JP2012033817A - インダクタンスユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】リアクトル等の電気部品から発生する振動を抑え、静音性を向上する。
【解決手段】リアクトル100は、2つに分割されたU字形状のコア102,103と、コア102,103の各一対の脚部102a,103aの外側に配置される2つの巻線104と、2つのコア102,103の各一対の脚部102a,103a同士の間に配置されるスペーサ114と、コア102,103及び巻線104を含むユニット全体を支持する取付金具106と、取付金具106に対し、一方のコア103を介してユニット全体を固定しつつ、コア103と巻線104との絶縁を兼ねた絶縁固定部材108とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻線とコアを用いて電磁変換を行う電気部品に係り、好ましくは、いわゆるインバータ回路やアクティブフィルタ回路等に用いられるリアクトルのようなインダクタンスユニットに関する。
この種のインダクタンスユニットとして従来、4つのブロック状コアをロ字形状に組み合わせてコアユニットとし、対向する一対のブロック状コアの外側にそれぞれ巻線を配置した構造のリアクトルに関する先行技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
先行技術のリアクトルは、特にコアユニットを上下の挟持部材により挟み込んだ状態で支持しつつ、上下のコアを両側一対のコアに対して圧着させた構造である。また一対の挟持部材は、互いに離間して配置された2つの板状金具であり、これら板状金具がねじによって相互に連結され、上下方向に締め付けられてコアブロックを挟み込んでいる。各挟持部材と上下のコアとの間には、弾性を有した防振材が介在して設けられている。
上述した先行技術のリアクトルによれば、締付金具とコアの間に防振材が挟み込まれているため、発生した振動を防振材によって吸収し、騒音を抑えることができる。また、上下の締付金具がねじ留めにより一体化される構造であるため、リーケージフラックスの影響による振動をも低減することができる点でも優位である。
特開2004−319679号公報 特許第3914509号公報
近年、リアクトルのようなユニットが実装される電気機器は、例えば家庭用電源装置のインバータや昇圧器のように、生活空間内に設置して使用される場合が増えてきている。上述した先行技術は、独自の構造によって振動を抑え、その使用時に発生する騒音レベルを低下させている点で有効な技術である。その上で、上記のように電気機器の使用環境や使用条件の変化(例えば高周波化)の傾向に鑑みると、より一層の振動抑制や騒音レベルの低下が求められると考えられる。
そこで本発明は、リアクトルのような電気部品から発生する振動を抑え、静音性を向上できるインダクタンスユニットの提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のインダクタンスユニットは、複数箇所のギャップで複数に分割されたコアを、それぞれギャップ形成層で互いに接合して1つのユニットとし、そのうち1つのコアと巻線との絶縁を兼ねた絶縁固定部材により、複数あるうちの1つのコアを介して巻線を含めたユニットの全体を取付具に固定した構造を採用する。
本発明のインダクタンスユニットによれば、取付具に対して1つのコアだけが固定されているが、複数のコア同士はギャップ形成層により接合されているため、コア及び巻線を含むユニット全体を絶縁固定部材によって確実に固定することができる。
また本発明のインダクタンスユニットによれば、使用時(巻線への通電時)にギャップ間でコア同士に吸引力が発生しても、それによって発生する振動は1つのコアから取付具に伝達されるだけである。したがって、ユニット全体の振動が電気機器等に大きく伝達されるのを防止することができ、それだけ騒音レベルを低く抑えることができる。
好ましくは、2つのコアが個々にU字形状をなして成形されており、各一対の脚部同士を対向させた状態で略ロ字形状のコアユニットとして組み合わされる構造であってもよい。この場合、コアユニットとして組み合わされた2つのコアに対し、各一対の脚部の外周に2つの巻線がそれぞれ巻き付けられる。またギャップ形成層は、各一対の脚部同士の間にそれぞれ介在して配置され、コアユニット内に2箇所のギャップを形成しつつ2つのコアを各一対の脚部同士にて相互に接合することができる。取付具は、コアユニットとして組み合わされた2つのコア及び2つの巻線を含む全体を所定の取付位置にて支持するものであり、絶縁固定部材は、2つのコアの一方と2つの巻線との間を絶縁した状態で配置され、その一方のコアを介してコアユニットを2つの巻線とともに取付具に対して固定することができる。
上記の構造であれば、2つのコア間のギャップが巻線の軸線上でみた中間に位置するため、巻線への通電時にギャップ間で発生する吸引力をなるべく小さく抑えることができる。この点、巻線の両端近傍にギャップが配置されていると、それだけ磁界が強くなり、それによって吸引力も大きくなる傾向にあるが、上記の構造ではギャップ近傍に生じる磁界の強度がそれほど強くないため、その分、ギャップ間で発生する吸引力を小さく抑えることができる。
