JP2012067925A - 減速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速比をかせぎつつ入力軸と出力軸のオフセットを小さくすること。
【解決手段】モータ1の出力回転を減速するプラネタリギヤセット10と、プラネタリギヤセット10の出力回転を減速するカウンタギヤセット(16、20、30)と、カウンタギヤセットの出力回転を減速してディファレンシャルギヤセット3に向けて出力するプラネタリギヤセット40と、を備える。プラネタリギヤセット10における出力軸(14の中心軸)および入力軸(11の中心軸)は、プラネタリギヤセット40における出力軸(44の中心軸)および入力軸(41の中心軸)と平行に配される。カウンタギヤセット(16、20、30)の入力軸(16の中心軸)は、プラネタリギヤセット10の出力軸(14の中心軸)と共通である。カウンタギヤセット(16、20、30)の出力軸(30の中心軸)は、プラネタリギヤセット40の入力軸(41の中心軸)と共通である。
【選択図】図2

Description

関連出願
本出願は、2006年10月31日に出願された日本特許出願2006−295555号に基づく優先権を主張するものであり、該日本出願の全部を引用により本書に繰込む。
本発明は、減速機に関し、特に、複数のギヤセットを組み合わせた減速機に関する。
電気自動車用の減速機の従来技術として、平行軸ギヤ(例えば、ハスバギヤ)による複数段減速機構を組み合わせた減速機(従来例1;図4参照)や、平行軸ギヤによる1段減速機構と1組のプラネタリギヤ機構を組み合わせた減速機(従来例2;図5参照)が知られている(非特許文献1参照)。従来例1に係る減速機は、構造が簡素で部品点数が少なくてすむといったメリットがある。従来例2に係る減速機は、プラネタリギヤ機構においてサンギヤ部203bの回転軸と出力軸207が同軸のまま減速ができ、コンパクトなミッションが可能といったメリットがある。
永田尚夫、外3名、『トヨタ3輪タイプバッテリ式フォークリフト「ジェネオ−E」、豊田自動織機技報、豊田自動織機株式会社、2003年7月、第47号、p.33−39
以下の分析は、本発明に基づく。上記非特許文献1の開示事項は、引用をもって繰込み記載されているものとする。
従来例1に係る減速機のように高減速を平行軸ギヤ機構のみで構成する場合、各回転軸にそれぞれギヤを配置して対向させなければならないため、減速比が大きくなるにつれ入力軸101aと出力軸107のオフセットが広くなる。また、従来例1に係る減速機では、減速比が大きくなるにつれギヤ幅が大きくなるため、ギヤ数が増えるにつれ幅方向(図4の左右方向)が広くなる。そのため、従来例1に係る減速機では、搭載できるモータ101の大きさが小さくなり、出力を上げることができないおそれがある。また、平行軸ギヤ104、105は両側にベアリング104a、104b、105a、105bを配置するため、幅方向(図4の左右方向)は、ギヤ幅+ベアリング幅が必要となり、大きくなる。
従来例2に係る減速機は、平行軸ギヤによる1段減速機構と1組のプラネタリギヤ機構の組合せであるため、部品点数を抑えつつ入力軸201aと出力軸207のオフセットを小さくすることができるが、その反面、十分に減速比をかせげないおそれがある。
本発明の主な課題は、減速比をかせぎつつ入力軸と出力軸のオフセットを小さくすることである。
本発明の第1の視点においては、動力源の出力を減速して複数の車軸を備えたディファレンシャルギヤセットに向けて出力する減速機であって、動力源の出力回転を減速する第1プラネタリギヤセットと、前記第1プラネタリギヤセットの出力回転を減速するカウンタギヤセットと、前記カウンタギヤセットの出力回転を減速して前記ディファレンシャルギヤセットに向けて出力する第2プラネタリギヤセットと、を備え、前記第1プラネタリギヤセットにおける同一軸上の出力軸および入力軸は、前記第2プラネタリギヤセットにおける同一軸上の出力軸および入力軸と平行に配され、前記カウンタギヤセットの入力軸は、前記第1プラネタリギヤセットの前記出力軸と共通であり、前記カウンタギヤセットの出力軸は、前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸と共通であり、前記カウンタギヤセットの前記出力軸と前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸とは、少なくとも1つの前記車軸の外周にて前記車軸と間隔をおいて配された円筒状部材であることを特徴とする。
