JP2010001724A - 汚濁拡散防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 海上工事によって発生する濁りが、水流が生じる場合であっても、工事海域外に漏れ出すことがなく、確実に濁りの拡散を防止することができ、潮位変化にも追従可能な濁り防止装置を提供する。
【解決手段】 汚濁拡散防止膜9bの外側には、汚濁拡散防止膜9cが設けられる。汚濁拡散防止膜9cの端部全周にわたり、不動チェーン13が設けられる。汚濁拡散防止膜9cの略中間には、可動チェーン15aが設けられる。工事海域7において浚渫などを伴う工事を行うと、濁り成分が海中に舞い上がり、可動チェーン15a、15bは軽量であるため、容易に巻き上げられる。小粒子濁り成分25は、汚濁拡散防止膜9cを外方へ膨らませ、小粒子濁り成分25を留める空間(バッファ27)を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、海上などの水域で浚渫工事等を行う際に、工事に伴い発生する濁り成分が工事海域外に流出、拡散することを従来技術より大幅に低減する汚濁拡散防止装置に関するものである。
従来、海上での工事を行う場合、工事によって発生する濁りが工事海域外へ拡散しないように管理する必要がある。このため、工事海域を囲むようにあらかじめ濁り防止膜を設けて、濁り成分が濁り防膜内から流出しないように工事がおこなわれる。
このような濁り防止膜は数多く提案されている。たとえば、水面に浮上するフロートに複数のカーテンをとりつけ、カーテンを囲む枠の下端と、カーテンの下端との間に高透水性部材を設け、カーテンが所定以上の潮流を受けた際には、カーテンが膨れ、海流はカーテン下方に設けられた高透水性部材を通ることで、海流の流れを下方向の流れとし、このため、汚濁粒子を早期に沈降させる汚濁防止装置がある(特許文献1)。
また、水面にフロートを浮遊させ、フロートから水底に向けて流出拡散防止膜を垂らし、フロートと水底、流出拡散防止膜の中間部と水底、および流出拡散防止膜下端と水底とをそれぞれアンカで固定し、汚濁流出拡散防止膜の中間部のアンカとの固定部と水底との間に中間フロートを設けた汚濁流出拡散防止装置がある。(特許文献2)。
特開平9−53221号公報 実開昭56−130026号公報
しかし、特許文献1のような汚濁防止装置では、海流が速くなるとカーテンを膨らませて海流を下方に向けて透過させるため、汚濁防止膜への負荷は低減されるが、汚濁成分を含む海流を下方とはいえ汚濁防止膜の外部へ流出させるため、汚濁成分の拡散防止性能が劣るという問題がある。
また、特許文献2による汚濁流出拡散防止装置では、アンカによる定位置固定であるため、移設が困難であり、また、アンカが邪魔になり、作業性が悪くなるという問題がある。特にアンカを設置するためには装置自体が大型化し、さらに作業性やコスト面で問題がある。また、中間フロートを用いて膜の下端のめくれ上がりを防止するが、中間フロートで形成される膜の膨らみ部の両端がアンカで固定されているため、膨らみ内に汚濁成分が堆積する恐れがあるという問題がある。また、この場合、汚濁成分が膜の隙間から流出する恐れがあるという問題がある。
また、特許文献1、特許文献2のいずれの汚濁防止装置であっても、潮位変化に対しては追従することができず、十分な汚濁防止性能を発揮することができないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、海上工事によって発生する濁り成分が、水流を伴う場合であっても、工事海域外に漏れ出すことがなく、確実に濁りの拡散を防止することができ、潮位変化にも追従可能な汚濁拡散防止装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、工事水域からの濁りの拡散を防止する汚濁拡散防止装置であって、工事水域を囲うように水面に浮かべられたフロートと、前記フロートに接合された第1の汚濁拡散防止膜と、前記第1の汚濁拡散防止膜の下端に接続された第1の可動錘と、前記第1の汚濁拡散防止膜の外側に接合された第2の汚濁拡散防止膜と、前記第2の汚濁拡散防止膜の下端に接続された不動錘と、前記第2の汚濁拡散防止膜の略中間に設けられた第2の可動錘と、を具備することを特徴とする汚濁拡散防止装置である。
