JP2012056220A - ハードコート用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ハードコート用フィルムの基材として用いたときにカールを抑制できる加工適正や平面性に優れた、特にPDP用光学フィルターとして好適なハードコート用二軸配向PETフィルムを提供する。
【解決手段】140℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率Lt(%)と、190℃で20分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率Ht(%)が、下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とするハードコート用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(1) 0.0 ≦ Lt ≦ 0.8
(2) −0.2 ≦ Ht ≦ 0.8
(3) 0.0 ≦ (Lt − Ht) ≦ 0.5
【選択図】なし

Description

本発明は、本発明は、タッチパネル、反射防止フィルム、表面加飾フィルム、保護フィルム等に好適なハードコート用二軸配向ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略すことがある)フィルムに関し、より詳しくはプラズマディスプレイパネルの光学フィルターに用いられる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム、さらには、ハードコートと近赤外線遮蔽、さらには反射防止層が積層された機能統合フィルムに関する。
プラズマディスプレイパネル( 以下、PDP と略す) の前面に設けられる光学フィルターは、パネルの破損防止、PDP から漏洩する人体や他の電気機器に影響を与える電磁波やリモコンに影響を与える近赤外線の遮蔽、ネオンガスの発光に伴う赤色純度を低下させる波長590nm 付近の可視線吸収による色調補正、太陽光や蛍光灯等の外光の表面での反射ならびに映り込みを防止するための表面反射防止、さらに表面の耐擦傷性や防汚性などの機能が要求されている。代表的なPDP用光学フィルターは、基板となる半強化ガラス板に電磁波遮蔽フィルム、近赤外線遮蔽・色調補正フィルムを粘着剤を介して貼り合わせ、反対面に反射防止フィルムを粘着剤を介して貼り合わせたものが挙げられる。反射防止フィルムとしてはポリエチレンテレフタレート等のフィルム基材にハードコート層を設け、さらにその上に反射防止層として高屈折率層および低屈折率層の薄膜を形成し、光の干渉により反射を防止する方法が行われている( 特許文献1 , 2 など参照)。また、近赤外線遮蔽フィルムとしてはポリエチレンテレフタレート等のフィルム基材に、近赤外線を吸収する色素を透明高分子樹脂バインダーに分散した組成物をコーティングし、近赤外線を遮蔽する方法が行われている( 特許文献3 , 4 など参照) 。さらに、赤色純度を低下させる590nm 付近の可視線を吸収する色素を近赤外線吸収色素と混ぜて配合することにより色調補正も行われている( 特許文献5 , 6 など参照)。
最近、PDP 用光学フィルターの低価格化の手段として、部品点数の削減が行われるようになり、その一つの方法として、反射防止フィルムの反射防止層と反対側の面に近赤外線遮蔽層を設けることで、一つのフィルムに反射防止(AR)と近赤外線(NIR)遮蔽、さらに色調補正機能の統合化が図られている( 特許文献7 など参照)(以下、上記フィルムをAR/NIR機能統合フィルムと略す)。 さらに、ハードコート層及び反射防止層を積層後、もう一方の面に粘着層を設けて、近赤外線遮蔽フィルムを貼合せる手法もあるが、低コスト化のため粘着層を無くして、近赤外線遮蔽層をコーティングする手法も確立されている。
該手法の場合、まず反射防止層側のハードコート層を基材フィルム表面に設ける必要があるため、ハードコート層を乾燥、硬化させる際に、基材フィルムの熱収縮率の差によってカールが発生しやすいという問題がある。ハードコートフィルムにカールが発生すると、作業性悪化、搬送性悪化、近赤外線遮蔽層の塗布不均一といった問題が起こる。そのため、基材フィルムの熱収縮率をある一定の範囲設けることにより、該問題を解決する方法が知られている。(特許文献8、特許文献9など参照) しかし、この技術ではAR/NIR機能統合フィルムとしては、不十分であった。それは、AR/NIR機能統合フィルムの場合は、ハードコート層と反対面に近赤外線遮蔽層を積層する必要があり、そこでより高温乾燥処理が行われるため、再び基材フィルムの熱収縮差によってカールが発生しやすくなる問題が起こるためである。この問題は近年のPDPの大画面化、高精細化により、AR/NIR機能統合フィルムも大画面化、高精細化することになり、カール問題を改善することが必要となってきている。
特開2000−108238号公報 特開平11−60637号公報 特開平11−326631号公報 国際公開第97/38855号パンフレット 特開昭58−153904 号公報 特開2000−275432号公報 特開2002−138203号公報 特開2008−36867号公報 特開2008−246780号公報 特開2009−149066号公報
本発明は、かかる課題を解決し、ハードコート用フィルムの基材として用いたときにカールを抑制できる加工適正や平面性に優れた、特にPDP用光学フィルターとして好適なハードコート用二軸配向PETフィルムを提供する。
すなわち、本発明は140℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率Lt(%)と、190℃で20分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率Ht(%)が、下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とするハードコート用二軸配向PETフィルム。
(1) 0.0 ≦ Lt ≦ 0.8
(2) −0.2 ≦ Ht ≦ 0.8
(3) 0.0 ≦ (Lt − Ht) ≦ 0.5
また、波長380nmにおける光線透過率が5%以下であるハードコート用二軸配向PETフィルム。及び、その二軸配向PETフィルムの一方の表面に、少なくとも活性線硬化型樹脂を用いてなるハードコート層を積層してなり、もう一方のフィルム表面に近赤外線吸収能を有する色素を含有する近赤外線遮蔽層を積層してなるAR/NIR機能統合フィルム。
本発明は、ハードコート層を積層するときに熱収縮差によって起こるカールが少なく、さらに、ハードコート層とは反対面に近赤外線遮蔽層を積層しても、カール発生を抑制できるハードコート用二軸配向PETフィルム、及びAR/NIR機能統合フィルムを提供する。
以下、さらに詳しく本発明のハードコート用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム、さらには、ハードコートと近赤外線遮蔽が積層された機能統合フィルムについて説明する。
[二軸配向PETフィルムの熱収縮率]
本発明のハードコート用二軸配向PETフィルムは、140℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率Lt(%)が、次の式(1)を充足すること、すなわち、0.0以上0.8以下であることが必要であり、より好ましくは0.3以上0.6以下である。
(1) 0.0 ≦ Lt ≦ 0.8。
本発明の二軸配向PETフィルムは、その表面にハードコート層が積層される態様で用いられ、ハードコート層を乾燥するときに、100〜150℃の乾燥工程を通り、そのときにハードコート層を積層した基材フィルムが熱収縮する。そこで、基材フィルムとなる二軸配向PETフィルム(以下、「基材フィルム」と称することがある)の熱収縮率Lt(%)を上記数値範囲内とすることにより、基材フィルムの熱収縮率をハードコート層との熱収縮率に近づけることが可能となり、ハードコート層を積層しても、カールの発生を飛躍的に抑制することができる。一方、Lt(%)が0.0未満である二軸配向PETフィルムにハードコート層を積層すると、基材フィルムたる二軸配向PETフィルムが膨張し、フィルム幅方向にハードコート側を巻き込むようにカールしてしまう。また、Lt(%)が0.8を超える二軸配向PETフィルムにハードコート層を積層すると、ハードコート層よりも基材フィルムが収縮し、フィルム幅方向に基材フィルム側が巻き込むようにカールし、いずれも作業性、搬送性が悪化し、さらにはハードコートとの干渉ムラ悪化や次加工の機能層が均一に塗布されないといった品質問題が起こるため好ましくない。
