JP2012037667A - 透明体およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】紫外線遮蔽機能をもち、酸性雨に対する耐性が高いかつ、かつ、冷熱サイクル特性に優れたハードコート構造を備えた透明体を提供する。
【解決手段】透明基材1と、基材1上に順に配置された、紫外線吸収層2とハードコート層3とを有する透明体であって、紫外線吸収層1として、アモルファスなTiO膜で、膜厚5000オングストローム以下、TiとOの組成比Ti:Oが1:1.8以上、1:2.0以下のものを用いる。TiO2膜は、耐酸性が高い性質を有し、しかも、アモルファスなTiO膜は光触媒性能を備えないため、基材との密着性が高い。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材上にハードコート構造を備えた透明体に関し、特に、紫外線遮蔽機能をもつハードコート構造を備えた透明体に関する。
従来、レンズ等の透明部材は、表面の傷や割れを防止するためにハードコート層が設けられる。ハードコート層としては、一般的に酸化珪素(SiOx)薄膜が用いられる。
また、透明部材の基材がポリカーボネート(以下PCと記す)からなる場合、PCが波長250〜360nmの紫外線によって黄変する性質があるため、ハードコート層とは別に、紫外線を遮蔽する層を設け、黄変を防止する必要がある。紫外線を遮蔽する層としては、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物薄膜からなる紫外線吸収層が用いられる。ZnOは、約3.3eVのバンドギャップを持つ半導体で380nm付近以下の紫外線を吸収し、数千オングストロームの膜厚でPCの黄変を防止できる。他にITO(酸化インジウム・スズ)膜やTiO膜等を用いることができる。ZnO膜はイオンプレーティングやスパッタ等の真空蒸着又は塗布によって成膜する。
紫外線吸収層とハードコート層とを組み合わせて用いる場合、透明基材上に紫外線吸収層を配置し、最上層にハードコート層を設ける。このような二層構造で紫外線遮蔽機能を持つハードコートは、例えば特許文献1に開示されている。しかし、紫外線吸収層(ZnO膜)とハードコート層の2層からなるハードコート構造をPC基材上に設けた場合、PC基材とZnO膜との界面からハードコート構造が剥離しやすい。そこで、特許文献2には、PC基材とZnO膜との間にバッファ層を挿入し、ハードコート構造を3層にすることが提案されている。バッファ層としては、例えば酸化珪素(SiOx)膜が開示されている。
また、特許文献3には、所定の割合で炭素を含有する酸化チタン層を保護膜として透明基材上に形成することにより、透明で紫外線を遮断し、かつ、耐候性の高い透光性積層体が提供できると開示されている。特許文献3において、酸化チタン層に所定割合で炭素を含有させているのは、酸化チタンに備わる光触媒能により基材が変質し、基材の透明性が劣化したり、酸化チタン層が剥離しやすくなるのを防止するためである。
紫外線吸収層とハードコート層の2層からなるハードコート構造は、例えば自動車用ヘッドランプに用いられる。ヘッドランプの構造は、特許文献4に記載されているようにランプが固定されたハウジングの前面にPC製のレンズが密封接着されている。レンズの内壁への入射光はランプからの光に限られ、PC製のレンズを黄変させる波長は含まれないため、レンズの内壁には紫外線吸収層は不要である。そこで、太陽光等が入射するレンズの外壁には、紫外線吸収層とハードコート層の積層構造を設けることにより、レンズ基材がPCであっても傷や損傷を防止でき、しかも黄変を防止することができる。
特開平7−267683号公報 特開2008−105313号公報 特開2008−45160号公報 特開2000−207908号公報
