JP2012051689A - 昇降機の作業足場装置及びその移動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇降機を設置しようとする昇降路の高さに関係なく、一定量の資材でもって昇降路内の所望の高さに作業用の足場を設置することが可能であって、足場用資材の準備、設置、解体に要する労力・時間を大幅に低減することができる昇降機の作業足場装置及びその移動方法を提供する。
【解決手段】昇降機の作業足場装置において、昇降機の昇降路内に立設されたガイドレール1に摺動自在に係合して設けられた第1の作業足場4と、前記ガイドレール1に摺動自在に係合し、前記第1の作業足場4に隣接して設けられた第2の作業足場5と、を備え、前記第1の作業足場4及び前記第2の作業足場5は、互いに独立して前記ガイドレール1に沿った上下方向に移動させて所定の位置で下方に移動しないように設置することが可能に設けられる構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】昇降機の作業足場装置において、昇降機の昇降路内に立設されたガイドレール1に摺動自在に係合して設けられた第1の作業足場4と、前記ガイドレール1に摺動自在に係合し、前記第1の作業足場4に隣接して設けられた第2の作業足場5と、を備え、前記第1の作業足場4及び前記第2の作業足場5は、互いに独立して前記ガイドレール1に沿った上下方向に移動させて所定の位置で下方に移動しないように設置することが可能に設けられる構成とする。
【選択図】図1
Description
この発明は、昇降機の作業足場装置及びその移動方法に関するものである。
従来、昇降機の設置据付工事時には、昇降機の昇降路内に各種の作業用足場が設置される。この際、設置据付作業は、昇降路内の高さ方向にわたって行われるため、作業の行われる箇所に応じて、様々な高さに対応した足場を用意しなければならない。具体的には、足場工法として、昇降路の最下部から頂部まで順に仮設の作業足場を組立てるといったことが従来において行われている。このような足場工法の作業足場装置においては、足場仮設材の準備や足場の組立・解体に多大な労力が必要となってしまう。
そこで、従来においては、昇降路内を上下に移動する電動式の作業床(ゴンドラ等)を用いた作業足場装置も存在する。
このような、電動式の作業床としては、2つの巻上機を作業床側に設けたもの(例えば、特許文献1参照)や、2つの巻上機を昇降路の頂部側に設けたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。これらは、かご状の作業床(仮設した乗りかご等)をワイヤロープで昇降路内に吊持して、昇降路頂部等に設置した巻上機でワイヤロープを巻き取る又は繰り出すことにより、作業床を上下に移動させるものである。
このような、電動式の作業床としては、2つの巻上機を作業床側に設けたもの(例えば、特許文献1参照)や、2つの巻上機を昇降路の頂部側に設けたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。これらは、かご状の作業床(仮設した乗りかご等)をワイヤロープで昇降路内に吊持して、昇降路頂部等に設置した巻上機でワイヤロープを巻き取る又は繰り出すことにより、作業床を上下に移動させるものである。
このように、従来の足場工法を用いた作業足場装置は、昇降路の規模・高さに合わせて増減する大量の足場仮設材を準備し、設置・解体するものである。従って、昇降路の高さが変わると必要となる足場仮設材の量が変動してしまい、昇降路が高い場合には大量の資材が必要となってしまうという課題や、足場用資材の準備、設置、解体に多大の労力・時間を要するという課題がある。
また、特許文献1や特許文献2に示されるような電動式の作業床を用いた従来の作業足場装置は、作業床を吊持するためのワイヤロープや作業床の昇降を駆動するための巻上機を用いるものである。従って、大規模な駆動装置や安全装置が必要であって、装置の総量が多く構成が複雑になってしまうという課題がある。また、ゴンドラ式の場合、実際に使用するためには法定された許認可の申請や使用時の検査等が必要となるため、これらに多大な時間と手間がかかってしまうという課題もある。後者の課題は、特に小型で施工期間の短い昇降機(小荷物専用昇降機等)の据付設置工事においては、非常に重大な問題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、昇降機を設置しようとする昇降路の高さに関係なく、一定量の資材でもって昇降路内の所望の高さに作業用の足場を設置することが可能であって、足場用資材の準備、設置、解体に要する労力・時間を大幅に低減することができる昇降機の作業足場装置及びその移動方法を得るものである。
