JP2012052026A - プレス成形体用重合体粒子及びその製造方法 - Google Patents

プレス成形体用重合体粒子及びその製造方法 Download PDF

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光一朗 岡本
Shinsuke Akizuki
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Abstract

【課題】取り扱い時の作業効率を悪化させることなく、かつプレス成形体の耐水性を低下させることなく、少量添加でもコンパウンドに高い増粘効果を付与することができるプレス成形体用の重合体粒子を提供する。
【解決手段】脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の重合体94〜99.5重量部と、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体由来の重合体0.5〜6重量部とを含み、200,000〜700,000の重量平均分子量を有することを特徴とするプレス成形体用重合体粒子により上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、プレス成形体用重合体粒子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、アクリル系人工大理石等のプレス成形体の材料であるコンパウンドへの添加量が少量であっても高い増粘効果を与えることができるプレス成形体用重合体粒子及びその製造方法に関する。
種々の製品が樹脂をプレス成形することにより得られている。その製品の一例として、アクリル系人工大理石がある。アクリル系人工大理石には、アクリルシラップ(アクリル系重合体及び/又はメタクリル系重合体とビニル基を有する単量体との混合物)を含むコンパウンドが使用されている。アクリルシラップの製造方法として、
(1)メタクリル酸エステル系単量体とその他のビニル系単量体との混合液に、メタクリル酸エステル系単量体を完全重合させた重合体を添加して、攪拌により重合体を混合及び溶解させて得る方法と、
(2)メタクリル酸エステル系単量体とその他のビニル系単量体との混合液を部分重合させて得る方法
が知られている。
上記(2)の方法では、コンパウンドの熟成工程時に、成形材料を効率的に増粘させるために、カルボキシル基を含有したメタクリル酸エステル系重合体を更に加える方法が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
コンパウンドの増粘効果は、アクリルシラップ中のカルボキシル基と、MgOやMg(OH)2等のアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類水酸化物とが架橋反応を起こすことにより得られる。より高い増粘効果を得るためには、重合体の分子量が大きいことに加えて、カルボキシル基含有ビニル系単量体が重合体に多く共重合されることが求められる。
特許文献1では、アクリルシラップ中に重合体酸価10mgKOH/g、重量平均分子量10万以下のカルボキシル基含有重合体を含むアクリルシラップを成形材料として用いる方法が開示されている。特許文献2では、シラップ酸価26mgKOH/gのアクリルシラップを成形材料として用いる方法が開示されている。
特開2001−220500号公報 特開平9−67495号公報
しかしながら、上記の先行技術において、アクリルシラップ中のカルボキシル基含有重合体に導入されているカルボキシル基の量は少なく、更にはカルボキシル基含有重合体の分子量も低いため、十分な増粘効果を得られないという課題が残されていた。十分な増粘効果を得られないと、コンパウンドの熟成工程の時間が長くなるため、生産性が低下するという問題が発生する。
十分な増粘効果を得られないという課題を解決するために、部分重合法によりカルボキシル基含有重合体の分子量を高めようとすると、アクリルシラップの粘度が高くなり過ぎて、コンパウンドを大量生産する際、アクリルシラップの輸送や充填に時間がかかるようになり、生産性が低下することがある。また、カルボキシル基含有単量体の配合量を増加すると、プレス成形体の耐水性が低下するといった新たな課題が生じる。このような経緯から、生産性の低下やプレス成形体の耐水性低下を伴うことなく、コンパウンドに十分な増粘効果を付与することができるプレス成形体用重合体粒子の登場が待ち望まれていた。
本発明は、取り扱い時の作業効率を悪化させることなく、かつプレス成形体の耐水性を低下させることなく、少量添加でもコンパウンドに高い増粘効果を付与することができるプレス成形体用の重合体粒子を提供することをその課題とする。
かくして本発明によれば、脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の重合体94〜99.5重量部と、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体由来の重合体0.5〜6重量部とを含み、200,000〜700,000の重量平均分子量を有することを特徴とするプレス成形体用重合体粒子が提供される。
また、本発明によれば、脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体94〜99.5重量部と、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体0.5〜6重量部を含む単量体混合物を水性媒体中、重合開始剤、界面活性剤及び難水溶性ピロリン酸塩である懸濁安定剤の存在下で懸濁重合することにより、重量平均分子量200,000〜700,000の重合体粒子を得ることを特徴とするプレス成形体用重合体粒子の製造方法が提供される。
本発明によるプレス成形体用重合体粒子は、カルボキシル基含有単量体の割合が高くなく、かつ重量平均分子量が高い。そのため、上記(1)の方法において、増粘性の高いアクリルシラップを製造するために、単量体に溶解するポリマーとして使用することができる。また、上記(2)の方法、すなわち、メタクリル酸エステル系単量体とその他のビニル系単量体との混合液を部分重合させて得る方法によるアクリルシラップの材料として用いられることにより、コンパウンドに十分に高い増粘効果を付与することができる。更に、アクリルシラップの取り扱い時の作業性を低下させることなく、プレス成形体の耐水性を低下させることもない。
