JP2003261681A - 光重合性ポリシラン化合物およびその製造方法 - Google Patents
光重合性ポリシラン化合物およびその製造方法Info
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Abstract
屈折率かつ熱安定性が良好な高精度のパターン形成を可
能とする新規な光重合性ポリシラン化合物を提供するこ
と。 【解決手段】 分子内に少なくとも2個の光重合性二重
結合含有基を有する光重合性ポリシラン化合物を提供す
る。好ましくは、下記一般式(1)および(2)の少な
くとも一方を繰り返し単位として有するポリマーまたは
オリゴマーである。 【化1】 ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原
子または光重合性二重結合含有基であり、R3は、アル
キル基またはアリール基である。
Description
ン化合物およびその製造方法に関する。さらに詳しく
は、LSI、薄膜トランジスタ、光電変換装置、感光体
等の製造に使用される光重合性ポリシラン化合物および
その製造方法、並びにこの光重合性ポリシラン化合物を
用いる感光性樹脂組成物に関する。
ーが知られている。例えば、特開2001−11184
号公報には、水素化ケイ素(Si−H型)を基体に塗布
することにより、シリコン膜を形成する方法が開示され
ている。しかし、水素化ケイ素は、酸素を始めとする種
々の物質と反応性が高いため、アルゴン雰囲気での保管
・取り扱いを要するなど、ハンドリングに問題がある。
シランも、ケイ素含有ポリマーとして用いられている。
しかし、このポリシランは、構造中にフェノール部分を
有するシラン単量体のフェノール性水酸基をシリルエー
テルとして保護した後に、この単量体を重合し、その
後、脱シリル化を行うことにより得られるため、その製
造工程が複雑であり、製造コストも高いという問題があ
る。また、パターンを形成し、露光したときに露光部分
が三次元構造を取るためには、他の不飽和結合を有する
化合物を適宜配合する必要がある。
なアルコキシ基あるいはアセトキシ基が側鎖に導入され
たポリシラン化合物が、酸あるいは塩基を発生させる化
合物と組み合わされて、感光性樹脂組成物とされること
が開示されている。この感光性樹脂組成物に、光、電子
線、X線などのエネルギー線を照射すると、Si−Si
結合が、空気中ないし化合物内の酸素を取りこんでSi
−OH基が生成し、このシラノール性水酸基が直ちに相
互作用し、露光部ではケイ素原子がSi−O−Si結合
で三次元的に架橋、硬化されたガラスマトリックスが形
成される。しかし、このポリシラン化合物は、線源とし
て高エネルギー線源が必要なこと、およびこの高エネル
ギー線源でSi−Si結合が破壊されてSi−O−Si
結合を生成することから、ポリシランの特性の一つであ
る、Si−Si結合に由来する高屈折率が損なわれると
いう問題点を有している。
報には、ラダー構造を有するポリシランを用いたレジス
ト材料が開示されている。しかし、ラダー構造ポリシラ
ンの工業的製造には、超音波あるいはブチルリチウムを
使用するなど、技術的にも経済的にも困難が伴うという
問題、および電子線を使うなど露光に高エネルギーを要
するという問題がある。
は、ポリシクロヘキシルメチルシランを光酸化してポリ
シロキサンとし、ネガ型の感光性ポリシラン膜を形成す
る方法が開示されている。この公報には、分子内にSi
−O−Si結合を有するラダー型ポリシラン、あるいは
ポリフェニルメチルシルセスオキサンなどを用いてポジ
型の感光性ポリシラン膜を形成する方法も開示されてい
る。しかしながら、両者とも露光に際して、ArFエキ
シマレーザーを使用するなど、高エネルギーを要し、ま
た、ポリフェニルメチルシルセスオキサンの製造には、
多段階の反応を要するなど、製造コストが高いという問
題がある。
を含有しない炭化水素基を持つジクロロシランモノマー
と側鎖にフッ素を含有する炭化水素基を持つジクロロシ
ランモノマーとの共重合体により、感光性ポリシランを
調製する方法が開示されている。この感光性ポリシラン
は、主鎖にSi−Si結合のみを有しているものではな
く、重合したポリシランの特性の一つである、Si−S
i結合に由来する高屈折率が得られないという問題があ
る。また、得られる感光性樹脂組成物は、ポジ型組成物
である。
あり、かつ重合後に高い屈折率を有するポリシラン化合
物は、安価に供給されていないのが、実情である。
く、低エネルギーで重合可能であり、かつ高い屈折率を
有するポリシラン化合物およびその製造方法が望まれて
いる。
媒に可溶であり、有機溶媒溶液として基体に塗布するこ
とができ、それによって十分に均一な塗膜を与えること
