JP2012032300A - 手巻き輪列及び該輪列を備えた時計用ムーブメント、並びに該ムーブメントを備えた時計 - Google Patents

手巻き輪列及び該輪列を備えた時計用ムーブメント、並びに該ムーブメントを備えた時計 Download PDF

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Abstract

【課題】ムーブメント自体で、巻上げトルクを所望レベル以下に確実に設定し得る手巻き輪列、時計用ムーブメント及び時計の提供
【解決手段】時計3のムーブメント2の手巻き輪列1は、巻真の回転を角穴車に伝達する複数の歯車を備え、該歯車のうち同心に形成された二つの車60,70がトルクリミッタ機構5を介して相互に結合され、トルクリミッタ機構が、一方の車70に基端部で装着され該基端部から先端部へと周方向に延在し係合部83を先端部に備える係合用腕部82と、他方の車60に形成され、前記係合部が弾性的に押圧されて係合され閾値を超えるトルクが働くと係合部83が外れて二つの車60,70の相対回転を許容する被係合部66とを有し、手動巻上げトルクに応じて、係合用腕部の先端係合部83に対して該係合用腕部の基端部から先端部に向かう向きで該係合部を被係合部から離間させる向きの力を被係合部66が及ぼす。
【選択図】図2

Description

本発明は、手巻き輪列及び該輪列を備えた時計用ムーブメント、並びに該ムーブメントを備えた時計に係る。
機械式時計のうち、手巻き式の時計では、ぜんまいをフルに巻き上げると巻上げトルクが急激に高くなって巻締め感が得られる。しかしながら、更に強い巻上げ力(トルク)をかけてしまうと、関連する部品が壊れて巻上げ等を行えなくなる虞れがある。すなわち、手巻き式時計では、通常、巻上げトルクの上限値を規定するトルクリミッタ機能すなわち安全作用ないし破損防止機能がない。
一方、自動巻き式の時計では、典型的には、香箱にスリッピングアタッチメントが設けられていて、巻上げトルクが該アタッチメントにより予め規定された所定レベルに達するまではぜんまいの自動的な巻上げが行われる反面、該巻上げトルクが該アタッチメントにより規定された一定レベルを越えると、スリッピングアタッチメントが香箱内ですべることによってぜんまいの外周側端部が香箱内で回り過剰な巻上げが妨げられるようになっている(例えば、特許文献1)。
ここで、スリッピングアタッチメントが香箱内においてある程度の体積を占有するのは避け難く、該占有体積を最低限に抑えようとしてスリッピングアタッチメントを薄くすると、上記トルクが小さくなり、ぜんまいが巻き上げられるレベルが低くなる。一方、巻上げトルクを高めようとすると、スリッピングアタッチメントを厚くする必要があり、結果的に、香箱内においてぜんまいが占める体積(香箱の実効容積)が減り、ぜんまいの巻数ないし持続時間(パワーリザーブ量)が減る。また、この場合、巻締め感は、スリッピングアタッチメントによって香箱内壁に押付けられたぜんまい体が該内壁に沿ってすべることによるトルク変動によって与えられるものであることから、ユーザには、ズルズルとした重い使用感のものになる。
なお、自動巻き式の時計においても、香箱内にトルクリミッタ機構を設けるのではなく、自動巻き輪列の一方向回転クラッチ機構部分にトルクリミッタ機能を付与することも、提案されたことがある(特許文献2)。
この提案の自動巻き輪列では、自動巻錘からの入力側歯車に取り付けられたC字状ばね及び回転軸が該C字状ばねの両端に回転自在に支持されると共に入力側歯車の半径径方向長穴に沿って径方向に変位可能な星車と、該星車に係合可能なラチェット車とが設けられていて、ぜんまい体(動力ぜんまい)の巻上げが完了する前の巻上げトルクが低い状態では入力側歯車の両方回転のうち一方向の回転が星車及びラチェット車の係合を介してラチェット車に伝達されてぜんまいの巻上げが行われ、香箱内のぜんまい体の巻上げが完了して巻締めトルクが急激に上昇すると、前記一方向の回転の際においても、C字状ばねを弾性変形させつつ星車の回転軸が半径方向外方へ逃げて、星車からラチェット車への回転の伝達が行われなくなる。
この特許文献2の自動巻き輪列に組み込まれたトルクリミッタ機構では、ラチェット車及び星車の組合せによる一方向回転クラッチ機構及びトルクリミッタ機能を実現するために複雑な構造及び精密な形状を要するだけでなく、「C」の一対の腕部のうち相対回転方向と逆向きに延在した腕部が適切に弾性変形し得るように長穴によって星車の軸を案内すべく更に複雑な構造及び精密な形状を要する。また、Cの腕部のうちの一方の腕部に対して、該腕部の先端部から基端部に向かう向きに不自然な応力がかかる虞れもある。
一方、一定値を越えるトルクがかかった場合、入力側が出力側に対して空回りするトルクリミッタ機構ないし機能をりゅうず(竜頭)に設けることも提案されている(特許文献3)。
しかしながら、この特許文献3に提案の方法では、特に、時計のムーブメントの範囲内でトルクの上限が規定されるものではなく、りゅうずをつけたコンプリートの状態にして初めてその機能を発揮できるので、所望の試験等も行いにくい。また、りゅうずの構造が複雑化してりゅうずが不自然なまでに肥大化するのを避け難い。更に、このようなりゅうずが量産されるとすると、スリップトルク(すべりが生じる閾トルク)を正確に所定に保つことは容易ではない。
特開2002−71836号公報 特開昭51−90859号公報 特開2009−115800号公報
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ムーブメント自体で、巻上げトルクを所望レベル以下に確実に設定し得る手巻き輪列及び該輪列を備えた時計用ムーブメント、並びに該ムーブメントを備えた時計を提供することにある。
本発明の手巻き輪列は、前記目的を達成すべく、巻真の回転を角穴車に伝達すべく相互に噛合した複数の歯車を備え、該複数の歯車のうち同心に形成された二つの車がトルクリミッタ機構を介して相互に結合された手巻き輪列であって、前記トルクリミッタ機構が、前記二つの車のうちの一方の車に基端部で装着され該基端部から先端部へと周方向に延在した係合用腕部であって係合部を先端部に備えるものと、前記二つの車のうちの他方の車に形成され、前記係合部が弾性的に係合される被係合部であって、閾値(閾レベル)を超えるトルクが働くと係合部が被係合部から外れて前記二つの車の相対回転を許容するように構成されたものとを有し、前記トルクリミッタ機構に手動巻上げトルクが加えられると、前記係合用腕部の係合部に対して、該係合用腕部の基端部から先端部に向かう向きで且つ該係合部を被係合部から離間させる向きの力を被係合部が及ぼすように構成される。
本発明の手巻き輪列では、該「巻真の回転を角穴車に伝達すべく相互に噛合した複数の歯車を備える」手巻き輪列自体において、「該複数の歯車のうち同心に形成された二つの車がトルクリミッタ機構を介して相互に結合されている」ので、香箱にスリッピングアタッチメントを配設することなくしてぜんまいの巻き上げトルクが閾レベルを越えるのを規制してぜんまいその他の時計部品等の破損を避け得るだけでなく、香箱内の体積をぜんまいに最大限あて得るから、ぜんまいを最大限長くしてパワーリザーブ量を最大化したりぜんまいのトルクを高めて時計の刻時精度を高めたりし得る。また、本発明の手巻き輪列では、該手巻き輪列自体にトルクリミッタ機能が設けられているので、りゅうずその他の外装部品にトルクリミッタ機能を持たせる必要がないから、りゅうず等が不自然に肥大化するのを避けて外装部品の外観等を最大限適切に保つのを可能にする。
