の前記遮断機構と係合する係合部を含むことが好ましい。

　上記動作表示機構について、前記複数の回路遮断器は、漏電遮断器を含み、前記複数の係合部は、前記表示部材が前記漏電遮断器の遮断機構と連動して移動するように前記漏電遮断器の前記遮断機構と係合する係合部を含むことが好ましい。

　上記課題を解決する回路遮断器は、動作表示機構と、遮断機構とを備えることをその要旨としている。
　上記課題を解決する複合遮断器は、動作表示機構と、異なる種類の遮断機構をそれぞれ有する複数の回路遮断器とを備えることをその要旨としている。

　上記課題を解決する表示部材は、第１の遮断機構を含む第１の回路遮断器及び第２の遮断機構を含む第２の回路遮断器のいずれか一つに内蔵される表示部材であって、回動軸に回動可能に取り付けられた支持部と、複数の分割表示領域を有するとともに、前記回動軸から遠隔位置において前記支持部に支持された表示部と、前記支持部において前記表示部の近傍に形成され、前記第１の回路遮断器の前記第１の遮断機構に直接又は間接的に接続されるように構成された第１係合部と、前記支持部において前記表示部から遠隔位置に形成され、前記第２の回路遮断器の記第２の遮断機構に直接又は間接的に接続されるように構成された第２係合部と、を備え、前記支持部、前記表示部、前記第１係合部及び前記第２係合部が一体的に成型された単一部品であることをその要旨としている。

　上記課題を解決する複合遮断器は、第１の遮断機構と、前記第１の遮断機構と接続された第１の表示部材とを含む第１の回路遮断器と、第２の遮断機構と、前記第１の遮断機構と接続された第２の表示部材とを含むとともに、前記第１の回路遮断器と結合された第２の回路遮断器とを備え、前記第１及び第２の表示部材がいずれも上記表示部材であることをその要旨としている。

　本発明によれば、部品管理が容易にできる。

漏電遮断器の外観を示す斜視図。 漏電遮断器の右極と左極との組み付け状態を示す斜視図。 漏電遮断器の右極の構成を示す分解斜視図。 オフ状態における漏電遮断器の右極の構成を示す左側面図。 オフ状態における漏電遮断器の右極の構成を示す右側面図。 漏電遮断器の右極の遮断機構の構成を示す右側斜視図。 漏電遮断器の右極の遮断機構の構成を示す左側斜視図。 漏電遮断器の右極の遮断機構の構成を示す分解斜視図。 表示部材の構造を示す斜視図。 オフ状態における漏電遮断器の右極の構成を示す左側面拡大図。 オフ状態における漏電遮断器の右極の構成を示す右側面拡大図。 オン状態とオフ状態との途中における漏電遮断器の右極の構成を示す左側面拡大図。 オン状態とオフ状態との途中における漏電遮断器の右極の構成を示す右側面拡大図。 オン状態における漏電遮断器の右極の構成を示す左側面拡大図。 オン状態における漏電遮断器の右極の構成を示す右側面拡大図。 短絡トリップした瞬間における漏電遮断器の右極の構成を示す左側面拡大図。 短絡トリップした瞬間における漏電遮断器の右極の構成を示す右側面拡大図。 短絡トリップ状態における漏電遮断器の右極の構成を示す左側面拡大図。 短絡トリップ状態における漏電遮断器の右極の構成を示す右側面拡大図。 漏電遮断器の左極の構成を示す分解斜視図。 オフ状態及びテストボタンのオフ状態における漏電遮断器の左極の構成を示す左側面図。 オフ状態及びテストボタンのオフ状態における漏電遮断器の左極の構成を示す右側面図。 漏電遮断器の左極の遮断機構の構成を示す右側斜視図。 漏電遮断器の左極の遮断機構の構成を示す左側斜視図。 漏電遮断器の左極の遮断機構の構成を示す分解斜視図。 リンク部材の構造を示す斜視図。 オフ状態及びテストボタンのオフ状態における漏電遮断器の左極の遮断機構の構成を示す右側斜視図。 オフ状態及びテストボタンのオフ状態における漏電遮断器の左極の遮断機構の構成を示す左側斜視図。 オン状態及びテストボタンのオフ状態における漏電遮断器の左極の構成を示す左側面拡大図。 オン状態及びテストボタンのオフ状態における漏電遮断器の左極の構成を示す右側面拡大図。 漏電トリップした瞬間における漏電遮断器の左極の構成を示す左側面拡大図。 漏電トリップした瞬間における漏電遮断器の左極の構成を示す右側面拡大図。 漏電トリップ状態における漏電遮断器の左極の構成を示す左側面拡大図。 漏電トリップ状態における漏電遮断器の左極の構成を示す右側面拡大図。 オフ状態及びテストボタンのオン状態における漏電遮断器の左極の構成を示す左側面拡大図。 オフ状態及びテストボタンのオン状態における漏電遮断器の左極の構成を示す左側面拡大図。 オン状態及びテストボタンのオン状態における漏電遮断器の左極の構成を示す左側面拡大図。 オン状態及びテストボタンのオン状態における漏電遮断器の左極の構成を示す左側面拡大図。

　以下、回路遮断器の一実施形態について説明する。
　図１に示したように、回路遮断器は、例えば、短絡又は過負荷による異常電流が流れたときに回路を遮断する右極１と、漏電を検出した際に回路を遮断する左極２とを備えた漏電遮断器である。

　漏電遮断器の右極１の筐体１０と漏電遮断器の左極２の筐体２１０とは、例えば扁平状である。漏電遮断器の右極１と漏電遮断器の左極２との並ぶ方向における筐体１０，２１０の幅Ｗ１は、漏電遮断器の右極１と漏電遮断器の左極２との並ぶ方向と直交する方向の筐体１０，２１０の幅Ｗ２よりも短い。漏電遮断器の右極１の筐体１０の長手方向の両端には、それぞれ外部電線を接続する負荷側端子部１１と電源側端子部１２が配置されている。漏電遮断器の左極２の筐体２１０の長手方向の両端面には、それぞれ外部電線を接続するための負荷側端子部２１１と電源側端子部２１２とが配置されている。負荷側端子部１１，２１１は図面奥側であって、電源側端子部１２，２１２は図面手前側である。漏電遮断器の右極１のハンドル３０と漏電遮断器の左極２のハンドル２３０とは、ハンドルカバー２００によって連結されている。

　図２に示されるように、漏電遮断器の左極２の筐体２１０の外面には、係合爪１３が設けられている。漏電遮断器の右極１の筐体１０には、係合孔２１３が設けられている。漏電遮断器の左極２は、係合爪１３を漏電遮断器の右極１の係合孔２１３に係合させることで漏電遮断器の右極１に組み付けられる。漏電遮断器の右極１及び漏電遮断器の左極２がそれぞれ第１の回路遮断器及び第２の回路遮断器に相当する。

　まず、図３～図１９を参照して、漏電遮断器の右極１について説明する。
　図３に示されるように、漏電遮断器の右極１の筐体１０は、第１カバー１４と第２カバー１５とを備えている。第１カバー１４と第２カバー１５とは、絶縁性を有する合成樹脂によって形成されている。第１カバー１４と第２カバー１５とは、開口部１４ａ，１５ａを備えた箱状に形成されている。第１カバー１４の開口部１４ａと第２カバー１５の開口部１５ａとは対向して組み付けられる。第１カバー１４と第２カバー１５とによって形成される空間には、ハンドル３０と、動作表示機構５０と、遮断機構６０と、消弧装置１３０と、熱動引外装置１４０と、電磁引外装置１５０とが配置されている。

　図４及び図５に示されるように、ハンドル３０は、回路を開閉する際に操作される。動作表示機構５０は、回路の動作状態を表示する。遮断機構６０は、固定接点６２と可動接点７５とを開閉する。固定接点６２は、コイル１５１と漏電遮断器の左極２の第２接続線３３３とを介して負荷端子板１１ａに接続される。可動接点７５は、電源側端子部１２に接続されている。消弧装置１３０は、遮断機構６０によって発生するアークを消弧する。熱動引外装置１４０は、回路に過電流が流れた際に、遮断機構６０を動作させて、固定接点６２と可動接点７５とを引き外す。電磁引外装置１５０は、回路に短絡電流等の過電流が発生した際に、遮断機構６０を動作させて、固定接点６２と可動接点７５とを引き外す。漏電遮断器の右極１の筐体１０の上面中央には、ハンドルゲート１６が形成されている。漏電遮断器の右極１の筐体１０の上面の電源側端子部１２側には、表示窓１７が形成されている。

　ハンドル３０は、円柱状の回動部３１と、操作部３２とを備えている。回動部３１は、第１回動軸１８を中心に回動する。第１回動軸１８は、第１カバー１４に設けられている。操作部３２は、回動部３１に接続され、ハンドルゲート１６から突出している。操作部３２が電源側端子部１２側に位置するときがオン位置（通電位置）である。操作部３２が負荷側端子部１１側に位置するときがオフ位置（電流遮断位置）である。