自動車用ヘッドランプは酸性雨に曝される可能性があるため、レンズには耐酸性が求められる。しかしながら、紫外線吸収層として用いられる酸化亜鉛(ZnO)膜は酸に弱いという性質がある。紫外線吸収層は、その上をハードコート層である酸化珪素(SiOx)膜に覆われてはいるが、酸化珪素膜には若干の水浸透性があり、酸の一部は酸化亜鉛膜まで達することがある。この場合、酸が到達した部分は、酸化亜鉛膜が溶解して消失し、P C基材の黄変防止能力を失ってしまう。一方、酸化亜鉛膜に酸が到達しないように水浸透性のない透明ハードコート層を形成することは現時点の技術では非常に困難である。
また、特許文献3のように所定の割合で炭素を含有する酸化チタン層を形成するためには、高価な有機チタン化合物を原料としてプラズマCVD法で成膜する必要がある。そのため、低コストなハードコート構造を実現することが困難である。
また、自動車用ヘッドランプ等自動車灯体のハードコートには、所定の冷熱サイクルを繰り返しても膜剥がれ等を生じない特性が要求される。
本発明の目的は、紫外線遮蔽機能をもち、酸性雨に対する耐性が高く、かつ、冷熱サイクル特性に優れたハードコート構造を備えた透明体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、以下のような透明体が提供される。透明基材と、基材上に順に配置された、紫外線吸収層とハードコート層とを有する透明体であって、紫外線吸収層として、アモルファスなTiO膜を用いる。アモルファスなTiO膜は、膜厚5000オングストローム以下で、TiとOの組成比Ti:Oが1:1.8以上、1:2.0以下である。
例えば、TiとOの組成比Ti:Oは、ほぼ1:2であることが望ましい。
アモルファスなTiO膜は、微結晶を含まないことが望ましい。
本発明の第2の態様によれば、以下のような透明体の製造方法が提供される。すなわち、プラズマガンが発生した直流プラズマにTi化合物ガスと酸素ガスとを導入し、化学反応により生じたTiOを透明基材上に堆積させることにより、膜厚5000オングストローム以下のアモルファスなTiO膜を成膜する工程を有する透明体の製造方法である。このように、直流プラズマを用いてTiO膜を形成することにより、容易にアモルファスなTiO膜を成膜することができる。
上記成膜工程では、透明基材を150℃以下の温度に維持することが望ましい。
本発明によれば、アモルファスなTiO膜を紫外線吸収層として用いることにより、酸性雨や紫外線に対する耐性の高く、かつ、冷熱サイクル性に優れたハードコート構造を備えた透明体を提供することができる。
本実施形態のヘッドランプの構成を示す説明図。 本実施形態の透明体の構造を示す断面図。 本実施形態の透明体の製造に用いる成膜装置のブロック図。 実施例で形成したアモルファスなTiO膜のX線回折測定結果を示すグラフ。
本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
本実施形態では、透明体を備えたヘッドランプを例に説明する。図1に示すように、本実施形態のヘッドランプは、光出射方向側に配置されたレンズ(透明体)140と、背面側に配置されたランプボディ150とを備え、レンズ140とランプボディ150により形成された灯室160内には、光源130とリフレクタ120とエクステンションリフレクタ110が配置されている。レンズ140はランプボディ150に密封接着されている。
光源130から出射された光は、直接、または、リフレクタ120によって反射されて、レンズ140を通過し、前方に照射される。
レンズ(透明体)140の構造について図2を用いて説明する。本実施の形態のレンズ140は、ポリカーボネート(以下、PCと称す)製の基材1と、これを傷や損傷から保護するためのハードコート構造5とを備えるものであり、ハードコート構造5は、PC製基材1を黄変させる紫外線を遮蔽する機能を備える。レンズ140は、外部から紫外線を含んだ太陽光等が入射するヘッドランプの外部側の面にのみハードコート構造5を備えている。レンズ140の内部側の面には、紫外線を含まない光源130からの光が入射するのみであるので、ハードコート構造5は備えられていない。
