JP2012064694A - 積層型サーミスタ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温での連続使用においても抵抗値にばらつきがなく、信頼性の高い積層型サーミスタ素子を提供すること。
【解決手段】少なくとも一対の内部電極層と、内部電極層の間に挟まれるサーミスタ層とを有する素子本体と、素子本体の表面に形成され、内部電極層と電気的に接続する外部電極層とを有する積層型サーミスタ素子であって、外部電極層は、素子本体の表面に直接に形成される第1外部電極層と、第1外部電極層の表面に形成される第2外部電極層とを有し、第1外部電極層が白金粒子とセラミック粒子とを含み、第2外部電極層が白金粒子で構成され、第1外部電極層における白金粒子とセラミック粒子との合計を100vol%とした時に、セラミック粒子が30〜50vol%であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層型サーミスタ素子に関する。
自動車の排ガスなどの温度を測定するサーミスタ素子としては、従来、800℃までの温度を検出することができるものが主流であった。しかしながら、最近では、たとえば1100℃までの高温を測定することができるサーミスタ素子の開発が望まれている。
白金は高温耐性が高いため、外部電極層に白金を含み、1000℃までの高温で使用可能なサーミスタ素子が知られている。しかし、より高温の1100℃付近での連続使用環境では、白金を含む外部電極層が凝集して外部電極層の平面における面積が小さくなる現象が発生することがあり、サーミスタ素子の抵抗値にばらつきが生じる虞がある。
なお、素子本体との密着性を向上させるために、外部電極層を、金属層と、金属およびセラミックを含む層で構成したサーミスタ素子が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に示すサーミスタ素子は積層型サーミスタ素子ではなく、内部電極層とのコンタクトを考慮する必要がない。特許文献1に示す外部電極層は、セラミックの含有量が多すぎるため、その外部電極層を積層型サーミスタ素子に適用した場合には、外部電極層と内部電極層との電気的接続が不十分となり、積層型サーミスタ素子の抵抗値にばらつきが生じる虞がある。
特開平4−322401号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、高温での連続使用においても抵抗値にばらつきがなく、信頼性の高い積層型サーミスタ素子を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る積層型サーミスタ素子は、
少なくとも一対の内部電極層と、前記内部電極層の間に挟まれるサーミスタ層とを有する素子本体と、
前記素子本体の表面に形成され、前記内部電極層と電気的に接続する外部電極層とを有する積層型サーミスタ素子であって、
前記外部電極層は、
前記素子本体の表面に直接に形成される第1外部電極層と、
前記第1外部電極層の表面に形成される第2外部電極層とを有し、
前記第1外部電極層が白金粒子とセラミック粒子とを含み、前記第2外部電極層が白金粒子で構成され、
前記第1外部電極層における前記白金粒子と前記セラミック粒子との合計を100vol%とした時に、前記セラミック粒子が30〜50vol%であることを特徴とする。
本発明では、第1外部電極層には、セラミック粒子が30vol%以上含有されているため、1100℃付近での連続使用に際しても、外部電極層が凝集するおそれがない。したがって、高温使用時に、外部電極層の平面における面積は一定であり、積層型サーミスタ素子の抵抗値にばらつきが発生しない。また、第1外部電極層に含まれる絶縁性のセラミック粒子が50vol%以下であるため、第1外部電極層を含む外部電極層と内部電極層との電気的接続を良好に確保することができ、積層型サーミスタ素子の抵抗値にばらつきが生じることを防止できる。このように、1100℃付近の比較的に高温の使用環境においても、積層型サーミスタ素子の抵抗値にばらつきが生じないため、信頼性を向上させることが可能となる。
また、第2外部電極層が白金粒子で構成されるため、第2外部電極層の構造が緻密であり、積層型サーミスタ素子の製造工程において、水分等が内部電極へ侵入するおそれが少ない。
好ましくは、前記セラミック粒子は、前記サーミスタ層を構成するセラミック粒子と同じである。第1外部電極層におけるセラミック粒子を、サーミスタ層におけるセラミック粒子と同じにすることで、第1外部電極層と素子本体との密着性がより良好になり、1100℃付近での連続使用に際して、外部電極層の凝集を効果的に防止することができる。また、サーミスタ層と第1外部電極層とで、同じセラミック粒子を用いることにより、製造工程を簡略化することができる。
