JP2013183151A - 静止誘導電器 - Google Patents

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寿一 永田
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Abstract

【課題】機器を大型化することなく、また防音タンク等の外部の構造物を必要とせずに、通電騒音を低減することができる静止誘導電器を提供する。
【解決手段】静止誘導電器は、内側巻線20と、第1の穴あき円板状巻線21aを同軸円筒状に積層して形成されて内側巻線20を囲むように配置された第1の積層巻線21と、第1の穴あき円板状巻線21aの積層相互間に介挿されて絶縁物からなる第1の間隔片21bと、第2の穴あき円板状巻線31aを同軸円筒状に積層して形成されて第1の積層巻線21を囲むように配置された第2の積層巻線31と、第2の穴あき円板状巻線31aの積層相互間に介挿されて絶縁物からなる第2の間隔片31bと、を備える。第1の間隔片21bが第1の円板状巻線21aと当接する部分の総面積は、第2の間隔片31bが第2の円板状巻線31aと当接する部分の総面積と異なる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、巻線への通電に伴い発生する通電騒音を低減することが可能な静止誘導電器に関する。
変圧器やリアクトルに代表される静止誘導電器においては、巻線への通電に伴い巻線や鉄心その他構造物の振動に起因する通電騒音が発生する。静止誘導電器の振動や騒音を低減する手段として、幾つかの方法が用いられている。
一般的な方法として、音源となる鉄心や巻線から発生する音響エネルギーそのものを低減する方法がある。
この方法の一例として、音源が巻線である通電騒音について、変圧器を例に挙げ、図10を用いて説明する。図10は変圧器本体を構成する鉄心と円筒形巻線部分の立断面図を示している。なお、図においては軸対称である円筒型巻線の片側部分を示している。図において、鉄心2の周囲には円板状の導体を絶縁物を介して積層して構成した積層巻線1a、1b、1c、1dが配設されている。これらの積層巻線に通電することにより積層巻線には漏れ磁束が発生する。ここでは、積層巻線1c、1dに生じる電磁機械力に着目して説明する。
積層巻線1c、1dにおいて、3c、3dは巻線を透過してきた漏れ磁束であり、4c、4dは通電に伴い発生する電磁機械力を示している。通電騒音の音源となるのは巻線の積層方向(図では上下方向)に沿う振動であることが知られている。積層巻線1c、1dの積層方向に垂直に通過してきた漏れ磁束3c、3dは、特に外側に位置する積層巻線1cと1dにおいては、積層巻線1c、1dの積層方向端部を経由して図示しない変圧器本体を収納するタンクに流入するため外側に曲がり、積層巻線1cと1dを流れる電流との相互作用によって、積層巻線1c、1dを両端から積層方向(図では上下方向)対称に圧縮する方向に、電源周波数の2倍の周波数を有する電磁機械力4c、4dが発生し、この電磁機械力4c、4dが通電騒音の原因となることが知られている。
このため、積層巻線1c、1dを流れる電流を少なくすれば電磁機械力4c、4dを低減することができ、これに伴い発生する騒音を低減することができる。したがって、巻線を流れる電流を少なくして、電流密度を下げることにより、通電に伴う巻線の振動を減らし、通電騒音を低減することが可能である。
また、静止誘導電器から放射される騒音を低減する別の手段として、防音タンクが用いられることがある。
この方法の一例として、変圧器を例に挙げ、図11を用いて説明する。図11は変圧器本体を防音タンクで覆った変圧器の要部立断面図を示している。図において、5は変圧器本体、6は変圧器周囲を囲むように設置された防音タンクである。防音タンク6には一般に鋼板などの遮音効果が高い材料が用いられ、音の透過を防止し、さらに内面にグラスウールなどの吸音材7を配設して防音タンク内壁の多重反射による騒音の増大を防ぐようにしている。
このようにして、変圧器本体5から発生した騒音は、防音タンク6の遮音効果、また、防音タンク6の内壁に吸音材7を配設することによる吸音効果により低減されるので、変圧器から発生する騒音を低減することが可能となる。
同様に、騒音を発生する機器の一部を覆ってしまうことで騒音を低減する遮音構造が用いられることがある。
この一例として、変圧器を例に挙げ、図12を用いて説明する。図12は変圧器本体を防音タンクで覆い、防音タンクの側面に遮音板を設けた変圧器の立断面図を示すものである。図において、変圧器本体5を覆う防音タンク6の側面9には、上部補強ビーム10、下部補強ビーム11が設けられている。上部補強ビーム10には、上部支持部材12が設けられ、タンク側面9の下部には下部支持部材13が設けられている。上部支持部材12と下部支持部材13との間には、タンク側面9を覆う遮音板14が、弾性部材15、16を介して、防音タンク6の側面9に取り付けられ、シール部材17、18により、遮音板14とタンク側面9との間の隙間を密閉している。
このような構成にすることで、変圧器本体から放射される騒音を低減することが可能となる。