さらに、本発明の二軸配向PETフィルムは、ハードコート層が積層される面の反対面に蒸着層や印刷層や近赤外遮蔽層といった機能層を積層されることがあるが、その際、例えば、近赤外遮蔽層の場合、溶剤が少量でも残ると色変化が起こるため、180〜200℃(特に190℃であることが多い)の高温乾燥工程を通る。そのため、190℃20分間の熱処理したときの二軸配向PETフィルムのフィルム幅方向の熱収縮率Ht(%)は、Lt(%)と同じかそれ以下である必要がある。Ht(%)がLt(%)を超えると、高温乾燥工程において基材フィルムが熱収縮するため、ハードコート側が外側に反るようにカールし、シワ・平面性不良といった品質問題となる。また、Ht(%)がLt(%)以下であっても、Ht(%)とLt(%)の差が0.5を超えるようであれば、高温乾燥工程において、フィルムは熱膨張し、近赤外遮蔽層側が外側反るようにカールし、シワ・平面性不良といった品質問題となる。すなわち、本発明では、次の式(3)を充足することが好ましい。
・ 0.0 ≦ (Lt − Ht) ≦ 0.5。
また、さらに好ましくは(Lt−Ht)の値が0.1以上0.3以下である。
次に、上記(1)および(3)式より、Ht(%)のとりうる数値範囲は、−0.5以上0.8以下となるが、Ht(%)を−0.2未満にすると、基材フィルムの平面性が悪化し、好ましくない。また、アニール処理をする方法もあるが、コストの面から好ましくない。したがって、本発明では、次の式(2)を充足することが必要である。すなわち、Ht(%)は−0.2以上0.8以下であることが必要であり、より好ましくは、0.0以上0.5以下である。
(2) −0.2 ≦ Ht ≦ 0.8。
続いて、二軸配向PETフィルムのフィルム長手方向の熱収縮率について述べる。二軸配向PETフィルムのフィルム長手方向に対しては、ハードコート層の積層時、機能層の積層時のいずれにおいても、巻出から巻取まで常に張力がかかっており、カールやシワなどの問題は起こりづらい。しかし、カールやシワを極限まで低減せしめるためには、140℃で30分間熱処理したときの長手方向熱収縮率(Lm)を0.0%〜2.0%、さらには0.5〜1.5%とすることが好ましく、また、190℃で20分間熱処理したときの長手方向熱収縮率(Hm)を0.0%〜4.0%、さらには2.0〜3.0%とすることが好ましい。
通常の二軸配向PETフィルムでは、高温状態から冷却することにより、高温状態の熱膨張分が冷却されるにつれ、可逆的に収縮するため、歪みが蓄積され、ガラス転移温度(以下、ガラス転移温度をTgと略記する。)から255℃までのような範囲で熱収縮性が付加されるようになる。そのため、140℃熱収縮率より190℃熱収縮率の方が大きくなり、高次加工での加熱温度が高いと、それだけ熱収縮率は大きくなる傾向にあり、上式(2)を満たすことが困難である。本発明では、この熱収縮性をコントロールするために、例えば、テンター内の熱固定後、この冷却に伴う可逆収縮分を吸収するようにリラックス処理を施し、その後、冷却工程で微延伸する方法により、上式(1)〜(3)を満たすことが可能となる。その方法の一例について、下記に説明するがこれに限定されるものではない。二軸延伸されたPETフィルムを熱固定温度200以上250℃以下、好ましくは210℃以上245℃以下であり、より好ましくは、220℃以上240℃以下の熱固定ゾーンにてフィルムに対して好ましくは5〜15秒間、熱固定を施す。続けて熱固定温度からフィルムを冷却しながら、幅方向にリラックス率1〜12%、より好ましくは2%〜10%、更に好ましくは3%〜8%のリラックス処理を実施する。また、リラックスを実施する温度は220℃〜160℃の範囲内が好ましい。ここで、リラックス処理とは、クリップの幅を狭めることなどによって、フィルム幅を狭める処理をいう。また、リラックス率とは、フィルムが幅方向に縮む割合であり、幅方向のリラックス処理を開始する直前のフィルム幅をLiとし、幅方向のリラックス処理を終えた直後のフィルム幅をLfとしたときに、次式で表す。
幅方向リラックス率(%)=(Li−Lf)/Li × 100。
引き続きフィルムの冷却を実施しながら、後述の温度範囲にて幅方向に微延伸を施す事が好ましい。幅方向の微延伸の倍率(微延伸率)は好ましくは0.05%〜3.0%であり、より好ましくは0.1%〜2.0%であり、さらに好ましくは0.3%〜1.5%である。また、微延伸処理を実施する温度は180℃〜100℃の範囲内が好ましく、より好ましくは160〜120℃である。この微延伸工程を実施することで、各温度での幅方向熱収縮率Ht、Ltを所望の範囲とする事が可能となる。なお、ここでの微延伸率とは、幅方向の微延伸を開始する前のフィルム幅をBiとし、幅方向の微延伸を終えた直後のフィルム幅をBfとしたときに、次式で表わされるものである。
幅方向微延伸率(%)=(Bf−Bi)/Bi × 100。
その後、フィルムをガラス転移温度以下まで冷却後にテンターから取り出し、本発明の二軸配向PETフィルムを得る事ができる。
[二軸配向PETフィルムを構成するポリエステル]
本発明の二軸配向PETフィルムを構成する基材フィルム(S層)の樹脂は、その繰り返し構造単位のうち、80モル%以上がエチレンテレフタレートであることが必要である。本発明において、透明性、耐熱性、コスト面のバランスから、該樹脂が好適に用いられる。他のポリエステル共重合成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、またはアジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分、ないしはトリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸や、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。また、上記のポリエステルに、該ポリエステルと反応性のないスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、あるいは該ポリエステルに不溶なポリアルキレングリコールや脂肪族ポリエステルなどのうち一種以上を、5%を超えない程度、共重合ないしブレンドしてもよい。
本発明の二軸配向PETフィルムには、微粒子を添加せしめてもよいが、微粒子の添加は光線透過率やヘイズといった透明性に関する特性を低下させる場合が多い。そのため、添加する場合は極力粒子径が小さく、好ましくは散乱が発生しにくい可視光波長の約1/4以下の粒子径を有するものが好ましく、その添加量も微量であることが好ましい。
また、二軸配向PETフィルムは2層以上の共押出による積層構造体であっても良い。積層構造体としては、例えば、内層部と表層部と有する複合体フィルムであって、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルムを挙げることができ、内層部と表層部が化学的に異種のポリマーであっても同種のポリマーであっても良い。本発明の主目的とするディスプレイ用途においては、基材フィルム中には粒子などを含有しない方が透明性などの光学特性上好ましい。
本発明のPETフィルムは、波長380nmでの光線透過率が5%以下であることが好ましく、好ましくは3%以下である。かかる特性を有する本発明のPETフィルムをディスプレイ用部材(例えば、LCD 、電子ペーパー、ELディスプレイ、プロジェクションテレビ用部材)、特にプラズマディスプレイ用部材として用いることにより、ディスプレイを構成する他素材・他化合物を紫外線から保護することができる。