好ましくは、前記第1外部電極層は、前記白金粒子と前記セラミック粒子を含むペースト膜の焼成体であり、前記第2外部電極層は、前記白金粒子を含むペースト膜の焼成体である。好ましくは、前記内部電極層と、前記サーミスタ層と、前記外部電極層は、同時焼成により形成される。
同時焼成で形成されたとしても、素子本体と外部電極層(第1外部電極層+第2外部電極層)の収縮率の差に基づくデラミネーション等の発生を極力防止することができる。また、同時焼成により、製造工程の簡略化を図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型サーミスタ素子の要部縦断面図である。 図2は、図1に示すII−II線に沿う積層型サーミスタ素子の横断面図である。 図3Aは、図1に示す積層型サーミスタ素子の製造工程を示す説明図である。 図3Bは、図1に示す積層型サーミスタ素子の製造工程を示す説明図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係る積層型サーミスタ素子の要部縦断面図である。 図5は、図1に示すV−V線に沿う積層型サーミスタ素子の横断面図である。 図6は、比較例における高温実験後の積層型サーミスタ素子の横断面図である。
第1実施形態
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態に係る積層型サーミスタ素子2は、素子本体4と、一対の外部電極層10と、平行に延びる一対のリード端子12と、絶縁層14とを有している。なお、一対のリード端子12を結ぶ線に平行な方向をX軸とし、リード端子12が延びる方向をY軸とし、X軸およびY軸に垂直な方向をZ軸とする。
素子本体4は直方体形状をしている。素子本体4のX軸方向の両端面を構成する2面には、後述する内部電極層8と接続するように、一対の外部電極層10が形成されている。各外部電極層10は、素子本体4のX軸方向の両端面の全面に形成してあるが、必ずしも全面に形成する必要はない。
各外部電極層10は、素子本体4のX軸方向の両端面にそれぞれ直接に形成される第1外部電極層10aと、各第1外部電極層10aの表面にそれぞれ形成される第2外部電極層10bとを有している。外部電極層10が形成された素子本体4を挟み込むように、一対のリード端子12が外部電極層10に、Pt接続層16によって接続してある。
素子本体4の内部には、NTC特性のサーミスタ層6を挟むように、内部電極層8が交互に積層してある。この実施形態では、内部電極層8の平面は、X軸およびY軸を含む平面に平行な方向である。サーミスタ層6を挟む一方の内部電極層8は、一方の外部電極層10に接続してあり、他方の内部電極層8は他方の外部電極層10に接続してあり、積層方向に隣接する内部電極層8で挟まれるサーミスタ層6が、センサ部となる。
図2に示すように、サーミスタ層6を介して交互に積層される内部電極層8は、素子本体4におけるX軸方向の両端面に形成してある一対の外部電極層10にそれぞれ接続され、素子本体4における積層方向(Z軸方向)の両端部には、センサ部としては機能しないサーミスタ層6aが積層されている。
NTC特性のサーミスタ層6(サーミスタ層6aも含む)の材質は、半導体セラミックであれば特に制限されず、たとえば、イットリウム(Y)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)などの元素の酸化物を主成分として含む材料で構成される。また、特性向上等のために副成分が含有されていてもよい。副成分として、スズ(Sn)、コバルト(Co)などが含有されてもよい。主成分および副成分の組成および含有量は、所望の特性に応じて適宜決定すればよい。サーミスタ層6(サーミスタ層6aも含む)におけるセラミック粒子の粒径は、0.5〜2.0μmであることが好ましい。
サーミスタ層6の厚みは、特に制限されないが、本実施形態では、好ましくは10〜100μm程度である。また、外側に積層されるサーミスタ層6aの厚みは、特に限定されないが、好ましくは40〜600μmである。
内部電極層8を構成する導電材としては、Ptで構成されることが好ましいが、Ag、Pd、Au、Pt等の貴金属およびこれらの合金(Pt−Pd合金など)などで構成されても良い。本実施形態では、内部電極層8は、Ptペーストを、サーミスタ層6,6aを構成するグリーンシートと共に同時焼成することで形成される。内部電極層8の厚みは、好ましくは0.5〜3.0μmである。
外部電極層10の厚みは、特に限定されないが、好ましくは2〜15μmである。第1外部電極層10aは、Pt粒子と、セラミック粒子とで構成される。第1外部電極層10aにおけるセラミック粒子の材質および粒径は、サーミスタ層6におけるセラミック粒子と同じであることが好ましいが、多少異なっていてもよい。
