JP2010118381A - 白色有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置 - Google Patents

白色有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高効率、長寿命の白色有機EL素子の提供。
【解決手段】発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントを含有する白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2010118381

(Mは8族〜10族の遷移金属元素、R、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し、Z1は炭素原子と芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、Z1は置換基。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子材料に関する。
従来、発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、ELDという)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)が挙げられる。
無機エレクトロルミネッセンス素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。
一方、有機EL素子は発光する化合物を含有する発光層を陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・りん光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、更に自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
しかしながら、今後の実用化に向けた有機EL素子においては、更に低消費電力で効率よく高輝度に発光する有機EL素子の開発が望まれている。
特許第3093796号公報では、スチルベン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体又はトリススチリルアリーレン誘導体に微量の蛍光体をドープし、発光輝度の向上、素子の長寿命化を達成している。
また、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これに微量の蛍光体をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特開昭63−264692号公報)、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これにキナクリドン系色素をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特開平3−255190号公報)等が知られている。
以上のように、励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であり、光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率(η)の限界は5%とされている。
ところが、プリンストン大より励起三重項からのりん光発光を用いる有機EL素子の報告(M.A.Baldo et al.,Nature、395巻、151〜154頁(1998年))がされて以来、室温でりん光を示す材料の研究が活発になってきている。
例えば、M.A.Baldo et al.,Nature、403巻、17号、750〜753頁(2000年)、また米国特許第6,097,147号明細書等にも開示されている。
励起三重項を使用すると、内部量子効率の上限が100%となるため励起一重項の場合に比べて原理的に発光効率が4倍となり、冷陰極管とほぼ同等の性能が得られる可能性があることから照明用途としても注目されている。
例えば、S.Lamansky et al.,J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(2001年)等においては、多くの化合物がイリジウム錯体系等重金属錯体を中心に合成検討されている。
また、前述のM.A.Baldo et al.,Nature、403巻、17号、750〜753頁(2000年)においては、ドーパントとしてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムを用いた検討がされている。
中心金属をイリジウムの代わりに白金としたオルトメタル化錯体も注目されている。この種の錯体に関しては、配位子に特徴を持たせた例が多数知られている。
特に、りん光青色発光材料に関しては、研究が盛んに行われ、フェニルピリジンにフッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基等の電子吸引基を置換基として導入すること、配位子としてピコリン酸やピラザボール系の配位子を導入することが知られている。
その他にも、配位子としてフェニルピラゾールを有する金属錯体は発光波長が短波な発光材料であることが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。更に、配位子としてフェニルイミダゾールを有する金属錯体の例も知られている(例えば、特許文献3、4参照。)
また、特に短波な発光材料として、フェナンスリジン骨格を有する金属錯体についての開示がある。(例えば、特許文献5、6参照。)。
また、白色有機EL素子を作成する上で、上記記載した青色発光材料と併用する赤色発光材料の更なる改良、特に、よりシャープな発光スペクトル、発光効率、発光寿命の改良が求められている。
特許文献3、4にイミダゾール有する金属錯体の例が数多く記載されており、赤色となりそうな例がいくつか記載されているが、これは無作為に書かれているもので、実施例で赤色をサポートする記載がなく、特に白色に適用する例は一切ない。
我々は鋭意検討した結果、本発明のりん光赤色発光材料は、シャープな発光スペクトルであるため、白色有機EL素子を作成に適しており、また、りん光青色発光材料と近いHOMO、LUMOレベルをもつため、キャリア注入がスムーズであり、キャリアバランスにすぐれており、白色有機EL素子の高効率化を達成できることをみいだした。また、堅牢な母核であるため、従来よく知られているりん光赤色発光材料である配位子としてピリジルベンゾチオフェン、フェニルイソキノリンをもつイリジウム錯体と比べて、長寿命である。
国際公開第2004/085450号パンフレット 特開2005−53912号公報 国際公開2005/007767号パンフレット 特開2008−147354号公報 米国特許20070190359号明細書 国際公開第2007/095118号パンフレット
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高効率、長寿命の白色有機EL素子、照明装置及び表示装置を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントを少なくとも一種、前記ドーパントと異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを一種、含有することを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2010118381
(Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表し、R、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し、Z1は炭素原子と芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、更にZ1は置換基を有してもよく、RとR、RとR、RとZ1の任意の原子とで結合を形成して環を形成してもよい。)
2.発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントを少なくとも一種、前記ドーパントと異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを二種、含有することを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2010118381
(Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表し、R、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し、Z1は炭素原子と芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、更にZ1は置換基を有してもよく、RとR、RとR、RとZ1の任意の原子とで結合を形成して環を形成してもよい。)
3.発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントを少なくとも一種、前記ドーパントと異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを三種、含有することを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2010118381
(Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表し、R、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し、Z1は炭素原子と芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、更にZ1は置換基を有してもよく、RとR、RとR、RとZ1の任意の原子とで結合を形成して環を形成してもよい。)
4.前記1〜3のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子において、各々の発光ドーパントが独立した層で構成されることを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記1〜3のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が1層で構成されることを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子がウェットプロセスで作成されることを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記一般式(1)で表されるドーパントの発光波長が600nm以上であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.前記一般式(1)で表されるドーパントの発光波長が620nm以上であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.前記一般式(1)で表されるドーパントの発光波長が640nm以上であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
10.前記一般式(1)におけるZ1が芳香族炭素環、芳香族複素環を形成するのに必要な残基であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
11.前記一般式(1)におけるZ1がベンゼン環を形成するのに必要な残基であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
12.前記一般式(1)におけるZ1がナフタレン環を形成するのに必要な残基であることを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
13.前記一般式(1)におけるRが芳香族炭素環、芳香族複素環であることを特徴とする前記1〜12に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
14.前記一般式(1)におけるRがナフタレン環であることを特徴とする前記1〜13に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
15.前記一般式(1)におけるRとRが芳香族炭素環、芳香族複素環を形成することを特徴とする前記1〜14に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
16.前記一般式(1)におけるRとRがベンゼン環を形成することを特徴とする前記1〜15に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
17.前記一般式(1)におけるRとRが芳香族炭素環、芳香族複素環を形成することを特徴とする前記1〜16に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
18.発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントと併用する異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントが、発光波長475nm以下の前記一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントであることを特徴とするとする前記1〜17に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
19.前記一般式(1)において、Mが白金又はイリジウムであることを特徴とする前記1〜18に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
20.前記1〜19のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
21.前記1〜19のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
本発明により、高効率、長寿命の白色有機EL素子、照明装置及び表示装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
580nm以上の発光波長をもつ一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパント素子材料について、先ず説明する。
本発明の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントである素子材料において、Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表し、R、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し、Z1は炭素原子と芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表す。また、Z1は置換基を有してもよく、RとR、RとR、RとZ1の任意の原子とで結合を形成して環を形成してもよい。
、Rで表される置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、ヘテロアリール基(ピロール基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、チエニル基、カルバゾリル基等)、アルケニル基(ビニル基、プロペニル基、スチリル基等)、アルキニル基(エチニル基等)、アルキルオキシ基(メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、i−プロピルキオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基等)、アリールアミノ基(アニリノ基、ジフェニルアミノ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、シアノ基、ニトロ基、非芳香族性複素環基(ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、等)、シリル基(トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等)等が挙げられ、それぞれの置換基は更に置換基を有していてもよい。
また、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表すが、芳香族炭化水素環(基)としては、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等が挙げられ、
又、芳香族複素環基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基が挙げられる。
これら芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基は、前記の置換基を有してもよい。
また、Z1は、芳香族炭化水素環、芳香族複素環を形成するのに必要な残基であるが、Z1により形成される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等を表すが、更にこれら芳香族炭化水素環は、前記の置換基を有してもよい。
また、Z1により形成される芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが更に窒素原子で置換されている環を示す)等を表すが、前記の置換基を有していてもよい。
また、これらZ1残基に置換基を有するとき、RとR、RとR、RとZ1の任意の原子とで結合を形成して環を形成してもよい。
これらのうち、前記一般式(1)におけるZ1はベンゼン環、またナフタレン環を形成するのに必要な残基であることが好ましい。これらは前記の置換基を有してもよい。
また、前記一般式(1)におけるRは、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基であることが好ましいが、これらの基としては、特に、前記一般式(1)におけるRはナフタレン環であることが好ましい。
更に、これら一般式(1)におけるRとRが芳香族炭化水素環、また芳香族複素環を形成することは好ましく、形成される芳香族炭化水素環、また芳香族複素環としては、前記Z1により形成される芳香族炭化水素環、芳香族複素環と同様の環である。
このうち、一般式(1)におけるRとRが、ベンゼン環を形成する場合が特に好ましい。
また、前記一般式(1)におけるRとRが、芳香族炭化水素環、芳香族複素環を形成することが好ましく、形成される芳香族炭化水素環、また芳香族複素環としては、前記Z1により形成される芳香族炭化水素環、芳香族複素環と同様の環である。
また、Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表すが、Mが白金又はイリジウムであることが好ましい。
