JP5899730B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、炭化珪素(SiC)で構成される半導体層にトレンチが形成された構造をもつ半導体装置の製造方法、及びこの半導体装置に関する。
MOSFETは、各種のスイッチング素子等として使用されている。その中でも、特に大電流で駆動される素子(パワーMOSFET)として、トレンチゲート構造のものが知られている。
トレンチゲート構造のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)の断面構造の一例を図5に示す。この構造においては、MOSFETのドレインとして機能するn型の半導体基板90が用いられる。半導体基板90は、n(不純物濃度の高いn型)基板90aと、n(不純物濃度の低いn型)層90bの積層構造をなしている。また、MOSFETの活性領域となるp層91が更にこの上に形成されている。この構造において、表面からp層91を貫通し、n層90bに達する形態の溝(トレンチ)が形成され、溝の上端部に隣接するp層91中にn層92(ソース領域)が形成され、n層92の間にはp層93が形成されている。この溝は、図5中において紙面に垂直な方向に延びて形成されており、図5はこの溝が延伸する方向に垂直な断面となっている。この溝においては、その内部の表面全面にゲート酸化膜(SiO)94が形成された上で、多結晶シリコンで構成された多結晶シリコン層(ゲート電極)95で埋め込まれる。これらの構成の上面側には層間絶縁層96が形成されている。層間絶縁層96には複数の開口部が設けられており、この開口部を介してゲート配線97が多結晶シリコン層95と、ソース配線98がn層92(ソース領域)及びp層93とそれぞれ接続されている。n基板90aの裏面には、ドレイン電極99が形成されている。なお、溝の形態は任意であり、内部にゲート酸化膜94や多結晶シリコン層95を形成できる構造であれば、例えば溝ではなく平面視でドット状の形状とすることもできる。
この構成においては、ゲート配線97に閾値以上の電圧を印加することによって、溝中において多結晶シリコン層95とゲート酸化膜94を挟んで隣接したp層91(ゲート酸化膜94と接する側)にn型のチャンネルが誘起され、MOSFETがオン状態となる。すなわち、この場合に、ソース配線98(n層92)とドレイン電極99(ドレイン領域:n基板90a)間に電流が流れ、nチャンネルMOSFETとして動作する。この構造においては、ソース、ドレインと、これらの間のチャンネルが基板面と垂直方向に並んで形成されるため、小さな面積でもチャンネル領域を広くとることができ、ソースとドレイン間に大電流を流すことができる。このため、この構造は、パワーMOSFETとして特に好適である。
この際、MOSFETのチャンネル長を長くとる場合には、トレンチを深く、例えば1μm程度の深さで形成する必要がある。このため、半導体層においてこうした深いトレンチを形成する技術が開発されている。Siからなる半導体層においてこうしたトレンチを形成するためには、一般的にはフォトレジストをマスクとしたドライエッチングが適用されている。
一方、近年、炭化珪素(SiC)がSiの代わりに用いられたMOSFETが開発されている。SiCはSiと比べて禁制帯幅が広く、高耐圧化が容易であるために、このMOSFETは特にパワー素子として使用されている。SiCが用いられる場合においても、上記のトレンチゲート型のMOSFETは有効である。しかしながら、SiCはSiと結晶構造が異なり、原子間距離が密であり、原子間の結合エネルギーが大きいため、そのエッチング加工はSiの場合と比べて困難である。
このため、上記のようなトレンチを形成するために必要とされるエッチング時間は長くなる。あるいは、ドライエッチングを行う際にフォトレジストをマスクとして使用する場合におけるマスクのエッチング耐性が不足する。このため、SiCに対してトレンチのエッチングを行う際には、反応ガスとしてSFやHClを用い、マスクとしてニッケル(Ni)、タングステン(W)、コバルト(Co)等の金属を使用したドライエッチングが行われている。こうした金属材料は、上記の反応ガスを用いたドライエッチングにおいては耐性があるために、マスクとして使用することが可能である。
また、特許文献1には、SiCで構成された半導体層に局所的にイオン注入を施し、イオン注入によって形成されたイオン照射損傷層をウェットエッチングで化学的に除去する技術が記載されている。この技術においては、Ar等、SiC中において電気的に不活性な元素を局所的に多量にイオン注入することにより、結晶配列の秩序が乱れた非晶質相を主成分とするイオン照射損傷層を形成する。このイオン照射損傷層中においては原子間の結合エネルギーが小さくなるため、エッチングを容易に行うことができる。特に、フッ硝酸等を用いたウェットエッチングによって、半導体層に損傷を与えることなくこのイオン照射損傷層のみを選択的に化学的にエッチングすることが可能である。