ができる光重合性ポリシラン化合物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、本発明のポリシラン化合物を
製造する有利な方法を提供することにある。本発明のさ
らなる目的は、本発明のポリシラン化合物を含有する感
光性樹脂組成物を提供することにある。
2個の光重合性二重結合含有基を有する光重合性ポリシ
ラン化合物に関する。
化合物は、下記一般式(1)および(2)の少なくとも
一方を繰り返し単位として有するポリマーまたはオリゴ
マーである。
して、水素原子または光重合性二重結合含有基であり、
R3は、アルキル基またはアリール基である。
光重合性二重結合含有基が、アクリロイル基またはメタ
クリロイル基を有する炭素数1〜24のアルキル基であ
る。
メチル基またはフェニル基である。
単位(3)を有するアリール置換ポリシラン化合物を脱
アリールハロゲン化する工程:
ル基であり、アリール置換ポリシラン化合物中、少なく
とも2個はアリール基である);および、得られたハロ
ゲン基含有ポリシラン化合物に、ヒドロキシル基と光重
合性二重結合含有基とを有する化合物を反応させる工
程;を包含する光重合性ポリシラン化合物の製造方法に
関する。
性二重結合含有基が、アクリロイル基またはメタクリロ
イル基を有する炭素数1〜24のアルキル基である。
が、メチル基またはフェニル基である。
ン化合物でなる感光性樹脂組成物に関する。
ることにより、解像度が高く、かつ光照射後の耐熱性、
透明性、密着性、硬度、耐アルカリ性、絶縁性、耐酸素
RIE性が優れた塗膜が得られる。
とも2個の光重合性二重結合含有基を有する。好ましい
ポリシラン化合物は、下記一般式(1)および(2)の
少なくとも一方を繰り返し単位として有するポリマーま
たはオリゴマーである。
合物は、光感応性基を有する置換基が側鎖に導入されて
なるポリシランあるいはオリゴシランからなる。本発明
の光重合性ポリシラン化合物は、ホモポリマーであって
もコポリマーであってもよく、さらには一般式(1)ま
たは(2)で表される繰返し単位以外の繰返し単位との
コポリマーであってもよい。
して、水素原子または光重合性二重結合含有基であり、
R3は、アルキル基またはアリール基である。そして、
分子内に存在するR1およびR2のうち、少なくとも2
つは光重合性二重結合含有基である。
ロイル基またはメタクリロイル基を有する炭素数1〜2
4のアルキル基が好ましい。好ましい基は、後述する。
基、エチル基、ブチル基などの低級アルキル基が挙げら
れる。好ましいアルキル基はメチル基である。アリール
基としては、フェニル基、ナフチル基、トルイル基、メ
トキシフェニル基 などが挙げられる。好ましいアリー
ル基は、フェニル基である。
は、主鎖がSi−Si結合の連続でなり、実質的に主鎖
にシロキサン結合を含有しないケイ素含有オリゴマーま
たはポリマーをいう。また、「光重合性」とは、可視光
線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、
シンクロトロン放射線、プロトンビーム線などの光源を
照射したときに重合可能であることを意味する。
示すスキームで合成される。なお、図1における一般式
(3)で示されるポリシラン化合物のR3は上記と同じ
アリール基あるいはアルキル基であるが、少なくとも2
つのR3は、アリール基である。この一般式(3)で表
されるアリール基を有するポリシラン化合物あるいはア
リールを有するオリゴシラン化合物(以下、これらを、
単に、アリール置換ポリシラン化合物と総称する)を出
発原料とし、これらを(1)脱アリールし、ハロゲン化
(脱アリールハロゲン化)する(図1の(a))ことに
より、ポリシリルハライドあるいはオリゴシリルハライ
ドとし、次いで、(2)得られたハロゲン基含有ポリシ
ラン化合物に、ヒドロキシル基と光重合性二重結合含有
基とを有する化合物を反応させることにより(図1の
(b))、得られる。なお、図1において、Xはハロゲ
ンを示す。
化合物)の合成 出発物質であるアリール置換ポリシラン化合物は、一般
にそれぞれの構造単位を有するモノマ−を原料として、
例えば、以下の(a)から(e)の方法により製造する
ことができる:(a)ハロゲン原子に対して当量のアル
カリ金属の存在下にアリール基を有するハロシラン類を
脱ハロゲン縮重合させる方法(いわゆる「キッピング
法」、J. Am. Chem. Soc., 第110巻, 124頁(1988年)、M
acromolecules, 23巻, 3423頁(1990年));(b)電極還
元によりアリール基を有するハロシラン類を脱ハロゲン
縮重合させる方法(J. Chem. Soc., Chem. Commun., 11
61頁(1990年)、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 897頁
