JP2010248861A - 一方弁付き汚濁防止用カーテン - Google Patents
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Abstract
【課題】グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際にカーテンがカーテン外部の水圧によって撓んでしぼんだ状態になることがなく、その結果グラブ又はバックホウがカーテンと接触してカーテンが破損したり、カーテンによって囲われた浚渫範囲が狭くなったりすることがない汚濁防止用カーテンを提供する。
【解決手段】グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際に水上に浮かせたフロート1によって浚渫工事区画を囲うように吊り下げられる汚濁防止用カーテン2に、水面から1m以上離れた位置に開口部3を設けると共に、カーテン2内面で且つ開口部3の上方にその上端部のみが固定されていて開口部3の上方から開口部3を覆うように垂れ下げられた状態で設置されるカーテン状の蓋体で構成された内部に外部から海水又は水を流入させる一方弁を設ける。
【選択図】図3
【解決手段】グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際に水上に浮かせたフロート1によって浚渫工事区画を囲うように吊り下げられる汚濁防止用カーテン2に、水面から1m以上離れた位置に開口部3を設けると共に、カーテン2内面で且つ開口部3の上方にその上端部のみが固定されていて開口部3の上方から開口部3を覆うように垂れ下げられた状態で設置されるカーテン状の蓋体で構成された内部に外部から海水又は水を流入させる一方弁を設ける。
【選択図】図3
Description
本発明は、グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際に水上に浮かせたフロートによって浚渫工事区画を囲うように吊り下げられる汚濁防止用カーテンに関するものである。
グラブを使用した浚渫工事では、浚渫船上からグラブを海底又は水底に下ろし、その海底又は水底の土砂や底泥を浚うことにより行われる。またバックホウを使用した浚渫工事では陸上又は作業船上に設置させたバックホウの油圧作動でバケットを下降させて土砂や底泥を浚うことにより行われる。このようなグラブ又はバックホウを使用した浚渫工事では土砂や底泥を浚う際に土砂や底泥が巻き上げられ周囲の海水や水が汚濁するため、その拡散を防止する必要がある。そこでこのような浚渫工事では浚渫工事区画を汚濁防止用カーテンで囲って汚濁水の拡散の防止を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
またこのようなカーテンで囲われた浚渫工事区画で、グラブ又はバックホウを使用して浚渫すると、浚渫により取り除かれた土砂や底泥や水の体積だけカーテン内部の水位が一時的に下がり、カーテン外部の高い水圧によってカーテンがしぼんだ状態となり易い。その状態で浚渫工事を継続するとグラブ又はバックホウがカーテンに接触してカーテンが破損することがある。
このようにカーテンが破損すると、カーテン内の汚濁水がカーテン外部に流出するためにカーテンによる汚濁水の拡散防止効果が損なわれる。そのため浚渫工事を中止してカーテンの取り替え補修等の作業が必要となり、費用及び施工期間の面から非常に大きな負担となるのである。
一方、環状部材を上、下一対に設け、上環状部材にはフロートを取付け、これら上下の環状部材間に水底の所定領域から生じる濁水を囲んで拡散を防止する展張性のカーテンを連結した濁水拡散防止用カーテンがある(例えば、特許文献2参照。)。このように上下の環状部材間にカーテンを連結すれば、或る程度カーテンの形状を維持させることができる。しかしながら、環状部材の無い中間部ではカーテンはしぼみ易いため、グラブ又はバックホウがカーテンに接触してカーテンが破損することを十分に防止することは難しいのである。
