JP2012057162A - 医療用栓 - Google Patents

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Abstract

【課題】とくに耐液漏れ性および再シール性を一層改善した医療用栓を提供すること。
【解決手段】(a)質量平均分子量が50,000〜550,000の、芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体および/または該ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体 40〜150質量部、(b)水添石油樹脂 および/または フェニレンエーテル系樹脂 1〜45質量部、(c)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂 10〜60質量部、および(d)非芳香族系ゴム用軟化剤40〜280質量部からなる医療用樹脂組成物からなる医療用栓。
【選択図】なし

Description

本発明は、医療用樹脂組成物およびこれを用いた医療用栓に関するものであり、さらに詳しくは本発明は、耐液漏れ性、針刺し性、再シール性等に優れた医療用樹脂組成物およびこれを用いた医療用栓に関するものである。本発明の医療用栓は、輸血用容器、薬液容器、血液透析および腹膜透析等の混注栓等に好適に用いられる。
特許文献1(特開平8−258857号公報)は、ポリプロピレン樹脂の射出成形により円筒状の栓を形成し、この栓の一端に非加硫の熱可塑性エラストマからなるパッキンを一体に融着成形して有底円筒状とし、この有底円筒状の栓を容器の口元に熱熔着により固定してなる薬液容器を開示している。
しかし、特許文献1により得られた栓は、医療用栓に要求される性能(耐液漏れ性、針刺し性、再シール性等)を満たすものではなかった。
特許文献2(特開平9−601号公報)は、(a)特定のブロック共重合体、(b)ポリオレフィン系樹脂および(c)非芳香族系ゴム用軟化剤を含有する組成物を、所望の形状に成形して得られる輸液バッグ用ゴム栓を開示している。この医療用栓は、前記性能をいずれも満足の行くレベルで満たすものであり、有用である。
特開平8−258857号公報 特開平9−601号公報
本発明の目的は、上記の特許文献2(特開平9−601号公報)に開示された医療用栓における性能のうち、とくに耐液漏れ性および再シール性を一層改善した医療用樹脂組成物およびこれを用いた医療用栓を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、(a)質量平均分子量が50,000〜550,000の、芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体および/または該ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体 40〜150質量部、
(b)水添石油樹脂 1〜45質量部、
(c)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂 10〜60質量部、および
(d)非芳香族系ゴム用軟化剤 40〜280質量部
からなる医療用樹脂組成物からなることを特徴とする医療用栓(ただし、該医療用樹脂組成物は過酸化物を含まない)である。
請求項2に記載の発明は、前記(a)ブロック共重合体における重合体ブロックBは、共役ジエンとしてイソプレンを主体とし、前記イソプレンの70〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有し、該イソプレンに基づく二重結合の少なくとも90%が水素添加されており、かつ前記重合体ブロックAが(a)成分全体の5〜70質量%であることを特徴とする請求項1に記載の医療用栓である。
本発明の医療用樹脂組成物は、特定割合の(a)ブロック共重合体、(b)水添石油樹脂および/または フェニレンエーテル系樹脂、(c)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂、(d)非芳香族系ゴム用軟化剤、からなる組成物であり、とくに(b)水添石油樹脂 および/または フェニレンエーテル系樹脂を配合することで、耐液漏れ性および再シール性の一層の改善を達成するとともに、成形性に優れ、これを医療用器具、例えば医療用ゴム栓に使用した場合、アセンブリ性、溶出安全性に優れ、かつ液漏れを生じることがない。
以下、本発明の組成物の成分、配合割合について詳述する。
(a)成分:
本発明の組成物における(a)成分は、芳香族ビニル化合物から主として作られる(以下では、芳香族ビニル化合物を主体とするということがある)少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主として作られる(以下では、共役ジエン化合物を主体とするということがある)少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体、あるいはこれを水素添加して得られるもの、またはこれらの混合物である。例えば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−Aなどの構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、あるいは、これを水素添加して得られるものが挙げられる。上記(水添)ブロック共重合体(以下、(水添)ブロック共重合体とは、ブロック共重合体および/または水添ブロック共重合体を意味する)は全体として、芳香族ビニル化合物を好ましくは5〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%含む。