なお、PETフィルムの波長380nmでの光線透過率を5%以下とするためには、PETフィルム中に紫外線吸収剤を含有させるのが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびベンゾオキサジノン系化合物、環状イミノエステル系化合物などを好ましく例示することができるが、波長380nmでの紫外線カット性、色調などの点からベンゾオキサジノン系化合物が最も好ましい。これらの化合物は1 種単独であるいは2 種以上一緒に併用することができる。またH A L S や酸化防止剤等の安定剤を併用することもでき、特にリン系の酸化防止剤を併用することが好ましい。
ここでベンゾトリアゾール系の化合物としては、例えば2−(2H−ベンゾトリアゾール−2 −イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2 H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−(2 H−ベンゾトリアゾール−2− イル)−4,6−ジ−t−アミルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−ブチルフェノール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−( 2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を例示することができる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等をあげることができる。
ベンゾオキサジノン系化合物としては、例えば2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(p−ベンゾイルフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2,2′−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2′−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)等を例示することができる。
本発明の二軸配向PETフィルムのフィルム厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜選択されるが、通常10〜500μm、好ましくは20〜300μmである。
本発明において、PETフィルムと高次加工において施される層との接着性や低干渉ムラといった付加機能を付与するために基材フィルム(S層)の表面に、塗布層を設けることが好ましい。塗布層は片面もしくは、両面に設けてもよく、特に本発明のように片面にハードコート層を設け、その逆面に機能層を設けるような場合、両面に異種層を設けるのが好ましい。
該易接着層については、下記に限定されるものではないが、例えば、該易接着層を構成する成分としては、ポリエステル樹脂を用いる場合、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するもので、ジカルボン酸とグリコールから重縮合して得られるものである。ここで、ジカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は、易接着層の強度や耐熱性の点で、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以上、より好ましくは35モル%以上、最も好ましくは40モル%以上用いるのがよい。脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。また、該ポリエステル樹脂を構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどを用いることができる。該易接着層の原料として、ポリエステル樹脂を水系樹脂とした塗液を用いる場合には、ポリエステル樹脂の水溶化あるいは水分散化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物をポリエステルに共重合することが好ましい。ここで、スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これに限定されるものではない。 また、カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸など、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
該易接着層に用いることができるポリエステル樹脂としては、変性ポリエステル共重合体、例えば、アクリル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども使用することができる。該易接着層に用いることができる、より好ましいポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の1種以上を使用し、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれる1種以上を使用した共重合体などである。ここで、耐水性が必要とされる場合には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールを含む(共)重合体などが好適に用いられる。
該易接着層の構成成分としてアクリル樹脂を用いる場合、該アクリル樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基など)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを用いることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いて(共)重合される。更に、上記以外の他種のモノマーを併用することもできる。ここで使用できる他種のモノマーとしてはとくに限定されないが、例えば、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどを用いることができる。また、易接着層に用いることができるアクリル樹脂としては、変性アクリル共重合体、例えば、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体などを含めることもできる。該易接着層に用いられるアクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は特に限定されるものではないが、好ましくは0〜90℃、より好ましくは10〜80℃である。Tgが低いアクリル樹脂を用いた場合は耐熱接着性が劣る傾向があり、逆に高すぎる場合は造膜性が劣ることがある。また、該アクリル樹脂の分子量は10万以上が好ましく、より好ましくは30万以上とするのが接着性の点で望ましい。
該易接着層に用いられる、より好ましいアクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、アクリル酸から選ばれる(共)重合体などを挙げることができる。該易接着層の原料として、アクリル樹脂を水に溶解、乳化、あるいは懸濁した水系アクリル樹脂を用いることが、環境汚染防止や塗布時の防爆性の点で好ましい。このような水系アクリル樹脂は、親水性基を有するモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびその塩など)と前記モノマー類との共重合や反応性乳化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合などの方法によって作製することができる。
該易接着層の構成成分としてウレタン樹脂を用いる場合、ウレタン系組成物としては、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖長延長剤、架橋剤等で構成される。ポリオールの例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールのようなポリエ−テル、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどを含むグリコールとジカルボン酸との脱水反応により製造されるポリエステル、カ−ボネート結合を有するポリカ−ボネート、アクリル系ポリオール、ひまし油等がある。ポリイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。鎖延長剤あるいは架橋剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水が挙げられる。
