JP2010037749A - 汚濁拡散防止装置、汚濁拡散防止方法 - Google Patents

汚濁拡散防止装置、汚濁拡散防止方法 Download PDF

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裕美 新保
Hideyo Iwamura
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Keiichiro Amano
景一朗 天野
Yasunobu Shiraishi
康信 白石
Terumichi Hata
輝道 秦
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Abstract

【課題】 構造が簡易で、水流や工事状況に応じて、適切に汚濁成分の沈殿を促進可能な汚濁拡散防止装置および汚濁拡散防止方法を提供する。
【解決手段】 工事海域7から外方へ向かう濁り成分31を含む流れは、汚濁拡散防止膜9を超えるまでは水平方向であるが、回転板11へ衝突すると、鉛直方向に変化させられる。したがって、濁り成分31は工事海域7の近傍で沈降して、工事海域7から遠方への流出が抑制される。工事海域7の外部から内部への流れに対しては、回転板11を完全に開放する。したがって回転板11は流れの抵抗を受けにくい。このため、回転板11が流れによって押されて、汚濁拡散防止膜9がめくれあがるようなことが抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、簡易な構造で濁り成分を回収することができ、このため工事水域からの濁りの拡散を防止することが可能な、汚濁拡散防止装置および汚濁拡散防止方法に関するものである。
従来、海上での工事を行う場合、工事によって発生する濁りが工事海域外へ拡散しないように管理する必要がある。このため、工事海域を囲むようにあらかじめ濁り拡散防止膜を設けて、濁り成分が濁り拡散防止膜内から流出しないように工事がおこなわれる。
このような濁り拡散防止膜は数多く提案されている。たとえば、浮力材の下方にカーテン部材を設け、カーテン部材の下端には、潮流の方向に対して上流側に斜め下方に向かうひれ部材を設けた汚濁拡散防止膜がある(特許文献1)。
また、フロートにテンションベルトを設け、テンションベルトを上端として汚濁拡散防止膜としてカーテン部材が設けられ、カーテン部材の下方部が開放自在に形成され、カーテンの下端と横方向の補強ベルトとの間に高透水性膜体を介装する汚濁防止装置がある(特許文献2)。
特開2000−303437号公報 特開平9−53221号公報
しかし、特許文献1のような汚濁拡散防止膜では、潮流によるカーテンの浮き上がりを完全に制することはできず、また、工事水域からの汚濁成分の流出を直接抑制することはできないという問題がある。
また、特許文献2による汚濁防止装置では、複数のカーテン部材の下端に高透水性膜体を取り付け、それらをたるみを持たせて設置することで、潮流がカーテン部材に衝突する際に、潮流を高透水性膜体側である下方に向けるものであるが、工事水域からの汚濁成分の漏れだしが汚濁防止装置の上方でも起こりうるため、汚濁成分を早く沈下させる効果は小さいという問題がある。更に、カーテン部材と高透水性膜体との位置が、常に一定であるため、潮流の向きや大きさ、工事の実施時間などによらず、常に汚濁成分が工事水域外へ漏れだす危険性があるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、構造が簡易で、水流や工事状況に応じて、適切に汚濁成分の沈殿を促進可能な汚濁拡散防止装置および汚濁拡散防止方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、工事水域からの濁りの拡散を防止する汚濁拡散防止装置であって、工事水域を囲うように水面に浮かべられたフロートと、前記フロートに接合された汚濁拡散防止膜と、前記汚濁拡散防止膜の下方に設けられ、工事水域の内外方向に回転動作可能な回転部材と、前記回転部材を回転させる回転手段と、を具備することを特徴とする汚濁拡散防止装置である。