また、第2の目的は、大規模な駆動装置や安全装置が不要であって、装置の総量を少なく、構成を簡潔にすることができる昇降機の作業足場装置及びその移動方法を得るものである。そして、第3の目的は、使用するために法定された許認可の申請や使用時の検査等が不要であって、施工準備期間を短縮させることができる昇降機の作業足場装置及びその移動方法を得るものである。
この発明に係る昇降機の作業足場装置においては、昇降機の昇降路内に立設されたガイドレールに摺動自在に係合して設けられた第1の作業足場と、前記ガイドレールに摺動自在に係合し、前記第1の作業足場に隣接して設けられた第2の作業足場と、を備え、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場は、互いに独立して前記ガイドレールに沿った上下方向に移動させて所定の位置で下方に移動しないように設置することが可能に設けられる構成とする。
この発明に係る昇降機の作業足場装置の移動方法においては、上記のように構成された昇降機の作業足場装置を前記ガイドレールに沿った上下方向に移動させる昇降機の作業足場装置の移動方法であって、まず、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の一方を、前記ガイドレールに沿った上下方向のうち所望する方向に移動させて所定の位置で下方に移動しないように設置した後、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の他方を、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の前記一方の位置まで移動させて下方に移動しないように設置して、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場を交互に移動させるものとする。
この発明に係る昇降機の作業足場装置及びその方法においては、昇降機を設置しようとする昇降路の高さに関係なく、一定量の資材でもって昇降路内の所望の高さに作業用の足場を設置することが可能であって、足場用資材の準備、設置、解体に要する労力・時間を大幅に低減することができるという効果を奏する。また、大規模な駆動装置や安全装置が不要であって、装置の総量を少なく、構成を簡潔にすることができるという効果も併せ奏する。
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1から図9は、この発明の実施の形態1に係るものである。図1は、昇降機の作業足場装置の全体構成を示す斜視図である。ここでいう昇降機とは、ガイドレールによって案内される昇降体を昇降させるものであって、例えば、エレベータや小荷物専用昇降機等が該当する。
図において1は昇降機の昇降路(図示せず)内に立設された一対のガイドレールである。これら一対のガイドレール1は略平行となるように、レール支持ブラケット2により支持されている。レール支持ブラケット2は、昇降路内の上下方向に所定の間隔で設けられた建築梁3のそれぞれに一端が固設されている。そして、レール支持ブラケット2の他端側にガイドレール1が固定されている。こうして、一対のガイドレール1は、その長手方向において所定の間隔でレール支持ブラケット2に支持されることによって、略平行に昇降路内に立設される。
図1から図9は、この発明の実施の形態1に係るものである。図1は、昇降機の作業足場装置の全体構成を示す斜視図である。ここでいう昇降機とは、ガイドレールによって案内される昇降体を昇降させるものであって、例えば、エレベータや小荷物専用昇降機等が該当する。
図において1は昇降機の昇降路(図示せず)内に立設された一対のガイドレールである。これら一対のガイドレール1は略平行となるように、レール支持ブラケット2により支持されている。レール支持ブラケット2は、昇降路内の上下方向に所定の間隔で設けられた建築梁3のそれぞれに一端が固設されている。そして、レール支持ブラケット2の他端側にガイドレール1が固定されている。こうして、一対のガイドレール1は、その長手方向において所定の間隔でレール支持ブラケット2に支持されることによって、略平行に昇降路内に立設される。