これらを高次加工の特性に合わせて、易接着層を適宜選択することによって密着性、干渉ムラレスといった機能付与が可能となる。特に、干渉ムラレスの点では、高次加工において施される層と基材フィルムとの間の易接着層は、高次加工において施される層の屈折率と基材フィルムの屈折率の中間をとることが好ましく、ポリエステル樹脂または、アクリル樹脂とポリエステル樹脂の組み合わせを選択することが好ましい。
さらに、易接着層中に架橋剤として、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、およびカルボジイミド系架橋剤からなる群から選ばれる1以上の架橋剤を用いることで、接着性の向上や、架橋剤の自己架橋反応が進行することによる耐湿熱接着性の向上が見られるため、好ましい。また、メラミン系やオキサゾリン系、カルボジイミド系などの架橋剤の含有量は特に限定されず、2種類以上の架橋剤を使用しても良い。
メラミン系架橋剤は、特に限定されないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。またメラミン系架橋剤としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。エーテル化に用いられる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などである。その中でもメチロール化メラミン樹脂が最も好ましい。更に、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進するため、例えばp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いてもよい。
オキサゾリン系架橋剤において、オキサゾリン基を含有するモノマーに対して用いられる少なくとも1種の他のモノマーとしては、該オキサゾリン基を含有するモノマーと共重合可能なモノマーであれば、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類、スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマー類などを用いることができ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
また、本カルボジイミド系架橋剤は、該化合物中に官能基としてカルボジイミド基、またはその互変異性の関係にあるシアナミド基を分子内に1個または2個以上有する化合物であれば特に限定されるものではない。このようなカルボジイミド化合物の具体例としては、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、ウレア変性カルボジイミド等を挙げることができ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
さらに易接着層中に微粒子を含有せしめることは易滑性や耐ブロッキング性が向上するので更に好ましい。含有せしめる微粒子としては特に限定されないが、コロイダルシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ゼオライト粒子などの無機粒子や、アクリル粒子、シリコーン粒子、ポリイミド粒子、“テフロン”(登録商標)粒子、架橋ポリエステル粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋重合体粒子、コアシェル粒子などの有機粒子が挙げられ、これら粒子のいずれを用いてもあるいは複数種を併用してもよい。
これら粒子の数平均一次粒径は、0.01〜0.4μmの範囲内であることが好ましい。ここで平均一次粒径とは、JIS−H7008(2002)において単一の結晶核の成長によって生成した粒子と定義される一次粒子の粒子径の平均である。また一次粒子の粒子径(以下、一次粒径と称する)とは、長径と短径の平均値とする。このような平均一次粒径の測定については、JIS−H7804(2005)に従い、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率5万倍で試料を観察し、写真を用いて個々の一次粒子の長径と短径を測定し、その平均で一次粒径を求め、さらに一次粒子100個について同様の一次粒径の測定を行い、その数平均値から平均一次粒径を求めることができる。粒子の平均一次粒径が0.01μm未満の場合には粒子が凝集して易接着層のヘイズを悪化させる可能性があり、逆に0.4μmを超える場合には添加量ほどの易滑性や耐ブロッキング性の効果が得られ難く、また易接着層の厚みによっては粒子脱落する可能性がある。粒子の平均一次粒径は、より好ましくは20〜300nmの範囲内、さらに好ましくは20〜200nmの範囲内である。なお粒子には、単分散粒子を用いても、複数の粒子が凝集した凝集粒子を用いてもよい。また、場合によっては平均一次粒径の異なる複数種の粒子を併用してもよい。また粒子の添加量は、易接着層の厚みや樹脂組成、平均一次粒径、求められる易滑性や用途などによって適切に調節設計されるべきであるが、易接着層全体100重量部に対して0.05〜8重量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲内である。
更に本発明の二軸配向PETフィルムの易接着層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されてもよいが、これらに限定されるものではない。
また、基材フィルム(S層)に易接着層を積層する方法として、S層のそれぞれの表面に易接着層を構成する塗剤をコーティング(塗布)し、積層する方法が好ましい。かかるコーティング方法としては、S層の製造工程とは別工程でコーティングを行う方法、いわゆるオフラインコーティング方法と、S層の製造工程中にコーティングを行い、S層に易接着層が積層された積層PETフィルムを一気に得る、いわゆるインラインコーティング方法がある。また、たとえば片面をインラインコーティング法で積層した後に、もう一方の片面をオフラインコーティング法にて積層する方法でも良い。本発明ではコストの面や、塗布厚みの均一化の面からインラインコーティング方法を採用することが好ましく、その場合に用いる塗液の溶剤は、環境汚染や防爆性の点から水系であることが最も好ましい。
また、水系塗剤の塗布方法は、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに、水系塗剤を塗布する前に、基材フィルムたるS層の表面にコロナ放電処理などを施してもよく、該表面の濡れ張力を、好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上とすること好ましい。S層と易接着層との接着性が向上し、塗布性も良好となるためである。
[二軸配向PETフィルムの製造方法]
本発明の二軸配向PETフィルムの製造方法として、下記に示すが、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
PETペレットを真空乾燥した後、押出機に供給し260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルムを作製する。この未延伸フィルムを70〜100℃に加熱されたロール間で長手方向に2.5〜5.0倍延伸し、一軸延伸(一軸配向)フィルムを得る。なお、かかる一軸延伸(一軸配向)フィルムの片面または両面に、空気中でコロナ放電処理を施し、フィルム表面の濡れ張力を47mN/m以上とし、その処理面に上述の易接着層を設けても良い。続いて、一軸延伸(一軸配向)フィルムをクリップで把持してテンターに導く。テンター内では、はじめに、予熱温度70〜150℃の予熱ゾーンにてフィルムを予熱する。引き続き連続的に、延伸温度70〜150℃の延伸ゾーンにてフィルムを幅方向に3〜5倍延伸する。続いて熱固定温度200〜250℃の熱固定ゾーンにてフィルムに対して熱固定を施す。熱固定後、フィルムを冷却しながら温度220〜160℃の範囲で幅方向にリラックス率2〜12%のリラックス処理を施す。引き続きフィルムを冷却しながら、温度180℃〜100℃の範囲にて幅方向に、倍率(微延伸率)は0.05%〜3.0%で微延伸する。その後、フィルムをガラス転移温度以下まで冷却しテンターから取り出し、本発明の二軸配向PETフィルムを得る。