また、コアユニットの固定を1つの絶縁固定部材だけで行うことができるため、使用する部品点数の増加を抑えることができる。特に絶縁固定部材はコアユニットの固定だけでなく、巻線とコアとの絶縁をも兼ね備えているため、さらに絶縁部品等の使用点数を削減することに寄与することができる。
上記の絶縁固定部材は、一方のコアに対し、一対の脚部の間をつなぐ側縁部の外面に沿って一対の脚部の間に配置され、コアユニットの内側をその略ロ字形状をなす磁路の周方向と直交する方向に延び、かつ、両端がそれぞれコアの側方に突出することにより、少なくとも側縁部と2つの巻線との間を絶縁するベース板部と、コアユニットの内側にて一対の脚部と側縁部とが連なる一対の角部にそれぞれ配置され、ベース板部から一対の脚部の外面に沿って壁状に立ち上がることにより、少なくとも一対の脚部と2つの巻線との間を絶縁する一対の壁状部と、コアの側方に突出したベース板部の両端にそれぞれ形成され、これら両端から側縁部の外面に沿って一対の脚部と逆向きに突出して延び、かつ、それぞれ先端部分が取付具と面接触する一対のブラケット部とを有するものでもよい。
上記の態様であれば、U字形状をなすコアに対して、適度にマッチした形状の絶縁固定部材を用いることができる。例えば、ベース板部はコアの側縁部の外面を絶縁しつつ、その外面を介してコアを取付具に対して押さえ付ける機能を果たすことができる。また、ブラケット部は一対の脚部の間から両側方向(磁路の周方向に直交する方向)に突出することにより、コアの両側でそれぞれ取付具に面接触し、バランスよくコアユニット(ユニット全体)の固定を行うことができる。
上記の場合、絶縁固定部材に対応する取付具は、コアユニットの外側で側縁部の外面に沿って拡がる支持板部と、支持板部の周縁に形成されて一対のブラケット部とそれぞれ面接触する一対の受け部と、一対の受け部に対し、それぞれ対応するブラケット部を締結させる締結具とを有することが好ましい。
これにより、絶縁固定部材の形状に適合した取付具の形状を実現し、両者によるユニット全体の固定をより強化することができる。
また本発明のインダクタンスユニットにおいて、2つのU字形状をなすコアの間に別のI字形コアがさらに配置されていてもよい。すなわち、本発明のインダクタンスユニットは少なくとも2つのI字形コアをさらに備え、このI字形コアは、2つのコア(U字形コア)の各一対の脚部同士の間に介在して配置された状態で、2つのU字形コアとともにコアユニットとして組み合わされる。このとき2つの巻線は、U字形コアの各一対の脚部及び各I字形コアの外周にそれぞれ巻き付けられており、ギャップ形成層は、U字形コアの各一対の脚部と各I字形コアとの間にそれぞれ介在して配置され、コアユニット内に少なくとも4箇所のギャップを形成しつつ、2つのU字形コア及び各I字形コアを相互に接合するものとなる。
上記のように、2つのU字形コアの間にI字形コアを配置した場合であっても、コア同士をギャップ形成層で接合することで、コアユニットとして組み合わせることができる。またコアユニット内では、一方のU字形コアの脚部−少なくとも1つのI字形コア−他方のU字形コア脚部の間にそれぞれギャップが形成されるが、これらギャップはやはり巻線の内側に位置するため、巻線への通電時にギャップ間で発生する吸引力をなるべく小さく抑えることができる。
上記各コア(U字形コア及びI字形コアを含む)は、個々に絶縁処理が施された磁性粉末を加圧して成型された圧粉磁心であり、取付具は、圧粉磁心が有する透磁率に比較して、より低い透磁率を有する金属材料から成形されていることが好ましい。
一般に圧粉磁心は、積層コア等と比較して高周波域での鉄損が少なく、高周波域での特性に優れるという利点がある。このため、コアを圧粉磁心で成型することにより、インダクタンスユニットとしての高周波域特性を向上することができる。また、取付具の透磁率を圧粉磁心より低くすることにより、圧粉磁心からの磁束漏洩の影響による損失増加を最小限に抑えることができる。
またギャップ形成層は、互いに組み合わされるコア同士の間に介在して設けられるスペーサと、コア同士の対向する各面とスペーサとの間に配置される接着層とを含む。
この場合、隣接するコア間に確実にギャップを形成しつつ、コア同士の接合(接着)を確実にすることができる。
本発明のインダクタンスユニットは、使用時に生じる振動を小さく抑え、電気機器への実装時に発生する騒音レベルをより低くすることができる。これにより、使用環境に適した静音性の向上を図ることができる。
一実施形態のリアクトルを構成部品に分解した状態で示す分解斜視図である。 リアクトルの完成状態を示す斜視図である。 リアクトルの完成状態を示す正面図である。 リアクトルの完成状態を示す側面図である。 リアクトルの完成状態を示す平面図である。 リアクトルが完成状態となる前の要部組み立て状態を便宜的に示した斜視図である。 リアクトルが完成状態となる前の要部組み立て状態を便宜的に示した斜視図である。 実施形態のリアクトルの模式的な構造と比較列となるリアクトルの模式的な構造を対比して示す縦断面図である。 実施形態2のリアクトルについて、その完成状態となる前の要部組み立て状態を便宜的に示した斜視図である。 本実施形態の構造と対比される複数の比較例1〜3の構造例を模式的に示した縦断面図である。 実施形態1,2及び比較例1〜3のリアクトルに対し、同じ条件で入力電流を通電させた場合に得られた吸引力の変化を検証結果として示す図である。 本実施形態の構造と比較例1の構造について、同一の使用条件で観測された音圧の解析結果を周波数スペクトルで示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態(実施形態1とする)のリアクトル100を構成部品に分解した状態で示す分解斜視図である。一実施形態のリアクトル100は、例えばインバータや昇圧器等の図示しない電気機器に用いられるインダクタンスユニットである。
