JP2001291604A - チップ形積層サーミスタ及びその製造方法 - Google Patents

チップ形積層サーミスタ及びその製造方法

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JP2001291604A
JP2001291604A JP2000109346A JP2000109346A JP2001291604A JP 2001291604 A JP2001291604 A JP 2001291604A JP 2000109346 A JP2000109346 A JP 2000109346A JP 2000109346 A JP2000109346 A JP 2000109346A JP 2001291604 A JP2001291604 A JP 2001291604A
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Japan
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thermistor
external electrode
chip
sio
insulating layer
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JP2000109346A
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English (en)
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Tomohisa Okimoto
知久 沖本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗値特性のバラツキの小さいチップ形積層
サーミスタを提供することを目的とする。 【解決手段】 チップ形積層サーミスタのサーミスタ素
体の外表面に形成した外部電極14と前記サーミスタ素
体との接続界面に絶縁層13を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器等に用いる
面実装タイプのチップ形積層サーミスタ及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のチップ形積層サーミスタは、図3
に示すようにサーミスタ材料からなるセラミック層1と
内部電極2とが交互に複数層積層されたサーミスタ素体
の両端面に内部電極2と電気的に接続する外部電極3を
形成し、その外部電極3の表面には半田耐熱性を確保す
るためのNiめっき層4と、更にその表面には半田付け
性を確保するために半田めっき層5を設けている。
【0003】前記構成のチップ形積層サーミスタの製造
方法について説明する。
【0004】先ず、Mn、Ni、Co、Fe、Cuなど
の複合酸化物組成からなるサーミスタ材料を用い、公知
の製造方法に従ってセラミック層1用のグリーンシート
を作製する。
【0005】次に、Pd、Pt等の貴金属を含む電極ペ
ーストを用い、印刷方法でグリーンシート面に内部電極
2の印刷、乾燥を行う。
【0006】次いで、内部電極2を印刷したグリーンシ
ートを複数枚積層して、積層体グリーンブロック(図示
せず)とした後、これを所定形状に切断してグリーンチ
ップを得る。
【0007】その後、グリーンチップを300〜500
℃の温度での脱脂に続いて、1000〜1400℃の温
度で焼成を行いチップ形積層サーミスタ用のサーミスタ
素体を作製する。サーミスタ素体はセラミック層1を挟
んで内部電極2どうしが重なり合い、かつその一方の端
部が一層おき交互に相対向する端面に露出した構造とな
っている。
【0008】次に、サーミスタ素体の面取り処理を行
い、内部電極2の一方の端部を両端面に確実に露出させ
た後、内部電極2が露出した両端部に内部電極2と電気
的に導通するようにしてAgを主成分としガラスフリッ
トを含む導電性ペーストを塗布し、600〜900℃の
大気雰囲気中で焼付を行い外部電極3を形成する。その
外部電極3の表面に半田耐熱性を向上させるために電解
めっき工法を用いNiめっき層4と、更にその表面に半
田めっき層5を設けてチップ形積層サーミスタを完成さ
せる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記方法で作製したチ