前記回転部材の内部には空間が形成され、前記空間には、液体または気体を送るチューブが接続され、前記空間には、液体または気体を排出する排出部が設けられ、前記回転手段は、前記チューブにより前記空間に液体または気体を送ることで、前記回転部材の回転角度を変化させてもよい。
前記回転部材に接合されたワイヤと、前記フロート近傍に設けられ、前記ワイヤの巻き上げおよび巻き出しが可能な巻き上げ装置と、を更に具備し、前記巻き上げ装置は、前記回転部材の回転角度を固定することが可能であってもよい。また、前記回転部材は、工事水域の外方に膨れるように湾曲した形状であってもよい。
第1の発明によれば、汚濁拡散防止膜の下端に設けられた回転部材によって、汚濁成分の流れを水平方向から鉛直方向に変化させることが可能であるため、汚濁成分の沈殿を促進させることができ、このため、汚濁成分の拡散を防止することができる。特に、汚濁拡散防止膜のような柔構造ではなく、剛体の回転部材を汚濁拡散防止膜の下端に設けることで、濁りが発生しやすい底層付近において濁りを拡散させる水平方向の流れに対する十分な抵抗が期待できる。
また、回転部材は、内部の空間へエアまたは水を送ることで浮力の調整が可能であるため、回転部材を容易に回転させることができ、このため、周囲の水流や工事の状況に応じて、回転部材を適切な角度に変化させることができる。更に、回転部材がワイヤで固定可能であるため、回転部材を所定の角度へ変化させたのち、回転部材の角度を保持することができる。
第2の発明は、第1の発明にかかる汚濁拡散防止装置が、工事水域を囲うように設置され、前記工事水域での工事の際に、前記工事水域周辺の水流の上流側の前記回転部材の角度が任意に調整回転であり、前記工事水域周辺の水流の下流側の前記回転部材を、前記工事水域の内方および外方に90°未満の角度で回転させることを特徴とする汚濁拡散防止方法である。
なお、回転部材の先端近傍が、海底方向(鉛直方向下方)に向いており、回転部材が完全に閉じた状態が、回転部材の回転角度が0°の状態であり、回転部材が工事水域の内方または外方に向けて回転した際に、鉛直方向下方と回転部材の先端の向く方向とのなす角度が回転部材の回転角度とする。
第2の発明によれば、水流が速い場合には、上流側の回転部材を完全に開放することで、水流は抵抗なく工事水域に侵入可能であり、このため、水流による汚濁拡散防止膜の抵抗を低減し、汚濁拡散防止膜が水流で流されたりすることが抑制される。また、水流の下流側の回転部材を90°未満の角度で回転させれば、水流は回転部材に衝突し、水平方向の流れを効率良く鉛直方向の流れに変化させることができ、このため濁り成分の沈降を促進し、広範囲にわたる汚濁成分の拡散を防止することができる。
本発明によれば、構造が簡易で、水流や工事状況に応じて、適切に汚濁成分の沈殿を促進可能な汚濁拡散防止装置および汚濁拡散防止方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる汚濁拡散防止装置1について説明する。図1は、汚濁拡散防止装置1の斜視図であり、図2は、汚濁拡散防止装置1の平面図、図1のA−A線断面図である。
汚濁拡散防止装置1は、主に、フロート5、汚濁拡散防止膜9、回転板11、等から構成される。
フロート5は、海面3に浮遊可能であり、工事海域7を海面3で囲うように設けられる。フロート5としては、海面3に浮遊可能で工事範囲を保持するものであればよく、例えば既存の汚濁防止枠等の剛性を有した中空体が使用できる。
フロート5には、汚濁拡散防止膜9が接合される。汚濁拡散防止膜9は、フロート5から海底17に向かって垂れ下げられる。したがって、工事海域7は、汚濁拡散防止膜9によって囲まれる。汚濁拡散防止膜9としては、汚濁成分が透過しなければよく、例えば耐久性、耐寒性、耐薬品性、耐光性等に優れる高強度ポリエチレン系合成繊維が使用できる。高強度ポリエチレン系合成繊維を用いれば、水密性までは確保できなくても、濁り成分を含む水流を留める効果は確保することができる。