(1992年));(c)金属触媒の存在下にアリール基を有
するヒドロシラン類を脱水素縮重合させる方法(特開平
4-334551号公報):(d)ビフェニルなどで架橋された
ジシレンのアニオン重合による方法(Macromolecules,
23巻, 4494頁(1990年));および、(e)フェニル基あ
るいはアルキル基を有する環状ケイ素化合物を上記の方
法で合成した後、公知の方法(例えば、Z. Anorg. All
g. Chem., 459巻, 123-130頁(1979年)など)によりヒド
ロ置換体やハロゲン置換体などに誘導する。これらのハ
ロゲン化環状ケイ素化合物(シクロシラン化合物)は公
知の方法(例えば、Mh. Chem. 第106巻, 503頁(1975
年)、Z. Anorg. Allg. Chem.第621巻, 1517頁(1995
年)、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 777頁(1984年))
で合成することができる。
アリールハロゲン化 アリール置換ポリシラン化合物の脱アリールハロゲン化
は、アリール置換ポリシラン化合物とハライドとを反応
させることによって行われる。好ましいハライドとして
は塩化水素、臭化水素、塩化アセチルが挙げられる。中
でも塩化水素が好ましく用いられる。
ラン化合物に対して、1〜10モル当量添加される。添
加量は、導入したい水酸基の量を考慮して、決定すれば
よい。
ては、脱アリールハロゲン化を阻害しないならば、特に
限定されない。炭化水素系溶媒あるいはハロゲン化炭化
水素系溶媒が好ましく用いられる。
タン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン、デカン、ジシクロペンタジエン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラ
ヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン
などを挙げることができる。ハロゲン化炭化水素系溶媒
としては、例えば、クロロホルム、ジククロメタン、ク
ロロトルエンなどを挙げることが出来る。これらのう
ち、化合物の溶解性の点から、トルエン、キシレン、ク
ロロホルム、ジクロロメタンなどが好ましい。
炭化水素溶媒は、水分を予め除去しておくことが望まし
い。これらの溶媒の使用量は特に限定されないが、アリ
ール置換ポリシラン化合物1重量部に対して、好ましく
は1〜20重量部であり、より好ましくは2〜10重量
部である。
8℃〜+100℃であることが好ましく、0〜50℃で
あることがさらに好ましい。反応温度が−78℃以下で
は反応速度が遅く生産性が上がらず、また、反応温度が
+100℃より大きい場合には、反応が複雑になり、得
られる光重合性ポリシラン化合物の溶解性が低下する傾
向にある。
得られたハロゲン基含有ポリシラン化合物に、ヒドロキ
シル基と光重合性二重結合含有基とを有する化合物を反
応させることにより、導入される。
素原子上に加水分解性ハロゲン原子を有している。この
加水分解性ハロゲン原子は、ヒドロキシル基と光重合性
二重結合含有基とを有する化合物を作用させることによ
り、安定なエーテル結合に置換される。
とを有する化合物としては、ヒドロキシアクリロイル化
合物、ヒドロキシメタクリロイル化合物、ヒドロキシア
ルケン化合物が挙げられる。好ましくは、アクリロイル
基またはメタクリロイル基と炭素数1〜24のアルキル
基を有する化合物である。このような化合物として、例
えば、2−ヒドロキシエチルアクリル酸、2−ヒドロキ
シエチルメタクリル酸、4−ヒドロキシブチルアクリル
酸、4−ヒドロキシブチルメタクリル酸、ジエチレング
リコールアクリレート、ジエチレングリコールメタクリ
レート、プロピレングリコールアクリレート、プロピレ
ングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール
アクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロ
ピレングリコールメタクリレート、シクロヘキサンジメ
チロールモノアクリレート、パーフルオロブチルヒドロ
キシプロピルアクリレートなどを挙げることが出来る。
これらヒドロキシアクリロイル化合物は、単独で用いて
もよいし、2種以上を混合して使用することも出来る。
の使用量は、ハロゲン基含有ポリシラン化合物のハロゲ
ン原子1モルに対して0.1〜4モル当量であり、好ま
しくは0.2〜1.0倍当量である。すなわち、ハロゲ
ン原子は、全てヒドロキシアクリロイル基で置換されて
もよいし、溶解性やその他の特性を考慮して、一部のみ