前記第1の汚濁拡散防止膜の略中間に、補助フロートをさらに具備し、前記第1の汚濁拡散防止膜の長さが、水深よりも長いことが望ましい。
前記第2の汚濁拡散防止膜の長さは、前記第1の汚濁拡散防止膜との接合部からの水深よりも長いことが望ましい。
前記不動錘の質量は、前記第1の可動錘の質量および前記第2の可動錘の質量よりも大きいことが必須であり、前記第1の可動錘、前記第2の可動錘、および前記不動錘は、それぞれチェーンであってもよい。
前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜には、通水弁が設けられることが望ましい。この場合、前記通水弁は、前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜に設けられた開口部と、前記開口部の上端で前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜と接合される弁体と、前記弁体の下端に設けられる弁錘と、を具備してもよく、または、前記通水弁は、前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜に設けられた開口部と、前記開口部の上端および下端で前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜と接合される弁体と、を具備し、前記弁体の大きさが、前記開口部の大きさよりも大きくてもよい。
第1の発明によれば、第2の汚濁防止膜の下端に不動錘が設けられるため、汚濁拡散防止装置は確実に固定されるとともに、第2の汚濁拡散防止膜がめくれ上がることがないため、濁り成分が工事水域から流出することがない。
また、第2の汚濁拡散防止膜に設けられる第2の可動錘と、第1の汚濁拡散防止膜下方に設けられる第1の可動錘が、濁り成分を含む水流等によって容易に巻き上げられ、濁り成分の一時的なバッファを形成できるため、瞬間的な水流を吸収可能であるとともに、第1、第2の可動錘によって、バッファが閉じて、バッファ内の濁り成分を工事水域内へ押し戻すことが可能であるため、確実に濁り成分を工事水域内にとどめることができる。
また、補助フロートを用いることで、工事水域内での水位変化を吸収することができ、潮位変化がある海域でも確実に汚濁拡散防止機能を発揮することができる。
また、汚濁拡散防止膜に通水弁を設ければ、汚濁拡散防止装置内部から汚濁成分が外部へ流出することを抑えつつ、汚濁拡散防止膜に対して外方から水流が衝突する際に、水流が汚濁拡散防止膜を通過することができ、このため、汚濁拡散防止膜が汚濁拡散防止装置内方へ押し流されることを防止することができる。したがって、工事海域において浚渫作業等の際に汚濁拡散防止膜が損傷することがない。なお、通水弁とは、一方向のみに対して通水を許容し、他方からの水流に対しては、通水を抑える機能を有するものである。
本発明によれば、海上工事によって発生する濁り成分が、水流を伴う場合であっても、工事海域外に漏れ出すことがなく、確実に濁りの拡散を防止することができ、潮位変化にも追従可能な汚濁拡散防止装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる汚濁拡散防止装置1について説明する。図1は、汚濁拡散防止装置1を示す斜視図であり、図2は汚濁拡散防止装置1の立面図である。
汚濁拡散防止装置1は、主に、フロート5、汚濁拡散防止膜9(9a、9b、9c)、補助フロート11、不動チェーン13、可動チェーン15a、15b等から構成される。