ップ形積層サーミスタは、外部電極3が内部電極2と電
気的に接続すると共に、サーミスタ素体の表面に直接に
接するようにして形成されているため、チップ形積層サ
ーミスタの抵抗値特性はセラミック層1を挟んで重なり
合う内部電極2間の他に、外部電極3と直接接続されて
いない内部電極2のもう一方の端部と、これに対向する
他方の外部電極3がサーミスタ素体の外表面に廻り込ん
だ部分及び、対向する面との間と、またはセラミック層
1を介して対向する外部電極3どうしの間でも発現し、
抵抗値特性はこれらの合成した値となる。サーミスタ材
料は半導体セラミックであることから、一般に比抵抗値
が小さいためセラミック層1を挟んで重なり合う内部電
極2間以外で発現する抵抗値特性の寄与度も無視するこ
とができず、これがチップ形積層サーミスタの抵抗値特
性を変動させる要因となる。即ち、サーミスタ素体の外
表面に形成する外部電極3の寸法のバラツキがチップ形
積層サーミスタの抵抗値特性のバラツキを生じるため形
成寸法を制御する必要があった。
【0010】本発明は前記問題点を解決するもので、サ
ーミスタ素体と外部電極とが接する界面の絶縁抵抗を高
くし、サーミスタ素体の外表面に形成された外部電極の
寸法のバラツキが変動しても、サーミスタ素体の内部で
のセラミック層を挟んで内部電極どうしが重なり合う部
分以外の抵抗値の寄与度が無視できる値まで高められ、
これによりチップ形積層サーミスタの抵抗値特性のバラ
ツキを低減させることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明は、サーミスタ材料からなるセラミック層と内
部電極とが交互に複数層積層されたサーミスタ素体と、
このサーミスタ素体の外表面端部に内部電極と電気的に
接続する外部電極を備えたチップ形積層サーミスタにお
いて、前記サーミスタ素体の外表面端部に形成された外
部電極とサーミスタ素体との接続界面の絶縁抵抗を高く
することにより、前記サーミスタ素体の外表面に形成す
る前記外部電極の寸法のバラツキが変動しても、前記サ
ーミスタ素体の内部でのセラミック層を挟んで内部電極
どうしが重なり合う部分以外の抵抗値は非常に高いもの
となり、チップ形積層サーミスタ全体の抵抗値特性に対
する寄与度を無視できる値まで高めることができる。こ
れによってチップ形積層サーミスタの抵抗値特性のバラ
ツキを低減させ所期の目的を達成することができるもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、サーミスタ材料からなるセラミック層と内部電極と
が交互に複数層積層されたサーミスタ素体と、前記サー
ミスタ素体の外表面に前記内部電極と電気的に接続され
た外部電極を備えたチップ形積層サーミスタにおいて、
前記サーミスタ素体と前記外部電極との接続界面に絶縁
層を形成したチップ形積層サーミスタであり、接続界面
に形成された絶縁層がサーミスタ素体と外部電極との間
の電気的接続を遮断することによって、チップ形積層サ
ーミスタの抵抗値特性はサーミスタ素体の内部でのセラ
ミック層を挟んで内部電極どうしが重なり合う部分で発
現する特性が支配的となり、それ以外で発現する抵抗値
特性の影響度が無視できる。従ってサーミスタ素体の外
表面に形成された外部電極の寸法が変動しても、これに
起因する抵抗値特性のバラツキを抑制することができる
という効果が得られる。
【0013】本発明の請求項2に記載の発明は、サーミ
スタ素体と外部電極との界面に形成された絶縁層の厚み
が0.1〜10μmである請求項1に記載のチップ形積
層サーミスタであり、絶縁層の厚みが10μm以上の厚
さになると内部電極と外部電極との電気的導通が不安定
となり易い。一方絶縁層の厚みを10μmより薄くする
ことにより内部電極と外部電極との電気的導通を確保し
た状態で、サーミスタ素体と外部電極との電気的接続を
遮断することができる。従ってサーミスタ素体の外表面
に形成された外部電極の寸法が変動しても、これに起因
する抵抗値特性のバラツキを抑制することができるとい
う効果が得られる。
【0014】本発明の請求項3に記載の発明は、サーミ
スタ素体と外部電極との界面に形成された絶縁層がMn
2SiO4を主成分とする組成物である請求項1に記載の
チップ形積層サーミスタであり、界面に形成されたMn
2SiO4を主成分とする組成物は高い絶縁抵抗特性を有
