JP2007223516A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 高いビード剛性を確保しながら、ビード耐久性を向上する。
【解決手段】 ビードエーペックスゴム8は、ビードコア5の外面5Sに接する底辺12a、及びこの底辺12両端の内,外底点Pi,Poから第1の頂点Pまでのびる第1の内、外側斜辺12i,12oを有する第1のエーペックス部10、並びに前記内,外底点Pi,Poから半径方向外方に隔たる前記内,外側斜辺12i,12o上の内,外側離間点Qi,Qoから第2の頂点Qまでのびる第2の内,外側斜辺13i,13oを有する第2のエーペックス部11からなる。第1のエーペックス部10のゴム硬度は80〜95°かつ複素弾性率は15〜30MPa、第2のエーペックス部11のゴム硬度は50〜70°かつ複素弾性率は3〜8MPaである。ビードベースラインBLからの各エーペックス部10,11までの高さh1、h2の比h1/h2は0.3〜0.9である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ビードエーペックスゴムを変更することによりビード耐久性を向上した空気入りタイヤに関する。
例えば、ライトトラックやバン等に用いる小型トラック用の空気入りタイヤでは、タイヤサイズに比べて大きな積載荷重が作用するため、ビード部に歪みが集中しやすくビード耐久性に劣る傾向にある。
そこで本出願人は、下記の特許文献1において、図6に略示する如き構造のビードエーペックスゴムaを提案している。この構造では、ビードエーペックスゴムaを、ビードコアbの半径方向外面から立ち上がる断面三角形状のベースエーペックス部a1と、該ベースエーペックス部a1を完全に覆う上エーペックス部a2とで形成するとともに、この上エーペックス部a2をタイヤ軸方向内外の上内エーペックス部a2iと上外エーペックス部a2oとにさらに区分している。そして前記ベースエーペックス部a1にゴム硬度85〜95°の硬質のゴムを、前記上内エーペックス部a2iにゴム硬度80〜85°のやや軟質のゴムを、又上外エーペックス部a2oにゴム硬度75〜85°のさらに軟質のゴムを、それぞれ採用している。これにより、ビード剛性を確保しながら、ビードエーペックスゴムaとカーカスプライcとの間で発生するセパレーションを抑え、ビード耐久性を向上させている。
しかし前記ビードエーペックスゴムaは、三層構造であるため構造が複雑であり、生産性の低下を招くという問題がある。又ベースエーペックス部a1を上エーペックス部a2によって完全に覆う構造をなすため、前記ベースエーペックス部a1が過度に小型化される傾向となり、従って、ビード剛性を確保するため、上エーペックス部a2に、軟質とはいえゴム硬度が75°以上のゴムを使用する必要が生じる。そのため、セパレーションの抑制効果が高く発揮されす、ビード耐久性の向上効果を不充分なものとしている。
そこで本発明は、ビードエーペックスゴムの半径方向外側部分のみに、上エーペックス部に相当する第2のエーペックス部を設けることを基本として、必要なビード剛性を確保しながら、第2のエーペックス部により軟質のゴムを採用でき、セパレーションの抑制効果を高めビード耐久性をさらに向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りで折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライからなるカーカスと、前記ビードコアから半径方向外方にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴムとを具える空気入りタイヤであって、
前記ビードエーペックスゴムは、前記ビードコアの半径方向外面に接する底辺、この底辺のタイヤ軸方向内端の内底点,タイヤ軸方向外端の外底点からそれぞれのびて半径方向外方の第1の頂点で交わる第1の内側斜辺、及び第1の外側斜辺を有する断面図三角形状をなす第1のエーペックス部、並びに前記内底点から半径方向外方に隔てた前記第1の内側斜辺上の内側離間点,前記外底点から半径方向外方に隔てた第1の外側斜辺上の外側離間点からそれぞれのびて前記第1の頂点よりも半径方向外方の第2の頂点で交わる第2の内側斜辺、及び第2の外側斜辺を有するとともに前記内側離間点,外側離間点の半径方向外方において前記第1の内側斜辺および第1の外側斜辺を覆う第2のエーペックス部を具えるとともに、
前記第1のエーペックス部は、ゴム硬度Hs1が80〜95°かつ複素弾性率E*1が15〜30MPa、かつ前記第2のエーペックス部は、ゴム硬度Hs2が50〜70°かつ複素弾性率E*2が3〜8MPaとし、
しかも、前記第1の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh1を、前記第2の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh2の0.3〜0.9倍、
