JP2012046886A - 枠型汚濁防止膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】枠型汚濁防止膜12は、水中に設置された状態で、枠型14の上端部に固定されるフロート18から、枠型14が垂れ下がる。そして、パイプ16に、液体供給手段20から水が供給されて所定圧に維持されることで、パイプ16が緊張状態となり、外周面にパイプ16が固定された枠型は、パイプ16によって所定の環状形が維持される。ここで、パイプの環状部16Aは、液体供給手段20から水が供給されて所定圧に維持されることで、円環状をなすことから、外周面にパイプの環状部16Aが固定された枠型14は、円環形状が維持される。したがって、潮流等の外力の影響によるふかれ等、枠型汚濁防止膜12の不用意な変形を防ぐことができる。
【選択図】図1
Description
この工法で用いられる汚濁防止膜には、耐久性、耐寒性、耐薬品性、耐光性等に優れた高強度のポリエステル繊維等からなるキャンバスシートが用いられる。又、このシートがフロートによって水面から水底に向けて垂れ下がる態様で設置される垂下型と、シートの底辺が水底に固定された状態で、フロートの浮力により水中に立ち上がる態様で設置される自立型とが、適宜選択される(例えば、非特許文献1)。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、枠型汚濁防止膜のふかれ等、不用意な変形を防止し、浚渫作業を確実に行いつつ、周辺水域の濁りの発生を、より効果的に抑えることにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、水中に設置された状態で、枠型の上端部に固定されるフロートから垂れ下がる。そして、パイプに、液体供給手段から液体が供給されて所定圧(設置水域の水圧よりも高い圧であれば良い)に維持されることで、パイプが緊張状態となり、外周面にパイプが固定された枠型は、パイプによって所定の環状形が維持される。そして、ふかれ等の、不用意な変形の発生を防ぐものである。なお、枠型とパイプとを同じ材質のシート材で形成することで、シート材の調達コストを抑えることが可能となる。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、パイプの環状部が枠型の周方向に沿って固定されていることから、パイプに液体供給手段から液体が供給されて所定圧に維持されることで、パイプが環状に緊張した状態となる。そして、外周面にパイプが固定された枠型は、パイプによって所定の環形状が維持される。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、円環状に形成されたパイプの環状部に、液体供給手段から液体が供給されて所定圧に維持されることで、パイプが緊張して円環状をなすものである。そして、外周面にパイプが固定された枠型は、パイプによって円環形状が維持される。このため、枠型汚濁防止膜の内部にて、グラブ浚渫船等のグラブバケットを用いた浚渫作業を行う場合にも、円環形状が維持された枠型の内部で、グラブバケットは、枠型の中心を基準として、平面方向のいずれにも等距離で作業空間が確保されることとなり、グラブバケットの接触による枠型の破損のおそれが低減される。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、パイプの直線状部が枠型の上下方向に固定されていることから、パイプに液体供給手段から液体が供給されて所定圧に維持されることで、パイプが直線状に緊張した状態となる。そして、外周面にパイプが固定された枠型は、パイプによって、上下方向へと延びた状態が維持される。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、パイプの螺旋状部が枠型の上端と下端との間に固定されていることから、パイプに液体供給手段から液体が供給されて所定圧に維持されることで、パイプが螺旋状に緊張した状態となる。そして、外周面にパイプが固定された枠型は、パイプによって円環形状が維持される。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、パイプの環状部、直線状部、あるいは螺旋状部のうちの2つ以上が適宜組み合わされて、枠型の環状形が維持されるものである。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、各々独立した給水バルブを介して、液体供給手段から液体が供給されて、各々の形状に緊張した状態となるものである。このように、各パイプに独立して液体の供給を行うことで、各パイプには確実に液体の供給が行われることとなる。