JP2012020642A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性の低下を抑制しつつ、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ビードコアと、ビードコアの周りに折り返されたカーカス層と、ビードコアよりもタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、を備える空気入りタイヤであって、カーカス層は、ビードコアの周りで折り返された折り返し部と、折り返し部よりもタイヤ回転軸方向内方に位置するカーカス本体部と、を備え、ビードフィラーは、ビードコアのタイヤ径方向外側の面を覆い、ビードコアから離れるにつれて厚さが薄くなる下側ビードフィラーと、下側ビードフィラーを挟むように、下側ビードフィラーとカーカス本体部との間、及び、下側ビードフィラーと折り返し部との間に配置され、下側ビードフィラーよりも100%伸長時モジュラスが小さい上側ビードフィラーと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、トラックやバスなどに用いられる重荷重用空気入りタイヤに関する。
トラックやバスなどに用いられる重荷重用空気入りタイヤでは、カーカス層をビードコアの周りにタイヤ回転軸方向内方から外方に折り返し、カーカス層のカーカス本体部と折り返し部との間に、ビードコアからトレッド側に向かって先細りとなるように延びるビードフィラーが配置される。ビードフィラーは、硬度が比較的高いゴム組成物から構成され、主として操縦安定性の向上に寄与する。
空気入りタイヤに荷重が負荷されると、通常サイドウォール部に撓みが生じる。しかし、極度に大きな荷重が空気入りタイヤに負荷されると、サイドウォール部が撓むだけでなく、ビードフィラーを含むビード部がリムフランジを支点としてタイヤ回転軸方向外方に倒れ込む。そのため、空気入りタイヤが過酷な荷重条件で使用されると、ビード部に大きな圧縮歪や圧縮応力が発生し、セパレーション故障が発生することがある。
従来、カーカス本体部とビードフィラーとの間に、カーカス層のコートゴムよりも硬いがビードフィラーの最も硬い部分よりも軟らかい歪低減ゴム層を介在させる空気入りタイヤが知られている(特許文献1)。
特開2008−307949号公報
しかし、上記従来の空気入りタイヤは、過酷な荷重条件で使用された際に、ビード部に発生するセパレーション故障を十分に抑制できるものではなかった。
本発明は、操縦安定性の低下を抑制しつつ、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、ビードコアと、前記ビードコアの周りに折り返されたカーカス層と、前記ビードコアよりもタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、を備える空気入りタイヤであって、前記カーカス層は、前記ビードコアの周りで折り返された折り返し部と、前記折り返し部よりもタイヤ回転軸方向内方に位置するカーカス本体部と、を備え、前記ビードフィラーは、前記ビードコアのタイヤ径方向外側の面を覆い、前記ビードコアから離れるにつれて厚さが薄くなる下側ビードフィラーと、前記下側ビードフィラーを挟むように、前記下側ビードフィラーと前記カーカス本体部との間、及び、前記下側ビードフィラーと前記折り返し部との間に配置され、前記下側ビードフィラーよりも100%伸長時モジュラスが小さい上側ビードフィラーと、を備えることを特徴とする。
また、前記ビードコアのタイヤ径方向外側の端と前記折り返し部の端との中点を通り、タイヤ回転軸と平行な直線上において、前記下側ビードフィラーの厚さは、前記ビードフィラーの厚さの40%以上であり、前記上側ビードフィラーのうち、前記下側ビードフィラーと前記カーカス本体部との間の部分の厚さは、前記ビードフィラーの厚さの5%以上であり、前記上側ビードフィラーのうち、前記下側ビードフィラーと前記折り返し部との間の部分の厚さは、前記ビードフィラーの厚さの5%以上であることが好ましい。
また、前記折り返し部の端を通り、タイヤ回転軸と平行な直線上において、前記下側ビードフィラーの厚さは、前記ビードフィラーの厚さの20%以下であることが好ましい。
また、前記下側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、13.0MPa以上であることが好ましい。
また、前記上側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、1.5MPa以上3.0MPa以下であることが好ましい。
また、前記上側ビードフィラーは、前記下側ビードフィラーと前記カーカス本体部との間に配置される内側ビードフィラーと、前記下側ビードフィラーと前記折り返し部との間に配置される外側ビードフィラーと、を備え、前記内側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、前記外側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスよりも小さいことが好ましい。
また、前記内側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、1.5MPa以上2.5MPa以下であり、前記外側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、2.0MPa以上3.0MPa以下であることが好ましい。
また、前記折り返し部の端を通り、タイヤ回転軸と平行な直線上において、前記内側ビードフィラーの厚さは、前記外側ビードフィラーの厚さより薄いことが好ましい。
本発明の空気入りタイヤによれば、操縦安定性の低下を抑制しつつ、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができる。