　熱動引外装置１４０は、電源側端子部１２側に設置されている。熱動引外装置１４０は、帯状のバイメタル板１４１を備えている。バイメタル板１４１は、遮断機構６０に向かって延出している。バイメタル板１４１の下部は、編組線１４２によって電源端子板１２ａに接続されている。また、バイメタル板１４１の上部は、編組線１４３によって可動接点部材７０に接続されている。可動接点部材７０は、可動接点７５を備えている。バイメタル板１４１は、平常時には湾曲していない。一方、過負荷電流等の過電流が流れると自身の温度が上昇することで、バイメタル板１４１の先端が電源側端子部１２側に近づくように湾曲する。

　消弧装置１３０は、負荷側端子部１１側に設置されている。消弧装置１３０は、アーク走行板１３１と、消弧グリッド１３２と、を備える。アーク走行板１３１は、曲げ加工された帯状の金属板から形成されている。消弧グリッド１３２は、アーク走行板１３１と電磁引外装置１５０との間に配置されている。消弧グリッド１３２は、複数の消弧板１３３と、消弧板１３３を支持する支持板１３４と、を備えている。消弧板１３３は、導電板からなる。支持板１３４は、絶縁性を有する材料から形成されている。複数の消弧板１３３は、所定の間隔で平行に配置されている。各消弧板１３３の側部は、支持板１３４によって支持されている。

　電磁引外装置１５０は、消弧装置１３０の上部に設置されている。電磁引外装置１５０は、コイル１５１と、ボビン部１５２と、ヨーク部材１５５と、を備えている。ボビン部１５２は、コイル１５１の内部に挿入される。ヨーク部材１５５は、磁性材料から形成されている。

　ボビン部１５２は、円筒状のコイルボビン１５３と、押圧ピン１５４と、を備えている。押圧ピン１５４は、コイルボビン１５３の内部に挿入される。押圧ピン１５４の一端部は、コイルボビン１５３の電源側端子部１２側の開口部から突出している。ボビン部１５２は、コイルボビン１５３の内部に、固定鉄心と、可動鉄心と、コイルばねと、を備えている。固定鉄心及び可動鉄心は、磁性材料から形成されている。可動鉄心は、コイルボビン１５３の内壁に沿って移動可能に設置されている。可動鉄心の端部は、押圧ピン１５４の他端部に接続されている。可動鉄心は、コイルばねによって固定鉄心から負荷側端子部１１側に付勢されている。すなわち、押圧ピン１５４は、コイルばねによってコイルボビン１５３の内部に付勢されている。

　ヨーク部材１５５は、コイル１５１の巻き方向と直交する方向においてコイル１５１を覆っている。ヨーク部材１５５の電源側端子部１２側には、屈曲した固定接点部材６１を備えている。固定接点部材６１の中間部の電源側端子部１２側には、固定接点６２が設けられている。

　電磁引外装置１５０では、コイル１５１に電流が流れていないときは、コイルばねの付勢力によって可動鉄心が付勢される。すなわち、押圧ピン１５４は、コイルボビン１５３に最も近い位置に配置される。一方、コイル１５１に短絡電流等の過電流が流れると、電磁力によって可動鉄心がコイルばねの付勢力に抗して押圧ピン１５４側に移動するため、押圧ピン１５４がコイルボビン１５３から遮断機構６０に向けて突出する。

　なお、漏電遮断器の定格電流の大きさによっては、ボビン部１５２から固定鉄心が割愛されてもよい。
　固定接点６２と可動接点７５とを開く際に発生したアークは、ヨーク部材１５５とアーク走行板１３１とによって消弧グリッド１３２へ誘導される。そして、アークは、消弧グリッド１３２に引き込まれて消弧される。

　遮断機構６０は、電源側端子部１２側に設置されている。アーク走行板１３１の上方には、固定接点部材６１と可動接点部材７０とが位置している。遮断機構６０は、ハンドル３０の変位を可動接点部材７０に伝達する。

　動作表示機構５０は、遮断機構６０とリンクしている。動作表示機構５０は、動作状態を表示する表示部材５１を備えている。表示部材５１は、遮断機構６０によって変位される。表示部材５１は、表示窓１７から露出する。

　上記構成によって、固定接点６２と可動接点７５とが閉じられた状態では、電源端子板１２ａ－バイメタル板１４１－可動接点部材７０－可動接点７５－固定接点６２－ヨーク部材１５５－コイル１５１－第２接続線３３３－負荷端子板１１ａの経路で電路が形成される。

　次に、図６～図９を参照して、漏電遮断器の右極１の遮断機構６０及び動作表示機構５０の構成について説明する。
　図６及び図７に示されるように、ハンドル３０の回動部３１には、ハンドル３０の変位を伝達するスラストバー６３とストップバー６４とが接続される。スラストバー６３とストップバー６４とは、Ｕ字状に形成された棒材である。回動部３１には、第１回動軸１８と同軸方向に接続穴３３と制御孔３４とが形成されている。制御孔３４は、円周方向に沿った長孔である。接続穴３３には、スラストバー６３の操作側端部６３ａが嵌装されている。制御孔３４には、ストップバー６４の操作側端部６４ａが嵌装されている。

　回動部３１には、ハンドルばね４０が嵌装されている。ハンドル３０の回動部３１と第１カバー１４との間には、ハンドルばね４０が配置される。ハンドルばね４０の巻線部４１は、第１回動軸１８に通され、ハンドル３０のハンドルばね溝３５に配置されている。ハンドルばね４０の第１端部４２は、制御孔３４を跨いで係止溝３６に当接している。そして、ストップバー６４の操作側端部６４ａは、制御孔３４内において、ハンドルばね４０の第１端部４２と制御孔３４の周壁との隙間に通される。ストップバー６４の操作側端部６４ａは、この隙間内において回転可能である。ハンドルばね４０の第２端部４３は、２箇所で略直角に折り曲げられている。第２端部４３の折曲部４４は、表示部材５１に当接する。よって、回動部３１は、第１カバー１４によって位置決めされたハンドルばね４０によってオフ位置に付勢されている。

　遮断機構６０は、可動接点部材７０と、伝達部材８０と、ラッチ部材１００と、ラッチばね１１５と、接点ばね９０と、動作伝達部材１２０と、を備えている。伝達部材８０は、ストップバー６４の伝達側端部６４ｂが係合されている。ラッチ部材１００は、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂが係合されている。可動接点部材７０は、伝達部材８０の変位に応じて変位する。

　第１回動軸１８の下方には、第２回動軸６５が位置している。第２回動軸６５は、筐体１０に固定される。表示部材５１と伝達部材８０とラッチ部材１００とは、第２回動軸６５を中心に回動する。伝達部材８０と可動接点部材７０とは、移動軸６７によって回動可能に連結されている。移動軸６７は、筐体１０に固定されていないので変位可能である。第２回動軸６５の電源側端子部１２側には、第３回動軸６６が位置している。第３回動軸６６は、筐体１０に固定されている。動作伝達部材１２０は、第３回動軸６６を中心に回動する。

　図８に示されるように、伝達部材８０は、第１側板８１と、第２側板８２と、接続片８３とを備えている。接続片８３は、第１側板８１の側縁の上端と第２側板８２の側縁の上端とを結合する。第２側板８２のハンドル３０側には、係合突片８４が形成されている。また、第１側板８１の側縁の略中央には、Ｌ字型の突出片８５が形成されている。接続片８３の下端には、可動接点７５側へ突出する係合片８６が形成されている。係合片８６は、ストップバー６４の伝達側端部６４ｂと係合する。

　第１側板８１と第２側板８２とには、第１挿通孔８７と、第２挿通孔８８とがそれぞれ形成されている。第１挿通孔８７には、第２回動軸６５が挿通される。第２挿通孔８８には、移動軸６７が挿通される。

　ラッチ部材１００の中央には、第２回動軸６５が挿通されるラッチ挿通孔１０１が形成されている。ラッチ部材１００は、ラッチ挿通孔１０１を中心として、二方向に延びる第１脚部１０２と第２脚部１０３とを備えている。第１脚部１０２は、ラッチ挿通孔１０１から移動軸６７側に延びている。第２脚部１０３は、ラッチ挿通孔１０１から移動軸６７と反対側に延びている。

　第１脚部１０２は、第１脚部１０２の先端から二方向に延びる第１副脚部１０４と第２副脚部１０５とを備えている。第１副脚部１０４は、第１脚部１０２の先端から負荷側端子部１１側に延びている。第１副脚部１０４の先端には、第１カバー１４側に屈曲する第１押圧片１０６が形成されている。第１押圧片１０６は、短絡電流等の過電流が流れたときに、コイルボビン１５３から突出した押圧ピン１５４によって押される。第１副脚部１０４の基端には、ラッチ溝１０７が形成されている。ラッチ溝１０７には、移動軸６７が配置される。第２副脚部１０５は、第１脚部１０２の先端から電源側端子部１２側に延びている。第２副脚部１０５の先端には、鉤状の第２押圧片１０８が形成されている。第２押圧片１０８は、過負荷電流等の過電流が流れたときに、湾曲したバイメタル板１４１の先端によって押される。第１脚部１０２と第２副脚部１０５との接続部には、伝達凸部１０９が形成されている。伝達凸部１０９は、動作伝達部材１２０と当接する。