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、いずれかのパイプの給水バルブを介して、液体供給手段から液体が供給されて、各パイプに対して液体の供給が行われ、各々の形状に緊張した状態となるものである。各パイプに対して、1つの給水バルブから液体の供給を行うことで、液体供給作業を簡単にするものである。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、各パイプに対する液体供給が完了した後に、パイプと液体供給手段との接続を解除することで、グラブ浚渫船等と共に移動する際の取り回しを容易にするものである。又、各パイプに対する液体供給が完了した後は、液体供給手段の運転を停止するものである。
(10)上記(7)、(8)項において、前記各パイプへの液体供給完了後も前記液体供給手段との接続が維持され、常時液体供給手段から液体が供給されることで、各パイプの内部圧力が維持される枠型汚濁防止膜。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、仮に、パイプやバルブの破損等のトラブルが発生しても、常時液体供給手段から液体が供給されることで、各パイプの内部圧力が維持されるものである。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、枠型が、一定幅の柔軟なシート材の両端部同士が固定されて、環状に構成されているものであり、汚水の流出が生じ易い接続部を、周方向の一箇所のみとすることで、枠型汚濁防止膜の側面からの、汚水流出リスクを低減させるものである。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、フロートが平面視で矩形をなすことで、従来の枠型防止膜のフロートを流用することが可能であり、また、フロートを新造する場合であっても、その製造は容易である。又、枠型の上端部が四分割されていることにより、各端片が矩形のフロートの各辺に沿って確実に固定される。なお、枠型の上端部は、矩形のフロートと固定されることで矩形の開口を呈するが、フロートから垂下する部分は、パイプの形状維持機能により、所定の筒状の連続壁面を構成するものとなる。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、枠型の下端に沿って固定されている鋼製チェーンが錘となって、下側に引っぱられることにより、垂下型の枠型汚濁防止膜を構成するものである。
(14)上記(1)から(13)項において、前記枠型の上端と下端との間に鋼製チェーンが固定されている枠型汚濁防止膜。
本項に記載の枠型汚濁防止膜は、枠型の上端と下端との間に固定されている鋼製チェーンが錘となって、下側に引っぱられることにより、垂下型の枠型汚濁防止膜を構成するものである。
枠型14及びパイプ16は、従来の枠型4(図4参照)と同様のキャンバスシートが用いられている。そして、図1の例では、パイプ16として、所定圧の水で満たされた状態で、円環状をなすように形成された環状部16Aが、枠型14の周方向に沿って、所定の間隔を空けて3箇所に固定されている。又、図2の例では、環状部16Aに加え、両端閉鎖の直線状部16Bが、枠型14の上下方向に向けて、等間隔を空けて8箇所に固定されている。パイプ16の環状部16A、直線状部16B共に、液体供給手段20により供給される水の所定の圧力に耐えうるだけの強度で、かつ、水中で、内部に供給された水が漏れ出さない程度の密閉性が確保されるように、管状に縫製されたものである。又、図示は省略するが、パイプ16には、枠型14の上端と下端の間に、両端閉鎖の螺旋状部が含まれることとして良い。又、パイプ16の設置数は、枠型4の直径、長さ、想定される外力の影響等を勘案して、適宜設定されるものである。
更に、図1の例では、枠型14の下端に沿って鋼製チェーン28が固定されている。又、枠型14の上端と下端との間にも鋼製チェーン30が固定されている。
なお、枠型14とパイプ16とは、夫々、縫い付け、接着等、適切な方法によって固定されている。又、枠型汚濁防止膜12の枠型14及びパイプ16は、工場等で予め完成品として、設置現場まで搬入しても良く、搬入の容易性を向上させるために、複数片に分割された状態で設置現場に搬入して、現地で全体をつなぎ合わせることとしても良い。
更に、鋼製チェーン28、30の固定作業も、適宜、枠型14とパイプ16とを設置現場に搬入してから行うことが望ましい。
その他、グラブ浚渫船10に対する枠型汚濁防止膜12の固定方法は、従来(図4)と同様であることから、説明を省略する。