こうした製造方法を用いて、SiCを用いたトレンチゲート型のMOSFETを製造することができる。なお、半導体層におけるトレンチ構造は、トレンチゲート型のMOSFET以外にも、例えば素子分離等にも使用されている。こうした場合にもこの製造方法が有効であることは明らかである。
米国特許第5436174号公報
金属をマスクとしたドライエッチングを行う場合には、半導体層のエッチングを行う前に、マスクとなる金属のエッチングを行うことが必要となる。ところが、上記のようなSiCのドライエッチングにおける耐性の高い金属材料のエッチングは容易ではなく、加工を高精度で行うことは特に困難である。また、こうした金属材料はSiCにおいては電気的に活性な不純物となるため、製造工程においてこうした金属材料がMOSFETの活性領域に拡散しないような構成やプロセスを用いることが必要となる。
一方、イオン注入を用いる特許文献1に記載の技術において、イオン注入によって形成されるイオン照射損傷層の深さは、注入されるイオンのエネルギーに依存する。しかしながら、この深さを例えば1μm程度としようとすると、充分なイオン電流が得られないために注入時間が長くなる。このため、実際には、1μm程度の深さのトレンチを形成するためには、イオン注入とウェットエッチングを複数回繰り返す必要があった。
このように、SiCからなる半導体層において、単純な製造工程でトレンチ構造を形成することは困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の半導体装置の製造方法は、炭化珪素(SiC)で構成される半導体層中に溝が形成された構成を具備する半導体装置の製造方法であって、光を吸収する吸収層を前記半導体層の表面に局所的に形成する吸収層形成工程と、前記吸収層が形成された側から前記半導体層に対して光を照射する照射工程と、前記照射工程によって前記半導体層に形成された非晶質層をウェットエッチングによって除去することによって前記溝を形成する非晶質層除去工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記光の波長を、前記半導体層を構成する材料の禁制帯幅に対応するエネルギーの光の波長を越える波長とし、前記吸収層の厚さを、前記光を吸収した前記吸収層の発熱が前記半導体層に伝わることによって前記半導体層が非晶質化されるように設定することにより、前記照射工程において、前記吸収層の直下の前記半導体層に前記非晶質層を形成することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記光の波長を、前記半導体層を構成する材料の禁制帯幅に対応するエネルギーの光の波長以下の波長とし、前記吸収層の厚さを、前記光を吸収した前記吸収層の発熱が前記半導体層に伝わることによって前記半導体層が非晶質化されないように設定することにより、前記照射工程において、前記吸収層が形成されない領域の直下の前記半導体層に前記非晶質層を形成することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法において、前記吸収層は黒鉛で構成されることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記照射工程の後に、熱処理又は酸素プラズマ処理によって前記吸収層を除去する吸収層除去工程を具備することを特徴とする
本発明は以上のように構成されているので、SiCからなる半導体層において、単純な製造工程でトレンチ構造を形成することができる。
カーボンキャップ層を半導体層(SiC)上に形成した構造にレーザー光を照射した場合における半導体層中の温度分布を計算した結果である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。 トレンチゲート型のMOSFETの構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態となる半導体装置の製造方法につき説明する。この製造方法は、炭化珪素(SiC)の単結晶で構成される半導体層中に溝(トレンチ)が形成された構成を具備する半導体装置の製造方法である。ここでは、特許文献1に記載の技術と同様に、この半導体層に非晶質層を形成し、この非晶質層をウェットエッチングすることによって溝を形成する。この非晶質層を形成するために、特許文献1に記載の技術においては、イオン注入を用いていたのに対し、本発明の実施の形態となる半導体装置の製造方法では、光(レーザー光)の照射が用いられる。これにより、半導体層(SiC)の温度が急上昇して結晶配列秩序が崩れる。更に、レーザー光の照射が終了するとこの加熱された箇所は急冷されるために、非晶質化がなされる。このために必要となる加熱温度は1600℃以上である。