　第２脚部１０３は、第２脚部１０３の先端から二方向に延びる第３副脚部１１１と第４副脚部１１２とを備えている。第３副脚部１１１は、第２脚部１０３の延びる方向に直線状に伸びている。第３副脚部１１１の先端には、電源側端子部１２側に略直角に屈曲するラッチ屈曲片１１３が形成されている。ラッチ屈曲片１１３には、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂが係合する。

　第４副脚部１１２は、第２脚部１０３の先端から電源側端子部１２側に屈曲して延びている。第４副脚部１１２の先端には、ラッチばね溝１１４が形成されている。ラッチばね溝１１４は、ラッチばね１１５の一端を係止している。

　ラッチばね１１５は、伝達部材８０の第１側板８１と第２側板８２との間に配置される。ラッチばね１１５の巻線部１１６には、第２回動軸６５が挿通されている。ラッチ部材１００は、ラッチ溝１０７に移動軸６７が配置される範囲で第２回動軸６５を中心に回動可能である。ラッチばね１１５の第１端部１１７は、ラッチ部材１００のラッチばね溝１１４に係止されている。ラッチばね１１５の第２端部１１８は、表示部材５１に係止される。ラッチ部材１００は、ラッチばね１１５によって、第２回動軸６５を中心に第１押圧片１０６が押圧ピン１５４に近づく方向に付勢されている。

　可動接点部材７０の中央には、接点挿通孔７１が形成されている、可動接点部材７０は、接点挿通孔７１を中心として三方向に延びる第１脚部７２と第２脚部７３と第３脚部７４とを備えている。第１脚部７２は、接点挿通孔７１から直線状に延びている。第１脚部７２には、可動接点７５が設けられている。第２脚部７３は、接点挿通孔７１からハンドル３０側に延びている。第２脚部７３の先端には、接点接触部７６が設けられている。接点接触部７６は、固定接点６２と可動接点７５とが開かれるときに、伝達部材８０の係合片８６と接触する。第３脚部７４は、接点挿通孔７１から電源側端子部１２側に延びている。第３脚部７４の端部には、接点ばね溝７７が形成されている。接点ばね溝７７には、接点ばね９０の一端が係止されている。

　接点ばね７８は、第１側板８１と第１カバー１４との間に配置される。接点ばね９０の巻線部９１には、第２回動軸６５が挿入されている。接点ばね９０の第１端部９２は、可動接点部材７０の接点ばね溝７７に当接している。接点ばね９０の第２端部９３は、第１カバー１４の内壁に支持されている。

　動作伝達部材１２０は、ラッチ受部１２１が形成されている。ラッチ受部１２１は、ラッチ部材１００の伝達凸部１０９が当接する。動作伝達部材１２０は、ラッチ部材１００が当接すると変位する。動作伝達部材１２０には、連結棒１２２が挿通される。動作伝達部材１２０は、連結棒１２２によって可動接点部材７０の変位を漏電遮断器の左極２に伝達する。

　図９に示されるように、表示部材５１は、挿通孔５２が形成された支持部５３を備えている。挿通孔５２には、第２回動軸６５が挿通される。支持部５３の側部には、ラッチばね１１５の第２端部１１８を係止する係止部５４が設けられている。支持部５３の長手方向中央の第２カバー１５側には、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂとの干渉を避ける非干渉部５５が設けられている。支持部５３の長手方向中央の第１カバー１４側には、ハンドルばね４０の第２端部４３が当接するばね係合部５６が設けられている。支持部５３の先端には、表示部５７が設けられている。表示部５７は、第２回動軸６５から遠隔位置において支持部５３に支持されている。ばね係合部５６は、支持部５３において表示部５７の近傍に形成されている。ばね係合部５６は、第１係合部に相当する。

　表示部５７の上面は、表示部材５１の方向に沿って３つの領域に区画されている。漏電遮断器の右極１に利用される表示部材５１では、ハンドル３０側から順にオン状態を示すオン領域５７ａ、オフ状態を示すオフ領域５７ｂ、トリップ状態を示すトリップ領域５７ｃと配置されている。これらの分割表示領域５７ａ，５７ｂ，５７ｃのいずれか１つが表示窓１７から露出する。オン状態は、固定接点６２と可動接点７５とがハンドル３０の操作によって閉じられた状態である。オフ状態は、固定接点６２と可動接点７５とがハンドル３０の操作によって開かれた状態である。トリップ状態は、固定接点６２と可動接点７５とが熱動引外装置１４０又は電磁引外装置１５０の作動によって開かれた状態である。これらの領域５７ａ，５７ｂ，５７ｃは、異なる色に着色されている。

　図１０～図１９を参照して、漏電遮断器の右極１の動作について説明する。
　まず、ハンドル３０をオフ位置からオン位置に動かして、漏電遮断器の右極１を図１０及び図１１に示されるオフ状態から、図１２及び図１３に示されるオン直前状態を経て、図１４及び図１５に示されるオン状態に切り替える際の動作について説明する。

　図１２及び図１３に示されるように、ハンドル３０をオフ位置からオン位置に向けて回転させると、伝達部材８０の係合突片８４は、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂによって電源側端子部１２側に押される。伝達部材８０は、第２回動軸６５を中心にハンドル３０と同一方向に回転する。伝達部材８０の係合片８６は、可動接点部材７０の接点接触部７６から離れる。可動接点部材７０は、移動軸６７によって伝達部材８０と一体に、第２回動軸６５を中心に固定接点部材６１側に回転する。そして、可動接点７５は、固定接点６２に近づく。

　ここで、ストップバー６４の伝達側端部６４ｂと第１回動軸１８とを結ぶ直線を第１切替境界線Ｌ１とする。ハンドル３０が回転されて、ストップバー６４の操作側端部６４ａが第１切替境界線Ｌ１よりも電源側端子部１２側に位置すると、ストップバー６４の操作側端部６４ａは、可動接点部材７０側に変位される。したがって、ストップバー６４の伝達側端部６４ｂは、可動接点部材７０の接点接触部７６を固定接点部材６１側へ押す。その結果、可動接点部材７０は、移動軸６７を中心に可動接点７５が固定接点６２に近づく方向に接点ばね９０の付勢力を受ける。一方で、可動接点部材７０は、ストップバー６４の伝達側端部６４ｂからの押圧力によって固定接点部材６１側への回転を規制される。

　図１４及び図１５に示されるように、ストップバー６４の操作側端部６４ａが第１切替境界線Ｌ１よりも負荷側端子部１１側に位置すると、ストップバー６４の伝達側端部６４ｂは、ハンドル３０側に変位する。したがって、可動接点部材７０の接点接触部７６は、ストップバー６４の伝達側端部６４ｂによる押圧が解除される。その結果、可動接点部材７０は、接点ばね９０の付勢力によって、第２回動軸６５を中心に固定接点部材６１側に急速に回転する。そして、可動接点７５が固定接点６２に短時間で衝突する。このため、可動接点７５と固定接点６２との間におけるアークの発生が抑制される。

　ラッチ部材１００は、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂが電源側端子部１２側に移動すると、ラッチばね１１５の付勢力によって、第２回動軸６５を中心に第１押圧片１０６が押圧ピン１５４側に回転する。

　オン状態では、第１押圧片１０６が押圧ピン１５４と対向して位置し、第２押圧片１０８がバイメタル板１４１の先端部と対向して位置する。また、表示部材５１の係止部５４は、伝達部材８０の回転によって、伝達部材８０の接続片８３の上面に押される。このため、表示部材５１は、ハンドル３０から離れる方向に回転する。これにより、表示部５７は、第２回動軸６５を中心に回転して、表示部５７のオン領域５７ａが表示窓１７から露出する。

　次に、ハンドル３０をオン位置からオフ位置に動かして、漏電遮断器の右極１を図１４及び図１５に示されるオン状態から、図１２及び図１３に示されるオフ直前状態を経て、図１０及び図１１に示されるオフ状態に切り替える際の動作について説明する。

　図１２及び図１３に示されるように、ハンドル３０をオン位置からオフ位置に向けて回転させると、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂがハンドル３０側に引き寄せられる。これにより、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂによる伝達部材８０の係合突片８４への押圧が解除される。その結果、移動軸６７は、電源側端子部１２側への移動が可能となる。可動接点部材７０は、接点ばね９０の付勢力によって、移動軸６７を中心にハンドル３０と同一方向に回転する。可動接点部材７０の接点接触部７６は、伝達部材８０の係合片８６に当たる。可動接点部材７０と伝達部材８０とは、第２回動軸６５を中心に可動接点７５が固定接点６２から離れる方向に回転する。これにより、可動接点７５は、固定接点６２から離れる。

