JP2012033782A - Igbtの製造方法及びigbt - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のIGBTの製造方法によって製造されるIGBTよりもオン抵抗の低いIGBTを、安価な製造コストで製造することが可能なIGBTの製造方法を提供する。
【解決手段】パンチスルー型のIGBTを製造するためのIGBTの製造方法。n型シリコン基板112を準備する第1工程と、n型シリコン基板112の第1主面側表面にMOS構造120を形成する第2工程と、n型シリコン基板112を研削・研磨してn型シリコン基板112を薄くする第3工程と、n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する第4工程と、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上にp型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を形成する第5工程と、n型シリコン基板112の第2主面側からレーザー光を照射して多結晶シリコン層116”を溶融させる第6工程とをこの順序で含む。
【選択図】図1

Description

本発明はIGBTの製造方法及びIGBTに関する。
従来、オン抵抗の低い、パンチスルー型のIGBTを製造することが可能なIGBTの製造方法が知られている。図9は、従来のIGBTの製造方法を示す図である。図9(a)〜図9(d)は各工程図である。
従来のIGBTの製造方法は、図9に示すように、p型シリコン層816の表面にn型エピタキシャル層814及びn型エピタキシャル層812が順次積層されたエピタキシャル基板810を準備する工程(図9(a)参照。)と、エピタキシャル基板810の第1主面側表面にMOS構造820を形成する工程(図9(b))と、エピタキシャル基板810の第2主面側からエピタキシャル基板810を研削・研磨してp型シリコン層816を薄くする工程(図9(c)参照。)と、p型シリコン層816の表面にコレクタ電極834を形成する工程(図9(d)参照。)とをこの順序で含む。なお、図9中、符号822はp型ベース領域を示し、符号824はn型エミッタ領域を示し、符号826はゲート絶縁膜を示し、符号828はゲート電極を示し、符号830は層間絶縁膜を示し、符号832はエミッタ電極を示す。
従来のIGBTの製造方法によれば、p型シリコン層816からなるコレクタ層、n型エピタキシャル層814からなるバッファ層及びn型エピタキシャル層812からなるドリフト層を備える、パンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、従来のIGBTの製造方法によれば、「エピタキシャル基板810の第2主面側からエピタキシャル基板810を研削・研磨してp型シリコン層816を薄くする工程」を含むため、p型シリコン層816(コレクタ層)をある程度まで薄くすることが可能となり、オン抵抗の低いIGBTを製造することが可能となる。
しかしながら、従来のIGBTの製造方法においては、エピタキシャル基板810を製造する過程で、n型エピタキシャル層814及びn型エピタキシャル層812の厚さを精密に制御することが容易ではなく、さらには、エピタキシャル基板810を研削・研磨する過程で、エピタキシャル基板810を貼り付けるテープの厚さむらなどに起因して研削・研磨の量(厚さ)を精密に制御することも容易ではない。このため、n型エピタキシャル層814及びn型エピタキシャル層812の厚さのばらつき並びに研削・研磨の量(厚さ)のばらつきを考慮すると、実際上、p型シリコン層816(コレクタ層)を10μm以下の厚さにすることは困難である。従って、このことがIGBTのオン抵抗をより一層低くするうえでの制限となっている。
そこで、従来のIGBTの製造方法においてよりもオン抵抗の低いIGBTを製造することが可能な、他のIGBTの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図10は、従来の他のIGBTの製造方法を示す図である。図10(a)〜図10(g)は各工程図である。
従来の他のIGBTの製造方法は、図10に示すように、n型シリコン基板912を準備する工程(図10(a)参照。)と、n型シリコン基板912の第1主面側表面にMOS構造920を形成する工程(図10(b)参照。)と、n型シリコン基板912の第2主面側からn型シリコン基板912を研削・研磨して前記n型シリコン基板912を薄くする工程(図10(c)参照。)と、n型シリコン基板912の第2主面側における深い位置にn型不純物を導入する工程(図10(d)参照。)と、n型シリコン基板912の第2主面側における浅い位置にp型不純物を導入する工程(図10(e)参照。)と、n型シリコン基板912の第2主面側からレーザー光を照射してn型不純物及びp型不純物を活性化させて、n型シリコン層914及びp型シリコン層916を形成する工程(図10(f)参照。)と、p型シリコン層916の表面にコレクタ電極934を形成する工程(図10(g)参照。)とをこの順序で含む。なお、図10中、符号914’はn型不純物導入層を示し、符号916’はp型不純物導入層を示し、符号922はp型ベース領域を示し、符号924はn型エミッタ領域を示し、符号926はゲート絶縁膜を示し、符号928はゲート電極を示し、符号930は層間絶縁膜を示し、符号932はエミッタ電極を示す。
従来の他のIGBTの製造方法によれば、p型シリコン層916からなるコレクタ層、n型シリコン層914からなるバッファ層及びn型シリコン基板912からなるドリフト層を備える、パンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、従来の他のIGBTの製造方法によれば、n型シリコン基板912の第2主面側における深い位置にn型不純物を導入するとともにn型シリコン基板912の第2主面側における浅い位置にp型不純物を導入することにより、n型シリコン層914(バッファ層)及びp型シリコン層916(コレクタ層)を形成することとしているため、従来のIGBTの製造方法のように「n型エピタキシャル層及びn型エピタキシャル層の厚さを精密に制御する」必要も「エピタキシャル基板を研削・研磨する」必要もなくなる。このため、従来の他のIGBTの製造方法によれば、p型シリコン層916(コレクタ層)を10μm以下の厚さにすることが可能となり、従来のIGBTの製造方法によって製造されるIGBTよりもオン抵抗の低いIGBTを製造することが可能となる。