かつ第1の内側斜辺と第2の内側斜辺との間の第2のエーペックス部の内脚部の厚さti、及び第1の外側斜辺と第2の外側斜辺との間の第2のエーペックス部の外脚部の厚さtoは、それぞれ前記第1の頂点から半径方向内方に向かって漸減することを特徴としている。
前記ビードエーペックスゴムは、前記ビードコアの半径方向外面に接する底辺、この底辺のタイヤ軸方向内端の内底点,タイヤ軸方向外端の外底点からそれぞれのびて半径方向外方の第1の頂点で交わる第1の内側斜辺、及び第1の外側斜辺を有する断面図三角形状をなす第1のエーペックス部、並びに前記内底点から半径方向外方に隔てた前記第1の内側斜辺上の内側離間点,前記外底点から半径方向外方に隔てた第1の外側斜辺上の外側離間点からそれぞれのびて前記第1の頂点よりも半径方向外方の第2の頂点で交わる第2の内側斜辺、及び第2の外側斜辺を有するとともに前記内側離間点,外側離間点の半径方向外方において前記第1の内側斜辺および第1の外側斜辺を覆う第2のエーペックス部を具えるとともに、
前記第1のエーペックス部は、ゴム硬度Hs1が80〜95°かつ複素弾性率E*1が15〜30MPa、かつ前記第2のエーペックス部は、ゴム硬度Hs2が50〜70°かつ複素弾性率E*2が3〜8MPaとし、
しかも、前記第1の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh1を、前記第2の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh2の0.3〜0.9倍、
かつ第1の内側斜辺と第2の内側斜辺との間の第2のエーペックス部の内脚部の厚さti、及び第1の外側斜辺と第2の外側斜辺との間の第2のエーペックス部の外脚部の厚さtoは、それぞれ前記第1の頂点から半径方向内方に向かって漸減することを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記第2のエーペックス部は、前記内側離間点のビードベースラインからの半径方向高さh3i、及び前記外側離間点のビードベースラインからの半径方向高さh3oを、それぞれタイヤ断面高さHの0.1〜0.2倍の範囲としたことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記第1の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh1は、前記第2の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh2の0.7倍より大かつ0.9倍以下であることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記第1の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh1は、前記第2の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh2の0.7倍より大かつ0.9倍以下であることを特徴としている。
なお本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、非リム組状態において、タイヤサイズで規定されるリム巾に合わせてビード部を保持したときに特定される値とする。又前記「ビードベースライン」とは、タイヤが基づく規格で定められるビード径位置を通るタイヤ軸方向線を意味する。
又前記「ゴム硬度Hs」は、JIS−K6253に基づきデュロメータータイプAにより測定したデュロメータA硬さであり、又前記「複素弾性率E*」は、測定試料を粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、初期伸張歪10%、動歪の振幅±2%の条件で測定した値である。
本発明は叙上の如く、硬質の第1のエーペックス部のうちで、前記内側離間点および外側離間点よりも半径方向外方の部分のみを軟質の第2のエーペックス部によって被覆している。従って、ビードエーペックスゴムに占める第1のエーペックス部のゴムボリュームの割合を増大しうるなど第1のエーペックス部を大型化でき、第2のエーペックス部に、ゴム硬度70°以下のより軟質のゴムを使用した場合にも、必要なビード剛性を確保でき操縦安定性を維持しうる。
他方、セパレーションが発生しやすい部位である前記第1のエーペックス部における半径方向外方の部分を、前記第2のエーペックス部により被覆している。しかもこの第2のエーペックス部に、より軟質のゴムを使用しているため、ビードエーペックスゴムとカーカスプライとの間の剪断歪みをさらに緩和することができ、ビード剛性を確保しながらビード耐久性の向上効果をいっそう高めることが可能となる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤ1が小型トラック用タイヤである場合を示す断面図、図2はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内部かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
