JP2014011266A - インダクタンスユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成でコアユニットの振動をある程度許容しつつも磁気吸引力の影響によるうなり音を低減させる技術を提供する。
【解決手段】リアクトル100は、インダクタンスユニットとして、巻線104、コア102、取付金具106、及び一対のスペーサ部材を備える。巻線104は、電気回路内にてインダクタンスを形成する。コア102は、巻線の中心を貫通した磁路を形成する。取付金具106は、巻線104及びコア102を含めたユニットの全体を取付位置にて支持する。スペーサ部材112は、コア102及び取付金具106の間に介在して配置され、少なくとも巻線104の内側を貫通する貫通方向でみたコア102と取付金具106との間にスペースW1を確保した状態で、取付金具106に対してコア102を固定させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えばインバータ回路やアクティブフィルタ回路等の電気回路にて電磁変換を行うインダクタンスユニットに関する。
この種のインダクタンスユニットとして従来、締付金具にコアが固定された構造のリアクトルに関する先行技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
先行技術のリアクトルは、4つのコアを組み合わせたロ字状のコアユニットを締付金具に対し固定した構造を採用している。コアユニットには、その上下に防振材が載置されており、さらに各防振材の外側(コアユニットの上部と下部)に締付金具が配置されている。上部と下部の締付金具は、相互にねじで連結されており、コアユニットは上下方向に締め付けられた状態で締付金具の間に固定されている。
上記の先行技術によれば、締付金具とコアとの間に防振材が挟み込まれているため、コアに発生した振動を防振材によって吸収し、騒音を抑えることができる。また、上下の締付金具がねじ留めにより一体化される構造であるため、リーケージフラックスの影響による振動をも低減することができる。
特開2004−319679号公報 特許第3914509号公報
一般的に、コアユニットは、締付金具に取り付けられた状態であっても、磁気吸引力の影響を受けて振動することがある。磁気吸引力は、特にコイルの中心を貫く方向へ大きく作用する。この磁気吸引力に伴うコアユニットの振動が締付金具に伝わると、いわゆる「うなり音」が発生してしまう。これに対して、上述した先行技術では、締付金具及び防振材がコイルの中心を貫く方向にコアユニットを挟み込んで支持している点で、コアユニットの振動を効果的に抑制していると考えられる。
しかし、締付金具でコアユニットを挟み込んで強制的に振動を抑制したとしても、コアユニットには、上記の貫通方向への磁気吸引力が大きく加わる。したがって、締付金具とコアユニットとの間が完全な面接触でなく、所々にわずかでも隙間があると、そこからコアユニットの振動が締付金具に伝わり、「うなり音」が発生してしまう。このように、締付金具でコアユニットを強くねじ締めしても、磁気吸引力の影響を完全に回避することができるわけではない。
そこで本発明は、簡素な構成でコアユニットの振動による「うなり音」を低減させる技術の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のインダクタンスユニットは、電気回路内にてインダクタンスを形成する巻線と、巻線の内側を貫通した磁路を形成するコアと、巻線及びコアを含めたユニットの全体を取付位置にて支持する取付具と、コア及び取付具の間に介在して配置され、少なくとも巻線の内側を貫通する貫通方向でみたコアと取付具との間にスペースを確保した状態で、取付具に対してコアを固定させるスペーサ部材とを備えた構成である。
本発明のインダクタンスユニットによれば、巻線の貫通方向に沿うコアの振動を効果的に抑制することができる。すなわち、コアは、取付具に接触することなく支持されているため、磁気吸引力によりコアが振動しても、その振動が取付金具に直接伝達されることがない。
また、このような構成であっても、磁気吸引力の影響により、コアは上記の貫通方向へわずかに振動することがある。しかし、上記の構成では、取付具とコアとの間には、スペース(隙間)が設けられている。したがって、コアの振動(振幅)をスペース内に留めることができる。このように、コアの振動が取付具に直接伝達されることがないため、うなり音を効果的に低減させることができる。またスペーサ部材と取付具との固定には、ねじを用いる必要はなく、例えば、取付具をスペーサ部材にかしめて固定する構造を採用することができる。