特開2002−314084号公報
しかしながら、従来の他のIGBTの製造方法においては、n型シリコン基板912の第2主面側における深い位置にn型不純物を導入する必要があるため、数百keV〜数MeVの加速電圧を印加できる高加速電圧のイオン注入装置を用いる必要があり、製造コストを低減することが容易ではないという問題がある。なお、このような問題は、n型とp型とが逆の関係を有するIGBTを製造する場合にも同様に存在する問題である。
そこで、本発明は、従来のIGBTの製造方法によって製造されるIGBTよりもオン抵抗の低いIGBTを、安価な製造コストで製造することが可能なIGBTの製造方法を提供することを目的とする。また、従来のIGBTよりもオン抵抗が低く、製造コストの安価なIGBTを提供することを目的とする。
[1]本発明のIGBTの製造方法は、パンチスルー型のIGBTを製造するためのIGBTの製造方法であって、第1導電型不純物を含有する半導体基板を準備する第1工程と、前記半導体基板の第1主面側表面にMOS構造を形成する第2工程と、前記半導体基板の第2主面側から前記半導体基板を研削・研磨して前記半導体基板を薄くする第3工程と、前記半導体基板の第2主面側から前記半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入する第4工程と、前記半導体基板の第2主面側の表面上に、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなり、第1導電型不純物とは反対導電型の第2導電型不純物を含有する半導体層を形成する第5工程と、前記半導体基板の第2主面側からレーザー光を照射して前記半導体層を溶融させる第6工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
本発明のIGBTの製造方法によれば、半導体基板を薄くする第3工程を実施した後、「半導体基板の第2主面側から半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入する第4工程」と、「半導体基板の第2主面側の表面上に、半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなり、第2導電型不純物を含有する半導体層を形成する第5工程」と、「半導体基板の第2主面側からレーザー光を照射して半導体層を溶融させる第6工程」とをこの順序で実施することにより、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれ半導体基板の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、本発明のIGBTの製造方法によれば、半導体基板を薄くする第3工程を実施した後、「半導体基板の第2主面側から半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入する第4工程」と、「半導体基板の第2主面側の表面上に、半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなり、第2導電型不純物を含有する半導体層を形成する第5工程」と、「半導体基板の第2主面側からレーザー光を照射して半導体層を溶融させる第6工程」とをこの順序で実施することにより、パンチスルー型のIGBTを製造することとしているため、従来のIGBTの製造方法のように「n型エピタキシャル層及びn型エピタキシャル層の厚さを精密に制御する」必要も「エピタキシャル基板を研削・研磨する」必要もなくなる。このため、本発明のIGBTの製造方法によれば、コレクタ層を10μm以下の厚さにすることが可能となり、従来のIGBTの製造方法によって製造されるIGBTよりもオン抵抗の低いIGBTを製造することが可能となる。
また、本発明のIGBTの製造方法によれば、半導体基板を薄くする第3工程を実施した後、「半導体基板の第2主面側から半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入する第4工程」と、「半導体基板の第2主面側の表面上に、半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなり、第2導電型不純物を含有する半導体層を形成する第5工程」と、「半導体基板の第2主面側からレーザー光を照射して半導体層を溶融させる第6工程」とをこの順序で実施することにより、パンチスルー型のIGBTを製造することとしているため、「半導体基板の第2主面側から半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入する第4工程」においては、半導体基板の第2主面側における深い位置に第1導電型不純物を導入する必要がなくなる。このため、本発明のIGBTの製造方法によれば、数百keV〜数MeVの加速電圧を印加できる高加速電圧のイオン注入装置を用いる必要がなくなり、従来の他のIGBTの製造方法よりも製造コストを低減することが可能なIGBTの製造方法となる。
その結果、本発明のIGBTの製造方法は、従来のIGBTの製造方法によって製造されるIGBTよりもオン抵抗の低いIGBTを、安価な製造コストで製造することが可能なIGBTの製造方法となる。
なお、本発明のIGBTの製造方法において、「半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなる半導体層」とは、例えば、半導体基板を構成する半導体材料がシリコンである場合には、シリコンからなる半導体層のことをいう。シリコンには、不純物が含まれていてもよい。また、シリコンは、単結晶シリコンである必要はなく、多結晶シリコン(ポリシリコン)又は非晶質シリコン(アモルファスシリコン)であってもよい。
[2]本発明のIGBTの製造方法において、前記第4工程においては、100keV以下の加速電圧で前記半導体基板の第2主面側から第1導電型不純物をイオン注入することにより、前記半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入することが好ましい。
このような方法によれば第4工程において半導体基板の第2主面側における比較的浅い領域に第1導電型不純物が導入されることになるが、その後の第5工程において半導体基板の第2主面側の表面上に半導体層を形成するため、結果として、半導体基板の第2主面側における深い位置にバッファ層を形成することが可能となる。