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAは、好ましくは芳香族ビニル化合物のみから成るホモ重合体ブロック、あるいは50質量%を超える、好ましくは70質量%以上の芳香族ビニル化合物と任意的成分たとえば共役ジエン化合物とから作られた共重合体ブロックであり得る。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好ましくは共役ジエン化合物のみから成るホモ重合体ブロック、あるいは50質量%を超える、好ましくは70質量%以上の共役ジエン化合物と任意的成分たとえば芳香族ビニル化合物とから作られた共重合体ブロックであり得る。
これらの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、または、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBのそれぞれにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物または芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAまたは共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBが、2個以上ある場合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
(水添)ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上を選択でき、中でもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、そのミクロ構造を任意に選ぶことができる。例えばポリブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が好ましくは20〜50質量%、特に好ましくは25〜45質量%である。ポリイソプレンブロックにおいてはイソプレンの70〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の少なくとも90質量%が水素添加されたものが好ましい。
(水添)ブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,500,000、より好ましくは、10,000〜550,000、特に好ましくは100,000〜400,000の範囲である。質量平均分子量は、50,000〜550,000、より好ましくは100,000〜300,0000、特に好ましくは150,000〜200,000の範囲である。質量平均分子量が50,000〜550,000の範囲外であると、耐液漏れ性および再シール性を改善することができない。また質量平均分子量が300,000以下の範囲においてとくに耐液漏れ性および再シール性を改善することができる。分子量分布(質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn))は好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、特に好ましくは2以下である。
(水添)ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
これらのブロック共重合体の製造方法としては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法としては、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることができる。水素添加する方法も公知の方法がいずれも使用できる。例えば上記方法により得られたブロック共重合体に、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下にて水素添加することにより水添ブロック共重合体が得られる。
本発明において、特に好ましい(水添)ブロック共重合体は、重合体ブロックBが、共役ジエンとしてイソプレンを主体とし、イソプレンの70〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつ該イソプレンに基づく二重結合の少なくとも90質量%が水素添加されており、重合体ブロックAが(水添)ブロック共重合体全体の5〜70質量%であるものである。さらに好ましくは、水添ブロック共重合体である。とくに好ましくは、イソプレンの90〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有する上記水添ブロック共重合体である。
なお、前記1,4−ミクロ構造が70質量%以上であることによって、再シール性および耐ブリード性を高めることができる。1,4−ミクロ構造が90質量%を超えるようになると、再シール性および耐ブリード性が一層顕著に向上する。
また、イソプレンに基づく二重結合の少なくとも90%が水素添加されていることによって、イソプレンを主体とする重合体ブロックを形態的にオレフィン性化合物重合体ブロックに変換させることができ、下記で説明するオレフィン系樹脂との相溶性が高まる。
上記(a)成分は、例えばスチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEPS)、スチレン・ブタジエン・イソプレン・スチレン共重合体(SBIS)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEEPS)が挙げられ、中でも好ましくはSEPSおよびSEEPSである。
