JP2012056138A - 遮熱断熱フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】遮熱性及び断熱性に優れ、熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができ、また、透明性が高く、ガラス等の基材に貼合した際にも良好な視認性を確保することができ、更に、ガラスの飛散防止効果を向上させることができること。
【解決手段】遮熱断熱フィルム10は、基板となる透明合成樹脂層11の片面側に、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層12が形成され、また、赤外線遮蔽層12とは反対面側の透明合成樹脂層11に、略30nm〜略200nmの外径を有する立方体状のシリカ殻からなるナノ中空粒子1がアクリル樹脂に均一に分散されたナノ中空粒子分散樹脂層13が形成され、更に、このナノ中空粒子分散樹脂層13の透明合成樹脂層11側とは反対面側に透明粘着層14が形成されたものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、遮熱性及び断熱性を有するフィルムに関するもので、特に、家屋、ビル等の建材用窓ガラス、自動車用窓ガラス等の保護フィルムとして用いられる遮熱断熱フィルムに関するものである。
従来から、建築分野、自動車分野等では、省エネ及び環境問題の観点や、居空間の快適性を確保する必要性から、遮熱性及び断熱性を得るために様々な手法が用いられている。
しかしながら、窓ガラスのような視認性の要求される部位については住宅用の壁紙に使用されているような断熱材は視認性の観点から使用することはできない。
そこで、窓からの入熱や放熱を抑える手段として、合わせガラス、複層ガラス等が開発されているが、例えば、サッシでは窓枠の工事が必要となり、既存物件ではコスト面で厳しいのが現状であった。
また、窓からの入熱を改善する方法としてプラスチックフィルム上に金属膜を製膜した保護フィルムを窓に貼付する方法もあるが、これでは、熱の流入を抑えることはできるものの、熱の流出を抑える効果は不十分である。
このような問題に対処するため、特許文献1においては、少なくとも2枚の樹脂フィルムからなり、2枚の樹脂フィルムの間に空気層を形成するためのスペーサを有する窓貼りシートであって、空気層より室内側に位置する樹脂フィルムの片面に遠赤外線反射膜が施された断熱樹脂フィルムである窓貼シートが開示されている。そして、特許文献1には、2枚の樹脂フィルムの間に空気層を形成する方法として、織物、編物、不織布などからなるメッシュ状布帛、断面が矩形波状または波形の凹凸を有する樹脂シートあるいは透明発泡樹脂シートなどを樹脂フィルム間に挟むことによって、または、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などの接着性樹脂を樹脂フィルム表面に一定間隔に多数点在、あるいは、一定間隔でストライプ状や格子状等に存在させること等によって、2枚の樹脂フィルムの間に空気層を形成すると記載されている。
この特許文献1の記載によれば、窓貼シートは透明性が高いものであり、また、スペーサを介して空気層を形成することにより、金属が塗布された樹脂フィルムのみでは得られない断熱性効果が得られるとある。
ところで、本発明者らは、従来から、シリカ殻からなるナノ中空粒子及びその製造方法の開発を行ってきた(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。このシリカ殻からなるナノ中空粒子は、中空でシリカ殻が薄いため、断熱性及び透明性に優れるものである。
特開平2010−138659号公報 特開平2005−263550号公報 特願平2010−002732号
ここで、特許文献1に記載の技術においては、上述の如く、空気層を形成するために2枚の樹脂フィルム間に樹脂シートや接着性樹脂等の存在が必要であり、また、空気層では一定の厚みになるとそれ以上増大させても空気の対流が生じ(対流熱)熱移動量が一定となる。更に、太陽光線等の赤外線(熱線)は基本的には遠赤外線膜で反射して遮蔽することになる。このため、空気層や遠赤外線膜を厚く形成しても、高い透明性を確保しつつ、熱の流入及び流出抑制の向上を図るには限度がある。
加えて、空気層が形成されるため、窓貼シートの強度は小さく脆いものとなり、ガラスの飛散を有効に抑えるには、樹脂等の厚みを大きくするか、または、別途ガラス飛散防止のためのフィルム等の貼付が考えられるが、係る場合、全体としてシートが必要以上に厚膜とならざるを得ず、高い透明性が得られなくなると共に、剥がれ易くなる。
そこで、本発明は、かかる不具合を解決すべくなされたものであって、シリカ殻からなるナノ中空粒子の断熱性及び透明性を利用し、遮熱性及び断熱性に優れ、熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができ、また、透明性が高く、ガラス等の基材に貼合した際にも良好な視認性を確保することができ、更に、ガラスの飛散防止効果を向上させることができる遮熱断熱フィルムの提供を課題とするものである。
請求項1の遮熱断熱フィルムは、基板となる透明合成樹脂層の片面側に赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層が形成され、前記透明合成樹脂層の他面側に、即ち、前記赤外線遮蔽層が形成される側とは反対面側の前記透明合成樹脂層に、10nm〜300nmの範囲内の外径を有するシリカ殻からなるナノ中空粒子が透明合成樹脂中に分散されたナノ中空粒子分散樹脂層が形成された遮熱性及び断熱性を有するフィルムである。特に、シリカ殻からなるナノ中空粒子の断熱性及び透明性を利用し、遮熱性及び断熱性に優れ、かつ、透明性が高くてガラス等の基材に貼合した際にも良好な視認性を確保することができ、また、ガラスの飛散を防止できるものあり、家屋、ビル等の建材用窓ガラス、自動車用窓ガラス等の保護フィルムとして用いられる。
ここで、上記基板となる透明合成樹脂層としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなるものが挙げられるが、熱可塑性樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。中でも、高い透明性と耐久性を有するポリエステル樹脂が好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
また、上記赤外線遮蔽層は、赤外線(遠赤外線、近赤外線)を反射または吸収したりすることによって、赤外線を遮蔽することができるものであればよく、赤外線を反射するものとしては、例えば、Cu薄膜、Ag薄膜、Au薄膜等の金属膜があるが、特に、赤外線反射性及び透明性が高く熱伝導率が低いAg薄膜が好ましい。そして、これら金属膜の使用に当たっては、高い可視光線の透過率を得るために高屈折率の金属膜、例えば、酸化亜鉛アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:銀ドープ酸化インジウム)等との積層構造とするのが好ましい。また、赤外線を反射するのみならず吸収するものとしては、ITO微粒子分散樹脂、ATO(アンチモンドープ酸化錫)微粒子分散樹脂等が挙げられるが、透明性が高いATOを用いるのが好ましい。なお、ITOやATO等の微粒子を分散させる樹脂は、特に限定されるものではないが、透明性及び分散性が高くハードコート性を有するもの、例えば、アクリル樹脂等を使用するのが好ましい。
更に、上記ナノ中空粒子分散樹脂層における10nm〜300nmの範囲内の外径を有するシリカ殻からなるナノ中空粒子を分散させる透明合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができるが、耐久性、透明性及びシリカ殻からなるナノ中空粒子の分散性が高いアクリル樹脂を用いるのが好ましい。
なお、上記10nm〜300nmは、臨界値、境界値として当該値が出てきたものではなく、その数値は大凡の値として捉えているものである。
請求項2の遮熱断熱フィルムは、更に、前記ナノ中空粒子分散樹脂層の他面側に、即ち、前記透明合成樹脂層の形成側とは反対面側の前記ナノ中空粒子分散樹脂層に、または、前記赤外線遮蔽層側の他面側に、即ち、前記透明合成樹脂層の形成側とは反対面側の前記前記赤外線遮蔽層側に形成され、基材に接合するための透明粘着層を具備するものである。
ところで、上記透明粘着層としては、アクリル系粘着剤、ビニル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができるが、耐久性や透明性が高いアクリル系粘着剤を用いるが好ましい。特に、イソシアネート化合物、金属化合物、メラミン化合物等で架橋させたアクリル系粘着剤を用いるのがより好ましい。これにより、耐久性を向上させることができる。
なお、本発明において、上記透明粘着層を介して遮熱断熱フィルムが接合する基材は、主に建材用窓ガラス、自動車用窓ガラス等のガラス等である。
請求項3の遮熱断熱フィルムは、前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子の外径(球体としての直径)を30nm〜200nmの範囲内としたものであり、シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いたメリットが十分に発揮されるようにしたものである。