実施形態の空気入りタイヤの一例を示す半断面図である。 実施形態の空気入りタイヤのビード部を拡大した図である。 実施形態の空気入りタイヤのビード部を拡大した図である。 従来例の空気入りタイヤのビード部を拡大した図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明の空気入りタイヤについて、実施形態に基づいて説明する。以下に説明する実施形態の空気入りタイヤは、JATMA YEAR BOOK 2009(日本自動車タイヤ協会規格)のC章に規定されているトラック及びバス用の重荷重用タイヤに適用することができる。
なお、以下の説明において、タイヤ回転軸方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向である。また、タイヤ回転軸方向外方とは、タイヤ回転軸方向において、タイヤ赤道線CLから離れる方向である。また、タイヤ回転軸方向内方とは、タイヤ回転軸方向において、タイヤ赤道線CLに近づく方向である。また、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向である。また、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向において空気入りタイヤの回転軸から離れる側である。
まず、図1を参照して、本実施形態の空気入りタイヤの概略構成を説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤの一例を示す半断面図である。図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤは、トレッド部10と、サイドウォール部20と、ビード部30と、ベルト層50と、カーカス層60と、を備える。図1に示されるように、空気入りタイヤはリム80に装着される。
図1に示されるように、サイドウォール部20は、サイドゴム層22を備える。また、ビード部30は、ビードコア32と、下側ビードフィラー34と、上側ビードフィラー36と、を備える。本実施形態のビードコア32の断面形状は、六角形である。また、ビードコア32の周囲には、タイヤ回転軸方向内方からタイヤ回転軸方向外方に向かってカーカス層60が折り返されて設けられている。ここで、カーカス層60のうち、ビードコア32で折り返されていない部分をカーカス本体部62と定義し、ビードコア32で折り返された部分を折り返し部64と定義する。
カーカス層60に沿って、カーカス補強層66が設けられている。カーカス補強層66は、スチールコードを備える。
また、カーカス層60とサイドウォールゴム層22との間には、カーカス補強層68,70が設けられている。カーカス補強層68,70は、ナイロンコードを備える。
また、ビード部30には、リムクッションゴム層72が設けられている。リムクッションゴム層72は、リム80と直接接触する。
ここで、図2を参照して、本実施形態のビード部30の構成を詳細に説明する。図2は、本実施形態の空気入りタイヤのビード部30を拡大した図である。図2に示されるように、下側ビードフィラー34は、ビードコア32の上部(タイヤ径方向外側の面)を覆っている。また、ビードコア32から離れるにつれて、下側ビードフィラー34の厚さは薄くなる。
ここで、下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスは、13.0MPa以上であることが好ましい。下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスを13.0MPa以上とすることにより、操縦安定性を向上させることができる。また、下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスは、18.0MPa以下であることが好ましい。なお、100%モジュラスは、JIS K 6250の規定により測定される値である。
また、上側ビードフィラー36は、下側ビードフィラー34を挟むように、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間、及び、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間に配置される。また、上側ビードフィラー36の100%伸長時モジュラスは、下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスよりも小さい。例えば、上側ビードフィラー36の100%伸長時モジュラスは、1.5MPa以上3.0MPa以下である。
ここで、一般に、操縦安定性を向上させるために、下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスを大きくすることが好ましい。しかし、100%伸長時モジュラスが大きい下側ビードフィラー34がカーカス層60に接触すると剛性差が大きくなり、下側ビードフィラー34とカーカス層60との間にクラックが発生し、ビード部30にセパレーションが発生しやすい。
これに対し、本実施形態の空気入りタイヤは、下側ビードフィラー34を挟むように、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間、及び、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間に、下側ビードフィラー34よりも100%伸長時モジュラスが小さい上側ビードフィラー36が配置される。そのため、下側ビードフィラー34がカーカス層60と接触するのを抑制することができる。その結果、本実施形態の空気入りタイヤによれば、操縦安定性の低下を抑制しつつ、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができる。