本発明は前記の問題に鑑み、グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際にカーテンが外部の水圧によって撓んでしぼんだ状態になることがなく、その結果グラブ又はバックホウがカーテンと接触してカーテンが破損したり、カーテンによって囲われた浚渫範囲が狭くなったりすることがない汚濁防止用カーテンを提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際に、水上に浮かせたフロートによって浚渫工事区画を囲うように吊り下げられる汚濁防止用カーテンに、水面から1m以上離れた位置に開口部を設ければ、グラブ又はバックホウを使用して海底又は水底の土砂や底泥を浚渫する際に、カーテン内部の水位が一時的に下がっても、このカーテンに設けられた開口部を通して水圧の高いカーテンの外部から水圧の低いカーテンの内部へ向けて海水又は水を迅速に流入させることができるので、カーテンが外部の水圧によってしぼむことがなく、またカーテンの内部と外部とで水圧の差が無くなると、カーテンの内部の汚濁水が開口部を通してカーテンの外部へと流出する現象が発生することが考えられるが、カーテン内面で且つ開口部の上方にその上端部のみを固定して開口部の上方から開口部を覆うようにカーテン状の蓋体を垂れ下げるように設置すれば、カーテンの内部から汚濁水が外部へと流出しようとすると、カーテン状の蓋体によって開口部が塞がれ、カーテン状の蓋体が一方弁の役割をなすので、カーテンに開口部を設けてもカーテン本来の汚濁水の拡散防止効果を損なうことがないことを究明して本発明を完成させたのである。
即ち本発明は、グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際に水上に浮かせたフロートによって浚渫工事区画を囲うように吊り下げられる汚濁防止用カーテンであって、カーテンには水面から1m以上離れた位置に開口部が設けられていると共に、カーテン内面で且つ開口部の上方にその上端部のみが固定されていて開口部の上方から開口部を覆うように垂れ下げられた状態で設置されるカーテン状の蓋体で構成された内部に外部から海水又は水を流入させる一方弁が設けられていることを特徴とする一方弁付き汚濁防止用カーテンである。
また開口部を、上部カーテンの下端部と下部カーテンの上端部との間の複数のベルトで連結されている空間部とすれば、簡便にカーテンの全周に亘って開口部を形成させることができ、カーテン全周から海水又は水を流入させることによって、カーテンが局所的に撓んでグラブやバックホウがカーテンに接触してカーテンが破損するようなことがなくて好ましく、またカーテンの下端部に垂下ウエートを取り付ければ、カーテンが下方に引っ張られてカーテンを撓み難くすることができて好ましいのである。
本発明に係る一方弁付き汚濁防止用カーテンは、グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際に水上に浮かせたフロートによって浚渫工事区画を囲うように吊り下げられる汚濁防止用カーテンであって、カーテンには水面から1m以上離れた位置に開口部が設けられているから、グラブ又はバックホウを使用して海底又は水底の土砂や底泥を浚渫する際に、カーテンの内部の水位が一時的に下がっても、このカーテンに設けられた開口部を通して水圧の高いカーテンの外部から水圧の低いカーテンの内部へ向けて海水又は水を迅速に流入させることができるので、カーテンが外部の水圧によってしぼむことがなく、その結果グラブ又はバックホウがカーテンと接触してカーテンが破損したり、カーテンによって囲われた浚渫範囲が狭くなったりすることがなく、またカーテンの内部と外部とで水圧の差が無くなると、この開口部を通してカーテンの内部の汚濁水が外部へと流出する現象が発生することが考えられるが、カーテン内面で且つ開口部の上方にその上端部のみが固定されていて開口部の上方から開口部を覆うように垂れ下げられた状態で設置されるカーテン状の蓋体で構成された内部にのみ外部から海水又は水を流入させる一方弁が設けられているから、カーテンの内側から開口部を覆うように設置されたカーテン状の蓋体がカーテンの内部から汚濁水が外部へと流出しようとすると、開口部を塞ぐ一方弁となるので、カーテンに開口部を設けてもカーテン本来の汚濁水の拡散防止効果を損なうことがないのである。