なお、上記30nm〜200nmを含み、この発明で使用する粒子のサイズは、透過型及び走査型電子顕微鏡にて観察した値、即ち、電子顕微鏡法による値である。また、上記数値は、厳格ものでなく概ねであり、当然、原材料の種類や測定方法等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。また、臨界値、境界値として当該値が出てきたものではなく、その数値は大凡の値として捉えているものである。
請求項4の遮熱断熱フィルムの前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子は、シリカ殻に複数のミクロ細孔を有し、前記ミクロ細孔を除いたシリカ殻のみの密度が0.5g/cm3〜1.9g/cm3の範囲内であるものである。
ここで、上記ミクロ細孔とは、孔径が2mm以下であって窒素分子が通過可能な大きさの微細孔を意味するものである。
そして、上記シリカ殻に複数のミクロ細孔を有し、前記ミクロ細孔を除いたシリカ殻のみの密度が0.5g/cm3〜1.9g/cm3の範囲内であるとは、本発明者らの実験研究によって、シリカ殻の密度を小さくすることが極めて低い熱伝導率を得るために有効であることが判明しており、シリカ殻に複数のミクロ細孔を有し、前記ミクロ細孔を除いたシリカ殻のみの密度が0.5g/cm3〜1.9g/cm3の範囲内であるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いることで確実に小さい熱伝導率が得られることが確認されたことから、この知見に基づいて、設定されたものである。
なお、上記数値は、臨界値、境界値として当該値が出てきたものではなく、その数値は発明者らの実験結果から得た大凡の値として捉えているものである。
請求項5の遮熱断熱フィルムの前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子は、前記ナノ中空粒子分散樹脂層中に固形分比率で5重量%〜25重量%の範囲内で含有されるものであり、視認性を阻害せず確実に熱の流出入の抑制効果の向上を図れるようにしたものである。
なお、上記5重量%〜25重量%の範囲内とは、この範囲は、厳格に5重量%〜25重量%の範囲内であることを要求するものではなく、約5重量%〜約25重量%の範囲内あればよく、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項6の遮熱断熱フィルムは、前記ナノ中空粒子分散樹脂層の熱伝導率が2.5W/mK以下であるものである。
ここで、上記熱伝導率は、熱流計法(JIS A1412、ASTEM−C518、ISO8301準拠)に基いて測定計算したものである。
そして、上記ナノ中空粒子分散樹脂層の熱伝導率が2.5W/mK以下とは、シリカ殻からなるナノ中空粒子の熱伝導率が極めて小さく断熱性が極めて高いため、本発明者らの実験研究によって、上記ナノ中空粒子分散樹脂層の熱伝導率を2.5W/mK以下とすることができ、確実に断熱性に優れたフィルムが得られることが確認されたことから、この知見に基づいて、設定されたものである。
なお、上記2.5W/mK以下とは、厳格に2.5W/mK以下であることを要求するものではなくて約2.5W/mK以下であればよく、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項7の遮熱断熱フィルムは、日射透過率が50%以上であるものである。
ここで、上記日射透過率は、JIS A5759に準拠して300nm〜2500nmの波長範囲について透過率を測定し、JIS A5759に示す方法により算出したものである。
そして、上記日射透過率が50%以上とは、シリカ殻からなるナノ中空粒子の透明性が高いため、本発明者らの実験研究によって、フィルムにおいて日射透過率を50%以上とすることができ、可視光線透過率を高くすることができて良好な視認性が確保されることが確認されたことから、この知見に基づいて、設定されたものである。
なお、上記50%以上とは、厳格に50%以上であることを要求するものではなくて約50%以上であればよく、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項8の遮熱断熱フィルムは、可視光線透過率が70%以上であるものである。
ここで、上記可視光線透過率は、JIS A5759に準拠して380nm〜780nmの波長範囲について透過率を測定し、JIS A5759に示す方法により算出したものである。
そして、上記可視光線透過率が70%以上とは、シリカ殻からなるナノ中空粒子を含有してもその透明性が高いため、本発明者らの実験研究によって、フィルムにおいて可視光線透過率を70%以上とすることができ、高い視認性が確保されることが確認されたことから、この知見に基づいて、設定されたものである。
なお、上記70%以上も、厳格に70%以上であることを要求するものではなくて約70%以上であればよく、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項9の遮熱断熱フィルムは、更に紫外線吸収剤を含有するものである。
ところで、上記紫外線吸収剤は、紫外線吸収効果を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2.4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、ジフェニルアクリレート等のアクリレート系化合物、p−オクチル−フェニルサリシレート等のサリシレート系化合物、クマリン系化合物、2−ヒドロキシ−ナフトフェノン、ニッケル−ビスオクチルフェニルスルフィド等の紫外線吸収剤等が挙げられる。そして、上記紫外線吸収剤は、例えば、前記透明合成樹脂層や前記透明粘着層等に含有させることができる。
請求項10の遮熱断熱フィルムは、紫外線透過率が3%以下、より好ましく2%以下であるものである。
ここで、上記紫外線透過率は、JIS A5760に準拠して300nm〜380nmの波長範囲について透過率を測定し、JIS A5760に示す方法により算出したものである。
そして、上記紫外線透過率が3%以下、より好ましくは2%以下とは、本発明者らの実験研究によって、シリカ殻からなるナノ中空粒子が含有されることで紫外線を有効に遮蔽することが可能となり、更に紫外線吸収剤が含有されることで紫外線透過率を3%以下、より良い場合には2%以下とすることができ、紫外線を多く遮蔽できることが確認されたことから、この知見に基づいて、設定されたものである。
なお、上記3%以下、2%以下も、厳格に3%以下、2%以下であることを要求するものではなくて約3%以下、約2%以下であればよく、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項1の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、基板となる透明合成樹脂層の片面側に赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層が形成され、他面側にシリカ殻からなるナノ中空粒子が透明合成樹脂中に分散されたナノ中空粒子分散樹脂層が形成されているから、赤外線の透過が赤外線遮蔽層のみならずナノ中空粒子分散樹脂層のシリカ殻からなるナノ中空粒子によっても防止される。また、ナノ中空粒子分散樹脂層(シリカ殻からなるナノ中空粒子)の熱伝導率が小さく断熱性が高いため、ガラス等の基材に内貼り(外貼りでもよい)で貼り付けた際に、両面の熱伝導率の差が大きくなり、それによって、ガラス等に吸収され蓄熱された熱はフィルム側(室内等の内部側)に放散されるのが防止されてフィルム側とは反対側(室外等の外部側)へと放出される。また、フィルム側(室内等の内部側)の熱はガラス等を介しての放散が防止される。故に、遮熱性及び断熱性に優れ、熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができる。
したがって、請求項1の遮熱断熱フィルムによれば、ガラス等の基材に貼付するだけで、夏場は、室外の太陽熱が室内へ流入することによる室内の温度上昇が抑えられると共に、冬場は、室内の暖房熱が室外へ放出するのが抑えられ、冷暖房等の省エネ効果を図ることができる。
しかも、シリカ殻からなるナノ中空粒子は、中空でシリカ殻が薄いことから透明性・透光性が高いものであり、また、その粒子径が極めて小さいため、ナノ中空粒子分散樹脂層の厚さが薄くても優れた断熱性が得られる。
このため、請求項1の発明に係る遮熱断熱フィルムは、透明性が高く、ガラス等の基材に貼合した際にも可視光線の透過を可能にして視認性を阻害することなく、即ち、可視光線を効果的に取り込みつつ、優れた断熱性及び遮熱性を発揮する。
更に、シリカ殻からなるナノ中空粒子が含有されているため、薄くても丈夫であり、ガラス等が破損した場合でもシリカ殻からなるナノ中空粒子によってガラス等の飛散を効果的に防止することが可能となる。
このようにして、シリカ殻からなるナノ中空粒子の断熱性及び透明性を利用し、遮熱性及び断熱性に優れ、熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができ、また、透明性が高く、ガラス等の基材に貼合した際にも良好な視認性を確保することができ、更に、ガラスの飛散防止効果を向上させることが可能な遮熱断熱フィルムとなる。
