JP2012033800A - 半導体発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光取り出し面側の電極の面積の増加や半導体膜の厚さの増加を抑えつつ、局所的な電流集中を防止して均一な発光分布を得ることができる半導体発光装置を提供すること。
【解決手段】支持体上であって支持体の外縁の一辺に対して平行となるように設けられて反射面を形成する線状のライン電極と、ライン電極の上に設けられた第1クラッド層と、第1クラッド層の上に設けられたAlGaInP系の発光層と、発光層の上に設けられた第2クラッド層と、第2クラッド層上に設けられた複数の表面電極片からなる表面電極と、を有し、ライン電極及び表面電極片は、同一平面に投影した場合に、平行且つ交互であるように配置され、ライン電極と表面電極片との間の距離をL、第1クラッド層及び第2クラッド層の合計層厚をDとしたとき、L/D≦8.0が成り立ち、第1クラッド層内における電流経路上の抵抗をR、第2クラッド層内における電流経路上の抵抗をRとしたときに、0.7≦R/R≦1.3が成り立つこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の半導体発光装置に関し、特に半導体発光装置の電極構造及び電流注入に係る技術に関する。
従来から、発光層を含む半導体膜と導電性支持基板との間に導電性反射膜を形成し、導電性反射膜上に周期的に配列された島状のコンタクト用合金膜を設けた構造を有する半導体発光装置が知られている。かかる構成とすることにより、半導体膜と導電性反射膜との界面に低抵抗で接触するオーミック性接触領域と、光学的な反射率が高い光学的反射領域とが周期的に繰り返すことが可能になる。例えば、かかる半導体発光装置は、特許文献1に開示されている。
また、発光層を含む半導体膜とSi支持基板との間に反射膜、更には当該反射膜の上に複数のオーミックコンタクト電極を設け、当該オーミックコンタクト電極の各々から光取り出し面側に設けられた表面電極までの距離が等しくなるように、当該オーミックコンタクト電極を配置した構造を有する半導体発光装置が知られている。かかる構造を有する半導体発光装置においては、各オーミックコンタクト電極に均一に電流を注入することができ、電流集中及び順方向電圧の上昇を抑えることができる。例えば、かかる半導体発光装置は、特許文献2に開示されている。
特開2002−217450号公報 特開2008−282851号公報
LEDの発光効率は発光層に注入される電流密度に依存する。より具体的には、電流密度が高くなると発光層に注入されたキャリアがオーバフローするため、発光に寄与するキャリアが減少し、発光効率が減少する。また、局所的な電流集中は、電界集中や発熱を引き起こし、結晶欠陥を増殖させる原因となり、半導体発光装置の信頼性に影響を与える。
特許文献1に記載されたような電極構造を有する半導体発光装置においては、導電性反射膜上に分散配置された島状電極の各々から光取り出し面側に設けられた表面電極までの距離が均一とはならないため、電極間距離が最短となる経路に電流が集中し、発光分布に偏りが生じてしまう。
また、特許文献2に記載されたような電極構造を有する半導体発光装置においては、表面電極から各オーミックコンタクト電極までの距離は互いに等しいことから、電流密度分布の偏りを防止できるようにも考えられる。しかしながら、両電極間に生じる抵抗成分に僅かな差があると抵抗の低い部分に電流が集中し、半導体発光装置の発光分布が不均一になり、更には半導体発光装置の信頼性に影響を及ぼす。当該両電極間の抵抗成分の差は、例えば、製造プロセスにおいて生じる電極の位置ずれ、反射面上に分散配置されたオーミックコンタクト電極の寸法の差、電極と半導体膜との接触抵抗の差に起因して生じることが考えられ、これらの要因を完全に排除することは非常に困難である。
一方、半導体膜の膜厚を厚くすることにより半導体膜の抵抗を下げ、当該抵抗の低下によって電流拡散を促進させ、均一な電流密度分布を得る方法がある。しかしながら、半導体膜を厚くすると半導体膜内での光の吸収量が増加するため発光効率の低下を招き、更には製造時間や材料費が増加するため製造コストも増加する。
また、表面電極及びオーミックコンタクト電極の面積を大きくすることによって均一な電流密度分布を得ることはできるが、光取り出し面側の表面電極の面積が増大すると、当該表面電極によって光取り出し面から外部に放射される光の量が減少するため、半導体発光装置の光取り出し効率が低下する。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、光取り出し面側の電極の面積の増加や半導体膜の厚さの増加を抑えつつ、局所的な電流集中を防止して均一な発光分布を得ることができる半導体発光装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の半導体発光装置は、支持体上であって前記支持体の外縁の一辺に対して平行となるように設けられて反射面を形成する線状のライン電極と、前記ライン電極の上に設けられた第1クラッド層と、前記第1クラッド層の上に設けられたAlGaInP系の発光層と、前記発光層の上に設けられた第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に設けられた複数の表面電極片からなる表面電極と、を有し、前記ライン電極及び前記表面電極片は、同一平面に投影した場合に、平行且つ交互であるように配置され、前記ライン電極と前記表面電極片との間の距離をL、前記第1クラッド層及び前記第2クラッド層の合計層厚をDとしたとき、L/D≦8.0が成り立ち、前記第1クラッド層内における電流経路上の抵抗をR、前記第2クラッド層内における電流経路上の抵抗をRとしたときに、0.7≦R/R≦1.3が成り立つことを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明の半導体発光装置は、 支持体上であって前記支持体の外縁の一辺に対して平行となるように設けられて反射面を形成する線状のライン電極と、前記ライン電極を挟むように設けられた複数の島状のドット電極と、前記ライン電極及び前記ドット電極の上に設けられた第1クラッド層と、前記第1クラッド層の上に設けられたAlGaInP系の発光層と、前記発光層の上に設けられた第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に設けられた複数の表面電極片からなる表面電極と、を有し、前記ライン電極及び前記表面電極片は、同一平面に投影した場合に、平行且つ交互であるように配置され、前記ライン電極と前記表面電極片との間の距離をL、前記第1クラッド層及び前記第2クラッド層の合計層厚をDとしたとき、L/D≦8.0が成り立ち、前記第1クラッド層内における電流経路上の抵抗をR、前記第2クラッド層内における電流経路上の抵抗をRとしたときに、0.7≦R/R≦2.0が成り立つことを特徴とする。
本発明の半導体発光装置においては、光取り出し面側の表面電極と反射面側の反射電極とが同一平面状に投射した場合に重ならないようなカウンタ電極構成を用いること、表裏面の電極間距離及びクラッド層の合計層厚を適正範囲における制御を行うこと、上部及び下部のクラッド層に係る抵抗比の制御を行うことにより、光取り出し面側の電極の面積の増加や半導体膜の厚さの増加を抑えつつ、局所的な電流集中を防止して均一な発光分布を得ることができる半導体発光装置を提供することができる。