また開口部が、上部カーテンの下端部と下部カーテンの上端部との間の複数のベルトで連結されている空間部である場合には、簡便にカーテンの全周に亘って開口部を形成させることができ、カーテン全周から海水又は水を流入させることによって、カーテンが局所的に撓んでグラブ,バックホウに接触して破損するようなことがなく、カーテンの下端部に垂下ウエートが取り付けられている場合には、カーテンが下方に引っ張られてカーテンを撓み難くすることができて好ましいのである。
以下、図面を用いて本発明に係る一方弁付き汚濁防止用カーテンについて詳細に説明する。
図面中、1は水上に浮かせたフロートであり、このフロート1に後述するカーテン2が吊り下げられることによって浚渫工事区画を囲うことができるのである。またフロート1は流されないように、アンカー等で固定したり、浚渫船に取り付けて固定したすることができる。
2は水上に浮かせたフロート1によって浚渫工事区画を囲うように吊り下げられる汚濁防止用カーテンである。このカーテン2としては、例えばポリエステルクロス等で成形されていると丈夫で耐水性が高くて好ましいが、必ずしもこの限りでない。
3はカーテン2の水面から1m以上離れた位置に設けられている開口部である。このように開口部3を水面から離れた位置に設けるのは、波や風等による影響を受け難くするためである。
またこの開口部3が、上部カーテン2aの下端部と下部カーテン2bの上端部との間の複数のベルト2cで連結されている空間部である場合には、簡便にカーテン2の全周に亘って開口部3を形成させることができ、カーテン2の全周から海水又は水を均等に流入させることによって、カーテン2が局所的に撓んでグラブ又はバックホウがカーテン2に接触してカーテン2が破損するようなことがなくて好ましい。
4はカーテン2内面で且つ開口部3の上方にその上端部のみが固定されていて開口部3の上方から開口部3を覆うように垂れ下げられた状態で設置されるカーテン状の蓋体であり、この蓋体4はカーテン2の内部にカーテン2の外部から海水又は水を流入させる一方弁を構成している。
5はカーテン2の下端部に取り付けられている垂下ウエートである。この垂下ウエート5を取り付けることによって、カーテン2は下方に引っ張られカーテン2を撓み難くすることができるのである。またこの垂下ウエート5は図2の如くカーテンの下端部全周に亘って分散させた状態で取り付けられていると好ましい。
本発明に係る一方弁付き汚濁防止用カーテンは、カーテン2に開口部3が設けられている点と、この開口部3を覆うカーテン状の蓋体4で構成された一方弁が設けられている点とが大きな特徴となっている。
この開口部3の形状としては、特に限定はないが、開口部3が上下方向に長くなると、開口部3を覆うカーテン状の蓋体4も上下方向に長くなる。この場合、図4の如くカーテン状の蓋体4はその上端部が開口部3の上方のみに固定されていて、この上端部を中心として揺れ動くため、上下方向に長くなると、開口部3を覆う際のカーテン状の蓋体4の戻りが悪くなり、汚濁水が開口部3を通してカーテン2の外部へ拡散し易くなる。
そこで、開口部3の大きさを十分確保したい場合には、図1及び図2のように上下方向の長さは短くして、左右方向即ち周方向に多数形成させるとよい。またこのように周方向に多数の開口部3を形成させるには、上部カーテン2aの下端部と下部カーテン2bの上端部との間の複数のベルト2cで連結すれば、簡便にカーテン2の全周に亘って開口部3を形成させることができる。
またカーテン2によって囲まれた内部の容積などに応じて、更に多くの開口部3が必要な場合には、このようなカーテン2の全周に亘る開口部3を更に何段か上下方向に設ければよいのである。
次に本発明に係る一方弁付き汚濁防止用カーテンを実際に使用するには、グラブ又はバックホウで例えば海底を浚渫する場合、先ず浚渫を行いたい場所まで浚渫船を移動させてアンカーやスパッドで係留する。そしてフロート1を海上に浮かべ、フロート1にアンカーを取り付けて固定したり、フロート1を係留させた浚渫船に取り付けて固定する。
そしてカーテン2の上端部をフロート1に取り付け、カーテン2を海中へと落とし込めば、カーテン2はフロート1に吊り下げられた状態となるのである。