請求項2の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、前記ナノ中空粒子分散樹脂層の他方側または前記赤外線遮蔽層側の他方側に透明粘着層が形成されるため、請求項1に記載の効果に加えて、透明粘着層によってガラス等の基材に接合させことができ、このとき、ガラス等の基材への接合させるため手段(粘着剤)等による視認性阻害の恐れはない。
請求項3の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子の外径は30nm〜200nmの範囲内である。
ここで、シリカ殻からなるナノ中空粒子の粒子径の外径が、余りに小さいと、製造するのが困難であり、また製造できても凝集しやすくその断熱性等の優れた特性が十分に発揮され難くなる。また、粒子径の外径が余りに大きくても、その断熱性等の優れた特性が十分に発揮されにくくなる。
そこで、本発明者らが鋭意実験研究を積み重ねた結果、30nm〜200nmの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子が最も製造し易く、凝集も起こり難くて均一に分散させることが容易であり、ナノ中空粒子分散樹脂層を薄く形成してもシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いたメリットが十分に発揮されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成したものである。
よって、請求項3の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、容易に製造でき、また、確実に優れた断熱性及び遮熱性を確保できて熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができる。
なお、40nm〜150nmの外径、更に好ましくは50nm〜100nmの外径を有するシリカ殻からなる中空粒子とすることで、シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いたメリットがより十分に発揮され、より確実に優れた断熱性及び遮熱性を確保できて熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができるため、より好ましい。
請求項4の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子のシリカ殻は複数のミクロ細孔を有し、前記ミクロ細孔を除いたシリカ殻のみの密度が0.5g/cm3〜1.9g/cm3の範囲内であるから、前記ナノ中空粒子分散樹脂層において確実に低い熱伝導率を得ることができる。よって、請求項1乃至請求項3に記載の効果に加えて、より確実に優れた断熱性を確保できて熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができる。
請求項5の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子は、前記ナノ中空粒子分散樹脂層中に固形分比率で5重量%〜25重量%の範囲内で含有される。
ここで、シリカ殻からなるナノ中空粒子は、中空でシリカ殻が薄いため比重が小さく、わずかな量を加えるだけで、ナノ中空粒子分散樹脂層中に占める体積%は十分に大きくなり、高い断熱性及び遮熱性を発揮させることができるが、本発明者らは、確実に良好な視認性を確保できて断熱性及び遮熱性が優れるフィルムを得るためのシリカ殻からなるナノ中空粒子の配合比について、鋭意実験研究を重ねた結果、ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子が固形分比率で5重量%〜25重量%の範囲内でナノ中空粒子分散樹脂層中に含有されることによって、上記目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
即ち、ナノ中空粒子分散樹脂層においてシリカ殻からなるナノ中空粒子が固形分比率で5重量%の未満の配合量では、十分に優れた遮熱性及び断熱性を確保できない恐れがある。一方、シリカ殻からなるナノ中空粒子の固形分比率が25重量%を超えると、ナノ中空粒子分散樹脂層中に占める体積%が大きくなるため、視認性が阻害される可能性がある。
よって、請求項5の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、請求項1乃至請求項4に記載の効果に加えて、確実に良好な視認性を確保でき、また、確実に優れた断熱性及び遮熱性を確保できて熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができる。
請求項6の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、前記ナノ中空シリカ分散樹脂層の熱伝導率が2.5W/mK以下であるから、請求項1乃至請求項5に記載の効果に加えて、確実に優れた断熱性が確保されることになる。
請求項7の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、日射透過率が50%以上であるから、請求項1乃至請求項6に記載の効果に加えて、可視光線透過率を高くすることができて確実に良好な視認性が確保されることになる。
請求項8の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、可視光線透過率が70%以上であるから、請求項1乃至請求項7に記載の効果に加えて、より確実に高い視認性が確保されることになる。
請求項9の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、紫外線吸収剤が含有されるため、シリカ殻からなるナノ中空粒子の含有による紫外線の遮蔽に加えて、紫外線吸収剤による紫外線の遮蔽効果が得られる。よって、請求項1乃至請求項8に記載の効果に加えて、紫外線に対して高い遮蔽効果を得ることができ、耐候性を高めることが可能となる。
請求項10の発明に係る遮熱断熱フィルムによれば、紫外線透過率が3%以下であるから、請求項9に記載の効果に加えて、紫外線に対して高い遮蔽性が確保されることになる。
なお、紫外線透過率が2%以下であることで、紫外線に対してより高い遮蔽性が確保されることになるため、紫外線透過率が2%以下であるのがより好ましい。
図1は本発明の実施の形態に係る遮熱断熱フィルムを構成するナノ中空粒子分散樹脂層におけるシリカ殻からなるナノ中空粒子の製造工程を示す模式図である。 図2(a)は本発明の実施の形態に係る遮熱断熱フィルムを構成するナノ中空粒子分散樹脂層の断熱性を比較例と比較して示す表図である。図2(b)は熱伝導率の測定方法を説明するための説明図である。図2(c)は本発明の実施の形態に係る遮熱断熱フィルムを構成するナノ中空粒子分散樹脂層の断熱性による効果を確かめるために、図4の試験装置に適用して試験装置底から約100cm高の温度を測定した際の温度変化を比較例と比較して示すグラフである。 図3は本発明の実施の形態に係る遮熱断熱フィルムを貼り付けたガラス板の構成を示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る遮熱断熱フィルムの熱の流出入の抑制効果を試験する試験装置の構成を示す模式図である。 図5(a)は、本発明の実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム及び比較例1に係るフィルムを図4の試験装置に適用した際のガラス裏面の温度変化を示すグラフであり、図5(b)は、比較例2及び比較例3に係るフィルムを図4の試験装置に適用した際のガラス裏面の温度変化を示すグラフである。 図6(a)は、本発明の実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム及び比較例1に係るフィルムを図4の試験装置に適用した際の試験装置底から約100cm高(フィルムから約100cm離間した場所)の温度変化を示すグラフであり、図6(b)は、比較例2及び比較例3に係るフィルムを図4の試験装置に適用した際の試験装置底から約100cm高(フィルムから約100cm離間した場所)の温度変化を示すグラフである。 図7(a)は、本発明の実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム及び比較例1に係るフィルムを図4の試験装置に適用した際の試験装置底から50cm高(フィルムから約150cm離間した場所)の温度変化を示すグラフであり、図7(b)は、比較例2及び比較例3に係るフィルムを図4の試験装置に適用した際の試験装置底から50cm高(フィルムから約150cm離間した場所)の温度変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、本実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する機能部分を意味するものであるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