本発明の前記減速機において、前記第1プラネタリギヤセットは、軸方向の直角な平面上で、前記第2プラネタリギヤセットと全部又は一部が同列に配置されることが好ましい。
本発明の前記減速機において、前記カウンタギヤセットの一部のギヤを回転可能に支持するとともに、前記一部のギヤ幅の内周側の少なくとも一部の領域に配置される第1ベアリングを備えることが好ましい。
本発明の前記減速機において、前記第2プラネタリギヤセットにおけるキャリヤを回転可能に支持するとともに、前記キャリヤの内周側の領域に配置される第2ベアリングを備えることが好ましい。
本発明の前記減速機において、前記カウンタギヤセットは、前記第1プラネタリギヤセットの前記出力軸と一体に回転するカウンタドライブギヤと、前記カウンタドライブギヤと噛み合うアイドラギヤと、前記アイドラギヤと噛み合うとともに前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸と一体に回転するカウンタドリブンギヤとよりなることが好ましい。
本発明の第2の視点においては、動力源の出力を減速して複数の車軸を備えたディファレンシャルギヤセットに向けて出力する減速機であって、前記動力源の出力回転を減速する第1プラネタリギヤセットと、前記第1プラネタリギヤセットの出力回転を減速するカウンタギヤセットと、前記カウンタギヤセットの出力回転を減速して前記ディファレンシャルギヤセットに向けて出力する第2プラネタリギヤセットと、を備え、前記第1プラネタリギヤセットにおける出力軸および入力軸は同軸に配され、前記第2プラネタリギヤセットにおける出力軸および入力軸は同軸に配され、前記第1プラネタリギヤセットにおける前記出力軸および前記入力軸は、前記第2プラネタリギヤセットにおける前記出力軸および前記入力軸と平行に配され、前記カウンタギヤセットの入力軸の中心軸は、前記第1プラネタリギヤセットの前記出力軸の中心軸と共通であり、前記カウンタギヤセットの出力軸の中心軸は、前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸の中心軸と共通であり、前記カウンタギヤセットの前記出力軸と前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸とは、少なくとも1つの前記車軸の外周にて前記車軸と間隔をおいて配された円筒状部材であることを特徴とする。
本発明によれば、減速比(トルク)をかせぎつつ減速機の入力軸と出力軸の軸間の幅(オフセット)を小さくすることができる。また、第1プラネタリギヤセット及び第1プラネタリギヤセットは、負荷トルクに対してプラネタリギヤ数で負荷を分担するため、カウンタギヤセットよりギヤ幅を小さく設定できる。また、第1プラネタリギヤセットが、軸方向に直角な平面上で、第2プラネタリギヤセットと全部又は一部が同列に配置されているので、軸方向の幅をコンパクトにできる。また、第1ベアリングが、カウンタギヤセットにおける一部のギヤ幅の内周側の少なくとも一部の領域に配置されるので、軸方向の幅をコンパクトにできる。また、第2ベアリングが、第2プラネタリギヤセットにおけるキャリヤの内周側の領域に配置されるので、軸方向の幅をコンパクトにできる。さらに、カウンタドライブギヤとカウンタドリブンギヤの間にアイドラギヤを介在させることにより、減速機のサイズの小型化が可能であり、動力源の大きさに応じて減速機のサイズを調整することができる。
本発明の実施形態1に係る減速機の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施形態1に係る減速機の構成を模式的に示したギヤトレーン図である。 減速機のトルク−オフセット特性を模式的に示したグラフである。 従来例1に係る減速機の構成を模式的に示した断面図である。 従来例2に係る減速機の構成を模式的に示した断面図である。
1 モータ
1a 出力軸
2a、2b、2c ケース部材
3 ディファレンシャルギヤセット
4a、4b 車軸
10 プラネタリギヤセット
11 サンギヤ
12 ピニオンギヤ
13 リングギヤ
14 キャリヤ
14a 軸部
14b、14c ハブ部
15a、15b ベアリング
16 カウンタドライブギヤ
20 アイドラギヤ
30 カウンタドリブンギヤ部材
30a カウンタドリブンギヤ部
30b ハブ部
31a、31b ベアリング
40 プラネタリギヤセット
41 サンギヤ