[3]本発明のIGBTの製造方法において、前記第4工程においては、前記半導体基板の第2主面側の表面に第1導電型不純物を含む溶液を塗布する工程と、前記半導体基板の第2主面側からレーザー光を照射して前記半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入する工程とをこの順序で含むことが好ましい。
このような方法によっても第4工程において半導体基板の第2主面側における比較的浅い領域に第1導電型不純物が導入されることになるが、その後の第5工程において半導体基板の第2主面側の表面上に半導体層を形成するため、結果として、半導体基板の第2主面側における深い位置にバッファ層を形成することが可能となる。
また、このような方法とすることにより、イオン注入装置を用いることなく、半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入することが可能となり、より一層安価な製造コストでIGBTを製造することが可能となる。
[4]本発明のIGBTの製造方法において、前記第5工程は、前記半導体基板の第2主面側の表面上に、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなる半導体層を気相法により形成する工程と、100keV以下の加速電圧で前記半導体層の表面側から第2導電型不純物をイオン注入することにより、前記半導体層の内部に第2導電型不純物を導入する工程とをこの順序で含むことが好ましい。
このように半導体基板の第2主面側の表面上に第2導電型不純物を含有する半導体層を別途後付け形成することにより、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれ半導体基板の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
[5]本発明のIGBTの製造方法において、前記第5工程は、前記半導体基板の第2主面側の表面上に、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなる半導体層を気相法により形成する工程と、前記半導体層の表面に第2導電型不純物を含む溶液を塗布することにより、前記半導体層の表面に第2導電型不純物を導入する工程とをこの順序で含むことが好ましい。
このような方法とすることによっても、半導体基板の第2主面側の表面上に第2導電型不純物を含有する半導体層を別途後付け形成することが可能となり、結果として、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれ半導体基板の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、このような方法とすることにより、イオン注入装置を用いることなく、上記した半導体層を形成することが可能となり、より一層安価な製造コストでIGBTを製造することが可能となる。
[6]本発明のIGBTの製造方法において、前記第5工程は、前記半導体基板の第2主面側の表面上に、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなり、第2導電型不純物を含有する半導体層を気相法により形成する工程からなることが好ましい。
このような方法とすることによっても、半導体基板の第2主面側の表面上に第2導電型不純物を含有する半導体層を別途後付け形成することが可能となり、結果として、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれ半導体基板の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、このような方法とすることにより、イオン注入装置を用いることなく、上記した半導体層を形成することが可能となり、より一層安価な製造コストでIGBTを製造することが可能となる。
[7]本発明のIGBTの製造方法において、前記第5工程においては、前記半導体層を0.1μm〜5μmの厚さに形成することが好ましい。
ここで、半導体層の厚さを0.1μm以上としたのは、半導体層の厚さが0.1μm未満である場合には、安定した特性をもったコレクタ層を形成することが困難となる場合があるからである。一方、半導体層の厚さを5μm以下としたのは、半導体層の厚さが5μmを超える場合には、オン抵抗の低いIGBTを製造することが困難となる場合があるからである。これらの観点から言えば、第5工程においては、半導体層を0.2μm〜4μmの厚さに形成することがより一層好ましい。
[8]本発明のIGBTの製造方法においては、前記半導体基板はシリコン基板であり、前記半導体層は多結晶シリコン層であることが好ましい。
このような方法とすることにより、シリコン系のIGBTを製造することが可能となる。また、多結晶シリコン層は凹凸のある表面(例えばなし地状の表面)を有することから、第6工程で照射するレーザー光の反射率を低減させることによりレーザー光の吸収効率を向上させ、より低パワーのレーザー装置を用いてレーザー光を照射することが可能となる。
なお、コレクタ層は、スイッチオン時に伝導度変調を起こさせるのに十分な少数の第2導電型のキャリア(少数キャリア)を注入すればよいので、上記した半導体層は多結晶シリコンからなるものであっても差し支えない。
[9]本発明のIGBTの製造方法において、前記第6工程においては、出力10W以下のグリーンレーザーを用いてレーザー光を照射することが好ましい。
グリーンレーザーはSi、SiCなどからなる半導体材料に対する光吸収率が高いため、上記のような方法とすることにより、半導体層を溶融する際の制御が容易となる。このため、半導体層そのものを蒸発させることとなく、第2導電型不純物を活性化させることができる。また、比較的低パワーのレーザー装置を用いて第6工程を実施することができる。レーザー光のパワー、ビーム径、絞り角、照射方法(パルス又は連続)などのレーザー光照射条件は、半導体層そのものを蒸発させることとなく、第2導電型不純物を活性化させることができる条件とする。
[10]本発明のIGBTの製造方法においては、前記第4工程と前記第6工程との間に、500℃以下の温度で前記半導体基板の熱処理を行って第1導電型不純物を活性化させる工程をさらに含むことが好ましい。