ハードコート構造5は、図2に示したように基材1の上に形成された紫外線吸収層2、およびハードコート層3の2層構造である。紫外線吸収層2の材質は、アモルファスなTiOである。アモルファスなTiOは、微結晶を含まないことが望ましい。このようにアモルファスなTiO膜を紫外線吸収層2として用いることにより、TiO膜は光触媒性能を備えないため、PC基材1に対する密着性が高く、しかも、光触媒性能によりPC基材1を劣化させるおそれもない。
また、アモルファスなTiO膜の組成比は、Ti:O=1:1.6以上、1:2以下であることが望ましく、特に1:1.8以上、1:2以下であることが望ましい。組成Ti:Oが1:2に近い場合、紫外線吸収能力が高いTiO膜となり、紫外線吸収層(アモルファスなTiO膜)の膜厚を薄くすることができるためである。
紫外線吸収層(アモルファスなTiO膜)2の膜厚は、5000オングストローム以下であることが望ましく、3000オングストローム以下であることがより望ましく、特に2000オングストローム以下であることが望ましい。紫外線吸収層(アモルファスなTiO膜)2の膜厚を薄くすることにより、膜の残留内部応力を小さくすることができるため、ハードコート層3に冷熱サイクルが加わった場合にも膜剥がれが生じにくくなるためである。
また、PC基材1にTiO膜を紫外線吸収層2として備えた場合に、PC基材1に黄変を生じさせないための紫外線吸収層2の透過率を予め測定した結果、波長350nmにおける透過率が30%より小さいと黄変が生じないことを目視にて確認している。本実施形態のアモルファスなTiO膜は、組成Ti:Oが1:2に近い上記組成に設定することにより、上記膜厚で波長350nmの透過率を30%より小さくすることができる。
また、本実施形態のアモルファスなTiO膜は、組成Ti:Oが1:2に近い上記組成に設定することにより、化学的安定性にも優れており、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、耐湿性、耐有機薬品性等に関しても耐久性能が高い。
ハードコート層3の材質は、SiOxである。xは、1.5<x<2.0であることが望ましい。
ハードコート層(SiOx膜)3の膜厚は、ハードコートとして機能しうる硬度を生じさせるために1000オングストローム以上であることが望ましく、5000オングストローム以上10μm以下であることがより望ましい。
つぎに、ハードコート構造5の各層の機能について説明する。ハードコート層3は、基材1に傷や割れが生じるのを防止するために最表層に配置されている。紫外線吸収層2を構成するアモルファスなTiO膜は、3.0〜3.3eVのバンドギャップを有し、380nm付近以下の紫外線を吸収する性質を有する。よって、アモルファスなTiO膜を紫外線吸収層2としてハードコート層3と基材1との間に配置したことにより、PC基材1に黄変を生じさせる波長250〜360nmの紫外線を紫外線吸収層2に吸収させることができる。
本実施の形態では、微結晶を含まないアモルファスなTiO膜は、光触媒性能を有さないため、PC基材1の上に直接配置しても、高い密着性を得ることができ、ハードコード構造5を基材1上に強固に配置することができる。また、光触媒性能を有していないため、光触媒性能によりPC基材を劣化させることもない。
また、アモルファスなTiO膜は、SiOx膜とも密着性が高い。よって、紫外線吸収層(TiO)2とハードコート層(SiOx膜)3との界面における密着性も高い。
また、TiO膜は、耐酸性が高いことが知られている。この性質は、アモルファスなTiO膜であっても変わらない。特に、アモルファスなTiO膜の組成Ti:Oを、1:2に近い上記組成に設定することにより、化学的安定性に優れるため耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、耐湿性、耐有機薬品性が高い。よって、ハードコート層(SiOx膜)3に酸性雨が浸透した場合であっても、紫外線吸収層(アモルファスなTiO膜)2が溶解して消失することがなく、PC基材の黄変防止能力を継続して発揮することができる。