また本発明のインダクタンスユニットでは、取付具が貫通方向に対して直交する方向にスペースを挟み込んだ状態で、スペーサ部材を固定する構造を採用する。
この構造によれば、取付具は、上記の貫通方向への振動と比べて磁気吸引力の影響を受けにくい方向にてスペーサ部材を挟み込んだ状態で固定している。この方向への振動は、貫通方向への振動に比べて弱いため、スペーサ部材を介して取付具に伝わりにくい。したがって、うなり音が確実に低減された構造を得ることができる。
また本発明のインダクタンスユニットにおいて、コアは、複数に分割されたコアブロックにより構成されており、複数のコアブロックには、貫通方向に対して直交する方向に延びる本体部と、本体部に連なって形成され、巻線の中心を貫通する脚部とが含まれている。またスペーサ部材は、脚部が嵌め込まれる嵌込口と、嵌込口の周縁に形成され、本体部の内側面に対して面接触する接触面と、嵌込口の側縁に形成され、貫通方向に対して直交する方向に本体部を挟み込んで支持するとともに、取付具に固定される一対のフランジとを有している。
また上記の構成において、取付具は、貫通方向に沿って平板状をなす台座と、台座の周縁から厚み方向に延びており、取付位置にてスペースを介してコアの本体部に対向する支持部と、支持部の側縁から巻線の貫通方向に延びており、スペーサ部材のフランジに対して外側から重ね合わさった状態でフランジを固定する固定部とを有した構成であってもよい。
上記の構成によれば、スペーサ部材と取付具との固定には、ねじを用いる必要はなく、例えば、取付具をスペーサ部材にかしめて固定(かしめ固定)する構造を実現することができる。したがって、コアの振動がねじを通じて取付具に反響することにより「うなり音」が発生するといった問題を根本的に解消することができる。
本発明のインダクタンスユニットは、上記の構成において、スペーサ部材の固定部には、フランジに重ね合わさる方向に突起した形状をなす突起部が形成されていてもよい。またフランジは、突起部に対向する位置に形成され、突起部が差し込まれる差込口を有していてもよい。このとき、差込口は、台座に対して垂直な方向に突起部を挟み込んでいる。
上記の構成であれば、突起部が差込口に差し込まれた状態で、台座に対して垂直な方向にぐらつくことがない。この場合、台座の垂直方向に対するコアの振動に関しても効果的に抑制することができる。
また支持部には、コアの本体部へ向けて凸状をなす突条部が形成されていてもよい。
これにより、仮にコアが振動により取付具の支持部に接触することがあったとしても、コアは突条部に接触するだけで、支持部に対して面接触することがない。すなわち、支持部に対して接触する面積が縮小される分、コアの振動が支持部(取付具)に対して伝わりにくくなるため、うなり音を低減させることができる。
また、本発明のインダクタンスユニットでは、スペーサ部材と取付具との固定構造に関してスペーサ部材は、嵌込口の周縁にてフランジよりも外側の領域に形成され、フランジとともに取付具の固定部を挟み込んで支持する外側フランジを有していてもよい。
この場合、取付具は、固定部がフランジと外側フランジとの間に差し込まれた状態で、スペーサ部材を固定することになるため、上記のかしめ固定によるスペーサ部材の固定強度を補強することができる。
本発明のインダクタンスユニットによれば、コアの振動をある程度許容しつつも、その振動が取付具に伝わりにくい独自の構造を採用することで、うなり音を効果的に低減させることができる。
一実施形態のリアクトルを構成部品に分解した状態で示す分解斜視図である。 図1に示すリアクトルの完成状態を示す斜視図である。 図2中の完成状態におけるリアクトルを示す正面図である。 図3中のIV−IV線に沿うリアクトルの断面図である。 コアの固定構造を模式的に示した図である。 比較例のリアクトルを示す斜視図である。 本実施形態の構造と比較例の構造について、同一の使用条件で観測された音圧の解析結果を周波数スペクトルで示した表である。 第2実施形態のリアクトルを示す斜視図である。 図8中のIX−IX線に沿うリアクトルの断面図である。 第3実施形態のリアクトルを示す斜視図である。 図10中のXI−XI線に沿うリアクトルの断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態のリアクトル100を構成部品に分解した状態で示す分解斜視図である。リアクトル100は、例えば、インバータや昇圧器等の図示しない電気機器に用いられるインダクタンスユニットである。
