JP2012056167A - グレージング用プラスチック基材 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】プラスチック基材の表面上に樹脂層を有するグレージング用プラスチック基材であり、この樹脂層が、(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物、(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤及び(D)シリカを含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であるグレージング用プラスチック基材。
【効果】紫外線により低温、短時間で成膜可能で、可視光の透明性を維持しながら耐擦傷性、UV遮蔽性を発現し、耐久性を兼ね備えたシリコーンコーティング層で被覆されたグレージング用プラスチック基材を提供できる。特にグレージング用ポリカーボネート樹脂基材は、軽量で優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性を有し、自動車のグレージングとして紫外線に曝される屋外で使用される用途に好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチックなどの有機樹脂基材表面がコーティング組成物の硬化物でコートされたグレージング用プラスチック基材であって、紫外線遮蔽性を持ちながら可視光透明性を損なうことなく、耐擦傷性、耐候性に優れるコーティング層により被覆された自動車グレージング用プラスチック基材に関する。
とりわけ、ガラスに代わる構造材料として、車両等の窓用などに使用されるポリカーボネート樹脂等に、優れた耐擦傷性の保護皮膜が形成されたグレージング用プラスチック基材に関するものである。
近年、透明板ガラスの代替として、軽量で非破砕性の透明樹脂材料を使用することが広く行われるようになってきた。プラスチック基材、特にポリカーボネート樹脂などは、透明性、耐衝撃性、耐熱性等に優れていることから、ガラスに代わる構造部材として、車両等の窓や計器カバー等の用途に用いられている。
しかし、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック基材は、ガラスに比べて耐擦傷性、耐候性などの表面特性に劣ることから、この表面特性を改良することが切望されている。
ポリカーボネート樹脂成形品の耐擦傷性を改良する方法としては、樹脂基材の表面にオルガノポリシロキサンなどの熱硬化性樹脂をコーティングする方法が提案されている。また、耐候性を改良する手段としては、表面に耐候性に優れた紫外線吸収剤を含有した樹脂層を設ける方法が提案されている。
従来、プラスチックなどの有機樹脂基材の表面に、高硬度、耐擦傷性の付与を目的とした表面保護塗膜を形成するコーティング剤として、加水分解性オルガノシランを加水分解もしくは部分加水分解して得られる組成物からなるコーティング剤、あるいは該組成物にコロイダルシリカを混合したコーティング剤が知られている。例えば、特開昭63−168470号公報(特許文献1)には、オルガノアルコキシシランの加水分解物及び/又はその部分縮合物、及びコロイダルシリカからなり、過剰の水でアルコキシ基をシラノールに変換してなるコーティング剤が提案されている。
このコーティング剤により得られる塗膜は、硬度が高く、基材保護用として優れているが、靭性に乏しく、10μm以上の厚膜においては、加熱硬化中あるいは屋外で使用中、急激な温度変化が起こったときなどに容易にクラックが発生する。また、このコーティング層は紫外線をカットする能力に乏しく、プラスチック樹脂基材が変色したり、コーティング層の界面が紫外線で劣化するため、膜が剥離したりするという欠点があった。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体あるいはベンゾフェノン系紫外線吸収性ビニル系単量体とこの単量体に共重合可能なビニル系単量体の混合物を塗料の成分とし、これを用いて合成樹脂等の表面に保護塗膜を形成することが知られている(特開平8−151415号公報(特許文献2))。更に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体あるいはベンゾフェノン系紫外線吸収性ビニル系単量体、アルコキシシリル基含有ビニル系単量体及びこれら単量体に共重合可能なビニル系単量体との共重合体を塗料成分とすることで、樹脂基材への密着性を保ちつつ、耐候性を付与した多層積層樹脂物品を得られることが知られている(特許第3102696号公報(特許文献3))。しかし、こうした保護皮膜はビニル系重合体からなるため、耐擦傷性が悪いという欠点があった。
シリコーン層に有機系紫外線吸収剤を添加する方法も以前から行われてきた。しかしながら、これらの化合物をコーティング組成物に単純に添加しただけでは、塗膜とした後の耐久性、即ち長期曝露後の紫外線吸収剤の表面からのブリード、流出が発生し、持続性に乏しいものであった。
そこで、コーティング層の主成分であるシロキサン化合物と化学結合が形成できるような、シリル変性した有機系紫外線吸収剤を用いる方法もこれまで開示されている(特許文献4:特公平3−14862号公報、特許文献5:特公平3−62177号公報、特許文献6:特開平7−278525号公報参照)。これは、紫外線吸収剤がシロキサンマトリックスに強固に結合しているため、持続性は向上したが、その一方で、耐候性発現のために導入した紫外線吸収性官能基の影響のため、本来のコーティング層の耐擦傷性が大幅に低下し、あるいは可撓性の低下によるミクロクラックの発生が顕著になるという問題があった。
耐候性及び耐擦傷性を併せ持つ透明体を熱硬化で製造する方法としては、特開昭56−92059号公報(特許文献7)及び特公平7−10966号公報(特許文献8)などに記載があり、多量の紫外線吸収剤を添加した下塗り層を介してコロイダルシリカ含有ポリシロキサン塗料の保護皮膜を設けた紫外線吸収透明基板が知られている。また、特許第3102696号公報(特許文献3)では、共重合体塗料を下塗り剤とし、その皮膜上にコロイダルシリカ含有ポリシロキサン樹脂皮膜を形成することで、耐擦傷性及び耐候性を付与した被覆物品を得ている。しかしながら、紫外線で硬化できないため、成膜に高温、長時間という条件が必要で、熱による変形を受けやすく、大量に製造するグレージング用プラスチック基材に適用するには不適切であった。
以上のように、コーティング剤で被覆したプラスチック基材について、紫外線硬化という低温、短時間で成膜が可能で、可視光の透明性を維持しながら耐擦傷性、紫外線遮蔽性を発現し、長期の屋外曝露に耐えうる耐候性、耐久性を全て満たしたコーティング組成物で被覆した基材は存在してなかった。
特開昭63−168470号公報 特開平8−151415号公報 特許第3102696号公報 特公平3−14862号公報 特公平3−62177号公報 特開平7−278525号公報 特開昭56−92059号公報 特公平7−10966号公報