つぎに、本実施の形態の透明体(レンズ140)の製造方法について説明する。ここでは、直流プラズマを用いる図3の成膜装置を用いて、直流プラズマを用いた化学的気相成長(CVD)法により紫外線吸収層(TiO)2とハードコート層(SiOx膜)3を連続して形成する。
図3の成膜装置は、プラズマガン31と成膜室7とを備えている。成膜室7内には、アノード電極37が配置されている。プラズマガン31が形成する直流プラズマ35は、成膜室7内に引き出される。成膜室7には、材料ガスを導入するための材料ガス導入管23、および、反応ガスを導入するための反応ガス導入管26が備えられ、材料ガス導入管23および反応ガス導入管26と向かい合う位置に基材1を保持する基材ホルダー36が備えられている。これらの構成により、CVD法により成膜を行うことができる。プラズマガン31とアノード電極37には、電源10が接続されている。プラズマガン31の外側、ならびに、成膜室7の外側にはそれぞれ中心軸が一致するように電磁石12が配置されている。電磁石12は、プラズマガン31が発生したプラズマ35をビーム状に収束する作用をする。
成膜手順を説明する。まず、基材1を基材ホルダー36にセットし、成膜室7を所定の圧力まで排気した後、プラズマガン31にキャリアガス32を導入し、プラズマガン31とアノード37間に電圧を印加し、プラズマ35を発生させ、成膜室7内に引き出す。そこに材料ガス導入管23から材料ガスである四塩化チタン(TiCl)を、反応ガス導入管26から反応ガスである酸素(O)をそれぞれ導入する。四塩化チタン(TiCl)および酸素(O)は、直流プラズマにより分解・イオン化して化学反応を生じ、これにより基材1上にTiOが堆積する。
直流プラズマを用い、基板温度を150℃以下に維持することにより、プラズマCVD法により容易にアモルファスなTiO膜を形成できる。他の成膜条件は、例えば、成膜速度1000オングストローム/min以下、DC放電電力5kW以下に設定する。しかしながら、基板温度を除き成膜条件は、この成膜条件に限定されるものではない。
また、本実施形態では、プラズマCVD法を用いてTiO膜を形成することにより、上述の組成比、すなわちTi:Oが1:2に近いアモルファスなTiO膜を形成することができる。これは、直流プラズマを用いたプラズマCVD法では、四塩化チタン(TiCl)を分解したTiイオンにOラジカルが過不足なく結合するためであると思われる。これにより、紫外線吸収能力が高く、化学的安定性に優れた紫外線吸収層(TiO膜)2を形成することができる。
つぎに、アモルファスなTiO膜成膜後、成膜室7を開放することなく、プラズマガン31とアノード電極37間に電圧を印加しプラズマ35の発生を維持する。そこに材料ガス導入管23から材料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン(MHDSO)を導入し、重合反応を生じさせ、基材1にSiOxを所定の厚さまで堆積させる。これにより、ハードコート層(SiOx層)3を形成する。ただし、ハードコート層3は、ハードコートとして機能を発揮させるために上述した所定の膜厚に成膜する。
以上により、図2のように基材1上に二層構造のハードコート構造5を備えた透明体140を連続成膜より効率よく製造できる。
このように本実施の形態の透明体は、紫外線吸収層2として、所定の組成比および膜厚のアモルファスなTiO膜を用いることにより、紫外線吸収能力が高く、耐酸性が大きく、かつ、光触媒性能を生じず、PC基材との密着性を高めることができる。また、PC基材を光触媒性能により劣化させることもない。したがって、紫外線吸収層2によってPC基材1の黄変を防ぎつつ、ハードコート層3によって基材1の傷や損傷を防ぐことができる。
しかも、本実施の形態では、直流プラズマを用いたCVD法により、プラズマの維持と、材料ガスおよび反応ガスの流量制御だけで、アモルファスなTiO膜(紫外線吸収層2)およびハードコート層3を容易に成膜することができる。真空蒸着等と比較して坩堝等も不要であり、装置の構造も簡単である。