42 ピニオンギヤ
43 リングギヤ
44 キャリヤ
44a 軸部
44b、44c ハブ部
45a、45b ベアリング
101 モータ
101a 入力軸
102a、102b ケース
103 第1平行軸ギヤ
103a ベアリング
104 第2平行軸ギヤ
104a、104b ベアリング
105 第3平行軸ギヤ
105a、105b ベアリング
106 第4平行軸ギヤ
106a ベアリング
107 出力軸
107a ベアリング
201 モータ
201a 入力軸
201b ベアリング
202 ピニオンギヤ
203 ギヤ
203a 平行軸ギヤ部
203b サンギヤ部
203c ベアリング
204 ピニオンギヤ
205 リングギヤ
206 キャリヤ
207 出力軸
207a ベアリング
208a、208b ケース部材
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る減速機について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る減速機の構成を模式的に示した断面図である。図2は、本発明の実施形態1に係る減速機の構成を模式的に示したギヤトレーン図である。
実施形態1に係る減速機は、例えば、バッテリ式フォークリフト等の電気自動車に用いられる減速機であり、モータ1の出力を減速してディファレンシャルギヤセットに出力する。この減速機は、モータ1と、ケース部材2a、2b、2cと、プラネタリギヤセット10と、カウンタドライブギヤ16と、アイドラギヤ20と、カウンタドリブンギヤ部材30と、プラネタリギヤセット40と、ディファレンシャルギヤセット3と、を有する。
モータ1は、動力源である電動モータであり、ケース部材2cに装着されている。モータ1は、動力回転を出力する出力軸1aを有する。出力軸1aは、ケース部材2cに形成された穴を挿通して、ケース部材2a、2b、2cで囲まれたケース組立体の内部に延在している。
ケース部材2aは、所定の形状に形成された部材である。ケース部材2aは、軸方向の片側(図1の左側)からケース部材2bにボルトによって取り付けられている。ケース部材2aは、ケース内側であって出力軸1aの外周にベアリング15bを装着するための台座部を有する。ケース部材2aは、アイドラギヤ20を回転可能に支持する。ケース部材2aは、ケース内側であってカウンタドリブンギヤ部材30のハブ部30bの外周にベアリング31bを装着するための台座部を有する。
ケース部材2bは、所定の形状に形成された部材である。ケース部材2bには、軸方向の両面にケース部材2a、2cがボルトによって取り付けられている。ケース部材2bは、主に出力軸1a、プラネタリギヤセット10、カウンタドライブギヤ16、アイドラギヤ20、カウンタドリブンギヤ部材30、及びプラネタリギヤセット40を覆うように形成されている。ケース部材2bは、リングギヤ13の外周部とスプライン係合し、リングギヤ13の相対回転を防止する。ケース部材2bには、リングギヤ43の外周部とスプライン係合し、リングギヤ43の相対回転を防止する。ケース部材2bは、ハブ部44bの外周にベアリング45aを装着するための突起部を有する。
ケース部材2cは、所定の形状に形成された部材である。ケース部材2cは、主にディファレンシャルギヤセット3を覆うように形成されている。ケース部材2cは、軸方向の片側(図1の左側)からケース部材2bにボルトによって取り付けられている。ケース部材2cには、ケース外側の部分においてモータ1が装着されている。ケース部材2cは、モータ1の出力軸1aをケース内部に挿通するための穴を有する。ケース部材2cは、ケース内側であって出力軸1aの外周にベアリング15aを装着するための突起部を有する。ケース部材2cは、ケース内側であってキャリヤ44のハブ部44cの外周にベアリング45bを装着するための台座部を有する。
プラネタリギヤセット10は、固定されたリングギヤ13内にてサンギヤ11が回転することにより、リングギヤ13及びサンギヤ11と噛み合うピニオンギヤ12がサンギヤ11を中心として公転し、ピニオンギヤ12を回転可能に支持するキャリヤ14が回転する減速機構である。プラネタリギヤセット10は、入力されたサンギヤ11の回転を減速したキャリヤ14の回転として出力する。プラネタリギヤセット10は、軸方向の直角な平面上で、プラネタリギヤセット40と全部又は一部が同列に配置され、装置の幅方向をコンパクトにしている。プラネタリギヤセット10の軸は、プラネタリギヤセット40の軸と平行になっている。プラネタリギヤセット10は、サンギヤ11と、ピニオンギヤ12と、リングギヤ13と、キャリヤ14と、ベアリング15a、15bと、カウンタドライブギヤ16と、を有する。