本発明の実施例に係る半導体発光装置の電極構成を示す平面図である。 図1における2−2線に沿った断面図である。 図1における3−3線に沿った断面図である。 (a)は、本発明の実施例に係る表面電極の構成を示す平面図である。(b)は、本発明の実施例に係る反射電極の構成を示す平面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施例に係る半導体発光装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施例に係る半導体発光装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の変形例に係る半導体発光装置の電極構成を示す平面図である。 (a)は、本発明の変形例に係る表面電極の構成を示す平面図である。(b)は、本発明の変形例に係る反射電極の構成を示す平面図である。 本発明の変形例に係る半導体発光装置の電極構成を示す平面図である。 本発明の変形例に係る半導体発光装置の電極構成を示す平面図である。 本発明の変形例に係る半導体発光装置の電極構成を示す平面図である。 本発明の実施例に係るn型クラッド層とp型クラッド層との抵抗比を変更した場合における半導体発光装置の発光領域を示した模式図である。 本発明の実施例に係るn型クラッド層及びp型クラッド層の抵抗比を変化させた場合における電流分布の偏りを示すグラフである。 発光分布の測定結果を示す図である。 本発明の実施例に係る半導体発光装置において抵抗比を変化させた場合の飽和電流値の算出結果を示したグラフである。 水平電極間距離(L)−垂直電極間距離(D)に対する半導体発光装置の発光分布の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に示す図において、実質的に同一又は等価な構成要素、部分には同一の参照符を付している。
[半導体発光装置の構成]
図1は、本発明の実施例に係る半導体発光装置1の電極構成を示す平面図である。図2及び図3は、それぞれ図1における2−2線(一点鎖線で示す)及び3−3線(一点鎖線で示す)に沿った断面図である。
図1乃至図3に示されているように、半導体発光装置1は、半導体膜10、反射膜20、接合膜30、支持体40、ショットキー電極51、オーミック電極52、及び接続配線53から構成されている。また、半導体発光装置1は、半導体膜10と支持体40とが反射膜20及び接合膜30を介して接合する、いわゆる貼り合わせ構造を有している。
半導体膜10は、光取り出し面側から順にn型クラッド層11、発光層12、p型クラッド層13が積層された構造を有する。半導体膜10は、例えば6μmの層厚を有している。n型クラッド層11は、例えば、Al0.5In0.5Pからなる層厚0.5μmのn側キャリア閉じ込め層(キャリア濃度:3×1017cm−3)、Al0.5In0.5Pからなる層厚2μmの電流拡散層(キャリア濃度:1×1018cm−3)、及び(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる層厚0.5μmのn側コンタクト層(キャリア濃度:1×1018cm−3)が積層された3層構造を有する。なお、n側キャリア閉じ込め層が発光層12と隣接し、n側コンタクト層がショットキー電極51、オーミック電極52、及び接続配線53と隣接するように、上述した3つの層が積層される。発光層12は、例えば多重量子井戸構造を有し、(Al0.1Ga0.90.5In0.5Pからなる層厚20nmの井戸層と(Al0.56Ga0.440.5In0.5Pからなる層厚10nmのバリア層とが交互に15回繰り返して積層されている。p型クラッド層13は、例えば、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる層厚1μmのP側キャリア閉じ込め層(キャリア濃度:3×1017cm−3)、及びGa0.9In0.1Pからなる層厚1.5μmのp側コンタクト層(キャリア濃度:3×1018cm−3)が積層された2層構造を有する。なお、p側キャリア閉じ込め層が発光層12と隣接し、p側コンタクト層が反射膜20と隣接するように、上述した2つの層が積層される。ここで、n型クラッド層11の抵抗及びp型クラッド層の抵抗から算出される抵抗比(p型クラッド層の抵抗/n型クラッド層の抵抗)を0.7〜2.0に設定する。当該抵抗比の定義、算出方法、及び0.7〜2.0に設定する理由については、後述する。
p型クラッド層13に隣接して反射膜20が設けられている。反射膜20は、反射電極21及び誘電体層22から構成されている。誘電体層22は、例えばSiOからなり、p型クラッド層13との界面近傍に形成されている。反射電極21は、例えばAuZnからなり、誘電体層22の開口部においてp型コンタクト14と接触している。反射電極21とp型クラッド層13との接触は、オーミック性接触となっている。反射電極21及び誘電体層22からなる反射膜20は、半導体膜10との界面において発光層12から放射された光を光取り出し面側に向けて反射する光反射面を形成するとともに、半導体膜10に電流を供給するための電極としても機能する。誘電体層22は、p型クラッド層13との界面近傍において反射電極21を線状の反射面側ライン電極(以下、単にライン電極とも称する)21aと、島状の反射面側ドット電極(以下、単にドット電極とも称する)21bとに隔てている。ライン電極21aとドット電極21bは、誘電体層22の下部で繋がっており電気的に接続されている。なお、ライン電極21a及びドット電極21bの詳細な構成については後述する。なお、誘電体層22の材料としては、SiO以外にもSiやAl等の他の透明な誘電体材料を用いることができる。また、反射電極21の材料は、AuZnに限定されず、p型クラッド層13との間でオーミック性接触を形成することができ、高い光反射性を有する他の材料を用いることができる。
反射膜20に隣接するように、バリアメタル層及び共晶半田層とからなる第1接合層31が設けられる。また、第1接合層31と一部が接合するように第2接合層32が設けられている。なお、第1接合層31及び第2接合層32から接合膜30が構成されている。バリアメタル層は、例えばTa、Ti、W等の高融点金属又はこれらの窒化物を含む単層若しくは2以上の層により構成することができる。バリアメタル層は、反射電極21に含まれるZnが反射電極21から拡散するのを防止するとともに、第2接合層32に含まれる共晶接合材(例えばAuSn)が反射電極21内に拡散するのを防止する。共晶半田層には、例えばNi及びAuが含まれており、当該Ni及びAuは第1接合層31と第2接合層32と接合時において第2接合層32に含まれる共晶接合材に対する濡れ性を向上させる機能を有する。これにより、支持体40と半導体膜10との接合を良好に行うことができる。第2接合層32は、例えば、Ti、Ni、AuSnを含む金属層である。
支持体40は、支持基板41、支持基板41の両面に形成されたオーミック金属層42、43から構成されている。支持基板41は、例えばp型不純物を高濃度で添加することによって導電性が付与されたSi基板である。オーミック金属層42、43は、例えばPtから構成されている。オーミック金属層43の上には、第2接合層32が設けられている。なお、支持基板41の材料としては、Si以外にもGe、Al、Cu等の他の導電性材料を用いることができる。
光取り出し面となるn型クラッド層11の表面には、表面電極を構成するショットキー電極51、及びオーミック電極52が形成されている。ショットキー電極51は、ボンディングパッドを構成しており、n型クラッド層11との間でショットキー接触を形成し得る材料、例えばTa、Ti、W又はこれらの合金から構成されている。また、ショットキー電極51は、金属材料のみならず、SiOなどの絶縁誘電体から構成されてもよい。ショットキー電極51の最表面には、ワイヤボンディング性及び導電性を向上させるためにAu層が形成されていてもよい。オーミック電極52は、n型クラッド層11との間でオーミック性接触を形成し得る材料、例えばAuGeNi、AuSn、AuSnNi等からなる。ショットキー電極51とオーミック電極52は、両電極間を繋ぐ接続配線53により電気的に接続される。接続配線53は、ショットキー電極51と同一の材料からなり、n型クラッド層11との間でショットキー接触を形成する。ショットキー電極51は、n型クラッド層11に対してショットキー接触を形成しているため、ショットキー電極51直下の半導体膜10には電流が流れないようになっている。すなわち、電流は、オーミック電極52とライン電極21a及びドット電極21bとの間を流れる。図2及び図3において、オーミック電極(n−電極)52から反射電極(p−電極)21への電流経路(電子の流れる経路)を破線の矢印で示している。なお、ショットキー電極51及びオーミック電極52の詳細な構成については後述する。
