JP5363180B2 - 起伏ゲート式防波堤 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば津波や高潮対策として港湾に設置される起伏ゲート式の防波堤に関するものであり、特に係留力の低減を可能とする起伏ゲート式防波堤に関するものである。
従来の起伏ゲート式防波堤として、浮力によって扉体の起伏を行うものがある(例えば特許文献1)。
このような起伏ゲート式防波堤では、災害時における港口閉鎖の確実性の向上、扉体の空気室への給気機構の簡素化、あるいは、平常時における扉体の状態監視を目的として、扉体は常に浮力を有した状態に保たれている。
浮力を有した扉体は、図11に示すように、例えば係留ロープ2により扉体1を下から引っ張って、倒伏状態に保持されている。図11中の3は扉体1の起立時に扉体1が転倒しないように、港湾の港外側に設けられたテンションロッドである。
海底に倒伏保持された扉体1は、水面を通過する波浪により、図12に白抜き矢印で示すように、浮上力と沈降力を交互に受けることになる。また、係留ロープ2は、扉体1の浮力だけでなく、波によって扉体1に生じる前記浮上力についても支持する必要がある(図12の黒塗り矢印)。
前記浮上力は、風波浪による波力の影響が大きく、比較的周期の長い波が作用すると、扉体に過剰な浮上力が発生するので、この過剰な浮上力が発生した場合にも支持できるだけの係留力を係留部に持たせる必要があった。
特開2003−227125号公報
本発明が解決しようとする問題点は、従来の起伏ゲート式防波堤では、倒伏状態の扉体を係留する係留部の構成を、大きな係留力が支持できるようにする必要があったという点である。
本発明の起伏ゲート式防波堤は、
倒伏状態の扉体を係留するための係留力を低減するために、
幅方向に並設した隣接する扉体ブロック同士を連結した扉体が、空気室内への給気によって得られた浮力により起立する起伏ゲート式防波堤において、
前記扉体を水中で格納する収納部において、倒伏状態にある扉体の裏面と相対する部分に設置された転向ガイドと、
一端側が前記扉体の裏面に取り付けられ、他端側は前記転向ガイドを介して水面上に引き出される係留ロープと、
この係留ロープの他端側に設けられ、水面上に引き出された係留ロープを固定する固定装置と、
同じく前記係留ロープの他端側に設けられ、必要時に係留ロープの係留を解除する解除装置と、を備え、
倒伏状態にある前記各扉体ブロックの頂端と前記収納部との間に存在する開口面積の、前記各扉体ブロックの面積に対する比率を、隣接する扉体ブロック間に存在する開口面積の、各扉体ブロックの面積に対する比率の2.5倍未満としたことを最も主要な特徴としている。
以下、倒伏状態にある各扉体ブロックの頂端と収納部との間に存在する開口面積の、各扉体ブロックの面積に対する比率を、各扉体ブロックの頂端部側の開口率という。また、隣接する扉体ブロック間に存在する開口面積の、各扉体ブロックの面積に対する比率を、各扉体ブロックの両側端部の開口率という。
本発明の起伏ゲート式防波堤では、各扉体ブロックの頂端部側の開口を、各扉体ブロックの両側端部の開口の2.5倍未満とするので、扉体に過剰な浮上力が発生し難くなって、倒伏状態の扉体を係留するための係留力を低減できる。
本発明の起伏ゲート式防波堤では、各扉体ブロックの頂端部側の開口は、各扉体ブロックの両側端部の開口の2.5倍未満であれば良いが、あまり狭くなると、扉体ブロックの頂端部で異物を挟み込むなどの不具合が発生するので、扉体ブロックの両側端部の開口幅以上とすることが望ましい。
本発明の起伏ゲート式防波堤において、隣接する扉体ブロック間を、水の流れは止めるが圧力を伝播させることができる遮水膜で塞いだ場合は、隣接する扉体ブロック間の間隔については透過水量からくる制限がなくなり、水位変動周期とは無関係に扉体の扉体頂端部側の間隔を設定できる。
本発明では、倒伏状態にある各扉体ブロックの頂端部側の開口を、各扉体ブロックの両側端部の開口の2.5倍未満としたので、扉体に過剰な浮上力が発生し難くなって扉体が上下方向に揺れるのを低減でき、倒伏状態の扉体の係留力を低減できる。また、扉体の頂端部で異物を挟み込むなどの不具合が発生し難くなる。