本発明のIGBTの製造方法においては、第6工程を実施する際に、第4工程中に半導体基板の内部に導入された第1導電型不純物を活性化させることも可能であるが、上記のように、第4工程と第6工程との間に、500℃以下の温度で半導体基板の熱処理を行って第1導電型不純物を活性化させる工程をさらに含むこととすれば、より確実に第1導電型不純物を活性化させることができる。
なお、500℃以下の温度で半導体基板の熱処理を行うこととしたのは、500℃を超える温度で半導体基板の熱処理を行った場合には、半導体基板の第1主面側に形成されたMOS構造や、アルミニウム電極などの構造物を損傷してしまう場合があるからである。
[11]本発明のIGBTは、パンチスルー型のIGBTであって、第1導電型不純物を含有する半導体基板であって、当該半導体基板の第2主面側から当該半導体基板を研削・研磨して得られる半導体基板からなるドリフト領域と、前記半導体基板の第1主面側に形成されたMOS構造と、前記半導体基板の第2主面側から導入された第1導電型不純物を含有するバッファ層と、前記半導体基板の第2主面側の表面上に形成された、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなる半導体層であって、第2導電型不純物を含有する半導体層からなるコレクタ層とを備えることを特徴とする。
本発明のIGBTによれば、従来のIGBTよりもオン抵抗が低く、製造コストの安価なIGBTを提供することが可能となる。
実施形態1に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態1に係るIGBT100における深さ方向の不純物濃度分布を示す図である。 実施形態2に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態3に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態4に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態5に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態5に係るIGBT102における深さ方向の不純物濃度分布を示す図である。 実施形態6に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 従来のIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 従来の他のIGBTの製造方法を説明するために示す図である。
以下、本発明のIGBTの製造方法及びIGBTについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るIGBTの製造方法を示す図である。図1(a)〜図1(h)は各工程図である。図2は、実施形態1に係るIGBT100における深さ方向の不純物濃度分布を示す図である。図2において、横軸はn型シリコン層114とp型シリコン層116との界面からの距離を示し、深さが深くなる方向を正とし、深さが浅くなる方向を負としている。
実施形態1に係るIGBTの製造方法は、図1に示すように、パンチスルー型のIGBT100を製造するためのIGBTの製造方法である。そして、n型シリコン基板112を準備する第1工程(図1(a)参照。)と、n型シリコン基板112の第1主面側表面にMOS構造120を形成する第2工程(図1(b)参照。)と、n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112を研削・研磨してn型シリコン基板112を薄くする第3工程(図1(c)参照。)と、n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する第4工程(図1(d)参照。)と、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、p型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を形成する第5工程(図1(e)及び図1(f)参照。)と、n型シリコン基板112の第2主面側からレーザー光を照射して多結晶シリコン層116”を溶融させる第6工程(図1(g)参照。)と、p型シリコン層116の表面にコレクタ電極134を形成する工程(図1(h)参照。)とをこの順序で含む。
なお、図1中、符号114’はn型不純物導入層を示し、符号116’はp型不純物が導入される前の多結晶シリコン層を示し、符号116はp型シリコン層を示し、符号122はp型ベース領域を示し、符号124はn型エミッタ領域を示し、符号126はゲート絶縁膜を示し、符号128はゲート電極を示し、符号130は層間絶縁膜を示し、符号132はエミッタ電極を示す。以下、各工程を順次説明する。
(1)第1工程
第1工程は、n型シリコン基板112を準備する工程である(図1(a)参照。)。n型シリコン基板112の不純物濃度は例えば1×1014cm−3である。n型シリコン基板112の厚さは例えば500μmである。
(2)第2工程
第2工程は、n型シリコン基板112の第1主面側表面にMOS構造120を形成する工程である(図1(b)参照。)。MOS構造120の形成は、例えば以下のようにして行う。すなわち、n型シリコン基板112の第1主面側表面にp型ベース領域122を形成し、当該p型ベース層の表面にn型エミッタ領域を示124を形成する、その後、n型シリコン基板112の第1主面側表面を清浄化した後、熱酸化法によりシリコン熱酸化膜を形成し、例えばn型不純物が高濃度でドープされた多結晶シリコン層を形成する。その後、写真工程により多結晶シリコン層からゲート電極128を形成し、シリコン熱酸化膜からゲート絶縁膜126を形成する。その後、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜130を形成した後、アルミニウムからなるエミッタ電極132を形成し、ポリイミドからなる保護絶縁膜(図示せず。)を形成する。
(3)第3工程
第3工程は、n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112を研削・研磨してn型シリコン基板912を薄くする工程である(図1(c)参照。)。これにより、n型シリコン基板912の厚さは例えば70μmとなる。
(4)第4工程
第4工程は、n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する工程である(図1(d)参照。)。