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、可視光透明性を損なうことなく、紫外線遮蔽性を兼ね備え、紫外線により硬化できる、耐擦傷性、耐候性、耐久性に優れるコーティング材により被覆されたグレージング用プラスチック基材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、プラスチック基材の表面上に樹脂層を有するグレージング用プラスチック基材であって、この樹脂層が、(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物、(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤及び(D)シリカを含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層、より好ましくは樹脂層が2層以上であり、基材表面に接している第1層が、上記(B)、(D)及び(C)成分を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であり、第1層に接している第2層が、上記(A)及び(C)成分を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であるグレージング用プラスチック基材が、可視光透明性を損なうことなく紫外線遮蔽性を兼ね備え、耐擦傷性、耐候性、耐久性に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のグレージング用プラスチック基材を提供する。
請求項1:
プラスチック基材の表面上に樹脂層を有するグレージング用プラスチック基材であって、この樹脂層が、(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物、(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤及び(D)シリカを含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であることを特徴とするグレージング用プラスチック基材。
請求項2:
プラスチック基材の表面上に2層以上の樹脂層を有するグレージング用プラスチック基材であって、これらの樹脂層のうち基材表面に接している第1層が、(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、(D)シリカ及び(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であり、第1層に接している第2層が、(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物及び(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であることを特徴とするグレージング用プラスチック基材。
請求項3:
(A)共加水分解縮合物の原料シランが、下記一般式(I)で示される紫外線吸収性のアルコキシシラン、下記一般式(II)で示される紫外線硬化性のアルコキシシラン及び下記一般式(III)で示されるテトラアルコキシシランであることを特徴とする請求項1又は2記載のグレージング用プラスチック基材。
Figure 2012056167

(式中、A1〜A10は、独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(i)
Figure 2012056167

で示される基で、式(I)は少なくとも1つのヒドロキシ基と少なくとも1つの式(i)で示される基を有する。R11,R12は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは、1以上5以下の整数、nは、0以上2以下の整数を示す。また、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、炭素数1〜6の2価の有機基である。)
請求項4:
(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤が、メタロセン化合物、フォスフィンオキサイド化合物又はポリシラン化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグレージング用プラスチック基材。
請求項5:
前記プラスチック基材が、ポリカーボネート樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載のグレージング用プラスチック基材。
本発明によれば、紫外線により低温、短時間で成膜が可能で、可視光の透明性を維持しながら耐擦傷性、UV遮蔽性を発現し、耐久性を兼ね備えたシリコーンコーティング層で被覆されたグレージング用プラスチック基材を提供することができる。
本発明のコーティング剤により皮膜を施されたグレージング用プラスチック基材、特にグレージング用ポリカーボネート樹脂基材は、軽量で優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性を有するため、自動車のグレージングとして、紫外線に曝される屋外で使用される用途に好適である。
本発明のグレージング用プラスチック基材は、プラスチック基材の表面上に、下記(A)〜(D)成分を含んでなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層を有するものである。
(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物、
(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、
(C)フォトブリーチング性を有する紫外線硬化剤、及び
(D)シリカ。
この場合、(B)、(C)、(D)成分を含有する第1組成物の紫外線硬化樹脂第1層を基材上に形成すると共に、(A)、(C)成分を含有する第2組成物の紫外線硬化樹脂第2層を第1層上に形成してなる2層以上の樹脂層とすることが好ましい。
以下、(A)〜(D)成分について、詳細に説明する。
(A)成分は、紫外線吸収性のアルコキシシラン(a−1)と紫外線硬化性のアルコキシシラン(a−2)とテトラアルコキシシラン(a−3)の共加水分解縮合物である。この(A)成分は、原料シランとして、上記(a−1)〜(a−3)成分を用いるものであるが、特に(a−1)成分として下記一般式(I)で示される紫外線吸収性のアルコキシシラン、(a−2)成分として下記一般式(II)で示される紫外線硬化性のアルコキシシラン及び(a−3)成分として下記一般式(III)で示されるテトラアルコキシシランを用いることが好ましい。
Figure 2012056167

(式中、A1〜A10は、独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(i)
Figure 2012056167

で示される基で、式(I)は少なくとも1個、好ましくは1〜2個のヒドロキシ基と少なくとも1個、好ましくは1〜4個の式(i)で示される基を有する。R11,R12は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは、1以上5以下の整数、nは、0以上2以下の整数を示す。また、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、炭素数1〜6の2価の有機基である。)
