JPH1150425A - 水中汚濁の遮蔽装置 - Google Patents

水中汚濁の遮蔽装置

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JPH1150425A
JPH1150425A JP21064497A JP21064497A JPH1150425A JP H1150425 A JPH1150425 A JP H1150425A JP 21064497 A JP21064497 A JP 21064497A JP 21064497 A JP21064497 A JP 21064497A JP H1150425 A JPH1150425 A JP H1150425A
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JP
Japan
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water
rubber body
pollution
underwater
shielding
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JP21064497A
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Yasuyuki Kosaka
康之 小坂
Katsuhiko Yamada
克彦 山田
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Kaiwa Tec Ltd
Original Assignee
Kaiwa Tec Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中汚濁の遮蔽装置を軽量で可撓性に富む材
質で構成し、対象領域に対する幅の広い順応性を付与す
るとともに、装置の平面的移動ならびに上下方向の移動
がいずれも簡単容易な操作のもとに行われる水中汚濁の
遮蔽装置を提供する。 【解決手段】 可撓性を有して流体を密閉封入し得る袋
状のゴム体よりなる主フロート1と、端縁6を主フロー
ト1に固着され、水中で発生した汚濁を遮蔽するために
水中に立設されるキャンバスシート5と、該シート5を
水中に立設するために該シート5に付設されるウエイト
チェン7などをそなえることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水中汚濁の遮蔽
装置に関するものである。
【0002】一般に水中汚濁は、その汚濁の発生源の存
在箇所、あるいは汚濁の遮蔽が最も必要とされる箇所な
どに応じ、便宜上遮蔽実施の地点を水中の深度に応じて
分類して、水面付近、中間深さ、あるいは水底付近など
のように分けて対応することがある。この発明は、この
ような分類にしたがって対応地点を特定する場合、特に
水底付近の発生汚濁に対する遮蔽装置の構造に関するも
のである。
【0003】
【従来の技術】水中汚濁の遮蔽装置、特に水底付近の発
生汚濁に対する遮蔽装置に関する従来技術としては、一
例をあげると、水面上(あるいは水中)にキャンバスシ
ートの張設枠としての気密構造の鋼管を位置させ、下面
に吊るした重錘によってほぼ静置状態に横設し、遮蔽用
のキャンバスシートの上端縁を前記鋼管の下面に取り付
ける。キャンバスシートの下端縁あるいはその中間部に
は、該シートを水底近くの水中で垂直に張設するための
重錘など(重錘あるいは重錘にかえて、または重錘とと
もに使用されるフロートなどを併せて称するものとす
る)が付設されている。ポンプを用いて前記鋼管内の水
と空気との置換を行うことにより、前記重錘などとの釣
り合いを勘案しながら、水中における鋼管の位置を所望
の深さに位置付けることが可能である。このようにして
水底近くのキャンバスシートの立ち上がりの態様を調節
することができ、水中の所望の箇所に対する汚濁の遮蔽
を実現することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の装
置によって水中汚濁の遮蔽を行おうとする場合、つぎの
ような不具合点がある。
【0005】a)汚濁遮蔽の対象領域は必ずしも直線で
仕切られた形であるとは限らず、曲線で囲まれた形であ
る場合もあり、また水底の起伏も平坦でない場合が多い
ことから、キャンバスシートの張設枠は鋼管のような剛
体に近いものよりもフレキシブルな柔軟性のある材料、
たとえばゴムないしはゴムを主体としたものである方が
望ましい。
【0006】b)本課題のように特に水底付近の発生汚