また、プレス成形体用重合体粒子が、5〜45mgKOH/gの酸価を有する場合、アクリルシラップの粘度が高まり過ぎることなく、コンパウンドに十分に高い増粘効果を付与することができる。
脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体が、メタクリル酸メチルである場合、コンパウンドに更に高い増粘効果を付与することができる。
また、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体が、メタクリル酸である場合、コンパウンドに更に高い増粘効果を付与することができる。
プレス成形体用重合体粒子は、アルカリ土類金属酸化物を使用するプレス成形体に用いられることにより、プレス成形体用重合体粒子中のカルボキシル基と、アルカリ土類金属酸化物とが架橋反応を起こすことにより、コンパウンドに十分に高い増粘効果を付与することが可能となる。
また、脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の重合体が、スチレン系単量体に由来する重合体10重量部以下を含む単量体混合物由来の重合体である場合、コンパウンドに更に高い増粘効果を付与することができる。また、アクリルシラップへの重合体の溶解性を向上させることができる。
また、本発明によるプレス成形体用重合体粒子の製造方法により、上述したように、アクリルシラップの取り扱い時の作業性を低下させることなく、かつプレス成形体の耐水性を低下させることもなく、コンパウンドに十分に高い増粘効果を付与することができる。
(プレス成形体用重合体粒子)
本発明によるプレス成形体用重合体粒子(以下、単に「重合体粒子」又は「粒子」ともいう)は、脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の重合体と、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体由来の重合体とを含むことを特徴とする。なお、ここで(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを示す。
脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これらのうち、耐候性に優れる点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸及びその無水物、フマル酸、イタコン酸、不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル(例えば、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノノルマルブチル)等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。
脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の重合体と、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体由来の重合体との割合は、94〜99.5重量部と0.5〜6重量部である。好ましくは、97〜99重量部と1〜3重量部である。炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体由来の重合体の割合が0.5重量部未満であると、十分な増粘効果が得られない場合がある。一方、6重量部を超えると、成型体の耐水性が低下する場合がある。
脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の重合体は、スチレン系単量体に由来する重合体を含む単量体混合物由来の重合体であってもよい。スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、α−メチルスチレン等を挙げることができ、中でも、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
スチレン系単量体由来の重合体は、上記単量体混合物由来の重合体94〜99.5重量部のうち10重量部以下含まれてもよい。スチレン系単量体由来の重合体が含まれることにより溶解性が向上する。好ましくは1〜6重量部である。10重量部を超えると、重合体粒子の屈折率と、プレス成形体のベースレジンとの屈折率の差異が大きくなって、成形体の透明性が悪化する場合がある。
プレス成形体用重合体粒子の重量平均分子量は、200,000〜700,000である。好ましくは、200,000〜600,000である。重量平均分子量が200,000未満であると、増粘が不十分で、コンパウンドにベタツキが見られる場合がある。一方、700,000を超えると、逆に増粘し過ぎて、コンパウンドが硬化する場合がある。なお、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。重量平均分子量の測定方法については、実施例の欄で説明する。
プレス成形体用重合体粒子は、5〜45mgKOH/gの酸価を有することが好ましい。より好ましくは、10〜25KOH/gである。ここでの酸価とは、重合体粒子1g中の遊離脂肪酸を中和するのに要するエタノール性水酸化カリウム溶液における水酸化カリウムのmg数(単位:mgKOH/g)である。酸価が5mgKOH/g未満の場合には、成形体用材料として粘度が不十分となることがある。一方、45mgKOH/gを超えると、成形体用材料として粘度が高すぎて、成形体を得る際の混練性及び得られる成形体用材料の成形時の流動性に問題を生じる場合がある。また、得られる成形体に加熱白化が生じて、耐衝撃性、耐汚染性、耐溶剤性等が低下する場合がある。なお、酸価の測定方法については、実施例の欄で説明する。
(プレス成形体用重合体粒子の製造方法)