上記式中、A1〜A10,R11,R12の炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。A1〜A10としてはメチル基、R11としてはメチル基、R12としてはメチル基、エチル基が好ましい。
また、R2の炭素数1〜6の2価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基などが挙げられ、中でもトリメチレン基が好ましい。
mは、1〜5、好ましくは1〜3の整数であり、nは、0〜2の整数、好ましくは0又は1である。
紫外線吸収性のアルコキシシラン(a−1)としては、上記一般式(I)で示されるシランを用いることが好ましい。該シランは、分子内にベンゾフェノン系の骨格を持ち、これが紫外線の吸収に寄与する。また、該シランは、分子端のアルコキシ基が加水分解して反応性の高いシラノールを生じ、これが縮合重合することによって自身で高分子化、あるいは他の原料成分と結合することができる。
上記紫外線吸収性シランは、アルコキシシリル基を有するベンゾフェノン誘導体であり、例えば次のようにして製造される。
2個以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシベンゾフェノンを、最初に有機溶剤中でハロゲン化アリル及び炭酸カリウムと反応させて、ポリヒドロキシ−ポリアリロキシベンゾフェノンを生じさせる。このベンゾフェノンに、白金触媒存在条件下でヒドロアルコキシシランを作用させて、ポリヒドロキシ−ポリ(アルコキシシリルアルコキシ)ベンゾフェノンを生成させる。
上記紫外線吸収性シランの原料である2個以上のヒドロキシ基を有するベンゾフェノンは、2個以上のヒドロキシ基を有するフェノール類と、芳香族カルボン酸類との反応により、ポリヒドロキシベンゾフェノンとして容易に製造することができる(例えば、特開平5−70397号公報)。ポリヒドロキシベンゾフェノンとして、具体的には、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−3,4−ジメトキシベンゾフェノン、2,3−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2,2’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2’,3’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ブトキシ−2,2’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、及び3,4−ジメトキシ−2,2’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
本発明において用いられる、前記一般式(I)で示される紫外線吸収性シランは、まず、有機溶剤中でこのポリヒドロキシベンゾフェノンとアリル基を有するハロゲン類との反応により、アリルオキシ基含有ヒドロキシベンゾフェノンを製造する。
ポリヒドロキシベンゾフェノンとアリル基を有するハロゲン類との反応割合は、モル比で1:1〜1:1.5であることが好ましい。
有機溶剤としては、ポリヒドロキシベンゾフェノンを溶解する溶剤であれば限定されないが、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が好ましい。
また、その使用量は、ポリヒドロキシベンゾフェノンを溶解させるのに十分な量であればよく、例えば質量でポリヒドロキシベンゾフェノンの2〜10倍であればよい。
反応温度及び反応時間は、通常40℃〜有機溶剤の沸点の温度で1〜24時間程度反応させればよい。
更に、得られたアリルオキシ基含有ヒドロキシベンゾフェノンとヒドロアルコキシシラン化合物とを、白金触媒の存在下に、必要に応じて、トルエン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒中で、又は無溶媒で反応させることにより合成することができる。
ここで、ヒドロアルコキシシラン化合物としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基を1〜3個有するヒドロシラン化合物が例示できる。より好ましくはトリメトキシシラン、トリエトキシシランである。
得られたアルケニルオキシ基含有ヒドロキシベンゾフェノンとヒドロアルコキシシラン化合物との反応割合は、モル比で1:1〜1:1.5、特に1:1〜1:1.2であることが好ましい。
白金触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる公知の白金触媒を用いればよく、例えば塩化白金酸やその錯体等が例示される。
反応は、室温〜約200℃の範囲で行い得るが、好ましくは25〜約100℃で行われる。トリメトキシシランを用いる場合、反応は、常温〜60℃程度に加温することで、約30分〜2時間程度で完了する。
(a−1)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
次に、紫外線硬化性のアルコキシシラン(a−2)としては、上記一般式(II)で示されるアクリル官能性シラン又はメタクリル官能性シランを用いることができる。該シランは、アクリル基又はメタクリル基が、後述する(C)成分の光重合開始剤によって光重合し、硬化皮膜を形成する。また、該シランは、分子端のアルコキシ基が加水分解して反応性の高いシラノールを生じ、これが縮合重合することによって自身で高分子化、あるいは他の原料成分と結合することができる。
このアクリル官能性シラン又はメタクリル官能性シランとして、具体的には、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が例示され、特に3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好適である。
(a−2)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
テトラアルコキシシラン(a−3)としては、上記一般式(III)で示されるシランを用いることができる。上記テトラアルコキシシランを用いることにより、膜硬度や密着性が向上するという効果が得られる。
該シランとして、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシキシシラン、テトラブトキシシランが例示でき、特にテトラエトキシシランが好適である。
(a−3)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ここで、原料である紫外線吸収性のアルコキシシラン(a−1)と紫外線硬化性のアルコキシシラン(a−2)とテトラアルコキシシラン(a−3)との使用割合は質量比で(a−1)5〜50質量%、(a−2)10〜40質量%、(a−3)10〜65質量%(但し、(a−1)、(a−2)、(a−3)の合計は100質量%)であることが好ましい。紫外線吸収性のアルコキシシラン(a−1)の使用割合が多すぎると十分な膜硬度が得られない場合があり、少なすぎると膜の耐候性が低下する場合がある。紫外線硬化性のアルコキシシラン(a−2)の使用割合が多すぎると膜クラックが発生する場合があり、少なすぎると硬化性が低下する場合がある。テトラアルコキシシラン(a−3)の使用割合が多すぎると膜クラックが発生する場合があり、少なすぎると基板との密着性が不十分となる場合がある。