フロート5は、海面3に浮遊可能であり、工事海域7を海面で囲うように、例えば矩形状に設けられる。なお、工事海域7は、例えば20mx20m程度の範囲である。工事海域7を小さくすれば、汚濁拡散防止装置1を小型化できるためコスト的に有利である。また、工事海域7外に停泊した作業船等によって作業が可能であるため、汚濁拡散防止装置1に作業船の出入り口等を設ける必要がない。なお、フロート5としては、海面3に浮遊可能で工事範囲を保持するものであればよく、例えば既存の汚濁防止枠等の剛性を有した中空体が使用できる。
フロート5には、汚濁拡散防止膜9aが接合される。汚濁拡散防止膜9aは、フロート5から海底17に向かって垂れ下げられる。したがって、工事海域7は、汚濁拡散防止膜9aによって囲まれる。汚濁拡散防止膜9aとしては、汚濁成分が透過しなければよく、例えば耐久性、耐寒性、耐薬品性、耐光性等に優れる高強度ポリエチレン系合成繊維が使用できる。高強度ポリエチレン系合成樹脂を用いれば、水密性までは確保できなくても、濁り成分を含む水流を留める効果は確保することができる。
汚濁拡散防止膜9aの下端近傍には補助フロート11が設けられる。補助フロート11は浮遊体であるが、フロート5と比べると浮力が小さく、後述する可動チェーン15a、15b、不動チェーン13等を浮かび上がらせるほどの浮力は有さない。したがって、補助フロート11は、海面3と海底17の間に位置する。
補助フロート11の下方には、汚濁拡散防止膜9bが設けられる。また、汚濁拡散防止膜9bの下端全周に渡り、可動チェーン15bが設けられる。可動チェーン15bは、汚濁拡散防止膜9bの端部を海底17まで引っ張る錘の役割を有する。可動チェーン15bとしては、後述する不動チェーン13と比べて単位長さ当たりの重量が軽く、例えば、単位長さ当たりの重量が不動チェーン13の1/2程度のチェーンが使用できる。なお、汚濁拡散防止膜9a、9bは一体であってもよく、この場合には、汚濁拡散防止膜9aの下端に可動チェーン15bが設けられ、可動チェーン15bとフロート5との間の位置に補助フロート11が設けられればよい。以後、説明の便宜上、汚濁拡散防止膜9aと9bとを区別して説明する。
汚濁拡散防止膜9aの長さと汚濁拡散防止膜9bの長さの総和は、水深(海面3から海底17までの長さ)よりも十分に長い。また、汚濁拡散防止膜9bは補助フロート11によってほぼ鉛直方向に引っ張られるため、汚濁拡散防止膜9aと補助フロート11との間にたるみ19が形成される。したがって、満潮時であっても、汚濁拡散防止膜9bの端部(可動チェーン15b)が海底17から浮かび上がることはない。すなわち、たるみ19が潮位変化を吸収し、補助フロート11よりも下方の構造を常に一定に維持する。
汚濁拡散防止膜9bの外側(工事海域7とは反対側)には、汚濁拡散防止膜9cが設けられる。汚濁拡散防止膜9cは、補助フロート11と可動チェーン15bとの間において汚濁拡散防止膜9bと接合される。汚濁拡散防止膜9cの長さは、汚濁拡散防止膜9bとの接合位置から海底17までの長さよりも長い。なお、汚濁拡散防止膜9b、9cは、汚濁拡散防止膜9aと同じ材質のものが使用できる。
汚濁拡散防止膜9cの端部全周にわたり、不動チェーン13が設けられる。不動チェーン13は、汚濁拡散防止膜9cがめくれ上がったり、汚濁拡散防止装置1が海流等で移動したりすることを防止する錘の役割を有する。不動チェーン13としては、例えば一般的な汚濁防止膜で使用するチェーンと同等のものが使用でき、例えば10〜20kg/m程度のチェーンが使用できる。
汚濁拡散防止膜9cの略中間には、可動チェーン15aが設けられる。可動チェーン15aは、汚濁拡散防止膜9cを下方に押さえつける錘の役割を有する。可動チェーン15aは可動チェーン15bと同一のものが使用できる。
工事海域7において底面の土砂の掘削、土砂や礫の投入、浚渫などを伴う工事を行うと、濁り成分が海中に舞い上がる。濁り成分が工事海域7外部に漏れ出して、拡散すると、広範囲にわたって海面3に濁りが浮上する。汚濁拡散防止装置1は、工事海域7を汚濁拡散防止膜9a、9b、9cで囲うため、工事海域7で発生した濁り成分が工事海域7外へ拡散することを防止することができる。