プレス成形体用重合体粒子は、脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体94〜99.5重量部と、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体0.5〜6重量部を含む単量体混合物とを水性媒体中、重合開始剤、界面活性剤及び難水溶性ピロリン酸塩である懸濁安定剤の存在下で懸濁重合することにより製造することができる。
また、上記単量体混合物には、脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体94〜99.5重量部のうちスチレン系単量体が10重量部以下含まれていてもよい。
水性媒体としては、水又は、水と、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類との混合媒体が挙げられる。
重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物等が挙げられる。
これらのうち、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜60℃の範囲にあるアゾ系化合物を使用することが好ましい。重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、1〜15重量部の範囲で使用されることが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤をいずれも使用できる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、コハクスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
上記界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.0001〜1重量部とできる。
懸濁安定剤には、難水溶性ピロリン酸塩が用いられる。難水溶性ピロリン酸塩を用いることにより、酸による洗浄が容易になるので、懸濁安定性を保持しつつ、かつ成形体の耐水性を低下させることなく成形体を製造することが可能になる。
難水溶性ピロリン酸塩の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.1〜1重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.3〜0.8重量部である。難水溶性ピロリン酸塩の添加量が0.1重量部未満だと、重合反応時に分散安定性が低下する場合がある。一方、1重量部を超えると、粒子の小径化により、生産性が低下する場合がある。
重合体粒子の重合は、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜60℃の範囲にあるアゾ系化合物の重合開始剤を使用して、前記重合開始剤の分解温度より3℃低い温度から30℃高い温度までの温度範囲、すなわち、37〜90℃の範囲において重合させることが好ましい。より好ましくは、50〜60℃の範囲である。重合温度が37℃未満であると、重合反応速度が低下し、生産性が低下する場合がある。一方、90℃を超えると、重合反応熱の制御が困難になる場合がある。
(アクリルシラップ)
アクリルシラップは、本発明のプレス成形体用重合体粒子とビニル基含有単量体を混合することにより得ることができる。アクリルシラップに使用されるビニル基含有単量体としては、プレス成形体用重合体粒子を構成するための単量体として例示した単量体のいずれも使用することができる。最も好ましく使用できるのはメチルメタクリレートである。
また、必要に応じて、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類や、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能架橋性単量体を使用してもよい。
アクリルシラップ中のプレス成形体用重合体粒子とビニル基含有単量体との混合比は、プレス成形体用重合体粒子7〜80重量部、ビニル基含有単量体93〜20重量部とすることが好ましい。増粘前のアクリルシラップは、25℃での粘度の範囲を0.5〜450ポイズとすることが好ましい。より好ましくは、1〜200ポイズである。アクリルシラップの粘度は、本発明のプレス成形体用重合体粒子の分子量やカルボキシル基量によって変化するので、ビニル基含有単量体の単量体の量を適宜増減させて上記粘度範囲に調整することが望まれる。
本発明のプレス成形体用重合体粒子を含むアクリルシラップは、MgO等のアルカリ土類金属酸化物を使用するプレス成形体に用いられることが好ましい。上述のとおりコンパウンドの増粘効果は、アクリルシラップ中のカルボキシル基と、MgO等のアルカリ土類金属酸化物とが架橋反応を起こすことにより得られるためである。
本発明のプレス成形体用重合体粒子は、アクリルシラップに含まれることによりコンパウンドに十分に高い粘度を付与することができ、更にプレス成形体の耐水性を低下させることもないので、人工大理石の製造に好適に用いられる。
(コンパウンド)
本発明のプレス成形体用重合体粒子を含むアクリルシラップから得られるコンパウンドについて、以下に説明する。
プレス成形体用重合体粒子は、コンパウンド中3〜15重量%含まれていることが好ましい。また、アルカリ土類金属酸化物は、コンパウンド中0.1〜1重量%含まれていることが好ましい。
アクリルシラップ中の単量体を重合させて硬化成形体を得るために、コンパウンドには、重合開始剤を添加することが好ましい。開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ系化合物が利用できる。これらの開始剤は、アクリルシラップ100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲で使用するとよい。また、重合禁止剤を併用してもよい。
コンパウンドには、充填剤が含まれていてもよい。充填剤としては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレイ、タルク、ミルドファイバー、珪砂、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、寒水石、アスベスト粉、ガラス粉、ガラス球、ポリマービーズ等の無機又は有機系充填剤が挙げられる。
