JP2007015533A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い横剛性に基づく高コーナリング性能と良好な接地性に基づく高グリップ性能との両立を可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 少なくとも2層のバイアスアングルプライからなるカーカス層6を、左右のビードコア7からそれぞれトレッド部1側へ延長すると共にベルト層4に至らないバットレス部2bの近傍で終端させ、かつ少なくとも1層のラジアルアングルプライからなる補助シート8を、前記カーカス層6の終端とベルト層4の端部との間に掛け渡すように配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも2層のバイアスアングルプライからなるカーカス層6を、左右のビードコア7からそれぞれトレッド部1側へ延長すると共にベルト層4に至らないバットレス部2bの近傍で終端させ、かつ少なくとも1層のラジアルアングルプライからなる補助シート8を、前記カーカス層6の終端とベルト層4の端部との間に掛け渡すように配置した。
【選択図】 図1
Description
本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、高い横剛性に基づく高コーナリング性能と良好な接地性に基づく高グリップ性能との両立を可能した空気入りタイヤに関し、特にレーシングタイヤとして好適な空気入りタイヤに関する。
近年、レーシングタイヤでは、高度のコーナリング性能(操縦性)を得るために横方向の剛性(横剛性)を高めると共に、トラクションやブレーキング性能に必要な高いグリップ性能を確保するため接地性を向上させることが強く要請されている。しかし、タイヤの横剛性を増加させると、それと同時に縦剛性も増加し、それによってタイヤが撓みにくくなるため接地性が低下したり、乗り心地性が低下したりする問題が起こる。このような接地性の悪いタイヤは、サーキット走行において、ブレーキング、コーナリング、トラクションなどで4輪に対して荷重変化が生ずるとき、特に低荷重時においてグリップ性が不足する事態を招くという問題を有している。
従来、レーシングタイヤではないが、乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、操縦安定性と乗り心地性とをタイヤ重量を増加させることなく両立させるため、トレッド部でベルト層と重なる領域のカーカス層を除去して、所謂カーカス層を中抜き構造にするという提案がある(特許文献1など)。しかし、単にカーカス層を中抜き構造にしただけの対策では、上述したレーシングタイヤに要請されているような高い横剛性による高コーナリング性能を得るようにしながら良好な接地性による高グリップ性能を確保するという、上記二律背反の性能を両立させることは難しい。
特開2001−260617号公報
本発明の目的は、高い横剛性に基づく高コーナリング性能と良好な接地性に基づく高グリップ性能との両立を可能にした空気入りタイヤ、特にレーシングタイヤとして好適な空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、少なくとも2層のバイアスアングルプライからなるカーカス層を、左右のビードコア7からそれぞれトレッド部側へ延長すると共にベルト層に至らないバットレス部近傍で終端させ、かつ少なくとも1層のラジアルアングルプライからなる補助シートを、前記カーカス層の終端とベルト層の端部との間に掛け渡すように配置したことを特徴とするものである。
本発明によれば、少なくとも2層のバイアスアングルプライから高剛性のカーカス層を構成し、このカーカス層を中抜き構造にし、ビードコアからの延長端をベルト層端部までは届かせずにバットレス部近傍で終端させため、縦荷重に対してバットレス部を大きく撓みやすくなり、接地性が大いに向上するため高グリップ性能を得ることができる。また、カーカス層の終端とベルト層の端部との間にラジアルアングルプライの補助シートを配置したため、上記カーカス層と共に横剛性を確保し、高いコーナリング性能を発揮することができる。
以下、図に示す実施形態を参照して本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態のレーシングタイヤを例示する子午線断面図である。
1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。トレッド部1では、その左右両端部域1s,1sをそれぞれショルダー部といい、また左右のサイドウォール部2,2では、それぞれの径方向外端領域2b,2bをバットレス部という。
トレッド部1には、その内側にスチールコードをタイヤ周方向に対しバイアスに配列した2層のベルト層4が埋設されている。また、ベルト層4の左右両端部の外周に、それぞれナイロンなどの有機繊維コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻きつけたベルト補強層5,5が設けられている。