本発明の起伏ゲート式防波堤の押波時に起立した状態を説明する概略図である。 (a)は本発明の起伏ゲート式防波堤の引波時の状態を説明する概略図、(b)は同じく格納時の倒伏状態を説明する概略図である。 本発明の起伏ゲート式防波堤の平面図である。 本発明の起伏ゲート式防波堤を港口幅に連続して設置した状態を示す概略斜視図である。 扉体の頂端と収納部との間隔、及び扉体ブロックの両側端部の開口幅について説明する図で、(a)は側面図、(b)は立面図である。 扉体ブロックの両側端部の開口幅が、扉体の頂端と収納部の間隔よりも十分広い場合の圧力伝播を説明する図である。 扉体ブロックの頂端と収納部の間隔が扉体ブロックの両側端部の開口幅よりも十分広い場合の圧力伝播を説明する図である。 各扉体ブロックの頂端と収納部の間隔を変化させた際に、扉体に作用する浮上力がどのように変化するのかを調査した結果を示した図で、(a)は倒伏した扉体に規則波を作用させた際に生じる回転軸周りの浮上モーメントを、(b)はその際に扉体の係留部材に生じた係留モーメントを示した図である。 本発明の起伏ゲート式防波堤の動作を説明する概略図で、(a)は格納時、(b)は浮上操作時、(c)は倒伏時を示す図である。 本発明の起伏ゲート式防波堤の他の例の特徴を説明する概略図で、(a)は隣接する扉体ブロックが同一平面にある場合、(b)は隣接する扉体ブロックが同一平面にない場合の図である。 従来の起伏ゲート式防波堤の係留機構を説明する概略図である。 波浪によって倒伏状態の扉体に作用する浮上力と沈降力、及び係留機構に作用する係留力を説明する図である。
本発明では、倒伏状態にある扉体の係留力を低減するという目的を、各扉体ブロックの頂端部側の開口を、各扉体ブロックの両側端部の開口の2.5倍未満とすることで実現した。
以下、本発明を実施するための各種の形態と共に最良の形態を、図1〜図9を用いて詳細に説明する。
図1及び図2は本発明の起伏ゲート式防波堤の各種の状態を説明する概略図、図3は本発明の起伏ゲート式防波堤の平面図である。
図1〜図3において、11は起伏ゲート式防波堤であり、例えば、扉体12と、この扉体12の浮上時に扉体12が転倒しないように、港湾Rの港外側に設けられた複数のテンションロッド13を備えた構成である。
港口幅の広い水域に設置する場合、前記扉体12は、図3及び図4に示すように、幅方向に複数組の扉体ブロックBを一定の間隔を存して並設したもので、隣接した扉体ブロックB同士をロープ25で連結している。
隣接する前記各扉体ブロックB間の一方側の中心から、他方側の中心までを扉体ブロック一単位として、扉体ブロック一単位の幅から扉体ブロックBの幅を差し引いた値を扉体ブロックの両側端部の開口幅d1(図5(b)参照)とする。この扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1は、例えば津波対応の起伏ゲート式防波堤11では、扉体ブロックBの幅に対して1%としたものを基本とする。隣接する扉体ブロックB間の開口幅について、扉体ブロック一単位は幅方向に一定間隔を存して並設しているので、(d1/2)×2=d1となり、扉体ブロックBの幅に対して1%である。扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1が扉体ブロックBの幅の1%を超える場合は、津波発生時に港内への漏水量大きくなりすぎるためである。一方、扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1を小さくしすぎると、異物の挟み込みの問題が生じるためである。
前記扉体12は、基端側の回転軸12aを、例えば港湾Rの底部に一体構造で設けた収納部14の基台14aに、軸受15によって回転自在に枢支することで、前記回転軸12aを支点として起伏する。
この起伏動作を円滑に行うために、扉体12の頂端と前記収納部14の間にも間隔d2(図5(b)参照)が存在している。従って、倒伏状態の扉体12の上側の空間S1と、下側の空間S2は、図5(a)に示すように、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1と各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間の間隔d2によって連通している。
また、前記テンションロッド13は、例えばその中間の連結部13aで二つに折れ曲がるように形成されている。そして、扉体12の起立時に上端側に位置する一方端部13bは前記扉体12の頂部側に、前記起立時に下端側に位置する他方端部13cは、扉体12が倒伏する側の前記回転軸12aから所定の距離だけ離れた位置に、それぞれ回転が自在なように枢支されている。