以下、下側ビードフィラー34、上側ビードフィラー36のより具体的な形状について説明する。まず、ビードコア32の上端(タイヤ径方向外側の端)を通り、タイヤ回転軸と平行な直線をLと定義する。また、折り返し部64の上端を通り、タイヤ回転軸と平行な直線をLと定義する。また、ビードコア32の上端と折り返し部64の上端との中点を通り、タイヤ回転軸と平行な直線をLと定義する。
また、直線L上における下側ビードフィラー34の厚さをtと定義する。また、直線L上における上側ビードフィラー36のうち、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間の部分の厚さをtと定義する。また、直線L上における上側ビードフィラー36のうち、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間の部分の厚さをtと定義する。また、直線L上におけるビードフィラーの厚さをTと定義する。ここで、Tは、tとtとtの和に等しい。
直線L上において、下側ビードフィラー34の厚さtは、ビードフィラーの厚さTの40%以上であることが好ましい。下側ビードフィラー34の厚さtを、ビードフィラーの厚さTの40%以上とすることにより、操縦安定性の低下を抑制することができる。
また、直線L上において、上側ビードフィラー36のうち、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間の部分の厚さtは、ビードフィラーの厚さTの5%以上であることが好ましい。tをTの5%以上とすることにより、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間にクラックが発生するのを抑制し、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができる。
また、直線L上において、上側ビードフィラー36のうち、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間の部分の厚さtは、ビードフィラーの厚さTの5%以上であることが好ましい。tをTの5%以上とすることにより、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間にクラックが発生するのを抑制し、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができる。
また、直線L上において、下側ビードフィラー34の厚さをtと定義する。また、直線L上におけるビードフィラーの厚さをTと定義する。直線L上において、下側ビードフィラー34の厚さtは、ビードフィラーの厚さTの20%以下であることが好ましい。例えば、本実施形態では、下側ビードフィラー34の厚さtは、ビードフィラーの厚さTの10%である。
直線L上において、下側ビードフィラー34の厚さtが、ビードフィラーの厚さTの20%以下となる程度に、下側ビードフィラー34がビードコア32から離れるにつれて次第に薄くなることにより、カーカス端部でのセパレーションを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の空気入りタイヤによれば、操縦安定性の低下を抑制しつつ、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の空気入りタイヤの構成を説明する。本実施形態の空気入りタイヤの基本的な構成は、図1を参照して説明した実施形態と同様である。本実施形態では、上側ビードフィラー36の構成が第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略し、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
図3を参照して、本実施形態の上側ビードフィラー36の構成を説明する。図3は、本実施形態の空気入りタイヤのビード部30を拡大した図である。図3に示されるように、本実施形態の上側ビードフィラー36は、内側ビードフィラー38と、外側ビードフィラー40と、を備える。内側ビードフィラー38は、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間に配置される。また、外側ビードフィラー40は、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間に配置される。内側ビードフィラー38と外側ビードフィラー40とは、下側ビードフィラー34よりもタイヤ径方向外側で互いに接している。
内側ビードフィラー38の100%伸長時モジュラスは、外側ビードフィラー40の100%伸長時モジュラスよりも小さい。例えば、内側ビードフィラー38の100%伸長時モジュラスは、1.5MPa以上2.5MPa以下である。また、外側ビードフィラー40の100%伸長時モジュラスは、2.0MPa以上3.0MPa以下である。
また、折り返し部64の上端を通り、タイヤ回転軸と平行な直線L上において、内側ビードフィラー38の厚さは、外側ビードフィラー40の厚さより薄いことが好ましい。
本実施形態の空気入りタイヤの上側ビードフィラー36は、内側ビードフィラー38と、外側ビードフィラー40と、を備える。また、内側ビードフィラー38の100%伸長時モジュラスは、外側ビードフィラー40の100%伸長時モジュラスよりも小さい。そのため、本実施形態の空気入りタイヤによれば、操縦安定性の低下を抑制しつつ、ビード部の耐セパレーション性を更に向上させることができる。
種々の空気入りタイヤを用いて、本発明の効果を確認する試験を行った。タイヤサイズは、295/80R22.5であり、JATMA YEAR BOOK 2009(日本自動車タイヤ協会規格)に規定された空気圧の条件を用いた。各試験タイヤを2−D車両に装着し、以下のような試験を行った。
(操縦安定性)
各試験タイヤを2−D車両の総輪に装着し、JATMA YEAR BOOK 2009に規定される最大荷重の条件下で、テストコースにおいて、テストドライバーによる官能試験を実施した。従来例を100とする指数値で評価結果を示す。この値が大きいほど、操縦安定性が優れている。なお、指数値が90以上の場合に、操縦安定性の低下を抑制することができると判断した。