左右のサイドォール部2,2には、それぞれカーカス層6がビード部3から延長するように設けられている。各カーカス層6は、半径方向の内端側がビードコア7の周りにタイヤ内側から外側へ折り返すように係止され、またトレッド部1側の半径方向の外端側はベルト層4の端部まで達しておらず、バットレス部2bの近傍で終端している。すなわち、カーカス層6はトレッド部1の内側には存在せず、所謂中抜き構造になっている。
カーカス層6は、この実施形態では2層のバイアスアングルプライからなり、ポリエステル、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コード(カーカスコード)をタイヤ周方向に対してバイアスに配列すると共に、層間で交差するように配置されている。このバイアスアングルプライの積層構造によって、カーカス層6は高い剛性を有している。
中抜き構造にしたカーカス層6の半径方向外端側の終端には、ベルト層4の端部との間に補助シート8が掛け渡されるように設けられている。補助シート8は、カーカス層6と同様の有機繊維コードをタイヤ周方向に対してラジアルアングルまたはセミラジアルアングルに配列したラジアルアングルプライから構成されている。このラジアルアングルプライの補助シート8は、カーカス層6の終端およびベルト層4の端部に対してタイヤ内側に一部をオーバラップさせようになっている。
上記構成の空気入りタイヤは、カーカス層6は2層のバイアスアングルプライから構成されることにより高い剛性を有しているが、トレッド部1の全域にわたり中抜きであると共に、バットレス部2bの領域にも配置されていないので、そのバットレス部2bは縦方向の荷重に対して容易に撓みやすくなっている。そのため、トレッド部2の全体が路面に接地しやすくなり、接地性を大幅に向上することができる。また、そのバットレス部2bには、ラジアルアングルプライからなる補助シート8が挿入されているため、高い剛性を有するカーカス層6の横剛性を確保することができ、高いコーナリング性能を発揮することができる。
本発明はレーシングタイヤ用として上記の優れた効果を奏するが、乗用車用タイヤにも適用可能であることは勿論である。特に、偏平率が50%以下の超偏平タイヤに適用する場合に大きな効果を奏することができる。
本発明において、カーカス層は少なくとも2層のバイアスアングルプライからなり、層間でカーカスコードを互いに交差させるように配置されている。好ましくは、図示の例のように2層にするとよい。このようにカーカス層をバイアスアングルプライで構成したことにより高い剛性を得ることができる。カーカス層のバイアスアングルとしては、横荷重に対する剛性を確保するため、タイヤ周方向に対して60〜85度が好ましく、さらに好ましくは65〜80度にするとよい。
他方、カーカス層の終端とベルト層の端部との間に介挿する補助シートは、少なくとも1層のラジアルアングルから構成される。好ましくは、図示の例のように1層にするとよい。この補強シートのラジアルアングルとしては、タイヤ周方向に対して85〜90度が好ましく、さらに好ましくは87〜90度のほぼ90度にするのがよい。このようなラジアルアングルにより、バットレス部の縦荷重に対する撓みを許容して接地性を向上し、しかも横荷重に対する横剛性も確保するため、高いコーナリング性能を可能にすることができる。
中抜き構造にしたカーカス層は、上記のようにバットレス部の撓みやすさを確保するため、ビードコアからトレッド部側へ延長する端部をベルト層端部に到達せず、バットレス部近傍で終端させる必要がある。そのため、カーカス層終端のビート゛ ベースからの高さとしては、タイヤ断面高さの50〜90%にすることが好ましい。90%よりも高いと、バットレス部の撓みやすさを確保することが難しくなり、また50%よりも低いと、横剛性の確保が難しくなる。
本発明で設ける補助シートは、径方向の両端部をベルト層の端部およびカーカス層の終端の間で、それぞれ一部をオーバラップさせるように配置することが好ましい。補助シートがベルト層の端部およびカーカス層の終端にオーバラップする位置としては、タイヤ内側およびタイヤ外側のいずれであってもよいが、好ましくは図示の例のようにタイヤ内側でオーバラップさせることが好ましい。このようにオーバラップさせることにより、タイヤの横剛性確保を一層良好にすることができる。
上記のように補助シートの端部をオーバラップさせる長さとしては、ベルト層の端部側は15〜150mmの範囲にすることが好ましく、カーカス層の終端側は15〜90mmの範囲にすることが好ましい。ベルト層端部に対するオーバラップ長さは、15mmよりも短いと横剛性を保つ効果が低減し、150mmを超えると横剛性保持効果はほぼ飽和するので材料が無駄になる。また、カーカス層の終端に対するオーバラップ長さは、15mmよりも短いと横剛性を保つ効果が低減し、90mmを超えると横剛性保持効果はほぼ飽和するので同様に材料は無駄になる。
タイヤサイズが280/680R18で、バイアスアングル75度のポリエステル繊維コードからなる2層のバイアスアングルプライで構成したカーカス層を使用することを共通条件にし、次のように異ならせた従来例タイヤと実施例タイヤとを製作した。