リアクトル100は主に、例えば上下に分割された2つのコア102,103、及びこれらコア102,103に巻かれる2つの巻線104から構成されている。このうち2つの巻線104は、リアクトル100が用いられる電気機器において、その電気回路内でインダクタンスを形成する。また2つのコア102,103は、互いに組み合わされた状態で1つのコアユニット(磁心)を構成し、2つの巻線104を相互に磁気結合する。
〔コア(コアユニット)〕
2つのコア102,103は、個々にU字形状に成形されており、これらコア102,103は各一対の脚部102a,103a及びこれらをつなぐ側縁部102b,103bを有している。これらコア102,103は、互いに各一対の脚部102a,103a同士を対向させた状態で組み合わされ、全体として略ロ字形状をなすコアユニット(参照符号なし)を構成する。
上下のコア102,103が組み合わされた状態で、各一対の脚部102a,103aの間には、それぞれスペーサ114が介在して配置される。スペーサ114は例えば樹脂製の板材であり、その上下両面が接着層を介して各一対の脚部102a,103aの対向する面に接着される。これにより上下のコア102,103は、間にスペーサ114を挟んだ状態で相互に接合(接着)され、上記のように1つのコアユニットを構成する。
〔ギャップ形成層〕
上記のスペーサ114及びその両面の接着層(合わせて3つの層)は、上下のコア102,103が組み合わされた状態で、コアユニット内にギャップを形成する。このため、上記のようにコアユニットは全体として略ロ字形状に閉じた磁路を形成するが、その途中の2箇所(各一対の脚部102a,103a間)にギャップが設けられた状態となる。
なお本実施形態では、上下のコア102,103が例えば圧粉磁心で構成されている。公知のように圧粉磁心は、個々に絶縁処理された磁性粉末を加圧して成形されるものである。圧粉磁心は特に高周波域での鉄損を抑制し、良好な電磁変換特性を得られるという利点がある。また、フェライト等に比較して飽和磁束密度が高いため、巻数をより少なく抑えてリアクトル100全体の体積を小型化することに寄与する。
〔巻線〕
2つの巻線104は、2つのコア102,103が組み合わされた状態で、各一対の脚部102a,103aの外周に配置される。この例では、各巻線104から2本のリード線104aが延びており、これらリード線104aは、例えば巻線104の巻始めと巻終わりを構成する。なお、2つの巻線104が直列に接続される場合、例えば2本のリード線104a同士を接続して一方を一次側、他方を二次側とすることもできる。
〔絶縁部材〕
2つのコア102,103が組み合わされた状態で、各一対の脚部102a,103aの外周面と各巻線104の内周面との間には、それぞれ絶縁部材112が配置されるものとなっている。この状態で絶縁部材112は、コア102,103(脚部102a,103a)と各巻線104との間を絶縁する。
各絶縁部材112は、例えば絶縁性を有した紙材料(アラミド絶縁紙)で構成されている。各絶縁部材112は、例えば脚部102a,103aの4つの外面に対応してそれぞれ外面部112a、内面部112b、側面部112c及びラップ部112dを有しており、これら各部が一続きに連なった状態で構成されている。図1中、各絶縁部材112は各筒形状に折り曲げられた状態で示されているが、それぞれを展開した状態では、例えばその一端から順にラップ部112d、内面部112b、一方の側面部112c、外面部112a、そして他方の側面部112cが幅方向に連なった状態となっている。すなわち、絶縁性の紙材料を幅方向にラップ部112d、内面部112b、一方の側面部112c、外面部112a、そして他方の側面部112cの順に5面を連ねた状態で型抜きし、これらを各筒形状に折り曲げると、図1に示される絶縁部材112が得られる。なお、このときラップ部112dは他方の側面部112cの内側に重ね合わせた状態で折り込まれる。また、外面部112a及び両側一対の側面部112cに比較すると、内面部112b及びラップ部112dは、コア102,103の内側(内周部分)の寸法に合わせて縦寸法が短縮されている。
この他にリアクトル100は、取付金具106や絶縁固定部材108を有するほか、上側の絶縁部材110及びシート材116を有している。以下、それぞれについて説明する。
〔取付金具(取付具)〕