[光学用積層フィルム]
次に本発明の二軸配向PETフィルムにハードコート層を設けた光学用積層フィルムについて述べる。
本発明において、ハードコート層を構成する材料は特に限定されるものではなく、可視光線を透過するものであればよいが、光線透過率が高いものが好ましい。用いられる材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、活性線硬化型樹脂などである。特に、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、活性線硬化型樹脂は、耐擦傷性、生産性などの点で好適に用いることができる。
本発明にかかるハードコート層の構成成分として用いられる活性線硬化型樹脂は、該活性線硬化型樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(メタクロイルチオフェニル)スルフィド、2,4−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,3,5−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、ビス(4− (メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルフィド、ジ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェートなどの多官能(メタ)アクリル系化合物を用いることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いる。
また、これら多官能(メタ)アクリル系化合物とともに、活性線硬化型樹脂の硬度、透明性、強度、屈折率などをコントロールするため、スチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジメタリルフタレート、ジアリルビフェニレート、あるいはバリウム、鉛、アンチモン、チタン、錫、亜鉛などの金属と(メタ)アクリル酸との反応物などを用いることができる。これらは1種もしくは2種以上を用いてもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル系化合物」という記載は、「メタアクリル系化合物およびアクリル系化合物」を略して表示したものであり、他の化合物についても同様である。
本発明における活性線硬化型樹脂を硬化させる方法として、例えば、紫外線を照射する方法を用いることができるが、この場合には、前記化合物に対し、0.01〜10重量部程度の光重合開始剤を加えることが望ましい。
本発明に用いる活性線硬化型樹脂には、塗工時の作業性の向上、塗工膜厚のコントロールを目的として、本発明の効果を損なわない範囲において、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤を配合することができる。
本発明において活性線とは、紫外線、電子線、放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波を意味し、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点から有利である。
本発明においては、ハードコート層の厚みは、易接着層やハードコート層の屈折率、使用用途などによって適切に調節設計されるべきものであり、特に限定されるものではないが、通常は1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。ハードコート層の厚みがかかる好ましい範囲であるとハードコート性が十分に発現し、一方、ハードコート層の硬化時の収縮によりフィルムがカールすることもない。
本発明においては、ハードコート層の表面に、ちらつきを抑えるための反射防止層を設けたり、また、汚れ防止のための防汚処理を施すことが好ましい。
例えば、光学用積層フィルムの高屈折率ハードコート層表面に反射防止層たる低屈折率層を積層し、これを反射防止フィルムとして用いることがある。
反射防止層は特に限定されるものではないが、低屈折率化合物の積層やフッ化マグネシウムや酸化ケイ素などの無機化合物のスパッタリングや蒸着などにより形成することができる。防汚処理については、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などによる防汚処理を施すことができる。
また、高屈折率ハードコート層の屈折率を1.60〜1.75、好ましくは1.63〜1.75とし、低屈折率層の屈折率を1.40以下、好ましくは1.35〜1.37とすることが、反射防止性能の向上から特に好ましい。
[機能統合フィルム]
本発明では、二軸配向PETフィルムの一方の表面に少なくとも活性線硬化型樹脂を用いてなるハードコート層を積層してなり、もう一方のフィルム表面に近赤外線吸収能を有する色素を含有する近赤外線遮蔽層を積層し、機能統合フィルムとすることが好ましい。
本発明において近赤外線遮蔽層は、透明高分子樹脂バインダーに近赤外線吸収能を有する色素を分散した組成物からなる積層膜であり、
( 1 ) 波長820nm における光線透過率が20% 以下、
( 2 ) 波長850nm における光線透過率が15 % 以下、
( 3 ) 波長950nm から1150nm における光線透過率が10% 以下、
の3 条件を全て満たしていることが必要である。波長820nm における光線透過率は17% 以下が好ましく、波長850nm における光線透過率は11% 以下が好ましく、波長950nm から1150nm における光線透過率は7% 以下が好ましい。
(株)島津製作所製分光光度計「UV−2450PC」(受光部に積分球使用)を用いて入射角0度の光線透過率を測定し、各波長の光線透過率を計測した。
近赤外線吸収色素としては、特公昭43−25335号公報に開示されているようなジイモニウム系化合物が好適であり、中でもヘキサフルオロアンチモン酸イオンを対イオンとする塩が好適に用いられる。具体的には、日本化薬( 株) 製“ KAYASORB ” を冠称とする“ IRG−022 ” 、“ IRG−023 ” 、“ IRG−050 ” などが挙げられる。
前記ジイモニウム系化合物は、波長850〜1250nm の近赤外線領域に幅広く有効吸収波長域を有し、波長950nm から1150nm における光線透過率を10%以下とするためには近赤外線遮蔽層( g ) の単位面積当たりの該化合物の含有量を0.1〜0.5g/mとするのが好ましく、さらには0.2〜0.3g/mとするのがより好ましい。含有量がこの範囲を下回ると近赤外線遮蔽能が劣ることとなり、また含有量がこの範囲を越えると可視線の光線透過率が不足し、画像が暗くなるので好ましくない。
本発明における近赤外線吸収色素としては、前記ジイモニウム系化合物だけを用いてもかまわないが、単独で波長820nm における光線透過率を20% 以下に、波長850nm における光線透過率を15% 以下とするためには、含有量を多くする必要があり、可視光線透過率が不足する場合もある。そのため本発明では、前記ジイモニウム系化合物とともに波長800 n m から900 n m の範囲に吸収極大波長を有する近赤外線吸収色素を1 種類以上併用することが好ましい。具体的には、1 級および/ または2 級アミノ基、アルコキシ基、フッ素等のハロゲン基の1種以上の置換基を有するフタロシアニン系化合物もしくはナフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ジチオールニッケル錯体系化合物などが挙げられる。この中でも耐光性、耐湿熱性の点から含フッ素フタロシアニン系化合物が好適に用いられる。具体的には、日本触媒( 株) 製“ イーエクスカラー” を冠称とする“ IR−1 ” 、“ IR−10 ” 、“ IR−12 ” 、“ IR−14 ” 等が挙げられる。