濁に対する遮蔽装置では、装置を移動する必要がしばし
ば発生することが予想されるが、張設枠が鋼管でできて
いると、装置自体の重量が大きいことに加え、構造上移
動がきわめて困難である。また、水深が深くなると、水
上からの操作によって装置の位置決めを行うなどの作業
は、さらにやりにくい作業となる。
【0007】c)従来の鋼管式の場合に、たとえば装置
の移動が必要となって、そのため鋼管に対し移動を容易
にするための浮力を与えようとする場合、鋼管内の水を
追い出してそのあとに空気を装填する必要がある。もち
ろんポンプを使って鋼管内に空気を圧入することによ
り、鋼管内の水を押し出して水と空気との置換操作を行
うのであるが、水深の深い場合などには、隣接鋼管との
バランス調整の問題もあって該作業がかなり煩雑な作業
となる。
【0008】この発明は、上記のような不具合点にかん
がみてなされたもので、遮蔽装置の張設枠を、軽量でし
かも可撓性に富む材質で構成し、もって汚濁遮蔽の対象
領域に対する幅の広い順応性を付与するとともに、装置
の設置場所の平面的移動ならびに上下方向の移動がいず
れも簡単容易な操作のもとに行うことのできる水中汚濁
の遮蔽装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題解決のため
に、この発明にかかる水中汚濁の遮蔽装置は、可撓性を
有して流体を密閉封入し得る袋状のゴム体と、端縁を前
記ゴム体に固着され、水中で発生した汚濁を遮蔽するた
めに水中に立設されるキャンバスシートと、前記キャン
バスシートを水中に立設するためにキャンバスシートに
付設される重錘およびフロートの少なくとも一方とをそ
なえている。
【0010】前記の装置によって水中の汚濁を遮蔽する
には、可撓性を有する袋状のゴム体を水中に横設し、キ
ャンバスシートの端縁を前記ゴム体に固着して、キャン
バスシートをゴム体の下に垂れ下がらせる。たとえば遮
蔽装置の目的が、特に水底付近の発生汚濁に対する遮蔽
にあるとすると、キャンバスシートに付設される重錘あ
るいは重錘とともに使用されるフロートなどを調整し
て、キャンバスシートが水中において立設する態様を、
該シートの下端縁が水底面とスレスレあるいは多少引き
摺る状態にあるようにされる。これにより、キャンバス
シートの上端を支持するゴム体は、汚濁遮蔽の対象領域
の形状に対して幅の広い順応性を発揮するとともに、装
置の移動に対してきわめて簡単容易で、且つ軽快な移動
を実現することが可能となる。
【0011】この水中汚濁の遮蔽装置は、請求項2のよ
うに、前記袋状のゴム体に流体を圧入するための手段を
そなえていると便利である。このように構成すると、た
とえば遮蔽装置を他の場所へ移動したいとき、あるいは
その他の理由によって、装置全体に対して現状よりもさ
らに浮力を増大させたいとき、流体圧入の手段としての
エヤポンプをそなえていると、これを使って前記袋状の
ゴム体にエヤを圧入することにより、きわめて簡単容易
に且つ迅速に浮力の追加を実現することができる。
【0012】この水中汚濁の遮蔽装置において、請求項
3のように、前記袋状のゴム体のそなえる可撓性が、流
体を封入した封入口を開放したとき、該ゴム体の復元力
によって内部の流体を自動的に外部に排除する強さをそ
なえることもできる。このように構成すると、前記ゴム
体に封入されているエヤの一部または全部をゴム体から
抜き出す操作がきわめて急速に、且つその操作を実現す
るための付加的構成を殆ど必要とすることなく、簡単容
易に実施することができる。
【0013】この水中汚濁の遮蔽装置は、請求項4のよ
うに、可撓性を有して流体を密閉封入し得る袋状のゴム
体と、端縁を前記ゴム体に固着され、水中で発生した汚
濁を遮蔽するために水中に立設されるキャンバスシート
と、キャンバスシートに付設される重錘などとをそなえ
る遮蔽装置を用いて、一定広さの遮蔽空間の、底面を除
く周囲の全部または一部を包囲し得る被覆体を構成する
ことができる。
【0014】このように構成された被覆体は、底面を除
いて一定の遮蔽空間の天井部分を含む全周面あるいは一
部の周面を、請求項1に規制される構成に基づいて包囲
された遮蔽空間を形成するもので、外部の空間から完全
に隔絶された独立の遮蔽空間と称すべきものである。こ
のように構成された被覆体は、これを水底面に沿って静
かに移動させるとき、一定広さの空間における高精度の
汚濁遮蔽機能を、温存したまま自由に移動することが可
能となり、移動を伴う水中汚濁の遮蔽作業に関して、局
部的な機能の集中化による高効率の成果が得られる。た