また、本発明の手巻き輪列では、「前記二つの車のうちの一方の車に基端部で装着され該基端部から先端部へと周方向に延在した係合用腕部であって係合部を先端部に備えるものと、前記二つの車のうちの他方の車に形成され、前記係合部が弾性的に係合される被係合部であって、閾値を超えるトルクが働くと係合部が被係合部から外れて前記二つの車の相対回転を許容するように構成されたものとを有し、前記トルクリミッタ機構に手動巻上げトルクが加えられると、前記係合用腕部の係合部に対して、該係合用腕部の基端部から先端部に向かう向きで且つ該係合部を被係合部から離間させる向きの力を被係合部が及ぼすように構成される」ので、係合用腕部に対して該腕部の先端部の係合部を被係合部から離す向きの力は、係合用腕部の基端部から先端部に向かう向きの力成分を有する故、係合用腕部に対して座屈様の変形を生じさせるような不自然な圧縮応力(係合用腕部の先端部から基端部に向かう向きの力)がかかる虞れがないから、係合部と被係合部との間の係合及びその解除が確実に且つ長期間安定に行われ得る。ここで、閾値を越えるトルクは、係合部と被係合部との係合を解除させるに要するトルクであり、以下では、係合解除閾トルクともいう。すなわち、巻上げトルクが所定の閾レベル(係合解除閾トルク)以下の場合、手巻き輪列を構成する前記二つの車のうち入力側の車に加えられた巻上げトルクは、トルクリミッタ機構の係合部及び被係合部間の係合を介して前記二つの車のうちの出力側の車にそのまま伝達されて、該トルクに従ってぜんまいの巻上げが行われる。一方、ぜんまいの巻上げが実際上完了するとぜんまいの更なる巻き締めに係る負荷トルクが急激に増大して係合部と被係合部との間の係合解除に要する係合解除閾レベルを超えるので、巻上げトルクが係合解除閾レベルを超え、手巻き輪列を構成する前記二つの車のうち入力側の車に加えられた巻上げトルクにより、トルクリミッタ機構の係合部及び被係合部間の係合が解除されるから、前記二つの車のうちの出力側の車には巻き上げトルクは伝達されないで放出されて、ぜんまいの巻き上げが終る。ここで、係合解除に係るトルクの閾レベル(係合解除閾レベルないし係合解除閾トルク)は、当然ながら、ぜんまい体の巻上げ(巻締め)を完了させるに要する最低限の巻上げ閾トルクよりも大きく、ぜんまい体等に損傷を与えるのを避けるに要する閾レベルよりも小さい。
ここで、係合部及び被係合部のうちの一方は凸部ないし突起部を含み、係合部及び被係合部のうちの他方は該凸部(突起部)が丁度係合するないし丁度嵌り合う凹部ないし窪み部を含む。この凹部(窪み部)は、その両側又は一方の側に小凸部(突起部)を含み得る。以上において、凸部(突起部)の高さ及び該突起部を規定する側面の傾斜角度や、凹部(窪み部)の深さ及び該凹部(窪み部)を規定する側面の傾斜角度を所望に応じて設定しておくことにより、入力側の車と出力側の車との間で伝達され得るトルクの閾レベル(係合解除閾レベルないし係合解除閾トルク)が所望の大きさに設定され得る。また、係合部と被係合部と相互に係合状態にある場合、ぜんまいの巻上げのときりゅうずを巻上げ方向とその逆向きに交互に回す際にも係合状態が保たれるように、典型的には、逆向きの回転に対しても係合状態が保たれるようにしておくのが好ましい。
以上において、係合部と被係合部とは相互に係合されるものであって一方を係合部と称することに応じて他方を被係合部と称するけれども、両方を係合部と称しても、両方を被係合部と称してもよい。
手巻き輪列を構成する前記二つの車となる入力側及び出力側の車は、典型的には、夫々、きち車に噛合した下段丸穴車及び丸穴中間車に噛合した上段丸穴車からなる。その場合、丸穴車ときち車との相対的な位置関係や丸穴車と丸穴中間車との相対的な位置関係に伴うスペースが摩擦係合部の組込に効果的に利用され得る。なお、この明細書において、「上」段とは裏蓋側をいい、「下」段とは文字板側をいう。但し、巻真の配置次第では、逆であってもよい。
但し、手巻き輪列を構成する前記二つの車は、丸穴車の代わりに丸穴中間車のうちの一部であってもよい。
本発明の手巻輪列では、典型的には、前記二つの車のうち入力側の車が前記被係合部を外周に備えた小径部を有し、前記二つの車のうち出力側の車が前記小径部の被係合部に径方向に対面して係合し得るように前記係合部を先端部に備えた前記係合用腕部を有する。
この場合、係合用腕部として円弧状に湾曲した腕部を用い、該円弧の湾曲を解消する向きの力を加えることによって係合部による係合の開錠を行い得るから、係合及び該係合の解除が安定に行われ易い、なお、係合部と被係合部との間において径方向に係合が行われたり径方向に係合解除が行われる場合でも、入力側の車が小径部を備える代わりに、出力側の車が小径部を備えていてもよい。また、後述するように、二つの車の係合部と被係合部とが径方向に対面する代わりに軸方向ないし軸線方向(即ち、二つの車の回転中心軸線の延在方向と平行な方向)に対面してもよい。
本発明の手巻輪列では、典型的には、出力側の車が周方向に間隔をおいて前記係合用腕部を複数個有する。
その場合、係合部と被係合部との係合領域を典型的には周方向に等間隔に配置し得るから係合やその解除が安定に行われ易い。ただし、所望ならば、前記係合用腕部は一つだけであってもよい。
本発明の手巻輪列では、例えば、各係合用腕部が基端部で出力側の車に固定されている。
その場合、係合用腕部の支持が容易に行われ易い。
本発明の手巻輪列では、また、各係合用腕部が夫々の基端部から夫々の先端部とは反対向きに周方向に延びる弾性押圧用補助腕部を備え、各係合用腕部の弾性押圧用補助腕部が延在端部において周方向に隣接する別の係合用腕部の係合部を被係合部の方へ径方向に押圧するように構成されていてもよい。
その場合、補助腕部が係合用腕部の先端部を押さえるので、係合用腕部が確実に押圧されやすい。なお、この場合、先端部を押圧する弾性力は先端部のある腕部ではなくて弾性押圧用補助腕部によって行われ得る。また、基端部の両側に逆向きに延びた係合用腕部と弾性押圧用補助腕部とでバランスをとればよいので、係合用腕部の基端側での支持を安定に行い易いだけでなく、比較的小さくても係合解除閾トルクを大きくし易い。
本発明の手巻輪列では、また、前記係合用腕部が前記先端部から前記基端部とは反対向きに周方向に延びる両持ち支持用補助腕部を備え、全体として連続的な弾性リングをなすように、前記係合用腕部及び前記両持ち支持用腕部と同様に構成された別の係合用腕部及び別の両持ち支持用腕部が一体的に形成されていてもよい。
その場合、係合部が両持ち支持されるので、座屈様の応力がかかるのを確実に避けつつ比較的強い押圧力を安定にかけ易い。
この場合、典型的には、弾性リングのうち係合用腕部の基端部と両持ち支持用腕部の基端部との接続部が出力側の車に対して径方向に変位可能に遊嵌される。
その場合、リングの支持(回転の規制)と係合部の変位を生じさせる弾性変形の許容とを同時に実現し得る。ここで、製造等のし易さの観点から、典型的には、リングに径方向延在長穴が形成され車の本体の側に該長穴に遊嵌されるピンが植設される。但し、場合によっては、逆であってもよい。
本発明の手巻輪列では、係合部と被係合部が径方向に対面する代わりに軸方向に対面していてもよく、その場合、典型的には、前記二つの車のうち入力側の車が前記被係合部を軸線方向端面に備えた環状部を有し、前記二つの車のうち出力側の車が前記環状部の被係合部に軸方向に対面して係合し得るように前記係合部を先端部に備えた前記係合用腕部を有する。
この場合も、典型的には、出力側の車が周方向に間隔をおいて前記係合用腕部を複数個有し、また、更に、典型的には、各係合用腕部が基端部で出力側の車に固定される。
本発明の時計用ムーブメントは、前記目的を達成すべく、上述のような手巻輪列を備える。
また、本発明の時計は、前記目的を達成すべく、このような時計用ムーブメントを備える。
