JP2008201323A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性や乗り心地性などのタイヤ走行性能、耐摩耗性などを損なうことなくロードノイズを低減することができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】1対のビードコア5を備えたビード部4と、ビード部4から延びるサイドウォール部3と、前記サイドウォール部3間に設けたトレッド部2とを有し、少なくとも1層のカーカスプライを前記1対のビードコア5及びビードフィラー9の周りを折り返し係止したカーカス6と、少なくとも2層のベルトプライからなるベルト7を配置した空気入りタイヤ1において、前記ビードフィラー9の配置領域内で、タイヤ最大幅位置Wとリムフランジ接触位置Rの間における前記カーカス6のタイヤ径方向外側のビード部4に、複数の円環状プレート材11とゴム材とを交互に配して積層した積層構造部材10を埋設する。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、より詳しくは、路面からの振動入力を吸収減衰し、車室内のロードノイズを低減した空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤに基づくロードノイズは、車両走行時の車室内騒音として大きな割合を占めており、路面の凹凸による振動入力がタイヤを振動させ、その振動がホイール、車軸、サスペンション等の車両の懸架系を伝播し車室内で振動騒音として認識される。
ロードノイズを低減するには、トレッドパターンの改良、トレッドゴム厚みの増加や振動吸収性に優れる柔らかいゴムをトレッドに用いて路面入力の低減を行ったり、タイヤの振動伝達特性を変更しホイールや懸架系との共振を避けることによりロードノイズの低減を図ること行われてきた。
例えば、タイヤのサイド部における振動伝達特性を変更する手法としては、カーカスの折り返し構造の工夫とサイドウォール補強層を備えたタイヤ(特許文献1など)、サイドゴム表面の最大断面幅の位置よりトレッド側に、あるいはビード部側に環状の凸部ゴムを設けたタイヤ(特許文献2、3など)、バットレス部の周方向に断続して並列する凸部をタイヤ周方向に位置をずらせて交互に配したタイヤ(特許文献4)など、多数の技術が提案されている。
特開2001−71715号公報 特開平9−109621号公報 特開平9−109622号公報 特開2001−130223号公報
しかしながら、上記のトレッドパターンの改良、トレッドゴム厚みの増加や振動吸収性に優れる柔らかいゴムをトレッドに用いトレッド構造や部材を変更するものは、操縦安定性や乗り心地性などのタイヤ走行性能への影響や耐摩耗性を犠牲にしてしまうことが多く、また、サイド部の振動伝達特性を変更する手法は、タイヤ転動時の実際の振動伝達特性が路面に応じて変化し充分なロードノイズ低減の効果が得られない場合があった。
そこで本発明の目的は、操縦安定性や乗り心地性などのタイヤ走行性能、耐摩耗性などを損なうことなくロードノイズを効果的に低減することができる空気入りタイヤを提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行ったところ、振動の伝達経路であるサイドウォール部、特に振動の腹となる位置にタイヤ径方向の振動入力を緩和、吸収することができる円環状プレート材からなる積層構造を配置することで、タイヤの諸性能を維持しながらロードノイズが低減できることを見出したものである。
すなわち本発明の空気入りタイヤは、1対のビードコアを備えたビード部と、前記ビード部から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部と、前記サイドウォール部間に設けたトレッド部とを有し、少なくとも1層のカーカスプライを前記1対のビードコア及びビードフィラーの周りをタイヤ内側からタイヤ外側に折り返し係止したカーカスと、該カーカスのトレッド部における外周側に少なくとも2層のベルトプライからなるベルトを配置した空気入りタイヤにおいて、前記ビードフィラーの配置領域内で、タイヤ最大幅位置とリムフランジ接触位置の間における前記カーカスのタイヤ径方向外側のビード部に、複数の円環状プレート材とゴム材とを交互に配して積層した積層構造部材を埋設したことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤは、さらに、前記ベルトの両端部外側とタイヤ最大幅位置の間で、前記カーカスのタイヤ径方向外側のバットレス部にも、複数の円環状プレート材とゴム材とを交互に配して積層した積層構造部材を埋設することができる。