本項に記載の枠型汚濁防止膜12は、水中に設置された状態で、枠型14の上端部に固定されるフロート18から、枠型14が垂れ下がる。そして、パイプ16に、液体供給手段20から水が供給されて所定圧に維持されることで、パイプ16が緊張状態となり、外周面にパイプ16が固定された枠型は、パイプ16によって所定の環状形が維持される。したがって、枠型汚濁防止膜12のふかれ等の、枠型14の不用意な変形の発生を防ぐことができる。なお、枠型14とパイプ16とを同じ材質のシート材で形成することで、シート材の調達コストを抑えることが可能となる。
なお、図示は省略するが、パイプ16として螺旋状部を設け、これを枠型14の上端と下端との間に固定することとすれば、パイプに液体供給手段20から水が供給されて所定圧に維持されることで、螺旋状のパイプは緊張した状態となる。そして、外周面に螺旋状のパイプが固定された枠型は、円環形状が維持されることとなる。
そして、パイプ16の環状部16A、直線状部16B、螺旋状部のうちの2つ以上が適宜組み合わされることで、枠型14の所定の環状形が、確実に維持されるものである。
一方、必要に応じ、複数のパイプ16同士が連通し、いずれかのパイプに給水バルブ26を備えることとしても良い。この場合には、いずれかのパイプの給水バルブ26を介して、液体供給手段20から水が供給されて、各パイプに対して給水が行われ、各々の形状に緊張した状態となるものであり、各パイプ16に対して、1つの給水バルブ26から給水を行うことで、給水作業が簡単になる。
一方、各パイプ16への給水完了後も液体供給手段20のホース24との接続を維持してもよく、この場合には、常時液体供給手段20から水が供給されることで、仮に、パイプ16やバルブ26の破損等のトラブルが発生しても、常時液体供給手段20から水が供給されることで、各パイプ16の内部圧力が維持されることとなる。
更に、フロート18が矩形をなすことで、従来の枠型防止膜のフロートを流用することが可能であり、また、フロートを新造する場合であっても、その製造は容易となる。又、枠型14の上端部が四分割されていることにより、各端片143が矩形のフロート18の各辺に沿って確実に固定されるものとなる。なお、枠型14の上端部は、矩形のフロート18と固定されることで、図1に示されるように矩形の開口を呈するが、フロート18から垂下する部分は、パイプ16(16A、16B)の形状維持機能により、円筒状の連続壁面を構成するものとなる。なお、フロート18は矩形に限定されるものではなく、円形、多角形等を選択することも可能である。
なお、本発明の実施の形態では、この枠型14がフロート18によって水面から水底に向けて垂れ下がる態様で設置される垂下型を例示して説明したが、枠型14の底辺が水底に固定された状態で、フロート18の浮力により水中に立ち上がる態様の、自立型にも採用可能である。また、本説明では、枠型汚濁防止膜12を、グラブ浚渫船等を用いた浚渫作業に用いる場合を例に挙げて説明したが、その他の工法、例えば埋め戻し作業や石材等の投入工事において用いることでも、濁水の拡散を有効に防ぐことが可能である。
Claims (7)
- 柔軟なシート材からなり上下端部が開放された環状の枠型と、柔軟なシート材からなり前記枠型の外周面に固定されるパイプと、前記枠型の上端部に固定されるフロートと、前記パイプ内を所定圧の液体で満たすための液体供給手段とを含むことを特徴とする枠型汚濁防止膜。
- 前記パイプには、前記枠型の周方向に沿って固定された環状部が含まれることを特徴とする請求項1記載の枠型汚濁防止膜。
- 前記パイプの環状部は、所定圧の液体で満たされた状態で、円環状をなすように形成されていることを特徴とする請求項2記載の枠型汚濁防止膜。
- 前記パイプには、前記枠型の上下方向に固定された、両端閉鎖の直線状部が含まれることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の枠型汚濁防止膜。
- 前記パイプは、前記枠型の外周面に複数固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の枠型汚濁防止膜。
- 前記枠型は、一定幅の柔軟なシート材の両端部同士が固定されて、環状に構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の枠型汚濁防止膜。
- 前記フロートは平面視で矩形をなし、前記枠型は、上端部の周長を四分割する位置に一定深さの切れ目が形成され、四分割された上端部の各端片が、前記矩形のフロートの各辺に固定されてなることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の枠型汚濁防止膜。
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