以上の一般式(1)で表される化合物は、発光波長580nm以上の発光ドーパントとなるが、これらのうち、本発明の効果を最大たらしめるには、これらのうち発光波長が600nm以上であることが好ましく、更に好ましいのは620nm、最も好ましいのは640nm以上であることである。
発光波長は、りん光波長の分光光度計による測定により、また、素子を組み、コニカミノルタセンシング製分光放射輝度計CS−1000を用い測定することで測定できる。
以下に、前記一般式(1)で表される、発光波長が580nm以上の発光ドーパントについて、その代表的な化合物を例示する。
Figure 2010118381
Figure 2010118381
Figure 2010118381
<有機EL素子材料の有機EL素子への適用>
《発光層》
本発明に係る発光層は、発光ドーパントやホスト化合物を含有し、電極又は電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、2nm〜5μmの範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは2nm〜200nmの範囲に調整され、特に好ましくは、10nm〜80nmの範囲である。
本発明において、発光波長580nm以上の前記一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントを発光層に用い、白色の有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する場合、幾つかの態様がある。
本発明の第一の態様において、
発光層は、少なくとも一種、発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントと、異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを一種、含有することを特徴とする。
また、本発明の第二の態様においては、
発光層は、少なくとも一種、発光波長580nm以上の前記一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントと、異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを二種、含有することを特徴とする。
また、本発明の第三の態様においては、
発光層は、少なくとも一種、発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントと、異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを三種以上、含有することを特徴とする。
これらのうち、本発明に係る、発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントと組み合わせる、異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントが二種のみのとき、色調整の自由度が増し又複雑とならず調整が容易であり最も好ましい。
上記の、各発光ドーパントは、各々の発光ドーパントを含有する発光層が、独立した層で構成されていてもよいし、また、発光層は1層で構成され、全ての発光ドーパントが含有される構成でも構わない。
発光層の作製には、後述する発光ドーパントやホスト化合物を、例えば、スピンコート法、ダイコート法等、塗布法や、また、インクジェット法、スクリーン印刷法、キャスト法、LB法等の湿式法、真空蒸着法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
本発明の化合物を発光層に用いる場合、塗布法やインクジェット法などのウェットプロセスで作製することが好ましい。
(発光ドーパント)
発光ドーパント(発光性ドーパント化合物ともいう)について説明する。
発光ドーパントとしては、蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう)、りん光ドーパント(りん光発光体、りん光性化合物、りん光発光性化合物等ともいう)を用いることができる。
(りん光ドーパント)
りん光ドーパント化合物は、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にてりん光発光する化合物であり、りん光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいりん光量子収率は0.1以上である。
上記りん光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのりん光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に係るりん光ドーパントは、任意の溶媒のいずれかにおいて上記りん光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
りん光ドーパントの発光は原理としては2種挙げられ、1つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こって発光性ホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをりん光ドーパントに移動させることでりん光ドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型、もう1つはりん光ドーパントがキャリアトラップとなり、りん光ドーパント上でキャリアの再結合が起こり、りん光ドーパント化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、りん光ドーパントの励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
本発明に係るりん光ドーパントは、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、ユーロピウム錯体、又は白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも白金又はイリジウムが好ましく。最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明において、前記一般式(1)で表される発光波長580nm以上の発光ドーパントのほかに、異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントが組み合わせ用いられるが、これら公知の化合物としては、具体的には以下の特許公報に記載されている化合物などが挙げられる。
国際公開第00/70655号パンフレット、特開2002−280178号公報、特開2001−181616号公報、特開2002−280179号公報、特開2001−181617号公報、特開2002−280180号公報、特開2001−247859号公報、特開2002−299060号公報、特開2001−313178号公報、特開2002−302671号公報、特開2001−345183号公報、特開2002−324679号公報、国際公開第02/15645号パンフレット、特開2002−332291号公報、特開2002−50484号公報、特開2002−332292号公報、特開2002−83684号公報、特表2002−540572号公報、特開2002−117978号公報、特開2002−338588号公報、特開2002−170684号公報、特開2002−352960号公報、国際公開第01/93642号パンフレット、特開2002−50483号公報、特開2002−100476号公報、特開2002−173674号公報、特開2002−359082号公報、特開2002−175884号公報、特開2002−363552号公報、特開2002−184582号公報、特開2003−7469号公報、特表2002−525808号公報、特開2003−7471号公報、特表2002−525833号公報、特開2003−31366号公報、特開2002−226495号公報、特開2002−234894号公報、特開2002−235076号公報、特開2002−241751号公報、特開2001−319779号公報、特開2001−319780号公報、特開2002−62824号公報、特開2002−100474号公報、特開2002−203679号公報、特開2002−343572号公報、特開2002−203678号公報等。
以下に、前記一般式(1)で表される発光波長580nm以上の発光ドーパントのほかに、これと組み合わせ用いられる異なる発光スペクトルを有するりん光ドーパントについて、公知の化合物を具体例で示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は例えば、Inorg. Chem. 40巻,1704〜1711に記載の方法等により合成することができる。
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(蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう))
蛍光ドーパントとしては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等や、レーザー色素に代表される蛍光量子収率が高い化合物が挙げられる。
このように、本発明の有機EL素子の発光層には、発光ドーパント(りん光発光性ドーパント(りん光ドーパント、りん光発光性ドーパント基ともいう)や蛍光ドーパント等)化合物と、発光ホスト化合物とを含有することが好ましい。