レール支持ブラケット2は、断面L字状の鋼材からなり、L字状の一辺側が略垂直に、他辺側が略水平になるように配設されている。そして、同じ高さ位置において一対のガイドレール1のそれぞれを支持するレール支持ブラケット2は、略垂直に配置されたL字状の一辺側が互いに対向するように配設される。従って、同じ高さ位置のレール支持ブラケット2の略水平に配置されたL字状の他辺側は、互いに外側に向くことになる。
以上のような昇降路内の構造物に対して、昇降機の据付作業時には、昇降機の作業足場装置が設置される。この作業足場装置は、大きく分けると、前作業足場4及び後作業足場5からなる。前作業足場4の構成を図2に、後作業足場5の構成を図3に、それぞれ示す。なお、図1〜3において、図面に向かって右下を前方向、左上を後ろ方向とする。
まず、前作業足場4の構成について説明する。前作業足場4は、略水平に配置された板状体の足場板6を有している。この足場板6は、前後方向に沿って略平行に配置された2本の横梁7上に載置され固定されている。前作業足場4の横梁7は、足場板6の前後方向の寸法とガイドレール1の前後方向の厚み寸法の和に、さらに所定の寸法を加えただけの長さ寸法を有している。そして、足場板6の後端が横梁7の後端とほぼ一致するように配置され、足場板6の前端から横梁7が突出するようになっている。なお、略平行に配置された横梁7間の距離寸法は、一対のガイドレール1間の距離寸法より小さくされている。
各横梁7それぞれの下面の前寄りには、縦フレーム8の上端が接続されている。これらの縦フレーム8間には横フレーム9が設けられて補強されている。そして、各縦フレーム8の中間部から横梁7の後端部へと斜め控え10がそれぞれ設けられて、足場板6が支持されるようになっている。また、足場板6から突出した各横梁7それぞれの前端部には、掛け金11が回動自在に取り付けられている。そして、足場板6の前端縁部の2箇所及び縦フレーム8の下端の2箇所の計4箇所に、ガイドレール1と摺動自在に係合するガイドシュー12が設けられている。
次に、後作業足場5の構成について説明する。この後作業足場5も、前作業足場4と同様に、略水平に配置された板状体の足場板6を有している。そして、この足場板6は、前後方向に沿って略平行に配置された2本の横梁7上に載置され固定されている点も同様である。ただし、後作業足場5の横梁7は、前作業足場4のものとは長さ寸法が異なっている。後作業足場5の横梁7は、前作業足場4の足場板6と後作業足場5の足場板6の両方の前後方向の寸法及びガイドレール1の前後方向の厚み寸法の和に、さらに所定の寸法を加えただけの長さ寸法を有している。すなわち、後作業足場5の横梁7の長さ寸法は、前作業足場4のものと比較して、概ね、後作業足場5の足場板6の前後方向の寸法分だけ長い。また、略平行に配置された横梁7間の距離寸法は、一対のガイドレール1間の距離寸法より大きくされている。
後作業足場5の足場板6は、その後端が横梁7の後端とほぼ一致するように配置されており、足場板6の前端からは、横梁7が大きく突出している。各横梁7それぞれの下面の前寄りには、縦フレーム8の上端が接続されている。これらの縦フレーム8間には横フレーム9が設けられて補強されている。そして、各縦フレーム8の下端部から横梁7の後端部へと斜め控え10がそれぞれ設けられて、足場板6が支持されるようになっている。また、足場板6から突出した各横梁7それぞれの前端部には、掛け金11が回動自在に取り付けられている。そして、縦フレーム8の上下端の計4箇所に、ガイドレール1と摺動自在に係合するガイドシュー12が設けられている。
このようにして構成された前作業足場4及び後作業足場5がガイドレール1及びレール支持ブラケット2を介して昇降機の昇降路内に設置された状態が図1である。
前作業足場4のガイドシュー12は内側からガイドレール1に摺動自在に係合する。そして、前作業足場4の足場板6がガイドレール1に近接する側に設置される。また、後作業足場5のガイドシュー12は外側からガイドレール1に摺動自在に係合する。そして、後作業足場5の足場板6が前作業足場4の足場板6の反ガイドレール1側に隣接して配置される。
前作業足場4のガイドシュー12は内側からガイドレール1に摺動自在に係合する。そして、前作業足場4の足場板6がガイドレール1に近接する側に設置される。また、後作業足場5のガイドシュー12は外側からガイドレール1に摺動自在に係合する。そして、後作業足場5の足場板6が前作業足場4の足場板6の反ガイドレール1側に隣接して配置される。
この際、前作業足場4の掛け金11が、内側からレール支持ブラケット2の略垂直に配置されたL字状の一辺側に係止されることにより、前作業足場4が設置される。また、後作業足場5の掛け金11が、外側からレール支持ブラケット2の略水平に配置されたL字状の他辺側に係止されることにより、後作業足場5が設置される。このようにして、前作業足場4の足場板6上面と後作業足場5の足場板6上面とが略面一となるようにして、作業足場装置が昇降路内の所望の高さ位置に設置される。