次に、工事海域7で工事がおこなわれる際の、汚濁拡散防止装置1の動作について説明する。図3から図5は、汚濁拡散防止装置1の動作を示す立面図である。
図3に示すように、工事海域7において、濁り発生源21で工事に伴い濁り成分が生じると、濁り成分は、例えば矢印A方向に水流とともに流れる。
図4に示すように、濁り発生源21からの濁り成分は、比較的大きな粒子で構成される大粒子濁り成分23と比較的小さな粒子で構成される小粒子濁り成分25に分かれる。大粒子濁り成分23は、粒子が比較的大きいため、濁り発生源21の近傍で早い段階で沈降する。一方、小粒子濁り成分25は、水流とともに汚濁拡散防止膜9b、9c方向へ流れる。
この際、可動チェーン15a、15bは軽量であるため、容易に巻き上げられる。したがって、小粒子濁り成分25は、めくれ上がった汚濁拡散防止膜9bを通過し、汚濁拡散防止膜9cを外方へ膨らませる(図中矢印B方向)。不動チェーン13の質量は、可動チェーン15aの質量と、可動チェーン15bの質量の総和よりも十分に大きいため、汚濁拡散防止膜9cがめくれ上がることはない。
汚濁拡散防止膜9cが膨れ上がることで、小粒子濁り成分25を留める空間(バッファ27)を形成するため、水流によって汚濁拡散防止膜9cがめくれ上がったり、移動したりすることがなく、また、必要以上に小粒子濁り成分25を汚濁拡散防止膜9b、9aに沿って上方へ拡散することを防ぐことができる。
小粒子濁り成分25を含む水流が弱まると、図5に示すように、可動チェーン15a、15bの重さによって、汚濁拡散防止膜9cが押し戻され、バッファ27内の小粒子濁り成分25は工事海域7内へ押し戻される(図中矢印C方向)。したがって、汚濁拡散防止膜9c下端近傍に大量に濁り成分が堆積することを防ぎ、濁り成分を工事海域7内へ押し戻すことが可能であるとともに、浚渫工事等によって再度発生する小粒子濁り成分25を含む流れに対して、バッファ27が形成可能な状態に戻される。
以上説明したように、本実施の形態にかかる汚濁拡散防止装置1によれば、可動チェーン15aが設けられた汚濁拡散防止膜9c、および、可動チェーン15bが設けられた汚濁拡散防止膜9bによって、汚濁成分を含む水流等によって膨れ上がることが可能であるため、汚濁成分の流れや拡散に対する一時的な空間(バッファ27)を形成する。このため、小粒子汚濁成分25の拡散を効率良く防止することができる。
また、可動チェーン15a、15bの重さによって、バッファ27は閉じて、バッファ27内の汚濁成分を工事海域7内へ押し戻すため、濁り成分を積極的に工事海域7内に留めることができる。
また、不動チェーン13によって汚濁拡散防止装置1の位置が固定されるため、アンカーレスであり、移設等が容易である。
また、補助フロート11を設け、フロート5と補助フロート11との間にたるみ19が形成されるため、工事海域7近傍の潮位変化等に伴い水深の変化に対しても追従可能であり、常に、工事海域7を汚濁拡散防止膜9a、9b、9cで囲むことができる。特に、補助フロート11によって、バッファ構造を常に一定の状態に保つことができるため、水位変化によって汚濁拡散防止膜9b、9cがたるむことがなく、このため、掘削バケットや投入した土砂等によって汚濁拡散防止膜9b、9cが損傷を受けることがない。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は第2の実施の形態にかかる汚濁拡散防止装置30を示す図であり、図7(a)は図6のD部拡大図、図7(b)は汚濁拡散防止膜9bの正面図である。なお、以下の説明において、図1から図5に示す汚濁拡散防止装置1と同一の機能を果たす構成要素には、図1から図5と同一の符号を付し、重複した説明を避ける。