第1外部電極層10aにおけるPt粒子とセラミック粒子との合計を100vol%とした時に、セラミック粒子が30〜50vol%である。第1外部電極層10aは、Pt粒子とセラミック粒子を含むペースト膜を塗布して素子本体4と同時焼成することで形成される。第2外部電極層10bは、Pt粒子を含むペースト膜を塗布して素子本体4と同時焼成することで形成される。
リード端子12は、本実施形態では、断面が楕円形の線材で構成してあり、楕円形の短径の長さは、特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.4μmである。本実施形態では、リード端子12は、Ptで構成されるが、Feをベースとした耐熱合金(たとえばステンレス鋼)で構成されも良く、Niをベースとした耐熱合金で構成されても良い。Pt接続層16は、焼成後の外部電極層10に対してリード端子12を接続する際に、図3Bに示すように、Ptペースト16Aを塗布して焼付け処理することによって形成される。なお、内部電極層8、第2外部電極層10b、Pt接続層16は、同一のPtペースト16Aにより形成されることが好ましい。材料を共用でき、製造コストを低減できる。
リード端子12の先端が外部電極層10(第2外部電極層10b)に接続する部分を少なくとも覆うように、しかも素子本体4の全周を覆い、リード端子12の後端部を露出させるように、絶縁層14が素子本体4の周囲を被覆してある。
絶縁層14は、1100℃以上の耐熱性を有することが好ましい。積層型サーミスタ素子2は、金属ケース18の内側に配置されている。金属ケース18は、たとえばステンレス製である。
次に、本実施形態に係る積層型サーミスタ2の製造方法の一例を説明する。本実施形態に係る積層型サーミスタを製造する方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いればよいが、以下の説明では、シート法を用いる場合を例示する。
まず、Ptペーストを準備する。なお、このPtペーストを用いて、内部電極層8、第2外部電極層10b、Pt接続層16を形成することとなる。
次に、グリーンシートを準備する。サーミスタ層を構成する材料の原料を湿式混合等の手段によって均一に混合した後、乾燥させる。サーミスタ層の原料としては、Y、Ca、Cr、Al、Co、Snの酸化物、炭酸塩、硝酸塩などが用いられる。なお、この種の材料には、Si、K、Na、Niなどの不可避的不純物が0.1重量%程度以下、含まれていてもよい。
次に、サーミスタ層を構成する材料を仮焼成し、仮焼粉を湿式粉砕する。仮焼成の条件としては、1100〜1300℃であることが好ましい。湿式粉砕されたセラミック粒子の一部は、後で第1外部電極層ペーストの材料として用いる。そして、粉砕された仮焼粉末にバインダや溶剤などを加えてスラリー化する。次に、スラリーをドクターブレード法またはスクリーン印刷法等の手段によってシート化し、その後に乾燥させてグリーンシートを得る。なお、この時のセラミック粒子の粒径は、0.5〜2.0μmであることが好ましい。
このようにして得られたグリーンシートの上に、Ptペーストを用いてスクリーン印刷を行うことで、所定パターンのPtペースト膜が形成されたグリーンシートが得られる。このPtペースト膜は、後で内部電極層8となる。表面に所定パターンのPtペースト膜が形成されたグリーンシートと、Ptペースト膜が形成されていないグリーンシートとを用意する。
次に、これらのグリーンシートを重ね合せ、圧力を加えて圧着し、乾燥工程等の必要な工程を経た後に切断し、グリーン状態の素子本体4が得られる。
次に、グリーン状態の素子本体4の内部電極層8が露出する2面に、第1外部電極層10aとなる第1外部電極層ペーストを塗布する。第1外部電極層ペーストは、Pt粒子と、上述したセラミック粒子と、バインダと、溶剤とを含む。第1外部電極層ペーストにおけるPt粒子とセラミック粒子との割合は、Pt粒子とセラミック粒子との合計を100vol%とした時に、セラミック粒子が30〜50vol%であり、好ましくは40〜50vol%である。
素子本体4に形成された第1外部電極層ペーストの表面に、第2外部電極層10bとなる第2外部電極層ペーストとして、上述したPtペーストを塗布する。その後、第1外部電極層ペーストおよび第2外部電極層ペーストが形成された素子本体4を、乾燥させて、素子本体4と共に一体的に同時焼成する(図3Aに示す)。焼成条件としては、1500℃〜1600℃で焼成することが好ましい。このようにして、外部電極層10が形成された素子本体4を得る。
次に、素子本体4に形成された外部電極層10(第2外部電極層10b)に対して、リード端子12の先端部を、Ptペースト16Aを用いて接合する(図3Bに示す)。すなわち、リード端子12を、Ptペースト16Aを介して第2外部電極層10bに接触させて、乾燥させ、リード端子12の先端部を外部電極層10に対して焼付処理する。焼付処理の条件としては、1100〜1300℃で焼付することが好ましい。