とえば水底を掘削する部分的な作業が、水底面に沿って
連続的に移動して行われる場合に、前記請求項4にかか
る遮蔽装置を掘削作業の移動とともに移動させて行くこ
とにすれば、汚濁の遮蔽範囲をごく限られた狭い空間に
限定することが可能となって、そのことによる作業能率
の向上はもとより、掘削作業そのものの能率増進、ある
いは経費節減等の副次的効果が期待される。
【0015】この構成の被覆体は、前記水底を随時移動
する掘削機と共動して作業する場合などに、掘削機の構
成ないし形状などに応じて、包囲する全周面のうち、た
とえば前面あるいは天井面などの一部または全部が開放
された構成とされることがある。また、水底の汚濁の濃
度が極端に水深に応じて偏倚し、底面から上昇するにつ
れて急激に汚濁濃度が希薄になる状態の汚濁の場合など
には、請求項4の被覆体の構成から天井部分を除外する
場合も当然にあり得る。
【0016】あるいは請求項5のように、請求項4記載
の水中汚濁の遮蔽装置が前記袋状のゴム体に流体を圧入
するための手段をそなえることもできる。このように構
成すると、請求項2におけると同様に、エヤポンプ等を
使って前記袋状のゴム体にエヤを圧入することにより、
きわめて簡単容易に、且つ迅速に浮力の追加を実現する
ことができる。
【0017】あるいは請求項6のように、請求項4また
は5記載の水中汚濁の遮蔽装置において、前記袋状のゴ
ム体のそなえる可撓性が、流体を封入した封入口を開放
したとき、該ゴム体の復元力によって内部の流体を自動
的に外部に排除する強さをそなえていてもよい。このよ
うに構成すると、請求項3におけると同様に、前記ゴム
体に封入されているエヤの一部または全部をゴム体から
抜き出す操作が、きわめて急速に、自動的に行われ、し
かもその操作を実現するための付加的構成を殆ど必要と
することなく、簡単容易に実施することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明にかかる水中汚濁の遮蔽
装置について、実施の形態を図面に基づいて以下に詳し
く説明する。図1は、この発明にかかる水中汚濁の遮蔽
装置の一実施例が水中に立設されている斜視図、図2
(a),(b)は、いずれも該遮蔽装置の水中における
互いに異なる態様を示す断面図、図3はこの発明装置を
用いて、一定広さの空間の底面を除く全周囲を包囲し得
る構成とした被覆体と、これを制御するための台船との
配置を示す全体図である。
【0019】図1,図2において、主フロート1は袋状
のゴム体よりなり、可撓性をそなえる長尺体として合成
ゴムなどにより構成される。内部に形成される袋状のす
きま2には、水またはエヤを密閉状態に封入することが
でき、エヤの封入によって水中におけるフロートとして
の浮力を発揮することができる。補助フロート3は合成
ゴムあるいは強力ポリエステルシートなどよりなり、主
フロート1との間をワイヤ4によって繋がれていて、常
に水面に浮上させている。したがって主フロート1の所
在を水面上において確認するための標識となるととも
に、主フロート1の浮力の助成を負担することも可能で
ある。キャンバスシート5は、強力ポリエステルシート
などによって作成され、端縁6を主フロート1に固着さ
れて、水中で発生した汚濁(通称「シルト」という)を
遮蔽するために水中に立設される。そのためにキャンバ
スシート5の下端にはウエイトチェン7が付設される。
さらにキャンバスシート5の途中の表面上には、必要に
応じて随所に重錘あるいはフロートなどが設けられて、
キャンバスシート5の水中における姿勢の調整が図られ
ている。
【0020】主フロート1のすきま2に対して水または
エヤを圧送封入するために、電動ポンプ8およびホース
9が設けられている。電動ポンプ8とホース9との接続
箇所の近傍には、切換弁10が介設されている。切換弁
10を放出側に切り換えることにより、封入側からの背
圧と主フロート1のすきま2を閉じる方向への復元力と
によって、すきま2の内部に封入されている流体は自動
的にすきま2の外側に急速に排除される。
【0021】以上の構成をそなえる水中汚濁の遮蔽装置
によって、たとえば水底に近い特定の箇所の汚濁を遮蔽
するには、該箇所の周辺に図1の構造をそなえる遮蔽装
置の必要量を配置し、該領域の形状に合わせてこれらを
互いにつなぎ合わせて汚濁の漏れる箇所のないように取
り囲む。領域が広くて全体の形状が随所に不規則な曲線
部分を含むような場合には、この発明装置における主フ
ロートの可撓性を活かすことによって、きわめて順応性
に富んだ対応の実施が可能である。まず、現地の水深状
況ならびに必要な遮蔽高さから算出された寸法のキャン