サンギヤ11は、モータ1の出力軸1aとスプライン係合する外歯車であり、出力軸1aとの相対回転が防止されている。サンギヤ11は、複数のピニオンギヤ12と噛み合っている。
ピニオンギヤ12は、リングギヤ13とサンギヤ11の間にてリングギヤ13及びサンギヤ11と噛み合う外歯車である。ピニオンギヤ12は、サンギヤ11が回転することによりサンギヤ11を中心として公転する。ピニオンギヤ12は、キャリヤ14の軸部14aにて回転可能に支持されている。
リングギヤ13は、サンギヤ11及びピニオンギヤ12の外周にてピニオンギヤ12と噛み合う内歯車である。リングギヤ13は、外周面にてケース部材2bとスプライン係合し、ケース部材2bとの相対回転が防止されている。
キャリヤ14は、各ピニオンギヤ12を回転可能に支持する部材である。キャリヤ14は、ピニオンギヤ12の公転によって回転する。キャリヤ14は、軸部14aと、ハブ部14bと、ハブ部14cと、を有する。軸部14aは、ピニオンギヤ12の回転軸になる部分である。ハブ部14bは、モータ1の出力軸1aの外周にて出力軸1aと間隔をおいてケース部材2a側に延在する筒状の部分であり、先端外周部分がベアリング15bによって回転可能に支持されている。ハブ部14bは、中間外周部分にてカウンタドライブギヤ16とスプライン係合し、カウンタドライブギヤ16との相対回転が防止されている。ハブ部14cは、モータ1の出力軸1aの外周にて出力軸1aと間隔をおいてケース部材2c側に延在する筒状の部分であり、先端外周部分がベアリング15aによって回転可能に支持されている。
ベアリング15aは、ケース部材2cに装着されており、ハブ部14cを回転可能に支持する。ベアリング15bは、ケース部材2aに装着されており、ハブ部14bを回転可能に支持する。
カウンタドライブギヤ16は、ハブ部14bの中間外周部分にてスプライン係合する外歯車であり、ハブ部14bとの相対回転が防止されている。カウンタドライブギヤ16は、アイドラギヤ20と噛み合う。カウンタドライブギヤ16は、アイドラギヤ20及びカウンタドリブンギヤ部材30と関連して減速機構を構成するカウンタギヤセットの一部である。カウンタドライブギヤ16は、カウンタドリブンギヤ部材30の径よりも小さく構成され、アイドラギヤ20を介してカウンタドリブンギヤ部材30の回転を減速する。カウンタドライブギヤ16は、アイドラギヤ20及びカウンタドリブンギヤ部材30と軸方向の直角な平面上で全部又は一部が同列に配置され、装置の幅方向をコンパクトにしている。
アイドラギヤ20は、カウンタドライブギヤ16とカウンタドリブンギヤ部30aの両方と噛み合う外歯車である。アイドラギヤ20は、カウンタドライブギヤ16及びカウンタドリブンギヤ部材30と関連して減速機構を構成するカウンタギヤセットの一部である。アイドラギヤ20は、カウンタドリブンギヤ部材30及びカウンタドライブギヤ16と軸方向の直角な平面上で全部又は一部が同列に配置され、装置の幅方向をコンパクトにしている。アイドラギヤ20は、ケース部材2aに回転可能に支持されている。
カウンタドリブンギヤ部材30は、カウンタドライブギヤ16の回転によって、アイドラギヤ20を介して減速される回転部材である。カウンタドリブンギヤ部材30は、アイドラギヤ20及びカウンタドライブギヤ16と関連して減速機構を構成するカウンタギヤセットの一部である。カウンタドリブンギヤ部材30は、アイドラギヤ20及びカウンタドライブギヤ16と軸方向の直角な平面上で全部又は一部が同列に配置され、装置の幅方向をコンパクトにしている。カウンタドリブンギヤ部材30は、カウンタドリブンギヤ部30aと、ハブ部30bと、ベアリング31aと、ベアリング31bと、を有する。
カウンタドリブンギヤ部30aは、ハブ部30bから外周方向に延在し、先端部分に中間部分よりも幅の広い外歯が形成されたギヤ部分であり、アイドラギヤ20と噛み合う。ハブ部30bは、車軸4aの外周にて車軸4aと間隔をおいて配された円筒状の部分であり、ケース部材2a側の先端外周部がベアリング31bに回転可能に支持されており、ケース部材2c側の先端外周部がベアリング31aに回転可能に支持されている。ハブ部30bは、外周面からカウンタドリブンギヤ部30aが延在している。ハブ部30bは、外周面にてサンギヤ41とスプライン係合し、サンギヤ41との相対回転を防止する。