していることが知られており、このためサーミスタ素体
と外部電極との接続界面に形成する絶縁層の厚さを薄く
しても、サーミスタ素体と外部電極との電気的接続を遮
断することができ、サーミスタ素体の外表面に形成され
た外部電極の寸法が変動しても、これに起因する抵抗値
特性のバラツキを抑制することができると共に、サーミ
スタ素体と外部電極との機械的接続強度を低下させない
という作用をも有するものである。
【0015】本発明の請求項4に記載の発明は、サーミ
スタ材料からなるセラミック層と内部電極とが交互に複
数層積層されたサーミスタ素体と、前記サーミスタ素体
の外表面に前記内部電極層と電気的に接続された外部電
極を備えたチップ形積層サーミスタにおいて、SiO2
を含むガラスペーストを前記サーミスタ素体の外表面に
塗布した後、酸素濃度を200ppm以下の雰囲気に制
御した800〜950℃間の温度で熱処理を行い、前記
サーミスタ素体の表面に絶縁層としてのMn2SiO4
主成分とする組成物を生成、析出させ、続いてその表面
に外部電極を形成するチップ形積層サーミスタの製造方
法であり、SiO2を含むガラスペーストを塗布した
後、酸素濃度を200ppm以下に制御した雰囲気中で
熱処理を行うことで、ガラスペーストに含まれたSiO
2とサーミスタ素体中のMn酸化物との反応温度が低下
し800〜950℃の比較的低い温度で容易にMn2
iO4を主成分とする組成物の絶縁層を生成、析出させ
ることができる。従ってサーミスタ素体の外表面に形成
される外部電極の寸法が変動しても、これに起因する抵
抗値特性のバラツキを抑制することができるという効果
が得られる。
【0016】本発明の請求項5に記載の発明は、サーミ
スタ材料からなるセラミック層と内部電極とを交互に複
数層積層されたサーミスタ素体と、前記サーミスタ素体
の外表面に前記内部電極層と電気的に接続された外部電
極を備えたチップ形積層サーミスタにおいて、SiO2
ガラスを含む導電性ペーストを前記サーミスタ素体の外
表面に塗布した後、酸素濃度を200ppm以下の雰囲
気に制御した800〜950℃間の温度で熱処理を行
い、外部電極を形成すると同時に、前記外部電極と前記
サーミスタ素体との界面にMn2SiO4を主成分とする
組成物を析出させ絶縁層を形成するチップ形積層サーミ
スタの製造方法であり、SiO2ガラスを含む導電性ペ
ーストをサーミスタ素体の外表面端部に塗布した後、酸
素濃度を200ppm以下に制御した雰囲気中で熱処理
を行うことで、SiO2ガラス中のSiO2とサーミスタ
素体中のMn酸化物との反応温度が低下し800〜95
0℃の比較的低い温度で容易にMn2SiO4を主成分と
する組成物の絶縁層を生成、析出させることができる。
これにより外部電極の形成と同時に、サーミスタ素体と
外部電極との界面に絶縁層を容易に形成することができ
るため、工程数を減らして確実にサーミスタ素体と外部
電極の電気的接続を遮断することができる。従ってサー
ミスタ素体の外表面に形成された外部電極の寸法バラツ
キに起因する抵抗値特性のバラツキを抑制することがで
きるという効果が得られる。
【0017】本発明の請求項6に記載の発明は、Cu、
Ni、Pd、Ptの群の中から選ばれた少なくとも1種
類以上の金属とSiO2ガラスを含む導電性ペーストを
塗布した後、熱処理を行い外部電極を形成すると同時
に、サーミスタ素体と前記外部電極との界面にMn2
iO4を主成分とする組成物からなる絶縁層を形成する
請求項5に記載のチップ形積層サーミスタの製造方法で
あり、従来の外部電極の金属材料として用いられていた
Agの焼結温度に比較しCu、Ni、Pd、Pt金属、
又はその合金金属は焼結温度が高温であるため、酸素濃
度を200ppm以下に制御した雰囲気中の800〜9
50℃での熱処理においても酸化されることなしに強固
な外部電極を形成することができると共に、酸素濃度を
低く制御した800〜950℃の温度でSiO2ガラス
中のSiとサーミスタ素体の成分であるMn酸化物との
反応が容易となり安定したMn2SiO4を主成分とする
組成物の絶縁層を外部電極の形成と同時に、サーミスタ
素体と外部電極との接続界面に容易に生成、析出させる
ことができる。このため、工程数の低減と、サーミスタ
素体の外表面に形成した外部電極の寸法バラツキに起因
する抵抗値特性のバラツキも低減させることができると
いう効果が得られる。