特開平11−121255号公報 特開2000−77238号公報
以上に示した従来の技術は、それぞれ静止誘導電器の騒音を低減することを目的としたものであるが、それぞれ幾つかの課題があった。
上述した騒音低減手段のうち、図10に示した手段においては、巻線の一本一本を流れる電流を少なくして電流密度を下げることで発生する電磁機械力を低減し、通電振動を減らすことによって騒音を低減しようとするものである。しかしながら、このような手段を用いて電流密度を下げるためには、巻線の断面積を大きくする必要があり、巻線の大型化が避けられず、結果として静止誘電機器本体が大型化してしまうという課題があった。
また、図11に示した構成においては、静止誘導電器本体の外部に防音タンクを設置することで、その遮音効果により通電騒音が外部に放射されるのを効果的に低減することができ、騒音低減効果に優れる反面、防音タンクは静止誘導電器本体とは別の構造物となるために、防音タンクを含めた機器全体の寸法や質量の増加に留まらず、追加の基礎や配管なども必要となり、設置スペースや工期等の施工上の制約などから採用できない場合があった。
同様に、図12に示した手段においては、遮音板で静止誘導電器のタンク側面の一部を覆うことにより、タンク側面からの放射音を低減し、騒音の低減を図るようにしたものであり、この手段を用いることで、図11で示したような機器の大型化や大規模な工事は避けられるものの、部分的な遮音では大きな騒音低減効果を得ることは難しく、騒音低減効果が限定的であるという課題があった。
本発明は上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、機器を大型化することなく、また防音タンク等の外部の構造物を必要とせずに、簡易な構造で通電騒音を低減することができる静止誘導電器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一つの実施形態は、円筒状の内側巻線と、複数の第1の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記内側巻線を囲むように配置された第1の積層巻線と、前記複数の第1の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第1の間隔片と、複数の第2の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記第1の積層巻線を囲むように配置された第2の積層巻線と、前記複数の第2の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第2の間隔片と、を備えた静止誘導電器であって、前記第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の総面積が、前記第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積と異なることを特徴とする。
また、本発明の他の一つの実施形態は、円筒状の第1の内側巻線と、複数の第1の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記第1の内側巻線を囲むように配置された第1の積層巻線と、前記複数の第1の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第1の間隔片と、前記第1の積層巻線に隣接して配置された円筒状の第2の内側巻線と、複数の第2の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記第2の内側巻線を囲むように配置された第2の積層巻線と、前記複数の第2の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第2の間隔片と、を備えた静止誘導電器であって、前記第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の総面積が、前記第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積と異なることを特徴とする。
また、本発明のさらに他の一つの実施形態は、円筒状の内側巻線と、複数の第1の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記内側巻線の軸方向の一部を囲むように配置された第1の積層巻線と、前記複数の第1の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第1の間隔片と、複数の第2の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて、前記第1の積層巻線に対して積層方向に隣接して、前記内側巻線の軸方向の一部を囲むように配置された第2の積層巻線と、前記複数の第2の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第2の間隔片と、を備えた静止誘導電器であって、前記第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の総面積が、前記第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積と異なることを特徴とする。