前記ベルト層7は、ベルトコードを用いた2枚以上のベルトプライから形成される。本例では、ベルト層7が、スチールコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2、3のベルトプライ7B、7Cとの3枚構造の場合を例示している。このベルトプライ7A〜7Cは、ベルトコードがプライ間で交差する箇所を1箇所以上設けて重置されることにより、ベルト剛性を高めトレッド部2を強固に補強する。
このベルト層7の半径方向外側には、高速耐久性を高めることを主目的として、例えばナイロン等の有機繊維のバンドコードを周方向に対して例えば5度以下の角度で配列させたバンド層9を設けることができる。バンド層9としては、前記ベルト層7のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ、及びベルト層7の略全巾を覆うフルバンドプライが適宜使用でき、本例では、1枚のフルバンドプライからなるものを例示している。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して75〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では2枚のカーカスプライ6A、6Bから形成される。各カーカスプライ6A、6Bは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
そして前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方にのびる断面三角形状のビードエーペックスゴム8が設けられる。
このビードエーペックスゴム8は、図2に拡大して示すように、ビードコア5の半径方向外面5Sから立ち上がる硬質のゴムからなる半径方向内側の第1のエーペックス部10と、この第1のエーペックス部10の半径方向外方部分を被覆する軟質のゴムからなる第2のエーペックス部11とからなる二層構造で構成される。
詳しくは、前記第1のエーペックス部10は、ビードコア5の前記外面5Sに接する底辺12a、この底辺12aのタイヤ軸方向内端の内底点Piから半径方向外方の第1の頂点Pまでのびる第1の内側斜辺12i、及び前記底辺12aのタイヤ軸方向外端の外底点Poから前記第1の頂点Pまでのびる第1の外側斜辺12oを有する断面図三角形状をなす。
なお、ビードコア5の前記外面5Sとは、ビードコア5を半径方向外方から平面視したときに見える面を意味し、このビードコア5として、図4(A)〜(C)に示すように、断面六角形状(偏平六角形状を含む)、断面矩形状、及び断面円形状など種々の断面形状のものが採用できる。
又前記第2のエーペックス部11は、前記内底点Piから半径方向外方に隔てた前記内側斜辺12i上の内側離間点Qiから、前記第1の頂点Pよりも半径方向外方の第2の頂点Qまでのびる第2の内側斜辺13i、及び前記外底点Poから半径方向外方に隔てた前記外側斜辺12o上の外側離間点Qoから、前記第2の頂点Qまでのびる第2の外側斜辺13oを具える。これにより、第2のエーペックス部11は、前記内側離間点Qi,外側離間点Qoの半径方向外方において前記内側斜辺12iおよび外側斜辺12oを被覆する内脚部11A,外脚部11Bを形成している。
ここで、前記第1のエーペックス部10は、必要なビード剛性を確保するために、ゴム硬度Hs1が80〜95°の範囲、かつ複素弾性率E*1が15〜30MPaの範囲の硬質かつ高弾性のゴムで形成するとともに、前記第1の頂点PのビードベースラインBLからの半径方向高さh1、即ち第1のエーペックス部10の高さh1を、前記第2の頂点QのビードベースラインBLからの半径方向高さh2、即ち第2のエーペックス部11の高さh2の0.3〜0.9倍の範囲としている。このとき、本例では、前記第2のエーペックス部11の高さh2は、タイヤ断面高さH(図1に示す)の0.3〜0.5倍の範囲に設定している。
なお前記第1のエーペックス部10において、前記ゴム硬度Hs1が80°未満、複素弾性率E*1が15MPa未満、及び前記高さh1が前記高さh2の0.3倍未満の場合には、ビード剛性が減じ操縦安定性の低下傾向を招く。逆に、前記ゴム硬度Hs1が95°より大、複素弾性率E*1が30MPaより大、及び前記高さh1が前記高さh2の0.9倍より大では、ビードエーペックスゴム8が硬質化し過ぎ、その結果、ビード部4での発熱が大となる、又第2のエーペックス部11との間の剛性差が過大となって応力が集中する、又第2のエーペックス部11による剪断歪み緩和効果が減じるなどによって、本発明の目的であるビード耐久性の向上効果を有効に発揮することができなくなる。又乗り心地性にも不利を招く。
次に、前記第2のエーペックス部11では、ゴム硬度Hs2が50〜70°の範囲、かつ複素弾性率E*2が3〜8Mapの範囲の軟質かつ低弾性のゴムで形成している。