なお、ここで、前作業足場4の掛け金11はレール支持ブラケット2の略垂直に配置されたL字状の一辺側に、後作業足場5の掛け金11はレール支持ブラケット2の略水平に配置されたL字状の他辺側に、それぞれ係止される。このため、前作業足場4と後作業足場5の掛け金11が係止される高さ位置は若干異なることになる。そこで、後作業足場5の足場板6は、前作業足場4のものより、その分だけ厚くすることで、それぞれの足場板6の上面が略面一となるように調整されている。
図4は、前作業足場4及び後作業足場5をレール支持ブラケット2に係止するための掛け金11の構成を拡大して示すものである。
掛け金11は、軸11aを介して、横梁7の前端部に回動自在に取り付けられている。この掛け金11は略台形状を呈し、鋭角状の爪部11bを有している。この爪部11bが、レール支持ブラケット2へと係止される部分である。前作業足場4においては、爪部11bが互いに外側に向くように掛け金11が取り付けられている(例えば、図2)。逆に、後作業足場5においては、爪部11bが互いに内側に対向するように掛け金11が取り付けられている(例えば、図3)。また、爪部11bの反対側には、掛け金11の回動範囲を規制するためのストッパー11cが設けられている。
掛け金11は、軸11aを介して、横梁7の前端部に回動自在に取り付けられている。この掛け金11は略台形状を呈し、鋭角状の爪部11bを有している。この爪部11bが、レール支持ブラケット2へと係止される部分である。前作業足場4においては、爪部11bが互いに外側に向くように掛け金11が取り付けられている(例えば、図2)。逆に、後作業足場5においては、爪部11bが互いに内側に対向するように掛け金11が取り付けられている(例えば、図3)。また、爪部11bの反対側には、掛け金11の回動範囲を規制するためのストッパー11cが設けられている。
図5は掛け金11の回動動作を説明するものである。掛け金11はその台形状の下底が下側に、上底が上側にくるように取り付けられている。そして、爪部11bの特に下底側がレール支持ブラケット2上に掛かることにより、掛け金11がレール支持ブラケット2に係止される。掛け金11は、軸11aを中心にして回動可能に取り付けられている。そして、掛け金11の下底が略水平になった状態で、ストッパー11cが爪部11bの反対側の下底側に当接するように配置されている。
すなわち、これ以上、爪部11bの反対側が下方へと回動しないように、ストッパー11cによって掛け金11の回動範囲が規制されている。図5中に示されるAの範囲において、爪部11bが回動可能である。従って、爪部11bがレール支持ブラケット2上に掛かり、かつ、爪部11bの反対側がストッパー11cに当接した状態において、軸11aに対して図5中の矢印Bの方向から力がかかった場合、掛け金11は回転することなく、この矢印Bの方向からかかる力をレール支持ブラケット2で支持することが可能である。
なお、軸11aの位置は、掛け金11の爪部11b側を下方へと回転させようとする回転モーメントよりも、掛け金11の爪部11b側を上方へと回転させようとする回転モーメントの方が大きくなるように決められている。従って、掛け金11に力が働いていない状態においては、掛け金11の自重によって自動的に掛け金11がストッパー11cに当接した状態へと回動する。
図6は、レール支持ブラケット2に掛け金11が係止する様子を説明する図である。
まず、掛け金11が下方からレール支持ブラケット2へと接近すると(図6の(a))、爪部11bの上端(台形状の斜辺部)がレール支持ブラケット2に当接し、掛け金11が軸11aを中心に爪部11bを下方に移動させる方向に回動を始める(図6の(b))。なおも掛け金11が上方へと移動すると、さらに掛け金11は回動し、爪部11bの先端がレール支持ブラケット2を避ける格好になり、掛け金11がレール支持ブラケット2の上方側に位置するようになる(図6の(c))。
まず、掛け金11が下方からレール支持ブラケット2へと接近すると(図6の(a))、爪部11bの上端(台形状の斜辺部)がレール支持ブラケット2に当接し、掛け金11が軸11aを中心に爪部11bを下方に移動させる方向に回動を始める(図6の(b))。なおも掛け金11が上方へと移動すると、さらに掛け金11は回動し、爪部11bの先端がレール支持ブラケット2を避ける格好になり、掛け金11がレール支持ブラケット2の上方側に位置するようになる(図6の(c))。