リアクトル100は、主にコア102及びコア102に巻かれる巻線104により構成されている。また、リアクトル100は、これらコア102及び巻線104の他にも、取付金具(取付具)106、ボビン108、絶縁部材110、及びスペーサ部材112を備えている。
〔コア〕
コア102は、例えばフェライト等の磁性材料からなる。図1に示すコア102は、2つに分割されたコアブロックにより構成されている。各コアブロックはそれぞれE型をなしており、相互に端面を突き合わせた状態で接着される(E−E型コア)。本実施形態において、各コアブロックは、例えば接着剤により相互に接着される。
具体的には、コア102の各コアブロックは、本体部102a、2つの外側脚部102b,102c、及び中央脚部102dから構成されている。本体部102aは、巻線104の貫通方向に対して直交する方向、具体的には、図1に示す巻線104の高さ方向に沿って縦長に形成されている。2つの外側脚部102b,102cは、それぞれ本体部102aの端部に連なって形成されており、本体部102aに直交する方向へ延びている。
また中央脚部102dは、本体部102aに連なって形成され、巻線104の内側を貫通している。具体的には、中央脚部102dは、本体部102aの中央付近からこれに直交する方向に延びており、外側脚部102b,102cの間に配置されている。なお、第1実施形態では、中央脚部102dが「脚部」としての構成に相当する。
〔巻線〕
巻線104は、電気回路内にてインダクタンスを形成する。巻線104は、2つのコアブロックが組み合わされた状態で一対の中央脚部102dの外周に配置される。また、図1に示す巻線104の外周面には、その上面及びこれに連なる側面に沿って形成された端子取付台114が配置されており、端子取付台114には2つの端子116が取り付けられている。
また、図1に示す巻線104の構成例では、巻線104から2本の引出線104aが延びている。各引出線104aは、例えば巻線104の巻始めと巻終わりを構成しており、各引出線104aの端部には、それぞれ端子116が設けられている。
〔絶縁部材〕
巻線104の高さ方向でみた上下の外周面には、それぞれ矩形状をなす絶縁部材110が配置されている。絶縁部材110は、例えば絶縁性を有した紙材料(アラミド絶縁紙)で構成されている。巻線104の内側を貫通する方向(以下、「巻線の貫通方向」とする)でみて、絶縁部材110の両端は、巻線104に向けてフラップ状に折り曲げられている(フラップ部分)。このフラップ部分は、スペース部材112に接着される。
〔ボビン〕
また巻線104の内周面には、ボビン108が配置される。ボビン108は、絶縁部材110と同様に、絶縁性を有した紙材料(アラミド絶縁紙)からなる。ボビン108は、角筒状をなしており、巻線104は、ボビン108の外周面に巻き回される。
すなわち、ボビン108は、巻線104の内周面と中央脚部102dの外周面との間に配置される。
〔取付金具(取付具)〕
取付金具106は、巻線104及びコア102を含めたリアクトル100の全体を1つのユニットとして、これを図示しない電気機器の取付位置にて支持するための部品である。
取付金具106は、台座106a、一対の支持部106b、及び、各支持部106bに一対ずつ形成された固定部106cにより構成されている。また、固定部106cには、それぞれ突起部106dが形成されている
〔台座〕
台座106aは、巻線の貫通方向に沿って延びる平板状をなしている。台座106aの四隅の周囲には、ねじ穴106eが設けられている。すなわち、取付金具106は、ねじ穴106eを通じて電気機器の取付位置にねじ留めされる。
〔支持部〕
支持部106bは、台座106aの周縁から厚み方向に延びて形成されている。支持部106bは、コアの取付位置にてスペースを介してコア102の本体部102aに対向して配置される。なお、支持部106bの内側面には、凸状をなす突条部(リブ)107が設けられていてもよい。
〔固定部〕
固定部106cは、各支持部106bに一対ずつ設けられている。一対の固定部106cは、支持部106bの側縁から巻線の貫通方向に延びて形成されている。固定部106cは、スペーサ部材112を挟み込んだ状態で固定する。
〔突起部〕