　ここで、ハンドル３０は、ハンドルばね４０によってオン位置からオフ位置へ向かって回転する方向に付勢されている。スラストバー６３の伝達側端部６３ｂと第１回動軸１８とを結ぶ直線を第２切替境界線Ｌ２とする。したがって、ハンドル３０が回転されて、第２切替境界線Ｌ２よりもスラストバー６３の操作側端部６３ａが表示部５７側に位置すると、ハンドル３０がオフ位置に向かって急速に回転する。可動接点７５は、固定接点６２から短時間で引き離される。このため、可動接点７５と固定接点６２との間におけるアークの発生が抑制される。

　図１０及び図１１に示されるように、ラッチ部材１００は、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂに引っ張られて、第２回動軸６５を中心に第１押圧片１０６が押圧ピン１５４から離れる方向に回転する。また、表示部材５１の係止部５４は、伝達部材８０の回転によって、伝達部材８０の接続片８３による押圧がなくなる。このため、表示部材５１は、第２回動軸６５を中心にハンドル３０に近づく方向に回転する。そして、表示部材５１のばね係合部５６にハンドルばね４０の折曲部４４が当たると、表示部５７のオフ領域５７ｂが表示窓１７に対向する位置で、表示部材５１のハンドル３０側への回転が規制される。したがって、表示部５７のトリップ領域５７ｃは、表示窓１７に対向する位置に移動しない。

　次に、熱動引外装置１４０又は電磁引外装置１５０の作動によって、漏電遮断器の右極１が図１４及び１５に示されるオン状態から、図１６及び図１７に示される短絡トリップした瞬間を経由して、図１８及び図１９に示される短絡トリップ状態へ切り替わる際の動作について説明する。

　図１６及び１７に示されるように、オン状態にて、過負荷電流等の過電流が流れると、バイメタル板１４１の先端が電源側端子部１２側に湾曲して、ラッチ部材１００の第２押圧片１０８が電源側端子部１２側に押される。または、オン状態にて、短絡電流等の過電流が流れると、コイルボビン１５３から押圧ピン１５４が突出して、ラッチ部材１００の第１押圧片１０６が電源側端子部１２側に押される。その結果、ラッチ部材１００が第２回動軸６５を中心に第１押圧片１０６が押圧ピン１５４から離れる方向に回転する。このとき、ラッチ屈曲片１１３は、スラストバー６３の周面に沿ってすべり、スラストバー６３との係止を解除する。これにより、伝達部材８０の係合突片８４は、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂによる押圧が解除される。その結果、上述のオン状態からオフ状態への移行と同様に、可動接点部材７０の接点接触部７６は、伝達部材８０の係合片８６に当たる。可動接点部材７０と伝達部材８０とは、第２回動軸６５を中心に固定接点部材６１から離れる方向に回転する。これにより、可動接点７５は、固定接点６２から離れる。

　このとき、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂは、係止が解除されたときの反動で、ラッチ部材１００の第４副脚部１１２に乗り上げる。スラストバー６３の伝達側端部６３ｂは、スラストバー６３の操作側端部６３ａを中心に、表示部材５１の表示部５７に向かう方向に回転する。スラストバー６３の伝達側端部６３ｂは、ハンドルばね４０の第２端部４３を押し上げる。スラストバー６３の伝達側端部６３ｂは、ハンドルばね４０の第２端部４３に当たるため、スラストバー６３の過度な回転が抑えられる。

　表示部材５１は、ラッチばね１１５の付勢力によって、ハンドル３０に近づく方向に回転する。ハンドルばね４０の第２端部４３は、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂによって押し上げられている。このため、ハンドルばね４０の折曲部４４は、ばね係合部５６に当たらない。したがって、表示部材５１は、第２回動軸６５を中心にハンドル３０に近づく方向に回転する。表示部材５１の表示部５７のオフ領域５７ｂは、表示窓１７に対向する位置を越える。そして、表示部材５１は、ハンドル３０に接する位置まで回転する。表示部５７のトリップ領域５７ｃは、表示窓１７に対向する位置に移動する。

　図１８及び図１９に示されるように、トリップ状態に移行した後、ハンドル３０は、ハンドルばね４０の付勢力によって、オフ位置まで回転する。スラストバー６３の伝達側端部６３ｂは、ハンドルばね４０の第２端部４３の復元力によって、ラッチ部材１００側に押される。したがって、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂは、ラッチ部材１００の第４副脚部１１２に沿って移動して、ラッチ屈曲片１１３と伝達部材８０の係合突片８４との隙間に入る。これにより、スラストバー６３の伝達側端部６３ｂは、再びラッチ屈曲片１１３に係止される。

　オフ位置まで回転したハンドル３０をオン位置まで回転させると、オフ状態からオン状態への動作と同様に、漏電遮断器の右極１をオン状態にできる。
　続いて、図２０～図３８を参照して、漏電遮断器の左極２について説明する。

　図２０に示されるように、漏電遮断器の左極２の筐体２１０は、第１カバー２１４と第２カバー２１５とを備えている。第１カバー２１４と第２カバー２１５とは、絶縁性を有する合成樹脂によって形成されている。第１カバー２１４と第２カバー２１５とは、開口部２１４ａ，２１５ａを備えた箱状に形成されている。第１カバー２１４の開口部２１４ａと第２カバー２１５の開口部２１５ａとは対向して組み付けられる。第１カバー２１４と第２カバー２１５とによって形成される空間には、ハンドル２３０と、動作表示機構５０と、遮断機構２６０と、漏電検出装置３３０と、漏電引外装置３４０と、テスト装置３５０とが配置されている。

　図２１及び図２２に示されるように、ハンドル２３０は、回路を開閉する際に手動で操作される。動作表示機構５０は、回路の動作状態を表示する。遮断機構２６０は、固定接点２６２と可動接点２７５とを開閉する。固定接点２６２は、第１接続線３３２を介して負荷側端子部２１１に接続される。可動接点２７５は、電源側端子部２１２に接続されている。漏電検出装置３３０は、回路に漏電が発生したか否かを検出する。漏電引外装置３４０は、漏電検出装置３３０による漏電の検出に応じて、遮断機構２６０を動作させて、固定接点２６２と可動接点２７５とを引き外す。テスト装置３５０は、テストボタン３５１が手動操作されたときに擬似的な漏電状態を形成する。一例では、テスト装置３５０は、テスト回路３５８を備えることができ、そのテスト回路３５８のリード線３５９に電流を流すことによって、漏電検出装置３３０に擬似的な漏電状態を形成することにより、漏電引外装置３４０が正常に動作するかどうかをテストする。なお、リード線３５９はテスト回路３５８を構成する接続線に相当する。漏電遮断器の左極２の筐体２１０の上面中央には、ハンドルゲート２１６が形成されている。漏電遮断器の左極２の筐体２１０の上面の電源側端子部２１２側には、表示窓２１７が形成されている。漏電遮断器の左極２の筐体２１０の上面の負荷側端子部２１１側には、ボタンゲート２１９が形成されている。

　ハンドル２３０は、オン位置とオフ位置との間で回動可能に支持されている。図示した例では、ハンドル２３０は、円柱状の回動部２３１と、操作部２３２とを備えている。回動部２３１は、第１回動軸２１８を中心に回動する。第１回動軸２１８は、第１カバー２１４に設けられ得る。操作部２３２は、回動部２３１に接続され、ハンドルゲート２１６から突出している。操作部２３２が電源側端子部２１２側に位置するときがオン位置である。操作部２３２が負荷側端子部２１１側に位置するときがオフ位置である。

　漏電検出装置３３０は、負荷側端子部２１１側に設置されている。漏電検出装置３３０は、零相変流器３３１を備えている。零相変流器３３１には、回路の電線が往復で貫通されている。零相変流器３３１は、貫通する電線に流れる電流差に応じて二次巻線に電圧が誘導される。零相変流器３３１には、第１接続線３３２と第２接続線３３３とが貫通される。第１接続線３３２は、負荷端子板２１１ａと固定接点部材２６１とを接続する。第２接続線３３３は、漏電遮断器の右極１のコイル１５１と、漏電遮断器の右極１の負荷端子板１１ａとを接続する。漏電が発生していなければ、第１接続線３３２と第２接続線３３３とに流れる電流は等しいので、電流差が発生せず二次巻線に電圧が発生しない。漏電が発生すると、第１接続線３３２と第２接続線３３３とに流れる電流は不平衡になるので、二次巻線に電圧が誘導される。

　漏電引外装置３４０は、コイル３４１と、押圧ピン３４２とを備えている。押圧ピン３４２は、コイル３４１内に貫装されて、コイル３４１に電流が流れると突出する。漏電引外装置３４０は、零相変流器３３１の二次巻線に現れた電圧が増幅されて、引外機構（コイル３４１）が動作される。

　電源端子板２１２ａは、編組線３３４によって可動接点部材２７０に接続されている。
　遮断機構２６０は、電源側端子部２１２側に設置されている。遮断機構２６０の下方には、固定接点部材２６１と可動接点部材２７０とが位置している。遮断機構２６０は、ハンドル２３０の変位を可動接点部材２７０に伝達する。