まず、本発明の実施の形態に係る遮熱断熱フィルムを構成するナノ中空粒子分散樹脂層について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施の形態に係るナノ中空粒子分散樹脂層に使用したシリカ殻からなるナノ中空粒子1の製造手順の概略は以下の通りである。
図1に示すように、まずコア粒子となる炭酸カルシウム微粒子2を結晶成長させる。ここで生成させる炭酸カルシウムの結晶2はカルサイトであり六方晶系であるが、合成条件を制御することにより、あたかも立方晶系であるかのような形状、即ち「立方体状」に成長させることができる。なお、ここでいう「立方体状」とは、立方体に限らず曲面で囲まれた立方体に似た形状をいう。
そして、この炭酸カルシウム2の外径が10nm〜180nmとなるように結晶成長させた後に、熟成させ、更に脱水させて、固体微粉末状の炭酸カルシウム2とし、その後、エタノールに分散させてから、シリコンアルコキシド及びアンモニア添加してゾル−ゲル法により炭酸カルシウム微粒子2にシリカ(SiO2)3をコーティングする。
続いて、このようにして作製したシリカコーティング粒子3を、洗浄した後に水に分散させ、更に塩酸を添加して内部の炭酸カルシウム2を溶解させて流出させることによって、流出孔を有する立方体状のシリカ中空粒子4を形成させる。最後に、乾燥させた後に200℃〜400℃に加熱して、溶解した炭酸カルシウム2が流出した孔を塞ぐことによって、本実施の形態に係るシリカ殻からなるナノ中空粒子1が製造される。
本実施の形態において、このように簡単な工程で製造されたシリカ殻からなるナノ中空粒子1の中空部分1bの内径は、コア粒子である炭酸カルシウム微粒子2の外径10nm〜180nmであり、シリカ殻1aの厚さは3nm〜10nm前後であるため、本実施の形態に係るシリカ殻からなるナノ中空粒子1の外径は略30nm〜略200nmとなる。なお、このとき、壁厚は25nm以下であり、空隙率は50%以上である。因みに、これら粒径は、透過型及び走査型電子顕微鏡にて観察した値、即ち、電子顕微鏡法による値である。
また、溶解した炭酸カルシウム2が流出した孔を加熱によって塞いでいるため、このシリカ殻からなるナノ中空粒子1には、孔径が2nmを超える大きさの細孔は存在していないが、窒素を用いたBET法によって孔径が2mm以下であって窒素分子が通過可能な大きさの微細孔であるミクロ細孔の存在が確認されており、このミクロ細孔を除いたシリカ殻1aのみの密度は、0.5g/cm3〜1.9g/cm3であることが判明している。
更に、本実施の形態に係るシリカ殻からなるナノ中空粒子1は、このように中空でシリカ殻が薄いため、また、ミクロ細孔を有し低密度であるため、加えて、正方形状であるが故に入射した可視光線の屈折が起きにくくて屈折率が低いため、透明性・透光性が高いものである。
そして、本実施の形態に係るナノ中空粒子分散樹脂層は、このようにして製造されたシリカ殻からなるナノ中空粒子1を透明合成樹脂としてのアクリル樹脂に均一に分散させてなるものである。
なお、本実施の形態においては、有機溶媒のキシレン(オルト、メタ、パラの混合物)にアクリル樹脂(DIC(株)社製、アクリディックA−165)を溶解させこれにシリカ殻からなるナノ中空粒子1を混合して高速攪拌機等で均一に分散させることによって、ナノ中空粒子分散樹脂層溶液を作製し、これを後述の基板となる透明合成樹脂フィルムに塗布した後、溶媒としてのキシレンを80℃で2分間乾燥して揮発させることによって、アクリル樹脂にシリカ殻からなるナノ中空粒子1が均一に分散されたナノ中空粒子分散樹脂層を形成した。しかし、本発明を実施する場合には、例えば、貼付型のフィルム状のものを使用してナノ中空粒子分散樹脂層を形成してもよい。なお、このフィルム状のものは、例えば、シリカ殻からなるナノ中空粒子1とアクリル樹脂等の透明合成樹脂をニーダ等で加熱混練した後、カレンダー成形等に成形することによって製造できる。
ここで、このようにして得られるナノ中空粒子分散樹脂層の断熱性について図2を参照して説明する。
断熱性について測定を行った供試体は、具体的には、シリカ殻からなるナノ中空粒子1が固形分で10重量%、アクリル樹脂が固形分で90重量%配合されたナノ中空子分散樹脂層をステンレス(SUS304)円板(φ60mm,厚さ5mm)に所定の厚さで形成させたものである(供試体1、供試体2)。また、比較のために、アクリル樹脂そのものをステンレス(SUS304)円板(φ60mm,厚さ5mm)に所定の厚さで形成させたもの(供試体3、供試体4)、更には、ステンレス(SUS304)そのもの(供試体5)についても測定を行った。これらの熱伝導率、全熱抵抗率、熱貫流率についての測定結果を図2(a)の下段に示す。
なお、ここで使用したシリカ殻からなるナノ中空粒子1は、具体的には、外径が98nm、シリカ殻1aの厚さが8nm、シリカ殻1aのみの密度が1.7g/cm3、比表面積が147m2 /g、粒子比重が0.72、空隙率が58.6%、嵩密度が0.03g/cm3のものであり、表面にイソシアヌレート基を修飾したものである。
図2(a)において、熱伝導率λ(W/mK)は、熱流計法(JIS A1412、ASTEM−C518、ISO8301準拠)に基づいて測定計算したものである。具体的には、ここでは、熱伝導率の測定用の機器として、英弘精機(株)のHC110を使用し、図2(b)に示すように、高温側プレートと低温側プレートとの間に供試体を挟んで、高温側熱流量Qhと低温側熱流量Qcとを測定し、図2(b)に示される次式(1)によって、熱伝導率λ(W/mK)を算出したものである。
λ=(Qh+Qc)・L/(2・ΔT)‥‥(1)
また、全熱抵抗率R(m2K/W)は、上記熱伝導率λ(W/mK)と、ステンレス(
SUS304)円板を含めた全体の厚さd(m)を用いた下記の式(2)によって算出したものである。
R=d/λ‥‥(2)
更に、熱貫流率K(W/m2K)は、上記熱伝導率λ(W/mK)を用いた下記の(3)によって算出したものである。
K=1/(R+Ri+Ro)‥‥(3)(Ri+Ro:両面側の熱抵抗値の和)
図2(a)に示されるように、本実施の形態に係るナノ中空粒子分散樹脂層は約10μm形成されるだけで、比較例におけるアクリル樹脂のみの場合及び基材(SUS304)のみの場合に比較して、熱伝導率及び熱貫流率の値は顕著に小さくなり、全熱抵抗率は顕著に大きくなることが分かる。
これより、本実施の形態に係るナノ中空粒子分散樹脂層が断熱性に優れていることが確認された。
なお、参考までに、本実施の形態に係るナノ中空粒子分散樹脂層の断熱性による効果を確かめるため、シリカ殻からなるナノ中空粒子1が固形分で10重量%、アクリル樹脂が固形分で90重量%配合されたナノ中空子分散樹脂層(厚さ6μm)の片面側に後述のPETからなる透明合成樹脂層(厚さ50μm)を形成し、更に、ナノ中空子分散樹脂層の他面側に後述の透明粘着層(厚さ20μm)を形成したもの(フィルム)について、後述の図4に示す熱の流出入の抑制効果を試験する試験装置に適用し、試験装置底から約100cm高の温度変化を調べた(但し、ここでは、ガラス板に貼付しない状態で測定した)。また、比較のために、PETからなる透明合成樹脂層(厚さ50μm)と透明粘着層(厚さ20μm)のみからなるもの(フィルム)についても同様に行った。その結果を図2(c)に示す。上述の如く、シリカ殻からなるナノ中空粒子1が含有されたナノ中空子分散樹脂層が断熱性に優れるため、図2(c)に示されるように、透明合成樹脂層(厚さ50μm)+ナノ中空子分散樹脂層(厚さ6μm)+透明粘着層(厚さ20μm)からなるものを適用した場合、透明合成樹脂層(厚さ50μm)+透明粘着層(厚さ20μm)からなるものを適用した場合に比べ、試験装置内部の温度上昇及び温度下降の差が少なくて温度変化の差が少なくなっていた。
次に上述のようにして得られるナノ中空粒子分散樹脂層を用いて構成される本実施の形態に係る遮熱断熱フィルムについて図3乃至図7を参照して説明する。
図3に示すように、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、基板となる透明合成樹脂層11の片面側に、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層12が形成され、また、赤外線遮蔽層12とは反対面側の透明合成樹脂層11に、上述した略30nm〜略200nmの外径を有する立方体状のシリカ殻からなるナノ中空粒子1がアクリル樹脂に均一に分散されたナノ中空粒子分散樹脂層13が形成され、更に、このナノ中空粒子分散樹脂層13の透明合成樹脂層11側とは反対面側に透明粘着層14が形成されたものである。
そして、この本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、通常、オフィスビルや家庭の窓ガラス、自動車の窓ガラス等のガラス15の内部側(室内側、車内側)に透明粘着層14を介して貼り付けられて使用されるものである。
本実施の形態においては、基板となる透明合成樹脂層11として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績(株)社製、A4300)を使用した。なお、この透
明合成樹脂層11の厚さは25μm〜250μm程度に設定されるのが好ましい。本発明者らの実験研究によれば、25μm未満の場合、その強度等が小さく破損する恐れがあり、一方、250μmを超えた場合、透明度が低下して視認性を阻害する恐れがあることが確認されている。
