JP2012028548A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、および有機エレクトロルミネッセンス素子、これを用いた表示装置、照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、および有機エレクトロルミネッセンス素子、これを用いた表示装置、照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長寿命で、駆動電圧が安定な有機エレクトロルミネッセンス素子、およびこれを用いた表示装置、照明装置を提供する。
【解決手段】アリールアミンで置換された特定の5員環および6員環のヘテロ多環系化合物からなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、表示素子、照明装置に関するものである。
従来、発光型の電子ディスプレイデバイスとしてエレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、ELDと言う)がある。ELDとして、無機エレクトロルミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも言う)が挙げられる。無機エレクトロルミネッセンス素子は平面型光源としてしようされてきたが、発光素子を駆動させるためには高電圧が必要である。有機エレクトロルミネッセンス素子においては発光する化合物を含有する発光層、さらに必要に応じて複数の有機化合物層を陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子および正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出(蛍光・リン光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能であり、更に自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全素子固体であるために省スペース、携帯性の観点からも注目されている。
しかしながら、今後の実用化に向けた有機エレクトロルミネッセンス素子においては、更に効率が高く、長寿命に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子の開発が望まれている。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料に蛍光材料だけでなくリン光材料の利用が可能なことが明らかとなり鋭意研究開発が行われている。一重項励起子と三重項励起子の生成比は1:3であるが、蛍光材料の場合、励起一重項のみを利用できるのに対し、リン光材料の場合には励起一重項に加えて励起三重項も利用できるため、内部量子効率の上限を100%とすることができる。このため、蛍光材料に比較してリン光材料を利用した場合、原理的に発光効率が4倍となり、冷陰極管とほぼ同等の性能が得られる可能性があることから照明用途としても注目されている。
一方、有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を改善する手段の一つとして、含有される化合物の構造に着目した研究が進められてきた結果、実用に耐えうる可能性のある材料が幾つか見出されている。しかしながら置換基の導入、およびその導入位置等の構造の小さな変更が、寿命や発光特性等の様々な特性に与える影響が大きく、しかも予測が難しいため解決すべき課題として残されている。
発明に係る化合物に類似の構造は、既に開示されている(例えば、特許文献1〜4および非特許文献1参照)。しかしながら、上述のように化合物の構造と性能の予測が難しいため、本発明に係る化合物の特性が非常に優れていることを予測することは不可能であった。
特表2008−545630号公報 WO2009/136595号 WO2009/148062号 特開2010−45281号公報
The Journal of Organic Chemistry.72巻、5119−5128頁(2007年)
本発明の目的は、長寿命で、駆動電圧が安定な有機エレクトロルミネッセンス素子、およびこれを用いた表示装置、照明装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.下記一般式(1)から(4)の何れかで表されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
Figure 2012028548
(上記一般式(1)から(4)において、XはO、S、S=O、N−R11を表し、XはO、S、S=O、N−R11、C(R12)R13を表わし、互いに同一であっても異なっていても良い。R11は芳香族炭化水素環基を表し、R12、R13は水素原子あるいは置換基を表し、同一であっても異なっていても良い。
、R、RおよびRは各々水素原子あるいは置換基を表し、R、RおよびRの少なくとも一つは上記一般式(5)で表される構造である。
Y、Z、Z、ZおよびZは各々炭素原子あるいは窒素原子を表し、環の他の構成原子と共に6員芳香環を形成する。
RbおよびRcは任意の置換基を表し、oは0〜2の整数、pは0〜4の整数である。
上記一般式(5)においてArおよびArは芳香族環を表わし、任意の位置に置換基を有していても良いが、更に互いに結合してArおよびArが結合する窒素原子を含む5員環を形成することは無い。)
2.上記一般式(1)から(4)において、XおよびXのいずれか一つが酸素原子であることを特徴とする前記1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
3.上記一般式(1)から(4)において、XおよびXのいずれか一つがN−R11(R11は芳香族炭化水素環基を表す。)であることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
4.上記一般式(1)から(4)において、少なくとも一つの置換基はカルバゾリル基またはその誘導体であることを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
5.前記1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層が湿式法(ウェットプロセス)により形成されたことを特徴とする前記5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記5または6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
8.前記5または6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
本発明により、長寿命で、駆動電圧が安定な有機エレクトロルミネッセンス素子、およびこれを用いた表示装置、照明装置を提供することができた。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。 表示部の模式図である。 照明装置の概略図である。 照明装置の断面図である。
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討を行う中で多環系化合物に着目し、その課題を克服することで本発明を達成するに至った。