半導体層の上には、光を吸収する吸収層がパターニングされて形成される。形成される非晶質層(溝)の平面視における形状は、この吸収層によって規定される。ただし、特許文献1に記載の技術のようにイオン注入を用いる場合には、マスクが形成されていない領域においてのみイオン照射損傷層(非晶質層)が形成されるのに対し、この製造方法においては、吸収層のパターンと非晶質層の関係を、(1)吸収層の直下に非晶質層を形成する、(2)吸収層が形成されていない領域の直下に非晶質層を形成する、という二通りの設定とすることができる。
この設定は、吸収層がレーザー光を吸収することによって起こる温度分布と、光の波長を考慮して行うことができる。ここで使用される光としては、特に高輝度が得られ、かつ単色であるために半導体層における吸収を制御しやすいレーザー光が好ましく用いられる。一般に、レーザー光は小さなスポットサイズとされ、これが走査されることによって例えば上記の半導体層の全面を照射することができる。
黒鉛からなる吸収層を半導体層(SiC)の上に形成した構成に対して、波長が532nmのレーザー光を照射した際の温度分布を算出した。この波長はSiCの禁制帯幅に対応するエネルギーの光の波長(380nm程度)よりも長いため、SiCでは吸収されず、黒鉛で吸収される。このため、この波長のレーザー光を用いる場合には、吸収層でこのレーザー光を吸収させて発熱させ、その直下の半導体層を非晶質化するという、前記(1)の設定となる。
図1は、厚さが100nmの吸収層に対してレーザー光を照射した場合の半導体中の温度分布(吸収層/SiC界面を原点とする)である。SiCを非晶質化させることのできる温度は1600℃程度である。図1の結果より、半導体層の表面を2800℃程度とすることが可能であり、更に、表面から1μm程度の深さまで1600℃以上とすることが可能であることがわかる。すなわち、吸収層の直下に表面から1μm以上の深さの非晶質層を形成することが可能である。特許文献1に記載の通り、この非晶質層はウェットエッチングによって容易に除去することができ、この深さの溝を形成することが可能である。
ただし、SiCは2800℃以上の温度で昇華するため、半導体層の表面が2800℃以上とならない設定とすることが好ましい。こうした設定は、図1より、レーザー光のスポット径の調整によって行うことが可能である。あるいは、レーザー光の他の照射条件(走査速度等)、波長、吸収層の厚さの調整によって行うこともできる。吸収層が厚くなった場合には、レーザー光は吸収層の上部でのみ吸収されるため、発熱部は吸収層の上部のみとなる。この場合には、発熱部から半導体層表面までの距離が長くなるため、半導体層表面の温度が低下することは明らかである。このため、吸収層の厚さは、レーザー光が吸収層で充分吸収される範囲内で薄くすることが好ましい。すなわち、(1)の設定とする場合には、レーザー光の波長を、SiCでの吸収が小さな波長(SiCの禁制帯幅に対応するエネルギーをもつ光の波長を越える波長)とし、吸収体は、レーザー光を充分に吸収できる範囲内で薄くすることが好ましい。
一方、レーザー光の波長を、SiC中での吸収が大きな波長(SiCの禁制帯幅に対応するエネルギーの光の波長以下の波長)とする場合には、半導体層におけるレーザー光が直接照射された領域が発熱し、非晶質化する。また、同時に吸収層もこのレーザー光を吸収する場合、吸収層の上部も発熱する。従って、非晶質層を選択的に形成するためには、前記の場合とは逆に、吸収層の直下で非晶質層が形成されないようにすることが好ましい。すなわち、この場合には前記の(2)の設定となる。このためには、吸収層の発熱を半導体層に伝わりにくくするために、吸収層を充分厚くすることが好ましい。すなわち、(2)の設定の場合には、レーザー光の波長を、SiCでの吸収が大きな波長(SiCの禁制帯幅に対応するエネルギーをもつ光の波長以下の波長)とし、吸収体を厚くすることが好ましい。
以下に、本発明の実施の形態として、上記の吸収層を用いてトレンチを形成し、トレンチゲート型のMOSFETを製造する例について説明する。ここで、第1の実施の形態は、前記の(1)の場合、第2の実施の形態は、前記の(2)の場合に対応する。このMOSFETの基本的構造は図5に示されたものと同様である。また、このMOSFETを構成する半導体層の材料はSiCである。