前記扉体12の例えば頂部側には空気室12bが設けられ、給気装置16であるレシーバタンク16aとコンプレッサ16bにより、前記空気室12bに給気することによって、扉体12の浮上に必要な浮力を得るように構成されている。なお、16cは給気弁、16dは給気管を示す。
本発明は、例えば前記構成の起伏ゲート式防波堤11の、前記扉体12を海底で格納する収納部14における、図2(b)に示す格納時の倒伏状態にある扉体12の裏面12cと相対する部分に転向ガイド17を設置している。
そして、この転向ガイド17を介して、一端側を前記扉体12の裏面12cに取り付け、他端側を水面上に引き出した係留ロープ18の他端側に、係留ロープ18の固定装置19と、必要時に係留ロープ18の係留を解除する解除装置20を備えている。
図1〜図3の例では、前記解除装置20として、係留ロープ18の主切断装置20aと副切断装置20bを設けたものを示している(図9参照)。これらの切断装置20a,20bは、係留ロープ18として例えばポリエチレン系の繊維ロープを使用する場合は、溶融切断装置を使用すればよい。
また、図1〜図3の例では、係留ロープ18の他端側に係留ロープ18に作用する張力を監視する装置21と、引き波時に、図2(a)に示す浮上状態にある扉体12が所定の角度まで倒伏した場合に、扉体12を支持するストッパ装置22を設けている。
このストッパ装置22は、前記テンションロッド13の他方端部13cより扉体12の若干回転軸12a側で、基端側が回転自在に枢支され、先端側はこの基端を中心として自身の浮力によって起立揺動するようになされた支持ロッド22aを有している。
そして、支持ロッド22aがガイド22bによって位置決めされる位置まで起立する際は、起立するのに従って、支持ロッド22aの中間に先端が枢支された固定ロッド22cの基端が支持ロッド22aの基端側に移動してくる。
支持ロッド22aがガイド22bによる位置決め位置まで起立すると、固定ロッド22cの基端は、支持ロッド22aの起立と共に、起立状態から倒伏してくる固定フック22dに係合して、支持ロッド22aの倒伏を防止する。
なお、この固定フック22dは、支持ロッド22aの倒伏時には、起立して固定ロッド22cの基端の係合を解除するようになっている。この固定フック22dの起立動作と前記倒伏動作は、例えば一端側を支持ロッド22aに固定し、中間部を固定フック22dの基端側に捲き回した係留ロープ23aの他端を固定した動滑車に巻き回した係留ロープ23bを、支持ロッド22aの起伏動作に追従してウインチ24により繰り出しや巻き取りすることにより行われる。
上記構成の本発明の起伏ゲート式防波堤11において、海底の収納部14に倒伏した扉体12の上を波浪が通過した際に発生する浮上力について説明する。
倒伏した扉体12に作用する浮上力は、扉体12の上側と下側の圧力差によって生じる。扉体12の上面の圧力が扉体12の下面の圧力よりも高い場合は、扉体12には下向きの沈降力が作用する。反対に、扉体12の上面の圧力が扉体12の下面の圧力よりも低い場合は、扉体12には上向きの浮上力が作用する。
ここで、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1が、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2よりも十分に広い場合と、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2が、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1よりも十分に広い場合について、圧力の伝播の過程を以下に説明する。
(各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1が、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2よりも十分に広い場合;図6)
