JPH1096227A - 水中立体フェンス装置 - Google Patents

水中立体フェンス装置

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JPH1096227A
JPH1096227A JP25037396A JP25037396A JPH1096227A JP H1096227 A JPH1096227 A JP H1096227A JP 25037396 A JP25037396 A JP 25037396A JP 25037396 A JP25037396 A JP 25037396A JP H1096227 A JPH1096227 A JP H1096227A
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Takahide Komagome
込 孝 英 駒
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水底における土砂などの除去作業で発生する
汚濁水が発散することを防止する水中立体フェンス装置
を提供すること。 【解決手段】 水中に多数の柱状体(1)を連結して立
設し、それらの柱状体(1)に水を充満し、上部に浮体
(7)を取り付け、下部に重錘(6)と水底に差し込む
帯状の突起板(4)とを設けてフェンスを構成してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中を立体的に区
分する水中立体フェンス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水面上の浮遊物、例えば、油や化学物質
等の発散を防止する装置として、所謂オイルフェンス等
は知られている。それらは水面表層部の浮遊物に関する
ものであり、本発明の如く、水中を立体的に区分するも
のはその例を殆ど見ない。
【0003】近時、貯水ダムのダム壁の上流側、或は、
湖沼、河口などの水底に堆積する土砂、汚泥、ヘドロな
どを除去する作業はますます重要課題となってきてい
る。この作業では、当該物堆積場所に浚渫船を配備し、
クラブークレーン(揚重機)、或はスクリューコンベア
等の機械的除去作業が行われるが、この作業のために水
底より発生する汚濁、汚染のため、発電、給水などのダ
ム操業を一時中止することを余儀なくされている。
【0004】また、本発明を応用しないで、上記水底工
事を水を汚濁することなく施工するとすれば、鋼板矢板
を水底まで打ち込み壁を作って水域を囲うか、又はその
貯水を一旦排水し露天の状態で行わなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、ダム操業を中止することなく、水底における土砂な
どの除去作業で発生する汚濁水を発散させることを防止
する水中立体フェンス装置を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、水中を
立体的に区分する水中立体フェンス装置において、相互
に連結手段により連結された多数の袋状の柱状体を水中
に立設し、それらの柱状体はそれぞれ内部が水で満たさ
れており、上部に浮体が取り付けられ、下部に重錘およ
び柱状体を水底に固定する帯状の突起板が設けられてい
る。
【0007】また、本発明によれば、水中を立体的に区
分する水中立体フェンス装置において、相互に連結手段
により連結された多数の袋状の柱状体を2列に並列に配
置し、それぞれの柱状体は千鳥状になるよう配列されて
おり、それらの柱状体はそれぞれ内部が水で満たされて
おり、各列の上部に浮体が取り付けられ、下部に重錘お
よび柱状体を水底に固定する帯状の突起板が設けられて
いる。
【0008】また、本発明によれば、前記2列に配列さ
れた柱状体の第1の列の水は加圧されており、第2の列
の水は加圧されていない。
【0009】さらに、本発明によれば、前記2列に配列
された柱状体がリング状に配置され、第1の列が外側に
なるよう配置され、リング状の内側に囲まれている水の
水頭が外側の水頭より大である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。
【0011】図1および図2は、本発明にかかる水中立
体フェンス装置の一実施の形態を示す平面図および側面
図で、第1の列(図示の例では外側)の柱状体1と第2
の列の柱状体8とはそれぞれ後述する連結手段である連
結金具(2、9)と連結部材(3、10)とでフレキシ
ブルに連結されており、第1の列の柱状体1と第2の列