当該第4工程においては、100keV以下の加速電圧(例えば30keV)でn型シリコン基板112の第2主面側からn型不純物(例えばリンイオン)をイオン注入(ドーズ量:例えば1×1012cm−2〜1×1014cm−2)することにより、n型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する。
(5)第5工程
第5工程は、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、p型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を形成する工程である(図1(e)及び図1(f)参照。)。
当該第5工程においては、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上にノンドープの多結晶シリコン層116’を気相法(例えばスパッタ法)により形成し、その後、100keV以下の加速電圧(例えば30keV)で多結晶シリコン層116’の表面側からp型不純物(例えばボロンイオン)をイオン注入(ドーズ量:例えば2×1013cm−2〜2×1015cm−2)することにより、多結晶シリコン層116’の内部にp型不純物を導入し、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、p型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を形成する。多結晶シリコン層116’の厚さは、図2に示すように、例えば1μmである。
(6)第6工程
第6工程は、n型シリコン基板112の第2主面側からレーザー光を照射して多結晶シリコン層116”を溶融させる工程である(図1(g)参照。)。
レーザー光としては、可視光レーザー(例えば、波長532nmのグリーンレーザー。)を用いる。例えば30kHzでパルス発振させた、例えば直径100μmのビームを300mm/秒の速度でn型シリコン基板112の第2主面側の全面にわたって走査する。
これにより、多結晶シリコン層116”は溶融してその結晶粒が大結晶化するとともにp型不純物が活性化し、当該多結晶シリコン層116”がp型シリコン層116(コレクタ層)となる。また、n型不純物物導入層114’におけるn型不純物も活性化し、当該n型不純物物導入層114’がn+型シリコン層(バッファ層)となる。
(7)第7工程
第7工程は、p型シリコン層116の表面にコレクタ電極134を形成する工程である(図1(h)参照。)。
図1(h)に示すように、p型シリコン層116の表面にコレクタ電極134を形成することにより、パンチスルー型のIGBT(実施形態1に係るIGBT100)が完成する。
すなわち、実施形態1に係るIGBT100は、図1(h)に示すように、パンチスルー型のIGBTであって、n型シリコン基板112の第2主面側から当該n型シリコン基板112を研削・研磨して得られるn型シリコン基板112からなるドリフト領域と、n型シリコン基板の第1主面側に形成されたMOS構造120と、n型シリコン基板112の第2主面側から導入されたn型不純物を含有するn型シリコン層114からなるバッファ層と、n型シリコン基板の第2主面側の表面上に形成された、p型シリコン層116からなるコレクタ層とを備えるIGBTである。
なお、得られたIGBTの製造方法(実施形態1に係るIGBTの製造方法100)においては、図2に示すように、多結晶シリコン層116’(コレクタ層)の厚さは例えば1μmであり、多結晶シリコン層116’(コレクタ層)における、p型不純物の最大不純物濃度は例えば2×1019cm−3である。また、バッファ層における、n型不純物の最大不純物濃度は例えば1×1018cm−3であり、n型不純物の最大不純物濃度を示す深さは多結晶シリコン層116’の表面から例えば1.1μmである。
上記のような工程を含む実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、n型シリコン基板112を薄くする第3工程を実施した後、「n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する第4工程」と、「n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、p型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を形成する第5工程」と、「n型シリコン基板112の第2主面側からレーザー光を照射して多結晶シリコン層116”を溶融させる第6工程」とをこの順序で実施することにより、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれn型シリコン基板112の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、n型シリコン基板112を薄くする第3工程を実施した後、「n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する第4工程」と、「n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、p型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を形成する第5工程」と、「n型シリコン基板112の第2主面側からレーザー光を照射して多結晶シリコン層116”を溶融させる第6工程」とをこの順序で実施することにより、パンチスルー型のIGBTを製造することとしているため、従来のIGBTの製造方法のように「n型エピタキシャル層及びn型エピタキシャル層の厚さを精密に制御する」必要も「エピタキシャル基板を研削・研磨する」必要もなくなる。このため、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、コレクタ層を10μm以下の厚さにすることが可能となり、従来のIGBTの製造方法によって製造されるIGBTよりもオン抵抗の低いIGBTを製造することが可能となる。
