JP6431401B2 - 河川への津波遡上阻止ゲート - Google Patents

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Description

本発明は、河川を遡上してくる津波を阻止するために、平常時は水のない河川敷に設置する河川への津波遡上阻止ゲートに関するものである。
例えば防波堤の開口部に設置され、増水時、増水した水が生活空間や地下空間に流れ込まないように、流入する水による扉体自体の浮力を利用することで扉体が浮上して起立し、前記開口部を遮断する浮体式フラップゲートがある(例えば特許文献1)。
津波が発生したときに当該津波が河川を遡上するのを阻止するために、前記浮体式フラップゲートを河川敷に設置した場合、河川1の上流から下流に向かって流れる洪水時にも、図12(a)に示すように、扉体2がわずかに浮上し、洪水を安全に放流するために必要な河積断面Aが減少する。
従って、必要な河積断面を確保するためには、河川敷に浮体式フラップゲートを設置したときの標高を下げる必要があるが、フラップゲートが起立した時の天端高さを一定とするには前記下げた標高分だけ設備を大型化する必要がある。
そこで、扉体2の先端側を係止して、洪水時に扉体2が浮上しないようにすることが考えられるが、この場合、図12(b)に示すように、洪水と津波が同時に発生し、津波の遡上する力が洪水による力よりも大きいと、津波が河川1を遡上することになる。
また、幅の広い河川敷に浮体式フラップゲートを設置する場合、扉体を複数にして対応することになる。
この場合、各扉体を個別に係留すると複数の係留装置が必要になってコストアップになるばかりでなく、狭い空間に各部材が輻輳するという問題もある。一方、各扉体の係留フックを直列につないだ一つの係留装置とすると、扉体数倍の係留力が必要になって、大型の係留装置が必要になる。
特開2012−241449号公報
本発明が解決しようとする問題点は、浮体式フラップゲートを河川敷に設置して河川を遡上してくる津波を阻止する場合、必要な河積断面を確保するためには設備を大型化する必要があるという点である。
また、洪水時に扉体が浮上しないように、扉体の先端側を係止する場合は、洪水と津波が同時に発生したときに、津波の遡上する力が洪水による力よりも大きいと、津波が河川を遡上するという点である。
また、河川敷の幅が広く、扉体を複数にして対応する場合、各扉体を個別に係留すると複数の係留装置が必要になってコストアップになるばかりでなく、狭い空間に各部材が輻輳する一方、各扉体の係留フックを直列につないだ一つの係留装置とすると、扉体数倍の係留力が必要になって、大型の係留装置が必要になるという点である。
本発明は、上記問題を解決するために、浮体式フラップゲートを河川敷に設置した場合にも、設備を大型化することなく必要な河積断面を確保でき、また、洪水と津波が同時に発生し、津波の遡上する力が洪水による力よりも大きいときにも、津波が河川を遡上するのを阻止できるようにすることを第1の目的としてなされたものである。また、河川敷の幅が広く、扉体を複数の扉体ブロックで形成する場合も、大型の係留装置を必要とせず、しかも狭い空間に各部材が輻輳せず、コストがアップしないようにすることを第2の目的としてなされたものである。
本発明は、
河川を遡上してくる津波を阻止するために、平常時は水のない河川敷に設置する津波遡上阻止ゲートであって、
津波が河川を遡上してきた時、水による扉体自体の浮力を利用して後端側の回転支承を支点として先端側が起立搖動する扉体を有する浮体式フラップゲートの、前記扉体の先端部に係留ピンを取り付けるとともに、
前記係留ピンに係合するフックと、当該フックの前記係留ピンへの係合の着脱を行う着脱装置を配置した構成であり、
前記着脱装置には、洪水の放流中に津波が来襲したときに、津波の来襲による流れの変化を用いて前記フックの前記係留ピンへの係合を自動的に解除するバックアップ装置が設けられていることを最も主要な特徴としている。
上記の本発明は、平常時の扉体倒伏状態では、扉体の先端部に取り付けた係留ピンへのフックの係合を解除した状態としておけば、不意に津波が来襲したときには、人為的な操作をしなくても無動力で扉体が浮上して起立し、津波の遡上を阻止する。また、仮に津波が扉体14を超えて遡上した場合であっても、当該遡上した津波の引き波時には扉体は倒伏して引き波は下流側に流れる。
一方、洪水が予想される場合は、フックの着脱装置を操作して係留ピンにフックを係合させておけば、扉体の倒伏状態を保持することができる。