ベアリング31aは、キャリヤ44に装着されており、カウンタドリブンギヤ部材30を回転可能に支持する。ベアリング31aは、キャリヤ44の内周側の領域に配置され、装置の幅方向をコンパクトにしている。ベアリング31bは、ケース部材2aに装着されており、カウンタドリブンギヤ部材30を回転可能に支持する。ベアリング31bは、カウンタドリブンギヤ部30aの幅の内周側の少なくとも一部の領域に配置され、装置の幅方向をコンパクトにしている。
プラネタリギヤセット40は、固定されたリングギヤ43内にてサンギヤ41が回転することにより、リングギヤ43及びサンギヤ41と噛み合うピニオンギヤ42がサンギヤ41を中心として公転し、ピニオンギヤ42を回転可能に支持するキャリヤ44が回転する減速機構である。プラネタリギヤセット40は、入力されたサンギヤ41の回転を減速したキャリヤ44の回転として出力する。プラネタリギヤセット40は、軸方向の直角な平面上で、プラネタリギヤセット10と全部又は一部が同列に配置され、装置の幅方向をコンパクトにしている。プラネタリギヤセット40の軸は、プラネタリギヤセット10の軸と平行になっている。プラネタリギヤセット40は、サンギヤ41と、ピニオンギヤ42と、リングギヤ43と、キャリヤ44と、ベアリング45a、45bと、を有する。
サンギヤ41は、カウンタドリブンギヤ部材30のハブ部30bとスプライン係合する外歯車であり、ハブ部30bとの相対回転が防止されている。サンギヤ41は、複数のピニオンギヤ42と噛み合っている。
ピニオンギヤ42は、リングギヤ43とサンギヤ41の間にてリングギヤ43及びサンギヤ41と噛み合う外歯車である。ピニオンギヤ42は、サンギヤ41が回転することによりサンギヤ41を中心として公転する。ピニオンギヤ42は、キャリヤ44の軸部44aにて回転可能に支持されている。
リングギヤ43は、サンギヤ41及びピニオンギヤ42の外周にてピニオンギヤ42と噛み合う内歯車である。リングギヤ43は、外周面にてケース部材2bとスプライン係合し、ケース部材2bとの相対回転が防止されている。
キャリヤ44は、各ピニオンギヤ42を回転可能に支持する部材である。キャリヤ44は、ピニオンギヤ42の公転によって回転する。キャリヤ44は、軸部44aと、ハブ部44bと、ハブ部44cと、を有する。軸部44aは、ピニオンギヤ42の回転軸になる部分である。ハブ部44bは、カウンタドリブンギヤ部材30のハブ部30bの外周にてハブ部30bと間隔をおいてケース部材2a側に延在する筒状の部分であり、先端外周部分がベアリング31bによって回転可能に支持されている。ハブ部44cは、カウンタドリブンギヤ部材30のハブ部30b乃至ディファレンシャルギヤセット3の外周にてハブ部30bと間隔をおいてケース部材2c側に延在する筒状の部分であり、先端外周部分がベアリング45bによって回転可能に支持され、ピニオンギヤ42側の内周部分にベアリング31aが装着されている。ハブ部44cは、ディファレンシャルギヤセット3の入力軸となる。
ベアリング45aは、ケース部材2bに装着されており、ハブ部44bを回転可能に支持する。ベアリング45bは、ケース部材2cに装着されており、ハブ部44cを回転可能に支持する。
ディファレンシャルギヤセット3は、車軸4a、4bの回転差を吸収し円滑な転がり走行がでるようにした、かさ歯車を用いた装置である。
以上のような減速機を模式的に示すと、図2に示すようなギアトレーンとなる。
実施形態1によれば、減速比(トルク)をかせぎつつ入力軸(モータ1の出力軸1a)と出力軸(車軸4a、4b)の軸間の幅(オフセット)を小さくすることができる(図3参照)。なお、従来例1(図4参照)、及び、従来例2(図5参照)は、トルク−オフセット特性において、図3のように通常期待される期待ライン上の特性しか示さないが、実施形態1では、期待ラインから外れ、トルクをかせぎつつオフセットを小さくできる。また、プラネタリギヤセット10、40は、負荷トルクに対してプラネタリギヤ数で負荷を分担するため、カウンタギヤセットよりギヤ幅を小さく設定できる。また、プラネタリギヤセット10が、軸方向の直角な平面上で、プラネタリギヤセット40と全部又は一部が同列に配置されているので、軸方向の幅をコンパクトにできる。また、ベアリング31bが、カウンタギヤセットにおけるカウンタドリブンギヤ部30aのギヤ幅の内周側の少なくとも一部の領域に配置されるので、軸方向の幅をコンパクトにできる。また、ベアリング31aが、プラネタリギヤセット40におけるキャリヤ44の内周側の領域に配置されるので、軸方向の幅をコンパクトにできる。