の柱状体8とは柱状体1同士の連結部に柱状体8がくる
ように千鳥状に配置され、2重のリング状に形成されて
いる(例えば、直径50M)。また、第1の列の柱状体
1の外側上部には浮体である相互に連結されたフロート
7が取り付けられ、第2の列の柱状体8の内側上部には
相互に連結されたフロート12が取り付けられ、柱状体
1、8の下端には重錘6と水底の地中に入る帯状の突起
板4が取り付けられている。そして、アンカー16と鎖
16aとによりフェンスが水流等で移動しないよう位置
決めされている。なお、柱状体8の下端には重錘6だけ
でもよい。ここで、符号Wは水面、Dはダムをそれぞれ
示している。
【0012】図3は、柱状体1の詳細を示す側面図で、
柱状体1はゴムライニングされたキャンバスで形成され
た柱状の袋で構成されており、内部には水が充満してい
る。そして、複数カ所(図示の例では4カ所)に連結金
具2が取り付けられ、連結部材である鎖3で相互に連結
されている。連結部材はワイヤ、ナイロン等でもよい。
【0013】また、柱状体1の上部にはフロート7が取
り付けられ、フロート同士はワイヤ7aで連結されてい
る。
【0014】また、柱状体1の下端には柱状体を水中に
おいて直立させるよう重錘6が取り付けられ、さらに柱
状体1を水底の土中に固定するゴム板(フレキシブルな
部材が好ましい)で形成された帯状の突起板4が金具5
により取り付けられている。さらに、柱状体1の上端部
には水を充填するバルブ13と圧力調整弁14とが設け
られ、バルブ13は各柱状体1の水圧を均一にすると共
に水を供給するホースであるマニホールド15に接続さ
れている。そして、フェンスを位置決めするアンカー1
6が鎖16aによりフロート7を連結するワイヤ7aと
帯状の突起板4とに連結されている。なお、図において
括弧内の符号は第2の列の場合を示している。
【0015】図4は、図1のリング状のフェンスの使用
の態様を示し、外側フェンスGの柱状体1の内部の水は
加圧されて硬い状体となっており、内側フェンスNの柱
状体8は通常の流水が充満された状体で柔軟性がある。
そして、バージ20上の注水装置21によりホース22
を介してリング状のフェンス内側に注水して、内側の水
位Hを外側の水位hより大としているので、図5を参照
して、硬い柱状体1で構成された硬い外側フェンスGに
柔軟なフェンスNの柱状体8が内圧に押されて硬い柱状
体1と1との間に密着するようになり、柱状体1と1と
の間の隙間を柱状体8が塞ぐのでフェンスの水蜜性が保
持される。なお、上記の状況における連結金物2と連結
部材3との円周方向の力Fは、 F=ΣFi=1/4{ρ・D・(H2−h2)} で算出される。
【0016】ここで、Fiは各連結部材3或は連結金物
2の円周方向の力、Hはフェンス内側の水圧、hはフエ
ンス外側の水圧、Dはフェンスの直径、ρは水の密度で
ある。
【0017】図6は本発明の第2の実施の形態を示し、
図1の第1の列である柱状体1の内部が加圧された水で
充填されている外側のフェンスGだけを平面状に張設し
たものであり、例えば、水中養殖場等において水が通過
出来る状態で囲みを作る場合等に用いられる。
【0018】柱状体1の間隔を水が通過でき、大きい魚
や水中浮遊物は通過できない。この場合、使用目的や設
置する場所によりフェンスは曲面やリング状に張設して
もよい。
【0019】図7および図8は、別の実施の形態を示
し、連結金具2に換えてナイロンで形成された筒体25
を柱状体1に取り付け、その筒体25をU字状の連結部
材26で連結したもので、軽量化が可能であり柱状体を
金具で損傷しないので、耐久性が向上する。
【0020】以下、作用について説明する。
【0021】水底の、例えば土砂除去工事をする場合、
工事現場を取りまくようにフェンスをおろしてゆき、重
錘6と浮体7とでフェンス全体は水中で直立するように
水底に到着する。要すれば、柱状体の上部から力を加え
て帯状の突起板を水底につきさし、アンカー16でフェ
ンスが移動しないように固定する。そして、バージ20
上の注水装置21により内側に注水し、水面を上昇させ
て内側フェンスNに水圧をかけ外側フェンスGに密着さ
せる。
【0022】したがって、リング状に区分された水域か
ら外側に汚濁が流出することがなく、周囲を汚濁するこ
となく工事を実施できる。
【0023】また、1列だけのフェンスを用いれば、大
きい浮遊物の通過を防止し、水は通過できるので、例え
ば、養魚場、海水浴場等で部分的に区分する場合には便
利である。
【0024】図9は、ダムDのある水底の工事現場Kで