ここで、本発明のビードエーペックスゴム8では、前記第1のエーペックス部10のうちで前記内側離間点Qi,外側離間点Qoよりも半径方向外方の部分のみを、前記第2のエーペックス部11により被覆している。従って、ビードエーペックスゴム8に占める第1のエーペックス部10のゴムボリュームの割合を増大しうるなど、この第1のエーペックス部10を相対的に大型化できる。従って、前記第2のエーペックス部11に、ゴム硬度Hs2が70°以下のより軟質のゴムを使用した場合にも、必要なビード剛性を充分に確保でき操縦安定性を維持しうる。
他方、前記第2のエーペックス部11が、セパレーションが発生しやすい部位である前記第1のエーペックス部10における半径方向外方の部分を被覆している。しかも、この第2のエーペックス部11に、前述の如く、より軟質かつ低弾性のゴムを使用している。そのため、ビードエーペックスゴム8とカーカスプライとの間の剪断歪みの緩和効果を大幅に高めることができ、ビード剛性を確保しながらビード耐久性の向上効果をいっそう高めることが可能となる。
なお前記第2のエーペックス部11において、前記ゴム硬度Hs2が70°より大、及び複素弾性率E*2が8MPaより大の場合には、前述のビード耐久性の向上効果を充分に発揮することができなくなる。逆に、前記ゴム硬度Hs2が50°未満、及び複素弾性率E*2が3MPa未満の場合には、ビード剛性を高く確保することができなくなる。
このような観点から前記ゴム硬度の差(Hs1−Hs2)は、20〜30°の範囲が好ましく、又複素弾性率の差E*1−E*2)は、15〜20MPaの範囲が好ましい。
また特に、前記第1のエーペックス部10の高さh1を、前記第2のエーペックス部11の高さh2の0.7より大かつ0.9倍以下の範囲と高く設定することが、ビード剛性とビード耐久性とのバランスの観点からより好ましい。又同理由で、前記範囲内で、前記高さh1をタイヤ断面高さHの0.20倍以上、さらには0.25倍以上と高く設定するのが好ましい。
又ビードエーペックスゴム8では、前記内側離間点QiのビードベースラインBLからの半径方向高さh3i、及び前記外側離間点QoのビードベースラインBLからの半径方向高さh3oを、それぞれ前記タイヤ断面高さHの0.1〜0.2倍の範囲に規制することも重要である。これは、0.1〜0.2倍の範囲から上限側、下限側にそれぞれ外れると、ビード耐久性の向上効果が減じる傾向となるからであり、その理由として、エーペックスの強度が不足することが原因と推測される。
このとき、前記内側離間点Qi、外側離間点Qoの前記ビードコア5の半径方向外縁からの半径方向距離hqi、hqoがそれぞれ10mm以上であるのも好ましい。
又前記第2のエーペックス部11では、図3に拡大して示すように、前記内脚部11Aの厚さti(即ち、前記第1の内側斜辺12iと第2の内側斜辺13iとの間の距離)、及び外脚部11Bの厚さto(第1の外側斜辺12oと第2の外側斜辺13oとの間の距離)が、前記第1の頂点Pから半径方向内方に向かって漸減している。これにより、ビード剛性とビード耐久性とのバランスをより高く保っている。なお半径方向の各高さ位置において、前記内脚部11Aの厚さtiと外脚部11Bの厚さtoとの比ti/toは、0.7〜1.4の範囲であるのが好ましい。なお各前記厚さti、toは、前記第1の内側斜辺12i上、及び第1の外側斜辺12o上における各高さ位置にて測定する。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す基本構成を有し、かつタイヤサイズが195/85R16の小型トラック用タイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤのビード耐久性、及び操縦安定性についてテストし比較した。なお各タイヤとも、ビードエーペックスゴムを違えた以外は、全て同仕様であり、第2のエーペックス部11の高さh2は、タイヤ断面高さHの0.4倍で同一である。なお図5は、表1における比較例1のビードエーペックスゴムの構造を示す。又表中の厚さti1、to1は、図4に示すように、第1の頂点Pにおける内脚部11A,外脚部11Bの厚さti、toであり、厚さti2、to2は、前記高さh1の3/4倍の高さをビードベースラインBLから隔たる3/4 h1高さ位置における内脚部11A,外脚部11Bの厚さti、toを意味する。
(1)ビード耐久性;
試供タイヤを、リム(16×5.5K)、内圧(600kPa)、JATMA規格の最大荷重の2.0倍(23.2KN)の縦荷重を負荷して速度20km/Hでドラム上を走行させるとともに、タイヤが破壊するまでの走行時間を測定し、比較例1を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
試供タイヤを、リム(16×5.5K)、内圧(600kPa)、JATMA規格の最大荷重の2.0倍(23.2KN)の縦荷重を負荷して速度20km/Hでドラム上を走行させるとともに、タイヤが破壊するまでの走行時間を測定し、比較例1を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
(2)操縦安定性;