また、本発明のIGBTの製造方法によれば、n型シリコン基板112を薄くする第3工程を実施した後、「n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する第4工程」と、「n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、p型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を形成する第5工程」と、「n型シリコン基板112の第2主面側からレーザー光を照射して多結晶シリコン層116”を溶融させる第6工程」とをこの順序で実施することにより、パンチスルー型のIGBTを製造することとしているため、「n型シリコン基板112の第2主面側からn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する第4工程」においては、n型シリコン基板112の第2主面側における深い位置にn型不純物を導入する必要がなくなる。このため、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、数百keV〜数MeVの加速電圧を印加できる高加速電圧のイオン注入装置を用いる必要がなくなり、従来の他のIGBTの製造方法よりも製造コストを低減することが可能なIGBTの製造方法となる。
その結果、実施形態1に係るIGBTの製造方法は、従来のIGBTの製造方法によって製造されるIGBTよりもオン抵抗の低いIGBTを、安価な製造コストで製造することが可能なIGBTの製造方法となる。
また、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、第4工程においては、100keV以下の加速電圧でn型シリコン基板112の第2主面側からn型不純物をイオン注入することにより、n型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入することとしているため、第4工程においてn型シリコン基板112の第2主面側における比較的浅い領域にn型不純物が導入されることになるが、その後の第5工程においてn型シリコン基板112の第2主面側の表面上に多結晶シリコン層を形成するため、結果として、n型シリコン基板112の第2主面側における深い位置にバッファ層を形成することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に多結晶シリコン層116’を気相法(例えばスパッタ法)により形成する工程と、100keV以下の加速電圧で多結晶シリコン層116’の表面側からp型不純物をイオン注入することにより、多結晶シリコン層116’の内部にp型不純物を導入する工程とをこの順序で含む第5工程を実施することにより、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上にp型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を別途後付け形成することが可能となり、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれn型シリコン基板112の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、第5工程においては、多結晶シリコン層116’100nm〜800nmの厚さに形成することとしているため、安定した特性をもったコレクタ層を形成するとともに、オン抵抗の低いIGBTを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、半導体基板としてn型シリコン基板112を用い、半導体層として多結晶シリコン層116’を用いるため、シリコン系のIGBTを製造することが可能となる。また、多結晶シリコン層116”は凹凸のある表面を有することから、第6工程で照射するレーザー光の反射率を低減させることによりレーザー光の吸収効率を向上させ、より低パワーのレーザー装置を用いてレーザー光を照射することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、第6工程においては、出力10W以下のグリーンレーザーを用いてレーザー光を照射することとしているため、多結晶シリコン層116”を溶融する際の制御が容易となる。このため、多結晶シリコン層116”そのものを蒸発させることとなく、p型不純物を活性化させることができる。
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係るIGBTの製造方法を示す図である。図3(a)〜図3(h)は各工程図である。
実施形態2に係るIGBTの製造方法は、基本的には実施形態1に係るIGBTの製造方法と同様の工程を含むが、第4工程の内容が実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係るIGBTの製造方法においては、図3(特に図3(d))に示すように、第4工程においては、n型シリコン基板112の第2主面側の表面にn型不純物を含む溶液を塗布する工程と、n型シリコン基板112の第2主面側からレーザー光を照射してn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する工程とをこの順序で実施することとしている。
実施形態2に係るIGBTの製造方法においても実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合と同様に、第4工程においてn型シリコン基板112の第2主面側における比較的浅い領域にn型不純物が導入されることになるが、実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合と同様に、その後の第5工程においてn型シリコン基板112の第2主面側の表面上に多結晶シリコン層116’を形成するため、結果として、n型シリコン基板112の第2主面側における深い位置にバッファ層を形成することが可能となる。
また、実施形態2に係るIGBTの製造方法によれば、イオン注入装置を用いることなく、n型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入することが可能となり、より一層安価な製造コストでIGBTを製造することが可能となる。
なお、実施形態2に係るIGBTの製造方法においては、n型不純物を含む溶液としては、例えばリン化合物(例えば、ピロリン酸。)を有機溶媒(例えば、エタノール。)に溶解させた液体などを好ましく用いることができる。塗布の方法としては、ディッピング法、スピナー法、スプレー法、刷毛塗り法などの公知の方法を用いることができる。
[実施形態3]
図4は、実施形態3に係るIGBTの製造方法を示す図である。図4(a)〜図4(h)は各工程図である。