また、シアニン系化合物は耐光性に難点があるが、それを改良した色素として、予めシアニン系化合物とクエンチャー剤をカップリングして一体化した色素が本発明においては好適に用いられる。ここでクエンチャー剤とは近赤外線吸収色素の酸化防止剤をいう。一体化することでシアニン系化合物の耐光性を改良するとともにシアニン系色素の特徴である高い吸光係数が得られることから色素の使用量を減量することができる。ここでクエンチャー剤としてはビス( 1 , 2 − ジチオフェノレート) 銅テトラ− n − ブチルアンモニウム塩がジイモニウム系化合物の耐光性を損なうことがないので好ましい。シアニン系化合物とクエンチャー剤との一体化色素の具体例としては、住友精化( 株) 製“ SD50−E04N ” 、“ SD50−E05N ” や旭電化工業( 株) 製“ TZ−111 ” 、“ TZ−114 ” 、“ TZ−118 ” などが挙げられる。
波長800nm から900nm の範囲に吸収極大波長を有する近赤外線吸収色素化合物の近赤外線遮蔽層( g ) の単位面積当たりの含有量は、用いる色素の吸光係数やジイモニウム系化合物の含有量に応じて決められるが、波長820nm における光線透過率を20%以下に、波長850nm における光線透過率を15% 以下とするためには、含有量は0.01〜0.3g/m とするのが好ましく、特に、シアニン系化合物とクエンチャー剤との一体化色素を用いる場合は0.01〜0.1g/mとするのが好ましい。含有量がこの範囲を下回ると近赤外線遮蔽能が劣ることとなり、また含有量がこの範囲を越えると可視光線の光線透過率が不足し、画像が暗くなるので好ましくない。
本発明で用いる透明な高分子樹脂バインダーは、実質的に可視線の吸収がなく無色透明であり、ポリエステル系樹脂、( メタ) アクリル系樹脂、( メタ) アクリルウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が好ましく用いられ、中でも( メタ) アクリル系樹脂が好適である。
本発明で用いる( メタ) アクリル系樹脂は、メチル( メタ) アクリレート、エチル( メタ) アクリレート、n − またはi s o プロピル( メタ) アクリレート、n − またはs e c− またはt e r t − ブチル( メタ) アクリレート、ペンチル( メタ) アクリレート、ヘキシル( メタ) アクリレート、シクロヘキシル( メタ) アクリレート、メチルシクロヘキシル( メタ) アクリレート、シクロドデシル( メタ) アクリレート、2 − エチルヘキシル(メタ) アクリレート、オクチル( メタ) アクリレート、ノニル( メタ) アクリレート、デシル( メタ) アクリレート、ヒドロキシエチル( メタ) アクリレート、( メタ) アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、グリシジル( メタ) アクリレート、含フッ素( メタ)アクリレート、スチレンから選ばれる数種類の不飽和単量体を共重合して得られるものが好適である。さらには近赤外線吸収色素の耐光性を向上させるため、紫外線安定性基であるヒンダードアミンを有する不飽和単量体( 例えば旭電化工業( 株) 製 アデカスタブ LA−82 、LA−87等) や、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の紫外線吸収基を有する不飽和単量体を共重合したものを用いるか、またはヒンダードアミン系添加剤( 例えば三共ライフテック( 株) 製 サノール LS−765 、LS−2626 など) や紫外線吸収剤を重合後の樹脂に添加することが好ましい。
本発明で用いる( メタ) アクリル系樹脂は、耐熱性の点からガラス転移点が80℃ 以上に設計されているものが好ましいが、これに限定されるものではない。また、近赤外線吸収色素への水分の影響を小さくするため、樹脂の吸湿性は2%以下であることが好ましい。
さらに、本発明で用いる( メタ) アクリル系樹脂は耐溶剤性を向上させるために架橋しても良く、この場合、脂肪族ジイソシアネートや脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、メラミン等の架橋剤が好適に用いられる。また、易接着層との接着性を向上させるためにシランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては不飽和基やエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられる。
本発明で用いる( メタ) アクリル系樹脂は有機溶剤に可溶であることが好ましく、特にメチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等に可溶であるものが好ましく、これらの単体もしくは2 種以上の混合溶媒として用いられる。( メタ) アクリル系樹脂の粘度は、近赤外線吸収色素化合物を調合して塗料化する際の作業性を考慮して、50〜5000mPa・s であることが好ましく、( メタ) アクリル系樹脂の固形分濃度は10〜50質量% であることが好ましい。
上記した( メタ) アクリル系樹脂バインダーの具体例としては、三菱レイヨン( 株) 製“ ダイヤナール BR−80 ” や日本触媒( 株) 製“ ハルスハイブリッド IR−G205 ” などが挙げられる。
色調補正に用いる色素は、例えば特開2002−129052号公報に開示されているようなポルフィラジン系化合物( 別名テトラアザポルフィリン化合物) が、耐光性、有機溶剤への溶解性、吸光係数の点から好適に用いられる。具体的には山田化学工業( 株) 製 “ TAP−2 ” 等が挙げられる。近赤外線遮蔽層の単位面積当たりのポルフィラジン化合物の含有量は0.03〜0.07 g/mとするのが好ましく、さらには0.04〜0.06g/m とするのがより好ましい。含有量がこの範囲を下回ると色調補正能が劣ることとなり、また含有量がこの範囲を越えると可視光線の光線透過率が不足し、画像が暗くなるので好ましくない。
上記した近赤外線吸収色素および色調補正用の色素は染料または顔料のどちらでも使用できるが、透明性や可視光線の光線透過率を考慮すると染料を用いるのが好ましい。染料を用いる場合は、高分子樹脂バインダーが可溶である有機溶媒に溶解するものが好ましい。かかる有機溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等が挙げられる。
近赤外線吸収色素および色調補正用の色素は、上記有機溶媒に溶解後、高分子樹脂バインダー溶液や有機溶媒と混合され塗料化されて用いられる。さらに、塗料には、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、消泡剤などを配合することも好ましい。前記塗料は、3 本リバースコーターや正転またはリバースグラビアコーター、コンマコーター、ダイコーターなどのコーティング方式により、基材フィルムの易接着層上に塗工され、190℃のオーブンで乾燥して成膜し、近赤外線遮蔽層が形成される。
本発明の近赤外線遮蔽層の厚みは特に限定されるものではないが、3〜30μmが好ましく、さらには4〜15μm が前記( メタ) アクリル系樹脂バインダーのフィルムへの塗工性の点からより好適である。
すなわち、本発明では、本発明のPETフィルムの表面に、少なくとも活性線硬化型樹脂を用いてなるハードコート層を積層してなり、他方表面に、近赤外線吸収能を有する色素を透明な高分子樹脂中に分散してなる近赤外線遮蔽層を積層してなる機能統合フィルムであることが好ましい。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は次のとおりである。
(1)二軸配向PETフィルムの熱収縮率
