JP2012032830A - 位相差フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フマル酸エステル系樹脂からなるフィルムであって、該フィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合のそれぞれの関係がnx<ny≦nzであるフィルム(A)と、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂又はN−置換マレイミド系樹脂であるフィルムであって、該フィルムの3次元屈折率がフィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合に、ny>nx≧nz、あるいはny>nz≧nxの関係にあるフィルム(B)からなることを特徴とする位相差フィルム。
【選択図】 なし
Description
く、フィルム貼合に伴う角度ズレによる性能低下など、性能上に及ぼす影響も無視できない。
フマル酸ジエステル残基単位の置換基であるR1、R2は、それぞれ独立して、炭素数3〜12の分岐状アルキル基又は環状アルキル基であり、フッ素,塩素などのハロゲン基、エーテル基、エステル基若しくはアミノ基で置換されていても良い。ここで、炭素数3〜12の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜12の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械特性に優れた位相差フィルムとなることからイソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、特に耐熱性、機械特性のバランスに優れた位相差フィルムとなることからイソプロピル基が好ましい。
また、本発明の光学フィルムに用いるフィルム(B)は、上記式(1)により示される550nmの波長で測定したフィルムの面内位相差が、50〜2000nmであることが好ましい。
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名HLC−802A)を用い、THFを溶剤とし標準ポリスチレン換算値として求めた。
作製したフィルムの光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名NDH2000)を使用して測定した。
アッベ屈折率計(アタゴ製)を用い、JIS K 7142(1981年版)に準拠して測定を行った。
全自動複屈折計(王子計測機器株式会社製、商品名KOBRA−21ADH)を用い測定した。
正負の複屈折は延伸したフィルムの3次元屈折率から判定した。
30リットルオートクレーブ中に、部分ケン化ポリビニルアルコール0.2重量%を含む蒸留水18kg、フマル酸ジイソプロピル3kg、重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート7gを仕込み、重合温度50℃、重合時間24時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行なった。得られた粒子を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥しフマル酸ジイソプロピル単独重合体を得た。得られたフマル酸ジイソプロピル単独重合体の数平均分子量は16万であった。
合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル単独重合体をTHF溶液に溶解し22%溶液とし、さらにフマル酸ジイソプロピル単独重合体100重量部に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.35重量部およびリン系酸化防止剤としてペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.15重量部、紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール1重量部を添加した後、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、40℃、80℃および120℃で各々10分乾燥した後、幅250mm、厚み105μmのフィルムを得た。
合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル単独重合体をTHF溶液に溶解し22%溶液とし、フィルム作成例1と同様に、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、幅250mm、厚み124μmのフィルムを得た。
ポリカーボネート樹脂(アルドリッチ製)を塩化メチレン溶液に溶解し25%溶液とし、さらにポリカーボネート樹脂100重量部に対し、酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.35重量部およびペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.15重量部、紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール1重量部を添加した後、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、40℃、80℃および120℃で各々15分乾燥した後、幅250mm、厚み100μmのフィルムを得た。
ポリカーボネート樹脂(アルドリッチ製)を塩化メチレン溶液に溶解し25%溶液とし、フィルム試作例3と同様にして、幅250mm、厚み85μmのフィルムを得た。
フィルム作成例1で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度140℃、延伸速度10mm/min.の条件にて自由幅一軸延伸を施し1.2倍延伸した(以後フィルムA−1と称する)。延伸したフィルムの3次元屈折率を測定した結果(nx=1.4673、ny=1.4702、nz=1.4725)(nx<ny<nz)から、延伸軸方向の屈折率が小さく、得られたフィルムは負の複屈折を有するものであった。またフィルムの面内位相差Re=(ny−nx)×dは283nmであった。
フィルム作成例2で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度160℃、延伸速度10mm/min.の条件にて自由幅一軸延伸を施し1.25倍延伸した(以後フィルムA−2と称する)。延伸したフィルムの3次元屈折率を測定した結果(nx=1.4660、ny=1.4709、nz=1.4731)(nx<ny<nz)から、延伸軸方向の屈折率が小さく、得られたフィルムは負の複屈折を有するものであった。またフィルムの面内位相差Re=(ny−nx)×dは531nmであった。