次に、リード端子12が接合された素子本体4の周囲に、絶縁層14を形成する。絶縁層14の材料としては、1100℃以上の耐熱性を有するガラス、セラミックを用いることが好ましい。好ましいセラミックとしては、たとえば、Al、MgO、SiOやその混合物等が用いられる。
絶縁層14となるペーストを、リード端子12の先端部が接合された素子本体4に、ディップ等によりコーティングする。その後、焼成を行う。焼成条件としては、1000〜1200℃で焼成することが好ましい。このようにして、絶縁層14で素子本体4が被覆された目的のサーミスタ素子2が得られる。
なお、素子本体4が単層の絶縁層14で覆われるように説明を行ったが、絶縁層は多層であっても良い。また、絶縁層に覆われた素子本体4は、金属ケース18に入れなくても良い。
本実施形態では、第1外部電極層10aには、セラミック粒子が30vol%以上含有されているため、1100℃付近での連続使用に際しても、外部電極層10が凝集するおそれがない。したがって、高温使用時に、外部電極層10の平面における面積は一定であり、積層型サーミスタ素子2の抵抗値にばらつきが発生しない。また、第1外部電極層10aに含まれる絶縁性のセラミック粒子が50vol%以下であるため、第1外部電極層10aを含む外部電極層10と内部電極層8との電気的接続を良好に確保することができ、積層型サーミスタ素子2の抵抗値にばらつきが生じることを防止できる。このように、1100℃付近の比較的に高温の使用環境においても、積層型サーミスタ素子2の抵抗値にばらつきが生じないため、信頼性を向上させることが可能となる。
また、第2外部電極層10bがPt粒子で構成されるため、第2外部電極層10bの構造が緻密であり、積層型サーミスタ素子2の製造工程において、水分等が内部電極8の内部へ侵入するおそれが少ない。
第1外部電極層10aにおけるセラミック粒子を、サーミスタ層6,6aにおけるセラミック粒子と同じにすることで、第1外部電極層10aと素子本体4との密着性がより良好になり、1100℃付近での連続使用に際して、外部電極層10の凝集を効果的に防止することができる。また、サーミスタ層6,6aと第1外部電極層10aとで、同じセラミック粒子を用いることにより、製造工程を簡略化することができる。
素子本体4と外部電極層10が同時焼成で形成されたとしても、素子本体4と外部電極層10(第1外部電極層10a+第2外部電極層10b)の収縮率の差に基づくデラミネーション等の発生を極力防止することができる。また、同時焼成により、製造工程の簡略化を図ることができる。
第2実施形態
以下に示す以外は、上述した第1実施形態と同様であり、重複する説明を省略する。図4および図5に示すように、本実施形態では、リード端子12の先端側で、少なくとも第2外部電極層10bと接続している先端部12aは、断面矩形の平板形状をしている。リード端子12の先端部12aの断面の縦横寸法は、0.1〜0.4mm×0.2〜0.5mmであることが好ましい。本実施形態のリード端子12は、断面円形の線材の先端部12aをプレスすることによって形成される。なお、リード端子12は、先端から後端に至るまで平板形状であってもよい。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
まず、グリーンシートを準備した。Y、Ca、Cr、Al、Co、Snの酸化物、炭酸塩、硝酸塩を用い、湿式混合によって均一に混合した後、乾燥させた。次に、1100〜1300℃の焼成条件で仮焼成し、仮焼粉を湿式粉砕して、セラミック粒子を得た。得られたセラミック粒子にバインダと溶剤を加えてスラリー化した。次に、スラリーをドクターブレード法によってシート化し、その後に乾燥させてグリーンシートを得た。
Pt粒子と、バインダと、溶剤を含むPtペースト(内部電極層ペースト)を準備し、グリーンシートの表面に、Ptペースト膜をスクリーン印刷により形成した。表面にPtペースト膜を形成したグリーンシートと、表面にPtペースト膜を形成しないグリーンシートとを用意した。
次に、これらのグリーンシートを重ね合せ、圧力を加えて圧着し、乾燥工程を経た後に切断し、グリーン状態の素子本体4を得た。
次に、第1外部電極層ペーストを準備し、グリーン状態の素子本体4の内部電極層8が露出する2面に、第1外部電極層ペーストを塗布した。第1外部電極層ペーストとして、Pt粒子と、湿式粉砕後のセラミック粒子と、バインダと、溶剤を含むペーストを用いた。第1外部電極層ペーストにおけるPt粒子とセラミック粒子との割合は、Pt粒子とセラミック粒子との合計を100vol%とした時に、セラミック粒子が30vol%であった。