以下に、光取り出し面及び光反射面側に設けられた各電極の構成について詳細に説明する。
図4(a)は、理解を容易にするために、半導体発光装置1の光取り出し面側に設けられた表面電極を構成するショットキー電極51及びオーミック電極52のみを示した図である。また、図面において左右方向をX軸方向(特に、左方向を+X方向)、上下方向をY軸方向(特に、上方向を+Y方向)と定義する。半導体発光装置1の平面形状は、例えば1辺310μmの正方形をなしている。ショットキー電極51は、例えば直径100μmの円形をなしており、光取り出し面の中央に配置されている。ショットキー電極51には、半導体発光装置1の各コーナ部に向けて伸びる幅5μmの線状の接続配線53が接続している。4本の接続配線53の各々には、これらと交差するように幅5μの線状のオーミック電極52が設けられている。オーミック電極52は、半導体発光装置1のコーナ部付近の領域と、コーナ部からやや中央部寄りの領域と、に分散して配置された8つの電極片52a〜52hにより構成されている。より具体的には、コーナ部付近の領域には電極片52b、52d、52f、52hが形成され、コーナ部からやや中央部寄りの領域には電極片52a、52c、52e、52gが形成されている。また、コーナ部からやや中央部寄りの領域に形成された電極片52a、52c、52e、52gのそれぞれは、3つの電極片部から構成されている。電極片52aを1例として説明すると、電極片52aは、X軸方向に伸長した第1電極片部52aと、Y軸方向に伸長した第2電極片部52aと、ショットキー電極51の外縁に沿うように第1電極片部52a及び第2電極片部52aを接続する第3電極片部52aと、から構成されている。すなわち、第1電極片部52aは半導体発光装置1のX軸方向に伸長している縁部と平行に形成され、第2電極片部52aは半導体発光装置1のY軸方向に伸長している縁部と平行に形成されている。また、第3電極片部52は、電極片52bと平行に形成されている。上述したような電極片52aの構成と同様に、電極片52cは第1電極片部52c、第2電極片部52c、第3電極片部52cから構成され、電極片52eは第1電極片部52e、第2電極片部52e、第3電極片部52eから構成され、電極片52gは第1電極片部52g、第2電極片部52g、第3電極片部52gから構成されている。ショットキー電極51及びオーミック電極52からなる表面電極は、半導体発光装置1の中心点を回転中心としたときに、4回回転対称(90°回転すると重なる)となるようにパターニングされている。分散配置されたオーミック電極52の各電極片52a〜52hは、接続配線53を介してショットキー電極51と電気的に接続されている。かかる表面電極の構成によれば、光取り出し面においてオーミック電極52が占める割合(被覆率)は、4.8%となり、従来の一般的な電極構成と比較して大幅に低減されている。光取り出し面側において電極の被覆率を低減させることにより、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
図4(b)は、理解を容易にするために、ライン電極21a及びドット電極21bのみを示した図である。また、図面において左右方向をX軸方向(特に、左方向を+X方向)、上下方向をY軸方向(特に、上方向を+Y方向)と定義する。ライン電極21aは、幅5μmの線状をなしており、8つのライン部から構成されている。具体的には、ショットキー電極51の外縁を囲むように形成された円形状の第1ライン部21aと、半導体発光装置1の外縁部分に沿い且つX軸方向に伸長した第2ライン部21aと、半導体発光装置1の外縁部分に沿い且つY軸方向に伸長した第3ライン部21aと、第1ライン部21a及び第3ライン部21aを接続するようにX軸方向に伸長した第4ライン部21aと、第1ライン部21a及び第2ライン部21aを接続するようにY軸方向に伸長した第5ライン部21aと、半導体発光装置1の各コーナ部近傍に設けられ、第3ライン部21aからX軸方向に伸長した第6ライン部21aと、半導体発光装置1の各コーナ部近傍に設けられ、第2ライン部21aからY軸方向に伸長した第7ライン部21aと、第6ライン部21a及び第7ライン部21aを接続する第8ライン部21aと、から構成されている。このような構成から、第2ライン部21a、第4ライン部21a、及び第6ライン部21aは半導体発光装置1のX軸方向に伸長している縁部と平行に形成され、第3ライン部21a、第5ライン部21a、及び第7ライン部21aは半導体発光装置1のY軸方向に伸長している縁部と平行に形成されている。また、第8ライン部21aは、第1ライン部21aに沿うように、第6ライン部21a及び第7ライン部21aを接続している。更に、ライン電極21aは、各構成部である第1ライン部21a〜第8ライン部21aが他の構成部を介して相互に接続されており、連続的な形状を有している。
ドット電極21bは、例えば直径5μmの円形をなしており、複数のドット電極21bがライン電極21aの各構成部に沿うように分散配置されている。このように、ドット電極21bを分散配置することで半導体膜10の厚さが薄い場合でも電流拡散が促進され、更にライン電極21aを併せて設けることにより、ドット電極21bへの電流集中が防止される。
本実施例においては、ライン電極21a及びドット電極21bからなる反射電極21は、半導体発光装置1の中心点を回転中心としたときに4回回転対称となるようにパターニングされている。かかる光反射面側の電極構成によれば、反射膜20と半導体層10との界面において、ライン電極21a及びドット電極21bの面積が占める割合(被覆率)は、17.4%となり、オーミック電極52の被覆率の3倍以上となる。光反射面側の電極の被服率が大きくなると、反射面側においける光の反射率が低下するが、本実施例の電極構成によれば、オーミック電極52の被覆率が十分に小さいため、従来と比較して光取り出し効率は低下しない。
図1において、半導体発光装置1のショットキー電極51及びオーミック電極52と、ライン電極21a及びドット電極21bとは、同一平面上に示されている。
オーミック電極52を構成する8つの電極片52a〜52hを挟む両側に当該電極片に沿うようにライン電極21a及びドット電極21bが配置される。換言すれば、ライン電極21aは、オーミック電極52の各電極片52a〜52hを囲むように形成され、各電極片52a〜52hは、ライン電極21aによって囲まれた領域の中央に配置されている。例えば、図1に示された半導体発光装置1の右上部分についてより詳細に説明すると、第1電極片部52a、第2ライン部21a、第4ライン部21a、及び第6ライン部21aは平行に配置され、第1電極片部52aと第4ライン部21aとの水平電極間距離Lが、第1電極片部52aと第6ライン部21aとの水平電極間距離Lと等しくなるように第1電極片部52aが形成されている。また、第2電極片部52a、第3ライン部21a、第5ライン部21a、及び第7ライン部21aは平行に配置され、第2電極片部52aと第5ライン部21aとの水平電極間距離Lが、第2電極片部52aと第7ライン部21aとの水平電極間距離Lと等しくなるように第2電極片部52aが形成されている。更に、電極片52b、第3電極片部52a、及び第8ライン部21aは略平行に配置され、第3電極片部52aと第1ライン部21aとの水平電極間距離Lが、第3電極片部52aと第8ライン部21aとの水平電極間距離L、及び第8ライン部21aと電極片52bとの水平電極間距離Lと略等しくなるように第3電極片部52a及び電極片52bが形成されている。更に、上述した水平電極間距離L〜L(以下、いずれかを選択しない場合には単に水平間距離Lとも称する)は略等しく、35μmである。ここで、水平電極距離とは、オーミック電極52とライン電極21aを半導体膜10の主面と平行な同一平面に投影した場合における距離を意味しており、半導体膜10の厚みを考慮した実際の距離を意味するものではない。