(第1の実施の形態)
図2(a)〜(j)、図3(k)(l)は、この半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図2、3は、このトレンチゲート型MOSFETにおけるゲートが延伸する方向の溝に垂直な方向の断面図であり、同じ形状のMOSFETが横方向に並んで製造されている。隣接するMOSFETにおけるソース電極は共用とされている。
まず、図2(a)に示されるように、n型(第1の導電型)の半導体基板10にp型(第2の導電型)の半導体層であるp層11が形成される(活性層形成工程)。半導体基板10は、n基板10a上にn層10bをエピタキシャル成長されることによって形成されている。n基板10a、n層10bは、いずれも4H−SiC単結晶で構成される。この半導体基板10の面方位(図1(a)中の上側に向かう側の面方位)は、例えばα−SiC(0001)Si面である。p層11は、アクセプタとなる例えばアルミニウム(Al)、ホウ素(B)をイオン注入することによって形成される。p層11の厚さは例えば0.8μm程度であり、Alが注入される場合には、50〜400keVのエネルギー、2×1013cm−2程度のドーズ量とする。ただし、p層11を半導体基板10(n層10b)上にエピタキシャル成長させることも可能である。
次に、図2(b)に示されるように、p層11の表面に局所的にn層12を形成する(ソース領域形成工程)。n層12は、MOSFETのソースとなる領域であり、ドナーとなる元素(例えば燐(P)、窒素(N))がフォトレジスト層をマスクとして50〜100keVのエネルギー、2×1015cm−2程度のドーズ量でイオン注入されることによって形成される。n層12の深さは、p層11よりも充分浅く設定され、イオンの加速エネルギーによって調整できる。また、n層12の間には、逆にアクセプタがp層12よりも多くドーピングされたp層13が形成される。p層13は、例えばアルミニウム(Al)を50〜100keVのエネルギー、2×1015cm−2程度のドーズ量でイオン注入することによって形成される。
なお、上記のように、p層11、n層12、p層13はイオン注入によって形成される。ここで、p層11を形成するためのイオン注入、n層12、p層13を形成するためのイオン注入直後において、これらの層に対応する箇所はイオンによる照射損傷のために非晶質化しており、この時点ではp層11、n層12、p層13としては電気的に機能しない。これらの層を再結晶化し、かつ注入されたアクセプタ、ドナーを活性化するために、熱処理工程が行われる。この熱処理工程の温度は例えば1800℃程度であり、この熱処理工程後によってこれらの層はp層11、n層12、p層13として電気的に機能することができる。なお、この熱処理工程は活性層形成工程後とソース領域形成工程後の2回にわたり行ってもよく、ソース領域形成工程後に1回のみ行ってもよく、これらの層が電気的に機能でき、かつ後述する照射工程前に行われる限りにおいて任意である。
次に、図2(c)に示されるように、カーボンキャップ層(吸収層)30を、トレンチが形成されるべき箇所(n層12上)に形成する(吸収層形成工程)。カーボンキャップ層30は、黒鉛(グラファイト)で構成された層である。その形成方法としては、例えば、n層12上の全面にグラファイト材料をスパッタリングで形成し、その後、フォトレジストを塗布して、所定の位置にカーボンキャップ層30が形成されるように露光、エッチングを行う。その後、形成されたカーボンキャップ層30上に残ったフォトレジストを有機溶媒などで除去することで形成できる。また、逆にカーボンキャップ層30が形成されるべき箇所にフォトレジスト層を形成した後に不活性ガス中で高温の熱処理を行ってフォトレジスト層を炭化することによって、フォトレジスト層をカーボンキャップ層30に変質させることもできる。カーボンキャップ層30の厚さは例えば100nm程度とする。
次に、図2(d)に示されるように、この状態で、上方から半導体基板11の基板面に垂直にレーザー光100を照射する(照射工程)。レーザー光100は、小さなスポットサイズをもったビーム状であり、これが上面全面にわたり走査される。また、レーザー光100の波長は、カーボンキャップ層30では吸収されるがSiCには吸収されない程度の波長として、例えばSiCの禁制帯幅に対応するエネルギーの光よりも長波長となる532nm、808nmとする。このため、このレーザー光100は、図2(d)中においてカーボンキャップ層30でのみ吸収され、露出したn層12、p層13、及びこれらの直下の半導体基板11を透過する。レーザー光100を吸収したカーボンキャップ層30の温度は急激に上昇し、この温度が3000℃以上となる黒鉛の融解点よりも低ければ、カーボンキャップ層30は、その形態を保ったままで高温となる。この熱は直下のn層12、及びその下のp層11に伝わり、これらの層も高温となる。