掛け金11がレール支持ブラケット2の上方にくると、一旦、爪部11bはレール支持ブラケット2と当接しなくなり、掛け金11は爪部11bの反対側の自重により今までとは反対方向へと回動する。こうして、レール支持ブラケット2の上方において、掛け金11は自動的に水平な状態へと戻る。そして、この状態で、掛け金11が下げられると、レール支持ブラケット2上に掛け金11の爪部11bが係止される(図6の(d))。この状態においては、ストッパー11cにより掛け金11の回動範囲が規制されていることから、掛け金11が回動することはなく、安定して上方からの荷重を受け止めることができる。従って、作業足場が下方へと移動しないように設置される。
このように構成された昇降機の作業足場装置を、昇降機の昇降路内に設置して使用する手順を説明するのが図7である。前作業足場4及び後作業足場5の両方がまだ設置されていない状態が図7の(a)である。前述したように、昇降路内には、上下方向に所定の間隔で設けられた建築梁3及びレール支持ブラケット2によって、一対のガイドレール1が支持されている。まず、この状態において、前作業足場4のガイドシュー12をガイドレール1に摺動自在に係合させ、前作業足場4の掛け金11をレール支持ブラケット2に係止させることにより、前作業足場4を設置する(図7の(b))。
次に、後作業足場5のガイドシュー12をガイドレール1に摺動自在に係合させ、後作業足場5の掛け金11をレール支持ブラケット2に係止させる。この際、後作業足場5の掛け金11が係止されるレール支持ブラケット2は、前作業足場4の掛け金11が係止されているレール支持ブラケット2と同一である。こうして、後作業足場5が設置されると、前作業足場4の足場板6上面と後作業足場5の足場板6上面とが略面一に配置されることになり、昇降路内の所望の高さ位置への作業足場装置の設置が完了する。作業者13は、前作業足場4及び後作業足場5の足場板6上において、安全に作業を行うことができる(図7の(d))。
このようにして昇降路内に設置された昇降機の作業足場装置の設置位置を、上方へと移動する手順を説明するのが図8である。まず、作業者13は、後作業足場5上に乗り、前作業足場4を上方へと移動させる。すなわち、ガイドレール1に案内された状態で前作業足場4を上方へと摺動させ、前作業足場4の掛け金11を1つ上のレール支持ブラケット2に係止させる(図8の(a))。この際、図6で説明した掛け金11の作用により、掛け金11はレール支持ブラケット2の下方から上方へとは容易に移動させることができるが、その逆に、レール支持ブラケット2の上方から下方への移動は制限される。従って、作業者13は、前作業足場4を、その掛け金11が1つ上のレール支持ブラケット2の上方にくるまで持ち上げた後、前作業足場4を少し下げることにより、容易に掛け金11を1つ上のレール支持ブラケット2に係止させることができる。
次に、作業者13は、後作業足場5から前作業足場4へと乗り移り、後作業足場5を前作業足場4と同じ高さ位置まで上方に移動させる。この際、後作業足場5の例えば横フレーム9等に、予め引き上げロープ14を結び付けておき、作業者13は前作業足場4上からこの引き上げロープ14を引き上げるようにすると、容易に後作業足場5を上方へと移移させることができる(図8の(b))。
作業者13が引き上げロープ14を引き上げることにより、ガイドレール1に案内された状態で後作業足場5を上方へと摺動させ、前作業足場4の掛け金11が係止されているのと同じレール支持ブラケット2に、後作業足場5の掛け金11を係止する。そうすると、前作業足場4と後作業足場5のそれぞれの足場板6の上面が略面一に配置され、前作業足場4及び後作業足場5は元あった高さ位置から上方へと移動されたことになる(図8の(c))。こうして、作業足場装置の上方への移動が完了する。後は、前作業足場4及び後作業足場5を交互に移動させることにより、作業足場装置を所望の位置に移動することができる。
なお、作業足場装置の下方への移動も、基本的に上方への移動と同様の手順により行うことができる。ただし、前作業足場4及び後作業足場5を下方に移動させるためには、レール支持ブラケット2への掛け金11の係止を一旦外す必要がある。従って、まず、移動させようとする足場を一度少し持ち上げた上で、掛け金11の爪部11bを下方に押し下げる。この状態で作業足場を下げると、掛け金11は係止されていたレール支持ブラケット2を通過する。そして、掛け金11の爪部11bへの押し下げを解放してさらに作業足場を下げると、掛け金11は1つ下のレール支持ブラケット2に係止されて作業足場は下方へと移動される。