また、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層12としては、赤外線を吸収するATO分散液(日産化学(株)社製、セルナックスCX−Z693M)48重量部、多官能アクリレートモノ
マー(荒川化学(株)社製、ビームセット700)25重量部、多官能ウレタンアクリレート
オリゴマー(根上工業(株)社製、UN949)25重量部、光重合開始剤(BASFジャパ
ン(株)社製、イルガキュア184)2重量部を固形分比でそれぞれ調整したものを使用した
。なお、本実施の形態においては、赤外線遮蔽層12を透明合成樹脂層11の片面側に形成する際、積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射した。
更に、フィルムをガラス等の基材15に接合させるための透明粘着層14には、アクリル系粘着剤(サイデン化学(株)社製、AT−411)94重量部、イソシアネート系架橋剤
(日本ポリウレタン工業(株)社製、コロネートL−45E)1重量部、紫外線吸収剤(BA
SFジャパン(株)社製、チヌビン384−2)5重量部を固形分比でそれぞれ調整したもの
を使用した。
なお、製品の段階においては、透明粘着層14に剥離フィルムが付されて流通され、窓ガラス15等に貼り付ける際に、この剥離フィルムを剥がして使用するのが一般的であり、この透明粘着層14に付される剥離フィルムとしては、例えば、25μm程度の剥離フィルム(東洋紡績(株)社製、E7002)を使用することができる。また、各層において各
成分を均一に混合するにあたっては、例えば、ニーダ等による加熱混錬や、有機溶剤による溶解混合後に有機溶剤を乾燥除去する方法等を用いることができる。
ここで、このように構成される本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10の特性について説明する。
まず、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10の熱の流出入の抑制効果について、本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10をステンレス(SUS304)基板に貼付した際の熱伝導率・全熱抵抗率・熱貫流率の測定結果を比較例と比較して示す表1、及び、本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10をガラスに貼付した際の温度変化の測定結果を比較例と比較して示す図4乃至図7を参照して説明する。
本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10は、表1の上段に示した配合組成・構成によって作製したものである。このような配合組成・構成を有する実施例1に係る遮熱断熱フィルムを、上記と同様に、ステンレス(SUS304)円板(φ60mm,厚さ5mm)に貼付け、それら全体の熱伝導率、全熱抵抗率、熱貫流率を測定した。また、比較のために、赤外線遮蔽層12のATO分散液や、ナノ中空粒子分散樹脂層13を除いた表1の上段に示した配合組成・構成の比較例1乃至比較例3に係るフィルムを作製し、実施例1と同様に測定を行った。それらの試験結果を表1の下段にまとめて示す。
なお、ここで使用したシリカ殻からなるナノ中空粒子1は、具体的には、外径が98nm、シリカ殻1aの厚さが8nm、シリカ殻1aのみの密度が1.7g/cm3、比表面積が147m2 /g、粒子比重が0.72、空隙率が58.6%、嵩密度が0.03g/cm3のものであり、表面にイソシアヌレート基を修飾したものである。
Figure 2012056138
また、図4に示すような試験装置を用いて、表1上段の配合組成・構成を有する実施例1に係る遮熱断熱フィルム10並びに表1上段の配合組成・構成を有する比較例1乃至比較例3に係るフィルムについての熱の流出入抑制効果について調べた。
具体的には、図4に示すように、上面に開口部21(200×200)を有する発泡スチロールからなるボックス20(内寸:W400×L300×H200)の外側上部に開口部21を覆うようにフロートガラス板15(250×250、厚さ3mm)を設定し、更にそのガラス板15の裏面(下面)に実施例1に係る遮熱断熱フィルム10を設定し、そして、ボックス20の内部に、測定部がボックス20の中央部で底から約50cmの位置、約100cmの位置、及び、ガラス裏面(ガラス板15とフィルムの間)にくるように高精度温度収集装置(KEYENCE製 GR―300)のセンサを設定し、高精度温度収集装置によってガラス裏面の温度、ボックス20内部の底から約100cm高さの温度(ガラス板15から約100cm離間した場所の温度)、ボックス20内部の底から約50cm高さの温度(ガラス板15から約150cm離間した場所の温度)をそれぞれ測定した(朝6時頃から夕方6時頃まで)。また、表1上段の配合組成・構成を有する比較例1乃至比較例3に係るフィルムについても実施例1と同様に測定を行った。それらの測定結果を図5乃至図7に示す。
表1に示されるように、本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10は、熱の伝導率及び熱貫流率が極めて小さく全熱抵抗率が大きい。そして、本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10を使用した場合、図5に示されるように、ガラス板15の裏面での温度変化の測定値では比較例と比較してその差が殆ど表れていないに対し、図6及び図7に示されるように、ボックス20の内部(底から約100cm及び約50cm高さの位置)においては、比較例と比較して、温度上昇及び温度下降が少なく、温度変化の差が極めて少なくなっている。即ち、ボックス20の内部において熱の流出入が少ないことが分かる。特に、表1では比較例3に係るフィルムの熱伝導率が実施例1に係る遮熱断熱フィルム10と同じくらい小さい値にも関わらず、図6及び図7に示されるように、実施例1に係る遮熱断熱フィルム10の方が、比較例3に係るフィルムより、緩やかなに温度が上昇する傾向にある。これは、本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10が、最も加熱効果の大きい赤外線(熱線)を多く遮蔽することによって、熱の侵入を大幅に減少させたためである。即ち、本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10が、断熱性のみならず遮熱性にも優れているためである。
これより、本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10は、遮熱性及び断熱性に優れ、熱の流出入の抑制効果が高いことが判明した。
なお、本発明者らの実験研究により、本実施の形態の実施例1に係る遮熱断熱フィルム10を単板ガラスに貼付することで、従来のペアガラスと同等以上の断熱性が得られることが確認されている。そして、従来のペアガラスのように空気層が含まれることによる共鳴もないため、本実施の形態によれば、遮音効果が期待できる。
続いて、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10についての光学的特性の評価結果及び本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10のナノ中空粒子分散樹脂層13についての断熱性の評価結果を比較例と比較して示す表2を参照して説明する。
本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10は、表2の上段に示した配合組成・構成によって作製したものである。このような配合組成・構成を有する実施例2に係る遮熱断熱フィルム10をガラスに貼付した際の日射透過率、可視光線透過率及び紫外線透過率を測定し、更に、実施例2に係るナノ中空粒子分散樹脂層13をステンレス(SUS304)基板に貼付した際の熱伝導率を測定した。また、比較のために、表2の上段に示した配合組成・構成の比較例5乃至比較例10に係るフィルムを作製し、実施例2と同様に測定を行った。
具体的には、日射透過率は、厚さ3mmのフロートガラスに実施例2に係る遮熱断熱フィルム10並びに比較例5乃至比較例10に係るフィルムを貼合したものを、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ社製、U−4100)を用いて300nm〜2500nmの
波長範囲について透過率を測定し、JIS A5759に示す方法により算出したものである。
また、可視光線透過率は、厚さ3mmのフロートガラスに実施例2に係る遮熱断熱フィルム10並びに比較例5乃至比較例10に係るフィルムを貼合したものを、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ社製、U−4100)を用いて380nm〜780nmの波長
範囲について透過率を測定し、JIS A5759に示す方法により算出したものである。
更に、紫外線透過率は、厚さ3mmのフロートガラスに実施例2に係る遮熱断熱フィルム10並びに比較例5乃至比較例10に係るフィルムを貼合したものを、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ社製、U−4100)を用いて300nm〜380nmの波長範囲について透過率を測定し、JIS A5760に示す方法により算出したものである。