(耐セパレーション性)
各試験タイヤを2−D車両の後輪に装着し、JATMA YEAR BOOK 2009に規定される最大荷重の120%とした条件下で5万km走行させた後に、ビードセパレーションの発生の有無を調べた。
更に、ドラム耐久試験でJATMA最大荷重の160%とした条件下で1万km走行させた後に、ビードセパレーションの発生の有無を調べた。
(従来例、実施例1〜6)
従来例、実施例1〜6の空気入りタイヤを用いて、直線L上における下側ビードフィラー34の厚さt、上側ビードフィラー36のうち、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間の部分の厚さt、上側ビードフィラー36のうち、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間の部分の厚さtを変えることの効果を調べた。
まず、従来例の空気入りタイヤについて説明する。従来例の空気入りタイヤの基本的な構成は、図1を参照して説明した第1の実施形態と同様である。従来例の空気入りタイヤは、下側ビードフィラー34と上側ビードフィラー36の構成が第1の実施形態とは異なる。以下、図4を参照して、従来例の下側ビードフィラー34と上側ビードフィラー36について説明する。
図4は、従来例の空気入りタイヤのビード部30を拡大した図である。図4に示されるように、従来例の下側ビードフィラー34は、ビードコア32の上部を覆っている。また、従来例の下側ビードフィラー34は、カーカス本体部62と接触しており、ビードコア32から離れるにつれて、下側ビードフィラー34の厚さは薄くなる。
また、従来例の上側ビードフィラー36は、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間に配置される。
また、各実施例の空気入りタイヤの概略構成は、図1、図2を参照して説明した第1の実施形態と同様である。実施例1〜6の空気入りタイヤは、直線L上における下側ビードフィラー34の厚さt、上側ビードフィラー36のうち、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間の部分の厚さt、上側ビードフィラー36のうち、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間の部分の厚さtが互いに異なる。
従来例、実施例1〜6の各空気入りタイヤのt/T、t/T、t/Tは、以下の表1に示される通りである。
従来例、実施例1〜6の空気入りタイヤの直線L上における下側ビードフィラー34の厚さtは、いずれもビードフィラーの厚さTの10%である。
従来例、実施例1〜6の空気入りタイヤの下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスは、いずれも13.0MPaである。また、従来例、実施例1〜6の空気入りタイヤの上側ビードフィラー36の100%伸長時モジュラスは、いずれも2.0MPaである。
従来例、実施例1〜6における操縦安定性、耐セパレーション性の試験結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例1〜6の空気入りタイヤは、下側ビードフィラー34を挟むように、下側ビードフィラー34とカーカス本体部62との間、及び、下側ビードフィラー34と折り返し部64との間に、下側ビードフィラー34よりも100%伸長時モジュラスが小さい上側ビードフィラー36が配置されるため、操縦安定性の低下を抑制しつつ、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができることが分かった。
また、下側ビードフィラー34の厚さtをビードフィラーの厚さTの40%以上とすることにより、操縦安定性が向上することが分かった。
(従来例、実施例4,7,8)
従来例、実施例4,7,8の空気入りタイヤを用いて、下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスを変えることの効果を調べた。
従来例、実施例4,7,8の各空気入りタイヤのt/T、t/T、t/Tは、以下の表2に示される通りである。また、従来例、実施例4,7,8の空気入りタイヤの直線L上における下側ビードフィラー34の厚さtは、いずれもビードフィラーの厚さTの10%である。また、従来例、実施例4,7,8の空気入りタイヤの上側ビードフィラー36の100%伸長時モジュラスは、いずれも2.0MPaである。
従来例の空気入りタイヤの下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスは、13.0MPaである。
実施例7の空気入りタイヤの下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスは、12.0MPaである。
実施例7の空気入りタイヤの下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスは、13.0MPaである。
実施例7の空気入りタイヤの下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスは、13.5MPaである。
従来例、実施例4,7,8における操縦安定性、耐セパレーション性の試験結果を表2に示す。
表2に示されるように、下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスを13.0MPa以上とすることにより、操縦安定性が向上することが分かった。
(従来例、実施例4,9)
従来例、実施例4,9の空気入りタイヤを用いて、上側ビードフィラー36が内側ビードフィラー38と外側ビードフィラー40を備えることの効果を調べた。