なお、本実施例の半導体発光装置1においては、ショットキー電極51及びオーミック電極52からなる表面電極と、ライン電極21a及びドット電極21bからなる反射電極21とは、半導体発光装置1の中心点を回転中心としたときに4回回転対称となるようにパターニングされているため、図1に示された半導体発光装置1の他の部分(すなわち、右下、左上、左下の部分)も上述した構成と同一である。
以上のことから、本実施例の半導体発光装置1においては、オーミック電極52と、ライン電極21a及びドット電極21bとは、半導体膜10の厚み方向において互いに重ならないように配置され、いわゆるカウンタ電極が構成されている。かかる電極構成とすることで、オーミック電極52の面積を小さくしても、半導体層10内に広く電流を拡散させることが可能となる。従って、光取り出し面における電極の被覆率を低減することができ、光取り出し効率を向上させることが可能となる。また、かかる電極構成を用いることにより、光取り出し面側と反射面側の電極間の距離を短くすることができるため、順方向電圧Vを小さくすることが可能になる。また、本実施例では、光取り出し面側の電極と反射面側の電極を含めた全体の電極形状が、半導体発光装置1の中心点を回転中心としたときに4回回転対称となるようにパターン形成されている。これにより、本実施例に係る半導体発光装置1とレンズ等とを組み合わせて照明装置を構成した場合に、等方的な配光を得ることができる。
次に、本発明の実施例に係る半導体発光装置の製造方法について説明する。図5(a)〜(d)、図6(a)〜(c)は、半導体発光装置の製造方法を示す断面図である。
[半導体膜形成工程]
半導体膜10は、有機金属気相成長法(MOCVD法)により形成される。半導体膜10の結晶成長に使用する成長用基板60として(100)面から[011]方向に15°傾斜させた厚さ300μmのn型GaAs基板を使用した。先ず、成長用基板60上に厚さ3μmのn型クラッド層11を形成する。より具体的には、成長用基板60の上に、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる層厚0.5μmのn側コンタクト層(キャリア濃度:1×1018cm−3)、Al0.5In0.5Pからなる層厚2μmの電流拡散層(キャリア濃度:1×1018cm−3)、及びAl0.5In0.5Pからなる層厚0.5μmのn側キャリア閉じ込め層(キャリア濃度:3×1017cm−3)を順次積層する。続いて、n型クラッド層11上に発光層12を形成する。発光層12は、(Al0.1Ga0.90.5In0.5Pからなる厚さ20nmの井戸層と(Al0.56Ga0.440.5In0.5Pからなる厚さ10nmのバリア層とを交互に15回繰り返して積層した多重量子井戸構造である。なお、井戸層のAl組成は発光波長に合わせて0≦z≦0.4の範囲で調整することができる。更に、発光層12上に厚さ2.5μmのp型クラッド層13を形成する。具体的には、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる層厚1μmのp側キャリア閉じ込め層(キャリア濃度:3×1017cm−3)、及びGa0.9In0.1Pからなる層厚1.5μmのp側コンタクト層(キャリア濃度:3×1018cm−3)を順次積層する。なお、p側コンタクト層のIn組成は、発光層12からの光を吸収しない範囲で調整することができる。これらの各層により厚さ6μmの半導体膜10が構成される(図5(a))。
なお、V族原料としてホスフィン(PH)を使用し、III族原料としてトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMI)の有機金属を使用することができる。また、n型不純物であるSiの原料としてシラン(SiH)を使用し、p型不純物であるZnの原料としてジメチルジンク(DMZn)を使用することができる。成長温度は750〜850℃であり、キャリアガスに水素を使用し、成長圧力は10kPaである。
[反射電極層及びメタル層形成工程]
次に、プラズマCVD法により、誘電体層22を構成するSiO膜をp型クラッド層13上に形成する。ここで、真空中の発光波長をλ、SiO膜の屈折率をn、任意の整数をmとすると、SiO膜の膜厚dは、d=m・λ/4nを満たすように設定する。本実施例においては、λ=625nm、n=1.45、m=3として、誘電体層22の膜厚d=320nmである。続いて、SiO膜上にレジストマスクを形成した後、バッファードフッ酸(BHF)を用いたエッチングを行うことにより、SiO膜にライン電極21a及びドット電極21bのパターンに対応したパターニングを施す。SiO膜を除去した部分において開口部が形成され、当該開口部においてp型クラッド層13が露出する(図5(b))。なお、SiO膜の成膜方法として熱CVD法やスパッタ法を用いることもできる。また、SiO膜のエッチング方法としてドライエッチング法を用いることも可能である。誘電体層22の材料としては、SiO以外にもSiやAl等の他の透明な誘電体材料を用いることができる。
次に、EB蒸着法により誘電体層22上にAuZnからなる厚さ300nmの反射電極21を形成する。反射電極21は、先のエッチング処理によって誘電体層22に形成された開口部においてp型電流拡散14と接触する。反射電極21は、誘電体層22によってライン電極21a及びドット電極21bに隔てられる。誘電体層22及び反射電極21により反射膜20が構成される(図5(c))。
次に、スパッタ法によって反射膜20上にTaN(層厚:100nm)、TiW(層厚:100nm)、TaN(層厚:100nm)を順次堆積させ、バリアメタル層を形成する。なお、バリアメタル層は、Ta、Ti、W等の他の高融点金属若しくはこれらの窒化物を含む単層又は2以上の層により構成されていてもよい。また、バリアメタル層の形成には、スパッタ法以外にEB蒸着法を用いることが可能である。その後、約500℃の窒素雰囲気下で熱処理を行う。これにより、反射電極21とp型クラッド層13との間で良好なオーミック性接触が形成される。
次に、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法又はEB蒸着法の公知の成膜技術によりバリアメタル層の上にNi(層厚:300nm)、Au(層厚:30nm)を順次形成し、共晶半田層を形成した。これにより、バリアメタル層と共晶半田層とからなる第1接合層31の形成が完了する(図5(d))。
[支持基板接合工程]
次に、半導体膜10を支持するための支持体40を形成する。具体的には、支持基板41として、p型不純物を添加することにより導電性が付与されたSi基板を準備し、EB蒸着法により、支持基板41の両面にPtからなる厚さ200nmのオーミック金属層42、43を形成する。これにより、支持基板41、オーミック金属層42、43からなる支持体40が形成される。なお、オーミック金属層42、43は、Ptに限らずSi基板との間でオーミック性接触を形成し得る他の材料、例えばAu、Ni、Tiなどを用いることができる。また、支持基板41は、導電性及び高熱伝導性を備えた他の材料、例えばGe、Al、Cuなどで構成されていてもよい。
次に、スパッタ法により、オーミック金属層43の上にTi(層厚:150nm)、Ni(層厚:100nm)、AuSn(層厚:600nm)を順次堆積して第2接合層32を形成する。AuSn層は、共晶接合材として使用され、組成はAuが70〜80wt%、Snが20〜30wt%であることが望ましい。Ni層は、共晶接合材に対する濡れ性を向上させる機能を有する。Niの代替としてNiVやPtを使用することも可能である。Ti層は、Niとオーミック金属層43との密着性を向上させる機能を有する。
次に、半導体膜10と支持体40とを熱圧着により接合する。半導体膜10側の第1接合層31と支持体40側の第2接合層32とを密着させ、1MPa(メガパスカル)、330℃の窒素雰囲気下で10分間保持した。支持体40側の第2接合層32に含まれる共晶接合材(AuSn)が溶融して、半導体膜10側の共晶半田層(Ni/Au)との間でAuSnNiを形成することにより支持体40と半導体膜10とが接合される(図6(a))。すなわち、当該熱圧着により第1接合層31と第2接合層32とからなる接合膜30が形成される。
[成長用基板除去工程]