コンパウンドには、成形体に複合させて強度を高めるために、繊維形状等の強化材を配合することが好ましい。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックス繊維等の無機繊維や、アラミド、ポリエステルを初めとする種々の有機繊維や天然繊維等が利用できる。形態としては、例えばロービング、クロス、マット、織物、チョップドロービング、チョップドストランド等、用途に応じて種類及び使用量を決定すればよい。コンパウンドは、低粘度で、しかも過剰な粘度上昇がないので、これらの強化繊維への含浸作業性に優れるものである。
コンパウンドには、型離れを良好にするため、離型剤が含まれていてもよい。離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アミド、アルキルホスフェート、シリコンオイル等の公知のものが挙げられる。
コンパウンドには、成形品の用途に応じて、公知の無機顔料、有機顔料等の着色剤を添加してもよい。
プレス成形体の高精度な寸法安定性が必要なときには、コンパウンドに低収縮化剤を添加することが好ましい。低収縮化剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セルロースブチレート、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトン、飽和ポリエステル、あるいはこれらの共重合体等の熱可塑性ポリマー等が挙げられる。
コンパウンドは、アクリルシラップと上記添加剤を添加混合することにより得ることができる。その後は、SMC(シートモールディングコンパウンド)やBMC(バルクモールディングコンパウンド)等を製造する公知の手段を用いて種々の用途に応じたコンパウンドに調製してもよい。また、得られたコンパウンドは、プレス成形体用の材料としても使用できる。プレス成形体の成形は、公知の成形方法に従って行えばよく、60〜180℃の範囲の加熱、20MPa以下の加圧が基本的であるが特に限定されない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
先ず、実施例及び比較例中の測定方法及び計算方法について説明する。
(重合体粒子の評価1:重量平均分子量の測定方法)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、重量平均分子量を測定する。その測定方法は次の通りである。なお重量平均分子量は、ポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を意味する。
測定装置:東ソー社製、商品名「ゲルパーミエーションクロマトグラフ HLC−8320」
ガードカラム:TOSOH、「TSKguardcolumn SuperHZ−H」φ4.6mm×15cmL×1本
カラム:TOSOH、「TSKgel SuperHZM−H」φ4.6mm×15cmL×2本
測定条件:カラム温度(40℃)、移動相(試薬一級THF)、移動相流量(0.175ml/min)
注入量(50μl)、測定時間(25min)、検出器(RI)
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:1030000と東ソー社製、重量平均分子量:5480000、3840000、355000、102000、37900、9100、2630、500
測定方法:試料3mgを10mlTHFに加え、一晩放置して溶解し、0.45μmのフィルターで濾過して、測定試料とする。
(重合体粒子の評価2:酸価の測定方法)
樹脂粒子を1g秤量し、溶剤(アセトン)50mlを加えて溶解した後、0.1規定の水酸化カリウム(エタノール溶液)でフェノールフタレインの変色点を基準として滴定し、樹脂粒子1gを中和するために必要なKOHのmg数として以下の式により求める。
酸価(mgKOH/g)=A×0.1×f×5.61/試料質量
(A:滴定量(ml)、f:0.1N水酸化カリウム溶液の力価)
(コンパウンドの評価1:溶解性の評価方法)
樹脂粒子をメタクリル酸メチル30部に20%濃度で溶解し、得られた溶液を50mlガラス瓶に入れ、24時間放置する。ガラス瓶中の未溶解粒子を目視により観察して、以下の3段階で評価する。
○:未溶解粒子が全く見られず、溶解性良好である。
△:一部、未溶解粒子が見られる。
×:多数の未溶解粒子が見られる。
(コンパウンドの評価2:熟成後のコンパウンドの評価方法)
熟成後コンパウンドの硬化・表面ベタツキの有無を手触りで調べ、3段階で評価する。
○:コンパウンドの硬化或いは表面ベタツキが全く見られない。
△:部分的なコンパウンドの硬化或いは表面ベタツキが見られる。
×:著しいコンパウンドの硬化或いは表面ベタツキが見られる。
(成形体の評価1:耐水性の評価方法)
成形体を90℃の水中に100時間浸漬して、成形体の表面の変色及び退色の有無を目視により観察して、次の3段階で評価する。
○:表面の変色、退色が全く見られない。
△:一部、表面の変色、退色が見られる。
×:著しい、表面の変色、退色が見られる。
(成形体の評価2:透明性の評価方法)
得られた成形体の透明性を目視により観察し、次の3段階で評価する。
○:透明性が良好で、表面の白濁が全く見られない。
△:一部、透明性が低下し、若干の白濁が見られる。
×:透明性が著しく低下し、白濁がひどい。
(重合体粒子製造例1)
5L反応器に,ピロリン酸ナトリウム17.1g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム25%水溶液0.48gを水2400gに溶解した水性媒体を入れた。反応器内の温度を65℃まで昇温させた後、塩化マグネシウム31.6gを加えて10分間高速攪拌を行い、ピロリン酸マグネシウムを作製した。