実施例9の空気入りタイヤの概略構成は、図1、図3を参照して説明した第2の実施形態と同様である。
従来例、実施例4,9の各空気入りタイヤのt/T、t/T、t/Tは、以下の表3に示される通りである。
従来例、実施例4,9の空気入りタイヤの直線L上における下側ビードフィラー34の厚さtは、いずれもビードフィラーの厚さTの10%である。
従来例、実施例4,9の空気入りタイヤの下側ビードフィラー34の100%伸長時モジュラスは、いずれも13.0MPaである。
また、従来例、実施例4の空気入りタイヤの上側ビードフィラー36の100%伸長時モジュラスは、いずれも2.0MPaである。実施例9の空気入りタイヤの内側ビードフィラー38の100%伸長時モジュラスは、2.0MPaである。また、実施例9の空気入りタイヤの外側ビードフィラー40の100%伸長時モジュラスは、2.6MPaである。
従来例、実施例4,9における操縦安定性、耐セパレーション性の試験結果を表3に示す。
表3に示されるように、上側ビードフィラー36が内側ビードフィラー38と外側ビードフィラー40を備える実施例9では、ドラム耐久試験後においてもビードセパレーションが発生しなかった。そのため、上側ビードフィラー36が内側ビードフィラー38と外側ビードフィラー40とを備えることにより、ビード部の耐セパレーション性が更に向上することが分かった。
表1〜表3に示される結果より、本発明の空気入りタイヤによれば、操縦安定性の低下を抑制しつつ、ビード部の耐セパレーション性を向上させることができることが分かった。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 トレッド部
20 サイドウォール部
22 サイドゴム層
30 ビード部
32 ビードコア
34 下側ビードフィラー
36 上側ビードフィラー
38 内側ビードフィラー
40 外側ビードフィラー
50 ベルト層
60 カーカス層
62 カーカス本体部
64 折り返し部
66,68,70 カーカス補強層
72 リムクッションゴム層
80 リム

Claims (8)

  1. ビードコアと、
    前記ビードコアの周りに折り返されたカーカス層と、
    前記ビードコアよりもタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、を備える空気入りタイヤであって、
    前記カーカス層は、
    前記ビードコアの周りで折り返された折り返し部と、
    前記折り返し部よりもタイヤ回転軸方向内方に位置するカーカス本体部と、を備え、
    前記ビードフィラーは、
    前記ビードコアのタイヤ径方向外側の面を覆い、前記ビードコアから離れるにつれて厚さが薄くなる下側ビードフィラーと、
    前記下側ビードフィラーを挟むように、前記下側ビードフィラーと前記カーカス本体部との間、及び、前記下側ビードフィラーと前記折り返し部との間に配置され、前記下側ビードフィラーよりも100%伸長時モジュラスが小さい上側ビードフィラーと、
    を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ビードコアのタイヤ径方向外側の端と前記折り返し部の端との中点を通り、タイヤ回転軸と平行な直線上において、
    前記下側ビードフィラーの厚さは、前記ビードフィラーの厚さの40%以上であり、
    前記上側ビードフィラーのうち、前記下側ビードフィラーと前記カーカス本体部との間の部分の厚さは、前記ビードフィラーの厚さの5%以上であり、
    前記上側ビードフィラーのうち、前記下側ビードフィラーと前記折り返し部との間の部分の厚さは、前記ビードフィラーの厚さの5%以上である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記折り返し部の端を通り、タイヤ回転軸と平行な直線上において、
    前記下側ビードフィラーの厚さは、前記ビードフィラーの厚さの20%以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記下側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、13.0MPa以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記上側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、1.5MPa以上3.0MPa以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記上側ビードフィラーは、
    前記下側ビードフィラーと前記カーカス本体部との間に配置される内側ビードフィラーと、
    前記下側ビードフィラーと前記折り返し部との間に配置される外側ビードフィラーと、
    を備え、
    前記内側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、前記外側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスよりも小さい、請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記内側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、1.5MPa以上2.5MPa以下であり、
    前記外側ビードフィラーの100%伸長時モジュラスは、2.0MPa以上3.0MPa以下である、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記折り返し部の端を通り、タイヤ回転軸と平行な直線上において、
    前記内側ビードフィラーの厚さは、前記外側ビードフィラーの厚さより薄い、請求項6又は7に記載の空気入りタイヤ。
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