汚濁拡散防止装置30は、汚濁拡散防止装置1に対して、通水弁を有する点で異なる。通水弁31aは汚濁拡散防止膜9bの汚濁拡散防止膜9cとの接合部より下方に設けられる。同様に、通水弁31bは、汚濁拡散防止膜9cの上方(すなわち、汚濁拡散防止膜9bとの接合部近傍)に設けられる。
通水弁31a、31bは、工事海域7側からの水流に対しては、水流が汚濁拡散防止膜9b、9cを通過することを防止するともに、汚濁拡散防止装置30外方から工事海域7内部に向かう水流に対しては、弁が開放して、水流が汚濁拡散防止膜9b、9cを通過することを許容する機能を有する。
図7(a)に示すように、通水弁31a、31bはそれぞれ、弁体33、弁錘35および開口37等から構成される。開口部37は、汚濁拡散防止膜9b、9cの所定位置に設けられた穴である。開口部37は、例えば矩形の穴で良い。開口部37の上方には、弁体33が接合されている。弁体33は、例えば汚濁拡散防止膜9b、9c等と同材質で良く、開口部37よりもやや大きい。したがって、弁体33は開口部37を塞ぐことができる。
弁体33の下端には弁錘35が接合される。弁錘35は、弁体33がめくれ上がったりすることを防止し、弁体33は通常時には弁錘35によって、開口部37上端より垂れ下っている。通水弁31a、31bの動作については、後述する。
図7(b)に示すように、通水弁31a、31bはそれぞれ、汚濁拡散防止膜9b、9cに2段にわたり複数設けられる。なお、図7(b)においては、開口部37を点線で示す。また、図7(b)には通水弁31aが設けられた汚濁拡散防止膜9bの正面図を示したが、通水弁31bも同様に汚濁拡散防止膜9cに設けられる。また、通水弁31a、31bの設置態様は、必ずしも図7に示したものに限られず、例えば通水弁を2段以上としてもよく、1段としてもよい。また、上下の配置をずらしてもよく、また、通水弁の形状を変えてもよい。
次に、通水弁31aの動作を説明する。なお、通水弁31bは通水弁31aと同じ動作であるため、説明を省略する。図8は、通水弁31aの動作を示す図である。
図8(a)に示すように、汚濁拡散防止膜9bの外方から水が流れる場合(図中矢印E方向)には、水流によって通水弁31aが開放する。すなわち、水流が通水弁31aに衝突すると、水流は弁錘35によって閉じようとする力に打ち勝ち、弁体33を押し上げる。したがって、水流は、開口部37及び弁体33が開くことにより形成される隙間を流れることにより、汚濁拡散防止膜9bを通過して流れることができる。
通水弁31aを設けることで、汚濁拡散防止膜9b外方から工事海域内へ向かう水流に対して、水流が汚濁拡散防止膜9bを容易に通過することができる。このため、汚濁拡散防止膜9bが工事海域内へ押し込まれることを抑制することができる。例えば、非常に強い流れが生じた場合には、不動チェーン13が引きずられて、汚濁拡散防止膜9c(および9b)が工事海域内へ押し込まれる場合があるが、このような場合でも、通水弁31a、31bによって、水流による抵抗を小さくし、汚濁拡散防止膜9c(および9b)を初期の位置で維持することができる。したがって、汚濁拡散防止膜9bが工事海域内での工事において、例えば浚渫工事におけるグラブとの接触等によって損傷することが防止できる。
一方、図8(b)に示すように、工事海域内から汚濁拡散防止膜9bの外方へ向かう水流(図中矢印F方向)が生じた場合には、通水弁31aは、弁錘35により閉じられる。また、水流によって、弁体33は汚濁拡散防止膜9bに押し付けられる。弁体33は開口部37よりも大きいため、開口部37は弁体33によって塞がれる。したがって、工事海域内から外方へ向かう水流に対しては、通水弁31aによって、水流が汚濁拡散防止膜9bを通過することが防止される。
通水弁31aを設けることで、工事海域内から汚濁拡散防止膜9b外方へ向かう水流に対して、水流が汚濁拡散防止膜9bを通過することを防止できるため、工事海域内で発生した汚濁成分が工事海域内から流出することを防止することができる。