なお、図8に示した作業足場を移動させる手順においては、前作業足場4を作業者13が直接持ち上げ、後作業足場5を引き上げロープ14(1:1ローピング)により引き上げた。この点については、例えば、図9に示すようなローピングを使って、作業足場を引き上げる際に必要な力を小さくするようにしてもよい。この図9においては、図面に向かって右が前側、左が後側である。
このローピングにおいては、引き上げロープ14の一端を前作業足場4の2つの横フレーム9のうち下側のものに緊結する。そして、前作業足場4の足場板6の後側から足場板6の上側へと引き回す。次に、前作業足場4の足場板6の前側から当該足場板6と上側の横フレーム9との後を通し、後作業足場5の横フレーム9に巻き掛ける。そして、引き上げロープ14の他端は、前作業足場4の上側の横フレーム9に緊結されている。
このように掛けられた引き上げロープ14を用いて、前作業足場4を上方へと移動させる場合には、作業者13は、引き上げロープ14の図9中Cで示される部分を上方へと引き上げる。この前作業足場4を引き上げる際のローピングは1:1ローピングになっている。また、後作業足場5を上方へと移動させる場合には、作業者13は引き上げロープ14の図9中Dで示される部分を上方へと引き上げればよい。この後作業足場5を引き上げる際のローピングは2:1ローピングになっており、引き上げに必要な力が軽減されている。
ここで説明したものは、作業足場を引き上げる際のローピングを2:1ローピングとする例であるが、このローピングの比を4:1等にすることにより、さらなる省力化が可能である。また、ロープではなくジャッキ等の他の倍力機構や、限定された範囲の出力をもつ動力を用いるようにしてもよい。
なお、以上において説明した作業足場装置においては、前作業足場4及び後作業足場5が同じ高さ位置にある場合には、前作業足場4の足場板6が、後作業足場5の横梁7上にある。従って、作業足場装置を上方に移動させる時には前作業足場4を、下方に移動させる時には後作業足場5を、先に移動させる必要がある。しかし、この点については、前作業足場4の足場板6が、後作業足場5の横梁7上に位置しないように前作業足場4及び後作業足場5を構成することにより、作業足場装置を移動させる際に、前作業足場4及び後作業足場5のどちらから先に移動させてもよいようにすることができる。
また、ここでは、前作業足場4の掛け金11は一対のガイドレール1の内側から、後作業足場5の掛け金11は一対のガイドレール1の外側から、それぞれレール支持ブラケット2に係止されるようにした。しかし、この点については、位置関係を逆に、すなわち、前作業足場4の掛け金11が外側から、後作業足場5の掛け金11が内側から、それぞれレール支持ブラケット2に係止されるようにしてもよい。
以上のように構成された昇降機の作業足場装置は、ガイドレール1に摺動自在に係合して設けられた第1の作業足場である前作業足場4と、ガイドレール1に摺動自在に係合し、前作業足場4に隣接して設けられた第2の作業足場である後作業足場5と、を備えている。そして、前作業足場4及び後作業足場5は、互いに独立してガイドレール1に沿った上下方向に移動させて所定の位置で下方に移動しないように設置することが可能に設けられている。
また、以上のように構成された昇降機の作業足場装置の移動方法は、まず、前作業足場4及び後作業足場5の一方を、ガイドレール1に沿った上下方向のうち所望する方向に移動させて所定の位置で下方に移動しないように設置した後、次に、他方の作業足場を、一方の作業足場の位置まで移動させて下方に移動しないように設置して、前作業足場4及び後作業足場5を交互に移動させるものである。
このため、昇降機を設置しようとする昇降路の高さに関係なく、一定量の資材でもって昇降路内の所望の高さに作業用の足場を設置することが可能であって、足場用資材の準備、設置、解体に要する労力・時間を大幅に低減することができる。また、大規模な駆動装置や安全装置が不要であって、装置の総量を少なく、構成を簡潔にすることができ、かつ、使用するために法定された許認可の申請や使用時の検査等が不要であって、施工準備期間を短縮させることができる。従って、特に小荷物専用昇降機等の小型で施工期間の短い昇降機の据付設置工事に好適である。
また、係止手段である掛け金11をレール支持ブラケット2に係止することにより、前作業足場4及び後作業足場5を設置するようにしたため、元から昇降機の昇降路内にあるレール支持ブラケット2を有効に活用して、前作業足場4及び後作業足場5が下方に移動しないように設置することが可能であり、作業足場装置の構成を簡潔なものとすることに貢献している。