(A)成分は、上記(a−1)〜(a−3)成分のアルコキシシランを原料とし、水あるいは低級アルコールの存在下、触媒量の加水分解触媒を用いた酸性条件下において共加水分解、縮合することにより得ることができる。
加水分解触媒としては、従来公知の触媒を使用することができ、特に酸性のハロゲン化水素、カルボン酸、スルホン酸、酸性あるいは弱酸性の酸化物や無機塩、イオン交換樹脂等の固体酸等を使用することができる。これらの例としては、酢酸、マレイン酸に代表される有機酸、表面にスルホン酸基、又はカルボン酸基を有するカチオン交換樹脂等を好適に用いることができる。加水分解触媒の使用量は、加水分解性基1モルに対して0.001〜10モル%が好ましい。
また、加水分解は、酸性条件下で加水分解することが好ましく、特にpHが2〜7の範囲で反応させることが好ましい。加水分解を弱酸性下で行わない場合は生成するシラノール基が不安定となり、縮合反応が進み、分子量が大きくなりすぎることがある。
次いで、トップ膜の高硬度を得るために、前記の加水分解に続いて、縮合させる。縮合は、加水分解に続いて連続的に行えばよく、通常、液温が常温又は100℃以下の加熱下で行われる。100℃より高い温度ではゲル化する場合がある。更に80℃以上、常圧又は減圧下にて、加水分解で生成したアルコールを留去することにより、縮合を促進させることができる。更に、縮合を促進させる目的で、塩基性化合物、酸性化合物、アルミニウム錯体のような金属キレート化合物などの縮合触媒を添加してもよい。縮合工程の前又は最中に、縮合の進行度及び濃度を調整する目的でメタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール類等の有機溶剤を添加してもよい。
得られた共加水分解縮合物の粘度、又はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、3,000〜30,000、特に5,000〜10,000であるものが好ましい。
(A)成分は、例えばイソブチルアルコール溶液として用いることができ、この場合、不揮発分(固形分量、150℃/30分)は、10〜50質量%、特に30〜40質量%とすることが好ましい。
(A)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、紫外線硬化性のポリアクリレート又はポリメタクリレートであり、組成物に紫外線硬化時の密着性を付与する成分である。該(B)成分は、ポリアクリレートであることが好ましい。
かかる紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレートは、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する脂肪族系ポリイソシアネート、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有するポリオール、及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート、あるいは、トリメチロールプロパン等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸化合物との反応で得られるエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、公知の方法で反応させて得られる。
ウレタンポリ(メタ)アクリレートとしては市販品が使用でき、その具体例としては、3官能性脂肪族ウレタンアクリレート[商標:Miramer PU340],10官能性脂肪族ウレタンアクリレート[商標:Miramer MU9500],15官能性脂肪族ウレタンアクリレート[商標:Miramer SC2152],2官能性芳香族ウレタンアクリレート[商標:Miramer MU3603],4官能性芳香族ウレタンアクリレート[商標:Miramer PU460],6官能性芳香族ウレタンアクリレート[商標:Miramer PU640](いずれも東洋ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。
エステルポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド2〜6モル付加のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド2〜6モル付加のテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。このうち、特に好ましくはトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
これらの紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレートは、1種を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、5官能性以上のアクリレートを含むことが好ましく、その含有量は(B)成分の30質量%以上(例えば30〜100質量%)であることが好ましい。
上記(B)成分の配合量は、(A)成分の固形分100質量部に対して20〜150質量部、特に30〜100質量部とすることが好ましい。20質量部未満では皮膜が染色性に乏しくなる場合があり、150質量部を超えると紫外線硬化性に乏しくなる場合がある。
本発明の特徴の一つは、上記(A)成分の200〜380nmに吸収波長を有する共加水分解縮合物に、(C)成分の特定の吸収波長を有するフォトブリーチング性光重合開始剤を組み合わせて使用することである。
フォトブリーチングとは、photobleaching;光退色、光脱色とも書き、環境効果の一つで、励起蛍光分子でまれにみられる光化学的性質をさす。この反応は、励起状態にある蛍光物質が基底状態に比べて化学的に活性化され不安定になるために起こる。この結果、蛍光分子は最終的に低蛍光性の構造になることをいう。本発明では、ある紫外線領域において光を吸収し、ラジカルを発生させ、重合開始剤として働く場合において、ラジカル発生後の分子の共役結合が切断された時、その紫外線領域において光を吸収しなくなることをいう。その結果、その紫外線領域における光を内部まで透過させることができるため、厚い膜であっても硬化をスムーズに進ませることができる。
(C)成分のフォトブリーチング性のある光重合開始剤は、とりわけ、350〜450nmに吸収波長を有するフォトブリーチング性を有する光重合開始剤を使用することにより、350〜450nmの紫外線によって容易に硬化させることができ、硬化後は、波長350〜450nmの紫外線は透過させることができるため、厚い膜の深部硬化性に優れ、高耐候性の硬化皮膜を形成することができるものである。
フォトブリーチング性のある光重合開始剤には、フォスフィンオキサイド系光重合開始剤、ポリシラン系光重合開始剤、メタロセン系光重合開始剤などが知られている。