このようなブロックポリマーとしては、市販のポリマーであるセプトン4000シリーズ(クラレ社製、商品名)などを使用することができる。
本発明において、さらに好ましい(水添)ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を20〜35質量%を含み、かつ、(水添)ブロック共重合体の質量平均分子量が150,000〜200,000である(水添)ブロック共重合体である。上記組み合わせの(水添)ブロック共重合体を用いることで、さらに再シール性が向上する。
(b)成分:
本発明の組成物における(b)成分は、水添石油樹脂、および/または、フェニレンエーテル系樹脂である。
水添石油樹脂とは、芳香族炭化水素の水素化物、テルペン樹脂の水素化物等であり、具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、プロペニルベンゼン、インデン、メチルインデン、エチルインデン等の各種の芳香族不飽和炭化水素および/またはテルペン類の1種または2種以上の混合物を主体として重合して得られる樹脂を水素化したものや石油の分解・改質の際に副生する沸点20〜300℃、とくに150〜300℃の溜分を重合して得られる樹脂を水素化したものがあげられる。
本発明において、水添石油樹脂は、軟化点が130℃〜300℃のものが好ましい。130℃未満では、滅菌処理の際にブリードする可能性を有し、300℃を越える場合には、組成物を製造する際、溶融混練が困難になる可能性を有する。
水添石油樹脂の使用量は、その軟化点により異なるが、成分(a)40〜150質量部に対し1〜45質量部、好ましくは2〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部である。その使用量が1〜45質量部の範囲外では液漏れが発生する。
本発明に用いるフェニレンエーテル樹脂は、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールなどの酸化カップリングにより製造されるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールなどの共重合体、これらの重合体が無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸などにより変性された重合体である。通常のポリフェニレンエーテル樹脂は、それ単独では加工が困難であるために、共重合体とするか、あるいは、ポリスチレン樹脂などとブレンドすることにより改質されるが、通常はポリスチレン樹脂とのブレンドが一般的である。このポリスチレン樹脂としては、例えば、汎用ポリスチレン(GPPS)、ゴム成分で強化された耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン成分の多いスチレン−ブタジエン共重合体(ハイスチレンSBS)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体などを挙げることができる。本発明に用いるスチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−エチレン−ブテン共重合体などを挙げることができる。これらの共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
フェニレンエーテル系樹脂の使用量は、成分(a)40〜150質量部に対し1〜45質量部、好ましくは2〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部である。その使用量が1〜45質量部の範囲外では液漏れが発生する。
(c)成分:
本発明の組成物における(c)成分は、パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂である。
具体的には、パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂は、高分子量のホモ型のポリプロピレン、例えばアイソタクチックポリプロピレンやプロピレンと他の少量のα−オレフィン例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等との共重合体が好ましい。
該樹脂のMFR(ASTM−D−1238、L条件、230℃)は、好ましくは0.1〜10g/10分、より好ましくは0.1〜5g/10分、更に好ましくは0.1〜3g/10分である。パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂のMFRが0.1g/10分未満では、組成物の成形性が低下し、MFRが10g/10分を越えると、組成物のゴム弾性が悪化するので好ましくない。
(c)成分の配合割合は、成分(a)40〜150質量部に対し10〜60質量部、好ましくは20〜50質量部であり、より好ましくは、25〜45質量部である。10質量部未満では得られる樹脂組成物の成形性が悪化し、60質量部を越えると、得られる樹脂組成物の柔軟性およびゴム弾性が悪化し好ましくない。
(d)成分:
本発明の組成物における(d)成分は、非芳香族系ゴム用軟化剤である。具体例としては、鉱物油系もしくは合成樹脂系が好適である。鉱物油系軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わせ混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、また芳香族炭素数が30%より多いものが芳香族系と呼ばれて区分されている。これらの中で、本発明の(d)成分として好ましい鉱物油系軟化剤は、ナフテンおよびパラフィン系であり、芳香族炭化水素が30%以下のものである。芳香族系は、本発明で用いる上記(a)成分に対する分散性の点であまり好ましくない。