取付金具106は、リアクトル100の全体を1つのユニットとして、これを図示しない電気機器の取付位置(例えばケーシング)に支持(固定)するための部品である。取付金具106は、例えば平面視で全体的に矩形状をなしており、その中央部分に平板状の支持板部106aを有している。支持板部106aには、短辺方向で一対をなす両側縁にそれぞれ受け部106bが形成されており、これら受け部106bは、支持板部106aの両側縁から外側へ張り出している。さらに各受け部106bには、支持板部106aの長手方向でみた両側縁に一対の爪部106cが一体に形成されている。なお図1では、これら爪部106cが受け部106bの両側縁から上方に立ち上がった状態で示されているが、リアクトル100の完成状態では、爪部106cが対向の方向に折り曲げられることで、絶縁固定部材108を締結した状態にある。また支持板部106aの四隅には、それぞれねじ留め部106dが張り出すようにして形成されており、これらねじ留め部106dには、それぞれ挿通孔(参照符号なし)が厚み方向に貫通して形成されている。このためリアクトル100の完成状態で、取付金具106を4つのねじ留め部106dにてねじ留めすることにより、リアクトル100全体を図示しない取付位置にて支持することができる。なお、爪部106cによる絶縁固定部材108の締結については、別の完成図を参照してさらに後述する。
〔絶縁固定部材〕
絶縁固定部材108は、上記の取付金具106に対して下側のコア103を固定するための部材である。さらに絶縁固定部材108は、コア102,103に2つの巻線104が巻かれた(セットされた)状態で、下側のコア103と2つの巻線104との絶縁をも兼ねている。
絶縁固定部材108は全体として鞍形状をなしており、例えば下側のコア103の側縁部103bを馬の背に見立てると、その上面(コアユニットの内側)から載せるようにして絶縁固定部材108が取り付けられる。絶縁固定部材108は、例えば鞍の座部(シート)に相当する位置に平板状のベース板部108aを有しており、このベース板部108aがコア103の側縁部103bの上面を覆うようにして配置される。リアクトル100の完成状態では、ベース板部108aは各巻線104と側縁部103bとの間に位置し、これらの間を確実に絶縁することができる。
上記のベース板部108aは、側縁部103bの上面で一対の脚部103aと側縁部103bとが連なる角部(コアユニット内側の角部)にまで拡がっており、それぞれの角部でベース板部108aには、一対の壁状部108bが連なって形成されている。これら壁状部108bは、コアユニットにより形成される磁路の周方向でみたベース板部108aの両端から、それぞれ一対の脚部103aの外面に沿って立ち上がっている。なお壁状部108bは、いずれもその両端で脚部103aの外面に沿って折れ曲がっている。このため壁状部108bはコアユニットの内周面だけでなく、その両側面にまで回り込んだ状態にある。なお壁状部108bは、リアクトル100の完成状態では上記の絶縁部材112の外側を取り巻くようにして配置されることで、各巻線104と各脚部103aとの間の絶縁をさらに確実なものとする。
また絶縁固定部材108は、例えば鞍のあおり(フェンダ、フラップ)に相当する位置に一対の垂下ブラケット108cを有する他、さらに鞍の鐙に相当する位置に一対の水平ブラケット108dを有している。このうち垂下ブラケット108cは、ベース板部108aの両端(コアユニットにより形成される磁路と直交する方向でみた両端)から側縁部103bの外面に沿い、下方に垂れ下がるようにして延びている。そして水平ブラケット108dは、垂下ブラケット108cの下端から外方向に屈曲して水平に延びている。そしてリアクトル100の完成状態では、一対の水平ブラケット108dが取付金具106の受け部106bにそれぞれ面接触し、上記の爪部106cによって締結されるものとなっている。
上側の絶縁部材110は、上側のコア102と巻線104との間を絶縁する部品である。この絶縁部材110は、おおよその形状が上記の絶縁固定部材108を上下に反転させた状態に近似している。すなわち、絶縁部材110は上記のベース板部108aと対になる上板部110aを有するとともに、上記の壁状部108bと対になる壁状部110bを有している。リアクトル100の完成状態では、上板部110aは各巻線104と上側のコア102の側縁部102bとの間に位置し、これらの間を確実に絶縁することができる。また壁状部110bは絶縁部材112の外側を取り巻くようにして配置されることで、各巻線104と各脚部102aとの間の絶縁をさらに確実なものとする。ただし、上側のコア102は取付金具106に固定されないため、上側の絶縁部材110には垂下ブラケット108c及び水平ブラケット108dに相当する部分を有していない。
シート材116は、下側のコア103と取付金具106との間に介在して配置される。上記のように、絶縁固定部材108を用いて下側のコア103が取付金具106に固定された状態で、シート材116はコア103の下面と取付金具106の上面との間に位置し、この状態で両者に密着する。シート材116は例えばシリコンを材料とするシート片である。シート材116は、例えばコア103から取付金具106への放熱(熱伝導)を担う他、リアクトル100全体の防振作用をも有している。
また本実施形態では、取付金具106が例えばアルミ板金材により構成されている。アルミ材は圧粉磁心に比較して透磁率が低いため、コア102,103から発する磁束の漏洩の影響による損失増加を最小限とする効果が得られる。
〔完成状態〕