その結果、カーボンキャップ層30直下においては、n層12、p層11、半導体基板10は、局所的に高温となる。この温度が1600℃以上であれば、これらの層におけるSiCの結晶性が変化する。更に、レーザー光100の照射が停止した後に、この領域は急冷される。これにより、この領域におけるSiCは非晶質化する。すなわち、図2(e)に示されるように、前記の(1)の通り、カーボンキャップ層(吸収層)30の直下に非晶質層40が形成される。この非晶質層40の平面視における幅はカーボンキャップ層30によって規定され、例えばその幅を2μm程度とすることができる。非晶質層40の深さは、前記の通り、1μm以上とすることも可能である
次に、図2(f)に示されるように、カーボンキャップ層30を除去する(吸収層除去工程)。カーボンキャップ層30は、酸素雰囲気での熱処理、あるいは酸素プラズマ処理によって、CO(気体)として除去することが可能である。この際、SiCで構成された半導体基板10等は影響を受けない。
特許文献1に記載の技術におけるイオン照射損傷層と同様に、非晶質層40においては結晶構造が維持されていないため、これをエッチングすることが容易である。このため、図2(g)に示されるように、例えばフッ硝酸を用いたウェットエッチングによって非晶質層40を選択的に化学的に除去することができる(非晶質層除去工程)。これにより、非晶質層40が形成されていた箇所にトレンチ200が形成される。なお、前記のソース領域形成工程後における熱処理(イオン注入後の熱処理)が照射工程以降においても行われていなかった場合には、イオン注入された層(n層12、p層13等に該当する領域)も、非晶質層40と同時に除去される。また、この熱処理を照射工程の後で非晶質層除去工程よりも前に行った場合には、非晶質層40が再結晶化し、非晶質層40をウェットエッチングで除去することが困難となる。このため、この熱処理は、照射工程より前に行うことが必要である。
次に、図2(h)に示されるように、この状態で酸化雰囲気で熱処理を行い、ゲート酸化膜14を形成する(ゲート酸化工程)。ゲート酸化膜14は、SiCがOと高温で反応して形成される。この際に同時にCO、COも形成されるが、これらは気体となって飛散するため、ゲート酸化膜14はSiO2を主成分とする層となる。なお、この酸化反応はSiCの全面で生ずるため、トレンチ200内の側面や底面にもゲート酸化膜14は形成される。この熱処理は、例えば水蒸気を用いた1300℃程度の温度のウェット酸化として行われ、ゲート酸化膜14をMOSのゲート絶縁層として使用するためには、その厚さを例えば50nm程度とする。この厚さは熱処理の時間で調整することが可能である。
次に、図2(i)に示されるように、多結晶シリコン層(ゲート電極)15をトレンチ200内に形成する(ゲート形成工程)。多結晶シリコン層15をこの形態で形成するためには、図2(h)の構造の上面側全面に多結晶シリコンを成膜した後に、多結晶シリコンを上側から異方性エッチング(ドライエッチング)するエッチバックを行えばよい。この際、トレンチ200内が多結晶シリコンで充填されるように、段差被覆性に優れたCVD法等によって多結晶シリコンの成膜を行うことが好ましい。また、多結晶シリコンにおいては、導電性を付与するために燐等がドーピングされる。この多結晶シリコン層15は、MOSのゲートとして機能する。また、多結晶シリコン層15と半導体基板10、p層11、n層12、p層13との間にはゲート酸化膜14が存在し、多結晶シリコン層15と半導体基板10、p層11、n層12、p層13とは直接接さない構成とされる。
次に、図2(j)に示されるように、上面全面に層間絶縁層16を形成する(層間絶縁層形成工程)。層間絶縁層16はゲート酸化膜14と同様にSiOを主成分とするが、層間絶縁層16は電極間や電極と半導体層との間等の絶縁のために用いられるため、CVD法等によってゲート酸化膜14よりも充分厚く形成する。
次に、図3(k)に示されるように、層間絶縁層16におけるコンタクトのための開口として、ゲート開口161、ソース開口162を形成する(コンタクト開口工程)。この工程は、フォトレジストをマスクとしたSiOのドライエッチングによって行われる。なお、この際に、層間絶縁層16直下のゲート酸化膜14も同時に除去される。このため、ゲート開口161の底部には多結晶シリコン層15が、ソース開口162の底部にはn層12がそれぞれ露出する構成とされる。