汚濁拡散防止膜9の下端全周にわたり、チェーン19が設けられる。チェーン19は、汚濁拡散防止膜9がめくれ上がったり、汚濁拡散防止装置1が海流等で移動したりすることを防止する錘の役割を有する。チェーン19としては、例えば一般的な汚濁防止膜で使用するチェーンと同等のものが使用できる。
汚濁拡散防止膜9の下端近傍には回転板11が設けられる。回転板11はヒンジ15によって汚濁拡散防止膜9と接合される。すなわち、回転板11は工事海域7の外方に向けて回転動作が可能である。回転板11は、工事海域7の外方に向けて湾曲した形状である。なお、回転板11の詳細については後述する。
回転板11の先端近傍にはワイヤ13およびワイヤ14が接合される。ワイヤ13のもう一方の端部はフロート5近傍に設けられたウィンチ21に接合される。同様に、ワイヤ14のもう一方の端部はフロート5近傍に設けられたウィンチ22に接合される。したがって、ワイヤ13、14はそれぞれウィンチ21、22によって巻き上げおよび巻き出しが可能である。
次に、回転板11の詳細について説明する。図3(a)は、図2のB部拡大図である。回転板11の内部は空洞であり、浮力調整室25が形成される。浮力調整室25は、内部に水やエアを導入することで、回転板11の浮力(ここでいう浮力とは、回転板11が沈む方向の力と海水により浮かび上がる力との差を指すものとする)を調整することが可能である。
回転板11の端部近傍にはチューブ23、24が接続されている。チューブ23、24は、回転板11の浮力調整室25と連結されている。チューブ23は、浮力調整室25へ水送り込むことができる。また、チューブ24は、浮力調整室内へエアを送り込むことができるとともに、浮力調整室25内のエアを排出することもできる。なお、チューブ23、24のもう一方の端部は、水上に設置され、水やエアを送り込むことが可能な図示を省略したポンプ等と接続される。なお、図1、図2においては、チューブ23、24の図示は省略した。
回転板11の端部近傍であって、チューブ23、24の接続部とは反対側および同一面上のヒンジ15近傍には、それぞれ排水部27が設けられる。排水部27は浮力調整室25と外部とが連通されており、図示を省略した逆止弁が設けられる。すなわち、排水部27は、浮力調整室25内から外部へ排水することができるが、外部から浮力調整室25内へ水圧等により水が浸入することはない。
チューブ23から水が浮力調整室25に送られると、浮力調整室25内のエアはチューブ24により排出される。また、チューブ24からエアが浮力調整室25内へ送られると、浮力調整室25内の水は排水部27から排水される。したがって、浮力調整室25へエアまたは水が送られた際に、浮力調整室25内の水またはエアが排出され、浮力調整室25内の水とエアの比率が変化する。
回転板11としては、腐食等に強く、浮力調整室25内にエアを充填させた際に水に浮く必要があることから、例えば高さ1mから2m程度の強化プラスチックなどが使用できる。
次に、回転板11の動作について説明する。図3(a)は、浮力調整室25内に水が充填された状態を示す図である。この場合、回転板11自体が周囲の水よりも比重が大きいため、回転板11が完全に閉じた状態となる。この場合には、ワイヤ13、14をそれぞれウィンチ21、22から所定長さ巻き出すことで、回転板11は閉じた状態で固定される。
図3(b)は、チューブ24から少量のエアを浮力調整室25へ送り出した状態を示す図である。浮力調整室25内にエアが送られると、浮力調整室25内に充填されていた水は排水部27から押し出される。すなわち、浮力調整室25内の水の一部がエアに置換される。