加えて、熱伝導率は、上記と同様、ステンレス(SUS304)円板(φ60mm,厚さ5mm)に所定の厚さで実施例2に係るナノ中空子分散樹脂層13を並びに比較例5乃至比較例9に係る分散樹脂層を形成させたものを、英弘精機(株)のHC110を使用して高温側熱流量Qhと低温側熱流量Qcとを測定し、熱流計法(JIS A1412、ASTEM−C518、ISO8301準拠)に基づいて算出したものである。
そして、断熱性については、ナノ中空粒子分散樹脂層の熱伝導率が2.5W/mK以下であるものを○、2.5W/mKを超えるものであって3.5W/mK以下ものについては△、更に、3.5を超えるものについては×と判定した。
また、視認性については、透明性が高くガラスの視認性が阻害されていないものを○、少し透明性が低くガラスの視認性を阻害する可能性が高いものを△と判定した。
これらの測定結果・評価結果を表2の中段・下段にまとめて示す。
Figure 2012056138
表2に示されるように、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10は、ナノ中空粒子分散樹脂層13の熱伝導率が2.36W/mKで2.5W/mK以下になっており、比較例5及び比較例6と比較しても非常に高い値であることが分かる。
これより、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10は優れた断熱性を有することが確認された。
そして、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10は、日射透過率が57.3%で50%以上となっており、また、可視光線率が76.1%で70%以上となっている。
これより、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10は透明性が高く、ガラス等の基材15に貼付した際にも良好な視認性を確保できることが確認された。
更に、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10は、紫外線透過率が1.51%で3%以下となっており、紫外線に対しても高い遮蔽効果があることが確認された。なお、これは、比較例7及び比較例8から推測されるように、シリカ殻からなるナノ中空粒子1が含有されることによって、紫外線を有効に遮蔽することが可能となり、更にそれらに加えて、透明粘着層14に紫外線吸収剤が含有されているためであると考えられる。よって、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10によれば、耐候性も高いものとなる。
なお、上記実施の形態においては、紫外線吸収剤が透明粘着層14に含有されているが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、例えば、透明合成樹脂層11等に配合することも可能である。
ここで、シリカ殻からなるナノ中空粒子1は中空でシリカ殻が薄いため比重が小さく、わずかな量を加えるだけで、ナノ中空粒子分散樹脂層13中に占める体積%は充分に大きくなり、断熱性を高めることができるが、比較例7から、ナノ中空粒子分散樹脂層13においてシリカ殻からなるナノ中空粒子1が固形分比率で5重量%の未満の配合量では、十分な断熱性(及び遮熱性)を確保できない恐れある。一方、比較例8から、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の固形分比率が25重量%を超えると、ナノ中空粒子分散樹脂層13中に占める体積%が大きくなるため、可視光線透過率が低くなり視認性を阻害する可能性がある。
このため、ナノ中空粒子分散樹脂層13に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子1は、固形分比率で5重量%〜25重量%含有されることが好ましい。
更に、シリカ殻からなるナノ中空粒子1はその粒子径が略30nmから略200nmまでと小さいため、薄い膜厚でも断熱性を高めることができるが、比較例9から、ナノ中空粒子分散樹脂層13の厚さが2μm未満では、ナノ中空粒子分散樹脂層13においてシリカ殻からなるナノ中空粒子1が適量比配合されている場合でも、十分な断熱性(及び遮熱性)を確保できない恐れある。一方、比較例10から、ナノ中空粒子分散樹脂層13の厚さが20μmを超えると、ナノ中空粒子分散樹脂層13においてシリカ殻からなるナノ中空粒子1が適量比で配合されている場合でも、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の量が多くなるため、可視光線透過率が低くなり視認性を阻害する可能性がある。
このため、ナノ中空粒子分散樹脂層13の厚さは、2μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
以上のように、特に図6及び図7に示したように、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、熱の流出入の抑制効果が高いものである。
これは、赤外線の透過が赤外線遮蔽層12のみならずナノ中空粒子分散樹脂層13のシリカ殻からなるナノ中空粒子1によっても防止されるので遮熱性に優れ、更には、ナノ中空粒子分散樹脂層13の熱伝導率が極めて小さいという優れた断熱性が発揮され、ガラス等の基材15に貼り付けた際に(本実施の形態では内貼り)、両面の熱伝導率の差が大きくなり、それによって、ガラス等の基材15に吸収され蓄熱された熱はフィルム側(室内等の内部側)に放散されるのが防止されてフィルムとは反対側(室外等の外部側)へと放出される一方で、フィルム側(室内等の内部側)の熱はガラス等を介してのフィルムとは反対側(室外等の外部側)への放散が防止されるためである。
したがって、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10によれば、ガラス等の基材15に貼付するだけで、夏場は、室外の太陽熱が室内へ流入することによる室内の温度上昇が抑えられると共に、冬場は、室内の暖房熱が室外へ放出するのが抑えられ、冷暖房等の省エネ効果を図ることができる。更に、断熱性が高いことからガラスにおける結露を防止することも可能であり、また、ガラスに触れたときの冷感を低減することも可能である。
加えて、ナノ中空粒子分散樹脂層13のシリカ殻からなるナノ中空粒子1、更には、透明粘着層の14に含有された紫外線吸収剤によって太陽光線等に含まれる紫外線の透過も防止されることから紫外線に対する遮蔽性も高い。
しかも、上述の如く、本実施の形態のシリカ殻からなるナノ中空粒子1は、中空でシリカ殻が薄いことから、また、ミクロ細孔を有し低密度であることから、更には、正方形状であるが故に入射した可視光線の屈折が起きにくくて屈折率が低いことから、透明性・透光性が高いものである。加えて、本実施の形態のシリカ殻からなるナノ中空粒子1は、その粒子径も極めて小さいため、ナノ中空粒子分散樹脂層13の厚さが薄くても優れた断熱性が得られる。
このため、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、透明性が高く、ガラス等の基材15に貼合した際にも可視光線の透過を可能にして視認性(ガラスの透明性等)を阻害することなく、即ち、可視光線を効果的に取り込みつつ、優れた断熱性及び遮熱性を発揮する。故に、採光性も良好であり、更に、入射した可視光線の屈折が起きにくいことから反射防止・防眩効果もある。
また、上述の如く、ナノ中空粒子分散樹脂層13の厚さが薄くても優れた断熱性が得られることから、低コストで製造でき、厚大に起因する剥がれ易さもない。
因みに、従来のシラスバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、セラミック等の微細発泡体または微細中空体は、圧縮強度が低くてフィルム製造工程において破壊されやすかったり、平均粒子径が大きかったりするため、これらを利用しても優れた断熱性及び遮熱性を得ることはできない。
特に、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10によれば、ナノ中空粒子分散樹脂層13側に透明粘着層14が形成されてガラス等の基材15に貼付されるようになっており、赤外線遮蔽層12よりもナノ中空粒子分散樹脂層13がガラス側に配置されることになるから、効率よく赤外線や熱が遮蔽される。このため、熱の流出入抑制効果が十分に発揮され、また、長持ちさせることが可能となる。
加えて、上述の如く、紫外線に対する遮蔽性が高いことから、更に、赤外線遮蔽層12、ナノ中空粒子分散樹脂層13、透明粘着層14には、アクリル系樹脂が使用され、このアクリル系樹脂は一般的に紫外線にも強く耐久性に優れることから、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、劣化し難く、良好な視認性や断熱性等の優れた特性を長期間維持することができる。
故に、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は耐久性が高い。
更に、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10によれば、シリカ殻からなるナノ中空粒子1が含有されているため、薄くても丈夫であり、ガラスが破損した場合でもシリカ殻からなるナノ中空粒子1によってガラス等の飛散が効果的に防止される。