【0018】本発明の請求項7に記載の発明は、Cu、
Ni、Pd、Ptの群の中から選ばれた少なくとも1種
類以上の金属とSiO2ガラス及びMn酸化物を含む導
電性ペーストをサーミスタ素体の外表面に塗布した後、
熱処理を行い外部電極を形成すると同時に、サーミスタ
素体と前記外部電極との界面にMn2SiO4を主成分と
する組成物からなる絶縁層を形成する請求項5に記載の
チップ形積層サーミスタの製造方法であり、SiO2
ラス及びMn酸化物を含む導電性ペーストを用い、酸素
濃度を200ppm以下に制御した雰囲気中の800〜
950℃での熱処理において、サーミスタ素体中のMn
酸化物とガラス中のSiとの反応によるMn2SiO4
生成の場合と比べ、導電性ペースト中の成分どうしの反
応でMn 2SiO4が生成されるためより安定したMn2
SiO4を主成分とする組成物の絶縁層を、工程数を低
減した方法で外部電極の形成と同時にサーミスタ素体と
外部電極の界面に生成、析出させることができると共
に、形成した外部電極の寸法バラツキに起因する抵抗値
特性のバラツキも低減させることができるという効果が
得られる。
【0019】本発明の請求項8に記載の発明は、Cu、
Ni、Pd、Ptの群の中から選ばれた少なくとも1種
類以上の金属とSiO2ガラス及びサーミスタ素体と同
組成のサーミスタ材料を含む導電性ペーストをサーミス
タ素体の外表面に塗布した後、熱処理を行い、外部電極
を形成すると同時に、サーミスタ素体と外部電極との界
面にMn2SiO4を主成分とする組成物からなる絶縁層
を形成する請求項5に記載のチップ形積層サーミスタの
製造方法であり、本発明においても、導電性ペースト中
に含まれるサーミスタ材料組成中のMn酸化物とSiO
2ガラス中のSiどうしが反応して、前記同様に安定し
たMn2SiO4を主成分とする組成物の絶縁層を、工程
数を低減した方法で外部電極の形成と同時にサーミスタ
素体と外部電極との接続界面に生成、析出させることが
できるという効果が得られる。
【0020】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1においては本発明の請求項1〜4に記載の発明につ
いて説明する。
【0021】図1(a)〜(d)は本発明のチップ形積
層サーミスタの工程毎の断面図で、(a)は焼成済みサ
ーミスタ素体、(b)は絶縁層を形成したサーミスタ素
体、(c)は外部電極を形成したサーミスタ、(d)は
めっきを施したチップ形積層サーミスタを示す図であ
る。図1において、11はセラミック層、12は内部電
極、13は絶縁層、14は外部電極、15はニッケルめ
っき層、16は半田めっき層を示す。
【0022】まず、Mn、Ni、Co、Fe、Al、C
u等の複合酸化物のサーミスタ組成からなる材料を用い
公知の積層セラミックコンデンサの製造方法を参考にし
てセラミック層11用の15〜50μmのグリーンシー
ト(図示せず)を作製する。
【0023】次に、グリーンシートの表面にPdを主成
分とする導電性ペーストを用い内部電極12の印刷を行
う。
【0024】次いで、内部電極12を印刷したグリーン
シートを所定枚数積層し、積層体グリーンブロック(図
示せず)を作製した後、積層体グリーンブロックを所定
のグリーンチップ(図示せず)形状に切断を行う。尚、
本実施の形態においては内部電極12が二層の積層体グ
リーンブロックを作製した。
【0025】その後、切断したグリーンチップを100
0〜1300℃の大気雰囲気中で焼成を行い、図1
(a)に示す焼成済みサーミスタ素体とする。
【0026】次に、焼成済みサーミスタ素体を研磨材と
共に回転バレルに投入し面取りを行い、サーミスタ素体
の両端面に内部電極12の一方の端部を完全に露出させ
る。
【0027】次いで、サーミスタ素体の両端面部にSi
2ガラスを含むペーストを塗布した後、酸素濃度を2
00ppm以下の雰囲気に制御した800〜950℃の
温度で熱処理を行い、図1(b)に示すようにサーミス
タ素体の外表面端部に絶縁層13を生成、析出させたサ
ーミスタ素体とする。尚、絶縁層13の厚さが(表1)
に示す値となるようにペーストの塗布量を調整した。ま
た形成された絶縁層13はSiO2ガラス中のSiO2
サーミスタ素体中のMn酸化物が反応した結晶質のMn
2SiO4組成からなり、この組成物は高抵抗特性を有す
るが一般に知られている。
【0028】その後、絶縁層13上にCuを主成分とす