浮力調整室25内にエアが導入されると、回転板11は浮上を開始する。この際、回転板11の端部がヒンジ15で固定されているため、回転板11はヒンジ15を中心に回転する。なお、回転板11が回転する際に、ワイヤ13をウィンチ21によりわずかに巻き上げ、ワイヤ14をウィンチ22よりわずかに巻き出すことで、回転板11は図3(b)に示すように工事海域7の外方へ回転する。すなわち、回転板11は、工事海域7の外方に向けて開放する。所定の角度まで回転板11が回転した状態を保持するように、必要量のワイヤ13をウィンチ21で巻き上げると同時に、ワイヤ14をウィンチ22より巻き出す。
図3(c)はさらに浮力調整室25内にエアを導入した状態を示す図である。エアをチューブ24によりさらに浮力調整室25内に導入すると、内部の水は排水部27から流出する。すなわち、浮力調整室25内の水の大部分がエアと置換される。
浮力調整室25内にエアが導入されると、回転板11はさらに浮上する。すなわち、回転板11はヒンジ15を中心に大きく回転する。図3(c)は回転板11が完全に開放した状態を示す図である。回転板11がこの状態を保持できるように、ワイヤ13をウィンチ21で巻き上げると同時に、ワイヤ14をウィンチ22より巻き出す。
以上により回転板11を所定の角度で工事海域7の外方に回転させて、開放することができる。なお、回転板11を閉めるときは、ウィンチ21で所定量のワイヤ13を巻き出した後、チューブ23から水を浮力調整室25内へ送り込めばよい。チューブ23から浮力調整室25内へ水が送られ、チューブ24により浮力調整室25内のエアを排気することで、浮力調整室25内のエアを水に置換できる。浮力調整室25内のエアが水に置換されることで、回転板11の浮力が小さくなり、回転板11は閉じる方向へ回転する。所定の位置まで回転した状態となるように、ワイヤ13、14の長さを調整すれば、回転板11はその回転角度で保持される。
次に、回転板11を工事海域7の内方へ回転させる場合について説明する。図4(a)は回転板11が、工事海域7内方へわずかに回転した状態を示す図である。
回転板11が完全に閉じた状態(図3(a)の状態)から、チューブ24より少量のエアを浮力調整室25へ送り出すと、浮力調整室25内に充填されていた水は排水部27から押し出される。すなわち、浮力調整室25内の水の一部がエアに置換される。浮力調整室25内にエアが導入されると、回転板11は浮上を開始する。この際、ワイヤ14をウィンチ22によりわずかに巻き上げ、ワイヤ13をウィンチ21よりわずかに巻き出すことで、回転板11は図4(a)に示すように工事海域7の内方へ回転する。すなわち、回転板11は、工事海域7の内方に向けて開放する。所定の角度まで回転板11が回転した状態を保持するように、必要量のワイヤ14をウィンチ22で巻き上げると同時に、ワイヤ13をウィンチ21より巻き出す。
図4(b)はさらに浮力調整室25内にエアを導入した状態を示す図である。エアをチューブ24によりさらに浮力調整室25内に導入すると、回転板11はさらに浮上する。すなわち、回転板11はヒンジ15を中心に大きく回転する。図4(b)は回転板11が完全に開放した状態を示す図である。回転板11がこの状態を保持できるように、ワイヤ14をウィンチ22で巻き上げると同時に、ワイヤ13をウィンチ21より巻き出す。なお、この状態は、図3(c)の状態とほぼ同様の効果を有する。
次に、回転板11の各状態における機能について説明する。図5は、回転板11のそれぞれの状態(それぞれの回転角度)における機能を示す図である。なお、図5においては、チューブ23、24、および排水部27の図示を省略した。
図5(a)は、回転板11の先端が略鉛直方向下方に向いており、完全に閉じた状態を示す。すなわち、前述の図3(a)の状態を示す。この状態における回転角度Rは0°である。回転板11が完全に閉じた状態では、海底17と回転板11との隙間は極めて小さく、工事海域7からの濁り成分が工事海域外へ流出することはない。