最後に、図3(l)に示されるように、ゲート開口161を覆ってゲート配線17が、ソース開口162を覆ってソース配線18が、裏面側にドレイン電極19が、それぞれ形成される(電極形成工程)。例えば、ゲート配線17は、ゲート配線17を構成する電極材料を全面に形成した後に、フォトレジストをマスクとしたドライエッチングによって図3(l)中に示される形態にパターニングすることによって得られる。ソース配線18についても同様である。ドレイン電極19はゲート配線17、ソース配線18とは逆に裏面側に設けられ、全面に形成することも可能である。ゲート配線17は多結晶シリコン層15と、ソース配線18はn型SiC(n層12)及びp層13と、ドレイン電極19はn型SiC(n基板10a)とオーミック接触をする材料でそれぞれ構成される。
上記の製造方法によって、トレンチゲート型のMOSFETが製造される。ここで、ソース領域形成工程、ゲート酸化工程、ゲート形成工程、層間絶縁層形成工程、コンタクト開口工程、電極形成工程については、従来より知られる製造方法と同様である。
ただし、上記の製造方法においては、トレンチ200を形成するために、吸収層形成工程、照射工程、吸収層除去工程、非晶質層除去工程を行っている。これにより、ドライエッチングによらずにトレンチ200を形成することができる。この点については、特許文献1に記載の技術と同様である。しかしながら、特許文献1に記載の技術では半導体層の表面から深くイオンを注入することが困難であるためにイオン照射損傷層を深く形成することが困難であった。これに対して、上記の製造方法においては、カーボンキャップ層30の膜厚やレーザー光100の照射条件の設定によって、非晶質層40を深く形成することが可能である。このため、この非晶質層40をウェットエッチングすることによって容易にトレンチ200を形成することができる。
すなわち、単純な製造工程でSiCからなる半導体層におけるトレンチ構造を形成することができ、容易にトレンチゲート型のMOSFETを製造することができる。これにより、低コストでこのMOSFETを製造することができる。
なお、上記の例では、吸収層としてカーボンキャップ層30が用いられていたが、レーザー光100を吸収し、これによって発生した熱を直下の半導体層に伝えて非晶質化を起こすことができる材料であれば、他の材料からなる吸収層を用いることも可能である。ただし、カーボンキャップ層30は半導体層(SiC)を構成する元素の一つである炭素(C)で構成されるため、トレンチをドライエッチングで形成する際に従来用いられていた金属マスクと異なり、半導体層に対して不純物としての悪影響を与えることがない。また、前記の吸収層形成工程、吸収層除去工程で示された通り、その形成・除去も極めて容易である。このため、カーボンキャップ層30を用いることが特に好ましい。
(第2の実施の形態)
上記の製造方法においては、吸収層直下に非晶質層を形成するという(1)の設定とされた。次に、吸収層が形成されない領域の直下に非晶質層を形成するという(2)の設定とした製造方法について説明する。この製造方法においては、図2、3に記載の製造方法における吸収層形成工程と照射工程が特に異なる。図4(a)〜(d)は、この吸収層形成工程と照射工程、及び照射工程後の断面形状を、図2(c)〜(f)に対応して示す工程断面図である。これら以外の工程については、図2、3に記載されたものと同様であるために説明を省略する。
ここでは、図4(a)に示されるように、カーボンキャップ層(吸収層)130を、図2(c)の場合とは逆に、トレンチが形成されない領域に形成する(吸収層形成工程)。カーボンキャップ層130は、図2(c)の場合におけるカーボンキャップ層30と比べて厚くされる。この厚さは、前記の通り、カーボンキャップ層30で発生した熱によって直下のn層12等が非晶質化しない程度である。カーボンキャップ層130の形成方法は、第1の実施の形態におけるカーボンキャップ層30と同様である。
次に、図4(b)に示されるように、レーザー光100を照射する(照射工程)。ここでは、レーザー光100の波長は、SiCにおける吸収が大きな、380nm以下とする。この波長のレーザー光はカーボンキャップ層130によっても吸収される。ただし、カーボンキャップ層130は厚く形成されており、カーボンキャップ層130においてレーザー光100が吸収されるのは、図4(b)中における破線で囲まれた上部の領域である。カーボンキャップ層130の厚さと同様に、レーザー光100の照射条件は、レーザー光100の照射による発熱によって直下のn層12、p層13が非晶質化しない程度に設定する。