ASTM D1204−08(2008)に従い、ハードコート層や近赤外線遮蔽層などを設ける前の二軸配向PETフィルムからテンプレートを用いて、フィルムシートの両端から250mm×250mmのフィルムシートを中央から1枚裁断する。裁断した試験サンプルの各辺の中点に、最終目的の測定を行う場合に基準点をして用いるためマークを付け、さらに各頂点から各辺へ100mm位置にもマークを付ける。向かい合う長手方向3点、幅方向3点のマークの距離をそれぞれ測定する。その後、試験サンプルを23±2℃及び湿度50±10%において40時間以上調整した後、水平に且つ加重をかけずに所定の温度のオーブンで所定の時間加熱処理を行い、熱処理後の3点のマークの距離を測定して、フィルム長手方法3点の熱収縮率を下記式にて算出した。幅方向3点も同様にして、平均値を求める。
熱収縮率(%)=(熱処理前の点距離−熱処理後の点距離)/熱処理前の点距離×100
さらに、同様にして二軸配向PETフィルムから両端2枚の熱収縮率を測定し、平均を求め、中央、両端の平均値を求める。
(2)二軸配向PETフィルムのヘイズおよび全光線透過率
スガ試験機(株)製自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を使用し、JIS K 7105(1981)に従って測定する。なお、この測定は、ハードコート層や近赤外線遮蔽層などを設ける前の、二軸配向PETフィルムに対して実施する。
(3)二軸配向PETフィルムの波長380nmの光線透過率
(株)島津製作所製分光光度計「UV−2450PC」(受光部に積分球使用)を用いて入射角0度の光線透過率を測定し、波長380nmの光線透過率を計測した。なお、この測定は、ハードコート層や近赤外線遮蔽層などを設ける前の、二軸配向PETフィルムに対して実施する。
(4)光学用積層フィルムのカール特性
ハードコート層を構成する活性線硬化型樹脂(ペルノックス(株)製 XJC−0357−1:屈折率1.67)を二軸配向PETフィルム上にバーコーターを用いて硬化後の膜厚が1.5μmとなるように均一に塗布する。次いで、140℃で20m/秒の熱風で20秒間乾燥した後、表面から9cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製 H03−L31)で、積算照射強度が300mJ/cmとなるように紫外線を照射し、硬化させ、二軸配向PETフィルム上にハードコート層が積層された光学用積層フィルムを得る。なお、紫外線の積算照射強度測定には工業用UVチェッカー(日本電池(株)製 UVR−N1)を用いる。得られた光学用積層フィルムを150mm×150mmサイズに切り出して、フィルム凸部を下にして水平なガラス板上に静置し、ガラス板と立ち上がったフィルム4隅の下端との垂直距離を最小目盛り0.5mm単位で定規を用いて測定し、この4箇所の測定値の平均値をカール値とする。サンプルは3点準備し、繰り返し測定を行い、この平均値をカール値とし、下記の基準で評価する。なお、○以上が合格範囲である。
◎:0.0mm以上0.2mm未満
○:0.2mm以上0.4mm未満
△:0.4mm以上0.6mm未満
×:0.6mm以上
(5)機能統合フィルムのカール特性
(4)にて得られる光学用積層フィルムのハードコート層が設けられた面とは反対の面に、ダイコーターを用いて下記のように調製した近赤外線遮蔽塗料を塗工する。次いで、40℃で5m/秒の熱風で20秒間、190℃で20m/秒の熱風で20秒間、さらに、90℃で20m/秒の熱風で10秒間乾燥させ、厚み10μmの近赤外線遮蔽層を積層し機能統合フィルムを得る。得られた機能統合フィルムについて、(4)と同様の手法にてカール高さを測定した。なお、○以上が合格範囲である。
◎:0.0mm以上0.2mm未満
○:0.2mm以上0.4mm未満
△:0.4mm以上0.6mm未満
×:0.6mm以上
< 近赤外線遮蔽塗料の作製>
近赤外線吸収色素として、日本化薬( 株) 製“ KAYASORB IRG−050 ” を29質量部、日本触媒( 株) 製“ イーエクスカラー IR−10A ” を16 質量部をメチルエチルケトン2000質量部に攪拌混合して溶解させた。この溶液を透明高分子樹脂バインダー溶液として、日本触媒( 株) 製“ ハルスハイブリッド IR−G205 ” ( 固形分濃度29%溶液) 2000質量部と攪拌混合して近赤外線遮蔽塗料を作製した。
次に実施例および比較例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレットを得た(ポリエステルA1)。ポリエステルA1と紫外線吸収剤A(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量369 ベンゾオキサジノン系))をベント付き2軸押出機にて紫外線吸収剤が12重量%となる様にコンパウンドし、紫外線吸収剤入りポリエステルA2を得た。
ポリエステルA1とポリエステルA2を紫外線吸収剤が全体のポリエステルに対し0.5重量%となる様に仕込み、まず150℃にて2時間真空乾燥した後、引き続き180℃で2時間真空乾燥し、押し出し機に供給し285℃で溶融後、3μmカットフィルターで濾過、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸配向(一軸延伸)フィルムとした。このフィルムに空気中で両面にコロナ放電処理を施した。次いで、易接着塗液a1を表面に、易接着塗液b1を反対面にメタバー方式にて#4のメタリングワイヤーバーを用いて塗布した。
(易接着塗液a1の水系塗剤組成)
易接着塗液a1:以下の成分を有するポリエステル樹脂の濃度が1.5%の水溶液
・2,6−ナフタレンジカルボン酸/1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸/9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン/エチレングリコール=37/13/45/5モル%の共重合組成から成るポリエステル樹脂: 100重量部
・メラミン架橋剤: 5重量部
・平均粒径40nmのシリカ粒子易滑剤: 5重量部
(易接着塗液b1の水系塗剤組成)
易接着塗液b1:以下の成分を有するポリエステル樹脂とアクリル樹脂の合計の濃度が6.0%水溶液
・メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=63/35/1/1重量%の共重合組成から成るアクリル樹脂: 30重量部
・テレフタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸/セバシン酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/1,4−ブタンジオール=28/9/10/3/15/18/17モル%の共重合組成から成るポリエステル樹脂: 70重量部
・メラミン架橋剤 25重量部
・平均粒径140nmのシリカ粒子易滑剤: 1.0重量部
易接着塗液を塗布した1軸延伸フィルムをクリップで把持してテンターに導いた。
テンター内では、はじめに、雰囲気温度(予熱温度)120℃にて塗液の乾燥およびフィルムの予熱を行い、引き続き連続的に延伸温度120℃の延伸ゾーンで幅方向に3.5倍延伸した。
続いて熱固定温度235℃の熱固定ゾーンにて熱固定した。熱固定時間は10秒間とした。引き続き220℃〜160℃にフィルムを冷却しながら幅方向(TD)にリラックス率は7%でリラックス処理を施した。その後、さらにフィルムを160℃〜120℃に冷却しながら幅方向に0.2%の微延伸処理を実施した。微延伸処理後のフィルムを70℃まで冷却後、テンターからフィルムを取り出し、結晶配向の完了した厚み100μmの二軸配向PETフィルムを得た。この二軸配向PETフィルムの特性等を表に示す。
続いて、得られた二軸配向PETフィルムに、上記評価方法(4)に記載の方法で易接着塗液Aを塗布した面にハードコート層を積層し、光学用積層フィルムを得た。その後、上記評価方法(5)に記載の方法近赤外線遮蔽層を逆面(易接着塗液Bを塗布した面)に積層し、機能統合フィルムを得た。得られた光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムの特性を表2に示す。
<実施例2〜5>