また、洪水が予想されて係留ピンにフックを係合させた状態で津波が発生し、津波の遡上する力が洪水による力よりも大きいときに、仮に係留ピンへのフックの係合が解除できなくても、バックアップ装置がフックの係留ピンへの係合を自動的に解除して津波の遡上を阻止する。
本発明において、扉体が複数の扉体ブロックを隣接配置すると共に複数の扉体ブロックを隣接配置した扉体を挟む両側にそれぞれ側壁を配置したものである場合は、フックの着脱装置で、当該フックの着脱装置を内部に配置した側壁に隣接する扉体ブロックの係留ピンに係合するフックのみを着脱する。フックの着脱装置を内部に配置した側壁と隣接する扉体ブロック以外の扉体ブロックに係合する係留ピンへのフックの着脱は、隣接する扉体ブロックの起伏動作により着脱する構成の第2の着脱装置により行う。このような構成とすれば、大型の係留装置を必要とせず、しかも狭い空間に各部材が輻輳せず、コストがアップすることもない。
本発明では、平常時は、係留ピンへのフックの係合を解除しておけば、不意に津波が来襲しても人為的な操作をすることなく無動力で扉体が浮上して起立し、津波の遡上を阻止する。一方、洪水が予想される場合は、係留ピンにフックを係合させることで、扉体の倒伏状態を保持できる。従って、扉体の高さを必要最小限とすることができる。
また、本発明では、洪水が予想されて係留ピンにフックを係合させた状態で津波が発生し、津波の遡上する力が洪水による力よりも大きいときに、仮に係留ピンへのフックの係合が解除できなくても、バックアップ装置がフックの係留ピンへの係合を自動的に解除する。従って、津波の遡上を阻止することができる。
(a)は本発明の河川への津波遡上阻止ゲートを平面方向から見た概略図、(b)は(a)図のA−A断面図である。 図1(a)のB−B断面図である。 図1(a)のC−C部の拡大図である。 (a)は図3のD部の拡大図、(b)は図3のE部の拡大図、(c)は図3のF部の拡大図である。 扉体の先端部に取り付けた係留ピンとこの係留ピンに係合するフックを示した図で、(a)は平面から見た図、(b)は側面から見た図である。 (a)は図3のG部の断面図、(b)は(a)図のH−H断面図である。 平常時におけるフックの着脱を説明する図である。 津波の襲来時におけるフックの着脱を説明する図である。 洪水時におけるフックの着脱を説明する図である。 洪水時に津波が襲来したときに切り換え弁が正常に作動した場合のフックの着脱を説明する図である。 洪水時に津波が襲来したときに切り換え弁が故障した場合のフックの着脱を説明する図である。 浮体式フラップゲートを河川敷に設置した場合の洪水時における問題を説明する図で、(a)は扉体の先端側を係止しない場合、(b)は扉体の先端側を係止する場合である。
本発明は、河川を遡上してくる津波を阻止する場合に、設備を大型化することなく必要な河積断面を確保でき、かつ、扉体の先端側を係止した状態で、洪水と津波が同時に発生したときにも津波が河川を遡上することを阻止することを第1の目的としたものである。
そして、前記第1の目的を、扉体の先端部に取り付けた係留ピンに係合するフックの係留ピンへの着脱を行う着脱装置に、洪水の放流中に津波が来襲したときに、津波の来襲による流れの変化を用いてフックの係留ピンへの係合を自動的に解除するバックアップ機能を設けることで実現した。
また、扉体を複数の扉体ブロックで形成する場合も、大型の係留装置を必要とせず、狭い空間に各部材が輻輳せず、コストもアップしないようにするという本発明の第2の目的を、フックの着脱装置で一方側の扉体ブロックの係留ピンに係合するフックのみを着脱し、残りの扉体ブロックの係留ピンへのフックの着脱は、隣接する扉体ブロックの起伏動作により脱着する第2の着脱装置により行うことで実現した。
以下、本発明の実施例を、図1〜図11を用いて詳細に説明する。
図1〜図6は本発明の河川への津波遡上阻止ゲートを説明する図、図7〜図11はフックの着脱を説明する図である。
本発明の津波遡上阻止ゲート11は、平常時は水のない河川敷3に設置し、津波の発生時、津波が河川1を遡上してきた時に起立して、遡上してきた津波が河川1の上流側に遡上するのを阻止するものである。なお、図1、図3中の4は堤防を示す。
この津波遡上阻止ゲート11は、河川敷3に打ち込んだ基礎杭12に支持された基礎コンクリート13の表面側に形成した内部空間13aに、後端側の回転支承14aを支点として、先端側が起立搖動するように、扉体14を配置している(図2参照)。