本発明に係る発光ドーパントは、複数種の化合物を併用して用いてもよく、構造の異なるりん光ドーパント同士の組み合わせや、りん光ドーパントと蛍光ドーパントを組み合わせて用いてもよい。
(ホスト化合物(発光ホストともいう))
本発明においてホスト化合物は、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であり、且つ室温(25℃)においてりん光発光のりん光量子収率が、0.1未満の化合物と定義される。好ましくはりん光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
本発明に用いることができる発光ホストとしては、特に制限はなく、従来有機EL素子で用いられる化合物を用いることができる。代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、又は、カルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも1つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。
本発明に用いることができる公知の発光ホストとしては正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
また、本発明においては、ホスト化合物を単独で用いてもよく、又は複数種併用して用いてもよい。発光ホストを複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。
また、本発明に用いられる発光ホストとしては、低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(重合性発光ホスト)でもよく、このような化合物を一種又は複数種用いても良い。
公知の発光ホストの具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
以下、本発明の有機EL素子の発光層の発光ホストとして、使用可能な、具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
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《有機EL素子の構成層》
本発明の有機EL素子を構成するその他の構成層について以下説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明の白色有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子においては、上記の発光層は、複数のドーパントを含有する単一の白色発光層としたものであってもよく、また、複数のドーパントを分けそれぞれ含有する複数の独立した層で構成されていてもよい。
更に、複数の発光層間には非発光性の中間層を有するものであてもよい。
本発明の有機EL素子を構成する発光層以外の各層について説明する。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層又は正孔輸送層の間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
正孔阻止層には、前述のホスト化合物として挙げたアザカルバゾール誘導体を含有することが好ましい。
また、本発明においては、複数の発光色の異なる複数の発光層を有する場合、その発光極大波長が最も短波にある発光層が、全発光層中、最も陽極に近いことが好ましいが、このような場合、該最短波層と該層の次に陽極に近い発光層との間に正孔阻止層を追加して設けることが好ましい。更には、該位置に設けられる正孔阻止層に含有される化合物の50質量%以上が、前記最短波発光層のホスト化合物に対しそのイオン化ポテンシャルが0.3eV以上大きいことが好ましい。
イオン化ポテンシャルは化合物のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、例えば下記に示すような方法により求めることができる。
(1)米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用い、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出した値(eV単位換算値)の小数点第2位を四捨五入した値としてイオン化ポテンシャルを求めることができる。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いためである。
(2)イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接測定する方法により求めることもできる。例えば、理研計器社製の低エネルギー電子分光装置「Model AC−1」を用いて、あるいは紫外光電子分光として知られている方法を好適に用いることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては、好ましくは3nm〜100nmであり、更に好ましくは5nm〜30nmである。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、所謂p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることからこれらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜として形成することができる。しかしながら、例えば、陽極から正孔輸送層、発光層と積層・形成してゆく場合、正孔輸送層もまた、湿式法である、塗布、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等により形成されその上に、本発明の化合物を含む発光層が、同じく湿式法により形成されることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の一種または二種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層又は複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
更に上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き換わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。
その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
例えば、陽極から正孔輸送層、発光層と積層形成する場合、電子輸送層は上記電子輸送材料を、湿式法である、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等により、例えば、本発明の化合物を含む発光層上に積層・形成できる。勿論、発光層の隣接層の一方については、湿式法以外の方法、例えば蒸着等の方法で形成されていても構わない。
電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。電子輸送層は上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。
このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。
また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1000nm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1nm〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、10−3cm/(m・24h・MPa)以下、水蒸気透過度が、10−5g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。
ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を、蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも平板状でもよい。また透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。更には、ポリマーフィルムは、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3cm/(m・24h・MPa)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のものであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
尚、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造をもたせることが好ましい。これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量且つ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取り出し》
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435号明細書)、基板に集光性をもたせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