本実施形態において、固定部106cには、それぞれ突起部106dが形成されている。この突起部106dは、スペーサ部材112をかしめ固定するために用いられる。突起部106dは、スペーサ部材112を挟み込む方向へ突起した形状をなしている。図1に示す支持部106bにおいて、一対の突起部106dは、相互に向き合う方向に折れ曲がっている。
〔スペーサ部材〕
本実施形態において、リアクトル100は、一対のスペーサ部材112を備えている。
スペーサ部材112は、全体的に矩形状をなしており、取付金具106に直接固定される部品である。スペーサ部材112は、コア102及び取付金具106の間に介在して配置され、少なくとも巻線104の内側を貫通する貫通方向でみたコア102と取付金具106との間にスペースを確保した状態で、取付金具106に対してコア102を固定させる。
〔スペーサ部材の構成〕
図1に示すスペーサ部材112は、嵌込口112a、接触面112b、内側フランジ(フランジ)112c、及び外側フランジ112dから構成されている。
嵌込口112aは、矩形状をなすスペーサ部材112の中央付近にて開口しており、コア102の中央脚部102dが嵌め込まれる。
また接触面112bは、中央脚部102dが嵌込口112aに嵌め込まれた状態で、コア102の本体部102aの内側面に対して面接触する。接触面112bの上下には、接着領域112gが設けられており、接着領域112gには、絶縁部材110のフラップ部分が接着される。接触面112bの幅はコア102の幅よりも広いため、接触面112bの両側縁は、コア102(本体部102a)の内側面からはみ出ている。
内側フランジ112cは、嵌込口112aの側縁に形成され、巻線の貫通方向に対して直交する方向にコア102の本体部102aを挟み込んで支持するとともに、取付金具106に固定される。
また、内側フランジ112cの中央付近には、厚み方向に貫通した差込口112eが形成されている。差込口112eは、突起部106dに対向する位置に形成されており、突起部106dが差込口112eに差し込まれることにより、スペーサ部材112は、取付金具106にかしめられた状態で固定される(かしめ固定)。かしめ固定された状態で、差込口112eは、台座106aに対して垂直な方向に突起部106dを挟み込んでいる。
外側フランジ112dは、嵌込口112aの周縁にて内側フランジ112cよりも外側の領域に形成されている。図1に示す外側フランジ112dは、取付金具106に固定された状態で、内側フランジ112cとともに取付金具106の固定部106cを挟み込んでこれを支持する。
また、外側フランジ112dには、内側フランジ112cの差込口112eと対向する位置にて厚み方向に貫通した開口112fが形成されている。
リアクトル100の組立工程では、例えば、図示しないかしめ用治具を開口112fに挿入し、突起部106dを差込口112eに押し込むことにより、スペーサ部材112を取付金具106に対してかしめ固定を行うことができる。
図2は、図1に示すリアクトル100の完成状態を示す斜視図である。図2に示されるように、リアクトル100の完成状態で、2つのコアブロック(コア102)は、1つのコアユニットとして組み合わされる。以下では、「コアユニット」を単に「コア102」ともいう。
取付金具106は、リアクトル100の完成状態で図示しない電気機器にねじ穴106eを介してねじ留めされることにより、リアクトル100全体を取付位置にて固定することができる。
スペーサ部材112の接触面112bはその中央部分が巻線の貫通方向(図2中に示すX方向)でみたコア102(本体部102a)の内側面に接触している。スペーサ部材112、少なくともX方向でみたコア102と取付金具106との間にスペースを確保した状態で、取付金具に対してコア102を固定させている。
図2に示すコア102は、各コアブロックが組み合わされた状態で、本体部102aの長手方向が台座106aに対して垂直に配置されている。すなわち、コア102は、台座106aに対して全体を起立させた姿勢(縦置き姿勢)で取付金具106に支持されている。この場合、コア102全体を台座106aに寝かせた姿勢(伏せ置き姿勢)で取付金具106に取り付けた構成よりも、平面視でみたリアクトル100全体の面積が縮小されている。このような構成は、リアクトル100の省スペース化に寄与し得る。
また取付金具106の固定部106cがスペーサ部材112の内側フランジ112cを介してコア102を幅方向に挟持している。このため、コア102を幅方向でみた外側面は、内側フランジ112cに接触しているものの、取付金具106に直接接触することはない。