バスシート5を用意し、水面から主フロート1を図2
(b)の状態に吊り下げるための十分な長さをそなえる
ワイヤ4,およびホース9などを用意しておく。図2
(b)の状態から電動ポンプ8を稼働して主フロート1
のすきま2にエヤを送給し、主フロート1の浮力を増大
してこれを上昇させ、同図(a)の状態に持って行く。
主フロート1によって囲まれる境界線の不規則な出入
り、ならびに水底の起伏によって要求される主フロート
1の上下方向の高低差に対しては、主フロート1の可撓
性によって十分に柔軟に対応することができる。
【0022】つぎに、この遮蔽装置を撤収のため、ある
いはその他の理由によってこれを収納するには、それぞ
れの主フロートに属する電動ポンプ8の切換弁10を放
出側に切り換える。その結果、封入側からの背圧と、主
フロート1の可撓性によって生じるすきま2を閉じる方
向への復元力とによって、内部のエヤは自動的に且つ急
速に外部に排除されるので、主フロート1は浮力を失っ
てその結果主フロート1ならびにキャンバスシート5
は、図2(b)の状態で水底に沈下する。これを一方の
端から陸地に引き上げ、あるいは船上に引き上げること
によって全体の収納作業を行うことができる。
【0023】図3は、請求項4に基づく異なる実施例の
ものを示し、図中の被覆体11は、請求項1に基づく遮
蔽装置を用いて、一定広さの空間の底面を除く全周囲を
包囲して構成したものである。本実施例の被覆体11
は、内部に形成される遮蔽空間12の中に水底掘削機1
3を収容し、その周囲を主フロート14、天井15、前
部16、後部17、ならびに左右の側部18,19、お
よびウエイトチエン20によって包囲することにより、
外部の空間から完全に隔絶された独立の遮蔽空間12を
形成している。補助フロート21は、常に水上にあって
その下方の水中に主フロート14が存在することを水面
上において確認するための標識となるとともに、主フロ
ート14の浮力の助成を負担する役目を果たすことは、
図1の実施例における主フロート1と補助フロート3と
の関係と全く同様である。
【0024】以上のように構成された被覆体11は、こ
れを水底面に沿って静かに移動させるとき、一定広さの
局部的空間に対し、高精度の汚濁遮蔽機能を温存したま
まで自由に移動することが可能である。このことは、移
動を伴う水中汚濁の遮蔽作業に対して、局部的な機能の
集中化による高効率の成果が得られることになる。たと
えば、水底を掘削する部分的な作業が、水底面に沿って
連続的に移動して行われる場合などに、前記請求項4に
かかる遮蔽装置を掘削作業の移動とともに移動させるこ
とにすれば、汚濁の遮蔽範囲をごく限られた狭い空間に
限定することが可能となって、予期しない作用効果がも
たらされる。
【0025】図3はこのような水底掘削作業における汚
濁遮蔽装置として、作業の進捗に応じてその移動速度と
同調して移動させるようにした請求項4にかかる遮蔽装
置の一実施例を示す。同図において、水底掘削機13は
台船22により、ワイヤ23によって水底を徐々に前進
させられ、その間に所定のピッチのもとに穴24を掘り
進める。これと同時に、水底掘削機13による掘削作業
によって発生する水中汚濁(シルト)を遮蔽するための
被覆体11も、曳行索25を用いて台船22に結び付け
られており、水底掘削機13の移動と一緒に移動させら
れる。主フロート14に水またはエヤを圧送封入するた
めに、電動ポンプ26およびホース27が設けられてい
る。電動ポンプ26とホース27との接続箇所の近傍に
は、切換弁28が介設されている。切換弁28を放出側
に切り換えることにより、内部に封入されている流体が
自動的に排除される作用に関しては、図1の実施例の切
換弁10と同様である。なお、この場合被覆体11を構
成する包囲部分のうち、前部16は、ワイヤ23あるい
はその他のケーブル線などによって挿通される関係上、
縦割り方向のスリットが設けられている。このように構
成される水中汚濁の遮蔽装置によれば、汚濁の遮蔽範囲
をごく限られた狭い空間に限定することが可能となっ
て、そのことによる作業能率の向上はもとより、掘削作
業そのものの能率増進、あるいは経費節減等の副次的効
果が期待される。
【0026】図4は、やはり請求項4にかかる遮蔽装置
であって、図3とは異なる実施例を示す。図4の実施例
が図3のものと異なる点は、(ア)被覆体11aを水底
掘削機13aに対して一体化させるために、水底掘削機
13aの台車に設けた枠体30に被覆体11aを固着さ
せたこと、(イ)被覆体11aの前部16aを、両袖部
を残して中央部を大きく開放したこと、および(ウ)天