本発明の第1の実施形態に係る静止誘導電器の巻線部分の平面図。 図1の外側巻線のII−II線に沿う要部立断面図。 本発明の第1の実施形態に係る静止誘導電器の第1の積層巻線の多自由度振動系の数学モデルと固有モード図。 図3の多自由度振動系における電磁機械力に対する応答を示す特性図。 本発明の第2の実施形態に係る静止誘導電器の巻線部分の平面図。 本発明の第3の実施形態に係る静止誘導電器の外側巻線の要部立断面図。 図6のVII−VII線に沿う要部平断面図。 図6のVIII−VIII線に沿う要部平断面図。 本発明の第3の実施形態に係る静止誘導電器の巻線部分の多自由度振動系の数学モデルと固有モード図。 従来の静止誘導電器本体を構成する鉄心と巻線部分の立断面図。 従来の静止誘導電器の防音構造を示す要部立断面図。 従来の静止誘導電器の遮音構造を示す要部立断面図。
(第1の実施形態)
(構成)
本発明に係る静止誘導電器の第1の実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る静止誘導電器の巻線部分の平面図であり、図2はそのII−II線に沿う立断面図である。
本実施形態においては、図示しない絶縁筒の外側に導体を巻いて形成した円筒状の内側巻線20が配置されている。内側巻線20の外側には外側巻線が同軸円筒状に配置されている。外側巻線は、同軸円筒状の第1の積層巻線21とその外側の第2の積層巻線31とからなる。ここで、積層方向は、例えば鉛直方向である。
ここでは、第1の積層巻線21、第2の積層巻線31に着目して通電騒音を低減する構成について説明する。第1の積層巻線21、第2の積層巻線31は、それぞれ共に穴あき円板状に形成された第1の円板状巻線21a、第2の円板状巻線31aを鉛直方向に複数段積層して円筒状に構成されている。第1の円板状巻線21aが積層されて構成された第1の積層巻線21において、積層方向に隣接する第1の円板状巻線21a相互間には、樹脂等の絶縁物からなる複数の第1の間隔片21bが周方向に等間隔をあけて介挿されている。同様に、第2の円板状巻線31aが積層されて構成された第2の積層巻線31において、積層方向に隣接する第2の円板状巻線31a相互間には、樹脂等の絶縁物からなる複数の第2の間隔片31bが周方向に等間隔をあけて介挿されている。
ここで、積層巻線21および31の各円板状巻線の相互間、すなわち、第1の円板状巻線21a相互間、第2の円板状巻線31a相互間にそれぞれ介挿される第1および第2の間隔片21b、31bは、それぞれ第1の円板状巻線21a、第2の円板状巻線31aと当接する部分の総面積を変えてある。これにより、第1および第2の間隔片21b、31bと第1および第2の円板状巻線21a、31aから構成される第1および第2の積層巻線21、31の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数が、第1の積層巻線21では電源周波数の2倍よりも高く、第2の積層巻線31では電源周波数の2倍よりも低くなるように固有振動数をずらして構成されている。
(作用)
次に、図3と図4を用いて、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。
図3は、第1の積層巻線21において、巻線の質量と水平間隔片の弾性から構成される多自由度振動系の数学モデルとその固有モードを表した図である。また、図示しないが第2の積層巻線31においても同様に表すことができる。図4は、通電時において第1および第2の積層巻線21、31から発生する電磁機械力27に対する多自由度振動系の応答を示す図である。
図3において、第1の円板状巻線21aは、銅などの金属導体で構成されるために、重くて剛性が極めて高いのに対して、第1の間隔片21bは樹脂等からなる絶縁物で構成されているために、軽くて柔軟である。したがって、数学モデルに置き換えると、質量25(巻線)とばね要素26(間隔片)が交互に組み合わされた多自由度振動系と考えることができる。そして、両端から積層方向対称に圧縮する方向の電磁機械力27に対して、積層巻線21も上下対称に振動する固有モード28が、力と変形の方向が一致するために、最も強く励起される。
また、図4は横軸を周波数として、多自由度振動系の応答を位相と振幅で示した応答曲線である。図4(a)は第1の積層巻線21の応答曲線(位相)を表わし、図4(b)は第1の積層巻線21の応答曲線(振幅)を表わし、図4(c)は第2の積層巻線31の応答曲線(位相)を表わし、図4(d)は第2の積層巻線31の応答曲線(振幅)を表わす。破線で示した周波数は固有振動数fx、即ち、位相が90°で振幅が極大となる周波数である。図中の黒丸は電源周波数の2倍の周波数であり、電磁機械力の周波数を表している。図4(a)および図4(b)に示した第1の積層巻線21は固有振動数fxが電源周波数の2倍よりも高く、下図4(c)および図4(d)に示した第2の積層巻線31は固有振動数fxが電源周波数の2倍よりも低くなっている。