詳細は割愛するが、過去の検討により、多環系化合物は、素子にした際の化合物としての安定性には優れるものの、素子としての安定性には他の材料との相性が課題になること、またリン光波長が長く、青色リン光発光ドーパントを用いた場合に、効率および寿命が実用上、不十分であることが明らかとなった。こうした課題に鑑み、更に鋭意検討を行った結果、多環系化合物の特定部位に前記一般式(5)で表される特定構造の置換基を導入することで、素子の安定性を更に向上させると共に、併用した他の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料との相性が良く、安定した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できることを見出した。また、青色発光リン光ドーパントを用いた場合にも良好な素子性能を示す有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できることを見出した。これの要因としては、多環系化合物の特定部位に前記一般式(5)で表される置換基を導入した場合、ArおよびArと窒素原子が占有する体積および角度が多環系化合物母核部分に対して適度なねじれ構造を形成し、分子全体としてやや丸みを帯びた非対称な形状を有すること、また、特定の部位に置換基を導入したことで多環系化合物のリン光発光波長を維持することが可能になったためと考えている。このような要因により、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子の有機層を形成した場合、膜質が向上し、他の材料との相性が良く、さらに青色リン光発光ドーパントに対しても多環系化合物を適用できたものと推測しているが詳細については、現在検討中であり明らかではない。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、前記一般式(1)から(4)の何れかで表される構造を有することを特徴とする。
上記一般式(1)から(4)において、XはO、S、S=OまたはN−R11を表し、好ましくはO、SまたはN−R11であって、より好ましくはOまたはN−R11であり、更にはOであることが最も好ましい。
はO、S、S=O、N−R11またはC(R12)R13を表わし、好ましくはO、S、N−R11、C(R12)R13であって、より好ましくはO、S、N−R11であって、更に好ましくはO、N−R11であり、最も好ましくはOである。
11は芳香族炭化水素環基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)であり、これらは更に置換基を有していても良く、このような置換基として、アルキル基、シクロアルキル基、アルキニル基、芳香族炭化水素環基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等))、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルボリル基(前記、カルボリニル基のカルボリン環構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったもの)、キノキサリニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリニル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、ホスホノ基等が挙げられ、好ましい例として、アルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、ホスホノ基が挙げられ、これら置換基は同一であっても、異なっていても良く、これらの置換基は上記の置換基によって更に置換および結合して環を形成しても良い。なお、R11として好ましくはフェニル基である。
12、R13は水素原子あるいは置換基を表し、置換基としては上述のR11が有しても良い置換基で示した置換基が挙げられる。
、R、RおよびRは水素原子あるいは置換基を表し、置換基としては上述のR11が有しても良い置換基で示した置換基が挙げられ、より好ましくは芳香族炭化水素基、芳香族複素環基であって、これらは同一であっても異なっていても良い。
また、R、RおよびRの少なくとも一つは一般式(5)で表される構造であることが本発明に共通する特徴である。このとき、一般式(5)で表される構造の置換位置としてはR、RおよびRのいずれも好適に用いられるが、好ましくはRおよびRのいずれかの置換基として存在することであり、最も好ましくはRの置換基であることであり、この場合に、上述の効果が最も大きく得られる。
YおよびZ、Z、Z、Zは炭素原子あるいは窒素原子を表し、環の他の構成原子と共に6員芳香環を形成する。Z、Z、ZおよびZのいずれかが窒素原子を表す場合、ZあるいはZのいずれかが窒素原子であることがより好ましい。
RbおよびRcは置換基を表し、置換基として上記の置換基と同様の置換基が挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素環あるいは芳香族複素環基であり、少なくとも一つの置換基は芳香族複素環基であることが好ましく、芳香族複素環基としてより好ましくは、キノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基であって、特に好ましくはカルバゾリル基およびその誘導体(ここではカルボリニル基、ジアザカルバゾリル基を示す)であり、さらに好ましくはジベンゾフラニル基、カルバゾリル基である。カルバゾリル基およびその誘導体は炭素−炭素結合、あるいは窒素−炭素結合で結合することが可能であるが、炭素−炭素結合で結合した置換基であることがより好ましい。
oは0〜2の整数を表し、より好ましくは0である。pは0〜4の整数を表し、より好ましくは1または2であり、更に好ましくは1である。
一般式(5)においてArおよびArは芳香族環(芳香族炭化水素環(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)および芳香族複素環(例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基等))を表し、任意の位置に置換基を有していても良いが、ArおよびAr上の置換基が更に互いに結合してArおよびArが結合する窒素原子を含む5員環を形成することは無い。
また、一般式(1)から(4)はn価の連結基Lを介して、二量体、三量体のような複数量体となることができる。このような連結基Lの例として、上述の置換基から水素原子をn−1個除いてできる基が挙げられる。連結基Lとして用いられる上述の置換基として、好ましくはアミノ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、ホスホノ基が挙げられる。nは整数を表し、好ましくは2〜4の整数であって、nが2の場合、連結基Lは単結合であっていても良い。
上記一般式(1)から(4)のうち、より好ましくは一般式(1)、(2)、(3)で表されることであり、さらに好ましくは一般式(1)または(2)で表されることであり、一般式(1)で表される構造をとることがさらに好ましい。
以下、本発明に係る化合物を挙げるが、これらに限定されるものではない。なお、本発明に係る化合物はThe Journal of Organic Chemistry.72巻、5119−5128頁(2007年)、特表2008−545630号公報、WO2009/148062号の合成法を参考に合成することができる。
Figure 2012028548