作業する場合の具体例を示す側面図であり、この場合は
フェンスGとフェンスNとで構成された2列式のフェン
スを用いた態様を示している。
【0025】図10は、ダムDの近くに取水弁30を設
けた具体例で、大きな異物を遮断するよう1列のフェン
スGを設置している。
【0026】図11は養魚場をA池とB池とに区分する
例を示しており、水が通過したほうがよい場合はフェン
スGの1列だけでよく、水を遮断したい場合には、2列
のフェンスを設置し、A、B何れかの水位を少し高くし
て2列のフェンスG、Nが密着するようにすればよい。
【0027】図12はフェンスGを海水浴場PにU字状
に設置した例で、海水はフェンスを自由に出入りでき、
大きな浮遊物がはいることが防止できると共に、遊泳者
が危険な場所に近寄ることを防止することも可能であ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されており、
以下の優れた効果を奏することができる。 (1) 鋼矢板を使用することなく容易且つ安全に水中
を区分することができ、汚濁の発散が防止できる。 (2) 貯水ダム等の本来の操業を中止する事なく、水
底工事が出来る。 (3) したがって、安い費用で、環境保全が可能とな
る。 (4) また、汚濁防止に限らず、水中を水の通過を許
容したまま強固に区分することができ、養魚場、海水浴
場等での区分用としても有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すリング状フェンス
の平面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】柱状体の詳細を示す側面図。
【図4】フェンスに内外水圧差を設けた場合を示す側面
図。
【図5】図1の要部の拡大平面図。
【図6】1列のフェンスを配置した例を示す斜視図。
【図7】別の実施の形態を示す図。
【図8】図7の要部を示す斜視図。
【図9】水底工事の具体例を示す側面図。
【図10】ダムよりの取水弁の設置の具体例を示す側面
図。
【図11】養魚場の区分を例示する図。
【図12】海水浴場に設置した例を示す図。
【符号の説明】
1・・・第1の列の柱状体 2、9・・・連結金具 3、10、25・・・連結部材 4・・・帯状の突起板 5・・・突起板の取付金具 6・・・重錘 7、12・・・浮体(フロート) 8・・・第2の列の柱状体 21・・・注水装置 25・・・筒体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中を立体的に区分する水中立体フェン
    ス装置において、相互に連結手段により連結された多数
    の袋状の柱状体を水中に立設し、それらの柱状体はそれ
    ぞれ内部が水で満たされており、上部に浮体が取り付け
    られ、下部に重錘および柱状体を水底に固定する帯状の
    突起板が設けられていることを特徴とする水中立体フェ
    ンス装置。
  2. 【請求項2】 水中を立体的に区分する水中立体フェン
    ス装置において、相互に連結手段により連結された多数
    の袋状の柱状体を2列に並列に配置し、それぞれの柱状
    体は千鳥状になるよう配列されており、それらの柱状体
    はそれぞれ内部が水で満たされており、各列の上部に浮
    体が取り付けられ、下部に重錘および柱状体を水底に固
    定する帯状の突起板が設けられていることを特徴とする
    水中立体フェンス装置。
  3. 【請求項3】 前記2列に配列された柱状体の第1の列
    の水は加圧されており、第2の列の水は加圧されていな
    い請求項2に記載の水中立体フンス装置。
  4. 【請求項4】 前記2列に配列された柱状体がリング状
    に配置され、第1の列が外側になるよう配置され、リン
    グ状の内側に囲まれている水の水頭が外側の水頭より大
    である請求項3に記載の水中立体フェンス装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012046886A (ja) * 2010-08-24 2012-03-08 Toyo Constr Co Ltd 枠型汚濁防止膜
CN113789766A (zh) * 2021-07-23 2021-12-14 中国电建集团华东勘测设计研究院有限公司 一种饮用水源地水源保护工程施工期水质保障结构及其监测管控和施工方法

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