静水圧は水深に依存するため、波の山の直下の海底では圧力が高く、波の谷の直下の海底では圧力が低くなる。各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2の影響を無視でき、扉体12の下側の閉空間S2の圧力が、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1からのみ伝播していると仮定すると、扉体12の上面と下面に圧力差は生じないことになる。よって、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1が、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2よりも十分に広い場合は、扉体12には波浪による浮上力も沈降力も発生しない。
(各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2が、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1よりも十分に広い場合:図7)
各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1の影響を無視でき、扉体12の下側の閉空間S2の圧力が、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2からのみ伝播していると仮定すると、扉体12の下側の閉空間S2の圧力は扉体12の頂端の水位にのみ依存することになる。よって、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2が、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1よりも十分に広い場合は、扉体12の上下で圧力差を生じ、扉体12には大きな浮上力が作用することになる。
従って、扉体12に生じる浮上力を軽減するためには、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2と、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1を厳密に調整する必要があることが分かる。
図8は、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2を変化させた際に、扉体12に作用する浮上力がどのように変化するのかを調査した結果を示した図である。図8(a)は、倒伏した扉体12に規則波を作用させた際に生じる、扉体12の回転軸12a周りの浮上モーメント(扉体12に作用する圧力に扉体12の回転軸12aからの距離を掛け、それを扉体12の面積にわたって積分した量)を示した図である。また、図8(b)は、その際に扉体12の係留部材に生じた係留モーメント(扉体12を下向きに係留した際に生じる角運動量のモーメント。係留ロープ18に生じる張力×扉体12の回転軸12aから係留点までの長さ)を示した図である。
何れの図も、横軸に波の周期を、縦軸にモーメントを示している。また、図中の開口率とは、各扉体ブロックBの面積に対する各扉体ブロックBの頂端部分の開口面積の比率を示す。各扉体ブロックBの両側端部の開口率は1.0%である。
図8より、扉体12に作用する波の周期が長くなるに従って、扉体12に作用する浮上力も大きくなっていることが確認できる。また、各扉体ブロックBの頂端部分の開口率を1.0%とした場合は、開口率を2.5%或いは4.0%とした場合と比較して、扉体12に生じる浮上力を大幅に低減できていることが分かる。
これより、各扉体ブロックBの頂端部分の開口率は1.0%程度、すなわち各扉体ブロックBの頂端部分の開口率を各扉体ブロックBの両側端部の開口率と同程度にすることが望ましく、多くとも2.5%未満にする必要があることが分かる。つまり、各扉体ブロックBの頂端部分の幅d2を、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1(扉体ブロックBの幅の1%)の1〜2.5%にするのではなく、各扉体ブロックBの頂端部分の開口率を、各扉体ブロックBの両側端部の開口率の1〜2.5%未満とするということである。
なお、図8において、扉体12に作用する浮上モーメントと比較して、係留モーメントが小さくなっているのは、扉体12を完全に剛には固定せずに、扉体12の動揺をある程度許容するような係留機構を用いたためである。
本発明は以上の調査結果に基づいてなされたものであり、
幅方向に並設した隣接する扉体ブロックB同士を連結した扉体12が、空気室12b内への給気によって得られた浮力により起立する起伏ゲート式防波堤11において、