具体的なフォトブリーチング性のある光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、3,4−ジメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドなどのモノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)エチルフォスフィンオキサイドなどのビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのメタロセン(チタノセン)系光重合開始剤、フェニルメチルポリシラン、ジフェニルポリシラン、フェニルポリシランなどのポリシラン系光重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は市販されており、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)から提供されている品番「イルガキュア819」、「イルガキュア784」等を好適に使用することができる。
光重合開始剤の含有量としては、通常、組成物の固形分((A)〜(C)成分の固形分の合計質量)を基準として0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。光重合開始剤の含有量が0.1質量%未満であると、紫外線の照射により十分な硬化塗膜が得られず、20質量%を超えると、膜内部への紫外線の透過を阻害するために、膜厚が厚い場合、硬度や密着性などの膜特性が悪くなることがある。
なお、(C)成分を(B)成分と共に第1組成物として用いると共に、(C)成分を(A)成分と共に第2組成物として用いる場合、第1組成物に配合する(C)成分の配合量は0.01〜30質量%とすることが好ましく、第2組成物に配合する(C)成分の配合量は0.01〜30質量%とすることが好ましい。この場合、これら第1及び第2組成物に配合する(C)成分の総量は0.1〜20質量%であることが好ましい。
本発明の組成物には、更に(D)成分が配合される。
(D)成分はシリカであり、本発明組成物の硬化皮膜を高硬度化して耐擦傷性を向上させる成分である。シリカの平均粒子径は、その分散性の点から200nm以下であることが適当であり、平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、1〜50nmであることが特に好ましい。平均粒子径が小さすぎると粘度が高くなって、塗工し難くなる場合があり、大きすぎると光散乱のため透明性が低下する場合がある。
(D)成分のシリカは本発明の目的を損なわない限り、シリカ表面が加水分解性ケイ素基やシラノール基により修飾されていてもよいし、未修飾のシリカであってもよい。かかる未修飾のシリカは酸性又は塩基性の分散体形態で入手できる。
(D)成分の分散媒は特に限定されるものではないが、乾燥性などの面から比較的低沸点(例えば、1気圧で30〜200℃、特に40〜120℃)の溶媒、即ち通常の塗料用溶媒であることが好ましい。かかる分散媒として、具体的には、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチルプロパノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PGMD)のようなアルコール類(例えば、炭素数1〜20);メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類(例えば、炭素数1〜10);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)等のエステル類、ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトンなどが例示される。特に、水、アルコール類、エステル類、特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)を分散媒として用いることが好ましい。以下、コロイダルシリカとそれを分散させている分散媒との一体物をコロイダルシリカ分散液という。なお、コロイダルシリカ分散液として用いる場合、コロイダルシリカの含有量、即ち濃度は任意であるが、取り扱いの容易さから10〜70質量%、特に15〜50質量%であることが好ましい。
本発明組成物において、(D)成分の配合量は、全成分(即ち(A)〜(C)成分の固形分)100質量部に対して1〜300質量部であり、5〜200質量部であることが好ましい。配合量が多すぎるとバインダー成分が少なすぎて成膜性が低下する場合があり、少なすぎると膜の硬度が不十分となる場合がある。
なお、本発明組成物を第1組成物及び第2組成物とからなる構成とする場合、(D)成分は第2組成物に配合することが好ましい。
本発明の組成物には、更に、希釈剤として有機溶剤、特にアルコールを配合することができ、特に(E)アルコールを含む有機溶剤が好ましく使用される。(E)成分はアルコール単独でもよく、アルコールと他の溶剤の混合物であってもよい。また、アルコール、他の溶剤ともに2種以上を併用してもよい。なお、アルコール以外の有機溶剤を含む場合、その含有量は、アルコール含有有機溶剤中0〜30質量%とすることが好ましい。
(E)成分として、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PGMD)のようなアルコール類が挙げられる。また、アルコール以外の有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン(例えば、炭素数2〜20)、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素(例えば、炭素数6〜20)、ヘキサン、オクタン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素(例えば、炭素数5〜30)、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素等の有機塩素系溶剤(例えば、炭素数1〜20)、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類(例えば、炭素数1〜20)などが挙げられる。
本発明の組成物において、(E)成分を配合する場合の配合量は、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対して10〜5,500質量部の範囲であることが好ましく、10〜1,000質量部の範囲がより好ましい。(E)成分が多すぎると粘度が低すぎて十分な膜厚が得にくい場合がある。
なお、本組成物を第1組成物と第2組成物とからなる構成とする場合、(E)成分は第1及び第2組成物の両者に使用することができ、その場合の配合量は、第1組成物では(B)〜(D)成分の合計100質量部に対して0〜100質量部の範囲とすることが好ましく、第2組成物では(A)、(C)成分の合計100質量部に対して10〜5,500質量部の範囲とすることが好ましい。
また、本発明組成物は、任意成分として、アルミニウムアセチルアセトナートのようなアルミニウム錯体を配合することができる。かかる成分は、(A)成分の加水分解に使用される任意の成分であり、その配合量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜20質量部の範囲が好ましく、0.1〜5質量部の範囲がより好ましい。