図5(a)の状態は、例えば汚濁拡散防止膜9下端が海底17近傍まで設置可能な状態である場合や、工事を行っていない状態で適用される。この場合、特に回転板11が汚濁拡散防止膜9のみの場合と比較して剛体であるためより確実に汚濁の拡散を抑えることができる。
図5(b)は、回転板11をわずかに工事海域7の外方へ開放した状態を示す図である。すなわち、前述の図3(b)の状態を示す。この状態における回転角度Rは、鉛直方向下方と回転板11の先端近傍が向く方向とがなす角度であり、工事海域7の外方に向けて0°を超えて90°未満である。
この状態では、工事海域7の内部から外部への濁り成分31の流れの方向が変えられる。すなわち、汚濁拡散防止膜9を超えるまでは、濁り成分31を含むほぼ水平方向の流れであるが、流れが回転板11へ衝突すると、流れ方向が回転板11の向きに応じて、鉛直方向下方へと変えられる(図中矢印C方向)。したがって、濁り成分31の沈降が促進される。このため、濁り成分31は工事海域7の近傍で沈降し、工事海域7から遠方への流出が抑制される。
したがって、図5(b)の状態は、例えば工事中で、工事海域7内で濁り成分31を含む流れが、工事海域7の外側に向かう状態の際に適用される。なお、図5(b)の状態は、特に汚濁拡散防止膜9下端と海底17との間に隙間が生じるような部位において汚濁拡散防止の効果が大きい。すなわち、汚濁拡散防止膜9(回転板11)下端と海底17との間に隙間が生じるような部位においては、図5(a)の状態では汚濁拡散防止の効果が薄れるが、図5(b)の状態にすることで、剛体としての回転板11により、濁り成分31を含む流れの方向を変えることができ、濁り成分31の拡散を抑制することができる。
図5(c)は、回転板11を完全に開放した状態を示す図である。すなわち、前述の図3(c)の状態を示す。この状態における回転角度Rは、工事海域7の外方に向けて90°以上であることが望ましい。
この状態では、工事海域7の外部から内部への流れ(図中矢印D)に対して、回転板11が流れの抵抗となりにくい。すなわち、汚濁拡散防止膜9の下方において、回転板11が流れによって押されて、汚濁拡散防止膜9がめくれあがるようなことが抑制される。また、回転板11が完全に開放しているため、汚濁拡散防止膜9の下方は大きく開放され、流れDはスムーズに工事海域7内へ流れ込むことができる。
したがって、図5(c)の状態は、例えば工事海域7の外方から内方へ向かう海流などの水流が大きい状態の際や、汚濁拡散防止装置1の設置、移動時等の際に適用される。
図6は、回転板11を工事海域7の内方へ開放した状態を示す図である。すなわち、前述の図4(a)の状態を示す。
この状態では、工事海域7の内部から外部への濁り成分31の流れの方向が変えられる。すなわち、工事海域7内では、濁り成分31を含むほぼ水平方向の流れであるが、流れが回転板11へ衝突すると、流れ方向が回転板11の向きに応じて、鉛直方向上方へと変えられる(図中矢印M方向)。したがって、上昇流の発生に伴う水平流速の低減により、濁り成分31の沈降が促進される。このため、濁り成分31は工事海域7の近傍で沈降し、工事海域7から遠方への流出が抑制される。
したがって、図6の状態は、図5(b)と同様に、例えば工事中で、工事海域7内で濁り成分31を含む流れが、工事海域7の外側に向かう状態の際に適用される。
次に、汚濁拡散防止装置1の機能ついて説明する。図7は、汚濁拡散防止装置1の通常時の使用状態を示す図である。工事海域7を囲むように、汚濁拡散防止膜9aと汚濁拡散防止膜9bとが対向するように設置される。汚濁拡散防止膜9a、9bそれぞれの下方に設置された回転板11a、11bは、それぞれ所定の角度で開放している。すなわち回転板11a、11bは共に図5(b)の状態である。
工事海域7内で浚渫工事等がおこなわれると、濁り発生源29が形成される。濁り発生源29からは、濁り成分31を含む水流が工事海域7の外方へ向かって発生する(図中矢印EおよびG)。ほぼ水平方向の図中矢印E方向の流れは、回転板11aに衝突し、流れが鉛直方向下方に向けられる(図中矢印F方向)。