本発明の好ましい一実施例の手巻き輪列を備えた本発明の好ましい一実施例の時計用ムーブメントを有する本発明の好ましい一実施例の機械式時計の一部を示す断面説明図。 図1の時計の時計用ムーブメントのうち手巻き輪列を含む部分を示した平面説明図。 図1及び図2の時計の時計用ムーブメントの手巻き輪列のうち間にトルクリミッタ機構を含む車を示したもので、(a)は平面説明図、(b)は(a)のIIIB−IIIB線断面説明図。 図3に示したトルクリミッタ機構を含む車について更に説明するための図であって、(a)は図3の(b)のIVA−IVA線断面説明図、(b)はトルクリミッタ機構の規正トルクと入力側の車の回転角との関係を模式的に示したグラフ。 図3に示したトルクリミッタ機構を含む車の変形例(好ましい別の一実施例)を示したもので、(a)は図4の(a)と同様な(但し文字板側を見た)断面説明図、(b)は、図4の(b)と同様に、トルクリミッタ機構の規正トルクと入力側の車の回転角との関係を模式的に示したグラフ。 図3に示したトルクリミッタ機構を含む車の別の変形例(好ましい更に別の一実施例)を示したもので、(a)は図3の(a)と同様な平面説明図、(b)は(a)の側面説明図。 図3に示したトルクリミッタ機構を含む車の更に別の変形例(好ましい更に別の一実施例)を示したもので、図4の(a)と同様な断面説明図。 図1の手巻き輪列の一変形例の一部についての図1と同様な断面説明図。
本発明の好ましい実施の形態のいくつかを添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
本発明の好ましい一実施例の手巻き式時計3は、図1の断面説明図及び図2の平面説明図に示したような本発明の好ましい一実施例の手巻き輪列1を備えた本発明の好ましい一実施例のムーブメント2を有する。
時計3のムーブメント2は、図1の断面図からわかるように、厚さ方向Dの中央部に地板11を備え、巻真20が、A1,A2方向に出入り可能に且つ中心軸線BのまわりでB1,B2方向に回転可能に、地板11に支持されている。
巻真20は、大径円柱部22、小径部23、フランジ状部24、中径円柱部25、角柱部26等を備える。角柱部26にはつづみ車15がA1,A2方向に相対変位可能に嵌合され、中径円柱部25には、きち車18がB1,B2方向に相対回転可能に嵌合されている。16はおしどり、17はかんぬきである。
地板11の裏蓋7側(図1でみてD1方向)には、三番受12や香箱受13がある。地板11と該地板11の裏蓋7側に位置する三番受12との間、及び地板11の文字板19側(図1でみてD2方向)には、時計3の刻時及び時刻表示に係る刻時・運針輪列6(図2)が設けられている。輪列6は、がんぎ車6a等を含む。
地板11と香箱受13との間には、香箱車30が配置されている。香箱車30は、香箱本体31内にぜんまい体32を備え、渦巻きバネの形態の該ぜんまい体32は、外周端32aで香箱車本体31の内周面31aに係止され、内周端で香箱真33(図2)に取付けられている。香箱車本体31は歯車部31bで刻時・運針輪列6の歯車に噛合っている。香箱真33は、軸受部を介して地板11及び香箱受13に回転自在に支持され、香箱真33の突出端部には角穴車35が取付けられている。
手巻き輪列1は、きち車18に噛合した丸穴車構造体8と、該丸穴車構造体8につながった丸穴中間車機構9と該丸穴中間車機構9につながった角穴車35とを含む。
この例では、丸穴中間車機構9は、香箱受13と三番受12とにより回転自在に支持された第一丸穴中間車41及び第二丸穴中間車42からなる。第一丸穴中間車41は軸41aと、該軸41aと一体的な第一丸穴中間歯車41bと該軸41aと一体的で第一丸穴中間歯車41bよりも小径の第一丸穴中間かな41cとを含み、第一丸穴中間歯車41bで丸穴車構造体8の出力側歯車に噛合され、第一丸穴中間かな41cで第二丸穴中間車42に噛合されている。なお、第二丸穴中間車42は、角穴車35に噛合している。
丸穴中間車機構9及び角穴車35と共に手巻き輪列1を構成する丸穴車構造体8は、この例では、三番受12に取付けられている。
より詳しくは、丸穴車構造体8は、三番受12に嵌着された丸穴車案内ピン51を含む支持軸構造体50と、下段丸穴車60と、上段丸穴車70とを有する。下段丸穴車60と上段丸穴車70との間には、該下段及び上段丸穴車60,70を結合するトルクリミッタ機構5が形成されている。ここで、トルクリミッタ機構5は、下段丸穴車60の一部をなす下段側トルクリミッタ機構部分5aと、上段側トルクリミッタ機構部分5bとからなる。
支持軸構造体50の丸穴車案内ピン51は、大径のフランジ状部51aを基端に、小径の嵌着軸部51bを先端に、複数の中径軸部51d及び小径軸部51eを中間に備える。
下段丸穴車60は、図1及び図2に加えて図3の(a)及び(b)並びに図4の(a)からわかるように、環状板状の下段丸穴歯車本体61と、該下段丸穴歯車本体61に嵌着された円筒状爪車としてのクリックかな64とを有する。円筒状爪車64は、以下に説明するようにクリックばねと協働してクリック感を与える被係合部を外周に備える爪車であって歯車本体61よりも小径の一種の歯車からなることから、クリック歯車(クリックギア)のうち小さいものという意味で、この明細書では、「クリックかな」という。
下段丸穴歯車本体61は、外周に歯車部61aを備えると共に中央に孔61bを備える。下段丸穴歯車本体61は、また、文字板側表面の中央部に凹部62を備え、該凹部62の底面62aにおいて丸穴車案内ピン51の大径フランジ状部51aを受容している(図1)。
クリックかな64は、文字板側及び裏蓋側に小径部64a及び64bを備え、文字板側の小径部64aで下段丸穴車本体61の中央孔61bに嵌着されている。クリックかな64は、また、中央の円筒状部65の外周に周方向に等間隔に被係合部66を備える(この被係合部は後述の係合部83と相互に係合されるものであって被係合部と称する代わりに係合部と称してもよい)。各被係合部66は同一形状を有し、凹部67と該凹部67の両側の凸部68,69とからなる。各凸部68,69は、例えば、突部若しくは突起部又は山形形状部と称してもよい。凹部67は、底部67cでつながった側壁67a,67bによって規定される。凸部68は外側及び内側側壁68a及び68bによって規定され、凸部69も、同様に、外側及び内側側壁69a及び69bによって規定される。ここで、凹部67の側壁67aは凸部68の内側側壁68bと連続的に滑らかに繋がり、凹部67の側壁67bは凸部69の内側側壁69bと連続的に滑らかに繋がっている。一方、凸部68の外側側壁68a及び凸部69の外側側壁69aは、円筒状部65の円筒状周壁部65aになめらかにつながっている。
ここで、凹部67及び凸部68,69の形状(深さ乃至高さや傾斜の険しさ、即ち、側壁の深さ乃至高さや傾斜の程度や傾斜の仕方等)が所望に設定されることによって、トルクリミッタ機構5の閾トルクすなわち係合解除閾トルクTmax(図4の(b))や係合解除極大トルクTu(図4の(b))が規定される。
上段丸穴車70は、環状板状の上段丸穴歯車本体71と、該上段丸穴歯車本体71に回転可能に嵌合された二つのクリックばね80A,80B(両者を総称するとき又は相互に区別しないときは符号80で表す)とからなる。
より詳しくは、上段丸穴車70は、クリックばね80Aを中心軸線EAのまわりでE1A,E2A方向に回転自在に支持するガイドピン75A及びクリックばね80Bを中心軸線EBのまわりでE1B,E2B方向に回転自在に支持するガイドピン75Bを有すると共に、クリックばね80A,80Bを支える環状支持板部ないしアガキ決め座76(図1等)を有する。ばね80A,80Bは、次に説明するように、クリックかな64と協働して「パチパチ」というクリック感を与えるばねからなることから、この明細書では、「クリックばね」という。
ガイドピン75A,75Bは、同一形状で、両者を総称するとき又は相互に区別しないときは符号75で表す。より詳しくは、ガイドピン75A,75Bは上端小径部75aA,75aB及び下端小径部75bA,75bBと中央円柱状部75cA,75cBとを有する。ガイドピン75A,75Bは、上端小径部75aA,75aBで、環状板状の上段丸穴歯車本体71の直径方向に対向した(周方向に180度ずれたところに位置する)孔71aA,71aBに嵌着され、下端小径部75bA,75bBで、環状支持板部76の孔部76aA,76aBに嵌合又は嵌着されている。