フィルム試作例4で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度165℃、延伸速度20mm/min.の条件にて自由幅一軸延伸を施し1.5倍延伸した(以後フィルムB−3と称す。)。得られたフィルムの3次元屈折率はnx=1.5820、ny=1.5849、nz=1.5819(ny>nx>nz)と、正の複屈折性を示した。またフィルムの面内位相差(Re)は261nmであった。
市販のPESフィルム(ロンザ製)フィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度245℃、延伸速度20mm/min.の条件にて自由幅一軸延伸を施し1.5倍延伸した(以後フィルムB−4と称す)。得られたフィルムの3次元屈折率はnx=1.6587、ny=1.6611、nz=1.6587(ny>nz=nx)と、正の複屈折性を示した。またフィルムの面内位相差(Re)は149nmであった。
フィルム作成例2で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度140℃、延伸速度10mm/min.の条件にて自由幅一軸延伸を施し1.21倍延伸した(以後フィルムA−3と称する)。延伸したフィルムの3次元屈折率を測定した結果(nx=1.4671、ny=1.4702、nz=1.4725)(nx<ny<nz)から、延伸軸方向の屈折率が小さく、得られたフィルムは負の複屈折を有するものであった。またフィルムの面内位相差Re=(ny−nx)×dは312nmであった。
作製したフィルムA−3の進相軸およびフィルムB−5の進相軸を80度になるように貼合した。フィルムの面内位相差(Re)は181nmであった。また、波長450nmで測定した位相差(R450)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R450/R550)は、0.97であった。さらに、波長650nmで測定した位相差(R650)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R650/R550)は1.03であった。
作製したフィルムA−3の進相軸およびフィルムB−5の進相軸を70度になるように貼合した。フィルムの面内位相差(Re)は181nmであった。また、波長450nmで測定した位相差(R450)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R450/R550)は、0.98であった。さらに、波長650nmで測定した位相差(R650)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R650/R550)は1.02であった。
フィルムA−1のフィルムの面内位相差(Re)は283nmであった。また波長450nmで測定した位相差(R450)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R450/R550)は、1.04、波長650nmで測定した位相差(R650)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R650/R550)は0.99であった。
フィルムB−1のフィルムの面内位相差(Re)は130nmであった。また波長450nmで測定した位相差(R450)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R450/R550)は、1.08、波長650nmで測定した位相差(R650)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R650/R550)は0.96であった。
Claims (10)
- フマル酸エステル系樹脂からなるフィルムであって、該フィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合のそれぞれの関係がnx<ny≦nzであるフィルム(A)と、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂又はN−置換マレイミド系樹脂であるフィルムであって、該フィルムの3次元屈折率がフィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合に、ny>nx≧nz、あるいはny>nz≧nxの関係にあるフィルム(B)からなることを特徴とする位相差フィルム。
- フィルムの厚みをdとした時、下記式(1)により示される550nmの波長で測定したフィルムの面内位相差(Re)が50〜2000nmであるフィルム(B)からなることを特徴とする請求項1に記載の位相差フィルム。
Re=(ny−nx)×d (1) - フィルム(A)の式(1)により示される波長550nmで測定したフィルムの面内位相差(Re)が50〜2000nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差フィルム。
- フィルム(A)の進相軸とフィルム(B)の進相軸のなす角度が90度±20度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位相差フィルム。
- 550nmで測定したフィルム(A)のフィルムの面内位相差(Re)とフィルム(B)のフィルムの面内位相差(Re)の差が100〜160nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位相差フィルム。
- 550nmで測定したフィルム(A)のフィルムの面内位相差(Re)とフィルム(B)のフィルムの面内位相差(Re)の差が250〜300nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位相差フィルム。
- 波長450nmで測定した位相差(R450)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R450/R550)が1.0以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の位相差フィルム。
- 波長650nmで測定した位相差(R650)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R650/R550)が1以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の位相差フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の位相差フィルムが偏光板に積層されてなることを特徴とする複合偏光板。
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