図3は、図2中の完成状態におけるリアクトル100を示す正面図である。また図4は、図3中のIV−IV線に沿うリアクトル100の断面図である。
図3に示されるように、コア102は、高さ方向でみた下面が台座106aに接触しているものの、下面に連なる側面は、支持部106bに接触していない。具体的には、本体部102aの外側面が支持部106bの内側面に接触していない。
このため、図4に示されるように、巻線の貫通方向でみたコア102の両端側にはスペース(隙間)W1が形成されている。なお、図4では、説明の便宜上、スペースW1を誇張して示している。
コア102は、取付金具106及びスペーサ部材112により、振動が抑制されている。振動が抑制された状態で磁気吸引力の影響を受けたとしても、コア102の振動はスペースW1の範囲内で行われる。
このように、磁気吸引力の影響を受けやすい巻線の貫通方向(X方向)において、取付金具106はコア102に一切接触していない。このため、X方向に対するコア102の振動が効果的に抑制されている。
また、コア102は、磁気吸引力の影響により、巻線の貫通方向へわずかに振動することがある。しかし、上記の構成では、取付金具106とコア102との間には、スペースW1が設けられている。したがって、コア102の振動(振幅)をスペースW1内に留めることができる。すなわち、コア102の振動が取付金具106に直接伝達されることがないため、うなり音を効果的に低減させることができる。
このように、本実施形態のリアクトル100によれば、コア102の振動を抑制した上で、磁気吸引力の影響を最も強く受ける貫通方向への振動をある程度許容しつつも、うなり音を確実に抑制することができる。
また本実施形態のリアクトル100において、コア102は、取付金具106の固定部106cにより、厚み方向に挟持されている。このとき、厚み方向でみた固定部106cとコア102との間には、スペーサ部材112の内側フランジ112cが介在して配置されている。したがって、コア102の振動が取付金具106に直接伝わることはない。
すなわち、固定部106cは、巻線の貫通方向への振動と比べて磁気吸引力の影響を受けにくい方向にてコア102を挟持している。コア102の厚み方向への振動は、幅方向(巻線の貫通方向)への振動に比べて弱い。したがって、本実施形態のリアクトル100によれば、コア102の振動がスペーサ部材112を介して取付金具106に伝わりにくい構造を得ることができる。
さらに、固定部106cと内側フランジ112cとは、かしめ固定されている。このとき、突起部106dは、差込口112eに差し込まれた状態で、台座106aに対して垂直な方向にぐらつくことがない。この場合、コア102の高さ方向への振動に関しても効果的に抑制することができる。
また、支持部106bの内側面にはリブ107が設けられている。このため、仮に、コア102が振動することによりコア102の外側面が支持部106bに接触したとしても、コア102の外側面が接触するのはリブ107のみである。したがって、支持部106bの内側面に対して面接触することはない。これにより、取付金具106に伝わる振動が抑制されるため、その分「うなり音」を低減することができる。
〔固定構造のまとめ〕
図5は、本実施形態におけるコア102の固定構造を模式的に示した図である。
図5(A)に示されるように、2つに分割されたE型のコアブロックは、それぞれの脚部の端面がX方向に張り合わさるようにして接着されている。また、コア102を高さ方向(Y方向)でみた下面は、取付金具106の台座106aに接着されている。
コア102は、磁気吸引力の影響により、図5(A)に示すX方向に振動したとしても、このX方向でみたコア102の外側面と支持部106bとの間にはスペースが確保されており、この振動が支持に伝わることはない。
また、スペーサ部材112は、取付金具106によりかしめ固定されている。このとき、突起部106dは、差込口112eに差し込まれた状態で、台座106aに対して垂直な方向(Y方向)にぐらつくことがない。このため、本実施形態のリアクトル100では、Y方向へ向けたコア102の振動もしている。
図5(C)に示されるように、取付金具106は、支持部106bがコア102をX方向に挟み込んだ状態で配置されているものの、この間にはスペースW1が設けられている。
一方、取付金具106の固定部106cが内側フランジ112cをZ方向に挟み込んだ状態で固定している。