クリックばね80Aは、中央肥大部81Aでガイドピン75Aの中央円柱状部75cAに回転自在に嵌合され、中央肥大部81Aから下段丸穴車60の概ね周方向に沿ってJ1方向に延び先端に係合部としての係合突部83Aを備えた係合腕部82Aと、中央肥大部81Aから下段丸穴車60の概ね周方向に沿ってJ2方向に逆向き延び先端に押圧部86Aを備えた弾性腕部85Aとを有する。クリックばね80Bも、クリックばね80Aと同様に、中央肥大部81Bでガイドピン75Bの中央円柱状部75cBに回転自在に嵌合され、中央肥大部81Bから下段丸穴車60の概ね周方向に沿ってJ1方向に延び先端に係合突部83Bを備えた係合腕部82Bと、中央肥大部81Bから下段丸穴車60の概ね周方向に沿ってJ2方向に逆向き延び先端に押圧部86Bを備えた弾性腕部85Bとを有する。
クリックばね80A,80Bの係合腕部82A,82Bの係合突部83A,83Bは、クリックかな64のうち相互に直径方向の反対側にある被係合部66,66の凹部67,67と係合可能であり、且つ該凹部67,67から脱出ないし離脱(係合解除)可能である。クリックばね80A,80Bの弾性腕部85A,85Bは、先端の押圧部86A,86Bで、直径方向に対向した位置にあるクリックばね80B,80Aの係合腕部82B,82Aに先端部の背後の部分84B,84A介して係合腕部82B,82Aの先端係合部83B,83Aをクリックかな64に対して弾性的に押し付ける。
即ち、係合腕部82B,82Aの先端係合部83B,83Aがクリックかな64の被係合部66,66の凹部67,67に係合している場合、係合腕部82B,82Aの先端係合部83B,83Aはクリックばね80A,80Bの弾性腕部85A,85Bによってクリックかな64の被係合部66,66の凹部67,67にE1B,E1A方向に弾性的に押付けられている。従って、負荷トルクが比較的小さい状態では、下段丸穴車60にJ1方向回転力が加えられた場合、下段丸穴車60のJ1方向回転に伴い係合腕部82B,82Aの先端係合部83B,83Aでクリックかな64の被係合部66,66の凹部67,67に弾性的に係合された上段丸穴車70もJ1方向に回転される。一方、上段丸穴車70のJ1方向回転負荷が係合解除閾レベルTmaxよりも高い場合、下段丸穴車60にJ1方向回転力が加えられて下段丸穴車60のクリックかな64の被係合部66,66の凹部67,67がJ1方向に回転されても、クリックばね80A,80Bの弾性腕部85A,85Bの弾性押圧力に抗して係合腕部82A,82Bの係合突部83A,83Bがクリックかな64の凹部67の傾斜側面67b,67bに沿って該傾斜側面67b,67bを上り係合突部83A,83Bが被係合部66,66の凹部67,67から出る。すなわち、クリックばね80A,80Bの係合腕部82A,82BがE2A,E2B方向に回動されることにより逃げてクリックかな64のJ1方向回転を許容するので、下段丸穴車60が上段丸穴車70に対してJ1方向に空回りする。すなわち、下段丸穴車60と上段丸穴車70との間にあるトルクリミッタ機構5において下流側の上段丸穴車70に対して換言すれば上段側(下流側)トルクリミッタ機構部分5bに対して係合解除閾レベルを超えるトルクがかかって、下段丸穴車60の上段丸穴車70への回転の伝達が解除され、下段丸穴車60が上段丸穴車70に対して空回りする。
以上において、下段側トルクリミッタ機構部分5aはクリックかな64からなり、上段側トルクリミッタ機構部分5bは、ガイドピン75A,75B及びクリックばね80A,80Bからなる。
以上の如く構成されたトルクリミッタ機構5を備えた丸穴車構造体8を具備する手巻き輪列1を有する時計3では、巻真20が最大限A2方向に押込まれた巻真0段目位置において、りゅうず(図示せず)をB1方向に回して巻真20をB1方向に回すと、つづみ車15に噛合されたきち車18もB1方向に回され、該きち車18のB1方向回転に伴い、該きち車18の歯車部18aに歯車部61aで噛合した下段丸穴車60が中心軸線JのまわりでJ1方向に回転される。
香箱車30のぜんまい体32の巻締めが完了していない場合には、トルク負荷が係合解除閾レベルよりも低いので、下段丸穴車60のJ1方向回転が、トルクリミッタ機構5を介して上段丸穴車70に伝達される。すなわち、香箱車30のぜんまい体32の巻締めが完了していない場合には、トルク負荷が巻上げ閾トルクTcよりも低く従って係合解除閾トルクTmax(>Tc)よりも低いので、クリックばね80A,80Bの弾性腕部85A,85Bの作用下でトルクリミッタ機構5のクリックばね80B,80Aがその係合突部83B,83Aでクリックかな64の対面する被係合部66,66の係合凹部67,67に対して係合状態に保たれるから、下段丸穴車60のJ1方向回転が、トルクリミッタ機構5を介して上段丸穴車70に伝達され、上段丸穴車70もJ1方向に回転される。上段丸穴車70のJ1方向回転は、該上段丸穴車70に噛合した丸穴中間車機構9を介して角穴車35に伝達され、角穴車35が中心軸線CのまわりでC1方向に回転されて、ぜんまい体32の巻上げ乃至巻締めが進行する。
一方、ぜんまい体32に巻上げが完了に近づいて巻上げトルクないし負荷トルクが高くなるとクリックばね80の係合突部83がクリックかな64の対面する被係合部66の係合凹部67の傍の凸部69に登るようにクリックばね80の弾性腕部85が撓み、香箱車30のぜんまい体32の巻締めが実際上完了すると、トルク負荷が急激に高くなって係合解除閾トルクTmaxを超えるので、クリックばね80の係合突部83がクリックかな64の対面する被係合部66の係合凹部67の傍の凸部69の頂部を完全に乗越えて係合部としての係合突部83と被係合部66との間の係合が解除されるから、ユーザがりゅうずから加えたトルクがぜんまい体32に伝わることなく放出される。従って、クリックばね80の係合突部83が凸部69から円筒状部65まで完全に下り切る。りゅうずを介してユーザの指先から加えられているB1方向トルクは、通常瞬時には変えられないので、ユーザが加える巻上げトルクTは係合解除閾トルクTmaxよりも高い状態が続くから、その間、クリックばね80の係合突部83は、円筒状周壁部65aに沿って移動した後で該円筒状周壁部65aに引き続く凸部68や、その後に位置する凹部67に引き続く凸部69等を次々に乗越えることになり、ユーザはパチパチとしたクリック感をトルク負荷の変動として(場合によってはその際の音と共に)感じ得、巻上げ感(巻締め感)を確実に感じ得る。
なお、その場合でも、りゅうずを介した巻真20の巻上げのために、ユーザが親指と人差し指との間にりゅうずを挟んでB1方向にまわして親指に沿ってりゅうずを転動させた後、その後B2方向に逆転させることを繰り返す際に、凹部67の傍の凸部68がクリックかな64とクリックばね80との相対回転を確実に禁止して位置ズレを防ぐ(巻真20の逆転B2は、つづみ車15ときち車18との間の一方向クラッチ連結部で許容される)。
一方、香箱車30のぜんまい体32の巻締めが実際上完了すると、トルク負荷が急激に高くなって係合解除閾トルクTmaxを超えるので、下段丸穴車60がJ1方向回転に回転しても、トルクリミッタ機構5が回転を伝達できなくなるから、上段丸穴車70は回転せず、それ以上の角穴車35及び香箱車30の回転は行われず、ぜんまい体32の巻上げは停止され、巻上げ乃至巻締めが完了する。すなわち、香箱車30のぜんまい体32の巻締めが実際上完了すると、トルク負荷が係合解除閾トルクTmaxを超えるので、クリックばね80A,80Bの弾性腕部85A,85Bの押圧力に抗してトルクリミッタ機構5のクリックばね80B,80Aの係合腕部82B,82Aが回動されてその係合突部83B,83Aとクリックかな64の対面する非係合部66,66の係合凹部67,67との係合が解除される。従って、下段丸穴車60の回転の伝達が、トルクリミッタ機構5のところで断たれ、上段丸穴車70や丸穴中間車機構9や角穴車35の回転は生じなくなり、ぜんまい体32の更なる巻上げ乃至巻締めは行われず、ぜんまい体32の巻上げ乃至巻締めが完了する。その場合、クリックかな64のJ1方向回転に伴いクリックばね80A,80Bの係合部83A,83Bが凸部68,69を次々に乗り越えていく際に、りゅうずを介して巻真20を回すユーザは、「パチパチ」というクリック感を感じ得る。