なおフロート1を海面に浮かべると、潮の満ち引きの影響を受けるため、カーテン2は大きく上下動し易い。そのためフロート1に吊り下げるカーテン2の下端が海底に達していると、カーテン2の下端が上下動して海底の土砂や底泥を巻き上げることがあるので、カーテン2の下端は海底に達しない位置であるとよい。その一方で、カーテン2の下端が海底から十分に離れていると、カーテン2の下端と海底との隙間から汚濁水が流失して拡散する場合がある。
これらのことから、潮の満ち引きの影響を受け易い海底を浚渫する場合には、カーテン2の下端をできるだけ海底に近い位置にすると共に、潮が引いた状態でもカーテン2の下端が海底に接しないように位置させるとよいのである。
また海底を浚渫する場合、カーテン2は潮流の影響も受け易いので、潮流によってカーテン2が撓んでグラブ又はバックホウに接触してカーテン2が破損することがある。そのためカーテン2を下方に引っ張ってカーテン2を撓み難くするために、カーテン2の下端部には垂下ウエート5を取り付けると好ましいのである。
このようにしてフロート1に本発明に係るカーテン2を設置した後に、図3の如く、グラブをウインチで吊り下げるか又はバックホウのバケットを油圧で下降させて、浚渫船上からカーテンで囲われた浚渫工事区画内の海底まで降ろし、海底でグラブ又はバックホウによって土砂や底泥を掬い上げて海面上へと引き上げるのである。
その際に、海底の土砂や底泥が海面上へと引き上げられると、カーテン2内部の水位が一時的に下がるため、例えば図5の従来図の如く、カーテン2外部の水圧によってカーテン2がしぼんだ状態となり易い。
しかしながら、本発明に係るカーテン2には開口部3を覆うようにカーテン状の蓋体4で構成された一方弁が設けられている開口部3が設けられているから、この開口部3を通して水圧の高いカーテン2の外部から水圧の低いカーテン2の内部へ向けて海水を迅速に流入させることができるので、カーテン2が外部の水圧によってしぼむことがない。
またカーテン2の内部と外部とで水圧の差が無くなると、この開口部3を通してカーテン2内部の汚濁水が外部へと流出する現象が発生することが考えられるが、カーテン2の内側には開口部3を覆うようにカーテン状の蓋体4が設けられているので、カーテン2の内部から汚濁水が外部へと流出しようとすると、この蓋体4が開口部3を塞ぐ一方弁となり、カーテン2の内部の汚濁水がカーテン2の外部へ流出して拡散するようなこともないのである。
1 フロート
2 カーテン
2a 上部カーテン
2b 下部カーテン
2c ベルト
3 開口部
4 蓋体
5 垂下ウエート
2 カーテン
2a 上部カーテン
2b 下部カーテン
2c ベルト
3 開口部
4 蓋体
5 垂下ウエート
Claims (3)
- グラブ又はバックホウによる浚渫工事の際に水上に浮かせたフロート(1)によって浚渫工事区画を囲うように吊り下げられる汚濁防止用カーテン(2)であって、該カーテン(2)には水面から1m以上離れた位置に開口部(3)が設けられていると共に、該カーテン(2)内面で且つ該開口部(3)の上方にその上端部のみが固定されていて該開口部(3)の上方から該開口部(3)を覆うように垂れ下げられた状態で設置されるカーテン状の蓋体(4)で構成された内部に外部から海水又は水を流入させる一方弁が設けられていることを特徴とする一方弁付き汚濁防止用カーテン。
- 開口部(3)が、上部カーテン(2a)の下端部と下部カーテン(2b)の上端部との間の複数のベルト(2c)で連結されている空間部である請求項1に記載の一方弁付き汚濁防止用カーテン。
- カーテン(2)の下端部に垂下ウエート(5)が取り付けられている請求項1又は2に記載の一方弁付き汚濁防止用カーテン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009102110A JP2010248861A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 一方弁付き汚濁防止用カーテン |
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- 2009-04-20 JP JP2009102110A patent/JP2010248861A/ja active Pending
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