その際、扉体14の後端側が河川1の上流側に、先端側が河川1の下流側、すなわち海側に位置するように設置し、前記後端側の回転支承14aは水密状態を維持するように構成しておく。
前記扉体14は、設置する河川敷3の幅が大きい場合には、図3に示すように、複数の扉体ブロック14b,14cを一列に並べて連結する。この際、隣接する扉体ブロック14b,14c又は14c,14c同士は、図4(b)(c)に示すように、例えば止水膜15によって、水密状態を維持して連結する。
前記複数の扉体ブロック14b,14cを一列に並べて連結した扉体14の、河川側には側壁16が、堤防側には側壁17がそれぞれ配置され(図1参照)、これら側壁16,17と扉体14の間も水密状態を維持するように構成する。
18は、前記扉体14(図3に示した例では各扉体ブロック14b,14c)の例えば先端面に、扉体14の幅方向が軸方向となるように取り付けた係留ピンであり、この係留ピン18に前記内部空間13aに設置したフック19を押し付けて扉体14の倒伏状態を維持する(図5参照)。
前記フック19は、例えば、ウエイト19aを取り付けて先端側より重たくした基端側をピン19bによって垂直面内で回転が自在なように、前記内部空間13aに取り付けている。そして、堤防側の前記側壁17の内部の機械室17aに配置した着脱装置20によって、前記フック19の先端側を係留ピン18に押し付けたり、係留ピン18への押し付けを解除する。
前記フック19の着脱装置20は、図3に示した複数の扉体ブロック14b,14cを一列に並べて連結した扉体14の場合、例えば、堤防側の側壁17と隣接する扉体ブロック14bの係留ピン18に係合するフック19のみを着脱するものとする(図4(a)、図6(a)参照)。
この着脱装置20は、フック19の先端側を係留ピン18に押し付けたり、係留ピン18への押し付けを解除できるものであれば、特にその構成は限定されない。
例えば図3、図4(a)、図6(a)に示した実施例では、機械室17aに設置した油圧シリンダ21のロッドの出退により、一端を機械室17aに、他端を前記フック19の中央部分にそれぞれ固定したロープ22を、転向滑車23〜25を介して繰り出し又は巻き取ることで行っている。
なお、転向滑車23は前記油圧シリンダ21のロッド端に取り付けられている。また、転向滑車24,25は前記内部空間13aにおける扉体14の先端側の床部分に設置され、転向滑車24は側壁17の近傍位置に、転向滑車25は前記フック19の下方位置に設置されている。
前記油圧シリンダ21のロッドの出退は、油圧ユニット26から送られてくるオイルの給排によって行う。この油圧ユニット26は、例えば図7〜図11に示すように、オイル26aを貯めるオイルタンク26bと、このオイルタンク26bに貯められたオイル26aを油圧シリンダ21に導く配管26c,26dの途中に流路の切換え弁26eを設けた構成である。なお、26fは油圧ポンプである。
一方、前記堤防側の側壁17と隣接する扉体ブロック14b以外の扉体ブロック14cの係留ピン18へのフック19の押し付け或いは押付けの解除は、第2の着脱装置27によって行う。
この第2の着脱装置27は、隣接する扉体ブロック14b又は14cの起伏動作によって順次脱着する構成である。
例えば図3、図4(b)、図4(c)に示した実施例では、前記内部空間13aの扉体14の先端側の床部分における扉体ブロック14b又は14cの側壁17側の位置に、扉体14の先端面と平行する垂直面内で回転が自在なように中央部分を支持したレバー28を設置している。
前記レバー28の一方端にはロープ29の一方端を固定し、ロープ29の他方端は転向滑車30,31を介してフック19の中央部分に取り付ける。一方、前記レバー28の他方端にはローラ32を回転自在に取り付け、このローラ32を側壁17側に隣接する扉体ブロック14b又は14cの側面14ba又は14caに当接させることで前記扉体ブロック14cの係留ピン18に前記フック19を押し付けている。
つまり、上記構成の本発明の津波遡上阻止ゲート11では、平常時は、切り換え弁26eを中立位置に制御して(ソレノイドa,bともoff)、油圧シリンダ21の油圧がキャップ側21a及びヘッド側21bともオイルタンク26bに抜けてピストン21cがキャップ側21aに移動してロッド21dが退入した状態となるようにし(図7参照)、堤防側の側壁17と隣接する扉体ブロック14bの係留ピン18への、着脱装置20によるフック19の押し付けを解除した状態で扉体14を倒伏させておく。