以上のような手巻き輪列1を備えるムーブメント2においては、ムーブメント2の手巻き輪列1自体にトルクリミッタ機構5が組込まれているので、自動巻式の場合と異なり、香箱車30の室内にスリッピングアタッチメントを配設する必要がない故、該スリッピングアタッチメントが占有する体積分だけをぜんまい体32が占め得るから、ぜんまい体32の長さが長くなって長時間安定なトルク出力が与えられたり、トルクレベルを高めて時計3の動作精度を高めることが可能になる。また、この手巻き輪列1を備えるムーブメント2では、ムーブメント2の手巻き輪列1自体にトルクリミッタ機構5が組込まれているので、トルクリミッタ機構をりゅうずその他の外装部品に持たせる必要がないから、りゅうずその他の外装部品が不自然に肥大化するのを避け得る。
より詳しくは、仮に、上段丸穴車70に極めて大きいトルク負荷がかかっていて、上段丸穴車70が実際上固定されていると仮定して、クリックかな64の回転角θに対するトルク(クリックかな64にかかるトルク)Tの変化を示すと、図4の(b)に示したようになる。以下において、図4の(a)に示したようにクリックばね80の係合腕部82の係合突部83がクリックかな64の凹部67に丁度嵌った状態を初期状態S0(θk=θr=0度で負荷トルクT=0)とする。ここで、θrはりゅうずないし巻真20の回転角を指し、θkはクリックかな64の回転角を指す。
クリックばね80の係合腕部82の係合突部83が側面83aにおいてクリックかな64の凹部67の傾斜側面67b(凸部69の内側側面69b)に当接した状態で該側面67bを上る際には、図4の(b)において、線分K1,K2で示したような負荷トルクTがクリックかな64にかかる。この負荷トルクTは、係合腕部82の係合突部83の先端部が凹部67の側面67bに沿って該凹部67のJ2方向にある凸部69の頂点まで上る際に、最大値Tmaxまで達する状態S1を経た後、0まで落ちる(係合突部83の先端部が丁度凸部69の頂点に達した状態S2)。
クリックばね80の係合腕部82の係合突部83がクリックかな64の凸部69の頂点を越えると、クリックばね80の係合腕部82の係合突部83は、頂点又は側面83bにおいてクリックかな64の凸部69の側面69aに当接した状態で該側面69aをJ1方向に押しながら移動する。すなわち、クリックかな64に対してりゅうずないし巻真20からJ1方向回転力をに加えなくても、クリックばね80の係合突部83がクリックかな64の凸部69の側面69aを下り切る状態S3に達するまでは、クリックかな64は、クリックばね80の弾性腕部85の弾性力によってJ1方向に回転せしめられる(つづみ車15ときち車18との噛合ないし係合はつづみ車15のB1方向回転をきち車18に伝えるけれども、つづみ車15のB2方向回転はきち車18に伝わらない一方向回転クラッチになっている)。この間におけるトルクTの変動は、図4の(b)において、例えば、線分K3a,K3b,K4によって示したとおりである。
その後、クリックばね80の係合腕部82の係合突部83が、クリックかな64の円筒状周面65aに沿って移動する間は、トルクTはほとんどかからず(摩擦抵抗分のトルクがわずかにかかる)(T≒0)、線分K5に沿って変化する。
次に、クリックばね80の係合腕部82の係合突部83がクリックかな64の凸部68の外側側面68aの端に当接する状態S4に達した後、クリックばね80係合腕部82の係合突部83がクリックかな64の凸部68の側面68aを上って該凸部68の頂点を越える際にも、凸部69の頂点を越える場合と同様に、線分K6,K7で示したような負荷トルクTがクリックかな64にかかる。この負荷トルクTは、係合腕部82の係合突部83の先端部が凸部68の頂点まで上る際に、極大値Tuに達する状態S5を経た後、0まで落ちる(係合突部83の先端部が丁度凸部68の頂点に達した状態S6)。
クリックばね80の係合腕部82の係合突部83がクリックかな64の凸部68の頂点を越えた場合にも凸部69の頂点を越えた場合と概ね同様に、クリックばね80の係合腕部82の係合突部83は、(頂点又は)側面83bにおいてクリックかな64の凸部68の側面68b又は頂点に当接した状態で該側面66aをJ1方向に押しながら移動し、クリックばね80の係合突部83がクリックかな64の凸部68の側面68bを下って凹部67に完全に嵌り込んだ初期状態S0に戻るまでは、クリックかな64は、クリックばね80の弾性腕部85の弾性力によってJ1方向に回転せしめられる。この間におけるトルクTの変動は、図4の(b)において、例えば、線分K8,K9によって示したとおりである。
以上において、クリックばね80の突部83は弾性腕部85の弾性力の作用下で凸部69,68を越えるので、クリックばね80がジャンパ(躍制部材)として働いて、躍制動作ないしジャンプ動作をする。即ち、線分K2から線分K5に移る際は、クリックばね80の突部83が弾性腕部85の弾性力の作用下で凸部69の側面69b,69aの間にある凸部69の頂点を丁度越え、その直後はクリックばね80A,80Bの弾性部材85A,85Bが、もう一方のクリックばね80B,80Aの係合腕部82B,82Aの背後の部分84B,84Aを押して係合腕部82B,82Aの係合突部83B,83Aがクリックかな64のうち対面位置にある凹部67,67の凸部69,69の外側側面69a,69aを押して、クリックかな64を回転させている。
例えば、ぜんまい体の巻上げ(巻締め)が完了するに要する最低限のトルクである巻上げ閾トルクTcは、図4の(b)において、Tc1で示したように、係合突部83が被係合部66の凸部68を円筒状部65a側から越える際の係合解除極大トルクTuよりも僅かに小さい。但し、巻上げ閾トルクTcは、図4の(b)において想像線Tc2で示したように、係合突部83が被係合部66の凸部69を凹部67側から越える際の係合解除閾トルクTmaxよりも十分に小さい限り、係合解除極大トルクTuよりも大きくてもよい。
以上の例では、円筒状周壁部65aが係合部66の凹部67間にあって該凹部67,67間が大きく且つ各凹部67が夫々独立な凸部68,69によって挟まれているので、該凹部67,67間が更に大きくなっているけれども、この円筒状周壁部65aの周方向の長さを変えておくことによって、巻き締めの際のクリック感を変え得る。なお、円筒状周壁部65aをなくし、凹部67の両側の凸部68,69を周方向に隣接する凹部67に共用させるようにしてもよい(次に説明する図5の(a)の例)。
以上においては、下段丸穴車60が入力側(きち車18を介して巻真20)につながり上段丸穴車70が出力側(丸穴中間車機構9を介して角穴車35)につながる例について説明したけれども、上段丸穴車70が入力側につながり、下段丸穴車60が出力側につながるようになっていてもよい。但し、その場合、例えば、クリックかな64を上段丸穴車70につけクリックばね80を下段丸穴車60につけるか、又はクリックばね80の係合部83が基端部である中央肥大部81から遠ざかる向きの周方向トルクをクリックかな64の係合部66から受けるようにクリックばね80を反転させた状態で配置する。
また、以上においては、クリックばねが上段丸穴車70の本体71に回動可能に取り付けられ且つ該クリックばねが別の同様なクリックばねによって弾性的に押圧されている例について説明したけれども、その代わりに、図5の(a)に示したように、クリックばね80Dは、上段丸穴車70Dの本体71Dに別々に(独立に)固定されていてもよい。
図5の(a)及び(b)に示したトルクリミッタ機構5Dにおいて、図1から図4の(a)及び(b)までに示したトルクリミッタ機構5の要素と実際上同一の要素には同一の符号が付され、トルクリミッタ機構5の要素と同様であるけれども異なるところのある要素には対応する符号の後に添字Dが付されている。