同様に、ほぼ水平方向の図中矢印G方向の流れは、回転板11bに衝突し、流れが鉛直方向下方に向けられる(図中矢印H方向)。したがって、回転板11a、11bによって、濁り成分31を含む流れは、汚濁拡散防止膜9a、9b近傍で下方に向けられ、汚濁拡散防止膜9a、9b近傍への沈降が促進される。このため、濁り成分31は汚濁拡散防止装置1から遠方に流出し、または海面3に浮上することすることが抑制される。
なお、図7においては、回転板11a、11bは工事海域7の外方へ開放しているが、図6に示すように、工事海域7の内方へ向けて回転させてもよい。この場合には、濁り成分31の水平方向の流れE、Gはそれぞれ回転板11a、11bに衝突した際に鉛直方向上方に向けられ、水平流速が落ちることで、効率良く濁り成分31の沈降を促進することができる。
一方、図8に示すように、汚濁拡散防止装置1周辺で大きな海流(図中矢印I)が生じた場合には、海流Iの上流側である回転板11aを完全に開放する。海流Iの下流側に相当する回転板11bは、図7と同様に、所定の角度で開放する。すなわち、回転板11aは図5(c)の状態、回転板11bは図5(b)の状態とする。なお、回転板11aを図4(b)のように工事海域7の内方へ開放してもよく、また、回転板11bを図4(a)のように工事海域7の内方へ開放してもよい。
水流の上流側の回転板11aを完全に開放することで、汚濁拡散防止膜9a下方を通過する水流Jは、回転板11aによる抵抗を受けにくい。したがって、水流Jによって、汚濁拡散防止膜9aがめくれ上がることが抑制される。
濁り発生源29により発生した濁り成分31は、水流によって回転板11b側(図中矢印K方向)へ流れされる。濁り成分31を含むほぼ水平方向の水流は、回転板11bに衝突して鉛直方向下方へと流れ方向(図中矢印L)を変える。したがって、濁り成分31は汚濁拡散防止膜9b近傍で沈降が促進される。すなわち、濁り成分31は汚濁拡散防止装置1から遠方に流出し、または海面3に浮上することすることが抑制される。
以上説明したように、本発明にかかる汚濁拡散防止装置1によれば、簡易な構造で、効率良く工事海域7内で発生した濁り成分31の遠方への流出や海面3への浮上を抑制することができる。
また、回転板11は浮力調整室25内にエアまたは水を導入することで、浮力により回転板11を回転させるため、容易に海底17近傍の回転板11を回転させることができる。また、ワイヤ13、14によって、回転板11の回転角度を所定の状態で保持することができる。
また、通常の使用時には、回転板11を所定角度で保持し、濁り成分31の沈降を促進し、使用しない時には、内部からの濁り成分31の流出を防ぐため、回転板11を閉じることができる。さらに、海流などの水流が大きい場合には、水流の上流側に位置する回転板11を完全に開放(90°以上)することで、回転板11が水流の抵抗を受けにくく、このため、水流によって汚濁拡散防止膜9がめくれ上がったりすることが抑制される。
なお、水流の上流側の回転板11の回転角度は、水流の大きさや工事の実施内容等に応じて任意に設定可能である。たとえば、水流が生じても、汚濁拡散防止膜9がめくれ上がるほどの速度ではない場合には、完全に開放せずに、通常の使用状態で使用してもよく、または、海底17と汚濁拡散防止膜9との隙間がないような場合には、回転板11を閉じた状態で使用してもよい。すなわち、回転板11の回転角度は、海底17の状況や流れの状況に応じて適宜設定される。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、回転板11の形状は、実施例に示した形状に限られない。図9は、形状の異なる回転板40を示す図である。回転板40は湾曲部を有さず直線状の断面形状である。回転板40のように直線状の形状であっても、浮力調整室25やチューブ23等の構成により、同様の効果を得ることができる。このように、回転板の形状は、回転角度に応じて、水流の向きを変化させることができればいずれの形状であってもよい。
