JP3736653B2 - 水中立体フェンス装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中を立体的に区分する水中立体フェンス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水面上の浮遊物、例えば、油や化学物質等の発散を防止する装置として、所謂オイルフェンス等は知られている。それらは水面表層部の浮遊物に関するものであり、本発明の如く、水中を立体的に区分するものはその例を殆ど見ない。
【0003】
近時、貯水ダムのダム壁の上流側、或は、湖沼、河口などの水底に堆積する土砂、汚泥、ヘドロなどを除去する作業はますます重要課題となってきている。この作業では、当該物堆積場所に浚渫船を配備し、クラブークレーン(揚重機)、或はスクリューコンベア等の機械的除去作業が行われるが、この作業のために水底より発生する汚濁、汚染のため、発電、給水などのダム操業を一時中止することを余儀なくされている。
【0004】
また、本発明を応用しないで、上記水底工事を水を汚濁することなく施工するとすれば、鋼板矢板を水底まで打ち込み壁を作って水域を囲うか、又はその貯水を一旦排水し露天の状態で行わなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、ダム操業を中止することなく、水底における土砂などの除去作業で発生する汚濁水を発散させることを防止する水中立体フェンス装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、水中を立体的に区分する水中立体フェンス装置において、相互に連結手段により連結された多数の袋状の柱状体を水中に立設し、それらの柱状体はそれぞれ内部が水で満たされており、上部に浮体が取り付けられ、下部に重錘および柱状体を水底に固定する帯状の突起板が設けられている。
【0007】
また、本発明によれば、水中を立体的に区分する水中立体フェンス装置において、相互に連結手段により連結された多数の袋状の柱状体を2列に並列に配置し、それぞれの柱状体は千鳥状になるよう配列されており、それらの柱状体はそれぞれ内部が水で満たされており、各列の上部に浮体が取り付けられ、下部に重錘および柱状体を水底に固定する帯状の突起板が設けられている。
【0008】
また、本発明によれば、前記2列に配列された柱状体の第1の列の水は加圧されており、第2の列の水は加圧されていない。
【0009】
さらに、本発明によれば、前記2列に配列された柱状体がリング状に配置され、第1の列が外側になるよう配置され、リング状の内側に囲まれている水の水頭が外側の水頭より大である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1および図2は、本発明にかかる水中立体フェンス装置の一実施の形態を示す平面図および側面図で、第1の列(図示の例では外側)の柱状体1と第2の列の柱状体8とはそれぞれ後述する連結手段である連結金具(2、9)と連結部材(3、10)とでフレキシブルに連結されており、第1の列の柱状体1と第2の列の柱状体8とは柱状体1同士の連結部に柱状体8がくるように千鳥状に配置され、2重のリング状に形成されている(例えば、直径50M)。
また、第1の列の柱状体1の外側上部には浮体である相互に連結されたフロート7が取り付けられ、第2の列の柱状体8の内側上部には相互に連結されたフロート12が取り付けられ、柱状体1、8の下端には重錘6と水底の地中に入る帯状の突起板4が取り付けられている。そして、アンカー16と鎖16aとによりフェンスが水流等で移動しないよう位置決めされている。なお、柱状体8の下端には重錘6だけでもよい。ここで、符号Wは水面、Dはダムをそれぞれ示している。
【0012】
図3は、柱状体1の詳細を示す側面図で、柱状体1はゴムライニングされたキャンバスで形成された柱状の袋で構成されており、内部には水が充満している。そして、複数カ所(図示の例では4カ所)に連結金具2が取り付けられ、連結部材である鎖3で相互に連結されている。連結部材はワイヤ、ナイロン等でもよい。
【0013】
また、柱状体1の上部にはフロート7が取り付けられ、フロート同士はワイヤ7aで連結されている。
【0014】
また、柱状体1の下端には柱状体を水中において直立させるよう重錘6が取り付けられ、さらに柱状体1を水底の土中に固定するゴム板(フレキシブルな部材が好ましい)で形成された帯状の突起板4が金具5により取り付けられている。さらに、柱状体1の上端部には水を充填するバルブ13と圧力調整弁14とが設けられ、バルブ13は各柱状体1の水圧を均一にすると共に水を供給するホースであるマニホールド15に接続されている。そして、フェンスを位置決めするアンカー16が鎖16aによりフロート7を連結するワイヤ7aと帯状の突起板4とに連結されている。なお、図において括弧内の符号は第2の列の場合を示している。
【0015】
図4は、図1のリング状のフェンスの使用の態様を示し、外側フェンスGの柱状体1の内部の水は加圧されて硬い状体となっており、内側フェンスNの柱状体8は通常の流水が充満された状体で柔軟性がある。そして、バージ20上の注水装置21によりホース22を介してリング状のフェンス内側に注水して、内側の水位Hを外側の水位hより大としているので、図5を参照して、硬い柱状体1で構成された硬い外側フェンスGに柔軟なフェンスNの柱状体8が内圧に押されて硬い柱状体1と1との間に密着するようになり、柱状体1と1との間の隙間を柱状体8が塞ぐのでフェンスの水蜜性が保持される。
なお、上記の状況における連結金物2と連結部材3との円周方向の力Fは、
F=ΣFi=1/4{ρ・D・(H2−h2)}
で算出される。
【0016】