反応器内の温度を40℃まで冷却させた後、別に調液したメタクリル酸メチル1574.4g、メタクリル酸25.6gに、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)14.4g及び過酸化ベンゾイル(純分74.2%)6.47gを加えて溶解させた単量体溶液を上記5L反応器に入れた。反応器内の温度を55℃まで昇温させた後、高速攪拌しながら3時間懸濁重合を行い、その後120℃で3時間加熱した。その後冷却し、20%塩酸を加えてピロリン酸マグネシウムを分解洗浄した。次に脱水及び乾燥を行ってカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー1)を得た。ポリマー1の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは54.6万であり、酸価は10.6mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例2)
単量体溶液をメタクリル酸メチル1280g、メタクリル酸ブチル294.4g、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸25.6gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー2)を得た。ポリマー2の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは55.7万であり、酸価は10.6mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例3)
重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を12.8gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー3)を得た。ポリマー3の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは65.2万であり、酸価は10.3mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例4)
単量体溶液をメタクリル酸メチル1120g、メタクリル酸ブチル432g、メタクリル酸48.0g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を12.8gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー4)を得た。ポリマー4の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは65.2万であり、酸価は20.4mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例5)
重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を24gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子を(ポリマー5)得た。ポリマー5の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは22.2万であり、酸価は10.1mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例6)
単量体溶液の組成としてメタクリル酸メチルを1587.2g、メタクリル酸を12.8gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー6)を得た。ポリマー6の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは55.2万であり、酸価は5.1mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例7)
単量体溶液の組成としてメタクリル酸メチルを1504g、メタクリル酸を96g、ピロリン酸ナトリウムを22.9gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー7)を得た。ポリマー7の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは54.6万であり、酸価は40.6mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例8)
単量体溶液をメタクリル酸メチル1495.7g、スチレン78.7g、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸25.6gにして、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を13.6gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー8)を得た。ポリマー8の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは61.1万であり、酸価は10.8mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例9)
単量体溶液をメタクリル酸メチル1427.0g、スチレン147.4g、メタクリル酸25.6gにして、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を11.2gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー9)を得た。ポリマー9の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは68.9万であり、酸価は11.1mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例10)
重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を9.6gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー10)を得た。ポリマー10の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは75.3万であり、酸価は10.0mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例11)