トルクリミッタ機構5Dは、下段丸穴車60Dの下段丸穴車本体61Dに嵌着されたクリックかな64Dを備える。クリックかな64Dは、クリックかな64(凹部67及びその両側の凸部68,69からなる係合部を幅広の円筒状部65aにより規定される間隔をおいて備える)の代わりに、両側の凸部68D,69Dが同一の形状の凸部68Dからなり、凹部67Dと凸部68Dとが周方向に交互に配置されてなる星形構造を有する。従って、凹部67Dの側壁67aDが凸部68Dの側壁68bDに一致し、凹部67Dの側壁67bDが凸部68の側壁68aDに一致する。
上段丸穴車70Dは、周方向に180度間隔をおいて二つのクリックばね80AD,80BD(両者を総称するとき又は両者を区別しないときには符号80Dで表す)を有する。
クリックばね80Dは、基端部81Dにおいてガイドピン77,78によって上段丸穴車本体71Dに位置決めされ固定され、腕部89の先端部に係合突部83Dを備える。ここで、腕部89は、先端に係合突部83Dを備える点では係合腕部82と類似し腕部自体が撓み弾性ないしバネ性を備える点では弾性腕部85に類似する。
以上の通り、クリックばね80Dは、相互に分離された二つのクリックばね80AD,80BDからなる。クリックばね80AD,80BDは、クリックばね80A,80Bと異なり、夫々基端部81AD,81BDにおいて上段丸穴車本体71Dに固定されており、クリックばね80A,80Bと異なり相互に独立に働く。
以上の如く構成されたトルクリミッタ機構5Dの動作は、クリックばねが常にジャンパになる点を除き、基本的には、トルクリミッタ機構5の場合と同様であって、例えば図5の(b)に示した通りである。より詳しくは、図5の(a)に示したように係合突部83Dがクリックかな64Dの凹部67Dに丁度嵌って係合されている初期状態S0D(θk=θr=0で且つT=0)から係合突部83Dの頂点が凸部68Dの頂点に達する状態S2Dまでの間で且つ状態S2Dに近いときトルクが最大Tmaxになる状態S1Dを採り、その後、係合突部83Dがクリックかな64Dの凹部67Dに丁度嵌り込む状態S0に戻るまでは、係合突部83Dによってクリックかな64Dの凸部68DをJ1方向に押す。
この場合には、クリックばね80AD,80BDが相互に別々に上段丸穴車本体71Dに取付けられるので、構造はより単純であるけれども、各クリックばね80AD,80BDの係合腕部自体が撓み弾性を有する必要があり且つ夫々の基端部81AD,81BDにおいて上段丸穴車本体71Dに固定される必要がある点では、精度が要求される。
なお、クリックかな64Dの各凹部67Dの両側の凸部68Dが同一である代わりに、トルクリミッタ機構5の場合と同様に、異なる凸部68,69からなっていてもよい。
以上においては、トルクリミッタ機構を構成する下段側トルクリミッタ機構部分と上段側トルクリミッタ部分とが径方向に対面し径方向に係合する例について説明したけれども、下段側及び上段側トルクリミッタ機構部分が径方向に対面し径方向に係合する代わりに、図6の(a)及び(b)に示したトルクリミッタ機構5Eのように、回転中心軸線Jの延在方向D1,D2に対面し該軸線Jの延在方向D1,D2に係合してもよい。
図6の(a)及び(b)のトルクリミッタ機構5Eにおいて、図1から図4の(a)及び(b)までに示したトルクリミッタ機構5の要素と実際上同一の要素には同一の符号が付され、トルクリミッタ機構5の要素と同様であるけれども異なるところのある要素には対応する符号の後に添字Eが付されている。また、図5のトルクリミッタ機構5Dの要素と概ね対応する要素の場合、(要素の最後に添字Dがあるときは該添字Dを除いた上で、要素の最後に添字Dがないときは同一の符号を用いると共に当該符号の)最後に添字Eが付されている。
図6の(a)及び(b)において、丸穴車構造体8Eは、支持軸構造体50Eと、下段丸穴車60Eと、上段丸穴車70Eと、クリックばね80Eとを有する。
下段丸穴車60Eは下段丸穴車本体61Eとクリックかな64Eとを有し、クリックかな64Eは、下段丸穴車本体61Eのうち上段丸穴車70Eに対面する大径環状面61cに一体的に配置された環状体64dからなる。クリックかな64Eは、上段丸穴車70Eに対して軸線Jの延在方向D1に対面する側に、周方向に等間隔に凹部67Eを備える。各凹部67Eは、周方向に関して該凹部67Eの一方の側(下流側)に傾斜側壁部67aEを備え、周方向に関して該凹部67Eの他方の側に垂直な側壁部67bEを備える。なお、下段丸穴車本体61Eは中央貫通孔61bEの周りにおいて大径環状面61cに凹部61dを備える。
上段丸穴車70Eは、上段丸穴車本体71Eと該円筒状スペーサ部73とを有する。円筒状スペーサ部73は、上段丸穴車70Eの上段丸穴車本体71Eと下段丸穴車本体61Eとの間に配置され、この例では、下段丸穴車本体61Eの凹部61dに嵌合されている。円筒状スペーサ部73は、典型的には上段丸穴車本体71Eに固定されているけれども、所定位置に保たれる限り固定されていなくてもよい。
クリックばね80Eは、環状板状本体部81Eと、周方向に間隔をおいて該本体部81Eから延びた複数の(この例では四本の)弾性係合腕部89Eとを有する。各弾性係合腕部89Eは、該本体部81Eから径方向に延びた基端側腕部分89aEと、該基端側腕部分89aEの延在端から周方向にJ1方向に且つ軸線方向D2に延びた先端側弾性腕部分89bEとを有し、該先端側弾性腕部分89bEの先端部分が係合端部83Eになっている。基端側腕部分89aEは、典型的には、環状板状本体部81Eに固定されるけれども、その代わりに、ばねになっていてもよい。
初期状態では、クリックばね80Eの各弾性係合腕部89Eの先端係合部83Eが図6の(b)に示したように、クリックかな64Eの凹部67Eに丁度嵌り込んだ位置を採り、クリックばね80Eの各弾性係合腕部89Eの先端係合部83Eは、クリックかな64Eの凹部67Eの傾斜側面67aEに弾性的に押付けられている。
従って、クリックかな64Eに対してJ1方向に働くトルクTが、クリックばね80Eの各弾性係合腕部89Eの先端係合部83Eとクリックかな64Eの凹部67Eの傾斜側面67aEとの間の摩擦係合力に起因する最大摩擦係合トルクないし係合解除閾トルク(トルクの閾レベル)Tmaxよりも小さい範囲では、クリックかな64EがJ1方向に回転されると、各弾性係合腕部89Eの先端係合部83Eにおいてクリックかな64Eの凹部67Eに係合したクリックばね80Eの本体81Eも該クリックかな64Eと一体的にJ1方向に回転される。すなわち、下段丸穴車60Eのトルクリミッタ機構部分5aEと上段丸穴車70Eのトルクリミッタ機構部分5bEとの間に働くトルクが係合解除閾トルクTmaxよりも小さい場合には、下段丸穴車60Eが受けるJ1方向トルクに応じて、該トルクが、そのまま、トルクリミッタ機構5Eを介して、上段丸穴車70Eに伝達され、手巻き輪列1Eの下流側部分に伝達される。ここで、当然ならが、この係合解除閾トルクTmaxは、ぜんまい体の巻上げ(巻締め)が完了するに要する最低限のトルクである巻上げ閾トルクTcよりも大きく、手巻き輪列の関連部品の損傷が生じる虞れのあるトルクのレベルよりも十分に小さい。
一方、クリックかな64Eに対してJ1方向に働くトルクTが、クリックばね80Eの各弾性係合腕部89Eの先端係合部83Eとクリックかな64Eの凹部67Eの傾斜側面67aEとによって規定される係合解除閾トルクTmaxを超えると、下段丸穴車60EがJ1方向に回転された場合に、クリックばね80Eの各弾性係合腕部89Eの先端係合部83Eがクリックかな64Eの凹部67Eの傾斜側面部67aEをJ2方向に上るようになり、クリックかな64Eからクリックばね80Eへのトルクの伝達が行われなくなり、手巻き輪列1Eにすべりが生じて、ぜんまい体の巻上げが終了する。