ところで、26gは切り換え弁26eと油圧シリンダ21の間に設けたダブルパイロットチェック弁である。このダブルパイロットチェック弁26gは、切り換え弁26eから油圧シリンダ21のキャップ側21aに至る配管26cに設けたパイロットチェック弁26gaと、切り換え弁26eから油圧シリンダ21のヘッド側21bに至る配管26dに設けたパイロットチェック弁26gbからなっている。
この状態では、堤防側の側壁17と隣接する扉体ブロック14b以外の扉体ブロック14cは、側壁17側に隣接する各扉体ブロック14b又は14cに第2の着脱装置27の各ローラ32が押さえられて各レバー28の一方端が上方位置となり、各フック19が各係留ピン18を押し付けて倒伏状態を維持する。
図7の状態で津波が発生し、河川1を遡上してきた津波によって扉体14に浮力が作用すれば、堤防側の側壁17と隣接する扉体ブロック14bが浮上を開始し、この扉体ブロック14bの浮上により隣接する扉体ブロック14cは順に浮上を開始して津波の遡上を阻止する。この津波来襲時は、図8に示すように、切り換え弁26eは中立に位置して(ソレノイドa,bともoff)、油圧シリンダ21のピストン21cはロッド21dが退入した状態となる位置に位置している。なお、仮に津波が扉体14を超えて遡上した場合であっても、当該遡上した津波の引き波時には、当該引き波によって扉体14が倒伏して引き波は下流側に流れる。
一方、図7の状態で洪水が予測された場合には、図9に示すように、切り換え弁26eを順流れ位置に制御して、油圧シリンダ21のピストン21cの位置をロッド21dが突出した状態となるように位置させ、扉体ブロック14bのフック19を係留ピン18に押し付けた状態としておく。扉体ブロック14cは平常時と同様、第2の着脱装置27によってフック19で係留ピン18を押し付けた状態となっている。
油圧シリンダ21のピストン21cの位置が、ロッド21dの突出限に達する位置になると、オイルタンク26bへのオイル26aの戻りがパイロットチェック弁26gbによってブロックされ、油圧ポンプ26fの運転を停止し、切り換え弁26eへの励磁を止めて中立に位置させる(ソレノイドa,bともoff)。この状態では、油圧シリンダ21のピストン21cは、ロッド21dが突出限の状態を保持したままの位置となる。
上記状態で洪水が発生した場合、倒伏状態にある堤防側の側壁17と隣接する扉体ブロック14bは、着脱装置20により係留ピン18にフック19を押し付けて起立を阻止しているので、洪水によって扉体14が浮上することがなく、河積断面が減少しない。
また、図9の状態において洪水と津波が同時に発生した場合は、図10に示すように、切り換え弁26eを逆流れ位置に制御して、油圧シリンダ21のピストン21cをロッドが退入した状態となる位置に位置させ、扉体ブロック14bのフック19による係留ピン18の押し付けを解除した状態として津波の遡上を阻止する。扉体ブロック14cは平常時と同様、第2の着脱装置27によってフック19で係留ピン18を押し付けた状態となっている。
油圧シリンダ21のピストン21cの位置が、ロッド21dが退入限に達する位置になると、オイルタンク26bへのオイル26aの戻りがパイロットチェック弁28gaによってブロックされ、油圧ポンプ26fの運転を停止し、切り換え弁26eへの励磁を止めて中立に位置させる(ソレノイドa,bともoff)。この状態では、油圧シリンダ21のピストン21cは、ロッド21dが退入限の状態を保持したままの位置となる。
しかしながら、万が一、図9の状態において発生した津波で切り換え弁26eの遠隔操作が不能な状態に陥った場合は、津波の遡上を阻止できなくなる。
そこで、本発明では、上記着脱装置20にバックアップ装置33を設け、切り換え弁26eの遠隔操作が不能な状態に陥った場合でも、津波の来襲による流れの変化を用いて扉体ブロック14bのフック19の係留ピン18への係合を自動的に解除するようにしている。ところで、切り換え弁26eの遠隔操作が不能な状態に陥った場合、ソレノイドa,bはともにoffになる。
前記バックアップ装置33は、例えば、前記油圧シリンダ21と、油圧シリンダ21に油圧を供給する油圧ユニット26を繋ぐ配管26cの途中にバックアップ弁33aを設けたものである。