更に本発明組成物には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて、消泡剤、沈降防止剤、分散剤、帯電防止剤、防曇剤などの界面活性剤;各種顔料、染料等の着色剤;アルミニウムペースト、タルク、ガラスフリット、金属粉などの充填剤;ポリエーテルシリコーン等のレベリング剤などを添加配合することができる。
なお、本発明の組成物を第1及び第2組成物として構成する場合、これらの成分は第2組成物に配合することが好ましい。
本組成物の成膜安定性の見地から、ポリエーテルシリコーンを(A)成分100質量部に対して、0.000001〜0.1質量部、特に0.00001〜0.001質量部配合することが好ましい。
本発明組成物の製造方法は任意であり、前記の(A)〜(D)成分、任意で(E)成分あるいは他の添加剤を混合することにより調製することができる。好適には、各成分を混合して、25〜90℃で0.1〜10時間撹拌しながら配合することにより得ることができる。
本発明の組成物は、各成分の相溶性に優れるため外観が均一であり、各種基材に対し、均一で美観に優れた塗膜を形成することができる。
本発明のグレージング用プラスチック基材は、プラスチック基材の表面上に、上述した(A)〜(D)成分を含有する組成物の硬化皮膜層が形成されてなるものである。
該基材との密着性に優れた硬化皮膜を形成させるためには、(B)成分である紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレートを含む組成物からなる層をプライマー層として予め基材上に形成しておくことが好ましく、上記(B)、(C)及び(D)成分を含む組成物をプラスチック基材表面に塗布して第1層を形成した後、上記(A)及び(C)成分を含む組成物を上記第1層の上に塗布して第2層を形成し、該第1層及び第2層を含む2層以上の塗布層を紫外線により硬化して硬化皮膜を形成することが、プラスチック基材と該硬化皮膜の密着性の点からより好ましい。これは、本発明組成物において、レベリング剤を含む場合、プラスチック基材と本発明組成物を硬化させてなる硬化皮膜との密着性が低下する場合がある。しかしながら、レベリング剤を含まないプライマー層を形成してプラスチック基材表面を予め被覆することにより、上記硬化皮膜と基材との密着性は大きく改善される。
より具体的には、上述した(B)、(C)及び(D)成分を含有し、好ましくは(A)成分及びレベリング剤を含有しない組成物を、プラスチック基材表面に塗布して第1層を形成し、その後、上記塗布層の上に、(A)、(C)成分を含有し、好ましくは更にレベリング剤を含有し、(B)、(D)成分を含有しない組成物を塗布して第2層を形成し、これらの塗布層を紫外線により硬化させて2層の樹脂硬化層を形成したものが特に好ましい。
本発明組成物を塗布するプラスチック基材の材質としては、熱可塑性プラスチック、とりわけポリカーボネート樹脂が好ましい。これにより、ポリカーボネート樹脂の欠点である耐候性と表面硬度を著しく改善できる。基材の形状は特に限定されず、板状、フィルム状、シート状、ボトル状、固形状が挙げられる。基材の厚さは特に限定されないが、フィルム状やシート状の場合には、通常、5〜500μm、特に5〜100μmの範囲であり、厚みのある板状の場合には、0.005〜0.1mの範囲であることが好ましい。
本発明組成物の塗工方法は特に限定されず、例えば、流し塗り(フローコート)、浸漬被覆、回転塗布(スピンコート)、吹付け塗布、カーテン塗り、グラビア塗工、マイヤーバー塗工、ディップコーティング等の公知の方法によって、本発明組成物の薄膜層を各種基材表面に形成することができる。また、塗工前の基材表面に、予めシランカップリング剤やその加水分解物等によるプライマー処理;コロナ処理等の表面活性化処理アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を用いた公知のアンカー処理を行ってもよい。
本発明組成物の塗布量は特に限定されないが、耐擦傷性が要求される場合には、上記組成物の硬化物層の厚さが0.5〜25μmとなる量が好ましく、1〜20μmとなる量がより好ましい。
なお、上記2層以上の樹脂層を形成する場合、基材表面に接している第1層の硬化後の厚さを0.1〜20μm、特に0.5〜10μmとすることが好ましく、第1層の上に形成される第2層の硬化後の厚さを0.5〜30μm、特に1〜15μmとすることが好ましく、2層以上の樹脂層全体の硬化後の厚さを0.6〜35μm、特に1〜25μmとすることが好ましい。
塗工後は、薄膜を乾燥させた後、紫外線硬化を行う。本発明組成物は、常温で乾燥するが、より早く乾燥させる場合には加熱することができる。加熱により乾燥する場合の条件は、40〜150℃、特に80〜105℃で1〜180分、特に1〜60分とすることが好ましい。
本発明組成物をプラスチック基材に塗布して乾燥後、紫外線を照射する。紫外線照射により、極めて短時間で硬化薄膜層が形成される。紫外線照射量は、10mJ/cm2以上であることが好ましく、特に好ましくは100〜3,000mJ/cm2である。
また、加熱硬化と紫外線硬化を併用して使用することも可能であり、この場合には、極めて短時間で硬化薄膜層を形成することができる。加熱硬化条件としては、溶剤を除去後、紫外線照射すればよく、例えば80℃/5分加熱して溶剤を除去した後、600mJ/m2の紫外線照射をすればよい。
硬化後、得られたグレージング用プラスチック基材は、波長380nm以下のUVA領域の紫外線吸収効果、硬度、耐擦傷性、透明性、密着性、耐候性を有する硬化皮膜が形成されている。このため、本発明のグレージング用プラスチック基材は、特に屋外等で太陽光線に長時間曝露する環境で使用することができ、美観と強度が要求されるもの(より具体的には、自動車用窓ガラス代替プラスチック部材など)として好適に利用できる。特に、ポリカーボネート樹脂を基材とした場合は、自動車用外装部材として好適に使用できる。
以下、合成例、製造例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
〔合成例1〕紫外線吸収性シラン(KBM−UV03)の合成
原料である4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンについては、アルドリッチ社より入手した。
4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン25.4g(0.1mol)を70mlのトルエン中に溶解した。これに白金触媒PL50−T(信越化学工業(株)製)を2滴加え、温度を65℃に上げてトリメトキシシラン29.3g(0.24mol)を加えた。
温度を約65〜85℃に約1〜2時間保ち、しかる後に反応混合物を冷却し、ワコーゲルC−100の5gを加え、白金触媒を吸着させた後、濾過し、溶剤を減圧ストリップにより除き、赤色のオイル状物34.8g(0.092mol)を得た。主成物のNMRスペクトルは2−ヒドロキシ−4−トリメトキシシリルプロポキシベンゾフェノンの構造と一致した。収率は92%であった。このシランをKBM−UV03と略記する。
〔製造例1〕
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)75gと合成例1で得られたKBM−UV03を25gとテトラエトキシシラン(KBE−04、信越化学工業(株)製)125gとイソブチルアルコール50gとの混合物に、0.25N酢酸水溶液65gを5〜10℃で2時間かけて滴下し、続いて室温で3時間熟成させ、ナーセムアルミ(アルミニムアセチルアセトネートAl(C5723、日本化学産業(株)製)0.75gを加えて混合して濾過し、原料−1:5103−UVA(A)を製造した。