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本発明に係る化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子中のいずれの有機層に含まれていても良いが、好ましくはホスト化合物、正孔輸送材料、電子輸送材料として用いられることが好ましく、さらに好ましくはホスト材料、正孔輸送材料として用いられることである。またこの時、各有機層は、本発明に係る化合物単独で構成されていても良いし、他の材料と混合して用いられていても良い。
≪有機EL素子の構成層≫
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体的を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明の有機EL素子においては、青色発光層の発光極大波長は430〜480nmにあるものが好ましく、緑色発光層は発光極大波長が510〜550nm、赤色発光層は発光極大波長が600〜640nmの範囲にある単色発光層であることが好ましく、これらを用いた表示素子であることが好ましい。またこれらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであっても良い。さらに発光層間には非発光性の中間層を有していても良い。本発明の有機EL素子としては白色発光層であることが好ましく、これらを用いた照明装置であることが好ましい。
本発明の有機EL素子を構成する各層について説明する。
≪発光層≫
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子および正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であっても良い。
発光層の膜厚の総和に特に制限はないが、膜の均質性や発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、かつ駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、2nm〜5μmの範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは2〜200nmの範囲に調整され、特に好ましくは10〜40nmの範囲である。
本発明の有機EL素子の発光層には、発光ドーパント(リン光ドーパント(リン光発光性ドーパント基ともいう)や蛍光ドーパント等)化合物と、ホスト化合物を含有する。
(発光性ドーパント化合物)
発光性ドーパント化合物について説明する、
発光性ドーパント化合物としては、蛍光ドーパント化合物、リン光ドーパント化合物を用いる事ができる。
(リン光ドーパント化合物)
本発明に係るリン光ドーパント化合物について説明する。
本発明に係るリン光ドーパント化合物は、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記、リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に係るリン光ドーパント化合物は任意の溶媒のいずれかにおいれ上記リン光収率0.01以上が達成されれば良い。
リン光ドーパント化合物の発光原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でのキャリアの再結合が起こって、発光性ホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光ドーパントに移動させることでリン光ドーパントからの発光を得る、というエネルギー移動型。もう一つはリン光ドーパント化合物自身がキャリアトラップとなり、リン光ドーパント上でキャリアの再結合が生じ、リン光ドーパント化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、リン光ドーパント化合物の励起状態のエネルギーは、ホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが良好な発光を得るための条件である。
以下にリン光ドーパントとして用いられる公知の化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。また、これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711頁に記載の方法などにより合成できる。
以下に発光ドーパントの例を挙げるがこれらに限定されない。
Figure 2012028548
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(蛍光ドーパント化合物)
蛍光ドーパント化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリリウム系色素、オキソベンゾアントラセン系色素、フルオレッセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
(発光ホスト化合物(発光ホスト等ともいう))
本発明の有機EL素子の発光層や発光ユニットに使用される発光ホスト化合物としては、発光層に含有される化合物のうち、その層中での質量比が20%以上であり、かつ室温(25℃)においてリン光量子収率が0.1未満の化合物と定義され、好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物のうち、層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で使用しても良く、また複数種併用して用いても良い。ホスト化合物を複数種用いることで、キャリアの移動を調整することが可能であり、有機EL素子の性能をさらに高効率化することができる。また、前記リン光ドーパントとして用いられる公知の化合物を複数種用いることで、異なる発光を混合することが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
また、本発明に用いられる発光ホストとしては、低分子化合物でも、繰り返し単位を有する高分子化合物でも良く、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でも良く、このような化合物を1種または複数種用いても良い。
公知の発光ホスト化合物として、代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、またはカルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体等が挙げられる。
併用しても良い、公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、発光の長波長化を防ぎ、高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
次に本発明の有機EL素子の構成層として用いられる、注入層、阻止層、輸送層等について説明する。
≪注入層:電子注入層、正孔輸送層≫
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層、または正孔輸送層、および陰極と発光層、または電子輸送層との間に存在させても良い。