前記バックアップ弁33aは、前記切替え弁26eが遠隔操作できなくなった場合に、堤防側の側壁17と隣接する扉体14bの起伏搖動の邪魔にならない位置に取り付けた受圧板33bの回動によって、バックアップ弁33aのばね33cの付勢力に抗して閉状態から開状態になる。なお、受圧板33bの設置位置は、扉体14bの起伏搖動の邪魔にならない河川1の底部近傍の位置であれば、扉体14bの下流側でも、堤防側の側壁17に設けた河川1の下流から上流に貫通する孔の内部でもよい。
前記受圧板33bは、上端部を回転が自在なように支持して、下端側が河川1の流れ方向に搖動が自在なように、搖動軸となるシャフト33dを機械室17aと連通する竪穴17bに貫通させている。
そして、前記シャフト33dの竪穴17bへの貫通部分にトルクアーム33eを取り付け、このトルクアーム33eの先端部にロープ33fを繋いでいる。このロープ33fは、一方端を機械室17a内に設けた支点台33hに回転自在に取付けたリンクアーム33iの他方端に連結され、このリンクアーム33iでバックアップ弁33aを下方に押付けている。本実施例では、バックアップ弁33aの上部にロッド33jを突設し、このロッド33iを介してバックアップ弁33aを押付けるものを示している。
上記構成のバックアップ装置33は、津波の来襲時に受圧板33bが回動して、前記リンクアーム33iがその一方端側を支点として他方端側が降下し、前記バックアップ弁33aのばね33cに抗してバックアップ弁33aを押し下げて閉状態から開状態にする(図7,10,11参照)。
バックアップ弁33aが閉状態から開状態になると、油圧シリンダ21のキャップ側21aのオイル26aがバックアップ用のオイルタンク33gに流れ、ピストン21cが自重によって退入し、フック19の係留ピン18への押し付けを解除する(図11参照)。
本発明は、前記の例に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば上記実施例では、複数の扉体ブロック14b,14cを一列に並べて連結した扉体14の場合について説明したが、河川敷の幅が狭く1枚の扉体ブロックでよい場合は、第2の着脱装置27が不要であることは言うまでもない。
また、第2の着脱装置27は、河川敷に設置する津波遡上阻止ゲートに限らず、海底に設置するフラップゲートに適用することもできる。海底に設置するフラップゲートに適用する場合、係留装置として第2の着脱装置27のみを使用可能である。
1 河川
3 河川敷
11 津波遡上阻止ゲート
14 扉体
14a 回転支承
14b,14c 扉体ブロック
18 係留ピン
19 フック
20 着脱装置
21 油圧シリンダ
27 第2の着脱装置
33 バックアップ装置
33b 受圧板

Claims (3)

  1. 河川を遡上してくる津波を阻止するために、平常時は水のない河川敷に設置する津波遡上阻止ゲートであって、
    津波が河川を遡上してきた時、水による扉体自体の浮力を利用して後端側の回転支承を支点として先端側が起立搖動する扉体を有する浮体式フラップゲートの、前記扉体の先端部に係留ピンを取り付けるとともに、
    前記係留ピンに係合するフックと、当該フックの前記係留ピンへの係合の着脱を行う着脱装置を配置した構成であり、
    前記着脱装置には、洪水の放流中に津波が来襲したときに、津波の来襲による流れの変化を用いて前記フックの前記係留ピンへの係合を自動的に解除するバックアップ装置が設けられていることを特徴とする河川への津波遡上阻止ゲート。
  2. 前記浮体式フラップゲートの扉体が複数の扉体ブロックを隣接配置すると共に複数の扉体ブロックを隣接配置した扉体を挟む両側にそれぞれ側壁を配置したものである場合、
    前記フックの着脱装置で、当該フックの着脱装置を内部に配置した側壁に隣接する扉体ブロックの係留ピンに係合するフックのみを着脱し、
    前記フックの着脱装置を内部に配置した側壁と隣接する扉体ブロック以外の扉体ブロックに係合する係留ピンへのフックの着脱は、隣接する扉体ブロックの起伏動作により着脱する構成の第2の着脱装置により行うことを特徴とする請求項1に記載の河川への津波遡上阻止ゲート。
  3. 前記フックの着脱装置のバックアップ装置は、津波が遡上する力が洪水による力よりも大きいときに水流方向の変化により受圧板が搖動して常時は閉状態にある前記フックの着脱装置の油圧回路に設けたバックアップ弁を開き、前記フックの前記係合ピンへの係合を自動的に解除するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の河川への津波遡上阻止ゲート。
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