以上においては、係合用腕部が基端部から係合部のある先端部に向かって周方向の一方の方向に延びていて係合部が片持ち支持されている例について説明したけれども、係合部が片持ち支持される代わりに、例えば、図7に示したように、両持ち支持されていてもよい。
図7のトルクリミッタ機構5Fにおいて、図1から図4の(a)及び(b)までに示したトルクリミッタ機構5の要素と実際上同一の要素には同一の符号が付され、トルクリミッタ機構5の要素と同様であるけれども異なるところのある要素には対応する符号の後に添字Fが付されている。また、図5のトルクリミッタ機構5Dの要素と概ね対応する要素の場合、(要素の最後に添字Dがあるときは該添字Dを除いた上で、要素の最後に添字Dがないときは同一の符号を用いると共に当該符号の)最後に添字Fが付されている。
図7の丸穴車構造体8Fおいて、下段丸穴車60Fは下段丸穴車本体61Fとクリックピン機構64Fとを有する。クリックピン機構64Fは、下段丸穴車本体61Fから軸方向D1に突設された三本のクリックピン67pF,67qF,67rF(総称するとき又は相互に区別しないときには符号67Fで表す)からなる。三本のクリックピン67pF,67qF,67rFは、中心軸線Jのまわりで仮想円Mに沿って周方向に等間隔に配置されている。
上段丸穴車70Fは、上段丸穴車本体71F及びガイドピン75fF,75gF(両者を総称するとき又は両者を区別しないときには符号75Fで表す)と、リングの形態のクリックばね構造体80Fとを有する。ガイドピン75fF,75gFは、中心軸線Jのまわりで180度ずれた位置において上段丸穴車本体71Fのうち下段丸穴車60Fに対面する面において下段丸穴車本体61Fに向かってD2方向に突設されている。
クリックばね構造体80Fは、リング状ないし円環状の本体部87と、肥大部81fF,81gF(両者を総称するとき又は両者を区別しないときには符号81Fで表す)と、二つの係合部83uF,83vF(両者を総称するとき又は両者を区別しないときには符号83Fで表す)とを有する。肥大部81fF,81gFは、本体部87の外周のうち直径方向の二箇所(中心軸線Jのまわりで周方向に180度間隔をおいた箇所)において、径方向外向きに突出した突出部になっており、該肥大部ないし突出部81fF,81gFには、径方向に延びガイドピン75fF,75gFが遊嵌された長穴88f,88g(両者を総称するとき又は両者を区別しないときには符号88で表す)が形成されている。係合部83uF,83vFは、凹部90u,90v(両者を総称するとき又は両者を区別しないときには符号90で表す)の形態で、各凹部90の両側には凸部91,91が形成されている。
ここで、トルクリミッタ機構5Fのうち下段トルクリミッタ機構部分5aFは、三本のクリックピン67pF,67qF,67rFからなる。一方、トルクリミッタ機構5Fのうち上段トルクリミッタ機構部分5bFは、クリックばね構造体80F及びガイドピン75fF,75gFからなる。
図7に示したように、下段トルクリミッタ機構部分5aFを構成する三本のクリックピン67pF,67qF,67rFのうち一本のクリックピン67F(例えば、図7の場合はクリックピン67pF(以下同))が上段トルクリミッタ機構部分5bFのクリックばね構造体80Fの二つの係合部83uF,83vFのうちいずれか一方の係合部83F(例えば、図7の場合は係合部83uF(以下同))と係合し、三本のクリックピン67pF,67qF,67rFのうち残りの二本のクリックピン67qF,67rFがリング状本体部87の内周面87aに当接しており、且つガイドピン75fF,75gFが長穴88f,88gの径方向内側端部88fa,88gaに位置している場合、下段丸穴車構造体60FにJ1方向のトルクがかかって下段丸穴車構造体60FがJ1方向に回転されると、クリックピン67pFと凹部90の形態の係合部83uFで係合し且つ内周面87aが残り二本のクリックピン67qF,67rFで支えられたクリックばね80Fもクリックピン67pF,67qF,67rFと共にJ1方向に回転され、上段丸穴車構造体70Fが下段丸穴車60Fと実際上一体的にJ1方向に回転されて、トルクが上段丸穴車構造体70Fを介して角穴車35の方へ伝達される。
一方、トルク負荷が大きくなって、下段丸穴車構造体60FにかかるJ1方向トルクが大きくなると、クリックピン67pFがクリックばね構造体80Fの係合部83uFの凹部90の側面90aを押す力が大きくなってクリックばね構造体80Fの部分92をN1方向に押すことにより係合部83Fのある部分92が径方向外向きにN2方向に変位されるようになる。このとき、係合部83uFに対して概ね90度程度ずれた方向にある肥大部81fF,81gFのところでは径方向内向きに変位する力を受け、ガイドピン75f,75gが長穴88f,88gに沿って径方向外向きに相対変位する。以上のようなN2方向の変位の程度は、トルク負荷が大きくなる程増し、変位量がクリックピン67pFの係合深さに達すると、クリックピン67pFが係合部83uFの凹部90uから出て、クリックばね構造体80Fのリング状本体部87Fの円弧状内周面87aに沿ってJ1方向に移動するようになり、トルク伝達が行われなくなる。
以上の説明から明らかなように、このトルクリミッタ5Fでは、クリックばね80Fの係合部83Fは、ばね80Fが閉じたリング状(円環状)であるが故に、弾性腕部分93だけでなく弾性腕部分94によっても支持されている。すなわち、係合部83Fは、弾性腕部分93によって片持ち支持されているのではなく、弾性腕部分93と弾性腕部分94とによって両持ち支持されている。ここで、弾性腕部分94は補助的な腕部とみなし得る。ここで、例えば、基端部を肥大部81fF,81gFとみなしても(基端部で固定されているのではなくて変位可能に支持されている)、肥大部81fF,81gF間の弾性腕部95も基端部であるとみなしてもよい。ここで、弾性腕部93は肥大部81fF係合部83uFとの間の円弧状腕部分、弾性腕部94は肥大部81gFと係合部83uFとの間の円弧状腕部分を指す。
なお、図1〜図4のトルクリミッタ機構5や図5のトルクリミッタ機構5Dや図6のトルクリミッタ機構5Eとの共通性を強調する必要がない場合には、例えば、図7のトルクリミッタ機構5Fは、リング状のばねを用いているが故に、リングを比較的細く形成してもトルクの閾値すなわち係合解除閾トルクを比較的大きくし得る。
図1〜図4に示した丸穴車構造体8のように、トルクリミッタ機構5を下段丸穴車60の本体61と上段丸穴車70の本体71との間に形成する代わりに、図8に示した丸穴車構造体8Yのように、上段丸穴車70Yの本体71Yの裏蓋側D1に形成してもよい。
図8の時計3Yのムーブメント2Yの手巻き輪列1Yにおいて、図1〜図4に示した要素と同一の要素には同一の符号が付され、図1〜図4に示した要素に対応するけれども異なるところのある要素には対応する符号の後に添字Yが付されている。
図8の丸穴車構造体8Yでは、クリックかな64Yが小径円筒状部64bYで上段丸穴車70Yの本体71Yを貫通すると共に該小径円筒状部64bYで上段丸穴車本体71Yを摺動回転自在に支持している。クリックかな64Yが、円筒状部64aYで下段丸穴車60Yの本体61Yに嵌着されている点は、図1〜図4の丸穴車構造体8の場合と同様である。この丸穴車構造体8Yでは、上段丸穴車本体71Yの裏蓋側D1に突出したクリックかな64Yが、上段丸穴車本体71の裏蓋側D1に位置し該クリックかな64Yに対して径方向に対面するクリックばね80Yと協働してトルクリミッタ機構5Yを形成している。76Yはアガキ決め座である。
この丸穴車構造体8Yでは、アガキ決め座76Y,及び三番受12Yのうちクリックばね80Y及びクリックかな64Yの大径円筒状部65Yの被係合部66Yの裏蓋側に位置する部分12aY及び裏蓋7Yの対応部分7aYが透明部材からなり、クリックばね80Yとクリックかな64Yの係合部66Yとの係脱動作が裏蓋7Yの外からD2方向に視認可能になっている。