図2は、リアクトル100の完成状態を示す斜視図である。また図3から図5は、それぞれリアクトル100の完成状態を示す正面図、側面図及び平面図である。これら図2〜図5に示されているように、リアクトル100の完成状態で上下のコア102,103は1つのコアユニット(参照符号なし)として組み合わされる。このときコアユニットは、例えば正面視(図3)で略ロ字形状をなし、その周方向に閉じた磁路を形成する。リアクトル100の完成状態では視認できないが、上下のコア102,103の間には上記のスペーサ114が接着層とともに介在されており、これらスペーサ114(及び接着層)にてコアユニット内には2箇所のギャップが形成されている。
2つの巻線104は、上下のコア102,103が組み合わされた状態で、各一対の脚部102a,103aの外周に巻き付けられた状態にある。このとき絶縁部材112がコア102,103(脚部102a,103a)の外周面に沿って配置されることで、各巻線104とコアユニット(コア102,103)との間が確実に絶縁されている。なお、本実施形態では絶縁紙の絶縁部材112を各巻線104の内側に配置しているが、絶縁部材112に代えて、例えば樹脂製のボビンを用いてもよい。
また上記のように、コア102,103に対して絶縁部材110及び絶縁固定部材108がそれぞれ配置されることで、各巻線104とコアユニット(コア102,103)との絶縁がより強固なものとなっていることが分かる。
また図2及び図3に示されているように、上記の爪部106cはそれぞれ水平ブラケット108dの上面に向けて折り曲げられており、これによって絶縁固定部材108が取付金具106に対して締結された状態にある。なお図2,図3では便宜上、爪部106cと水平ブラケット108dの上面との間に隙間を残した状態が示されているが、実際の完成状態でこのような隙間は残らず、爪部106cの曲げ加工によって確実に絶縁固定部材108(水平ブラケット108d)が締め付けられる。
次に図6及び図7は、リアクトル100が完成状態となる前の要部組み立て状態を便宜的に示した斜視図である。これら図6,図7では、リアクトル100の完成状態で配置されるべき部品の図示を省略し、便宜的に要部の構造を明らかにしている。
図6に示されているように、上下のコア102,103は、各一対の脚部102a,103a同士を対向させた状態で組み合わされる。このとき対向する各一対の脚部102a,103a同士の間には、上記のようにそれぞれスペーサ114が介在して配置される。またスペーサ114の上下の面と脚部102a,103aの対向面との間は、上記のように接着層を用いて接着されている。
また絶縁固定部材108は、コアユニットの内側で、下側のコア103に跨るようにして配置される。このとき水平ブラケット108dは、上記のように取付金具106の受け部106bの上面にて面接触している。また、各受け部106bに設けられた一対の爪部106cは、いずれも完成前(締結前)において上方に突出した状態にあり、この状態で一対の爪部106cの間に水平ブラケット108dを上方から受け入れることができる。そして一対の爪部106cは、上記のように互いに対向して曲げ加工されることにより、受け部106bに対して水平ブラケット108dを締め付け、その締結を完成させることができる。
図7は、コアユニットから巻線104を取り除いた状態を便宜的に示している。図6の状態からコアユニット(コア102,103)に絶縁部材110,112を配置することで、上記のように各巻線104とコアユニット(コア102,103)との絶縁が行われている。このとき絶縁固定部材108は、各巻線104と下側のコア103との間を絶縁しつつ、1つに組み合わされたコアユニットを取付金具106に対して固定するための部材として機能する。なお図7においても、爪部106cが締結前の状態で示されている。
〔振動特性〕
次に、本実施形態のリアクトル100に顕著な振動特性について、比較列との対比をもって明らかにする。
図8は、本実施形態のリアクトル100の模式的な構造とともに、比較列となるリアクトル10の模式的な構造を対比して示す縦断面図である。以下、具体的に説明する。
〔本実施形態〕
図8中(A):本実施形態のリアクトル100は、下側のコア103だけが取付金具106に対して固定された構造を有する。このため、巻線104の通電時(高周波電流の導通時)にコア102,103同士で周期的な吸引力が発生し、それによって振動が生じた場合であっても、その振動は下側のコア103からシート材116を介して取付金具106に伝達されるだけとなる。このため単純化された振動系モデルは、例えば質量をばねと粘性抵抗で懸架した1自由度モデルに近似したものとなる。
〔比較例〕
図8中(B):これに対し、比較例のリアクトル10は、例えば先行技術文献で挙げたように、4つのI字型コア12,14のブロックを組み合わせ、コア14の外周に巻線20を配置した構造である。比較例のリアクトル10は、コア全体の上下に取付金具22が配置されており、これら取付金具22同士がコア全体を挟み込むようにしてねじ26で締め付けられた構造である。