　動作表示機構５０は、遮断機構２６０とリンクしている。動作表示機構５０は、動作状態を表示する表示部材５１を備えている。表示部材５１は、遮断機構２６０によって変位される。表示部材５１は、表示窓２１７から露出する。表示部材５１は、漏電遮断器の右極１と漏電遮断器の左極２と同一形状である。このため、表示部材５１は、漏電遮断器の右極１と漏電遮断器の左極２とのいずれでも使用可能である。

　上記構成によって、固定接点２６２と可動接点２７５とが閉じられた状態では、電源端子板２１２ａ－可動接点部材２７０－可動接点２７５－固定接点２６２－第１接続線３３２－負荷端子板２１１ａの経路で電路が形成される。

　次に、図２３～図２６を参照して、漏電遮断器の左極２の遮断機構２６０及び動作表示機構５０の構成について説明する。
　図２３及び図２４に示されるように、ハンドル２３０の回動部２３１には、ハンドル２３０の変位を伝達するスラストバー２６３とリンク部材２６４とが接続される。スラストバー２６３は、Ｕ字状に形成された棒材である。リンク部材２６４は、楕円状の板材の中央に貫通孔２６４ａが形成されている。リンク部材２６４は、操作側凸部２６４ｂ、伝達側凸部２６４ｃ、ばね位置決め部２６４ｄが設けられている。操作側凸部２６４ｂは、ハンドル２３０側の端部に設けられている。伝達側凸部２６４ｃは、遮断機構２６０側の端部に設けられている。ばね位置決め部２６４ｄは、操作側凸部２６４ｂの近傍に設けられている。回動部２３１には、第１回動軸２１８と同軸方向に接続穴２３３と制御溝２３４とが形成されている。制御溝２３４は、円周方向に沿った溝である。接続穴２３３には、スラストバー２６３の操作側端部２６３ａが嵌装されている。制御溝２３４には、リンク部材２６４の操作側凸部２６４ｂが嵌装されている。

　回動部２３１には、ハンドルばね２４０が嵌装されている。ハンドル２３０の回動部２３１と第１カバー２１４との間には、ハンドルばね２４０が配置される。ハンドルばね２４０の巻線部２４１は、第１回動軸２１８に貫装され、ハンドル２３０のハンドルばね溝２３５に配置されている。ハンドルばね２４０の第１端部２４２は、回動部２３１に係止されている。そして、リンク部材２６４の操作側凸部２６４ｂは、制御溝２３４内において、ハンドルばね２４０の第１端部４２と制御溝２３４の周壁との隙間に通される。リンク部材２６４の操作側凸部２６４ｂは、この隙間内において回転可能である。ハンドルばね２４０の第２端部２４３は、２箇所で略直角に折り曲げられている。第２端部２４３の折曲部２４４は、表示部材５１に当接する。よって、回動部２３１は、第１カバー２１４によって位置決めされたハンドルばね２４０によってオフ位置に付勢されている。

　遮断機構２６０は、可動接点部材２７０と、伝達部材２８０と、ラッチ部材３００と、ラッチばね１１５と、接点ばね９０と、動作伝達部材１２０と、を備えている。伝達部材２８０は、リンク部材２６４の伝達側凸部２６４ｃが係合されている。ラッチ部材３００は、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂが係合されている。可動接点部材２７０は、ラッチ部材３００の変位に応じて変位する。

　第１回動軸２１８の下方には、第２回動軸２６５が位置している。第２回動軸２６５は、筐体２１０に固定される。表示部材５１と伝達部材２８０とラッチ部材３００とは、第２回動軸２６５を中心に回動する。伝達部材２８０と可動接点部材２７０とは、移動軸２６７によって回動可能に連結されている。移動軸２６７は、筐体２１０に固定されていないので変位可能である。第２回動軸２６５の電源側端子部２１２側には、第３回動軸２６６が位置している。第３回動軸２６６は、筐体２１０に固定されている。動作伝達部材１２０は、第３回動軸２６６を中心に回動する。

　図２５に示されるように、伝達部材２８０は、第１側板２８１と、第２側板２８２と、接続片２８３とを備えている。接続片２８３は、第１側板２８１の側縁の上端と第２側板２８２の側縁の上端とを結合する。第２側板２８２のハンドル２３０側には、係合突片２８４が形成されている。また、第１側板２８１の側縁の略中央には、Ｌ字型の突出片２８５が形成されている。接続片２８３の下端には、可動接点２７５側へ突出する係合片２８６が形成されている。係合片２８６は、リンク部材２６４の伝達側凸部２６４ｃが係合する。

　第１側板２８１と第２側板２８２とには、第１挿通孔２８７と、第２挿通孔２８８とがそれぞれ形成されている。第１挿通孔２８７には、第２回動軸２６５が挿通される。第２挿通孔２８８には、移動軸２６７が挿通される。

　ラッチ部材３００の中央には、第２回動軸２６５が挿通されるラッチ挿通孔１０１が形成されている。ラッチ部材３００は、ラッチ挿通孔３０１を中心として、二方向に延びる第１脚部３０２と第２脚部３０３とを備えている。第１脚部３０２は、ラッチ挿通孔３０１から移動軸２６７側に延びている。第２脚部３０３は、ラッチ挿通孔３０１から移動軸２６７と反対側に延びている。

　第１脚部３０２は、第１脚部３０２の先端から二方向に延びる第１副脚部３０４と第２副脚部３０５とを備えている。第１副脚部３０４は、第１脚部３０２の先端から負荷側端子部２１１側に延びている。第１副脚部３０４の先端には、第１カバー２１４側に屈曲する第１押圧片３０６が形成されている。第１押圧片１０６は、漏電が発生したときに、コイル３４１から突出した押圧ピン３４２によって押される。第１副脚部３０４の基端には、ラッチ溝３０７が形成されている。ラッチ溝３０７には、移動軸２６７が配置される。第２副脚部３０５は、第１脚部３０２の先端から電源側端子部２１２側に延びている。第１脚部３０２と第２副脚部３０５との接続部には、伝達凸部３０９が形成されている。伝達凸部３０９は、動作伝達部材３２０と当接する。

　第２脚部３０３は、第２脚部３０３の先端から二方向に延びる第３副脚部３１１と第４副脚部３１２とを備えている。第３副脚部３１１は、第２脚部３０３の延びる方向に直線状に伸びている。第３副脚部３１１の先端には、電源側端子部２１２側に略直角に屈曲するラッチ屈曲片３１３が形成されている。ラッチ屈曲片３１３には、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂが係合する。

　第４副脚部３１２は、第２脚部３０３の先端から電源側端子部２１２側に屈曲して延びている。第４副脚部３１２の先端には、ラッチばね溝３１４が形成されている。ラッチばね溝３１４は、ラッチばね３１５の一端を係止している。

　ラッチばね３１５は、伝達部材２８０の第１側板２８１と第２側板２８２との間に配置される。ラッチばね３１５の巻線部３１６には、第２回動軸２６５が挿通されている。ラッチ部材３００は、ラッチ溝３０７に移動軸２６７が配置される範囲で第２回動軸２６５を中心に回動可能である。ラッチばね３１５の第１端部３１７は、ラッチ部材３００のラッチばね溝３１４に係止されている。ラッチばね３１５の第２端部３１８は、表示部材５１に係止される。ラッチ部材３００は、ラッチばね３１５によって、第２回動軸２６５を中心に第１押圧片３０６が押圧ピン３４２に近づく方向に付勢されている。

　可動接点部材２７０の中央には、接点挿通孔２７１が形成されている、可動接点部材２７０は、接点挿通孔２７１を中心として三方向に延びる第１脚部２７２と第２脚部２７３と第３脚部２７４とを備えている。第１脚部２７２は、接点挿通孔２７１から直線状に延びている。第１脚部２７２には、可動接点２７５が設けられている。第２脚部２７３は、接点挿通孔２７１からハンドル２３０側に延びている。第２端部２４３の先端には、接点接触部２７６が設けられている。接点接触部２７６は、固定接点２６２と可動接点２７５とが開かれるときに、伝達部材２８０の係合片２８６と接触する。第３脚部２７４は、接点挿通孔２７１から電源側端子部２１２側に延びている。第３脚部２７４の端部には、接点ばね溝２７７が形成されている。接点ばね溝２７７には、接点ばね２９０の一端が係止されている。

　接点ばね２９０は、第１側板２８１と第１カバー２１４との間に配置される。接点ばね２９０の巻線部２９１には、第２回動軸２６５が挿入されている。接点ばね２９０の第１端部２９２は、可動接点部材２７０の接点ばね溝２７７に当接している。接点ばね２９０の第２端部２９３は、第１カバー２１４の内壁に支持されている。

　動作伝達部材３２０は、ラッチ受部１２１が形成されている。ラッチ受部１２１は、ラッチ部材３００の伝達凸部３０９が当接する。動作伝達部材３２０は、ラッチ部材３００が当接すると変位する。動作伝達部材３２０には、連結棒１２２が挿通される。動作伝達部材３２０は、連結棒１２２によって可動接点部材２７０の変位を漏電遮断器の右極１に伝達する。