第1および第2の積層巻線21と31の位相曲線により、電磁機械力の周波数において、両巻線の応答の位相はほぼ180°反転し、積層巻線21と31は逆位相で通電振動する。逆位相の音源が近接して存在することによって、相互の発生する圧力波が打ち消し合うことになる。この干渉効果により、通電振動により放射される通電騒音の放射効率が下がり、騒音の発生が抑制される。
なお、第1の積層巻線21の固有振動数を電源周波数の2倍よりも低く、第2の積層巻線31の固有振動数を電源周波数の2倍よりも高くなる構成にしても、両巻線の応答の位相はほぼ180°反転して、同様に騒音の発生を抑制することができる。
さらに、積層巻線21と31の固有振動数は、水平間隔片21b、31bの配置や面積だけでなく、材質や厚さを変えることによっても、図3に示した数学モデルのばね要素を増減することができるので、固有振動数は容易に変えることが可能である。
(効果)
本実施形態によれば、同軸円筒状に隣接して配置される2つの積層巻線において、一方の固有振動数を電源周波数の2倍よりも高く、他方を電源周波数の2倍よりも低くする構成としたことにより、通電振動をそれぞれ逆位相にして音の放射効率を下げ通電騒音を低減することができる。
(第2の実施形態)
(構成)
次に、本発明の静止誘導電器の第2の実施形態について図5を用いて説明する。図5は第2の実施形態に係る静止誘導電器の巻線部分の平面図である。なお、第1の実施形態と同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、2個の巻線が並列配置されて構成した静止誘導電器である。図示しない絶縁筒に導体を巻いた円筒状の第1の内側巻線20と、第1の内側巻線20の外側に第1の円板状巻線21aを同軸円筒状に積層して形成した第1の積層巻線21とで一つの筒状の巻線体が形成されている。一方、円筒状の第2の内側巻線30の外側に第2の円筒状巻線を同軸円筒状に積層して形成した第2の積層巻線31とでもう一つの筒状の巻線体が形成されている。これら二つの筒状巻線体が隣接して並列に配置されている。ここで、積層方向は、例えば延長方向である。
ここで、第1の円板状巻線21aの積層方向相互間には、樹脂等の絶縁物からなる複数の第1の間隔片21bが互いに周方向に等間隔をあけて配置され介挿されている。また、第2の円板状巻線31aの積層方向相互間には、樹脂等の絶縁物からなる第2の間隔片31bが互いに周方向に等間隔をあけて配置され介挿されている。
このような構成において、第1の円板状巻線21a相互間および第2の円板状巻線31a相互間に介挿する第1および第2の間隔片21bと31bはそれぞれ第1および第2の円板状巻線21a、31aと当接する部分の総面積が異なるように構成されており、間隔片と巻線から構成される多自由度振動系の上下対称振動モードの固有振動数が、第1の積層巻線21と第2の積層巻線31において、第1の積層巻線21は電源周波数の2倍よりも高く、第2の積層巻線31は電源周波数の2倍よりも低くなるように構成されている。
(作用)
このように構成された第2の実施形態においても、隣り合う2つの積層巻線、すなわち、第1の積層巻線21と第2の積層巻線31が、第1の実施形態の同軸上に隣接する2つの積層巻線と同様の作用をする。即ち、図4に示したように、第1および第2の積層巻線21と31は、電磁機械力の周波数において、両巻線の応答の位相はほぼ180°反転し、第1および第2の積層巻線21と31とは逆位相で振動する。逆位相の音源が隣り合って存在することにより、干渉効果によって、通電振動により放射される通電騒音の放射効率は下がり、騒音の発生が抑制される。
また、第1の実施形態と同様に、第1および第2の積層巻線21と31の固有振動数は、第1および第2の間隔片21b、31bの配置や面積を変える方法以外でも変えることができる。例えば、第1および第2の間隔片21b、31bの材質や厚さを変更することによっても、図3に示した数学モデルのばね要素を増減することができるので、これにより固有振動数を可変とすることが可能である。
(効果)
本実施形態によれば、並列に隣接配置された2つの積層巻線において、一方の固有振動数を電源周波数の2倍よりも高く、他方を電源周波数の2倍よりも低くする構成とすることにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
(構成)
本発明の静止誘導電器の第3の実施形態について、図6〜図8を用いて説明する。図6は第3の実施形態に係る静止誘導電器の外側巻線部分の要部立断面図、図7は図6のVII−VII線に沿う要部平断面同、図8は図6のVIII−VIII線に沿う要部平断面図である。なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図6〜図8に示す第3の実施形態の構成において、図示しない円筒状の絶縁筒に導体を巻いて形成した内側巻線20とその外側に積層巻線21が同軸円筒状に配置されている。ここでは、積層巻線21に着目して通電騒音を低減する構成について説明する。