実施形態3に係るIGBTの製造方法は、基本的には実施形態1に係るIGBTの製造方法と同様の工程を含むが、第5工程の内容が実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係るIGBTの製造方法においては、図4(特に図4(e)及び図4(f))に示すように、第5工程においては、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、多結晶シリコン層116’を気相法により形成する工程と、多結晶シリコン層116’の表面にp型不純物を含む溶液を塗布する工程をこの順序で実施することしている。
上記のような工程を有する実施形態3に係るIGBTの製造方法によっても、実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合と同様に、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、p型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を別途後付け形成することが可能となり、結果として、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれn型シリコン基板112の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、実施形態3に係るIGBTの製造方法によれば、イオン注入装置を用いることなく、上記した多結晶シリコン層116”を形成することが可能となり、より一層安価な製造コストでIGBTを製造することが可能となる。
なお、実施形態3に係るIGBTの製造方法においては、p型不純物を含む溶液としては、例えばボロン化合物(例えば、トリエトキシボロン。)を有機溶媒(例えば、エタノール。)に溶解させた液体などを好ましく用いることができる。塗布の方法としては、ディッピング法、スピナー法、スプレー法、刷毛塗り法などの公知の方法を用いることができる。
[実施形態4]
図5は、実施形態4に係るIGBTの製造方法を示す図である。図5(a)〜図5(h)は各工程図である。
実施形態4に係るIGBTの製造方法は、基本的には実施形態1に係るIGBTの製造方法と同様の工程を含むが、第4工程及び第5工程の内容が実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係るIGBTの製造方法においては、図5(特に図5(d))に示すように、第4工程においては、n型シリコン基板112の第2主面側の表面にn型不純物を含む溶液を塗布する工程と、n型シリコン基板112の第2主面側からレーザー光を照射してn型シリコン基板112の内部にn型不純物を導入する工程とをこの順序で実施し、第5工程においては、図5(特に図5(e)及び図5(f))に示すようにn型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、多結晶シリコン層116’を気相法により形成する工程と、多結晶シリコン層116’の表面にp型不純物を含む溶液を塗布する工程をこの順序で実施することしている。
上記のような工程を有する実施形態4に係るIGBTの製造方法によっても、実施形態1〜3に係るIGBTの製造方法の場合と同様に、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれn型シリコン基板112の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
[実施形態5]
図6は、実施形態5に係るIGBTの製造方法を示す図である。図6(a)〜図6(h)は各工程図である。図7は、実施形態5に係るIGBT100dにおける深さ方向の不純物濃度分布を示す図である。図7において、横軸はn型シリコン層114とp型シリコン層116との界面からの距離を示し、深さが深くなる方向を正とし、深さが浅くなる方向を負としている。
実施形態5に係るIGBTの製造方法は、基本的には実施形態1に係るIGBTの製造方法と同様の工程を含むが、第5工程の内容が実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態5に係るIGBTの製造方法においては、図6(特に図6(e))に示すように、第5工程において、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上に、p型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を気相法(例えばスパッタ法)により形成する工程を実施することとしている。
上記のような工程を有する実施形態5に係るIGBTの製造方法によっても、実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合と同様に、n型シリコン基板112の第2主面側の表面上にp型不純物を含有する多結晶シリコン層116”を別途後付け形成することが可能となり、結果として、コレクタ層、バッファ層及びドリフト層がそれぞれn型シリコン基板112の第2主面側における所定の深さに形成されたパンチスルー型のIGBTを製造することが可能となる。
また、実施形態5に係るIGBTの製造方法によれば、イオン注入装置を用いることなく、上記した多結晶シリコン層116”を形成することが可能となり、より一層安価な製造コストでIGBTを製造することが可能となる。
また、実施形態5に係るIGBTの製造方法によれば、図7に示すように、実施形態1に係るIGBTの製造方法の場合よりも、コレクタ層の深さ方向に沿って均一にp型不純物を導入できるため、1μm〜10μmの厚さを有する、比較的厚めのコレクタ層を備えるIGBTを容易に製造することができる。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記した実施形態5においては、イオン注入装置を用いて第4工程を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではない。図8は、変形例に係るIGBTの製造方法を示す図である。図8(a)〜図8(h)は各工程図である。例えば、図8に示すように、実施形態2又は4の場合と同様に、イオン注入装置を用いることなく、第4工程を実施してもよい。
(2)上記した実施形態1においては、第6工程を実施する際に、第4工程中に半導体基板の内部に導入されたn型不純物を活性化させているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第4工程と第6工程との間に、500℃以下の温度で半導体基板の熱処理を行ってn型不純物を活性化させてもよい。