本発明はこれらの手段を組み合わせることにより、更に高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。また、更に1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚みは媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面もしくはいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は回折格子が1次の回折や2次の回折といった所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述の通り、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。
このとき、回折格子の周期は媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。
回折格子の配列は正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、二次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
《集光シート》
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を二次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば、液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして、例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることができる。プリズムシートの形状としては、例えば、基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。
また、発光素子からの光放射角を制御するために、光拡散板・フィルムを集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることができる。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法を説明する。
先ず適当な基体上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陽極を作製する。
次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜を形成させる。
これら各層の形成方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、且つ、ピンホールが生成しにくい等の点から、本発明においてはスピンコート法、インクジェット法、印刷法等の塗布法による製膜が好ましい。
本発明に係る有機EL材料を溶解又は分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。また分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは、50nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。尚、印加する交流の波形は任意でよい。
《用途》
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL素子においては、必要に応じ製膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよく、素子の作製においては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
また、本発明の白色有機EL素子の場合には、白色とは、2度視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.1の領域内にあることを言う。
以下、実施例により具体的に本発明を説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
《有機EL素子1−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてHost−24を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにBAlqを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−1を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−15を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにR−1を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlqを200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。
更に、Host−24、D−1、D−15、R−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.02nm/秒、0.0004nm/秒、0.0004nm/秒で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚40nmの発光層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
更に、BAlqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。
その上に、更に、Alqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続きフッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子1−1を作製した。
Figure 2010118381
《有機EL素子1−2〜1−14の作製》
有機EL素子1−1の作製において、発光層のホスト化合物であるHost−24、ドーパント化合物であるD−1、D−15、R−1を表1に示す化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子1−2〜1−14を作製した。
《有機EL素子の評価》
得られた有機EL素子1−1〜1−14を評価するに際しては、作製後の各有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止して、図1、図2に示すような照明装置を形成して評価した。
図1は照明装置の概略図を示し、有機EL素子101はガラスカバー102で覆われている(尚、ガラスカバーでの封止作業は、有機EL素子101を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った)。
図2は照明装置の断面図を示し、図4において、105は陰極、106は有機EL層、107は透明電極付きガラス基板を示す。尚、ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
(外部取り出し量子効率)
有機EL素子を室温(約23〜25℃)、2.5mA/cmの定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。ここで、発光輝度の測定はCS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。
外部取り出し量子効率は有機EL素子1−13(比較)を100とする相対値で表した。
(駆動寿命)
下記に示す測定法に従って、駆動寿命の評価を行った。
各有機EL素子を一定条件で初期輝度1000cd/mを与える電流で定電流駆動して、初期輝度の1/2(500cd/m)になる時間を求め、これを駆動寿命の尺度とした。尚、駆動寿命は比較の有機EL素子1−1を100としたときの相対値で表示した。
Figure 2010118381
実施例2
《有機EL素子2−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてHost−24を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにBAlqを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−1を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−15を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにR−1を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlqを200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。
更に、Host−24、D−15、R−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.02nm/秒、0.006nm/秒で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚10nmの発光層を設けた。更に、Host−24、D−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.02nm/秒で共蒸着して、膜厚20nmの発光層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