〔比較製造例1〕
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)75gと2−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−5102、信越化学工業(株)製)25gとテトラエトキシシラン(KBE−04、信越化学工業(株)製)125gとイソブチルアルコール50gとの混合物に、0.25N酢酸水溶液65gを5〜10℃で2時間かけて滴下し、続いて室温で3時間熟成させ、ナーセムアルミ(アルミニムアセチルアセトネートAl(C5723、日本化学産業(株)製)0.75gを加えて混合して濾過し、比較原料−1:5103(A)を製造した。
〔製造例2〕
ウレタンアクリレート樹脂として、Miramer MU9500(10官能性脂肪族ウレタンアクリレート、東洋ケミカルズ(株)製)50gにPMA−ST(30質量%シリカを含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、日産化学工業(株)製)50gを加えて混合して濾過し、PMA−9500(B)を製造した。
〔比較製造例2〕
ウレタンアクリレート樹脂として、Miramer MU9500(10官能性脂肪族ウレタンアクリレート、東洋ケミカルズ(株)製)50gにPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)50gを加えて混合して濾過し、No−9500(B)を製造した。
〔製造例3〕
エステルアクリレート樹脂として、TMPT(トリメチロールプロパントリアクリレート)50gにPMA−ST(30質量%シリカを含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、日産化学工業(株)製)50gを加えて混合して濾過し、PMA−TMPT(B)を製造した。
〔製造例4〕
ウレタンアクリレート樹脂として、Miramer PU340 50gにPMA−ST(30質量%シリカを含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、日産化学工業(株)製)50gを加えて混合して濾過し、PMA−340(B)を製造した。
これらの物性を下記方法により評価し、結果を表1にまとめた。
〔評価方法〕
(1)塗液評価の方法
(1.1)塗液外観
塗液外観は、組成物溶液の試料25gを透明ガラス瓶に入れ、目視にて観察して評価した。
(1.2)粘度の測定
粘度は、試料を粘度計(キャノンフェンスケ型)に入れ、25℃の恒温水槽環境下に流下時間を測定し、使用粘度計の恒数から動粘度として算出した。
(1.3)屈折率の測定
屈折率は、25℃の恒温水槽環境下にアタゴ製屈折率計RX7000αにより測定した値である。
(1.4)不揮発分の測定
不揮発分は、所定質量の試料をアルミシャーレに取り、150℃のオーブン中に30分入れた後の質量を測定することにより算出した値である。
(1.5)UV吸収性の測定
UV吸収性は、石英ガラス製セル(厚さ10mm)中に組成物溶液の試料を入れ、紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行い、波長375nmの透過率によって評価した。
(1.6)重量平均分子量の測定
重量平均分子量の測定は、所定質量の試料をDMFで0.5質量%濃度に希釈して、標準ポリスチレンにより分子量を更正した東ソー社製液体クロマトグラフィーHLC−8220GPCを用いて測定した。
(1.7)pHの測定
pHの測定は、堀場社製ペーハーメーターpH/ION Meter F−24を用いて測定した。
(1.8)水分量の測定
水分量の測定は、所定質量の試料を、平沼社製水分測定器Aquacounter AQV−2100を用いてカールフィッシャー法により測定した。
Figure 2012056167
〔UV硬化剤〕
フォトブリーチング性のある紫外線硬化剤として、イルガキュア819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製)を用いた。
比較のために、フォトブリーチング性のない紫外線硬化剤として、ダロキュア1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メルク社製)、イルガキュア369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、BASF社製)を用いた。
〔実施例1〕
上記原料−1の100gをイルガキュア819の3gと混合し、コーティング剤Aを調製した。また、PMA−9500(B)の100gをイルガキュア819の3gと混合し、コーティング剤Bを調製した。
表面を清浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に、このコーティング剤をコーティング剤B、コーティング剤Aの順に、それぞれの硬化塗膜が10μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、室温で10分風乾し、80℃で2分加熱乾燥後、照射エネルギー600mJ/cm2(UVメーター(UVPF36)で測定した365nm領域の照射エネルギー)の高圧水銀灯(アイグラフィック社製紫外線照射装置)中に入れ、硬化させ、テストピースを作製した。
この皮膜を下記方法で測定し、評価した。組成及び結果を表2に示す。
〔比較例1〜4〕
シリカ有無の比較のために、実施例1において、PMA−9500(B)をNo−9500(B)に変えたものを比較例1とし、同様の操作を行った。
紫外線硬化剤の比較のために、実施例1において、イルガキュア819をダロキュア1173に変えたものを比較例2、イルガキュア819をイルガキュア369に変えたものを比較例3、上記の原料−1を比較原料−1に変えたものを比較例4とし、同様の操作を行った。
これらの皮膜を下記方法で測定し、評価した。組成及び結果を表2に示す。
〔実施例2,3〕
実施例1において、PMA−9500(B)をPMA−TMPT(B)に変えたものを実施例2とし、PMA−9500(B)をPMA−340(B)に変えたものを実施例3とし、同様の操作を行った。
これらの皮膜を下記方法で測定し、評価した。組成及び結果を表2に示す。
塗膜評価:
上記実施例及び比較例の各種物性の測定及び評価は以下の方法で行った。
〔成膜の方法〕
樹脂フィルム板上に、この組成物をコーティング剤として、コーティング剤B、コーティング剤Aの順にかけ流し法で塗工し、10分間風乾後80℃で2分加熱して成膜した。
この膜で被覆した樹脂フィルム板は、高圧水銀灯(アイグラフィック社製紫外線照射装置)で、照射エネルギー600mJ/cm2(UVメーター(UVPF36)で測定した365nm領域の照射エネルギー)の紫外線中に入れ、硬化させ、テストピースを作製した。
(1)膜物性の測定方法
(1.1)塗膜外観
風乾後80℃で2分加熱して成膜したテストピースの膜外観を目視にて観察した。
(1.2)UV硬化処理後の皮膜外観及び硬化の状態
600mJ/cm2の紫外線照射で硬化させたテストピースの膜外観を、目視にて観察した。また、硬化の状態を、指で触診することで評価した。