積層巻線21は、円板状巻線21aを、例えば鉛直方向に積層して、内側巻線20と同心円筒状に配置されている。また、円板状巻線21aの相互間には、円筒状に構成した積層巻線21の上半部においては複数の第1の間隔片41bが、下半部においては複数の第2の間隔片51bがそれぞれ互いに周方向に等間隔をあけて配置され介挿され、それぞれ積層巻線21u、21dを形成している。
ここで、第1の間隔片41bと第2の間隔片51bがそれぞれ円板状巻線21aと当接する部分の総面積は、積層巻線21を構成する第1の積層巻線21uと第2の積層巻線21dとでは異なるように構成されている。
(作用)
次に、図9を用いて、このように構成された本実施形態の作用を説明する。図9は積層巻線21において、巻線の質量と水平間隔片のばね要素から構成される多自由度振動系の数学モデルとその固有モードを表した図であり、第1の実施形態と同様に、積層巻線21は、質量45(巻線)とばね要素46、47(間隔片)が組み合わされた多自由度系と考えることができる。そして、両端から積層方向対称に圧縮する方向の電磁機械力27に対して、積層巻線21も積層方向対称に振動する固有モードが、力と変形の方向が一致するために、最も強く励起される。しかしながら、積層巻線21の上半部に位置する第1の積層巻線21uと下半部に位置する第2の積層巻線21dとでは、当接する第1の間隔片41bと第2の間隔片51bがそれぞれ円板状巻線21aと当接する部分の総面積が異なるため、多自由度系のばね要素の分布も積層巻線21の上部ばね要素46と下部ばね要素47で異なり、固有モード48が積層方向対称にはならない。
したがって、電磁機械力27の方向と、固有モード48の形状とが完全に整合することがなくなることから、巻線の通電振動が励起されにくくなり、結果として騒音の発生が抑制される。
なお、積層巻線21の固有モード48の形状は、第1および第2の間隔片41b、51bが円板状巻線21aと当接する部分の総面積を変える以外の方法によっても変えることができ、例えば、間隔片の材質や厚さを変更することによっても、図3の数学モデルのばね要素を変えることができるので、これにより固有モードを可変とすることが可能である。
(効果)
本実施形態によれば、円板状巻線を積層して構成した積層巻線において、巻線の固有モードが巻線の積層方向で対称にならないように構成することにより、電磁機械力の方向との整合がなくなるために、通電振動が励起されにくくなり、通電騒音を低減することが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1a、1b、1c、1d… 積層巻線
2… 鉄心
3c、3d… 磁束
4c、4d… 電磁機械力
5… 変圧器本体
6… 防音タンク
7… 吸音材
9… タンク側面
10… 上部補強ビーム
11… 下部補強ビーム
12… 上部支持部材
13… 下部支持部材
14… 遮音板
15、16… 弾性部材
17、18… シール部材
20… 内側巻線
21… 第1の積層巻線
21a… 第1の円板状巻線
21b… 第1の間隔片
21u… 第1の積層巻線
21d… 第2の積層巻線
25… 質量
26… ばね要素
27… 電磁機械力
28… 固有モード
30… 内側巻線
31… 第2の積層巻線
31a… 第2の円板状巻線
31b… 第2の間隔片
41b… 第1の間隔片
45… 質量
46… 上部ばね要素
47… 下部ばね要素
48… 固有モード
51b… 第2の間隔片

Claims (9)

  1. 円筒状の内側巻線と、
    複数の第1の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記内側巻線を囲むように配置された第1の積層巻線と、
    前記複数の第1の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第1の間隔片と、
    複数の第2の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記第1の積層巻線を囲むように配置された第2の積層巻線と、
    前記複数の第2の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第2の間隔片と、
    を備えた静止誘導電器であって、
    前記第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の総面積が、前記第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積と異なることを特徴とする静止誘導電器。
  2. 前記第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の総面積と前記第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積は、前記第1の積層巻線の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数が、前記第2の積層巻線の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数と異なるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の静止誘導電器。