が置換されるように処理されてもよい。残留した加水分
解性ハロゲン原子は、ヒドロキシアクリロイル基以外の
ヒドロキシ基を有する化合物で処理することにより、安
定なエーテル結合基に置換される。
とを有する化合物と脱アリールハロゲン化して得られた
ハロゲン基含有ポリシラン化合物との反応に用いる溶媒
は、ハロゲン基含有ポリシラン化合物と反応しない溶媒
であれば特に限定されない。通常、炭化水素系溶媒ある
いはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、脱アリール
ハロゲン化反応に用いられる、上記例示した溶媒と同じ
溶媒を使用することができる。これらの溶媒は、単独で
あるいは2種以上を混合して使用することができる。反
応は、−78〜+100℃で行われる。0〜40℃がさ
らに好ましい。このようにして、本発明の光重合性ポリ
シラン化合物が得られる。
感光性樹脂組成物 本発明の光重合性ポリシラン化合物は、有機溶媒に可溶
性である。従って、有機溶媒に溶解した感光性樹脂組成
物として基体への塗布性が良好で、容易にケイ素ポリマ
ー膜を形成できる。またこのケイ素ポリマー膜は、光を
照射することにより、ポリシランまたは、オリゴシラン
の光重合性基(感応性部位)が互いに反応し、三次元的
に架橋、硬化されたマトリックスが形成される。従っ
て、一次元ポリマー構造のポリシランからなる未露光部
との間で現像液に対する溶解性に差が生じ、未露光部が
現像液で選択的に溶解除去されてネガ型パターンを得る
ことができる。しかも、ここで得られたパターンは、構
造内にSi−Si結合を有しているので、本発明の光重
合性ポリシラン化合物から生成されるレジストは、高い
透明性、高い屈折率を有するのみならず、無機レジスト
並みの熱安定性、すなわち非常に優れた耐熱性、絶縁
性、および寸法安定性等を発揮し得る。
れ自体を有機溶剤に溶解することにより、あるいは、通
常、光重合開始剤などの成分を配合することにより、感
光性樹脂組成物とすることができる。
重合開始剤して働く化合物および/または増感効果を有
する化合物をいう。このような化合物としては、例え
ば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノ
プロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロ
ロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノ
ン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、2−クロロ
ベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン類;ベンジル、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾ
インエーテル類;ベンジルジメチルケタール、チオキサ
ンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチル
チオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソ
プロピルチオキサンテン等のイオウ化合物;2−エチル
アントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2
−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラ
キノン等のアントラキノン類;アゾビスイソブチロニト
リル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等
の有機過酸化物;2−メルカプトベンゾイミダゾール、
2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベ
ンゾチアゾール等のチオール化合物;等が挙げられる。
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
それ自体では、光重合開始剤として作用しないが、上記
の化合物と組み合わせて用いることにより、光重合開始
剤の能力を増大させ得るような化合物を添加することも
できる。そのような化合物としては、例えば、ベンゾフ
ェノンと組み合わせて使用すると効果のあるトリエタノ
ールアミン等の第三級アミンを挙げることができる。
物100重量部当たり0.1〜30重量部の割合で含有
するのが好ましく、光重合開始剤等の含有量が0.1重
量部未満の場合には、光重合の速度が遅くなり、感度が
低下する傾向にある。一方、30重量部を超える場合に
は、光が基板まで達しにくいため、基板と樹脂との密着
性が悪くなる傾向にある。