その場合、巻上げの完了に伴うクリックばね80Yの係脱動作が、トルク変化としてだけではなく、視覚的にも認識され得るので、巻締め感及び「パチパチ」というクリック感が、トルク負荷の変化及び多少の音だけでなく動作の視認の全体によって、納得感をもって得られる。
なお、トルクリミッタ機構を上段丸穴車の裏蓋側に配置するように変更することは、例えば、図5の(a)の丸穴車構造体5Dの場合にも、図8に示したのと同様に、可能である。
なお、以上においては、トルクリミッタ機構を丸穴車構造体に配置する例について説明したけれども、丸穴車構造体のところに配置する代わりに、手巻き輪列を構成する他の箇所、例えば、丸穴中間車機構9の一部の車(例えば、第一丸穴中間車)のところに配置してもよい。
1,1D,1E,1F、Y 手巻き輪列
2,2Y ムーブメント
3,3Y 手巻き式時計
5,5D,5E,5F,5Y トルクリミッタ機構
5a,5aD,5aE,5aF 下段側トルクリミッタ機構部分
5b,5bD,5bE,5bF 上段側トルクリミッタ機構部分
6 刻時・運針輪列
6a がんぎ車
7,7Y,7aY 裏蓋
8,8D,8E,8F,8Y 丸穴車構造体
9 丸穴中間車機構
11 地板
12,12Y,12aY 三番受
13 香箱受
15 つづみ車
16 おしどり
17 かんぬき
18 きち車
18a 歯車部
19 文字板
20 巻真
22 大径円柱部
23 小径部
24 フランジ状部
25 中径円柱部
26 角柱部
30 香箱車
31 香箱本体
31a 内周面
31b 歯車部
32 ぜんまい体
32a 外周端
33 香箱真
35 角穴車
41 第一丸穴中間車
41a 軸
41b 第一丸穴中間歯車
41c 第一丸穴中間かな
42 第二丸穴中間車
50,50E 支持軸構造体
51 丸穴車案内ピン
51a 大径のフランジ状部
51b 小径の嵌着軸部
51d 中径軸部
51e 小径軸部
60,60D,60E,60F,60Y 下段丸穴車
61,61D,61E,61F,61Y 下段丸穴車本体
61a 歯車部
61b,61bE 中央孔
61c 大径環状面
61d 凹部
62 凹部
62a 底面
64,64D,64E,64Y クリックかな(円筒状爪車)
64F クリックピン機構
64a,64aY,64b,64bY 小径部
64d 環状体
65,65Y 中央の円筒状部
65a 円筒状周壁部
66,66Y 被係合部
66a 側面
67,67D,67E 凹部
67a,67b,67aD,67bD 側壁
67aE 傾斜側壁部(側面)
67bE 垂直な側壁部(側面)
67c 底部
67pF,67qF,67rF,67F クリックピン
68,68D,69,69D 凸部
68a,68aD,69a 外側側壁
68b,68bD,69b 内側側壁
70,70D,70E,70F,70Y 上段丸穴車
71,71D,71E,71F,71Y 上段丸穴歯車本体
71aA,71aB 孔
73 円筒状スペーサ部
75,75A,75B ガイドピン
75aA,75aB 上端小径部
75bA,75bB 下端小径部
75cA,75cB 中央円柱状部
75fF,75gF,75F ガイドピン
76,76Y アガキ決め座
76aA,76aB 孔
77,78 ガイドピン
80,80D,80A,80AD,80B,80BD,80D,80E,80Y クリックばね
80F クリックばね構造体
81,81D,81A,81AD,81B,81BD,81fF,81gF,81F 中央肥大部
81E 環状板状体本体部
82A,82B 係合腕部
83A,83B,83D 係合突部
83,83uF,83vF,83F 係合部
83E 係合端部
84A,84B 先端部の背後の部分
85A,85B 弾性腕部
86A,86B 押圧部
87 円環状(リング状)本体部
87a 内周面
88,88f,88g 長穴
88fa,88ga 径方向内側端部
89,89E 弾性係合腕部
89aE 基端側腕部分
89bE 先端側腕部分
90,90u,90v 凹部
90a 側壁(側面)
91 凸部
92 部分(部位)
93 弾性腕部分
94 弾性腕部分
95 弾性腕部
A1,A2 方向
B,C,EA,EB,J 中心軸線
B1,B2,C1,E1A,E1B,E2A,E2B,J1,J2 回転方向
D,D1,D2 厚さ方向
M 仮想円
N1 押す方向
N2 変位方向
S0,S0D 初期状態
S1,S1D トルクが最大になる状態
S2,S2D 頂点に達する状態
S3,S4,S5,S6 状態
T トルク
Tc,Tc1,Tc2 巻上げ閾トルク(ぜんまい体の巻上げ(巻締め)が完了するに要する最低限のトルク)
Tmax 係合解除閾トルク(係合解除最大トルク;係合部と被係合部との係合が保たれる最大トルク;係合解除に要する最低トルク)
Tu 係合解除極大トルク(極大トルク;低い方の凸部を乗越えてその係合を解除するにに要するトルク)
θk クリックかな回転角
θr りゅうず回転角

Claims (12)

  1. 巻真の回転を角穴車に伝達すべく相互に噛合した複数の歯車を備え、該複数の歯車のうち同心に形成された二つの車がトルクリミッタ機構を介して相互に結合された手巻き輪列であって、
    前記トルクリミッタ機構が、
    前記二つの車のうちの一方の車に基端部で装着され該基端部から先端部へと周方向に延在した係合用腕部であって係合部を先端部に備えるものと、
    前記二つの車のうちの他方の車に形成され、前記係合部が弾性的に押圧されて係合される被係合部であって、閾値を超えるトルクが働くと係合部が被係合部から外れて前記二つの車の相対回転を許容するように構成されたものと
    を有し、
    前記トルクリミッタ機構に手動巻上げトルクが加えられると、前記係合用腕部の係合部に対して、該係合用腕部の基端部から先端部に向かう向きで且つ該係合部を被係合部から離間させる向きの力を被係合部が及ぼすように構成された手巻き輪列。
  2. 前記二つの車のうち入力側の車が前記被係合部を外周に備えた小径部を有し、
    前記二つの車のうち出力側の車が前記小径部の被係合部に径方向に対面して係合し得るように前記係合部を先端部に備えた前記係合用腕部を有する請求項1に記載の手巻き輪列。
  3. 出力側の車が周方向に間隔をおいて前記係合用腕部を複数個有する請求項2に記載の手巻き輪列。
  4. 各係合用腕部が基端部で出力側の車に固定されている請求項3に記載の手巻き輪列。
  5. 各係合用腕部が夫々の基端部から夫々の先端部とは反対向きに周方向に延びる弾性押圧用補助腕部を備え、各係合用腕部の弾性押圧用補助腕部が延在端部において周方向に隣接する別の係合用腕部の係合部を被係合部の方へ径方向に押圧するように構成された請求項3に記載の手巻き輪列。
  6. 前記係合用腕部が前記先端部から前記基端部とは反対向きに周方向に延びる両持ち支持用補助腕部を備え、全体として連続的な弾性リングをなすように、前記係合用腕部及び前記両持ち支持用腕部と同様に構成された別の係合用腕部及び別の両持ち支持用腕部が一体的に形成されている請求項2に記載の手巻き輪列。
  7. 弾性リングのうち係合用腕部の基端部と両持ち支持用腕部の基端部との接続部が出力側の車に対して径方向に変位可能に遊嵌されている請求項6に記載の手巻き輪列。
  8. 前記二つの車のうち入力側の車が前記被係合部を軸線方向端面に備えた環状部を有し、
    前記二つの車のうち出力側の車が前記環状部の被係合部に軸方向に対面して係合し得るように前記係合部を先端部に備えた前記係合用腕部を有する請求項1に記載の手巻き輪列。
  9. 出力側の車が周方向に間隔をおいて前記係合用腕部を複数個有する請求項8に記載の手巻き輪列。
  10. 各係合用腕部が基端部で出力側の車に固定されている請求項9に記載の手巻き輪列。
  11. 請求項1から10までのいずれか一つの項に記載の手巻き輪列を備えた時計用ムーブメント。
  12. 請求項11に記載の時計用ムーブメントを備えた時計。
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