次に、第1外部電極層ペーストの表面に、第2外部電極層ペーストとして、内部電極層ペーストと同じPtペーストを塗布した。その後、第1外部電極層ペーストおよび第2外部電極層ペーストが塗布された素子本体4を、乾燥させて、1600℃の焼成条件で一体的に同時焼成した(図3Aに示す)。このようにして、外部電極層10(第1外部電極層10a+第2外部電極層10b)が形成された素子本体4を得た。なお、焼成後の第1外部電極層10aにおけるPt粒子とセラミック粒子との割合は、Pt粒子とセラミック粒子との合計を100vol%とした時に、セラミック粒子が30vol%であった。
このように外部電極10が形成された素子本体4のうち、20個をサンプリングし、それぞれについて、外部電極層10が内部電極層8とコンタクトできているか否かの評価を行った。なお、コンタクトが不良になると抵抗値が増大するため、コンタクト評価として抵抗値ばらつきで判定を行った。変動係数CV(%)=標準偏差/平均値×100とした。結果を表1に示す。
Figure 2012064694
次に、上記のようにして外部電極10が形成された素子本体4のうち、20個をサンプリングし、これらを1100℃の高温に1000時間さらし、電極凝集評価を行った。なお、図6に示す素子本体4のように、外部電極層10が凝集していると抵抗値が増大するため、電極凝集評価として抵抗値ばらつきで判定を行った。変動係数CV(%)=標準偏差/平均値×100とした。結果を表1に示す。
実施例2〜5
焼成後の第1外部電極層10aにおけるセラミック粒子の割合を、35vol%,40vol%,45vol%,50vol%とした以外は、上述した実施例1と同様にして素子本体4を製造し、外部電極10を形成し、コンタクト評価および電極凝集評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
焼成後の第1外部電極層10aにおけるセラミック粒子の割合を、25vol%とした以外は、上述した実施例1と同様にして素子本体4を製造し、外部電極10を形成し、コンタクト評価および電極凝集評価を行った。結果を表1に示す。比較例1においては、表1に示すように、電極凝集評価における抵抗値ばらつきが大きかった。すなわち、図6に示す素子本体4のように、外部電極層10が凝集していた。
比較例2
焼成後の第1外部電極層10aにおけるセラミック粒子の割合を、53vol%とした以外は、上述した実施例1と同様にして素子本体4を製造し、外部電極10を形成し、コンタクト評価および電極凝集評価を行った。結果を表1に示す。比較例2においては、コンタクト評価における抵抗値ばらつきが大きかった。
評価
表1に示すように、比較例1および2に比較して、実施例1〜3においては、凝集評価の抵抗値ばらつきとコンタクト評価の抵抗値ばらつきとの双方において優れていた。これらの結果から、焼成後の第1外部電極層10aにおけるセラミック粒子の割合が30〜50vol%、好ましくは40〜50vol%である場合に、1100℃という高温に連続的にさらしても、外部電極層10が凝集する現象はほとんど見られず、しかも外部電極層10と内部電極層8とのコンタクトが良好であることが判明した。
2…積層型サーミスタ素子
4…素子本体
6…サーミスタ層
8…内部電極層
10…外部電極層
10a…第1外部電極層
10b…第2外部電極層

Claims (4)

  1. 少なくとも一対の内部電極層と、前記内部電極層の間に挟まれるサーミスタ層とを有する素子本体と、
    前記素子本体の表面に形成され、前記内部電極層と電気的に接続する外部電極層とを有する積層型サーミスタ素子であって、
    前記外部電極層は、
    前記素子本体の表面に直接に形成される第1外部電極層と、
    前記第1外部電極層の表面に形成される第2外部電極層とを有し、
    前記第1外部電極層が白金粒子とセラミック粒子とを含み、前記第2外部電極層が白金粒子で構成され、
    前記第1外部電極層における前記白金粒子と前記セラミック粒子との合計を100vol%とした時に、前記セラミック粒子が30〜50vol%であることを特徴とする積層型サーミスタ素子。
  2. 前記セラミック粒子は、前記サーミスタ層を構成するセラミック粒子と同じであることを特徴とする請求項1に記載の積層型サーミスタ素子。
  3. 前記第1外部電極層は、前記白金粒子と前記セラミック粒子を含むペースト膜の焼成体であり、
    前記第2外部電極層は、前記白金粒子を含むペースト膜の焼成体であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型サーミスタ素子。
  4. 前記内部電極層と、前記サーミスタ層と、前記外部電極層は、同時焼成により形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層型サーミスタ素子。
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