目的や機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、
シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節材を微量
添加することができる。感光性樹脂組成物の溶液の粘度
は、通常1〜500mPa・sの範囲にある。しかしな
がら、粘度は塗布装置や目的の塗布膜厚に応じて、適宜
選択することができる。
感光性樹脂組成物は、通常、溶媒に溶解して使用され
る。溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒、ケトン系
溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒が挙げられる。
光重合性ポリシラン化合物の濃度は、特に制限はない
が、好ましくは組成物全体の重量に対して、0.05〜
50重量%である。
ンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、デカン、ジシクロペンタジエン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テ
トラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワ
ランなどを挙げることができる。
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピル
ケトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノ
ン、シクロヘプタノンなどを挙げることができる。
エチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソ
プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピル
エーテル、アニソール、フェネトール、ジフェニルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコ
ールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメ
チルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテ
ル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレ
ングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどを挙げることができる。
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミ
ル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢
酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸
ブチル、乳酸イソアミル、酢酸プロピレングリコールメ
チルエーテルアセテートなどを例示することができる。
種以上を混合して用いることもできる。
布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、カ
ーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、イン
クジェット法等の方法が挙げられる。また、塗布する場
合の雰囲気は、空気中で行うことが出来る。
回転数は形成する薄膜の厚み、塗布溶液組成により決ま
るが、100〜5000rpm、より好ましくは300
〜3000rpmが用いられる。塗布した後は、溶媒を
除去するために加熱処理を行うことが好ましい。加熱す
る温度は、使用する溶媒の種類、沸点により異なるが、
好ましくは、90〜200℃である。雰囲気は上記塗布
工程と同じ乾燥空気中で行なうことが好ましい。
可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分子線、
γ線、シンクロトロン放射線、プロトンビーム線などの
線源が挙げられる。具体的には、例えば、低圧あるいは
高圧の水銀ランプ、重水素ランプ、希ガス(例えば、ア
ルゴン、クリプトン、キセノン等)の放電光、YAGレ
ーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、あるい
はXeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、A
rF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源とし