重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を8gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー11)を得た。ポリマー11の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは88.4万であり、酸価は10.6mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例12)
重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を48gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー12)を得た。ポリマー12の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは9.8万であり、酸価は10.5mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例13)
単量体溶液の組成としてメタクリル酸メチルを1472g、メタクリル酸を128gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー13)を得た。ポリマー13の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは55.5万であり、酸価は51.3mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例14)
単量体溶液の組成としてメタクリル酸メチルを1600gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー14)を得た。ポリマー14の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは53.9万であり、酸価は0mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例15)
単量体溶液をメタクリル酸メチル1254.4g、スチレン320g、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸25.6gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー15)を得た。ポリマー15の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは50.4万であり、酸価は10.9mgKOH/gであった。
(重合体粒子製造例16)
懸濁安定剤をポリビニルアルコールGM−14L(日本合成化学製)7.2gにしたことを除き、上記製造例1と同様にしてカルボキシル基を含有した重合体粒子(ポリマー16)を得た。ポリマー16の、GPCにて測定した重量平均分子量Mwは56.2万であり、酸価は10.6mgKOH/gであった。
重合体粒子の製造例1〜16及びその物性について、表1にまとめて示す。
Figure 2012052026
(コンパウンド及び成形体の作製及び評価)
(実施例1)
製造例1で得られたポリマー1、メタクリル酸メチル単量体、ジメタクリル酸エチレングリコールを表に示す量をポリマーが溶解するまで70℃でニーダーにて混練して、アクリルシラップを得た。混練物を45℃に冷却し、硬化剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製:パーブチルO)1.2重量部、増粘剤として酸化マグネシウム1.0重量部、離型剤としてステアリン酸亜鉛0.5重量部、無機充填剤として水酸化アルミニウム220重量部を加えて混練したコンパウンドをセロファンフィルムで包み、25℃で24時間熟成することにより増粘して、コンパウンドを得た。得られたコンパウンドは、いずれも常温ではべたつきがなくて、取扱い性が良好であった。
熟成後のBMCを用い、下記成形条件でプレス成形を行い、成形体を得た。
上金型温度:130℃
下金型温度:115℃
成形圧力:5MPa
成形時間:8min
得られた成形体は、光沢があり、表面平滑性に優れていた。また耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、光沢は良好のままであり、実質的な変色も認められなかった。
(実施例2)
製造例2で得られたポリマー2を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を得た。得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、光沢は良好のままであり、実質的な変色も認められなかった。
(実施例3)
製造例3で得られたポリマー3を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を得た。ポリマー3は、メタクリル酸メチル単量体への溶解性がやや小さく、作業性が若干劣っていた。得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、光沢は良好のままであり、実質的な変色も認められなかった。
(実施例4)
製造例4で得られたポリマー4を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を得た。ポリマー4は、メタクリル酸メチル単量体への溶解性がやや小さく、作業性が若干劣っていた。得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、光沢は良好のままであり、実質的な変色も認められなかった。
(実施例5)
製造例5で得られたポリマー5を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を得た。得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、光沢は良好のままであり、実質的な変色も認められなかった。