　図２３及び図２４に示されるように、テスト装置３５０は、テストボタン３５１と、スイッチばね３５４と、リンク部材２６４と、を備えている。テストボタン３５１は、漏電動作確認時に操作される。スイッチばね３５４は、導電性のトーションスプリングである。スイッチばね３５４の巻線部３５５は、第１カバー２１４に取り付けられている。スイッチばね３５４の第１端部３５６は、テストボタン３５１側に延出している。スイッチばね３５４の第２端部３５７は、ハンドル２３０側に延出している。テストボタン３５１が操作されると、第１スイッチ３５２が閉じられる。第１スイッチ３５２は、第１導電棒３５２ａとスイッチばね３５４の第１端部３５６とを備えている。第１導電棒３５２ａは第１接点に相当する。第１導電棒３５２ａは、スイッチばね３５４の第１端部３５６に対して直交している。第２スイッチ３５３は、第２導電棒３５３ａとスイッチばね３５４の第２端部３５７とを備えている。第２導電棒３５３ａは、第２接点に相当する。第２導電棒３５３ａは、スイッチばね３５４の第２端部３５７に対して直交している。スイッチばね３５４は、スイッチばね３５４の第１端部３５６が第１導電棒３５２ａから離間しようとする弾性復元力を生じるように圧縮状態で配置されている。スイッチばね３５４は、スイッチばね３５４の第２端部３５７が第２導電棒３５３ａに接触しようとする弾性復元力を生じるように引張状態で配置されている。第２導電棒３５３ａには、リード線３５９が接続されている。リード線３５９は、漏電検出装置３３０の零相変流器３３１を貫通している。第１スイッチ３５２と第２スイッチ３５３の両方が閉じられたときに、スイッチばね３５４、第１導電棒３５２ａ、及び第２導電棒３５３ａを介して、リード線３５９にテスト電流が流れる。

　テストボタン３５１の基端には、スイッチばね３５４の第１端部３５５に当接する切欠部３５１ａが設けられている。テストボタン３５１は、スイッチばね３５４の第１端部３５５によって第１カバー２１４から突出する方向に付勢されている。スイッチばね３５４の第１端部３５５は、テストボタン３５１が操作されていないときは、第１導電棒３５２ａと接触していない。スイッチばね３５４の第２端部３５７は、リンク部材２６４の操作側凸部２６４ｂとばね位置決め部２６４ｄとの間に貫装されている。スイッチばね３５４の第２端部３５７は、リンク部材２６４とハンドル２３０の回動部２３１との間に配置されている。スイッチばね３５４の第２端部３５７は、リンク部材２６４の変位に応じて変位する。スイッチばね３５４の第２端部３５７は、ハンドル２３０がオン位置に変位するとリンク部材２６４が引き上げられることによって第２導電棒３５３ａに接触する。スイッチばね３５４の第２端部３５７は、ハンドル２３０がオフ位置に変位するとリンク部材２６４が引き下げられることによって第２導電棒３５３ａから離間して接触しない。

　図９に示されるように、表示部材５１の支持部５３の非干渉部５５の反対側には、係合凸部５８が設けられている。係合凸部５８は、支持部５３において表示部５７から遠隔位置に形成されている。係合凸部５８は、ピン当接部材２５８の係合部２５８ｃと係合する。係合凸部５８がピン当接部材２５８の係合部２５８ｃと係合することで表示部材５１の変位は規制される。係合凸部５８は、第２係合部に相当する。

　漏電遮断器の左極２では、漏電が発生したときのみ表示部材５１が変位する。このため、表示部材５１の表示部５７は、漏電が発生していないときに漏電遮断器の右極１におけるオン領域５７ａを表示窓２１７から露出し、漏電が発生したときに漏電遮断器の右極１におけるトリップ領域５７ｃを表示窓２１７から露出する。

　図２７～図３８を参照して、漏電遮断器の左極２の動作について説明する。
　まず、ハンドル２３０をオフ位置からオン位置に動かして、漏電遮断器の左極２を図２７及び図２８に示されるオフ状態から、図２９及び図３０に示されるオン状態に切り替える際の動作について説明する。

　図２７及び図２８に示されるように、ハンドル２３０をオフ位置からオン位置に向けて回転させると、伝達部材２８０の係合突片２８４は、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂによって電源側端子部２１２側に押される。伝達部材２８０は、第２回動軸２６５を中心にハンドル２３０と同一方向に回転する。可動接点部材２７０は、移動軸２６７によって伝達部材２８０と一体に、第２回動軸２６５を中心に固定接点部材２６１側に回転する。そして、可動接点２７５は、固定接点２６２に近づく。

　図２９及び図３０に示されるように、リンク部材２６４のがハンドル２３０の回動によって引き上げられると、リンク部材２６４の伝達側凸部２６４ｃは、ハンドル２３０側に変位する。したがって、可動接点部材２７０の接点接触部２７６は、リンク部材２６４の伝達側凸部２６４ｃによる押圧が解除される。その結果、可動接点部材２７０は、接点ばね２９０の付勢力によって、第２回動軸２６５を中心に固定接点部材２６１側に回転する。

　ラッチ部材３００は、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂが電源側端子部２１２側に移動すると、ラッチばね３１５の付勢力によって、第２回動軸２６５を中心に第１押圧片３０６が押圧ピン３４２側に回転する。

　オン状態では、第１押圧片３０６が押圧ピン３４２と対向して位置する。また、表示部材５１の係止部５４は、伝達部材２８０の回転によって、伝達部材２８０の接続片２８３の上面に押される。しかしながら、表示部材５１の係合凸部５８がピン当接部材２５８の係合部２５８ｃに係合しているため、表示部材５１は変位しない。これにより、表示部５７のオン領域５７ａが表示窓２１７から露出する。

　オン状態では、伝達部材２８０が上方に移動するのでリンク部材２６４は上方に移動可能となる。スイッチばね３５４の第２端部３５７は、リンク部材２６４を上側に引き上げる。スイッチばね３５４の第２端部３５７が第２導電棒３５３ａに接触して、第２スイッチ３５３が閉じられる。

　次に、ハンドル２３０をオン位置からオフ位置に動かして、漏電遮断器の左極２を図２９及び図３０に示されるオン状態から、図２７及び図２８に示されるオフ状態に切り替える際の動作について説明する。

　図２９及び図３０に示されるように、ハンドル２３０をオン位置からオフ位置に向けて回転させると、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂがハンドル２３０側に引き寄せられる。これにより、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂによる伝達部材２８０の係合突片２８４への押圧が解除される。その結果、移動軸２６７は、電源側端子部２１２側への移動が可能となる。可動接点部材２７０は、接点ばね２９０の付勢力によって、移動軸２６７を中心にハンドル２３０と同一方向に回転する。可動接点部材２７０の接点接触部２７６は、伝達部材２８０の係合片２８６に当たる。可動接点部材２７０と伝達部材２８０とは、第２回動軸２６５を中心に可動接点２７５が固定接点２６２から離れる方向に回転する。これにより、可動接点２７５は、固定接点２６２から離れる。

　ここで、ハンドル２３０は、ハンドルばね２４０によってオン位置からオフ位置へ向かって回転する方向に付勢されている。スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂと第１回動軸２１８とを結ぶ直線を第３切替境界線Ｌ３とする。したがって、ハンドル２３０が回転されて、第３切替境界線Ｌ３よりもスラストバー２６３の操作側端部２６３ａが表示部５７側に位置すると、ハンドル２３０がオフ位置に向かって急速に回転する。可動接点２７５は、固定接点２６２から短時間で引き離される。このため、可動接点２７５と固定接点２６２との間におけるアークの発生が抑制される。

　図２７及び図２８に示されるように、ラッチ部材３００は、スラストバー２６３の伝達側端部６３ｂに引っ張られて、第２回動軸２６５を中心に第１押圧片３０６が押圧ピン３４２から離れる方向に回転する。また、表示部材５１の係止部５４は、伝達部材２８０の回転によって、伝達部材２８０の接続片２８３による押圧がなくなる。しかしながら、表示部材５１の係合凸部５８がピン当接部材２５８の係合部２５８ｃに係合しているため、表示部材５１は変位しない。これにより、表示部５７のオン領域５７ａが表示窓２１７から露出する。

　オフ状態では、伝達部材２８０によってリンク部材２６４が引き下げられるので、スイッチばね３５４の第２端部３５７が第２導電棒３５３ａから離間して、第２スイッチ３５３が開けられる。

　次に、漏電引外装置３４０の作動によって、漏電遮断器の左極２が図２９及び３０に示されるオン状態から、図３１及び図３２に示される漏電トリップした瞬間を経由して、図３３及び図３４に示される漏電トリップ状態へ切り替わる際の動作について説明する。