このように、本実施形態のリアクトル100によれば、ねじ締めによりコア102を固定する構造ではなく、かしめ固定によりコア102を固定する構造を採用している。このとき、X方向でみたコア102の側面と取付金具106の支持部106bとは相互に接触していない。このため、コア102が磁気吸引力を受けて振動しても、その振動が支持部106bに伝わることはない。したがって、上記の固定構造では、うなり音を効果的に低減することができる。
〔振動特性〕
次に、本実施形態のリアクトル100に顕著な振動特性について、比較例と対比しつつ説明する。図6は、比較例のリアクトル100aを示す斜視図である。比較例のリアクトル100aは、従来のコアの固定構造である。なお、図6では、本実施形態のリアクトル100と共通する構成については、同一の符号を付している。
比較例に見られる従来のコアの固定構造では、取付金具の支持部106bをコア102の外側面に直接接触させるとともに、コア102を内側に強固に挟み込むことで、巻線の貫通方向に生じるコア102の振動を強制的に抑制していた。
具体的に図6に示す従来の固定構造には、一対の支持部106bの間にねじ留め機構118が設けられている。この固定構造では、ねじ留め機構118に対してねじ118aを強く締め付けて相互に対向する支持部106bの距離を縮めることにより、コア102を強く挟み込もうとするものである。
しかし、図6に示すコアの固定構造では、ある程度ねじ118aを強く締め付けると、支持部106bを高さ方向でみた上端部のみが内側に変形してしまう。一方、上端部に連なる中央付近は外側に大きく膨らんだ状態に変形してしまう。このとき、コア102の外側面と支持部106bの中央付近との間には、隙間が形成されてしまう。この場合、一対の支持部106bは、コア102を強く挟み込むことができないため、コア102は、磁気吸引力の影響を受けて、巻線104を貫通する方向へ大きく振動可能となる。
〔音圧レベルの検証〕
本発明の発明者等は、本実施形態の構造と比較例の構造について、それぞれ音圧レベルの検証を行った。図7は、本実施形態の構造と比較例の構造について、同一の使用条件で観測された音圧の解析結果を周波数スペクトルで示した表である。
図7中、本実施形態で得られた解析結果N1を実線で示し、比較例で得られた解析結果N2を破線で示している。これら2つの解析結果N1,N2の対比から明らかなように、本実施形態では、比較例に対し、音圧レベルが低く抑えられていることが分かる。
このように、従来のコアの固定構造として図6に示す比較例のリアクトル100aでは、コア102を巻線の貫通方向に強く挟み込んで、その振動を抑制することとしていた。したがって、コア102と支持部106bとの間に隙間が形成されてしまうと、それだけコア102が自由に振動することができるため、コア102の振動が支持部106bに伝わりやすくなってしまう。
またコア102の高さ方向(Y方向)、幅方向(X方向)及び厚み方向(Z方向)の3方向のうち、磁気吸引力の影響を最も受けやすいのは、幅方向(X方向)である。比較例のリアクトル100aでは、X方向に対するコア102の振動が取付金具106に伝わってしまうと、うなり音が激しくなってしまう。
これに対して、本実施形態のリアクトル100では、比較例のように、ねじ締めによりコア102を取付金具106に取り付けた構造は採用しておらず、コア102と取付金具106(支持部106b)との間にスペースを設けた構造を採用している点で優位である。
すなわち、仮に、コア102が巻線の貫通方向に振動しても、その振動はスペースW1内に留められるため、コア102の外周面が支持部106bに接触することがなく、うなり音を低減することができる。
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態のリアクトルについて説明する。
第2実施形態のリアクトル200は、(1)スペーサ部材112の外側フランジ112dが省略されている点、(2)2つの巻線を備えている点、及び(3)コアが6つに分割されたコアブロックを組み合わせて構成されている点で、第1実施形態と異なっている。その他の基本的な構成は、第1実施形態と共通するため、それらについては図示とともに同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図8は、第2実施形態のリアクトル200を示す斜視図である。また図9は、図8中のIX−IX線に沿うリアクトル200の断面図である。なお、図9ではリアクトル200の要部を明らかにするため、巻線204を簡略して示すとともに、スペース(隙間)W2を誇張して示している。