(従来例)
上記構成のカーカス層を左右のビードコア間に連続するように配置した。
上記構成のカーカス層を左右のビードコア間に連続するように配置した。
(実施例)
図1のタイヤ構造にし、上記構成のカーカス層を中抜き構造にすると共に、補助シートをポリエステル繊維コードをラジアルアングル90度で配置したラジアルプライから構成し、カーカス層終端のビート゛ ベースからの高さとタイヤ断面高さとのセクションハイト比(L/SH)、補助シートのカーカス層終端とのオーバラップ長さLcおよびベルト層端部とのオーバラップ長さLbを、それぞれ表1に記載のようにした。
図1のタイヤ構造にし、上記構成のカーカス層を中抜き構造にすると共に、補助シートをポリエステル繊維コードをラジアルアングル90度で配置したラジアルプライから構成し、カーカス層終端のビート゛ ベースからの高さとタイヤ断面高さとのセクションハイト比(L/SH)、補助シートのカーカス層終端とのオーバラップ長さLcおよびベルト層端部とのオーバラップ長さLbを、それぞれ表1に記載のようにした。
上記2種類のタイヤを、それぞれ排気量3500ccのエンジンを搭載したレーシングカーの4輪に装着し、テストドラーバーにより1周4500mのテストコースを5回周回したときの1周あたりの平均ラップタイムでグリップ性能(接地性)を評価し、またコーナリング走行時のフィーリングテストによりコーナリング性能を評価した。その結果を表1に示す。
なお、コーナリング走行時のフィーリングテストは5点法で採点し、従来例タイヤの得点を100とする指数で示した。指数値が大きいほどコーナリング性能が優れていることを示す。
1 トレッド部
1s ショルダー部
2 サイドウォール部
2b バットレス部
3 ビード部
4 ベルト層
6 カーカス層
7 ビードコア
8 補助シート
1s ショルダー部
2 サイドウォール部
2b バットレス部
3 ビード部
4 ベルト層
6 カーカス層
7 ビードコア
8 補助シート
Claims (6)
- 少なくとも2層のバイアスアングルプライからなるカーカス層を、左右のビードコア7からそれぞれトレッド部側へ延長すると共にベルト層に至らないバットレス部近傍で終端させ、かつ少なくとも1層のラジアルアングルプライからなる補助シートを、前記カーカス層の終端とベルト層の端部との間に掛け渡すように配置した空気入りタイヤ。
- 前記カーカス層のバイアスアングルをタイヤ周方向に対して60〜85度にし、前記補助シートのラジアルアングルをタイヤ周方向に対して85〜90度にした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーカス層の終端のビート゛ ベースからの高さをタイヤ断面高さの50〜90%にした空気入りタイヤ。
- 前記補助シートが前記ベルト層の端部とオーバラップする長さを15〜150mmにした請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記補助シートが前記カーカス層の終端とオーバラップする長さを15〜90mmにした請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- タイヤがレーシングタイヤである請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005198437A JP2007015533A (ja) | 2005-07-07 | 2005-07-07 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007015533A true JP2007015533A (ja) | 2007-01-25 |
Family
ID=37753059
Family Applications (1)
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JP2005198437A Pending JP2007015533A (ja) | 2005-07-07 | 2005-07-07 | 空気入りタイヤ |
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JP (1) | JP2007015533A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008201323A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2009196521A (ja) * | 2008-02-22 | 2009-09-03 | Bridgestone Corp | バイアスタイヤ |
-
2005
- 2005-07-07 JP JP2005198437A patent/JP2007015533A/ja active Pending
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