注入層とは駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日、エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45579号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層などが挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層は)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
上記バッファー層(注入層)は、ごく薄い膜であることが好ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
≪阻止層:正孔阻止層、電子阻止層≫
阻止層は上記の如く、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204158号公報、同11−204359号公報、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日、エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されており正孔阻止層(ホールブロック層)がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ、正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔輸送を阻止することで、電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る正孔阻止層として用いる事ができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
正孔阻止層には、前述のホスト化合物として挙げたカルバゾール誘導体、またカルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体等を含有することが好ましい。
また、発光色の異なる複数の発光層を有する場合、その発光極大波長が最も短波な発光層が、全発光層中、最も陽極に近いことが好ましい。このような場合、該最短波発光層と該発光層の次に陽極に近い発光層との間に正孔阻止層を追加して設ける事が好ましい。さらに、該位置に設けられる正孔阻止層の化合物の50質量%以上が、前記最短波発光層のホスト化合物のイオン化ポテンシャルに対し、0.3eV以上大きいことが好ましい。
イオン化ポテンシャルは化合物のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するために必要なエネルギーと定義され、例えば、下記に示すような方法により求めることができる。
(1)米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用い、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出した値(eV単位換算値)の小数点第2位を四捨五入した値としてイオン化ポテンシャルを求めることができる。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いためである。
(2)光電子分光法で直接測定する方法により求めることもできる。きる。例えば、理研計器製の低エネルギー電子分光装置「Model AC−1」を用いて、あるいは紫外光電子分光として知られている方法を好適に用いることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子輸送を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いる事ができる。
本発明に係る正孔阻止層、電子阻止層の膜厚として、好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜30nmである。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれるとみなすことができる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであっても良い。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体や導電性高分子(ポリマーやオリゴマー)、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物およびスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。また、本発明の有機EL素子用材料も同様に好ましく用いることができる。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(α−NPD)、4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入、または高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。またp型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔輸送材料として使用することができる。また、特開平11−251067号公報、J.Huang et al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、p型正孔輸送材料を用いることもできる。
正孔輸送層は上記のような正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法などの公知の方法によって薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚について特に制限はないが、通常は5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmである。また、正孔輸送材料は複数種の材料からなる一層構造であっても良い。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。
≪電子輸送層≫
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、フタロシアニン系材料やその誘導体も電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法やマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常は10〜1000nmの範囲であり、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースエステル類(セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等)またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(JSR製)あるいはアペル(三井化学製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が10−3cm/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度が10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましく、さらには水蒸気透過度が10−5g/(m・24h)以下であることがより好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等、素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を好適に用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができ、大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し量子効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体で多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリスルホン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。