図8に示すリアクトル200は、コア202(本体部202a)を台座106aに寝かせた姿勢(伏せ置き姿勢)で取付金具106に取り付けたものである。
2つの巻線204は、取付金具106の台座の平面に沿って配列されており、それぞれコア202に巻き付けられている。
コア202は、6つに分割されたコアブロックを組み合わせてロ字状に形成されている。具体的には、図9に示されるように2つの本体部202a、一対の外側脚部202b、及び一対の外側脚部202cの6つのコアブロックをロ字状に組み合わせた構成である。
各巻線204は、外側脚部202b,202cの外周面にそれぞれ巻き付けられている。すなわち、第2実施形態では、外側脚部202b,202cが「脚部」としての構成に相当する。
また引出線204aは、2つの巻線204が直列に接続される場合、例えば2本の引出線204a同士を接続して、一方を一次側、他方を二次側とすることもできる。
第2実施形態のリアクトル200では、第1実施形態と同様に、巻線の貫通方向でみたコア202の外側面と取付金具106の支持部106bとの間にスペース(隙間)W2が設けられている。
また、巻線の貫通方向でみたコア202の内側面には、スペーサ部材112が接触している。なお、このとき、取付金具106の固定部106dとスペーサ部材112の内側フランジ112cとがかしめ固定されている。
このように、第2実施形態のリアクトル200におけるコアの固定構造も、第1実施形態と同様に、少なくとも巻線204の内側を貫通する貫通方向(図9中に示されるX方向)でみたコア202と取付金具106との間にスペースを確保した状態で、取付金具106に対してコア202を固定している。
このような構成により、コア202の振動が効果的に抑制されているため、うなり音を低減させることができる。また、コア202に磁気吸引力の影響を受けてX方向に振動したとしても、その振動はスペースW2内に留められている。したがって、コア102の振動が取付金具106の支持部106bに伝達されることがなく、うなり音を確実に低減させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態のリアクトル300について説明する。以下では、第1,2実施形態のリアクトルの構造と相違する点を中心に説明する。
図10は、第3実施形態のリアクトル300を示す斜視図である。また、図11は、図10中のXI−XI線に沿うリアクトル300の断面図である。なお、図11ではリアクトル300の要部を明らかにするため、巻線304を簡略して示すとともに、スペース(隙間)W3を誇張して示している。
図10に示すリアクトル300は、第2実施形態のコア202とは異なり、コア302(本体部302a)を台座106aに対して起立させた姿勢(縦置き姿勢)で取付金具106に取り付けたものである。
2つの巻線304は、取付金具106の台座に対して垂直方向に配列されており、それぞれコア302に巻き付けられている。
第3実施形態のコア302は、例えば、4つに分割されたコアブロックを組み合わせてロ字状に形成されている。具体的には、2つの本体部302a、及び外側脚部302b,302cの4つのコアブロックをロ字状に組み合わせたものである。
各巻線304は、外側脚部302b、302cの外周面にそれぞれ巻き付けられている。すなわち、第3実施形態では、外側脚部302b,302cが「脚部」としての構成に相当する。
巻線の貫通方向でみたコア302(本体部302a)の内側面には、スペーサ部材112の接触面112bが接触しており、コア302は、巻線304の内側を貫通する貫通方向(X方向)でみたコア302と取付金具106との間にスペースを確保した状態で支持されている。第3実施形態のリアクトル300においても、スペース部材112cは、差込口112eに突起部106dが差し込まれた状態で取付金具106に固定(かしめ固定)されている。
また、第1,2実施形態と同様に、巻線の貫通方向でみたコア302の外側面と取付金具106の支持部106bとの間には、スペース(隙間)W3が設けられている。
このように、第3実施形態のリアクトル300におけるコアの固定構造であっても、巻線の貫通方向でみたコア302の外側面と支持部106bとの間にはスペースW3が設けられており、コア302が取付金具106に接触することはない。
またスペーサ部材112は、内側フランジ106cが取付金具106にかしめ固定されている。これにより、コア302の振動が抑制されている。
またコア302は、磁気吸引力の影響でX方向に振動しても、その振動がスペースW3内に留められている。したがって、コア302が取付金具106に接触することなく、うなり音を確実に低減させることができる。