汚濁拡散防止装置1を示す斜視図。 汚濁拡散防止装置1を示す図で、図1のA−A線断面図。 図2のB部拡大図で、(a)は回転板11が閉じた状態、(b)は回転板11が工事海域7外方にわずかに回転した状態、(c)は回転板11が工事海域7外方に完全に開放した状態を示す図。 図2のB部拡大図で、(a)は回転板11が工事海域7内方にわずかに回転した状態、(b)は回転板11が工事海域7内方に完全に開放した状態を示す図。 回転板11の動作を示す図で、(a)は回転板11が閉じた状態、(b)は回転板11が工事海域7外方にわずかに回転した状態、(c)は回転板11が工事海域7外方に完全に開放した状態を示す図。 回転板11の動作を示す図で、回転板11が工事海域7内方にわずかに回転した状態を示す図。 通常時の汚濁拡散防止装置1の稼働状態を示す図。 海流がある場合の汚濁拡散防止装置1の稼働状態を示す図。 回転板40を示す図。
符号の説明
1………汚濁拡散防止装置
3………海面
5………フロート
7………工事水域
9………汚濁拡散防止膜
11、40………回転板
13、14……ワイヤ
15………ヒンジ
17………海底
19………チェーン
21、22……ウィンチ
23………チューブ
25………浮力調整室
27………排水部
29………濁り発生源
31………濁り成分

Claims (5)

  1. 工事水域からの濁りの拡散を防止する汚濁拡散防止装置であって、
    工事水域を囲うように水面に浮かべられたフロートと、
    前記フロートに接合された汚濁拡散防止膜と、
    前記汚濁拡散防止膜の下方に設けられ、工事水域の内外方向に回転動作可能な回転部材と、
    前記回転部材を回転させる回転手段と、
    を具備することを特徴とする汚濁拡散防止装置。
  2. 前記回転部材の内部には空間が形成され、
    前記空間には、液体または気体を送るチューブが接続され、
    前記空間には、液体または気体を排出する排出部が設けられ、
    前記回転手段は、前記チューブにより前記空間に液体または気体を送ることで、前記回転部材の浮力を調整し、前記回転部材の回転角度を変化させることを特徴とする請求項1記載の汚濁拡散防止装置。
  3. 前記回転部材に接合されたワイヤと、
    前記フロート近傍に設けられ、前記ワイヤの巻き上げおよび巻き出しが可能な巻き上げ装置と、
    を更に具備し、
    前記巻き上げ装置は、前記回転部材の回転角度を固定することが可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汚濁拡散防止装置。
  4. 前記回転部材は、工事水域の外方に膨れるように湾曲した形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の汚濁拡散防止装置。
  5. 回転部材が設けられた請求項1から請求項4のいずれかに記載の汚濁拡散防止装置が、工事水域を囲うように設置され、
    前記工事水域での工事の際に、前記工事水域周辺の水流の上流側の前記回転部材の角度が任意に調整回転であり、
    前記工事水域周辺の水流の下流側の前記回転部材を、前記工事水域の内方および外方に90°未満の角度で回転させることを特徴とする汚濁拡散防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011196051A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Penta Ocean Construction Co Ltd 汚濁防止枠および汚濁粒子の沈降促進工法
JP2012107399A (ja) * 2010-11-16 2012-06-07 Wakamatsu Kouwan Kogyo Co Ltd グラブ枠

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