て使用することができる。
力のものが用いられる。通常100〜1000Wで十分
である。これらの光源の波長は、本発明の光重合性ポリ
シラン化合物が多少でも吸収するものであれば、特に限
定されない。光源の波長は、好ましくは170nm〜6
00nmである。またシリコン膜への変換効率の点でレ
ーザー光の使用が特に好ましい。これらの光処理時の温
度は通常室温〜500℃であり、得られるシリコン膜の
特性に応じて適宜選択することができる。
を塗布する基板は、特に限定されない。例えば、石英、
ホウ珪酸ガラス、ソーダガラスなどのガラス基板、金、
銀、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム、タングステ
ンなどの金属基板、さらにこれらの金属を表面に有する
ガラス、プラスチック基板などの基板が挙げられる。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
ン化)温度計、冷却器、ガス吹込み管、および攪拌装置
を備えた1Lのガラス製反応容器内を窒素ガスで置換し
た後、乾燥したトルエン500gとデカフェニルシクロ
ペンタシラン250gを仕込み、攪拌し、懸濁させた。
この懸濁液に塩化アルミニウムを10.0g加えた後、
乾燥塩化水素ガスを導入した。NMRで反応を追跡し、
フェニル基の約25%がクロル基に置換された時点で反
応を終了した。アルミニウム化合物を濾過除去した後、
乾燥窒素ガスを導入し、溶存塩化水素ガスを追い出し
た。得られた濾液を減圧濃縮し、トルエンをほぼ留去し
て、ポリクロロシランの黄色澄明溶液299.0gを得
た。不揮発分は、71.0%、塩素含量は7.6%であ
った(収率95.6%)。デカフェニルシクロペンタシ
ランを脱フェニルハロゲン化して得られたポリクロロシ
ラン溶液は、そのまま次工程に用いてもよいし、必要に
応じて、溶剤置換して、次工程に供してもよい。
導入−1)ガラス製反応容器に、4−ヒドロキシブチル
アクリレート(4−HBA)6.16g、ジクロロメタ
ン50g及びトリエチルアミン4.5gを加え、水冷下
攪拌した。この溶液に、実施例1で調製したポリクロロ
シラン溶液20.0gを徐々に滴下した。滴下終了後、
室温で30分攪拌した。反応溶液は、淡黄色スラリーと
なった。この反応溶液に、水30gを徐々に滴下した。
有機層を分液後、水層をジクロロメタン30gで抽出し
た。有機層を合わせて水30g×2回で洗浄し、乾燥剤
(無水硫酸ナトリウム)で乾燥した。乾燥剤を濾過除去
後、濾液にハイドロキノンモノメチルエーテル(MEH
Q)を40mg加えた。濾液に空気を吹込みながら、徐
々に減圧し、ジクロロメタンをほぼ留去した。残渣にプ
ロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM
EA)20gを加えた。更にこの濾液に空気を吹込みな
がら減圧濃縮し、残渣をPGMEA15gで希釈した。
清澄濾過後、光重合性ポリシラン化合物を含む、淡黄色
PGMEA溶液34gを得た。このものの不揮発分は、
31.9%であった。
ドロキシブチルアクリレート(4−HBA)3.08
g、ジメチロールブタン酸(DMBA)3.70g、ジ
クロロメタン50g及びトリエチルアミン4.5gを加
え、水冷下攪拌した。この溶液に、実施例1で調製した
ポリクロロシラン溶液20.0gを徐々に滴下した。滴
下終了後、室温で30分攪拌した。反応溶液は、淡黄色
スラリーとなった。この反応溶液に、水30gを徐々に
滴下した。有機層を分液後、水層をジクロロメタン30
gで抽出した。有機層を合わせて水30g×2回で洗浄
し、乾燥剤(無水硫酸ナトリウム)で乾燥した。乾燥剤
を濾過除去後、濾液にMEHQを40mg加えた。濾液
に空気を吹込みながら、徐々に減圧し、ジクロロメタン
をほぼ留去した。残渣にPGMEA20gを加えて更に
空気を吹込みながら減圧濃縮し、残渣をPGMEA10
gで希釈した。清澄濾過後、光重合性ポリシラン化合物
を含む淡黄色PGMEA溶液36.0gを得た。このも
のの不揮発分は、40.4%であった。
ヘキサンジメチロールモノアクリレート(CHDMM
A)8.51g、ジクロロメタン50g及びトリエチル
アミン4.5gを用いた以外は、実施例1と同様の操作
を行い、光重合性ポリシラン化合物を含む淡黄色PGM
EA溶液35.8gを得た。このものの不揮発分は、4
0.0%であった。
シロキサン60%キシレン溶液(GE東芝シリコーン株
式会社製、商品名TSR160)をキシレンで希釈し、
不揮発分40%とした。
た光重合性ポリシラン化合物を含む溶液を用い、以下の
評価を実施した。
化合物を含む溶液を、スピンナーを用いてガラス基板上
に塗布した後、90℃のホットプレート上で120秒間
プリベークして、膜厚約2μmの塗膜を形成した。次い