次に、半導体膜10の結晶成長に使用した成長用基板60をアンモニア水と過酸化水素水との混合液を用いたウェットエッチングにより除去する。なお、成長用基板60を除去する方法として、ドライエッチング法、機械研磨法、化学機械研磨法(CMP)を用いてもよい。(図6(b))
[光取り出し面側電極形成]
成長用基板10を除去することにより表出したn型クラッド層11上にオーミック電極52、ショットキー電極51及び接続配線53を形成する。より具体的には、n型クラッド層11との間でオーミック性接触を形成するAuGeNiをEB蒸着法によりn型クラッド層11上に堆積させた後、リフトオフ法によりパターニングを行ってオーミック電極52を形成する。続いて、EB蒸着法によりn型クラッド層11との間でショットキー接触を形成するTi(100nm)をn型クラッド層11上に堆積させ、更にTi上にAu(1.5μm)を堆積する。その後、リフトオフ法によりパターニングを行ってショットキー電極51及び接続配線53を形成する。なお、オーミック電極52の材料としてAuGe、AuSn、AuSnNi等を使用することも可能である。
また、ショットキー電極43としてTa、W若しくはこれらの合金又はこれらの窒化物を使用することも可能である。
次に、n型クラッド層11とオーミック電極52との間でオーミック性接触の形成を促進させるために400℃の窒素雰囲気下で熱処理を施す(図6(c))。
以上の各工程を経て半導体発光装置1が完成する。
[変形例1]
図7は、半導体発光装置1における電極パターン(すなわち、ショットキー電極51、オーミック電極52、接続配線53及び反射電極21の構成)を変更した変形例に係る半導体装置2の電極構成を示す平面図である。半導体発光装置2は、半導体発光装置1と同様に、光取り出し面側にショットキー電極51、オーミック電極52及び接続電極53を有している。また、半導体発光装置2は、半導体発光装置1と同様に、反射面側にライン電極21a、ドット電極21bを有している。
図8(a)は、理解を容易にするために、半導体発光装置2の光取り出し面側に設けられた表面電極を構成するショットキー電極51、オーミック電極52及び接続配線53のみを示した図である。また、図面において左右方向をX軸方向(特に、左方向を+X方向)、上下方向をY軸方向(特に、上方向を+Y方向)と定義する。半導体発光装置2の平面形状は、例えば1辺310μmの正方形をなしている。ショットキー電極51は、例えば直径100μmの円形をなしており、光取り出し面の中央に配置されている。ショットキー電極51には、半導体発光装置1の各コーナ部に向けて伸びる幅5μmの線状の接続配線53が接続されている。4本の接続配線53の各々には、これらと交差するように幅5μの線状のオーミック電極52が設けられている。オーミック電極52は、半導体発光装置2のコーナ部付近の領域と、中央部よりの領域と、当該コーナ部付近の領域と当該中央部よりの領域との間の領域と、に分散して配置された12個の電極片52a〜52lにより構成されている。なお、電極片52a〜52fの構成は半導体発光装置1と同一であるためその説明は省略する。
また、コーナ部付近の領域と中央部よりの領域との間の領域に形成された電極片52i〜52lのそれぞれは、3つの電極片部から構成されている。電極片52iを1例として説明すると、電極片52iは、X軸方向に伸長した第1電極片部52iと、Y軸方向に伸長した第2電極片部52iと、第1電極片部52i及び第2電極片部52iを接続する第3電極片部52iと、から構成されている。すなわち、第1電極片部52iは半導体発光装置2のX軸方向に伸長している縁部と平行に形成され、第2電極片部52iは半導体発光装置1のY軸方向に伸長している縁部と平行に形成されている。上述したような電極片52iの構成と同様に、電極片52jは第1電極片部52j、第2電極片部52j、第3電極片部52jから構成され、電極片52kは第1電極片部52k、第2電極片部52k、第3電極片部52kから構成され、電極片52lは第1電極片部52l、第2電極片部52l、第3電極片部52lから構成されている。
更に、ショットキー電極51及びオーミック電極52からなる表面電極は、半導体発光装置1と同様に、半導体発光装置2の中心点を回転中心としたときに、4回回転対称(90°回転すると重なる)となるようにパターニングされている。分散配置されたオーミック電極52の各電極片52a〜52lは、接続配線53を介してショットキー電極51と電気的に接続されている。
図8(b)は、理解を容易にするために、ライン電極21a及びドット電極21bのみを示した図である。また、図面において左右方向をX軸方向(特に、左方向を+X方向)、上下方向をY軸方向(特に、上方向を+Y方向)と定義する。ライン電極21aは、幅5μmの線状をなしており、11個のライン部から構成されている。ここで、第1ライン部21a〜第8ライン部21aは半導体発光装置1の構成と同一であるため、その説明は省略する。ライン電極21aは、第1ライン部21a〜第8ライン部21aと、第4ライン部21aと第6ライン部21aとの中間領域に設けられ、第3ライン部21aからX軸方向に伸長した第9ライン部21aと、第5ライン部21aと第7ライン部21aとの中間領域に設けられ、第2ライン部21aからY軸方向に伸長した第10ライン部21a10と、第9ライン部21a及び第10ライン部21a10を接続する第11ライン部21a11と、から構成されている。このような構成から、第2ライン部21a、第4ライン部21a、第6ライン部21a及び第9ライン部21aは半導体発光装置2のX軸方向に伸長している縁部と平行に形成され、第3ライン部21a、第5ライン部21a、第7ライン部21a及び第10ライン部21a10は半導体発光装置2のY軸方向に伸長している縁部と平行に形成されている。また、ライン電極21aは、各構成部である第1ライン部21a〜第11ライン部21a11が他の構成部を介して相互に接続されており、連続的な形状を有している。
ドット電極21bは、例えば直径5μmの円形をなしており、複数のドット電極21bがライン電極21aの各構成部に沿うように分散配置されている。このように、ドット電極21bを分散配置することで半導体膜10の厚さが薄い場合でも電流拡散が促進され、更にライン電極21aを併せて設けることにより、ドット電極21bへの電流集中が防止される。
また、ライン電極21a及びドット電極21bからなる反射電極21は、半導体発光装置1と同様に、半導体発光装置2の中心点を回転中心としたときに4回回転対称となるようにパターニングされている。
オーミック電極52を構成する12つの電極片52a〜52lを挟む両側に当該電極片に沿うようにライン電極21a及びドット電極21bが配置される。換言すれば、ライン電極21aは、オーミック電極52の各電極片52a〜52lを囲むように形成され、各電極片52a〜52lは、ライン電極21aによって囲まれた領域の中央に配置されている。かかる配置構成は、半導体発光装置1と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
なお、半導体発光装置2における水平電極間距離L21〜L29(図7参照)は25μmである。また、光取り出し面側と反射面側の各電極のレイアウト以外は、半導体発光装置1と同様である。
[変形例2]
図9は、半導体発光装置1における電極パターンを変更した変形例に係る半導体装置3の電極構成を示す平面図である。半導体発光装置3には、上述した半導体発光装置1と同様に、光取り出し面側においてショットキー電極51、オーミック電極52、接続配線53が形成され、反射面側においてライン電極21a、ドット電極21bが形成されている。図9においてこれらの各電極は、同一平面上に示されている。なお、図9において左右方向をX軸方向(特に、左方向を+X方向)、上下方向をY軸方向(特に、上方向を+Y方向)と定義する。
半導体発光装置3の平面形状は、1辺310μmの正方形をなしている。ショットキー電極51は、例えば直径100μmの円形状をなしており、半導体膜10の表面中央に配置されている。オーミック電極52は、ショットキー電極51を挟んだ両側において、半導体発光装置3の互いに対向する2つの辺と平行となるように配置された直線状の電極片52m、52nと、ショットキー電極51の中心線上において電極片52m、52nと平行となるように配置された電極片52o、52pにより構成される。電極片52m〜52pは接続配線53によってショットキー電極51に電気的に接続されている。