　図３１及び図３２に示されるように、オン状態にて、漏電が発生すると、コイル３４１から押圧ピン３４２が突出して、ピン当接部材２５８のピン当接部２５８ｂは、押圧ピン３４２によって電源側端子部２１２側に押される。ピン当接部材２５８は、第４回動軸２５８ａを中心に回動する。表示部材５１の係合凸部５８は、ピン当接部材２５８の回転によってピン当接部材２５８の係合部２５８ｃとの係合が解除される。ラッチ部材３００の第１押圧片３０６は、ピン当接部材２５８のピン当接部２５８ｂによって電源側端子部２１２側に押される。その結果、ラッチ部材３００が第２回動軸２６５を中心に第１押圧片３０６が押圧ピン３４２から離れる方向に回転する。このとき、ラッチ屈曲片３１３は、スラストバー２６３の周面に沿ってすべり、スラストバー２６３との係止を解除する。これにより、伝達部材２８０の係合突片２８４は、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂによる押圧が解除される。その結果、上述のオン状態からオフ状態への移行と同様に、可動接点部材２７０の接点接触部２７６は、伝達部材２８０の係合片２８６に当たる。可動接点部材２７０と伝達部材２８０とは、第２回動軸２６５を中心に固定接点部材２６１から離れる方向に回転する。これにより、可動接点２７５は、固定接点２６２から離れる。

　このとき、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂは、係止が解除されたときの反動で、ラッチ部材３００の第４副脚部３１２に乗り上げる。スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂは、スラストバー２６３の操作側端部２６３ａを中心に、表示部材５１の表示部５７に向かう方向に回転する。スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂは、ハンドルばね２４０の第２端部２４３を押し上げる。スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂは、ハンドルばね２４０の第２端部２４３に当たるため、スラストバー２６３の過度な回転が抑えられる。

　表示部材５１は、ラッチばね３１５の付勢力によって、ハンドル２３０に近づく方向に回転する。ハンドルばね２４０の第２端部２４３は、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂによって押し上げられている。このため、ハンドルばね２４０の折曲部４４は、ばね係合部５６に当たらない。また、ピン当接部材２５８の係合部２５８ｃは、表示部材５１の係合凸部５８に係合していない。したがって、表示部材５１は、第２回動軸２６５を中心にハンドル２３０に近づく方向に回転する。表示部材５１は、ハンドル２３０に接する位置まで回転する。表示部５７のトリップ領域５７ｃは、表示窓２１７に対向する位置に移動する。

　図３３及び図３４に示されるように、トリップ状態に移行した後、ハンドル２３０は、ハンドルばね２４０の付勢力によって、オフ位置まで回転する。スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂは、ハンドルばね２４０の第２端部２４３の復元力によって、ラッチ部材３００側に押される。したがって、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂは、ラッチ部材３００の第４副脚部３１２に沿って移動して、ラッチ屈曲片３１３と伝達部材２８０の係合突片２８４との隙間に入る。これにより、スラストバー２６３の伝達側端部２６３ｂは、再びラッチ屈曲片３１３に係止される。

　図２９及び図３０に示されるように、オフ位置まで回転したハンドル２３０をオン位置まで回転させると、オフ状態からオン状態への動作と同様に、漏電遮断器の左極２をオン状態にできる。

　次に、図３５～図３８を参照して、テスト装置３５０のテストボタンを操作したときの動作について説明する。
　図３５及び図３６に示されるように、オフ状態では、第２スイッチ３５３が開けられている。このオフ状態において、漏電テストを行うとする。テストボタン３５１を押し操作すると、スイッチばね３５４の第１端部３５６が第１導電棒３５２ａ側に変位される。そして、スイッチばね３５４の第１端部３５６が第１導電棒３５２ａに接触して、第１スイッチ３５２が閉じる。

　オフ状態で漏電テストを行うと、第１スイッチ３５２は閉じているが、第２スイッチ３５３は開いているので、テスト回路に電流は流れない。よって、負荷側端子部２１１と負荷側端子部１１とに外部電線が接続されたとしても、オフ状態ではテスト回路に電流が流れないので安全である。

　図３７及び図３８に示されるように、オン状態では、第２スイッチ３５３が閉じられている。このオン状態において、漏電テストを行うとする。テストボタン３５１を押し操作すると、スイッチばね３５４の第１端部３５６が第１導電棒３５２ａ側に変位される。そして、スイッチばね３５４の第１端部３５６が第１導電棒３５２ａに接触して、第１スイッチ３５２が閉じる。

　オン状態で漏電テストを行うと、第１スイッチ３５２と第２スイッチ３５３との両方が閉じているので、テスト回路に電流が流れる。よって、負荷側端子部２１１と負荷側端子部１１とに外部電線が接続されたとしても、オン状態ではテスト回路に電流が流れることで、擬似漏電が発生して固定接点２６２と可動接点２７５とを離間させて、ハンドル２３０がオフ状態となることで、テスト回路に電流が流れなくなる。よって、逆接続時にテストボタン３５１を押し続けてもテスト回路の焼損を抑制できる。

　図９を参照して、本実施形態の表示部材５１の作用について説明する。
　本実施形態では、漏電遮断器の右極１及び漏電遮断器の左極２は同一形状の表示部材５１を含む。各表示部材５１のばね係合部５６は、漏電遮断器の右極１の遮断機構６０に係合可能であり、各表示部材５１の係合凸部５８は、漏電遮断器の左極２の遮断機構２６０に係合可能である。ばね係合部５６と係合凸部５８とは、係合部に相当する。ばね係合部５６は、漏電遮断器の右極１がトリップ状態以外のときにトリップ表示をしないように変位を規制する。係合凸部５８は、漏電遮断器の左極２が漏電状態以外のときにトリップ表示しないように変位を規制する。表示部材５１は、支持部５３、表示部５７、ばね係合部５６、及び係合凸部５８が一体的に成型された単一部品である。

　漏電遮断器の右極１に設けられた表示部材５１のばね係合部５６には、ハンドル３０がオフ位置にあるときに、ハンドルばね４０の第２端部４３の折曲部４４が係合する。また、漏電遮断器の右極１に設けられた表示部材５１の係止部５４には、ハンドル３０がオン位置にあるときに、伝達部材８０の接続片８３が係合する。このため、漏電遮断器の右極１のオン状態又はオフ状態においては、表示部材５１の表示部５７のオン領域５７ａ又はオフ領域５７ｂが表示窓１７から露出する。一方、漏電遮断器の右極１のトリップ状態においては、表示部材５１のばね係合部５６に対するハンドルばね４０の第２端部４３の折曲部４４の係合が解除される。このため、表示部材５１の表示部５７のトリップ領域５７ｃが表示窓１７から露出する。

　漏電遮断器の左極２に設けられた表示部材５１の係合突部５８には、ピン当接部材２５８の係合部２５８ｃが係合する。このため、漏電遮断器の左極２の漏電状態以外においては、表示部材５１の表示部５７のオン領域５７ａが表示窓１７から露出する。一方、漏電遮断器の左極２の漏電状態においては、表示部材５１の係合突部５８に対するピン当接部材２５８の係合部２５８ｃの係合が解除される。このため、表示部材５１の表示部５７のトリップ領域５７ｃが表示窓１７から露出する。

　よって、表示部材５１は、漏電遮断器の右極１と漏電遮断器の左極２とのいずれでも使用可能である。漏電遮断器の右極１と漏電遮断器の左極２は、回路遮断器の一例である。
　以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。

　（１）表示部材５１が異なる種類の遮断機構６０，２６０にそれぞれ係合可能であるばね係合部５６、係合凸部５８を有する。このため、異なる種類の遮断機構６０，２６０を備える漏電遮断器の右極１や漏電遮断器の左極２に対して表示部材５１を使用できる。よって、表示部材５１の共通化によって部品管理を容易にできる。

　（２）漏電遮断器の右極１の遮断機構６０と係合するばね係合部５６を表示部材５１に設けた。このため、動作表示機構５０は、漏電遮断器の右極１に適用可能である。
　（３）漏電遮断器の左極２の遮断機構２６０と係合する係合凸部５８を表示部材５１に設けた。このため、動作表示機構５０は、漏電遮断器の左極２に適用可能である。

　（４）異なる種類の遮断機構６０，２６０を備える各漏電遮断器の右極１や漏電遮断器の左極２に対して同じ表示部材５１を使用できる。よって、表示部材５１の共通化によって部品管理を容易にできる。

　なお、上記実施形態は、以下のように変更することができる。
　・上記実施形態の表示部材５１は、漏電遮断器の右極１の遮断機構６０と係合するばね係合部５６を備えることが好ましいが、表示部材５１が漏電遮断器の右極１のトリップ状態を示すトリップ位置に変位することを規制できれば、ばね係合部５６を適宜変更してもよい。

　・上記実施形態の表示部材５１は、漏電遮断器の左極２の遮断機構２６０と係合する係合凸部５８を備えることが好ましいが、表示部材５１が漏電遮断器の左極２の漏電状態を示す漏電位置に変位することを規制できれば、係合凸部５８を適宜変更してもよい。