ここで、Fiは各連結部材3或は連結金物2の円周方向の力、Hはフェンス内側の水圧、hはフエンス外側の水圧、Dはフェンスの直径、ρは水の密度である。
【0017】
図6は本発明の第2の実施の形態を示し、図1の第1の列である柱状体1の内部が加圧された水で充填されている外側のフェンスGだけを平面状に張設したものであり、例えば、水中養殖場等において水が通過出来る状態で囲みを作る場合等に用いられる。
【0018】
柱状体1の間隔を水が通過でき、大きい魚や水中浮遊物は通過できない。この場合、使用目的や設置する場所によりフェンスは曲面やリング状に張設してもよい。
【0019】
図7および図8は、別の実施の形態を示し、連結金具2に換えてナイロンで形成された筒体25を柱状体1に取り付け、その筒体25をU字状の連結部材26で連結したもので、軽量化が可能であり柱状体を金具で損傷しないので、耐久性が向上する。
【0020】
以下、作用について説明する。
【0021】
水底の、例えば土砂除去工事をする場合、工事現場を取りまくようにフェンスをおろしてゆき、重錘6と浮体7とでフェンス全体は水中で直立するように水底に到着する。要すれば、柱状体の上部から力を加えて帯状の突起板を水底につきさし、アンカー16でフェンスが移動しないように固定する。そして、バージ20上の注水装置21により内側に注水し、水面を上昇させて内側フェンスNに水圧をかけ外側フェンスGに密着させる。
【0022】
したがって、リング状に区分された水域から外側に汚濁が流出することがなく、周囲を汚濁することなく工事を実施できる。
【0023】
また、1列だけのフェンスを用いれば、大きい浮遊物の通過を防止し、水は通過できるので、例えば、養魚場、海水浴場等で部分的に区分する場合には便利である。
【0024】
図9は、ダムDのある水底の工事現場Kで作業する場合の具体例を示す側面図であり、この場合はフェンスGとフェンスNとで構成された2列式のフェンスを用いた態様を示している。
【0025】
図10は、ダムDの近くに取水弁30を設けた具体例で、大きな異物を遮断するよう1列のフェンスGを設置している。
【0026】
図11は養魚場をA池とB池とに区分する例を示しており、水が通過したほうがよい場合はフェンスGの1列だけでよく、水を遮断したい場合には、2列のフェンスを設置し、A、B何れかの水位を少し高くして2列のフェンスG、Nが密着するようにすればよい。
【0027】
図12はフェンスGを海水浴場PにU字状に設置した例で、海水はフェンスを自由に出入りでき、大きな浮遊物がはいることが防止できると共に、遊泳者が危険な場所に近寄ることを防止することも可能である。
【0028】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されており、以下の優れた効果を奏することができる。
(1) 鋼矢板を使用することなく容易且つ安全に水中を区分することができ、汚濁の発散が防止できる。
(2) 貯水ダム等の本来の操業を中止する事なく、水底工事が出来る。
(3) したがって、安い費用で、環境保全が可能となる。
(4) また、汚濁防止に限らず、水中を水の通過を許容したまま強固に区分することができ、養魚場、海水浴場等での区分用としても有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すリング状フェンスの平面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】柱状体の詳細を示す側面図。
【図4】フェンスに内外水圧差を設けた場合を示す側面図。
【図5】図1の要部の拡大平面図。
【図6】1列のフェンスを配置した例を示す斜視図。
【図7】別の実施の形態を示す図。
【図8】図7の要部を示す斜視図。
【図9】水底工事の具体例を示す側面図。
【図10】ダムよりの取水弁の設置の具体例を示す側面図。
【図11】養魚場の区分を例示する図。
【図12】海水浴場に設置した例を示す図。
【符号の説明】
1・・・第1の列の柱状体
2、9・・・連結金具
3、10、25・・・連結部材
4・・・帯状の突起板
5・・・突起板の取付金具
6・・・重錘
7、12・・・浮体(フロート)
8・・・第2の列の柱状体
21・・・注水装置
25・・・筒体
Claims (4)
- 水中を立体的に区分する水中立体フェンス装置において、相互に連結手段により連結された多数の袋状の柱状体を水中に立設し、それらの柱状体はそれぞれ内部が水で満たされており、上部に浮体が取り付けられ、下部に重錘および柱状体を水底に固定する帯状の突起板が設けられていることを特徴とする水中立体フェンス装置。
- 水中を立体的に区分する水中立体フェンス装置において、相互に連結手段により連結された多数の袋状の柱状体を2列に並列に配置し、それぞれの柱状体は千鳥状になるよう配列されており、それらの柱状体はそれぞれ内部が水で満たされており、各列の上部に浮体が取り付けられ、下部に重錘および柱状体を水底に固定する帯状の突起板が設けられていることを特徴とする水中立体フェンス装置。
- 前記2列に配列された柱状体の第1の列の水は加圧されており、第2の列の水は加圧されていない請求項2に記載の水中立体フンス装置。
- 前記2列に配列された柱状体がリング状に配置され、第1の列が外側になるよう配置され、リング状の内側に囲まれている水の水頭が外側の水頭より大である請求項3に記載の水中立体フェンス装置。
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JPH1096227A JPH1096227A (ja) | 1998-04-14 |
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