(3)上記した各実施形態においては、第1導電型をn型とし第2導電型をp型として、本発明の半導体装置を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1導電型をp型とし第2導電型をn型としてもよい。
100,100a,100b,100c,100d,100e,800,900…IGBT、112,912…n型シリコン基板、114,914…n型シリコン層、114’,914’…n型不純物導入層、116,816,916…p型シリコン層、116’,116”…多結晶シリコン層、120,820,920…MOS構造、122,822,922…p型ベース領域、124,824,924…n型エミッタ領域、126,826,926…ゲート絶縁膜、128,828,928…ゲート電極、130,830,930…層間絶縁膜、132,832,932…エミッタ電極、134,834,934…コレクタ電極、140…n型不純物塗布層、142…p型不純物塗布層、810…エピタキシャル基板、814…n型エピタキシャル層、812…n型エピタキシャル層、916’…p型不純物導入層

Claims (11)

  1. パンチスルー型のIGBTを製造するためのIGBTの製造方法であって、
    第1導電型不純物を含有する半導体基板を準備する第1工程と、
    前記半導体基板の第1主面側表面にMOS構造を形成する第2工程と、
    前記半導体基板の第2主面側から前記半導体基板を研削・研磨して前記半導体基板を薄くする第3工程と、
    前記半導体基板の第2主面側から前記半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入する第4工程と、
    前記半導体基板の第2主面側の表面上に、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなり、第1導電型不純物とは反対導電型の第2導電型不純物を含有する半導体層を形成する第5工程と、
    前記半導体基板の第2主面側からレーザー光を照射して前記半導体層を溶融させる第6工程とをこの順序で含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  2. 請求項1に記載のIGBTの製造方法において、
    前記第4工程においては、100keV以下の加速電圧で前記半導体基板の第2主面側から第1導電型不純物をイオン注入することにより、前記半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入することを特徴とするIGBTの製造方法。
  3. 請求項1に記載のIGBTの製造方法において、
    前記第4工程においては、前記半導体基板の第2主面側の表面に第1導電型不純物を含む溶液を塗布する工程と、
    前記半導体基板の第2主面側からレーザー光を照射して前記半導体基板の内部に第1導電型不純物を導入する工程とをこの順序で含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記第5工程は、
    前記半導体基板の第2主面側の表面上に、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなる半導体層を気相法により形成する工程と、
    100keV以下の加速電圧で前記半導体層の表面側から第2導電型不純物をイオン注入することにより、前記半導体層の内部に第2導電型不純物を導入する工程とをこの順序で含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記第5工程は、
    前記半導体基板の第2主面側の表面上に、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなる半導体層を気相法により形成する工程と、
    前記半導体層の表面に第2導電型不純物を含む溶液を塗布することにより、前記半導体層の表面に第2導電型不純物を導入する工程とをこの順序で含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記第5工程は、
    前記半導体基板の第2主面側の表面上に、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなり、第2導電型不純物を含有する半導体層を気相法により形成する工程からなることを特徴とするIGBTの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記第5工程においては、前記半導体層を0.1μm〜5μmの厚さに形成することを特徴とするIGBTの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記半導体基板はシリコン基板であり、前記半導体層は多結晶シリコン層であることを特徴とするIGBTの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記第6工程においては、出力10W以下のグリーンレーザーを用いてレーザー光を照射することを特徴とするIGBTの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記第4工程と前記第6工程との間に、500℃以下の温度で前記半導体基板の熱処理を行って第1導電型不純物を活性化する工程をさらに含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  11. パンチスルー型のIGBTであって、
    第1導電型不純物を含有する半導体基板であって、当該半導体基板の第2主面側から当該半導体基板を研削・研磨して得られる半導体基板からなるドリフト領域と、
    前記半導体基板の第1主面側に形成されたMOS構造と、
    前記半導体基板の第2主面側から導入された第1導電型不純物を含有するバッファ層と、
    前記半導体基板の第2主面側の表面上に形成された、前記半導体基板を構成する半導体材料と同一の半導体材料からなる半導体層であって、第2導電型不純物を含有する半導体層からなるコレクタ層とを備えることを特徴とするIGBT。
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