る外部電極14用の導電性ペーストを塗布、乾燥した
後、(表1)に示す熱処理温度、酸素濃度条件の下で焼
付けを行って図1(c)に示す外部電極14を形成した
サーミスタ素体とする。
【0029】次に、図1(d)に示すように電解メッキ
方法を用い外部電極14の表面に半田耐熱性を確保する
ためのNiめっき層15、更にその表面に半田濡れ性を
向上させるための半田めっき層16を設けてチップ形積
層サーミスタを完成させた。
【0030】
【表1】
【0031】得られたチップ形積層サーミスタの絶縁層
13の厚さ、及び抵抗値特性の変動係数を評価しその結
果を併せて(表1)に示した。なお、絶縁層13の厚さ
は完成品のチップ形積層サーミスタを研磨し電子顕微鏡
観察により行った。また(表1)中の*印は本発明の請
求範囲外である。
【0032】本発明のチップ形積層サーミスタは、熱処
理温度を800〜950℃、酸素濃度を200ppm以
下に制御して、絶縁層13の厚みを0.1〜10μmの
厚さに生成させることにより、この絶縁層13がサーミ
スタ素体と外部電極14との界面の電気的接続を遮断す
ることができるため、チップ形積層サーミスタの抵抗値
特性はセラミック層11を挟んで内部電極12どうしの
重なり面積で発現する値のみにすることができる。即ち
外部電極14の形成寸法バラツキ(端面部からの廻り込
み寸法バラツキ)に起因する抵抗値特性の抵抗値変動係
数を1.2%より小さくすることができ、チップ形積層
サーミスタの特性歩留まりを向上することができる。
【0033】(実施の形態2)以下、実施の形態2では
本発明の請求項5〜8に記載の発明について説明する。
【0034】先ず、実施の形態1と同じように作製した
図2(a)に示す焼成済みサーミスタ素体を研磨材と共
に回転バレルに投入して面取りを行い、サーミスタ素体
の両端面に内部電極12の一方の端部を完全に露出させ
た後、サーミスタ素体の両端面に(表2)に示す各種組
成の外部電極14用の導電性ペーストをサーミスタ素体
の両端部に内部電極12と電気的に接続するように塗
布、乾燥した後、酸素濃度を200ppm以下に制御し
た雰囲気中で、850℃の温度で熱処理を行い、図2
(b)に示すように外部電極14の形成と同時に、外部
電極14とサーミスタ素体との接続界面に絶縁層13を
形成した。この絶縁層13は、導電性ペースト中に含ま
れたSiO2とMn酸化物、またはサーミスタ材料組成
中のMn酸化物どうしが反応した結晶質のMn2SiO4
組成物である。
【0035】
【表2】
【0036】次に、実施の形態1と同様に図2(c)に
示すように外部電極14の表面にNiめっき層15、更
にその表面に半田めっき層16を設けてチップ形積層サ
ーミスタを完成させた。
【0037】(表2)から明らかなように、本発明のチ
ップ形積層サーミスタはSiO2を含みCu、Ni、P
d、Ptの単独または合金とガラスからなる外部電極ペ
ーストを塗布した後、800〜950℃の温度と、かつ
酸素濃度200ppm以下の雰囲気で熱処理することに
より、絶縁層13と外部電極14を同時に形成すること
ができ、サーミスタ素体と外部電極14の電気的接続を
遮断することにより、外部電極14の寸法バラツキに起
因する抵抗値特性のバラツキを無くすという作用効果が
得られるため、抵抗値変動係数を1%以下にすることが
できる。なお、(表2)中の*印は本発明の請求範囲外
のものを示している。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明のチップ形積層サー
ミスタは、サーミスタ素体と外部電極との接続界面に絶
縁層を形成し、サーミスタ素体と外部電極の電気的接続
を遮断することにより、得られたチップ形積層サーミス
タはサーミスタ素体の内部でのセラミック層を挟んで重
なり合った内部電極間で発現する抵抗値特性が支配的と
なり、その他の部分例えばサーミスタ素体の外表面端部
に形成された外部電極の寸法バラツキに起因する抵抗値
特性の寄与度を低減させることが可能となり、特性歩留
まりを向上させた信頼性の高いチップ形積層サーミスタ
とその製造方法を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)本発明のチップ形積層サーミス
タの工程毎の断面図
【図2】(a)〜(c)本発明のチップ形積層サーミス
タの工程毎の断面図
【図3】従来のチップ形積層サーミスタの断面図