鉱物油系軟化剤の性状としては、37.8℃における動粘度が20〜500cSt、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が170〜300℃のものが用いられる。
合成樹脂系軟化剤としては、ポリブテン、低分子量ポリブタジエンなどが使用可能であるが、鉱物油系軟化剤の方が好ましい。
(d)成分の配合割合は、成分(a)40〜150質量部に対し40〜280質量部、好ましくは50〜100質量部である。40質量部未満ではペレットの製造性が困難となり、且つ、アセンブリ性が悪く成るなる傾向があり、150質量部を越えると、成形品の硬度が低くなり、成形品が変形し成形品の摺動性(滑り性)が悪くなる傾向があるため好ましくない。
本発明の組成物は、その基本的性能を損なわない範囲で、他のオレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマーなどの必須成分以外のポリマーまたは炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カーボンブラックなどの無機フィラーなどの付加的成分を加えることができる。さらに、目標の品質に合わせて酸化防止剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、流動性改良剤などの添加剤を配合できる。
本発明の組成物は、上記各成分を機械的溶融混練することにより、調製することができる。溶融混練の温度は、通常120〜240℃、好ましくは140〜200℃である。溶融混練は、具体的には、バンバリーミキサー、各種ニーダー、単軸または二軸押出機などの一般的溶融混練機を用いることができる。
また、本発明の組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形などの熱可塑性樹脂の成形法が適用可能である。
本発明の組成物は、医療用樹脂組成物として、あるいは医療用ゴム栓用樹脂組成物としてとくに有用である。本発明の組成物は、耐液漏れ性および再シール性の一層の改善を達成するとともに、成形性に優れ、これを医療用器具、例えば医療用ゴム栓に使用した場合、アセンブリ性、溶出安全性に優れ、かつ液漏れを生じることがない。したがって、とくに、薬液を保管するビン、プラスチック製バッグの栓として有用である。
なお本発明の組成物を用いて医療用ゴム栓を製造するには、所望の成形方法を適用することができる。例えば組成物を200〜240℃に溶融し、射出圧力1000〜2000kg/cm2程度の条件において、射出成形機を用い、所望の形状に成形することができる。もちろん上記成形方法は一例にすぎず、その他にも例えば圧縮成形等の成形を行うことができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
以下の実施例および比較例において、各種の評価に用いた試験法は以下に示すとおりである。
1)硬さ:JIS K 6301に準拠し、試験片は6.3mm圧プレスシートを用いた。医療用ゴム栓の用途において、硬さはA硬度で10〜30が適正である。
2)引張強さ:J1S K 6251に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
3)100%モジュラス:J1S K 6251に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
4)引張伸び:JIS K 6301に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
5)引き裂き強さ:JIS K 6252に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、切り込み無しアングル形に打抜いて使用した。移動速度は、500mm/分とした。
6)MFR:JIS K 7210に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した。
7)圧縮永久歪み:JIS K 6262に準拠し、試験片は6.3mm厚さプレスシートを使用した。23℃×22時間、70℃×22時間、120℃×22時間、25%変形の条件にて測定した。
8)液漏れ試験:直径22mm、厚さ5.6mmの試験片を射出成形法によって作成し、試験片を1000mlの内容積を有する嵌合ユニットに装着した。なお、ユニット内部には液体として水を、500ml導入しておいた。続いて、太さ3mmのプラスチック製針を15回抜き差して、漏れの有無を観察し、漏れを生じない場合をカウントした。同時に、プラスチック製針を抜いた時に漏れた液体の最大値および平均値も併せて調べた。
また、実施例および比較例で用いた各配合成分は、以下のとおりである。
(a)水添ブロック共重合体:
クラレ社製「セプトン4044」(クラレ社製スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、スチレンの含有量30質量%、イソプレンの含有量70質量%、(イソプレンが1,4−ミクロ構造を有する)、質量平均分子量:173,000、分子量分布:1.23、水素添加率90%以上、スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加誘導体)。
下記の表1では4044と記載する。