なお、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10によれば、ガラス側とは反対側に配置される赤外線遮蔽層12にハードコート性が高いアクリル系樹脂を使用しており、また、シリカ殻からなるナノ中空粒子1を含有するナノ中空粒子分散樹脂層13が形成されることで比較的高い硬度を有するため、傷付きを防止することができるが、本発明を実施する場合、傷付きを更に確実に防止するために、透明性を損なわない範囲でハードコート層を設けてもよい。
また、シリカ殻からなるナノ中空粒子1は、上述したように、極めて簡単な工程で製造できるため、このシリカ殻からなるナノ中空粒子1を用いた本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は低コストで製造可能である。よって、ビルの窓ガラスのような大きな面積にも使用できる。
このように、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、基板となる透明合成樹脂層11と、この透明合成樹脂層11の片面側に形成され、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層12と、透明合成樹脂層11の他面側に形成され、シリカ殻からなるナノ中空粒子1を透明合成樹脂としてのアクリル樹脂中に分散させたナノ中空粒子分散樹脂層13とを具備するものである。
したがって、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10によれば、赤外線の透過が赤外線吸収層12のみならずナノ中空粒子分散樹脂層13のシリカ殻からなるナノ中空粒子1によっても防止される。また、ナノ中空粒子分散樹脂層13(シリカ殻からなるナノ中空粒子1)の熱伝導率が小さく断熱性が高いため、ガラス等の基材15に貼り付けた際に(本実施の形態では内貼り)、両面の熱伝導率の差が大きくなり、それによって、ガラス等に吸収され蓄熱された熱はフィルム側(室内等の内部側)に放散されるのが防止されてフィルムとは反対側(室外等の外部側)へと放出される一方で、フィルム側(室内等の内部側)の熱はガラスを介してのフィルムとは反対側(室外等の外部側)の放散が防止される。故に、遮熱性及び断熱性に優れ、熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができる。
このため、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10によれば、ガラス等の基材15に貼付するだけで、夏場は、室外の太陽熱が室内へ流入することによる室内の温度上昇が抑えられると共に、冬場は、室内の暖房熱が室外へ放出するのが抑えられ、冷暖房等の省エネ効果を図ることができる。
しかも、シリカ殻からなるナノ中空粒子1は、中空でシリカ殻が薄く、また低密度であることから、透明性・透光性が高いものであり、更に、その粒子径も極めて小さいため、ナノ中空粒子分散樹脂層13の厚さが薄くても優れた断熱性が得られる。
よって、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、透明性が高くガラス等の基材15に貼合した際にも可視光線の透過を可能にして視認性を阻害することなく、優れた断熱性及び遮熱性を発揮する。
更に、シリカ殻からなるナノ中空粒子1が含有されているため、薄くても丈夫であり、ガラスが破損した場合でもシリカ殻からなるナノ中空粒子1によってガラス等の飛散を効果的に防止することが可能となる。
このようにして、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の断熱性及び透明性を利用し、遮熱性及び断熱性に優れ、熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができ、また、透明性が高く、ガラス等の基材15に貼合した際にも良好な視認性を確保することができ、更に、ガラスの飛散防止効果を向上させることが可能な遮熱断熱フィルムとなる。
特に、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10は、ナノ中空シリカ分散樹脂層13の熱伝導率が2.5W/mK以下であり、優れた断熱性が確保されている。また、赤外線遮蔽層12の日射透過率が50%以上で、可視光線透過率が70%以上であり、高い視認性が確保されている。
加えて、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、ナノ中空粒子分散樹脂層13に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子1の外径が30nm〜200nmの範囲内である。また、ナノ中空粒子分散樹脂層13に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子1のシリカ殻1aは複数のミクロ細孔を有し、シリカ殻1aのミクロ細孔を除いたシリカ殻1aのみの密度が0.5g/cm3〜1.9g/cm3の範囲内である。このため、容易に製造でき、また、確実に優れた断熱性及び遮熱性を確保できて熱の流出入の抑制効果を向上させることができる。
更に、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、透明合成樹脂層11の配置側とは反対面側のナノ中空粒子分散樹脂層13に形成される透明粘着層14を具備するため、透明粘着層14によってガラス等の基材15に接合させことができ、このときガラス等の基材15への接合させるため手段(粘着剤)等による視認性阻害の恐れはない。
なお、本発明を実施する場合には、透明合成樹脂層11の配置側とは反対面側の赤外線遮蔽層12に透明粘着層14を形成して赤外線遮蔽層12側をガラス等の基材15に接合させることも可能であるが、上述の如く、ナノ中空粒子分散樹脂層13側に透明粘着層14が形成されてガラス等の基材15に貼付される方が、効率よく赤外線や熱を遮蔽することができる。
また、本実施の形態に係る遮熱断熱フィルム10は、透明粘着層14に紫外線吸収剤を含有したものであるから、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の含有による紫外線の遮蔽に加えて、紫外線吸収剤による紫外線の遮蔽効果が得られため、紫外線に対して高い遮蔽効果を得ることができ、耐候性を高めることが可能となる。特に、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10によれば、全体の紫外線透過率が3%以下であり、紫外線に対して高い遮蔽性が確保されている。
そして、本実施の形態の実施例2に係る遮熱断熱フィルム10によれば、ナノ中空粒子分散樹脂層13に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子1は固形分比率で5重量%〜25重量%の範囲内で含有されているため、確実に良好な視認性を確保でき、また、確実に優れた断熱性及び遮熱性を確保できて熱の流出入の抑制効果の向上を図ることができる。
なお、本発明を実施する場合には、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の製造方法は上記に限定されるものではなく、本発明者らの実験研究によれば、例えば、溶解した炭酸カルシウム2が流出した孔を塞ぐために、800℃等のより高温で焼成することによっても、熱伝導率の低く断熱性が高いシリカ殻からなるナノ中空粒子が得られることが確認されている。
また、上記実施の形態においては、30nm〜200nmの外径を有する立方体状のシリカ殻からなるナノ中空粒子1を用いた場合について説明したが、炭酸カルシウムを調整する工程(第1工程)、それにシリカをコーティングする工程(第2工程)、炭酸カルシウムを溶解させてナノ中空粒子とする工程(第3工程)を経ることで熱伝導率の低く断熱性が高い10nm〜300nmの外径を有するシリカ殻からなるナノ中空粒子が得られることが確認されているため、本発明を実施する場合には、10nm〜300nmの外径を有するシリカ殻からなるナノ中空粒子であれば、その他の特性を有するものを使用してもよい。因みに、10nm〜300nmの外径を有するシリカ殻からなるナノ中空粒子の壁厚は30nm以下であり、空隙率は40%以上である。
特に、炭酸カルシウムを調整する工程(第1工程)において、透過型電子顕微鏡法による一次粒子径が20nm〜200nmの炭酸カルシウムを水系にて調製し、静的光散乱法による粒子径(分散粒子径)が20nm〜700nmになるように熟成させた後、脱水して含水ケーキの状態とし、続くシリカをコーティングする工程(第2工程)において、この含水ケーキをアルコール中に分散させ、アンモニア水、水、シリコンアルコキシドを、シリコンアルコキシド/アルコールの体積比を0.002〜0.1、アンモニア水に含有されるNH3を、シリコンアルコキシド1モルに対して、4モル〜15モル、水をシリコンアルコキシド1モルに対して、25モル〜200モルとなるように添加することにより、シリカでコーティングされた炭酸カルシウムを調製した後、アルコール及び水による洗浄を行い、再び含水ケーキとし、更に、炭酸カルシウムを溶解させてナノ中空粒子とする工程(第3工程)において、この含水ケーキを水に分散させ、酸を添加して液の酸濃度を0.1〜3モル/Lとし、炭酸カルシウムを溶解させることにより、透過型電子顕微鏡法による一次粒子径が30nm〜300nm、静的光散乱法による粒子径(分散粒子径)が30nm〜800nm、壁厚5nm〜30nm、水銀圧入法により測定される細孔分布において2nm〜20nmの細孔が検出されないシリカ殻からなるナノ中空粒子を製造できることが、本発明者らの実験研究により確認されている。