一方、カーボンキャップ層130で覆われていない領域では、露出したn層12がレーザー光100で直接照射され、n層12、その直下のp層11、半導体基板10によってレーザー光100は吸収される。これにより、図4(c)に示されるように、これらの層を構成するSiCは非晶質化され、図2(e)の場合と同様に非晶質層40が形成される。ただし、図2(e)の場合にはカーボンキャップ層30の直下にのみ非晶質層40が形成されていたのに対し、ここではカーボンキャップ層130の直下には非晶質層40は形成されず、カーボンキャップ層130が形成されていない領域にのみ非晶質層40が形成される。
その後、図4(d)に示されるように、カーボンキャップ層130を除去する(吸収層除去工程)。この工程は図2(f)の場合と同様であり、得られる形状も同様である。このため、以降の工程は図2(g)以降と同様に行われる。なお、カーボンキャップ層130は図1の場合のカーボンキャップ層30よりも厚いが、前記と同様に熱処理や酸素プラズマ処理によってp層11等に悪影響を与えることなく除去をすることが可能である。
この製造方法においても、第1の実施の形態に係る製造方法と同様に、SiCで構成された半導体層にトレンチを容易に形成することができる。
このように、照射する光と吸収層の設定を適宜行うことにより、(1)吸収層の直下に非晶質層を形成する、(2)吸収層が形成されていない領域の直下に非晶質層を形成する、という二通りの設定を行うことができる。この設定は、トレンチの形状等、製造する半導体装置の構成や、照射するレーザー光の特性(波長、ビームサイズ、走査速度)に応じて、適宜行うことが可能である。
また、上記の例では、トレンチゲート型のMOSFETを製造する例について記載したが、トレンチ構造が用いられた半導体装置であれば、同様に製造することができることは明らかである。
10、90 半導体基板
10a、90a n基板
10b、90b n
11、91 p層
12、92 n層(ソース領域)
13、93 p
14、94 ゲート酸化膜(SiO
15、95 多結晶シリコン層(ゲート電極)
16、96 層間絶縁層
17、97 ゲート配線
18、98 ソース配線
19、99 ドレイン電極
30、130 カーボンキャップ層(吸収層)
40 非晶質層
100 レーザー光(光)
161 ゲート開口
162 ソース開口
200 トレンチ(溝)

Claims (5)

  1. 炭化珪素(SiC)で構成される半導体層中に溝が形成された構成を具備する半導体装置の製造方法であって、
    光を吸収する吸収層を前記半導体層の表面に局所的に形成する吸収層形成工程と、
    前記吸収層が形成された側から前記半導体層に対して光を照射する照射工程と、
    前記照射工程によって前記半導体層に形成された非晶質層をウェットエッチングによって除去することによって前記溝を形成する非晶質層除去工程と、
    を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記光の波長を、前記半導体層を構成する材料の禁制帯幅に対応するエネルギーの光の波長を越える波長とし、
    前記吸収層の厚さを、前記光を吸収した前記吸収層の発熱が前記半導体層に伝わることによって前記半導体層が非晶質化されるように設定することにより、
    前記照射工程において、前記吸収層の直下の前記半導体層に前記非晶質層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記光の波長を、前記半導体層を構成する材料の禁制帯幅に対応するエネルギーの光の波長以下の波長とし、
    前記吸収層の厚さを、前記光を吸収した前記吸収層の発熱が前記半導体層に伝わることによって前記半導体層が非晶質化されないように設定することにより、
    前記照射工程において、前記吸収層が形成されない領域の直下の前記半導体層に前記非晶質層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記吸収層は黒鉛で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記照射工程の後に、熱処理又は酸素プラズマ処理によって前記吸収層を除去する吸収層除去工程を具備することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
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