なお、通水弁31a、31bが閉じた状態においては、汚濁拡散防止装置1と同様に、濁り発生源21で発生した小粒子濁り成分25は、汚濁拡散防止膜9cにより形成されるバッファ27によって拡散が防止される。すなわち、例えば図4の状態においては、通水弁31a、31bはともに閉じているため、汚濁拡散防止装置1と同様に機能する。
第2の実施の形態にかかる汚濁拡散防止装置30によれば、汚濁拡散防止装置1と同様の効果を得ることができる。また、汚濁拡散防止膜に対して、外方から内方へ向かう水流に対して、通水弁31a、31bが開放し、水流が容易に汚濁拡散防止膜を通過して、工事海域内へ流れ込むことができる。したがって、汚濁拡散防止膜が、水流によって工事海域内に押し込まれることが防止でき、これによる汚濁拡散防止膜の損傷等を防止することができる。また、工事海域内からの水流に対しては、通水弁31a、31bが閉じることで、汚濁成分が流出することがない。したがって、バッファ27による効果を安定して得ることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図9(a)は第3の実施の形態にかかる通水弁41a、41b近傍を示す図であり、図9(b)は汚濁拡散防止膜9bの正面図である。第3の実施の形態は、第2の実施の形態における汚濁拡散防止装置30において、通水弁31a、31bに代えて通水弁41a、41bが設けられたものである。
図9(a)に示すように、通水弁41a、41bはそれぞれ、弁体43および開口47等から構成される。開口部47は、汚濁拡散防止膜9b、9cの所定位置に設けられた穴である。開口部47は、例えば矩形の穴で良い。汚濁拡散防止膜9b、9cの開口部47の上方および下方には、弁体43が接合されている。弁体43は、例えば汚濁拡散防止膜9b、9c等と同材質で良く、開口部47よりもやや大きい。したがって、弁体43は開口部47を塞ぐことができる。
図9(b)に示すように、通水弁41a、41bはそれぞれ、汚濁拡散防止膜9b、9cに縦長に複数設けられる。なお、図9(b)においては、通水弁41aが設けられた汚濁拡散防止膜9bの正面図を示したが、通水弁41bも同様に汚濁拡散防止膜9cに設けられる。
次に、通水弁41aの動作を説明する。なお、通水弁41bは通水弁41aと同じ動作であるため、説明を省略する。図10は、通水弁41aの動作を示す図である。
図10(a)に示すように、汚濁拡散防止膜9bの外方から水が流れる場合(図中矢印G方向)には、水流によって通水弁41aが開放する。すなわち、水流が通水弁41aに衝突すると、水流は弁体43を内方へ押し込む。したがって、水流は、開口部47及び弁体43が膨らむことにより形成される側方の隙間を流れることにより、汚濁拡散防止膜9bを通過して流れることができる。
一方、図10(b)に示すように、工事海域内から汚濁拡散防止膜9bの外方へ向かう水流(図中矢印H方向)が生じた場合には、通水弁41aは、水流によって、汚濁拡散防止膜9bに押し付けられる。弁体43は開口部47よりも大きいため、開口部47は弁体43によって塞がれる。したがって、工事海域内から外方へ向かう水流に対しては、通水弁41aによって、水流が汚濁拡散防止膜9bを通過することが防止される。
第3の実施の形態によれば、汚濁拡散防止装置30と同様の効果を得ることができる。すなわち、汚濁拡散防止膜が工事海域内へ入り込むことを防ぎ、これによる汚濁拡散防止膜の損傷を防止できるとともに、工事海域内からの汚濁成分の流出を防ぐことができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、潮位変化などの水深が変化しないような湖水部等で汚濁拡散防止膜1を使用する場合には、補助フロート11は必ずしも必要ではない。また、不動チェーン13、可動チェーン15a、15bはチェーン状でなくても、同様の機能を有すれば他の形態であってもよい。
また、通水弁は、必ずしも汚濁拡散防止膜9b、9cそれぞれに設けられる必要はなく、いずれか一方であってもよい。