そして、本発明者らは、この方法に順じ、適宜薬剤濃度や撹拌方法や温度やアルカリの種類等を調整することにより、以下の表3に示す様々な1次粒子径、壁厚、及び空隙率のシリカ殻からなるナノ中空粒子を製造できることを確認している。
Figure 2012056138
しかし、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の粒子径の外径が、余りに小さいと、製造するのが困難であり、製造できても凝集しやすくその断熱性等の特性が十分に発揮され難くなる。また、粒子径の外径が余りに大きくても、その断熱性等の優れた特性が十分に発揮されにくくなる。そして、本発明者らの鋭意実験研究の結果、30nm〜200nmの外径を有するシリカ殻からなる中空粒子1が最も製造し易く、凝集も起こり難くて均一に分散させることが容易であり、ナノ中空粒子分散樹脂層13を薄く形成してもシリカ殻からなるナノ中空粒子1を用いたメリットが十分に発揮されることが確認されている。このため、30nm〜200nmの外径を有するシリカ殻からなるナノ中空粒子1を用いるのが好ましい。なお、このときの壁厚は25nm以下であり、空隙率は50%以上である。より好ましくは1次粒子径が150nm以下で、壁厚が20nm以下であり、空隙率が60%以上である。特に、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の粒子径の外径が35nm以上45nm以下の場合、壁厚が3.5nm以上5.5nm以下で、空隙率が40%以上50%以下であるのが好ましく、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の粒子径の外径が55nm以上65nm以下の場合、壁厚が4.5nm以上9nm以下で、空隙率が40%以上60%以下であるのが好ましく、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の粒子径の外径が90nm以上110nm以下の場合、壁厚が5nm以上15nm以下で、空隙率が40%以上70%以下であるのが好ましく、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の粒子径の外径が180nm以上220nm以下の場合、壁厚が16nm以上30nm以下で、空隙率が40%以上70%以下であるのが好ましい。
更に、本発明を実施する場合には、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の表面に、表面改質剤、例えば、トリエトキシプロピルイソシアネートシラン(以下、「TEIS」とも言う。)やトリイソシアネート等のイソシアネート系(イソシアネート基(−N=C=O)を1つ以上もった化合物)、イソシアヌレート系(イソシアヌレート基を1つ以上もった化合物)、トリエトキシブチルシラン(TEBS)等のアルキル系(アルキル基を1つ以上もった化合物)、トリエトキシプロピルビニルシラン等のビニル系(ビニル基(−CH=CH2 )を1つ以上もった化合物)、トリエトキシプロピルアクリロキシシラン等のアクリロキシ系(アクリロキシ基を1つ以上もった化合物)、アミン系、エポキシ系、メタクリロキシ系、アクリル系、イミド系、モノアミン変性シリコーンオイルやポリエーテル変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル等の表面改質剤を付加させたコーティングシリカ殻からなる中空粒子を用いることも可能である。このようにして、疎水性としたり官能基を修飾したりすることで、ナノ中空粒子分散樹脂層においてシリカ殻からなる中空粒子の凝集が防止され、更に、イソシアネート基等の活性基が透明合成樹脂の活性基と反応して強固な結合が作られるため、ナノ中空粒子分散樹脂層中にシリカ殻からなるナノ中空粒子が分散されやすくなり、シリカ殻からなるナノ中空粒子の有する断熱性及び透明性等の優れた特性を十分に発現させ、上記効果をより効果的に発揮させることが可能となる。
なお、コーティングシリカ殻からなる中空粒子は、例えば、シリカ殻からなるナノ中空粒子1と、イソシアネート系表面改質剤(イソシアネート基(−N=C=O)を1つ以上もった化合物からなる表面改質剤)としてのTEISとを、キシレン、n−ヘキサン等を溶媒としてオートクレーブ中で溶媒の臨界温度において2時間反応させ、TEISのエトキシ基をシリカ殻からなるナノ中空粒子1の表面の水酸基とそれぞれ縮合させることによって製造することができる。
より好ましくは、シリカ殻からなるナノ中空粒子1をキシレン、n−ヘキサン等の溶媒に湿式ジェットミルで微細分散させた後、TEIS等の表面修飾剤を加え、これにオートクレーブの高温高圧を加えて溶媒の超臨界状態とし、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の表面に表面修飾剤を反応付加させての製造である。これにより、シリカ殻からなるナノ中空粒子1の表面全体が確実に表面修飾剤に覆われ、表面修飾剤の活性基が透明合成樹脂の活性基と反応してなる強固な結合もより多く作られるため、ナノ中空粒子分散樹脂層中においてシリカ殻からなるナノ中空粒子が微細凝集粒子としてその凝集が一段と防止され、更に均一に微細分散されやすくなる。
なお、上記実施の形態では、遮熱断熱フィルム10をガラス等の基材15に内貼りで貼り付けた場合について説明したが、勿論、外貼りであっても構わない。本発明者らの実験研究により、外貼りであっても、熱の流出入の抑制効果が十分に発揮されることが確認されている。
また、本発明を実施するに際しては、各構成材料、配合、層の厚さ等は、上記に限定されるものではなく、必要とされる断熱性、遮熱性、透明性等を考慮して設定される。
更に、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
1 シリカ殻からなるナノ中空粒子
10 遮熱断熱フィルム
11 透明合成樹脂層
12 赤外線遮蔽層
13 ナノ中空粒子分散樹脂層
14 透明粘着層
15 基材(ガラス)

Claims (10)

  1. 基板となる透明合成樹脂層と、
    前記透明合成樹脂層の片面側に形成され、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層と、
    前記透明合成樹脂層の他面側に形成され、10nm〜300nmの範囲内の外径を有するシリカ殻からなるナノ中空粒子が透明合成樹脂中に分散されたナノ中空粒子分散樹脂層と
    を具備することを特徴とする遮熱断熱フィルム。
  2. 更に、前記ナノ中空粒子分散樹脂層の他面側または前記赤外線遮蔽層の他面側に形成され、前記遮熱断熱フィルムを接合させるための透明粘着層を具備することを特徴とする請求項1に記載の遮熱断熱フィルム。
  3. 前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子の外径を30nm〜200nmの範囲内としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遮熱断熱フィルム。
  4. 前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子は、前記シリカ殻に複数のミクロ細孔を有し、前記ミクロ細孔を除いた前記シリカ殻のみの密度が0.5g/cm3〜1.9g/cm3の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の遮熱断熱フィルム。
  5. 前記ナノ中空粒子分散樹脂層に含まれるシリカ殻からなるナノ中空粒子は、前記ナノ中空粒子分散樹脂層中に固形分比率で5重量%〜25重量%の範囲内で含有されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の遮熱断熱フィルム。
  6. 前記ナノ中空粒子分散樹脂層の熱伝導率が2.5W/mK以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の遮熱断熱フィルム。
  7. 前記遮熱断熱フィルムの日射透過率が、50%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の遮熱断熱フィルム。
  8. 前記遮熱断熱フィルムの可視光線透過率が、70%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の遮熱断熱フィルム。
  9. 更に、前記遮熱断熱フィルムには、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の遮熱断熱フィルム。
  10. 前記遮熱断熱フィルムの紫外線透過率は、3%以下であることを特徴とする請求項9に記載の遮熱断熱フィルム。
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