そして、一方の作業足場の掛け金11と、他方の作業足場の掛け金11とが、レール支持ブラケット2に対して内側と外側の異なる側から係止されるようにしたため、前作業足場4及び後作業足場5を交互に移動させる際に、これらの掛け金11が干渉してしまうことを未然に防止することができる。
1 ガイドレール
2 レール支持ブラケット
3 建築梁
4 前作業足場
5 後作業足場
6 足場板
7 横梁
8 縦フレーム
9 横フレーム
10 斜め控え
11 掛け金
11a 軸
11b 爪部
11c ストッパー
12 ガイドシュー
13 作業者
14 引き上げロープ
2 レール支持ブラケット
3 建築梁
4 前作業足場
5 後作業足場
6 足場板
7 横梁
8 縦フレーム
9 横フレーム
10 斜め控え
11 掛け金
11a 軸
11b 爪部
11c ストッパー
12 ガイドシュー
13 作業者
14 引き上げロープ
Claims (6)
- 昇降機の昇降路内に立設されたガイドレールに摺動自在に係合して設けられた第1の作業足場と、
前記ガイドレールに摺動自在に係合し、前記第1の作業足場に隣接して設けられた第2の作業足場と、を備え、
前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場は、互いに独立して前記ガイドレールに沿った上下方向に移動させて所定の位置で下方に移動しないように設置することが可能に設けられることを特徴とする昇降機の作業足場装置。 - 前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場は、前記ガイドレールを支持するレール支持ブラケットに係止されることにより前記第1の作業足場又は前記第2の作業足場を下方に移動しないように設置するための係止手段をそれぞれ備えたことを特徴とする請求項1に記載の昇降機の作業足場装置。
- 前記係止手段は、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の一方に設けられ、略平行に配設された一対の前記ガイドレールの内側から前記レール支持ブラケットに係止される掛け金と、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の他方に設けられ、略平行に配設された一対の前記ガイドレールの外側から前記レール支持ブラケットに係止される掛け金と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の昇降機の作業足場装置。
- 前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の少なくとも一方に設けられ、前記第1の作業足場又は前記第2の作業足場の一方の上に乗った作業者の操作により、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の他方を前記ガイドレールに沿った上下方向に移動させる倍力機構を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の昇降機の作業足場装置。
- 前記倍力機構は、ローピングを利用したものであることを特徴とする請求項4に記載の昇降機の作業足場装置。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の昇降機の作業足場装置を、前記ガイドレールに沿った上下方向に移動させる昇降機の作業足場装置の移動方法であって、
まず、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の一方を、前記ガイドレールに沿った上下方向のうち所望する方向に移動させて所定の位置で下方に移動しないように設置した後、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の他方を、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場の前記一方の位置まで移動させて下方に移動しないように設置して、前記第1の作業足場及び前記第2の作業足場を交互に移動させることを特徴とする昇降機の作業足場装置の移動方法。
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- 2010-09-01 JP JP2010195649A patent/JP2012051689A/ja active Pending
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