汚濁拡散防止装置1を示す斜視図。 汚濁拡散防止装置1を示す立面図。 濁り発生源21が生じた際の汚濁拡散防止装置1の状態を示す立面図。 小粒子濁り成分25によって、バッファが形成された状態の汚濁拡散防止装置1を示す立面図。 バッファが閉じて、小粒子濁り成分25を押し戻した状態の汚濁拡散防止装置1を示す立面図。 汚濁拡散防止装置30を示す立面図。 (a)は図6のD部拡大図であり、(b)は汚濁拡散防止膜9bの正面図。 通水弁31aの動作を示す図。 (a)は通水弁41a、41b近傍の図であり、(b)は汚濁拡散防止膜9bの正面図。 通水弁41aの動作を示す図。
符号の説明
1、30………汚濁拡散防止装置
3………海面
5………フロート
7………工事海域
9a、9b、9c………汚濁拡散防止膜
11………補助フロート
13………不動チェーン
15a、15b……可動チェーン
17………海底
19………たるみ
21………濁り発生源
23………大粒子濁り成分
25………小粒子濁り成分
27………バッファ
31a、31b、41a、41b………通水弁
33、43………弁体
35………弁錘
37、47………開口部

Claims (8)

  1. 工事水域からの濁りの拡散を防止する汚濁拡散防止装置であって、
    工事水域を囲うように水面に浮かべられたフロートと、
    前記フロートに接合された第1の汚濁拡散防止膜と、
    前記第1の汚濁拡散防止膜の下端に接続された第1の可動錘と、
    前記第1の汚濁拡散防止膜の外側に接合された第2の汚濁拡散防止膜と、
    前記第2の汚濁拡散防止膜の下端に接続された不動錘と、
    前記第2の汚濁拡散防止膜の略中間に設けられた第2の可動錘と、
    を具備することを特徴とする汚濁拡散防止装置。
  2. 前記第1の汚濁拡散防止膜の略中間に、補助フロートをさらに具備し、
    前記第1の汚濁拡散防止膜の長さが、水深よりも長いこと特徴とする請求項1記載の汚濁拡散防止装置。
  3. 前記第2の汚濁拡散防止膜の長さは、
    前記第1の汚濁拡散防止膜との接合部からの水深よりも長いこと特徴とする請求項1または請求項2に記載の汚濁拡散防止装置。
  4. 前記不動錘の質量は、前記第1の可動錘の質量および前記第2の可動錘の質量よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の汚濁拡散防止装置。
  5. 前記第1の可動錘、前記第2の可動錘、および前記不動錘は、それぞれチェーンであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の汚濁拡散防止装置。
  6. 前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜には、通水弁が設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の汚濁拡散防止装置。
  7. 前記通水弁は、前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜に設けられた開口部と、前記開口部の上端で前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜と接合される弁体と、前記弁体の下端に設けられる弁錘と、を具備することを特徴とする請求項6記載の汚濁拡散防止装置。
  8. 前記通水弁は、前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜に設けられた開口部と、前記開口部の上端および下端で前記第1の汚濁拡散防止膜および/または前記第2の汚濁拡散防止膜と接合される弁体と、を具備し、前記弁体の大きさが、前記開口部の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項6記載の汚濁拡散防止装置。
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