　・表示部材５１には、動作表示機構５０が設けられる回路遮断器の遮断機構に係合する係合部を更に追加してもよい。
　・上記実施形態では、回路遮断器として漏電遮断器の右極１と漏電遮断器の左極２とに動作表示機構５０や表示部材５１を採用したが、他の回路遮断器として配線用遮断器、過電圧遮断器、不足電圧遮断器等に動作表示機構５０や表示部材５１を採用してもよい。

　・上記実施形態では、回路遮断器として漏電遮断器に動作表示機構５０や表示部材５１を採用したが、配線用遮断器や漏電遮断器に回路遮断器として過電圧遮断器、不足電圧遮断器等を組み合わせた複合遮断器に動作表示機構５０や表示部材５１を採用してもよい。

　Ｌ１…第１切替境界線、Ｌ２…第２切替境界線、Ｌ３…第３切替境界線、Ｗ１…幅、Ｗ２…幅、１…漏電遮断器の右極、２…漏電遮断器の左極、１０…筐体、１１…負荷側端子部、１２…電源側端子部、１２ａ…電源端子板、１３…係合爪、１４…第１カバー、１４ａ…開口部、１５…第２カバー、１５ａ…開口部、１６…ハンドルゲート、１７…表示窓、１８…第１回動軸、３０…ハンドル、３１…回動部、３２…操作部、３３…接続穴、３４…制御孔、３５…ハンドルばね溝、３６…係止溝、４０…ハンドルばね、４１…巻線部、４２…第１端部、４３…第２端部、４４…折曲部、５０…動作表示機構、５１…表示部材、５２…挿通孔、５３…支持部、５４…係止部、５５…非干渉部、５６…ばね係合部、５７…表示部、５７ａ…オン領域、５７ｂ…オフ領域、５７ｃ…トリップ領域、５７ｃ…領域、５８…係合凸部、６０…遮断機構、６１…固定接点部材、６２…固定接点、６３…スラストバー、６３ａ…操作側端部、６３ｂ…伝達側端部、６４…ストップバー、６４ａ…操作側端部、６４ｂ…伝達側端部、６５…第２回動軸、６６…第３回動軸、６７…移動軸、７０…可動接点部材、７１…接点挿通孔、７２…第１脚部、７３…第２脚部、７４…第３脚部、７５…可動接点、７６…接点接触部、７７…接点ばね溝、７８…接点ばね、８０…伝達部材、８１…第１側板、８２…第２側板、８３…接続片、８４…係合突片、８５…突出片、８６…係合片、８７…第１挿通孔、８８…第２挿通孔、９０…接点ばね、９１…巻線部、９２…第１端部、９３…第２端部、１００…ラッチ部材、１０１…ラッチ挿通孔、１０２…第１脚部、１０３…第２脚部、１０４…第１副脚部、１０５…第２副脚部、１０６…第１押圧片、１０７…ラッチ溝、１０８…第２押圧片、１０９…伝達凸部、１１１…第３副脚部、１１２…第４副脚部、１１３…ラッチ屈曲片、１１４…ラッチばね溝、１１５…ラッチばね、１１６…巻線部、１１７…第１端部、１１８…第２端部、１２０…動作伝達部材、１２１…ラッチ受部、１２２…連結棒、１３０…消弧装置、１３１…アーク走行板、１３２…消弧グリッド、１３３…消弧板、１３４…支持板、１４０…熱動引外装置、１４１…バイメタル板、１４２…編組線、１４３…編組線、１５０…電磁引外装置、１５１…コイル、１５２…ボビン部、１５３…コイルボビン、１５４…押圧ピン、１５５…ヨーク部材、２１０…筐体、２１１…負荷側端子部、２１１ａ…負荷端子板、２１２…電源側端子部、２１２ａ…電源端子板、２１３…係合孔、２１４…第１カバー、２１４ａ…開口部、２１５…第２カバー、２１５ａ…開口部、２１６…ハンドルゲート、２１７…表示窓、２１８…第１回動軸、２１９…ボタンゲート、２３０…ハンドル、２３１…回動部、２３２…操作部、２３３…接続穴、２３４…制御溝、２３５…ハンドルばね溝、２３６…係止溝、２４０…ハンドルばね、２４１…巻線部、２４２…第１端部、２４３…第２端部、２４４…折曲部、２５３…第２スイッチ、２５８…ピン当接部材、２５８ａ…第４回動軸、２５８ｂ…ピン当接部、２５８ｃ…係合部、２６０…遮断機構、２６１…固定接点部材、２６２…固定接点、２６３…スラストバー、２６３ａ…操作側端部、２６３ｂ…伝達側端部、２６４…リンク部材、２６４ａ…貫通孔、２６４ｂ…操作側凸部、２６４ｃ…伝達側凸部、２６４ｄ…ばね位置決め部、２６５…第２回動軸、２６６…第３回動軸、２６７…移動軸、２７０…可動接点部材、２７１…接点挿通孔、２７２…第１脚部、２７３…第２脚部、２７４…第３脚部、２７５…可動接点、２７６…接点接触部、２７７…接点ばね溝、２８０…伝達部材、２８１…第１側板、２８２…第２側板、２８３…接続片、２８４…係合突片、２８５…突出片、２８６…係合片、２８７…第１挿通孔、２８８…第２挿通孔、２９０…接点ばね、２９１…巻線部、２９２…第１端部、２９３…第２端部、３００…ラッチ部材、３０１…ラッチ挿通孔、３０２…第１脚部、３０３…第２脚部、３０４…第１副脚部、３０５…第２副脚部、３０６…第１押圧片、３０７…ラッチ溝、３０９…伝達凸部、３１１…第３副脚部、３１２…第４副脚部、３１３…ラッチ屈曲片、３１４…ラッチばね溝、３１５…ラッチばね、３１６…巻線部、３１７…第１端部、３１８…第２端部、３２０…動作伝達部材、３３０…漏電検出装置、３３１…零相変流器、３３２…第１接続線、３３３…第２接続線、３３４…編組線、３４０…漏電引外装置、３４１…コイル、３４２…押圧ピン、３５０…テスト装置、３５１…テストボタン、３５１ａ…切欠部、３５２…第１スイッチ、３５２ａ…第１導電棒、３５３…第２スイッチ、３５３ａ…第２導電棒、３５４…スイッチばね、３５５…巻線部、３５６…第１端部、３５７…第２端部、３５８…テスト回路、３５９…リード線。

Claims (7)

1. 　ハンドルの手動操作に応じた遮断機構の接点の開閉状態と、回路が所定の動作状態に達したときに引外装置によって遮断機構の接点間が引き外された状態とを含む、回路遮断器の複数の状態を表示する表示部材を備え、
   　前記表示部材は、複数の回路遮断器の異なる種類の遮断機構にそれぞれ係合可能な複数の係合部を備える
   　ことを特徴とする動作表示機構。
2. 　前記複数の回路遮断器は、配線用遮断器を含み、
   　前記複数の係合部は、前記表示部材が前記配線用遮断器の遮断機構と連動して移動するように前記配線用遮断器の前記遮断機構と係合する係合部を含む
   　請求項１に記載の動作表示機構。
3. 　前記複数の回路遮断器は、漏電遮断器を含み、
   　前記複数の係合部は、前記表示部材が前記漏電遮断器の遮断機構と連動して移動するように前記漏電遮断器の前記遮断機構と係合する係合部を含む
   　ことを特徴とする請求項１に記載の動作表示機構。
4. 　請求項１～３のいずれか一項に記載の動作表示機構と、
   　遮断機構と、を備える
   　回路遮断器。
5. 　請求項１～３のいずれか一項に記載の動作表示機構と、
   　異なる種類の遮断機構をそれぞれ有する複数の回路遮断器と、を備える
   　複合遮断器。
6. 　第１の遮断機構を含む第１の回路遮断器及び第２の遮断機構を含む第２の回路遮断器のいずれか一つに内蔵される表示部材であって、
   　回動軸に回動可能に取り付けられた支持部と、
   　複数の分割表示領域を有するとともに、前記回動軸から遠隔位置において前記支持部に支持された表示部と、
   　前記支持部において前記表示部の近傍に形成され、前記第１の回路遮断器の前記第１の遮断機構に直接又は間接的に接続されるように構成された第１係合部と、
   　前記支持部において前記表示部から遠隔位置に形成され、前記第２の回路遮断器の前記第２の遮断機構に直接又は間接的に接続されるように構成された第２係合部と、を備え、
   　前記支持部、前記表示部、前記第１係合部及び前記第２係合部が一体的に成型された単一部品である
   　ことを特徴とする表示部材。
7. 　第１の遮断機構と、前記第１の遮断機構と接続された第１の表示部材とを含む第１の回路遮断器と、
   　第２の遮断機構と、前記第１の遮断機構と接続された第２の表示部材とを含むとともに、前記第１の回路遮断器と結合された第２の回路遮断器とを備え、
   　前記第１及び第２の表示部材がいずれも請求項６の表示部材である
   　ことを特徴とする複合遮断器。

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