ライン電極21aは、幅5μmの線状をなしており、3つのライン部から構成されている。具体的には、半導体発光装置3の外縁部分に沿い且つX軸方向に伸長した第1ライン部91と、半導体発光装置3の外縁部分に沿い且つY軸方向に伸長した第2ライン部92と、第1ライン部91同士を接続するようにY軸方向に伸長した第3ライン部93と、から構成されている。このような構成から、第1ライン部91、は半導体発光装置3のX軸方向に伸長している縁部と平行に形成され、第2ライン部92及び第3ライン部93は半導体発光装置3のY軸方向に伸長している縁部と平行に形成されている。また、第1ライン部91と第2ライン部92によって囲まれた領域は、2本の第3ライン部93によって3つの区画90a〜90cに分けられている。なお、ライン電極21aは、各構成部である第1ライン部91〜第3ライン部93が他の構成部を介して相互に接続されており、連続的な形状を有している。また、ドット電極21bは、第2ライン部92及び第3ライン部93に沿うように列をなして配置される。
図9において、ショットキー電極51は区画90bの中央に配置され、電極片52m〜52pは第2ライン部92及び第3ライン部93と平行に配置されている。また、電極片52m〜52pと、第2ライン部92及び第3ライン部93とは、等間隔で配置されている。すなわち、第2ライン部92と電極片52mとの間隔(水平電極間距離L31)、第3ライン部93と電極片52mとの間隔(水平電極間距離L32)、第3ライン部93と電極片52o、52pとの間隔(水平電極間距離L33、L34)、第3ライン部93と電極片52nとの間隔(水平電極間距離L35)、第2ライン部92と電極片52nとの間隔(水平電極間距離L36)はすべて等しく、80μmである。
なお、光取り出し面側と反射面側の各電極のレイアウト以外は、半導体発光装置1と同様である。
図10及び図11は、半導体発光装置3と比較して、電極片52、第3ライン部92及びドット電極21bの数量を増加し、第3ライン部92によって分けられる区画数を4つ又は5つにした半導体発光装置4及び半導体発光装置5の平面図である。すなわち、半導体発光装置4においてはライン電極21aの構成により4つの区画90a〜90dに分けられ、半導体発光装置5においてはライン電極21aの構成により5つの区画90a〜90eに分けられる。半導体発光装置4及び半導体発光装置5の平面形状は、辺310μmの正方形をなしている。従って、半導体発光装置4及び半導体発光装置5においては、各電極片及び第2ライン部92、又は各電極片及び第3ライン部93との間隔である水平電極間距離Lが半導体発光装置3と比較して狭くなっている。具体的には、半導体発光装置4における水平電極間距離Lは55μmであり、半導体発光装置5における水平電極間距離Lは35μmである。
なお、上述した半導体発光装置1〜5においては、反射電極21がライン電極21a及びドット電極21bから構成されていたが、反射電極21をライン電極21aのみから構成してもよい。また、半導体発光装置1〜5においては、各層の導電型を入れ替(各層におにおけるn型とp型とを入れ替)えても良い。更に、上述した半導体発光装置1〜5における各層の層厚及びキャリア濃度は例示にすぎず、適宜変更することが可能である。
次に、半導体発光装置1〜5における構造を以下のように調整することで、半導体膜10における電流拡散を促進して発光分布の均一化を図り、更には半導体発光装置1の発光効率を向上することができることを説明する。半導体膜10における電流拡散を促進して発光分布の均一化を図るためには、以下の2つの条件を満たす必要がある。
[条件1:n型クラッド層11とp型クラッド層13との抵抗比]
先ず、オーミック電極52と反射電極21の間に均一に電流を流すためには、発光層12に注入されるホールと電子のキャリアバランスを等しくする必要があると考えられる。発光層12に注入されるキャリアバランスが崩れると、発光層12における発光領域に偏りが生じ、発光分布が不均一になるからである。
上述したキャリアバランスを等しくするには、オーミック電極52及び反射電極21の間に形成されるn型クラッド層11(上部クラッド層)及びp型クラッド層13(下部クラッド層)の各抵抗を所定の範囲に制御する必要がある。より具体的には、n型クラッド層11の抵抗(R)に対するp型クラッド層13の抵抗(R)、すなわち抵抗比(p型クラッド層13の抵抗/n型クラッド層11の抵抗)を所定範囲に制御する必要がある。
ここで、p型クラッド層13及びn型クラッド層11の各抵抗は、オーミック電極52と反射電極21との間に設けられた各クラッド層に流れる電流の経路についてシミュレーションを行い、当該シミュレーション結果に応じて、各クラッド層の電流経路に沿った抵抗成分の積分値から算出される。当該シミュレーションは、p型クラッド層13及びn型クラッド層をオーム性の線形抵抗とし、且つ発光層12を非線形抵抗として取扱いつつ、電極パターン(すなわち、ショットキー電極51、オーミック電極52、接続配線53及び反射電極21の構成)及び半導体膜10の構成を3次元でモデル化し、その後に各電極の寸法及び半導体膜10の膜厚よりも小さいセル分割し、各クラッド層の組成、キャリア濃度、層厚及び電極パターンから各セルにおける電流密度を算出することによって行われる。更に、算出された各クラッド層の抵抗をn型クラッド層の抵抗で規格化することによって抵抗比が算出される。以上のことから、抵抗比は、各クラッド層の組成、キャリア濃度、層厚及び電極パターンによって算出されている。
本実施例の半導体発光装置1において、半導体膜10は光取り出し面側から順にn型クラッド層11、発光層12、p型クラッド層13が積層された構造を有し、半導体膜10の膜厚は6μmである。そして、n型クラッド層11は、Al0.5In0.5Pからなる層厚0.5μmのn側キャリア閉じ込め層(キャリア濃度:3×1017cm−3)、Al0.5In0.5Pからなる層厚2μmの電流拡散層(キャリア濃度:1×1018cm−3)、及び(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる層厚0.5μmのn側コンタクト層(キャリア濃度:1×1018cm−3)から構成されている。また、発光層12は、多重量子井戸構造を有し、(Al0.1Ga0.90.5In0.5Pからなる層厚20nmの井戸層と(Al0.56Ga0.440.5In0.5Pからなる層厚10nmのバリア層とが交互に15回繰り返して積層されている。更に、p型クラッド層13は、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる層厚1μmのP側キャリア閉じ込め層(キャリア濃度:3×1017cm−3)、及びGa0.9In0.1Pからなる層厚1.5μmのp側コンタクト層(キャリア濃度:3×1018cm−3)から構成されている。このような構成に基づいて抵抗比を算出すると、(p型クラッド層13の抵抗/n型クラッド層11の抵抗)=(1.1/1.0)、すなわち、抵抗比は1.1であった。
次に、上述した抵抗比をどのように制御すべきかを図12を参照しつつ説明する。図12(a)〜(c)は、n型クラッド層11とp型クラッド層13との抵抗比を変更した場合における半導体発光装置の発光領域を示した模式図である。なお、以下の各図において、オーミック電極(n−電極)52から反射電極(p−電極)21への電流経路(電子の流れる経路)を破線の矢印で示している。図12(b)に示されているように、n型クラッド層11の抵抗とp型クラッド層13の抵抗が略等しい場合には、電流経路が半導体膜10内に広がる(すなわち、電流拡散が生じる)ため、オーミック電極52及び反射電極21の間における発光領域が大きくなり、半導体発光装置1における発光分布が均一になる。一方、図12(a)に示されているように、n型クラッド層11の抵抗がp型クラッド層13の抵抗に比べて小さい場合には、n型クラッド層11における電流拡散が不足し、反射電極21の上方に発光領域が集中し、半導体発光装置1における発光分布は反射電極21の周辺に偏ってしまう。また、図12(c)に示されているように、n型クラッド層11の抵抗がp型クラッド層13の抵抗に比べて大きい場合には、p型クラッド層13における電流拡散が不足し、オーミック電極52の下方に発光領域が集中し、半導体発光装置1における発光分布はオーミック電極52の周辺に偏ってしまう。以上のことから、n型クラッド層11の抵抗とp型クラッド層13と抵抗をできるかぎり等しく、すなわち抵抗比を約1に近づけることで、半導体発光装置1における発光分布を均一化して発光効率を向上させることができる。