前記扉体12を水中で格納する収納部14において、倒伏状態にある扉体12の裏面12cと相対する部分に設置された転向ガイド17と、
一端側が前記扉体12の裏面12cに取り付けられ、他端側は前記転向ガイド17を介して水面上に引き出される係留ロープ18と、
この係留ロープ18の他端側に設けられ、水面上に引き出された係留ロープ18を固定する固定装置19と、
同じく前記係留ロープ18の他端側に設けられ、必要時に係留ロープ18の係留を解除する解除装置20と、を備え、
倒伏状態にある前記各扉体ブロックBの頂端部側の開口を、各扉体ブロックBの両側端部の開口の2.5倍未満としたことを特徴とするものである。
上記構成の本発明の起伏ゲート式防波堤11では、扉体12に過剰な浮上力が発生し難くなるので、扉体12が上下方向に揺れるのを低減でき、倒伏状態の扉体12を係留するための係留力を低減することができる。従って、係留機構をコンパクトにでき、コストダウンが図れることになる。また、扉体12の頂端部で異物を挟み込むなどの不具合も発生し難くなる。
上記構成の本発明の起伏ゲート式防波堤11は、例えば地震が発生して津波警報が発令されたときには、次に述べるような操作によって、津波が港湾Rの港内側に侵入するのを防止する。
(常時:図9(a)参照)
扉体12を収納部14の格納位置に着床させた状態で、係留ロープ18の他端側の端末を固定装置19に取付け、扉体12が浮上しないように保持する。
係留ロープ18の張力を監視装置21で監視しながら、扉体12の浮上に必要な浮力を得るまで、空気室12bの開口部の直下に給気口がくるように配置された給気管16dを介して空気室12b内に圧縮空気を供給する。圧縮空気の供給が完了した状態では、空気室12bには扉体12の浮上に必要な空気の充てんが完了しており、係留ロープ18によって浮上しないように係留されている。
なお、図1に示したストッパ装置22を設けている場合は、支持ロッド22aは扉体12によって倒伏状態に押さえ込まれており、この状態で、係留ロープ23bの巻き取り及び繰り出すウインチ24のブレーキを開放する。
日常は、係留ロープ18の張力及び扉体12の傾斜角度を常時監視しておき、堆積物等により扉体12の浮力が減少した場合は、必要量の空気補給を行う。また、空気補給だけでは係留ロープ18の張力が回復しない場合は、浮上操作または浚渫などのメンテナンスを行う。
なお、ストッパ装置22を設けている場合は、支持ロッド22aの傾斜を確認し、確認時に扉体12の裏面側のスペースを利用してストッパ装置22の動作確認を行う。
(扉体12の浮上操作時:図9(b)参照)
例えば地震の発生により津波警報が発令されて浮上指令が出た時には、解除装置20(主切断装置20aと副切断装置20b)を作動して係留ロープ18を切断する。この切断により、予め圧縮空気が供給された空気室12bで発生する浮力により係留ロープ18が引き出されて、通常水位まで扉体12が浮上する。
なお、図1に示したストッパ装置22を設けている場合は、扉体12の浮上に連動して係留ロープ23bが繰り出され、支持ロッド22aが浮上する。浮上した支持ロッド22aは、ガイド22bによって位置決めされ、固定フック22dによって倒れ込みが防止される。
浮力によって通常水位まで浮上した扉体12は、港湾Rの港外側から津波がきた場合には、津波の押波の力によって、図1に示すように、扉体12は垂直に起立し、津波が港湾Rの港内側に侵入するのを防止する。
一方、引き波がきて扉体12が倒伏しようとしても、図1に示したストッパ装置22を設けている場合は、扉体12が所定の角度まで倒伏すると、図2(a)に示すように、支持ロッド22aによって支持される。
(扉体12の倒伏操作時:図9(c)参照)
扉体12の上端部に設けた排気弁12dを開放して、空気室12b内の空気を排気しつつ、空気室12b内に海水を入れて扉体12を倒伏させる。なお、図1に示したストッパ装置22を設けている場合は、この扉体12の倒伏に連動してウインチ24を作動して係留ロープ23bを巻き取り、支持ロッド22aを倒伏させる。
倒伏完了後は、排気弁12dを閉めて前記切断した係留ロープ18を回収し、切断区間の係留ロープ18を交換する。作業完了後は、前記の常時の作業に戻る。
本発明例のように、空気室12bへの給気装置16と、係留ロープ18の張力の監視装置21をさらに設けた場合は、給気の緊急性が不要になって、給気装置16の二重化やバックアップ機能を省略できて装置の簡素化が図れ、維持管理の負担が減少する。