本発明は上述した実施形態(第1〜第3実施形態)に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。例えばコアの構成は、各実施形態で示された分割数に限らず複数のコアブロックを組み合わせたものであってもよい。
100 リアクトル(インダクタンスユニット)
102 コア
102a 本体部
102b,c 脚部
104 巻線
106 取付金具(取付具)
106a 台座
106b 支持部
106c 固定部
106d 突起部
107 リブ(突条部)
112 スペーサ部材
112a 嵌込口
112b 接触面
112c 内側フランジ(フランジ)
112d 外側フランジ
112e 差込口

Claims (7)

  1. 電気回路内にてインダクタンスを形成する巻線と、
    前記巻線の内側を貫通した磁路を形成するコアと、
    前記巻線及び前記コアを含めたユニットの全体を取付位置にて支持する取付具と、
    前記コア及び前記取付具の間に介在して配置され、少なくとも前記巻線の内側を貫通する貫通方向でみた前記コアと前記取付具との間にスペースを確保した状態で、前記取付具に対して前記コアを固定させるスペーサ部材と
    を備えたインダクタンスユニット。
  2. 請求項1に記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記取付具は、
    前記貫通方向に対して直交する方向に前記スペースを挟み込んだ状態で、前記スペーサ部材を固定することを特徴とするインダクタンスユニット。
  3. 請求項1又は2に記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記コアは、
    複数に分割されたコアブロックにより構成されており、
    複数の前記コアブロックには、
    前記貫通方向に対して直交する方向に延びる本体部と、
    前記本体部に連なって形成され、前記巻線の中心を貫通する脚部とが含まれており、
    前記スペーサ部材は、
    前記脚部が嵌め込まれる嵌込口と、
    前記嵌込口の周縁に形成され、前記本体部の内側面に対して面接触する接触面と、
    前記嵌込口の側縁に形成され、前記貫通方向に対して直交する方向に前記本体部を挟み込んで支持するとともに、前記取付具に固定される一対のフランジと
    を有していることを特徴とするインダクタンスユニット。
  4. 請求項3に記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記取付具は、
    前記貫通方向に沿って平板状をなす台座と、
    前記台座の周縁から厚み方向に延びており、前記取付位置にて前記スペースを介して前記コアの本体部に対向する支持部と、
    前記支持部の側縁から前記貫通方向に延びており、前記スペーサ部材の前記フランジに対して外側から重ね合わさった状態で前記フランジを固定する固定部と
    を有することを特徴とするインダクタンスユニット。
  5. 請求項4に記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記固定部は、
    前記フランジに重ね合わさる方向に突起した形状をなす突起部を有し、
    前記フランジは、
    前記突起部に対向する位置に形成され、前記突起部が差し込まれる差込口を有しており、
    前記差込口は、
    前記台座に対して垂直な方向に前記突起部を挟み込んでいることを特徴とするインダクタンスユニット。
  6. 請求項4又は5に記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記支持部は、
    前記本体部に向けて凸状をなす突条部が形成されていることを特徴とするインダクタンスユニット。
  7. 請求項4から6のいずれかに記載のインダクタンスユニットにおいて、
    前記スペーサ部材は、
    前記嵌込口の周縁にて前記フランジよりも外側の領域に形成され、前記フランジとともに前記取付具の固定部を挟み込んで支持する外側フランジを有することを特徴とするインダクタンスユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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