井15aを曲面に形成していわゆるカマボコ形にしたこ
と、である。順を追って以下に説明する。
【0027】まず、被覆体11aを、図4のように水底
掘削機13aの台車に設けた枠体30に固着することに
より、被覆体11aと水底掘削機13aとを一体化する
と、特別の場合を除いて装置の移動操作が非常に簡単容
易になる。本例のように、台船上にあって水底の装置の
移動操作を遠隔制御するような場合、指令系統の単純化
と集約化は特に必要である。なお図4では、水底掘削機
13aの曳行用としてワイヤ23aをそなえ、被覆体1
1aの曳行用として曳行索25aをそなえているが、全
装置の曳行に必要な負荷を二分して各索の負担する張力
の軽減を図ったに過ぎず、これを一本の太い索に置き換
えることはもちろん可能である。被覆体11aと水底掘
削機13aとを一体化するための他の構成として、被覆
体11aを搭載し得るワゴン車を用意し、そのワゴン車
に被覆体11aを装着するとともに、ワゴン車の床上に
水底掘削機13aを乗せて、このワゴン車を曳行するよ
うにしてもよい。
【0028】つぎに、被覆体11aの前部16aを、両
袖部を残して中央部を大きく開放した構成は、この遮蔽
装置の使用態様が、汚濁発生位置が時間の経過とともに
移動して行くのを同一方向に追随する態様であることを
考慮した結果による。すなわち、汚濁発生源としての水
底掘削機13aは、台船によって曳行されるので、汚濁
の発生した領域は、水底掘削機13aの現在位置よりも
常に後方にズレた位置にあり、そのため遮蔽装置によっ
て遮蔽が必要な領域も、被覆体11aの現在位置より常
に後方にあることになる。ということは、前部16aの
側は後部17aの側に比べて遮蔽の必要度が低いことに
なり、図4のように中央部を大きく開放し、場合によっ
ては前部16aを全く設けなくてもよい場合もある。
【0029】さらに、天井15aを曲面に形成して、い
わゆるカマボコ形にしたのは、水中において横波を受け
た場合などの横転事故防止のため、あるいは上方からの
落下物を回避するため、などを考慮した結果の構成であ
る。
【0030】図4の実施例におけるその他の構成とし
て、被覆体11aは、内部に形成される遮蔽空間12a
の中に水底掘削機13aを収容し、上部に二本の主フロ
ート14aをそなえ、その周囲を天井15a、前部16
a、後部17a、ならびに左右の側部18a,19a、
およびウエイトチエン20aによって包囲することによ
り、外部の空間からほぼ隔絶の状態にある独立の遮蔽空
間12aが形成されている。補助フロート21aは、常
に水上にあってその下方の水中に主フロート14aが存
在することを水面上において確認するための標識となる
とともに、主フロート14aの浮力の助成を負担する役
目を果たすことは、図1の実施例における主フロート1
と補助フロート3との関係と同様である。
【0031】以上のように構成された被覆体11aによ
って、水底面の一定領域に対する汚濁遮蔽機能を温存し
つつ自由に移動する作用については、前記図3の実施例
との相異点として(ア),(イ),(ウ)の各項目に分
けて説明した点以外については全く図3のものと同等で
あり、重ねての説明は省略する。なお、図4では台船と
の関係の図示が省略されているが、台船によって操作の
制御が行われることは図3のものと同等であり、変わる
ところはない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明にかかる水中汚濁の遮蔽装置には、つぎのよう
なすぐれた効果がある。
【0033】(1)請求項1では、キャンバスシートの
上端を支持する主フロートがゴム体で軽量であるため、
その可撓性によって汚濁遮蔽の対象領域に対して幅の広
い順応性を発揮するとともに、装置の移動がきわめて簡
単容易で軽快な移動を実現することが可能である。
【0034】(2)請求項2では、装置の横方向の移動
ならびに深さの移動が簡単容易で、しかも迅速に移動を
行うことができ、作業能率が向上する。たとえば遮蔽装
置を他の場所へ移動したいとき、あるいは装置全体に対
して現状よりもさらに浮力を増大させたいとき、流体圧
入の手段としてエヤポンプなどをそなえていると、これ
を使って前記袋状のゴム体にエヤを圧入することによ
り、きわめて簡単容易に且つ迅速に浮力の追加を実現す
ることができる。
【0035】(3)請求項3では、主フロートに封入さ
れている流体の一部または全部を抜き出す操作がきわめ
て急速に、且つその操作を実現するための付加的構成を
殆ど必要とすることなく、簡単容易に実施することがで
きる。