更には、ポリマーフィルムは、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3cm/(m・24h・atm)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m・24h)以下のものであることが好ましい。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、熱硬化型接着剤を用いる場合、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等)、金属ハロゲン化物、過塩素酸類等が挙げられ、無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量、且つ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取り出し》
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。本発明はこれらの手段を組み合わせることにより、更に高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。また、更に1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚みは媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面もしくはいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は回折格子が1次の回折や2次の回折といった、所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述の通り、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。このとき、回折格子の周期は媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。
回折格子の配列は正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
《集光シート》
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば、液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして、例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることができる。プリズムシートの形状としては、例えば、基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。
また、発光素子からの光放射角を制御するために、光拡散板・フィルムを集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることができる。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法を説明する。
まず適当な基体上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陽極を作製する。
次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜を形成させる。
これら各層の形成方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、本発明においてはウェットプロセスが好ましく、中でもスピンコート法、インクジェット法、印刷法等の塗布法による成膜が好ましい。
本発明の有機EL素子材料を溶解または分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。また、分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
また、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また、交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
《用途》
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL素子においては、必要に応じ成膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよく、素子の作製においては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
また、本発明の有機EL素子が白色素子の場合には、白色とは、2度視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.1の領域内にあることを言う。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りが無い限り「質量%」を表す。また、実施例において用いられる化合物および比較化合物を下記に示す。
Figure 2012028548
Figure 2012028548
(実施例1)
≪有機EL素子1−1の作製≫
陽極としてパターニング済みのITO付きガラス基板上に市販の真空蒸着装置を用いて、真空度4.0×10−4Paで各有機層を積層させた。まず、正孔輸送/注入層としてα−NPDを20nmの厚さに形成し、さらに発光層として、化合物(2)とD−2(青色リン光発光ドーパント)をD−2濃度が6%となるように40nmの厚さで製膜させた。さらに電子輸送層としてAlqを40nmの厚さで製膜した。引き続き電子注入層としてフッ化リチウムを0.5nmの厚さに形成した後、陰極としてアルミニウム150nmを製膜し、有機EL素子1−1を作製した。
≪有機EL素子1−2〜1−18の作製≫
有機EL素子1−1の作製において、化合物(2)を表1に記載の化合物に変更した以外は同様にして、有機EL素子1−2〜1−18を作製した。作製後の各有機EL素子は、非発光面をガラスケースで覆い、エポキシ系接着剤で封止し、評価を実施した。
≪有機EL素子1−1〜1−18の評価≫
下記の方法によって有機EL素子1−1〜1−18の効率および安定性を評価した。結果を合わせて表1に示す。
(効率)
作製した有機EL素子1−1〜1−18について、2.5mA/cmの定電流を印加した際の外部取出し量子効率を測定した。なお、測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)を用いた。表1の効率の値は、有機EL素子1−1の測定値を100とした場合の相対値で表した。
(安定性)