【符号の説明】
11 セラミック層 12 内部電極 13 絶縁層 14 外部電極 15 Niめっき層 16 半田めっき層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタ材料からなるセラミック層と
    内部電極とが交互に複数層積層されたサーミスタ素体
    と、前記サーミスタ素体の外表面に前記内部電極と電気
    的に接続された外部電極を備えたチップ形積層サーミス
    タにおいて、前記サーミスタ素体と前記外部電極との界
    面に絶縁層を形成したチップ形積層サーミスタ。
  2. 【請求項2】 サーミスタ素体と外部電極との界面に形
    成された絶縁層の厚みが0.1〜10μmである請求項
    1に記載のチップ形積層サーミスタ。
  3. 【請求項3】 サーミスタ素体と外部電極との界面に形
    成された絶縁層がMn 2SiO4を主成分とする組成であ
    る請求項1に記載のチップ形積層サーミスタ。
  4. 【請求項4】 サーミスタ材料からなるセラミック層と
    内部電極とが交互に複数層積層されたサーミスタ素体
    と、前記サーミスタ素体の外表面に前記内部電極層と電
    気的に接続された外部電極を備えたチップ形積層サーミ
    スタにおいて、SiO2を含むガラスペーストを前記サ
    ーミスタ素体の外表面に塗布した後、酸素濃度を200
    ppm以下の雰囲気に制御した800〜950℃間の温
    度で熱処理を行い、前記サーミスタ素体の表面に絶縁層
    としてのMn2SiO4を主成分とする組成物を生成、析
    出させ、続いてその表面に外部電極を形成するチップ形
    積層サーミスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 サーミスタ材料からなるセラミック層と
    内部電極とを交互に複数層積層されたサーミスタ素体
    と、前記サーミスタ素体の外表面に前記内部電極層と電
    気的に接続された外部電極を備えたチップ形積層サーミ
    スタにおいて、SiO2ガラスを含む導電性ペーストを
    前記サーミスタ素体の外表面に塗布した後、酸素濃度を
    200ppm以下の雰囲気に制御した800〜950℃
    間の温度で熱処理を行い、外部電極を形成すると同時
    に、前記外部電極と前記サーミスタ素体との界面にMn
    2SiO4を主成分とする組成物を析出させ絶縁層を形成
    するチップ形積層サーミスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 Cu、Ni、Pd、Ptの群の中から選
    ばれた少なくとも1種類以上の金属とSiO2ガラスを
    含む導電性ペーストを塗布した後、熱処理を行い外部電
    極を形成すると同時に、サーミスタ素体と前記外部電極
    との界面にMn 2SiO4を主成分とする組成物からなる
    絶縁層を形成する請求項5に記載のチップ形積層サーミ
    スタの製造方法。
  7. 【請求項7】 Cu、Ni、Pd、Ptの群の中から選
    ばれた少なくとも1種類以上の金属とSiO2ガラス及
    びMn酸化物を含む導電性ペーストをサーミスタ素体の
    外表面に塗布した後、熱処理を行い外部電極を形成する
    と同時に、サーミスタ素体と前記外部電極との界面にM
    2SiO4を主成分とする組成物からなる絶縁層を形成
    する請求項5に記載のチップ形積層サーミスタの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 Cu、Ni、Pd、Ptの群の中から選
    ばれた少なくとも1種類以上の金属とSiO2ガラス及
    びサーミスタ素体と同組成のサーミスタ材料を含む導電
    性ペーストをサーミスタ素体の外表面に塗布した後、熱
    処理を行い、外部電極を形成すると同時に、サーミスタ
    素体と外部電極との界面にMn2SiO4を主成分とする
    組成物からなる絶縁層を形成する請求項5に記載のチッ
    プ形積層サーミスタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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