また、四塩化チタン(TiCl)を用いることにより、高価な材料を用いることなく、紫外線吸収能力および耐酸性に優れた紫外線吸収層2を低コストで形成することができる。なお、高コストが許容される場合には、四塩化チタンに限らず有機Tiを材料ガスとしても用いることも可能である。
なお、ハードコート層3の成膜方法は、本実施形態の成膜方法に限られるものではなく、例えば蒸着法やスパッタ法等の他の成膜方法により形成することが可能である。
本実施形態では、透明体としてヘッドランプのPC製のレンズ140を例に説明したが、眼鏡のPCレンズ、PCを使用した窓等の建材、ならびに、PCを使用した自動車窓等、PC製の透明体であれば本実施形態のハードコート構造を適用することができる。
以下、本発明の一実施例について説明する。
本実施例では、図2の構造の透明体を製造した。紫外線吸収層2の材質は、微結晶を含まないアモルファスなTiOである。ハードコート層3の材質は、SiOx(1.5<x<2.0)である。基材1はPCであり、厚さ3mmの板状のものを用いた。
紫外線吸収層(アモルファスなTiO膜)2の膜厚は、2000オングストロームとした。ハードコート層(SiOx膜)3の膜厚は、3.0μmとした。
各層の成膜は、実施の形態で説明した製造手順の通り、図3の成膜装置を用いて行った。紫外線吸収層(アモルファスなTiO膜)2の成膜時に、基板1は加熱せず、基材1の温度が150℃以下になるように制御した。キャリアガス32としては、Arを用いた。
本実施例と同じ成膜条件により形成したTiO膜の結晶構造をX線回折により測定したところ、図4に示すように、ブロードであり、アモルファスであることが確認された。
<評価>
(冷熱サイクル性試験)
−40℃から+80℃、湿度90%の冷熱サイクルを10回繰り返す試験を実施例の透明体に対して行った。その結果、膜剥がれ等は生じておらず、膜面に変化はなかった。
(耐酸性試験)
実施例の透明体について、耐酸性試験を行った。試験は、実施例のハードコート構造5の上に0.1NのHSO溶液0.2mlを滴下し、24時間放置後水洗いし、さらに1時間放置することにより行った。試験後、目視にて、基板の状態を観察し、評価した。その結果、実施例の試料は、アモルファスなTiO膜が消失しなかった。
(紫外線照射試験)
実施例の透明体に、90mWの紫外線を80時間照射する試験を行ったが、ハードコート構造には膜剥がれ等は生じず、膜面に変化はなかった。
1…PC基材、2…紫外線防止層、3…ハードコート層、5…ハードコート構造、7…成膜室、8…反応ガス導入管、10…電源、12…電磁石、23…材料ガス導入管、26…反応ガス導入管、31…プラズマガン、35…プラズマ、36…基板ホルダー、37…アノード電極。

Claims (5)

  1. 透明基材と、該基材上に順に配置された、紫外線吸収層とハードコート層とを有し、
    前記紫外線吸収層は、アモルファスなTiO膜であり、該アモルファスなTiO膜は、膜厚5000オングストローム以下で、TiとOの組成比Ti:Oが1:1.8以上、1:2.0以下であることを特徴とする透明体。
  2. 請求項1に記載の透明体において、前記TiとOの組成比Ti:Oは、1:2であることを特徴とする透明体。
  3. 請求項1または2に記載の透明体において、前記アモルファスなTiO膜は、微結晶を含まないことを特徴とする透明体。
  4. プラズマガンが発生した直流プラズマにTi化合物ガスと酸素ガスとを導入し、
    化学反応により生じたTiOを透明基材上に堆積させることにより、膜厚5000オングストローム以下のアモルファスなTiO膜を成膜する工程を有することを特徴とする透明体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の透明体の製造方法において、
    前記成膜工程では、前記透明基材を150℃以下の温度に維持することを特徴とする透明体の製造方法。
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