次に、図13乃至図15を参照しつつ、n型クラッド層11とp型クラッド層13との抵抗比の設定範囲について説明する。図13は、n型クラッド層11及びp型クラッド層13の抵抗比を変化させた場合における電流分布の偏りを示すグラフである。図13において、横軸はn型クラッド層11の抵抗、縦軸はp型クラッド層13の抵抗である。図14は、本実施例に係る半導体発光装置1のn型クラッド層11とp型クラッド層13との抵抗比を変化させた場合における半導体発光装置1の発光分布の実測結果である。図15は、本実施例に係る半導体発光装置1の飽和電流値とn型クラッド層11及びp型クラッド層13に係る抵抗比との関係を示すグラフである。図15において、横軸はn型クラッド層11及びp型クラッド層13に係る抵抗比、縦軸は半導体発光装置1の飽和電流値であり、最大値を基準値(すなわち、「1」)として規格化している。
図13に示されているように、0.5〜2.0の抵抗比を有するサンプル(『●』のプロット)については、発光分布が均一になった。一方、0.5未満の抵抗比を有するサンプル(『■』のプロット)については、発光分布がオーミック電極52の周囲に集中していた。更に、2より大きい抵抗比を有するサンプル(『▲』のプロット)については、発光分布が反射電極21の周囲に集中していた。なお、各サンプルの発光分布については、各サンプルに電流を供給して実際の発光分布を確認した。
図14には、図13におけるサンプルA〜Eの発光分布の測定結果が示されている。図14に示された結果から判るように、抵抗比1を有するサンプルCは、発光分布は偏りがなく、光取り出し面において均一であった。一方、抵抗比が1より大きくなると、発光領域が反射電極21の周囲に集中し、抵抗比6.43を有するサンプルAにおいては、発光分布が反射電極21に大きく偏っていた。また、抵抗比が1より小さくなると、発光領域がオーミック電極52の周囲に集中し、抵抗比0.41を有するサンプルEにおいては、発光分布がオーミック電極52に大きく偏っていた。更に、サンプルA〜Eの飽和電流値を測定し、サンプルCの飽和電流値を1として他のサンプルの飽和電流値を規格すると、抵抗比が1より大きくなると飽和電流値が低下し、また、抵抗比が1より小さくなると飽和電流値が低下していた。これは、半導体発光装置1の発光分布が不均一になると、発光層12に注入されるキャリアが局所的に集中してしまい、キャリアのオーバフローが発生することによって発光効率が低下し、これに伴い飽和電流値が小さくなると考えられる。
図15は、図13におけるサンプルA〜Eとは異なるサンプルの飽和電流値の測定結果が示されている。なお、図15における各プロットのサンプルは、実施例1に係る半導体発光装置1と比較してn型クラッド層11及びp型クラッド層13に係る抵抗比が異なっているが、他の構成は同一である。図15に示された実線グラフ15Aから判るように、半導体発光装置1に係る飽和電流値と抵抗比との関係グラフにおいては、抵抗比が約1.1近傍においてピークを有していた。なお、実線グラフ15Aは、各プロットに基づいた近似曲線である。また、実線グラフ15Aから判るように、抵抗比が1.1以下の領域においては、急峻に飽和電流値が減少しているが、抵抗比が1.1以上の領域においては、飽和電流値が緩やかに減少している。すなわち、抵抗比が1.1により小さくなると、発光領域がオーミック電極52の周囲に集中しやすいが、抵抗比が1.1より大きくなっても、オーミック電極52における発光領域の集中のしやすさと比較すると、発光領域が反射電極21の周囲に集中しにくいことが判った。このような特性を得られる理由として、半導体発光装置1においては、抵抗比が増加しても、反射電極21がライン電極21a及びドット電極21bから構成されているため、オーミック電極52から反射電極21に流れる電流がライン電極21a及びドット電極21bに分散し、半導体発光装置1における発光分布の偏りが抑制されるためと考えられる。
ここで、半導体発光装置1においてドット電極21bが存在しない場合に、当該半導体発光装置に係る飽和電流値と抵抗比との関係グラフは、ピークの値を中心に左右対称(すなわち、正規分布曲線)になると考えられる。ここで、実線グラフ15Aにおける抵抗比1.1以下の領域の曲線に基づいてドット電極21bが存在しない場合の飽和電流値と抵抗比との関係グラフを算出すると、当該グラフは破線15Bによって示された。そして、破線グラフ15Bにおいては、抵抗比が約1.0近傍においてピークを有していた。また、破線グラフ15Bの抵抗比が1.0以下において、抵抗比が低い(0.7以下)領域の曲線部分の代表的な接線が接線15C(実線で示す)、抵抗比が高い(0.7以上)場合の曲線部分の代表的な接線が接線15D(実線で示す)、接線15Cと接線15Dの交点が交点15Eとして示されている。更に、破線グラフ15Bの抵抗比が1.0以上において、抵抗比が低い(1.3以下)領域の曲線部分の代表的な接線が接線15F(実線で示す)、抵抗比が高い(1.3以上)場合の曲線部分の代表的な接線が接線15G(実線で示す)、接線15Fと接線15Gの交点が交点15Hとして示されている。
破線グラフ15Bの抵抗比が1.0以下においては、抵抗比が増加すると飽和電流値も増加するが、抵抗比を徐々に増加した場合に、交点15Eを境に飽和電流値の増加率が大幅に増加する。一方、破線グラフ15Bの抵抗比が1.0以上においては、抵抗比が減少すると飽和電流値が増加し、抵抗比を徐々に減少した場合に、交点15Hを境に飽和電流値の増加率が大幅に増加する。従って、交点15Eから交点15Hの範囲内おいては、抵抗比を1に近づけるように設定すると、高い飽和電流値を得やすくなる。ここで、交点15Eにおける抵抗比は0.7であり、飽和電流値は0.9である。また、交点15Hにおける抵抗比は1.3であり、飽和電流値は0.9である。以上のことから、ドット電極21bを有しない半導体発光装置においては、抵抗比を0.7〜1.3の範囲で設定することにより、高い飽和電流値が得られることが判った。
一方、ドット電極21bを有する半導体発光装置1においては、抵抗比を0.7〜2.0の範囲で設定することにより、高い飽和電流値が得られることが判った。かかる場合において、下限値である0.7の根拠は上述したドット電極21bを有さない場合と同様である。上限値である2.0は、上述した高い飽和電流値0.9を得られるために必要な抵抗比という観点から算出された値である。
[条件2:水平電極間距離Lとクラッド層の合計層厚との関係]
次に、半導体膜10において電流を均一に拡散させるためには、オーミック電極52と反射電極21との距離関係が所定の条件を満たす必要がある。具体的には、オーミック電極52及び反射電極21を同一平面上に投影した場合において、オーミック電極52を構成する電極片と、当該電極片を囲むように形成されたライン電極21aとの距離を水平電極間距離Lとし、半導体膜10の膜厚方向におけるオーミック電極52と反射電極21との距離から発光層12の層厚を差し引いた距離(すなわち、n型クラッド層11とp型クラッド層13との合計層厚)を垂直電極間距離Dとした場合に、垂直電極間距離Dに対する水平電極間距離Lの割合(すなわち、L/D)が一定の範囲内に設定する必要がある。水平電極間距離Lが垂直電極間距離Dと比較して大きい場合には、n型クラッド層11及びp型クラッド層13に係る抵抗比が上述した範囲(0.7〜1.3又は0.7〜2.0)から外れてしまうと、ホールとキャリアのバランスが崩れた場合に発光層12の全域に電流が注入されず、発光分布に偏りが生じてしまう。一方、水平電極間距離Lが垂直電極間距離Dと比較して小さい場合には、各電極の被覆率が高くなるため半導体発光装置の発光効率が低下する。従って、水平電極間距離L及び垂直電極間距離Dを適正な範囲で設定する必要がある。なお、垂直電極間距離Dに発光層12が含まれない理由は、発光層12はホールとキャリアが結合する領域であるため、電流の拡散に実質的に寄与していないからである。