(実施例6)
製造例6で得られたポリマー6を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を得た。得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、光沢は良好のままであり、実質的な変色も認められなかった。
(実施例7)
製造例7で得られたポリマー7を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を得た。得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、光沢は良好のままであり、実質的な変色も認められなかった。
(実施例8)
製造例8で得られたポリマー8を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を得た。得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、光沢は良好のままであり、実質的な変色も認められなかった。
(実施例9)
製造例9で得られたポリマー9を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を作製した。得られた成形体の透明性評価として、実施例1の成形体と比較して表面に若干の白濁が認められた。
(実施例10)
製造例16で得られたポリマー16を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を作製した。得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、わずかながら変色が認められた。
(比較例1)
製造例10で得られたポリマー10を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を作製した。熟成後おいてコンパウンドは部分的に硬化していた。
(比較例2)
製造例11で得られたポリマー11を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体の作製を試みた。ポリマー11はメタクリル酸メチル単量体への溶解性が小さく、作業性が良好ではなかった。また、熟成後おいてコンパウンドは全体的に硬化しており、成形不可であった。
(比較例3)
製造例12で得られたポリマー12を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を作製した。熟成後おいてコンパウンドの表面にベタツキが見られた。また、透明性評価としては、実施例1の成形体と比較して表面に若干の白濁が認められた。
(比較例4)
製造例13で得られたポリマー13を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を作製した。熟成後おいてコンパウンドは部分的に硬化していた。また、得られた成形体の耐水性評価として、煮沸試験を90℃で100時間行ったところ、変色が認められた。また、透明性評価としては、実施例1の成形体と比較して表面に若干の白濁が認められた。
(比較例5)
製造例14で得られたポリマー14を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体の作製を試みた。熟成後おいてコンパウンドは成形に必要な硬さにまで増粘しておらず、成形不可であった。
(比較例6)
製造例15で得られたポリマー15を使用した以外は実施例1と同様にして、コンパウンド及び成形体を作製した。透明性評価としては、実施例1の成形体と比較して表面著しい白濁があり、透明性の低下が認められた。
実施例1〜10及び比較例1〜6について、表2にまとめて示す。
Figure 2012052026
実施例及び比較例の結果から、本発明による重合体粒子である、ポリマー1〜9及び16を用いて得られた成形体は、耐水性及び透明性に優れたものであった。

Claims (8)

  1. 脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の重合体94〜99.5重量部と、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体由来の重合体0.5〜6重量部とを含み、200,000〜700,000の重量平均分子量を有することを特徴とするプレス成形体用重合体粒子。
  2. 前記プレス成形体用重合体粒子が、5〜45mgKOH/gの酸価を有する請求項1に記載のプレス成形体用重合体粒子。
  3. 前記脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体が、メタクリル酸メチルである請求項1又は2に記載のプレス成形体用重合体粒子。
  4. 前記炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体が、メタクリル酸である請求項1〜3のいずれか1つに記載のプレス成形体用重合体粒子。
  5. 前記プレス成形体用重合体粒子が、アルカリ土類金属酸化物を使用するプレス成形体に用いられる請求項1〜4のいずれか1つに記載のプレス成形体用重合体粒子。
  6. 前記脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の重合体が、スチレン系単量体に由来する重合体10重量部以下を含む単量体混合物由来の重合体である請求項1〜5のいずれか1つに記載のプレス成形体用重合体粒子。
  7. 脂肪族(メタ)アクリル酸エステル系単量体94〜99.5重量部と、炭素数3〜10の脂肪族カルボキシル基含有ビニル系単量体0.5〜6重量部を含む単量体混合物を水性媒体中、重合開始剤、界面活性剤及び難水溶性ピロリン酸塩である懸濁安定剤の存在下で懸濁重合することにより、重量平均分子量200,000〜700,000の重合体粒子を得ることを特徴とするプレス成形体用重合体粒子の製造方法。
  8. 前記単量体混合物が、スチレン系単量体を10重量部以下含む請求項7に記載のプレス成形体用重合体粒子の製造方法。
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