更に、BAlqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。
その上に、更に、Alqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続きフッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、白色有機EL素子2−1を作製した。
《有機EL素子2−2〜1−10の作製》
有機EL素子2−1の作製において、発光層のホスト化合物であるHost−24、ドーパント化合物であるD−1、R−1を表2に示す化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子2−2〜2−10を作製した。
素子の評価は、実施例1と同じ方法を用いて行った。
Figure 2010118381
実施例3
《有機EL素子3−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてHost−24を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにBAlqを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−1を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−15を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにR−1を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlqを200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。
更に、Host−24、D−15の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.02nm/秒で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚5nmの発光層を設けた。次に、Host−24、R−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.02nm/秒で共蒸着して、膜厚10nmの発光層を設けた。更に、Host−24、D−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.02nm/秒で共蒸着して、膜厚20nmの発光層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
更に、BAlqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。
その上に、更に、Alqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続きフッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、白色有機EL素子3−1を作製した。
《有機EL素子3−2〜3−10の作製》
有機EL素子3−1の作製において、発光層のホスト化合物であるHost−24、ドーパント化合物であるD−1、R−1を表1に示す化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子3−2〜3−10を作製した。
素子の評価は、実施例1と同じ方法を用いて行った。
Figure 2010118381
実施例4
《有機EL素子4−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を用い、3000rpm、30秒の条件でスピンコート法により薄膜を形成した後、200℃にて1時間乾燥し、膜厚20nmの正孔輸送層を設けた。
この基板を窒素雰囲気下に移し、正孔輸送層上に、50mgの正孔輸送材料1を10mlのトルエンに溶解した溶液を1500rpm、30秒の条件で正孔輸送層上にスピンコーティングし、薄膜を形成した。更に180秒間紫外光を照射し、光重合・架橋を行い、膜厚約20nmの第2正孔輸送層とした。
この第2正孔輸送層上に、100mgのHost−24、10mgのD−1、0.5mgのD−15、0.5mgのR−1を10mlのトルエンに溶解した溶液を用いて600rpm、30秒の条件でスピンコート法により薄膜を形成した。60℃で1時間真空乾燥し、膜厚約70nmの発光層とした。
次にこの発光層上に、50mgの電子輸送化合物1を10mlのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解した溶液を用いて、1000rpm、30秒の条件でスピンコート法により薄膜を形成した。更に60℃で1時間真空乾燥し、膜厚約30nmの電子輸送層とした。
続いて、この基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、陰極バッファー層としてフッ化ナトリウムを0.4nm、更に陰極としてアルミニウムを110nm蒸着して陰極を形成し、有機EL素子4−1を作製した。
Figure 2010118381
有機EL素子4−1の作製において、Host−24、D−1、D−15、R−1を表1に記載の化合物に変えた以外は同様にして、有機EL素子4−2〜4−14を作製した。
《有機EL素子4−1〜4−14の評価》
得られた有機EL素子4−1〜4−14を評価するに際しては、作製後の各有機EL素子の比発光面をガラスカバーで覆い、ガラスカバーと有機EL素子が作製されたガラス基板とが接触するガラスカバー側の周囲にシール剤としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラクストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極側に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して硬化させ、封止して、図1、図2に示すような照明装置を形成して評価した。
図1は照明装置の概略図を示し、有機EL素子101はガラスカバー102で覆われている(尚、ガラスカバーでの封止作業は、有機EL素子101を大気に接触させることなく、チッソ雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った。)。図2は照明装置の断面図を示し、図2において、105は陰極、106は有機EL層、107は透明電極付きガラス基板を示す。尚、ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
Figure 2010118381
本発明の白色有機EL素子は、高効率、長寿命であることがわかる。
実施例5
《有機EL素子5−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてHost−24を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにBAlqを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−11を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにR−1を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlqを200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。
更に、Host−24、D−11、R−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.02nm/秒、0.001nm/秒で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚40nmの発光層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
更に、BAlqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。
その上に、更に、Alqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続きフッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、白色有機EL素子5−1を作製した。
《有機EL素子5−2〜5−8の作製》
有機EL素子5−1の作製において、発光層のホスト化合物であるHost−24、ドーパント化合物であるD−11、R−1を表5に示す化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子5−2〜5−8を作製した。
素子の評価は、実施例1と同じ方法を用いて行った。
Figure 2010118381
実施例6
《有機EL素子6−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を用い、3000rpm、30秒の条件でスピンコート法により薄膜を形成した後、200℃にて1時間乾燥し、膜厚20nmの正孔輸送層を設けた。
この基板を窒素雰囲気下に移し、正孔輸送層上に、50mgの正孔輸送材料1を10mlのトルエンに溶解した溶液を1500rpm、30秒の条件で正孔輸送層上にスピンコーティングし、薄膜を形成した。更に180秒間紫外光を照射し、光重合・架橋を行い、膜厚約20nmの第2正孔輸送層とした。