(1.3)UV吸収性
600mJ/cm2の紫外線照射で硬化させたテストピースの紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行い、波長375nmの紫外線の透過率を測定し、80%以上の透過率の場合をUV吸収性なし、20%以下の透過率の場合をUV吸収性あり、80%未満20%超の透過率の場合をUV吸収性中間と表記した。
(1.4)鉛筆硬度
JIS K 5400に準拠し、水平な状態に置いた試験片に、異なる硬度の鉛筆を、鉛筆の角度45±1°、荷重1,000±10gで塗膜に押し付けて、塗膜硬度を測定した。
(1.5)初期密着性
JIS K 5400に準拠し、試験片をカミソリの刃で2mm間隔の縦横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロハン粘着テープをよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、皮膜が剥離せずに残存したマス目数(X)をX/25で表示した。
(1.6)煮沸密着性
試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後に、目視にて外観観察、及び前記と同様にして密着性試験を行った。
(2)膜の評価
(2.1)加工性(硬化性)
600mJ/cm2の紫外線照射で硬化させた樹脂フィルム板のテストピースは、外観状態を下記基準で、指で触診することと目視で判定した。
○:異常なし
△:わずかに皮膜の表面に粘着性がある
×:皮膜が全面粘着性
(2.2)加工性(成形性)
600mJ/cm2の紫外線照射で硬化させた樹脂フィルム板(10cm×3cm×0.5mm)のテストピースについて、良好に硬化した試料についてのみ、硬化直後の状態を下記基準で、目視で判定した。
○:異常なし
△:膜の長軸の一端を固定すると、もう一端に5mm以下の反りがある
×:膜の長軸の一端を固定すると、もう一端に5mmより大きな反りがある
(2.3)光学特性の評価
石英ガラス(厚さ1mm)上に、この組成物をコーティング剤として、コーティング剤B、コーティング剤Aの順にかけ流し法で塗工し、10分間風乾後80℃で2分加熱して成膜した。この膜は、高圧水銀灯(アイグラフィック社製紫外線照射装置)で、照射エネルギー600mJ/cm2(UVメーター(UVPF36)で測定した365nm領域の照射エネルギー)の紫外線中に入れ、硬化させ、テストピースを作製した。
このテストピースの紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行い、波長450nmの透過率で透明性を、波長350nm透過率で紫外線遮蔽能を評価した。
透明性 ○:80%以上の透過率
△:80%未満20%超の透過率
×:20%以下の透過率
遮蔽能 ○:20%以下の透過率
△:80%未満20%超の透過率
×:80%以上の透過率
(2.4)耐擦傷性の評価
樹脂フィルム板のテストピースは、#0000スチールウールを用いて約500gの荷重で10回、皮膜を擦り、傷つきの状態を下記基準で目視判定した。
○:傷がほとんどなし
△:わずかに傷がある
×:傷が多い
(2.5)初期密着性の評価
JIS K 5400に準拠し、初期密着性の皮膜が剥離せずに残存したマス目数(X)値から下記基準で判定した。
○:25〜21
△:20〜6
×:5〜0
(2.6)耐久性の評価
試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後、前記と同様にして密着性試験を行ったときの皮膜が剥離せずに残存したマス目数(X)値から下記基準で判定した。
○:25〜21
△:20〜6
×:5〜0
(2.7)総合評価
総合評価は、各評価項目において、下記基準で判定した。
○:すべて○
△:×がなく、1つ以上の△があるもの
×:1つ以上の×があるもの
表2の結果より、本発明のコーティング剤(実施例1〜3)は、密着性、耐久性、耐擦傷性に優れ、かつ表面硬度や耐摩耗性にも優れ、紫外線吸収性は有しながら可視光線の透明特性を有する皮膜を与えることがわかった。
Figure 2012056167

Claims (5)

  1. プラスチック基材の表面上に樹脂層を有するグレージング用プラスチック基材であって、この樹脂層が、(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物、(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤及び(D)シリカを含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であることを特徴とするグレージング用プラスチック基材。
  2. プラスチック基材の表面上に2層以上の樹脂層を有するグレージング用プラスチック基材であって、これらの樹脂層のうち基材表面に接している第1層が、(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、(D)シリカ及び(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であり、第1層に接している第2層が、(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物及び(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であることを特徴とするグレージング用プラスチック基材。
  3. (A)共加水分解縮合物の原料シランが、下記一般式(I)で示される紫外線吸収性のアルコキシシラン、下記一般式(II)で示される紫外線硬化性のアルコキシシラン及び下記一般式(III)で示されるテトラアルコキシシランであることを特徴とする請求項1又は2記載のグレージング用プラスチック基材。
    Figure 2012056167

    (式中、A1〜A10は、独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(i)
    Figure 2012056167

    で示される基で、式(I)は少なくとも1つのヒドロキシ基と少なくとも1つの式(i)で示される基を有する。R11,R12は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは、1以上5以下の整数、nは、0以上2以下の整数を示す。また、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、炭素数1〜6の2価の有機基である。)
  4. (C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤が、メタロセン化合物、フォスフィンオキサイド化合物又はポリシラン化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグレージング用プラスチック基材。
  5. 前記プラスチック基材が、ポリカーボネート樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載のグレージング用プラスチック基材。
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