比較例においては、巻線20の通電時(交流印加時)にコア12,14同士で周期的な吸引力が発生し、それによって振動が生じた場合、その振動は下側のコア12から取付金具22に伝達されるだけでなく、上側のコア12からも取付金具22に伝達され、さらにねじ26を介して下側の取付金具22に伝達される。また、取付金具22がねじ26で相互に連結された状態にあるため、これらは構造的に一体の拘束具とみなすことができる。この場合、振動系モデルは本実施形態より複雑なものとなり、例えば同じ1自由度であっても、質量が2方向にそれぞればねと粘性抵抗で懸架された1自由度モデルに近似したものとなる(厳密にはより複雑なモデルを構成してもよい。)。
以上の対比から明らかなように、本実施形態の構造に比較して、比較例の構造はより振動が取付金具22に大きく伝達される傾向にある。言い換えれば、比較例の構造に対し、本実施形態の構造は取付金具106に伝達される振動を小さく抑えることができる。このため、例えば同じ条件で両者を使用した場合であっても、比較例のリアクトル10から発生する騒音レベル(音圧)に比較して、本実施形態のリアクトル100から発生する騒音レベル(音圧)はより低く抑えられることが理解される。
〔その他の実施形態〕
次に、その他の実施形態(実施形態2とする)について説明する。ここまでに説明した実施形態1のリアクトル100は、個々にU字形状をなす2つのコア102,103を組み合わせてコアユニットを構成していたが、2つのコア102,103の間にI字形状のコアをそれぞれ介在させてもよい。
図9は、実施形態2のリアクトル200について、その完成状態となる前の要部組み立て状態を便宜的に示した斜視図である。なお図9中、これまでに説明した実施形態1(図1〜図8)と共通する構成要素については共通の参照符号を付し、その重複した説明を省略する。また図9では、リアクトル200の完成状態で配置されるべき部品の図示を省略し、便宜的に要部の構造を明らかにしている。以下、実施形態1との相違点を中心として説明する。
図9に示されているように、実施形態2のリアクトル200では、2つのコア102,103の間に2つのI字形状のコア105がそれぞれ配置されている。したがって、上下のコア102,103が各一対の脚部102a,103a同士で接合されているのではなく、それらの間に配置された2つのI字形状のコア105を介して接合されている。すなわち、各一対の脚部102a,103aとI字形状のコア105の上下端面との間には、それぞれ上記のスペーサ114が介在して配置されており、そして、スペーサ114の上下面には図示しない接着層が形成されている。
これにより、上側のコア102の一対の脚部102aと各コア105の上端面とがスペーサ114(及び接着層)を介して相互に接着され、また、下側のコア103の一対の脚部103aと各コア105の下端面とがスペーサ114(及び接着層)を介して相互に接着された状態となる。したがってギャップは、コアユニット全体で4箇所に形成されている。
実施形態2のリアクトル200についても、下側のコア103が絶縁固定部材108を介して取付金具106に固定されている点は実施形態1のリアクトル100と共通している。図9には示されていないが、巻線104は各一対の脚部102a,103aと各コア105の外周に配置され、その間は上記の絶縁部材112により絶縁された状態となる。
さらに本発明の発明者等は、上記の実施形態1,2と構造(主にコアの構造)の異なる複数の比較例1〜3との対比を行い、実施形態1,2の優位性について検証を行った。なお、以下に挙げる比較例1〜3は、いずれも実施形態1,2とコア構造(コア形状)が相違し、リアクトルとしての使用条件(例えば巻線の巻数、ギャップ厚、コア断面積、磁路長)は全て同一に設定されているものとする。なお比較例2,3についても、比較例1(図8中(B))と同様に、コア全体の上下に取付金具が配置されており、これら取付金具同士がコア全体を挟み込むようにしてねじ等で締め付けられた構造とする。
図10は、実施形態1,2の構造と対比される複数の比較例1〜3の構造例を模式的に示した縦断面図である。このうち、図10中(I),(V)はそれぞれ実施形態1,2の構造を模式的に示しており、また図10中(II)の比較例1は、上述した比較列(図8中(B))と同じ構造を模式的に示しているため、これらについては重複した説明を省略する。なお図10中、コア及び巻線以外の要素については、煩雑化を防止するために図示を省略している。また以下の説明では、実施形態1の構造を「U字型形状」と称し、また、実施形態2の構造を「UIU字型形状」と称し、そして比較例1の構造を「ブロック形状」と称するものとする。
〔比較列2〕
図10中(III):比較例2の構造は、例えば比較例1のI字型コアの両端をそれぞれ斜めにカットして4つのコア32,34とし、4箇所にギャップを設けたパターンである。各巻線36は、両側のコア34の外周に配置されている。以下の説明では、比較例2の構造を「斜めカット形状」と称する。
〔比較例3〕
図10中(IV):比較例3の構造は、例えば上下のコア52を下向き又は上向きに凸形状とし、その段差部分に両側のコア54を配置して、4箇所にギャップを設けたパターンである。各巻線56は、両側のコア54の外周に配置されている。以下の説明では、比較例3の構造を「凸I形状」と称する。
〔吸引力の検証結果〕
図11は、実施形態1,2及び比較例1〜3のリアクトルに対し、同じ条件で入力電流を通電させた場合に得られた吸引力の変化を検証結果として示す図である。
〔入力電流の変化〕