作製した有機EL素子1−1〜1−18について、初期輝度10000cd/mを与える電流で定電流駆動し、初期輝度の1/2(5000cd/m)になる時間を測定し、これを安定性の尺度とした。なお、効率の評価と同様に安定性の値は、有機EL素子1−1の測定値を100とした場合の相対値で表1に表した。
Figure 2012028548
以上より、本発明の有機EL素子用材料を用いることで効率に優れ、さらに安定性にも優れた有機EL素子を提供できることが明らかとなった。
(実施例2)
≪有機EL素子2−1および2−2の作製≫
有機EL素子1−1の作製において、第一の正孔輸送/注入層としてα−NPDを10nm、第二の正孔輸送/注入層として化合物(93)を15nmの厚さに形成した以外は同様にして、有機EL素子2−1を作製した。また、同様に第二の正孔輸送/注入層として比較化合物(M−4)を用いた以外は有機EL素子1−1の作製と同様にして比較の有機EL素子2−2を作製した。作製した有機EL素子2−1および2−2について、実施例1と同様の評価を実施したところ、有機EL素子2−1の効率は114であり、安定性は127であった。また比較の有機EL素子2−2の効率は47、安定性は51であった。なお、効率および安定性は有機EL素子1−1の測定値を100とした場合の相対値で表した。
以上より、本発明の有機EL素子用材料は正孔輸送/注入層用材料としても利用できることが明らかとなった。また本発明の有機EL素子用材料を発光層とともに正孔輸送層にも用いることでさらに効率と安定性に優れた有機EL素子用材料が提供できることが明らかとなった。
(実施例3)
≪有機EL素子3−1および3−2の作製≫
有機EL素子1−1の作製において、第一の正孔輸送/注入層としてα−NPDを10nm、第二の正孔輸送/注入層として化合物(8)を15nmの厚さに形成し、電子輸送層として化合物(134)をAlqの替わりに用いた以外は同様にして、有機EL素子3−1を作製した。また、さらに第二の正孔輸送/注入層として化合物(8)を15nmの厚さに形成し、電子輸送層として比較化合物(M−2)をAlqの替わりに用いた以外は有機EL素子1−1の作製と同様にして比較の有機EL素子3−2を作製した。作製した有機EL素子3−1および3−2について、実施例1と同様の評価を実施したところ、有機EL素子1−1の測定値を100とした場合の、有機EL素子3−1の効率は136であり、安定性は159であったが、比較の有機EL素子3−2の効率は94、安定性は63であった。以上より、本発明の有機EL素子用材料は電子輸送材料としても利用可能であり、さらに本発明の有機EL素子用材料を発光層とともに正孔輸送/注入層、電子輸送層にも用いることでさらに効率と安定性に優れた有機EL素子が提供できることが明らかとなった。
(実施例4)
≪白色発光素子および白色照明装置の作製−1≫
陽極として20mm×20mmにパターニング済みのITO付きガラス基板上に、上記実施例1と同様にして正孔注入/輸送層としてα−NPDを25nmの厚さで製膜し、さらに化合物(105)とD−34とD−39をそれぞれ蒸着速度が100:0.5:6となるように調節し、膜厚40nmの発光層を設けた。次に正孔阻止層としてBAlqを10nm製膜し、続いてAlqを40nm製膜し電子輸送層を設けた。引き続き電子注入層としてフッ化リチウムを0.5nmの厚さに形成した後、陰極としてアルミニウム150nmを製膜し、非発光面をガラスケースで覆い、エポキシ系接着剤で封止した。
この素子を用いて図3、図4に示す平面ランプを作製した。この平面ランプに通電したところ、ほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることが分かった。
(実施例5)
≪白色発光素子および白色照明装置の作製−2≫
上記白色発光素子および白色照明装置の作製−1と同じ基板上にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer製、Baytron P Al 4083)を純粋で70%に希釈した溶液を3000rpm、30秒スピンコートした後、乾燥し、膜厚30nmの正孔輸送層を設けた。
さらにこの正孔輸送層付き基板を窒素雰囲気下に移し、化合物(88)(80mg)、D−34(3.5mg)、D−7(3.0mg)をトルエン8mlに溶解した溶液を1000rpm、30秒スピンコートした後、乾燥して発光層とした。続いて、この基板を真空蒸着装置に移し、真空度4.0×10−4Paで電子輸送層としてAlqを40nmの厚さで製膜し、引き続き電子注入層としてフッ化リチウムを0.5nmの厚さに形成した後、陰極としてアルミニウム150nmを製膜し、非発光面をガラスケースで覆い、エポキシ系接着剤で封止した。
この素子に通電したところ、ほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
1 ディスプレイ
3 画素
5 走査線
6 データ線
A 表示部
B 制御部
107 透明電極付きガラス基板
106 有機EL層
105 陰極
102 ガラスカバー
108 窒素ガス
109 捕水剤

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)から(4)の何れかで表されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
    Figure 2012028548
    (上記一般式(1)から(4)において、XはO、S、S=O、N−R11を表し、XはO、S、S=O、N−R11、C(R12)R13を表わし、互いに同一であっても異なっていても良い。R11は芳香族炭化水素環基を表し、R12、R13は水素原子あるいは置換基を表し、同一であっても異なっていても良い。
    、R、RおよびRは各々水素原子あるいは置換基を表し、R、RおよびRの少なくとも一つは上記一般式(5)で表される構造である。
    Y、Z、Z、ZおよびZは各々炭素原子あるいは窒素原子を表し、環の他の構成原子と共に6員芳香環を形成する。
    RbおよびRcは任意の置換基を表し、oは0〜2の整数、pは0〜4の整数である。
    上記一般式(5)においてArおよびArは芳香族環を表わし、任意の位置に置換基を有していても良いが、更に互いに結合してArおよびArが結合する窒素原子を含む5員環を形成することは無い。)
  2. 上記一般式(1)から(4)において、XおよびXのいずれか一つが酸素原子であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  3. 上記一般式(1)から(4)において、XおよびXのいずれか一つがN−R11(R11は芳香族炭化水素環基を表す。)であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  4. 上記一般式(1)から(4)において、少なくとも一つの置換基はカルバゾリル基またはその誘導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層が湿式法(ウェットプロセス)により形成されたことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項5または6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
  8. 請求項5または6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
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