で、塗膜を形成したガラス基板上に所定のパターンを有
するマスクをセットし、250Wの高圧水銀ランプを用
いて、波長405nmにて光強度9.5mW/cm2の
紫外線を1000mJ/cm2のエネルギー量となるよ
うに窒素雰囲気下で照射した。次いで、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート溶剤を用いて23
℃で60秒間の現像処理を行ない、塗膜の未露光部を除
去し、残存した光硬化膜のパターン付き基板を調製し、
残存した光硬化膜のパターン付き基板を調製し、パター
ン形状を走査型電子顕微鏡で観察した。パターン形状が
矩形な場合を良好と評価し、テーパーあるいはスソ引
き、または残渣が見られる場合を不良と評価した。
き、日立製分光光度計U−2000を用いて分光透過率
を測定し、可視光領域における最低透過率をもって表し
た。
付き基板を240℃で60分間加熱し、パターン状態
(形状、表面状態)の観察、および分光透過率を測定し
た。パターン形状に変化がない場合を良好と評価し、パ
ターン形状の崩れ(溶融)が見られる場合を不良と評価
した。また、加熱処理による透過率の減少量を求め、減
少量が5%以内の場合を良好と評価し、減少量が5%を
超える場合は不良と評価した。
40℃で60分間加熱し、得られた膜について鉛筆硬度
をJIS−K−5400の試験法に準じて測定した。鉛
筆硬度試験機を用いて荷重9.8Nをかけた際の塗膜に
キズが付かない最も高い硬度をもって鉛筆硬度を表し
た。
0℃で60分間加熱し、得られた膜について、光干渉式
膜質測定機にて589.4nmにおける屈折率を測定し
た。
ルミ基板を用いて得られた光硬化膜を240℃で60分
間加熱し、得られた膜について、プレシジョンLCRメ
ーターHP4284A(アジレントテクノロジー社製)
を用い、室温にて周波数1MHzにおける硬化膜の誘電
特性(比誘電率および誘電正接)を測定した。
〜3の光重合性ポリシラン化合物は目的の物性を達成す
ることができた。これに対して、比較例で得られた膜の
屈折率は、1.52であり、実施例1〜3と比較して、
低いものであった。また、絶縁性も、実施例1〜3の方
が比較例よりも優れていた。さらに、本発明の光重合性
ポリシラン化合物を用いて得られる光硬化膜は、比較例
と比べて硬度も高く、実用レベルの硬度を有しているこ
とが明らかとなった。
パターン形状、透明性、耐熱性、鉛筆硬度、絶縁性およ
び屈折率に優れた樹脂膜を提供できる。
原料として、本発明の光重合性光重合性ポリシラン化合
物ポリシラン化合物の合成法を説明するスキームであ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 分子内に少なくとも2個の光重合性二重
結合含有基を有する光重合性ポリシラン化合物。 - 【請求項2】 下記一般式(1)および(2)の少なく
とも一方を繰り返し単位として有するポリマーまたはオ
リゴマーである、請求項1に記載の光重合性ポリシラン
化合物: 【化1】 ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原
子または光重合性二重結合含有基であり、R3は、アル
キル基またはアリール基である。 - 【請求項3】 前記光重合性二重結合含有基が、アクリ
ロイル基またはメタクリロイル基を有する炭素数1〜2
4のアルキル基である、請求項2に記載の光重合性ポリ
シラン化合物。 - 【請求項4】 前記R3が、メチル基またはフェニル基
である、請求項2または3に記載の光重合性ポリシラン
化合物。 - 【請求項5】 次式で示される繰り返し単位(3)を有
するアリール置換ポリシラン化合物を脱アリールハロゲ
ン化する工程: 【化2】 (ここで、R3はアルキル基またはアリール基であり、
アリール置換ポリシラン化合物中、少なくとも2個はア
リール基である);および得られたハロゲン基含有ポリ
シラン化合物に、ヒドロキシル基と光重合性二重結合含
有基とを有する化合物を反応させる工程;を包含する光
重合性ポリシラン化合物の製造方法。 - 【請求項6】 前記光重合性二重結合含有基が、アクリ
ロイル基またはメタクリロイル基を有する炭素数1〜2
4のアルキル基である、請求項5に記載の製造方法。 - 【請求項7】 前記R3が、メチル基またはフェニル基
である、請求項5または6に記載の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1から4のいずれかの光重合性ポ
リシラン化合物でなる感光性樹脂組成物。
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-
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