本発明は、前記の例に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
本発明の起伏ゲート式防波堤11を津波対策として使用する場合は、先に説明したように、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1は、各扉体ブロックBの幅(10m)の1%(10cm)としている。津波の周期は30分程度であるため、前記隙間があっても港内の水位を十分に保持することは可能である。
しかしながら、水位の上昇が数時間持続する高潮対策として使用するためには、前記1%の間隔とした場合は、港内の水位を保持することができない。そのため、高潮対策として使用する場合は、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1を、各扉体ブロックBの幅の1%未満にする必要がある。
ところで、本発明では、各扉体ブロックBの頂端部側の開口を各扉体ブロックBの両側端部の開口の2.5倍未満としている。従って、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1を小さくしすぎると、各扉体ブロックBの頂端と収納部14の間隔d2も小さくなって、異物の挟み込みなどの問題が生じることになる。
そこで、そのような場合には、図10に示すように、各扉体ブロックBの両側端部の開口をあまり小さくしないようにして、ロープ25で連結された扉体ブロックBの間をゴムなどの遮水膜26で塞ぐようにする。
扉体12が収納部14に格納された状態で、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1をなくしてしまうと、先に図7を用いて説明したように、扉体の上下で大きな圧力差が発生し、扉体12に大きな浮上力が作用することになる。
しかしながら、遮水膜26は水の流れは止めるものの、膜自体は柔軟な薄い膜であるため、圧力を伝播させることができ、扉体12の上下で圧力差を生じさせない。従って、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1については、透過水量からくる制限がなくなり、水位変動周期とは無関係に各扉体ブロックBの頂端部側の間隔d2を最適な値に設定することができるようになる。
なお、前記遮水膜26は、ゴムに換えて、ポリエステルやポリ塩化ビニルのような合成樹脂製の膜を使用しても良い。
また、上記の発明例では、給気装置16と監視装置21を設けているが、予め空気室12aに必要な浮力が得られるだけの空気が充てんされていれば、これら両装置16,21はなくても良い。
本発明は、津波や高潮対策として港湾に設置するだけでなく、河川に設置することも可能である。また、船舶が航行する河川や港では、水深が浅くなるのを防止するためにピットを設け、このピットに基台を配置することも可能である。
B 扉体ブロック
11 起伏ゲート式防波堤
12 扉体
12a 回転軸
12b 空気室
12c 裏面
14 収納部
15 軸受
16 給気装置
17 転向ガイド
18 係留ロープ
19 固定装置
20 解除装置
26 遮水膜

Claims (2)

  1. 幅方向に並設した隣接する扉体ブロック同士を連結した扉体が、空気室内への給気によって得られた浮力により起立する起伏ゲート式防波堤において、
    前記扉体を水中で格納する収納部において、倒伏状態にある扉体の裏面と相対する部分に設置された転向ガイドと、
    一端側が前記扉体の裏面に取り付けられ、他端側は前記転向ガイドを介して水面上に引き出される係留ロープと、
    この係留ロープの他端側に設けられ、水面上に引き出された係留ロープを固定する固定装置と、
    同じく前記係留ロープの他端側に設けられ、必要時に係留ロープの係留を解除する解除装置と、を備え、
    倒伏状態にある前記各扉体ブロックの頂端と前記収納部との間に存在する開口面積の、前記各扉体ブロックの面積に対する比率を、隣接する扉体ブロック間に存在する開口面積の、各扉体ブロックの面積に対する比率の2.5倍未満としたことを特徴とする起伏ゲート式防波堤。
  2. 前記隣接する扉体ブロック間を、遮水膜で塞いだことを特徴とする請求項1に記載の起伏ゲート式防波堤。
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