図11中(A):実施形態1,2及び比較例1〜3のリアクトルに対し、全てについて同じ条件で入力電流を通電させる。入力電流は、例えば通電開始(0ms)とともにステップ的に立ち上がり、定格値(例えば数十アンペア)近傍で周期的に上下するリップル波形とする。
〔吸引力の変化〕
図11中(B):上記の入力電流に対する応答として、実施形態1,2及び比較例1〜3のリアクトルで発生した吸引力(ギャップ間での吸引力)の変化を観測した。ここには、実施形態1,2で得られた吸引力の変化をそれぞれ観測値S0,S4で表す。また比較例1〜3で得られた吸引力の変化をそれぞれ観測値S1〜S3で表す。
その結果、比較例2の「斜めカット形状」について得られた吸引力が最も大きく、その観測値S2(図中2点鎖線)は全ての観測値の中で最大レベルであった。
比較例3の「凸I形状」について得られた吸引力は、比較例2よりも一段階ほど小さかった、その観測値S3(図中破線)は依然として高いレベルにある。
比較例1の「ブロック形状」についても同様に、得られた吸引力は比較例2よりも一段階ほど小さく、また比較例3より僅かに小さかったが、同じくその観測値S1(図中1点鎖線)は依然として高いレベルにある。
上記の比較例1〜3に対し、実施形態1の「U字形状」で得られる吸引力は最も小さく、その観測値S0(図中実線)は、その他の観測値S1〜S3に比較して各段に小さいことが分かる。実施形態2の「UIU字形状」で得られる吸引力は、実施形態1より僅かに大きいが、その観測値S4(図中実線)は、同じくその他の観測値S1〜S3に比較して各段に小さかった。特に実施形態1,2では、軸線上でみた巻線104の内部にギャップが位置することで、比較例1〜3と比較してギャップ内の磁束が低下し、それによって吸引力の低下をもたらすことができたと考えられる。また実施形態1については、同じギャップ厚の条件下では、比較例1〜3に対して1箇所あたりのギャップ厚が2倍となっていることから、その分、比較例1〜3の構造よりも吸引力を小さく抑えることができる。
以上の検証結果から、実施形態1,2の構造「U字形状」及び「UIU字形状」によれば、通電時に発生する吸引力のレベルがいずれの比較例1〜3よりも充分に低く抑えられることが確認された。したがって、実施形態1,2のリアクトル100,200を電気機器に実装すれば、比較例1〜3よりも発生する騒音レベルを小さく抑えることができ、それだけ良好な使用環境を実現することができる。
〔音圧レベルの検証〕
さらに本発明の発明者等は、本実施形態(代表して実施形態1)の構造と比較例1の構造について、それぞれ音圧レベルの検証をも行った。図12は、本実施形態の構造と比較例1の構造について、同一の使用条件で観測された音圧の解析結果を周波数スペクトルで示した図である。
図12中、比較例1で得られた解析結果N1を1点鎖線で示し、本実施形態で得られた解析結果N2を実線で示している。これら2つの解析結果N1,N2の対比から明らかなように、本実施形態では比較例1に対し、ほとんどの周波数域で音圧レベルが低く抑えられていることが分かる。また図12中、例えば横軸の中央付近から右側を平均的な騒音域(例えば10〜20kHz)とすると、この帯域内で特に本実施形態の静音性が優れていることが分かる。
本発明は上述した実施形態(実施形態1,2)に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。例えば絶縁固定部材108と取付金具106との締結について、実施形態では一対の爪部106cを用いているが、特にこのような形態に限定するものではない。例えば、受け部106bの先端から舌片状の爪部を外側に延ばしておき、これを内側に向けて折り曲げることで締結を行うこともできる。あるいは、水平ブラケット108dに挿通孔を形成し、受け部106bにねじ孔を設けることで、絶縁固定部材108を取付金具106に対してねじ留めにより締結することもできる。
実施形態では、コア102,103を圧粉磁心としているが、コア102,103はフェライト製でもよいし、積層電磁鋼板製であってもよい。
また、ギャップの位置は巻線104の内側だけでなく、外側であってもよい。この場合、例えば下側のコア103だけをU字形状とし、上側にI型のブロックを配置してもよい。
実施形態2のリアクトル200において、各一対の脚部102a,103a間に複数のI字形状のコア105を配置することもできる。
実施形態ではリアクトルを例に挙げているが、本発明は巻線とコアをユニットとして取付具により支持する形態のインダクタンスユニットであれば、例えばトランス、変成器等としても実施することができる。
その他、図示とともに挙げたリアクトルやその一部の構造はあくまで好ましい一例であり、基本的な構造に各種の要素を付加し、あるいは一部を置換しても本発明を好適に実施可能であることはいうまでもない。
100 リアクトル
102,103 コア
102a,103a 脚部
102b,103b 側縁部
104 巻線
106 取付金具
106a 支持板部
106b 受け部
106c 爪部
108 絶縁固定部材
108a ベース板部
108b 壁状部
108c 垂下ブラケット
108d 水平ブラケット
110 絶縁部材
112 絶縁部材
114 スペーサ
116 シート材

Claims (8)

  1. 所定の電気回路内にてインダクタンスを形成する2つの巻線と、