二軸配向PETフィルムの製造条件を表1に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。続いて、得られた二軸配向PETフィルムを用いて、実施例1と同様の方法にて、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムを得た。得られた二軸配向PETフィルム、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムの特性等を表2に示す。
<実施例6>
ポリエステルA1とポリエステルA2を紫外線吸収剤が全体のポリエステルに対し0.8重量%となる様に仕込み、また、二軸配向PETフィルムの製造条件を表1に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。続いて、得られた二軸配向PETフィルムを用いて、実施例1と同様の方法にて、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムを得た。得られた二軸配向PETフィルム、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムの特性等を表2に示す。
<実施例7>
二軸配向PETフィルムの製造条件を表1に記載のとおりとした以外は、実施例6と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。続いて、得られた二軸配向PETフィルムを用いて、実施例1と同様の方法にて、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムを得た。得られた二軸配向PETフィルム、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムの特性等を表2に示す。
<実施例8>
ポリエステルA2を用いず、ポリエステルA1のみを仕込み、二軸配向PETフィルムの製造方法を表に記載したとおりとした以外は、実施例1と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。 続いて、得られた二軸配向PETフィルムを用いて、実施例1と同様の方法にて、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムを得た。得られた二軸配向PETフィルム、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムの特性等を表2に示す。
<実施例9〜16>
二軸配向PETフィルムの製造条件を表1に記載のとおりとした以外は、実施例8と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。続いて、得られた二軸配向PETフィルムを用いて、実施例1と同様の方法にて、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムを得た。得られた二軸配向PETフィルム、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムの特性等を表2に示す。
<実施例17>
易接着塗液a2を表面に、易接着塗液b1を反対面に塗布し、また、二軸配向PETフィルムの製造条件を表1に記載のとおりとした以外は、実施例6と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。続いて、得られた二軸配向PETフィルムを用いて、実施例1と同様の方法にて、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムを得た。得られた二軸配向PETフィルム、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムの特性等を表2に示す。
(易接着塗液a2の水系塗剤組成)
易接着塗液a2:以下の成分を有するポリエステル樹脂の濃度が5.0%の水溶液
・テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/5−Naスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ジエチレングリコール=34/10/6/49/1モル%の共重合組成から成るポリエステル樹脂: 100重量部
・オキサゾリン架橋剤: 6重量部
・メラミン架橋剤: 40重量部
・平均粒径140nmのシリカ粒子易滑剤: 1.2重量部
<比較例1〜18>
二軸配向PETフィルムの製造条件を表に記載のとおりとした以外は、実施例8と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。続いて、得られた二軸配向PETフィルムを用いて、実施例1と同様の方法にて、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムを得た。得られた二軸配向PETフィルム、光学用積層フィルムおよび機能統合フィルムの特性等を表2に示す。
(結果)
二軸配向PETフィルムの140℃30分での幅方向熱収縮率Lt(%)が0.8を越える場合又は0未満の場合はハードコート後のカール性が劣り、0〜0.8の間で良好であった。また、Ltが0.3〜0.6の範囲で特にハードコートフィルムのカール性が良好な結果となった。
一方、二軸配向PETフィルムの190℃20分での幅方向熱収縮率Ht(%)が0.8を越える場合は、機能統合フィルムのカール性が悪化した。また、(Lt−Ht)の値が、0.5を越える場合又は0未満の場合にも機能統合フィルムのカール性が悪化する結果となった。また、Ltの値が0.3〜0.6、Htの値が0〜0.5、(Lt−Ht)が0.1〜0.3の範囲を満たした場合は、ハードコートフィルムおよび機能統合フィルムの両方共にカール性が特に良好な結果となった。(実施例4,5,7,9,10,11,17)
Figure 2012056220
Figure 2012056220
本発明は、プラズマディスプレイパネルの光学フィルターに用いられる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム、さらには、ハードコートと近赤外線遮蔽、さらには反射防止層が積層された機能統合フィルムに特に好適に用いることができる。また、本発明は、ハードコート層と近赤外線遮蔽層を有する機能フィルムに限定されず、ハードコート層を積層後、高次工程で蒸着などの高温処理がなされる形態であれば、本発明を展開する事ができ、タッチパネル、表面加飾フィルム、保護フィルム用途向けのハードコートフィルム用にも好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 140℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率Lt(%)と、190℃で20分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率Ht(%)が、下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とするハードコート用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
    (1) 0.0 ≦ Lt ≦ 0.8
    (2) −0.2 ≦ Ht ≦ 0.8
    (3) 0.0 ≦ (Lt − Ht) ≦ 0.5
  2. 波長380nmにおける光線透過率が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載のハードコート用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
  3. 請求項1または2に記載の二軸配向PETフィルムの一方の表面に、少なくとも活性線硬化型樹脂を用いてなるハードコート層を積層してなり、もう一方のフィルム表面に近赤外線吸収能を有する色素を含有する近赤外線遮蔽層を積層してなる機能統合フィルム。
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