  3. 前記第1の間隔片が第1の円板状巻線と当接する部分の総面積と前記第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積は、前記第1の積層巻線の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数が電源周波数の2倍より高く、前記第2の積層巻線の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数が電源周波数の2倍より低くなるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の静止誘導電器。
  4. 円筒状の第1の内側巻線と、
    複数の第1の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記第1の内側巻線を囲むように配置された第1の積層巻線と、
    前記複数の第1の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第1の間隔片と、
    前記第1の積層巻線に隣接して配置された円筒状の第2の内側巻線と、
    複数の第2の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記第2の内側巻線を囲むように配置された第2の積層巻線と、
    前記複数の第2の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第2の間隔片と、
    を備えた静止誘導電器であって、
    前記第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の総面積が、前記第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積と異なることを特徴とする静止誘導電器。
  5. 第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の面積と第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積は、前記第1の積層巻線の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数が、前記第2の積層巻線の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数と異なるように構成したことを特徴とする請求項4に記載の静止誘導電器。
  6. 第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の総面積と第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積は、前記第1の積層巻線の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数が電源周波数の2倍より高く、前記第2の積層巻線の多自由度振動系の積層方向対称振動モードの固有振動数が電源周波数の2倍より低くなるように構成したことを特徴とする請求項5に記載の静止誘導電器。
  7. 円筒状の内側巻線と、
    複数の第1の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて前記内側巻線の軸方向の一部を囲むように配置された第1の積層巻線と、
    前記複数の第1の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第1の間隔片と、
    複数の第2の穴あき円板状巻線を同軸円筒状に積層して形成されて、前記第1の積層巻線に対して積層方向に隣接して、前記内側巻線の軸方向の一部を囲むように配置された第2の積層巻線と、
    前記複数の第2の穴あき円板状巻線の積層相互間に介挿されて絶縁物からなる複数の第2の間隔片と、
    を備えた静止誘導電器であって、
    前記第1の間隔片が前記第1の円板状巻線と当接する部分の総面積が、前記第2の間隔片が前記第2の円板状巻線と当接する部分の総面積と異なることを特徴とする静止誘導電器。
  8. 前記第1の間隔片が円板状巻線と当接する部分の総面積が前記第2の間隔片が円板状巻線と当接する部分の総面積と異なる構成としたことを特徴とする請求項7に記載の静止誘導電器。
  9. 前記第1の間隔片が前記円板状巻線と当接する部分の総面積と第2の間隔片が前記円板状巻線と当接する部分の総面積が、前記積層巻線の多自由度振動系の振動モードが積層方向において対称にならないように構成したことを特徴とする請求項8に記載の静止誘導電器。
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