図16は、水平電極間距離Lと垂直電極間距離Dに対する半導体発光装置の発光分布を示す図である。図16においては、図15において飽和電流値を1にしたサンプルに対して、90%以上の飽和電流値が得られたサンプル(『○』のプロット)を発光分布が均一と判断し、90%未満の飽和電流値が得られたサンプル(『×』のプロット)を発光分布が不均一と判断した。
以下の表は、図16にプロットされたサンプルの水平電極間距離L、垂直電極間距離D、L/D、発光分布の判断、及び抵抗比(P/N)を示したものである。ここで、水平電極間距離Lが20μmのサンプルは図7に示された半導体発光装置2を用い、水平電極間距離Lが35μmのサンプルは図11に示された半導体発光装置5を用い、水平電極間距離Lが55μmのサンプルは図10に示された半導体発光装置4を用い、水平電極間距離Lが80μmのサンプルは図9に示された半導体発光装置3を用いた。
図16及び上記表に示された結果から、水平電極間距離L及び垂直電極間距離Dの比(L/D)を8.0以下にすることにより、高い飽和電流値を得ることができ、更には均一な発光分布を有する半導体発光装置を提供できることが判った。なお、水平電極間距離L及び垂直電極間距離Dの比(L/D)は小さいほど電流は均一になるが、電極の被覆率の増加を防ぐ観点から4.0から8.0の範囲に水平電極間距離L及び垂直電極間距離Dの比(L/D)を設定することが好ましい。
以上のように、本発明の半導体発光装置1〜5においては、光取り出し面側の表面電極を構成するオーミック電極52と反射面側の反射電極21とがカウンタ電極を構成している。また、本発明の半導体発光装置1〜5においては、オーミック電極52と反射電極21を構成するライン電極21aとの水平電極間距離Lが、n型クラッド層11及びp型クラッド層13の合計層厚であってオーミック電極52とライン電極21aと垂直方向における実質的な距離である垂直電極間距離Dとの間においてL/D≦8.0となっている。更に、本発明の半導体発光装置1〜5においては、p型クラッド層13内における電流経路上の抵抗をR、n型クラッド層11内における電流経路上の抵抗をRとした場合に、0.7≦R/R≦2.0が成り立っている。なお、ドット電極21bを有しない場合には、0.7≦R/R≦1.3が成り立っている。
このように、カウンタ電極の構成を用いること、表裏面の電極間距離及びクラッド層の合計層厚を適正範囲における制御すること、上部及び下部のクラッド層に係る抵抗比の制御することを行うことにより、光取り出し面側の電極の面積の増加や半導体膜の厚さの増加を抑えつつ、局所的な電流集中を防止して均一な発光分布を得ることができる半導体発光装置を提供することができる。
1 半導体発光装置
10 半導体膜
11 n型クラッド層
12 発光層
13 p型クラッド層
20 反射膜
21 反射電極
22 誘電体膜
30 接合膜
40 支持体
51 ショットキー電極
52 オーミック電極
53 接続配線

Claims (8)

  1. 支持体上であって前記支持体の外縁の一辺に対して平行となるように設けられて反射面を形成する線状のライン電極と、
    前記ライン電極の上に設けられた第1クラッド層と、
    前記第1クラッド層の上に設けられたAlGaInP系の発光層と、
    前記発光層の上に設けられた第2クラッド層と、
    前記第2クラッド層上に設けられた複数の表面電極片からなる表面電極と、を有し、
    前記ライン電極及び前記表面電極片は、同一平面に投影した場合に、平行且つ交互であるように配置され、前記ライン電極と前記表面電極片との間の距離をL、前記第1クラッド層及び前記第2クラッド層の合計層厚をDとしたとき、L/D≦8.0が成り立ち、
    前記第1クラッド層内における電流経路上の抵抗をR、前記第2クラッド層内における電流経路上の抵抗をRとしたときに、0.7≦R/R≦1.3が成り立つことを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記ライン電極は、前記支持体の外縁の一辺に対して平行となるように設けられた第1ライン部と、前記第1ライン部の伸長方向に対して直交する方向に伸長した第2ライン部と、からなり、
    前記表面電極片は、前記ライン電極及び前記表面電極片を同一平面に投影した場合において、前記第1ライン部と平行かつ交互に設けられた第1電極片部と、前記第2ライン部と平行且つ交互に設けられた第2電極片部と、からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記第1ライン部と前記第2ライン部とを接続する第3ライン部と、前記第1電極片部と前記第2電極片部とを接続する第3電極片部とを有し、前記ライン電極及び前記表面電極片を同一平面に投影した場合において、前記第3ライン部と前記第3電極片部とが平行且つ交互に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記ライン電極及び前記表面電極片を同一平面に投影した場合に、互いに平行な前記ライン電極及び前記表面電極片が等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の半導体発光装置。
  5. 支持体上であって前記支持体の外縁の一辺に対して平行となるように設けられて反射面を形成する線状のライン電極と、
    前記ライン電極を挟むように設けられた複数の島状のドット電極と、
    前記ライン電極及び前記ドット電極の上に設けられた第1クラッド層と、
    前記第1クラッド層の上に設けられたAlGaInP系の発光層と、
    前記発光層の上に設けられた第2クラッド層と、
    前記第2クラッド層上に設けられた複数の表面電極片からなる表面電極と、を有し、
    前記ライン電極及び前記表面電極片は、同一平面に投影した場合に、平行且つ交互であるように配置され、前記ライン電極と前記表面電極片との間の距離をL、前記第1クラッド層及び前記第2クラッド層の合計層厚をDとしたとき、L/D≦8.0が成り立ち、
    前記第1クラッド層内における電流経路上の抵抗をR、前記第2クラッド層内における電流経路上の抵抗をRとしたときに、0.7≦R/R≦2.0が成り立つことを特徴とする半導体発光装置。
  6. 前記ライン電極は、前記支持体の外縁の一辺に対して平行となるように設けられた第1ライン部と、前記第1ライン部の伸長方向に対して直交する方向に伸長した第2ライン部と、からなり、
    前記表面電極片は、前記ライン電極及び前記表面電極片を同一平面に投影した場合において、前記第1ライン部と平行かつ交互に設けられた第1電極片部と、前記第2ライン部と平行且つ交互に設けられた第2電極片部と、からなることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
  7. 前記第1ライン部と前記第2ライン部とを接続する第3ライン部と、前記第1電極片部と前記第2電極片部とを接続する第3電極片部とを有し、前記ライン電極及び前記表面電極片を同一平面に投影した場合において、前記第3ライン部と前記第3電極片部とが平行且つ交互に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の半導体発光装置。
  8. 前記ライン電極及び前記表面電極片を同一平面に投影した場合に、互いに平行な前記ライン電極及び前記表面電極片が等間隔で配置されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1に記載の半導体発光装置。
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