    前記2つの巻線の中心をそれぞれ貫通した磁路を形成するとともに、前記磁路内に設けられた複数箇所のギャップにて分割された複数のコアと、
    前記複数箇所のギャップ内にそれぞれ介在して設けられ、前記複数のコアを相互に絶縁した状態で接合しつつ、前記複数のコア間にて前記ギャップを維持するギャップ形成層と、
    前記複数のコア及び前記2つの巻線を含めたユニットの全体を所定の取付位置にて支持するための取付具と、
    前記複数のコアのうち、前記取付具に相対して配置された1つの前記コアと前記各巻線との間を絶縁した状態で配置され、その1つの前記コアを介して前記ユニットの全体を前記取付具に固定するための絶縁固定部材と
    を備えたインダクタンスユニット。
  2. 請求項1に記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記取付具に対し、前記絶縁固定部材を締結させる締結具をさらに備えたことを特徴とするインダクタンスユニット。
  3. 個々にU字形状をなして成形され、各一対の脚部同士を対向させた状態で略ロ字形状のコアユニットとして組み合わされた2つのコアと、
    前記コアユニットとして組み合わされた前記2つのコアに対し、前記各一対の脚部の外周にそれぞれ巻き付けられた2つの巻線と、
    前記各一対の脚部同士の間にそれぞれ介在して配置され、前記コアユニット内に2箇所のギャップを形成しつつ、前記2つのコアを前記各一対の脚部同士にて相互に接合するギャップ形成層と、
    前記コアユニットとして組み合わされた前記2つのコア及び前記2つの巻線を含む全体を所定の取付位置にて支持するための取付具と、
    前記2つのコアの一方と前記2つの巻線との間を絶縁した状態で配置され、その一方の前記コアを介して前記コアユニットを前記2つの巻線とともに前記取付具に対して固定する絶縁固定部材と
    を備えたインダクタンスユニット。
  4. 請求項3に記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記絶縁固定部材は、
    一方の前記コアに対し、前記一対の脚部の間をつなぐ側縁部の外面に沿って前記一対の脚部の間に配置され、前記コアユニットの内側をその略ロ字形状をなす磁路の周方向と直交する方向に延び、かつ、両端がそれぞれ前記コアの側方に突出することにより、少なくとも前記側縁部と前記2つの巻線との間を絶縁するベース板部と、
    前記コアユニットの内側にて前記一対の脚部と前記側縁部とが連なる一対の角部にそれぞれ配置され、前記ベース板部から前記一対の脚部の外面に沿って壁状に立ち上がることにより、少なくとも前記一対の脚部と前記2つの巻線との間を絶縁する一対の壁状部と、
    前記コアの側方に突出した前記ベース板部の両端にそれぞれ形成され、これら両端から前記側縁部の外面に沿って前記一対の脚部と逆向きに突出して延び、かつ、それぞれ先端部分が前記取付具と面接触する一対のブラケット部と
    を有することを特徴とするインダクタンスユニット。
  5. 請求項4に記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記取付具は、
    前記コアユニットの外側で前記側縁部の外面に沿って拡がる支持板部と、
    前記支持板部の周縁に形成されて前記一対のブラケット部とそれぞれ面接触する一対の受け部と、
    前記一対の受け部に対し、それぞれ対応する前記ブラケット部を締結させる締結具と
    を有することを特徴とするインダクタンスユニット。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載のインダクタンスユニットにおいて、
    個々にI字形状をなして成形され、前記2つのコアの前記各一対の脚部同士の間に介在して配置された状態で、前記2つのコアとともに前記コアユニットとして組み合わされる少なくとも2つのI字形コアをさらに備え、
    前記2つの巻線は、
    前記各一対の脚部及び前記各I字形コアの外周にそれぞれ巻き付けられており、
    前記ギャップ形成層は、
    前記各一対の脚部と前記各I字形コアとの間にそれぞれ介在して配置され、前記コアユニット内に少なくとも4箇所のギャップを形成しつつ、前記2つのコア及び前記各I字形コアを相互に接合することを特徴とするインダクタンスユニット。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記コアは、
    個々に絶縁処理が施された磁性粉末を加圧して成型された圧粉磁心であり、
    前記取付具は、
    前記圧粉磁心が有する透磁率に比較して、より低い透磁率を有する金属材料から成形されていることを特徴とするインダクタンスユニット。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記ギャップ形成層は、
    互いに組み合わされる前記コア同士の間に介在して設けられたスペーサと、
    前記コア同士の対向する各面と前記スペーサとの間に配置された接着層とを含むことを特徴とするインダクタンスユニット。
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