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、更にその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲(クレーム)の枠内において、種々の開示要素の多様な組合せ・置換ないし選択が可能である。

Claims (6)

  1. 動力源の出力を減速して複数の車軸を備えたディファレンシャルギヤセットに向けて出力する減速機であって、
    動力源の出力回転を減速する第1プラネタリギヤセットと、
    前記第1プラネタリギヤセットの出力回転を減速するカウンタギヤセットと、
    前記カウンタギヤセットの出力回転を減速して前記ディファレンシャルギヤセットに向けて出力する第2プラネタリギヤセットと、
    を備え、
    前記第1プラネタリギヤセットにおける同一軸上の出力軸および入力軸は、前記第2プラネタリギヤセットにおける同一軸上の出力軸および入力軸と平行に配され、
    前記カウンタギヤセットの入力軸は、前記第1プラネタリギヤセットの前記出力軸と共通であり、
    前記カウンタギヤセットの出力軸は、前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸と共通であり、
    前記カウンタギヤセットの前記出力軸と前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸とは、少なくとも1つの前記車軸の外周にて前記車軸と間隔をおいて配された円筒状部材であることを特徴とする減速機。
  2. 前記第1プラネタリギヤセットは、軸方向の直角な平面上で、前記第2プラネタリギヤセットと全部又は一部が同列に配置されることを特徴とする請求項1記載の減速機。
  3. 前記カウンタギヤセットの一部のギヤを回転可能に支持するとともに、前記一部のギヤ幅の内周側の少なくとも一部の領域に配置される第1ベアリングを備えることを特徴とする請求項1記載の減速機。
  4. 前記第2プラネタリギヤセットにおけるキャリヤを回転可能に支持するとともに、前記キャリヤの内周側の領域に配置される第2ベアリングを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の減速機。
  5. 前記カウンタギヤセットは、前記第1プラネタリギヤセットの前記出力軸と一体に回転するカウンタドライブギヤと、前記カウンタドライブギヤと噛み合うアイドラギヤと、前記アイドラギヤと噛み合うとともに前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸と一体に回転するカウンタドリブンギヤとよりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の減速機。
  6. 動力源の出力を減速して複数の車軸を備えたディファレンシャルギヤセットに向けて出力する減速機であって、
    前記動力源の出力回転を減速する第1プラネタリギヤセットと、
    前記第1プラネタリギヤセットの出力回転を減速するカウンタギヤセットと、
    前記カウンタギヤセットの出力回転を減速して前記ディファレンシャルギヤセットに向けて出力する第2プラネタリギヤセットと、
    を備え、
    前記第1プラネタリギヤセットにおける出力軸および入力軸は同軸に配され、
    前記第2プラネタリギヤセットにおける出力軸および入力軸は同軸に配され、
    前記第1ラネタリギヤセットにおける前記出力軸および前記入力軸は、前記第2プラネタリギヤセットにおける前記出力軸および前記入力軸と平行に配され、
    前記カウンタギヤセットの入力軸の中心軸は、前記第1プラネタリギヤセットの前記出力軸の中心軸と共通であり、
    前記カウンタギヤセットの出力軸の中心軸は、前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸の中心軸と共通であり、
    前記カウンタギヤセットの前記出力軸と前記第2プラネタリギヤセットの前記入力軸とは、少なくとも1つの前記車軸の外周にて前記車軸と間隔をおいて配された円筒状部材であることを特徴とする減速機。
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