この第2正孔輸送層上に、100mgのHost−24、10mgのD−11、0.5mg、0.0025mgのR−1を10mlのトルエンに溶解した溶液を用いて600rpm、30秒の条件でスピンコート法により薄膜を形成した。60℃で1時間真空乾燥し、膜厚約70nmの発光層とした。
次にこの発光層上に、50mgの電子輸送化合物1を10mlのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解した溶液を用いて、1000rpm、30秒の条件でスピンコート法により薄膜を形成した。更に60℃で1時間真空乾燥し、膜厚約30nmの電子輸送層とした。
続いて、この基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、陰極バッファー層としてフッ化ナトリウムを0.4nm、更に陰極としてアルミニウムを110nm蒸着して陰極を形成し、有機EL素子6−1を作製した。
有機EL素子6−1の作製において、Host−24、D−11、R−1を表6に記載の化合物に変えた以外は同様にして、有機EL素子6−2〜6−5を作製した。
《有機EL素子6−1〜6−5の評価》
得られた有機EL素子6−1〜6−5を評価するに際しては、作製後の各有機EL素子の比発光面をガラスカバーで覆い、ガラスカバーと有機EL素子が作製されたガラス基板とが接触するガラスカバー側の周囲にシール剤としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラクストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極側に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して硬化させ、封止して、図1、図2に示すような照明装置を形成して評価した。
図1は照明装置の概略図を示し、有機EL素子101はガラスカバー102で覆われている(尚、ガラスカバーでの封止作業は、有機EL素子101を大気に接触させることなく、チッソ雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った。)。図2は照明装置の断面図を示し、図2において、105は陰極、106は有機EL層、107は透明電極付きガラス基板を示す。尚、ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
Figure 2010118381
本発明の白色有機EL素子は、高効率、長寿命であることがわかる。
照明装置の概略図である。 照明装置の断面図である。
符号の説明
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤

Claims (21)

  1. 発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントを少なくとも一種、前記ドーパントと異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを一種、含有することを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010118381
    (Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表し、R、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し、Z1は炭素原子と芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、更にZ1は置換基を有してもよく、RとR、RとR、RとZ1の任意の原子とで結合を形成して環を形成してもよい。)
  2. 発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントを少なくとも一種、前記ドーパントと異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを二種、含有することを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010118381
    (Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表し、R、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し、Z1は炭素原子と芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、更にZ1は置換基を有してもよく、RとR、RとR、RとZ1の任意の原子とで結合を形成して環を形成してもよい。)
  3. 発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントを少なくとも一種、前記ドーパントと異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントを三種、含有することを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010118381
    (Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表し、R、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し、Z1は炭素原子と芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、更にZ1は置換基を有してもよく、RとR、RとR、RとZ1の任意の原子とで結合を形成して環を形成してもよい。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子において、各々の発光ドーパントが独立した層で構成されることを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が1層で構成されることを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子がウェットプロセスで作成されることを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記一般式(1)で表されるドーパントの発光波長が600nm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記一般式(1)で表されるドーパントの発光波長が620nm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記一般式(1)で表されるドーパントの発光波長が640nm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記一般式(1)におけるZ1が芳香族炭素環、芳香族複素環を形成するのに必要な残基であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記一般式(1)におけるZ1がベンゼン環を形成するのに必要な残基であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記一般式(1)におけるZ1がナフタレン環を形成するのに必要な残基であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記一般式(1)におけるRが芳香族炭素環、芳香族複素環であることを特徴とする請求項1〜12に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記一般式(1)におけるRがナフタレン環であることを特徴とする請求項1〜13に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記一般式(1)におけるRとRが芳香族炭素環、芳香族複素環を形成することを特徴とする請求項1〜14に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記一般式(1)におけるRとRがベンゼン環を形成することを特徴とする請求項1〜15に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 前記一般式(1)におけるRとRが芳香族炭素環、芳香族複素環を形成することを特徴とする請求項1〜16に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 発光波長580nm以上の一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントと併用する異なる発光スペクトルを有する発光ドーパントが、発光波長475nm以下の前記一般式(1)で表される部分構造を含む発光ドーパントであることを特徴とするとする請求項1〜17に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記一般式(1)において、Mが白金又はイリジウムであることを特徴とする請求項1〜18に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
  21. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
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