【0036】(4)請求項4では、一定広さの遮蔽空間
の底面を除く周囲の全部または一部を包囲した空間が作
られるので、たとえばこれを水底面に沿って静かに移動
させるとき、一定広さの空間に対し高精度の汚濁遮蔽機
能を温存したまま自由に移動することが可能となり、移
動を伴う水中汚濁の遮蔽作業に関して、局部的な機能の
集中化による高効率の成果が得られる。たとえば水底を
掘削する部分的な作業が、水底面に沿って連続的に移動
して行われる必要のある場合に、前記請求項4にかかる
遮蔽装置を掘削作業の移動とともに移動させて行くこと
により、汚濁の遮蔽範囲をごく限られた狭い空間に限定
することが可能となって、そのことによる作業能率の向
上はもとより、掘削作業そのものの能率増進、あるいは
経費節減等の副次的効果が期待される。
【0037】(5)請求項5では、請求項4にかかる遮
蔽装置について、装置の横方向の移動ならびに深さの移
動が簡単容易で、しかも迅速に行うことができ、作業能
率が向上する。
【0038】(6)請求項6では、請求項4にかかる遮
蔽装置について、主フロートに封入されている流体の一
部または全部を抜き出す操作がきわめて急速に、且つそ
の操作を実現するための付加的構成を殆ど必要とするこ
となく、簡単容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明装置の一実施例の水中における配置状
態を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1の実施例の一作用態様にお
ける断面図である。同(b)は、同(a)の実施例の異
なる作用態様における断面図である。
【図3】この発明装置の他の実施例の水中における作業
状態を示す説明図である。
【図4】この発明装置のさらに異なる実施例の水中にお
ける作業状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,14,14a 主フロート 2 すきま 3,21,21a 補助フロート 5 キャンバスシート 7,20,20a ウエイトチェン 8,26 電動ポンプ 10,28 切換弁 11,11a 被覆体 12,12a 遮蔽空間 13,13a 水底掘削機 25,25a 曳行索 30 枠体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中の汚濁を遮蔽する装置であって、可
    撓性を有して流体を密閉封入し得る袋状のゴム体と、 端縁を前記ゴム体に固着され、水中で発生した汚濁を遮
    蔽するために水中に立設されるキャンバスシートと、 前記キャンバスシートを水中に立設するためにキャンバ
    スシートに付設される重錘およびフロートの少なくとも
    一方とをそなえることを特徴とする水中汚濁の遮蔽装
    置。
  2. 【請求項2】 前記袋状のゴム体に流体を圧入するため
    の手段をそなえる請求項1記載の水中汚濁の遮蔽装置。
  3. 【請求項3】 前記袋状のゴム体のそなえる可撓性が、
    流体を封入した封入口を開放したとき、該ゴム体の復元
    力によって内部の流体を自動的に外部に排除する強さを
    そなえる請求項1または2記載の水中汚濁の遮蔽装置。
  4. 【請求項4】 可撓性を有して流体を密閉封入し得る袋
    状のゴム体と、端縁を前記ゴム体に固着され、水中で発
    生した汚濁を遮蔽するために水中に立設されるキャンバ
    スシートと、キャンバスシートに付設される重錘などと
    をそなえる遮蔽装置を用いて、一定広さの遮蔽空間の底
    面を除く周囲の全部または一部を包囲し得る被覆体を構
    成したことを特徴とする水中汚濁の遮蔽装置。
  5. 【請求項5】 前記袋状のゴム体に流体を圧入するため
    の手段をそなえる請求項4記載の水中汚濁の遮蔽装置。
  6. 【請求項6】 前記袋状のゴム体のそなえる可撓性が、
    流体を封入した封入口を開放したとき、該ゴム体の復元
    力によって内部の流体を自動的に外部に排除する強さを
    そなえる請求項4または5記載の水中汚濁の遮蔽装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005120582A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Koji Sugano ダム流入汚濁水制御設備およびダム流入汚濁水制御方法
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