クラレ社製「セプトン4055」(クラレ社製スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、スチレンの含有量30質量%、イソプレンの含有量70質量%、(イソプレンが1,4−ミクロ構造を有する)、数平均分子量:250,000、質量平均分子量:290,000、分子量分布:1.3、水素添加率90%以上、スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加誘導体)。
下記の表1では4055と記載する。
クレイトンジャパン社製「クレイトンG1654H」(クレイトンジャパン社製スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレンの含有量29質量%、質量平均分子量:189,000、分子量分布:1.33、水素添加率90%以上、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加誘導体)。
下記の表1ではG1654Hと記載する。
比較成分(a):カネカ社製「SIBSTER 103T」(カネカ社製スチレン・イソプレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレンの含有量31質量%、数平均分子量:96,000、質量平均分子量:142,000、分子量分布:1.09、不飽和結合:0%、リビングカチオン重合によって得られるスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)。
下記の表1では103Tと記載する。
(b)水添石油樹脂、フェニレンエーテル系樹脂
出光興産社製「アイマープP−140(水添石油樹脂)」
ヤスハラケミカル社製「クリアロンP−135(水添石油樹脂)」
旭化成ケミカルズ社製「ザイロンX0108(フェニレンエーテル系樹脂)」
比較(b)成分:東洋スチレン社製「G200C(ポリスチレン樹脂)」
(c)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂
三井化学社製「J739E」、ブロックポリプロピレン、MFR(ASTM‐D‐1238、L条件(2.16kg)、230℃)=54g/10分
下記の表1ではJ739Eと記載する。
(d)非芳香族系ゴム用軟化剤
出光興産社製「PW−380」、水素添加パラフィンオイル、分子量:750
下記の表1ではPW380と記載する。
架橋助剤:
日本化成社製「TAIC」、トリアリルイソシアヌレート
有機過酸化物:
日本油脂社製「パーヘキサ25B」、2,5−ジメチル2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン
(実施例1〜9および比較例1〜13)
表1に示す配合処方(表中の単位は質量部である)で、L/D=42、シリンダー径45mmの二軸押出機によって、設定温度200℃で溶融混練して樹脂組成物ペレットを得た。このペレットを用いて、前述各種評価用のシート、および医療用栓の試験片を成形した。
医療用栓の成形条件は、樹脂温度:180〜240℃、射出速度:50〜100mm/秒、射出時間:2〜10秒、金型温度:30〜50℃、冷却時間:10〜30秒である。
評価結果を表1に示す。
Figure 2012057162
Figure 2012057162
Figure 2012057162
上記表1から分かるように、本発明の組成物は、特定割合の(a)ブロック共重合体、(b)水添石油樹脂 および/または フェニレンエーテル系樹脂、(c)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂、(d)非芳香族系ゴム用軟化剤を配合しているので、硬度、圧縮永久歪み等の物性値や耐液漏れ性が良好である。
これに対し、本発明の上記(a)〜(d)成分のいずれかを配合していない例や、比較成分を配合した例、さらに上記(a)〜(d)成分以外の成分、例えば架橋助剤や過酸化物を配合した例では、耐液漏れ性に劣る結果となった。
本発明の組成物は、耐液漏れ性および再シール性の一層の改善を達成するとともに、成形性に優れ、これを医療用器具、例えば医療用ゴム栓に使用した場合、アセンブリ性、溶出安全性に優れ、かつ液漏れを生じることがない。

Claims (2)

  1. (a)質量平均分子量が50,000〜550,000の、芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体および/または該ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体 40〜150質量部、
    (b)水添石油樹脂 1〜45質量部、
    (c)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂 10〜60質量部、および
    (d)非芳香族系ゴム用軟化剤 40〜280質量部
    からなる医療用樹脂組成物からなることを特徴とする医療用栓(ただし、該医療用樹脂組成物は過酸化物を含まない)。
  2. 前記(a)ブロック共重合体における重合体ブロックBは、共役ジエンとしてイソプレンを主体とし、前記イソプレンの70〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有し、該イソプレンに基づく二重結合の少なくとも90%が水素添加されており、かつ前記重合体ブロックAが(a)成分全体の5〜70質量%であることを特徴とする請求項1に記載の医療用栓。
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