試供タイヤを、リム(16×5.5K)、内圧(600kPa)の条件にて、2屯積の国産小型トラックの全輪に装着し、ドライアスファルト路面のタイヤテストコースをドライバー1名乗車で走行し、操縦安定性(ハンドル応答性、剛性感及びグリップ等)、乗り心地性などについてドライバーの官能により総合評価し、比較例1を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
試供タイヤを、リム(16×5.5K)、内圧(600kPa)の条件にて、2屯積の国産小型トラックの全輪に装着し、ドライアスファルト路面のタイヤテストコースをドライバー1名乗車で走行し、操縦安定性(ハンドル応答性、剛性感及びグリップ等)、乗り心地性などについてドライバーの官能により総合評価し、比較例1を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
本発明は叙上の如く構成しているため、高いビード剛性を確保しながら、ビード耐久性を向上しうる。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A、6B カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
8 ビードエーペックスゴム
10 第1のエーペックス部
11 第2のエーペックス部
11A 内脚部
11B 外脚部
12a 底辺
12i 第1の内側斜辺
12o 第1の外側斜辺
13i 第2の内側斜辺
13o 第2の外側斜辺
P 第1の頂点
Pi 内底点
Po 外底点
Q 第2の頂点
Qi 内側離間点
Qo 外側離間点
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A、6B カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
8 ビードエーペックスゴム
10 第1のエーペックス部
11 第2のエーペックス部
11A 内脚部
11B 外脚部
12a 底辺
12i 第1の内側斜辺
12o 第1の外側斜辺
13i 第2の内側斜辺
13o 第2の外側斜辺
P 第1の頂点
Pi 内底点
Po 外底点
Q 第2の頂点
Qi 内側離間点
Qo 外側離間点
Claims (3)
- トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りで折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライからなるカーカスと、前記ビードコアから半径方向外方にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴムとを具える空気入りタイヤであって、
前記ビードエーペックスゴムは、前記ビードコアの半径方向外面に接する底辺、この底辺のタイヤ軸方向内端の内底点,タイヤ軸方向外端の外底点からそれぞれのびて半径方向外方の第1の頂点で交わる第1の内側斜辺、及び第1の外側斜辺を有する断面図三角形状をなす第1のエーペックス部、並びに前記内底点から半径方向外方に隔てた前記第1の内側斜辺上の内側離間点,前記外底点から半径方向外方に隔てた第1の外側斜辺上の外側離間点からそれぞれのびて前記第1の頂点よりも半径方向外方の第2の頂点で交わる第2の内側斜辺、及び第2の外側斜辺を有するとともに前記内側離間点,外側離間点の半径方向外方において前記第1の内側斜辺および第1の外側斜辺を覆う第2のエーペックス部を具えるとともに、
前記第1のエーペックス部は、ゴム硬度Hs1が80〜95°かつ複素弾性率E*1が15〜30MPa、かつ前記第2のエーペックス部は、ゴム硬度Hs2が50〜70°かつ複素弾性率E*2が3〜8MPaとし、
しかも、前記第1の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh1を、前記第2の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh2の0.3〜0.9倍、
かつ第1の内側斜辺と第2の内側斜辺との間の第2のエーペックス部の内脚部の厚さti、及び第1の外側斜辺と第2の外側斜辺との間の第2のエーペックス部の外脚部の厚さtoは、それぞれ前記第1の頂点から半径方向内方に向かって漸減することを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記第2のエーペックス部は、前記内側離間点のビードベースラインからの半径方向高さh3i、及び前記外側離間点のビードベースラインからの半径方向高さh3oを、それぞれタイヤ断面高さHの0.1〜0.2倍の範囲としたことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh1は、前記第2の頂点のビードベースラインからの半径方向高さh2の0.7倍より大かつ0.9倍以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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