本発明において、前記プレート材の縦弾性係数が10〜25,000kgf/mmの範囲にあることが好ましい。
また、前記プレート材のタイヤ径方向の配置角度が、該タイヤ回転軸から接地面に下ろした鉛直線に対して0±20°の範囲にあると効果的である。
さらに、本発明の空気入りタイヤは、前記カーカスの少なくとも1枚のカーカスプライが前記積層構造部材の位置において該タイヤ周上で分断され、該カーカスプライ分断端部がタイヤ周上で前記円環状プレート材間の間隙に挟持されているものとすることができる。
本発明の空気入りタイヤによれば、ビード部に埋設された積層構造からなる積層構造部材が該プレート材間でタイヤ縦方向に変形し、路面の凹凸からタイヤに入力する振動を緩和、吸収することで振動伝達特性を改善しロードノイズを効果的に低減することができる。さらに、バットレス部にも積層構造部材を配置することで、ロードノイズ低減の効果を高めることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の1実施形態である乗用車用の空気入りタイヤ(以下、空気入りタイヤを単に「タイヤ」ということがある)1を示す半断面図である。図2は図1におけるタイヤ1のビード部、図3はバットレス部を拡大した一部断面図である。
空気入りタイヤ1は、リム組される1対のビード部4と、前記ビード部4から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部3と、前記サイドウォール部3、3間に設けた路面に接地するトレッド部2とから構成される。タイヤ1の基本構造は、図7に示す従来の一般構造を有するタイヤ40と同一である。
図1に示すようにタイヤ1は、タイヤ赤道線CLに対して略90°の角度で延びるポリエステル、レーヨンなどの有機繊維コードからなる2層のカーカスプライ61、62を、一対のビード部4に夫々埋設されたビードコア5及びビードフィラー9の周りにタイヤ内側から外側に折り返してビードフィラー9を挟み係止されたカーカス6と、前記トレッド部2の内側に赤道線CLに対して15〜35°の角度で傾斜して延びるスチールコード、アラミド繊維などを用いた少なくとも2層の交差ベルトプライからなるベルト7と、さらにベルト7の外周にはタイヤ周方向に対しほぼ0°の角度でらせん状に巻回されたナイロンなどの有機繊維コードからなるキャッププライ8を有するラジアル構造の乗用車用タイヤであり、トレッド部2には、タイヤの要求性能や使用条件に応じてトレッド面にリブ、ブロック等の各種トレッドパターンが形成されている。
タイヤ1には、タイヤ両側のビードフィラー9の配置領域内で、タイヤ最大幅位置Wとリムフランジ接触位置Rの間における前記カーカス6のタイヤ径方向外側のビード部4に、複数(図では3枚)の円環状プレート材11とゴム材とを交互に配して積層した積層構造部材10が埋設されている。
積層構造部材10は、図3のプレート材11の正面図及び側面図に示すように、円環状に周方向に連続する断面板状をなすプレート材11を、その複数枚を該プレート材11とゴム材とを交互に配して積層した積層構造体である。
前記プレート材11の寸法、プレート材11相互間のゴム厚み、積層枚数等は、特に制限されることはなく、タイヤサイズ、バットレス部の断面形状、そのゴム厚み等により適宜決めることができる。
例えば、乗用車用タイヤの場合、プレート材11の厚みWは、0.1〜2.0mm、好ましくは0.2〜1.5mmの範囲が例示される。厚みWが薄すぎるとプレート材が柔軟となり必要な縦剛性、横剛性が得られず、厚くなりすぎると縦、横方向共に高剛性となって操縦安定性、乗り心地性の確保が困難となり、また隣接ゴム材との剛性差により動的接着性が低下するようになる。また、プレート幅Hと外径Dはタイヤサイズ、要求特性等により適宜決められるが、例えば、プレート厚みWと幅Hの比は、H/W=5〜30程度であり、H/W=8〜20の範囲がより好ましい。積層枚数の上限は特に制限されないが、乗用車用タイヤの場合は10枚程度である。
上記プレート材11は、図5に示すように、ビード部4の断面形状に合わせて、外径D及び内径dを漸次減径した複数本(図では4本の11a〜11dの場合を示す)をそれぞれの相互間に間隙S1、S2、S3を空けて階段状に平行に積層されている。加硫後タイヤでは、この間隙Sにはそれぞれゴム材が充填され複数のプレート材11を互いに接着し積層構造部材10を形成するとともにビード部4のゴム中に積層構造部材10を埋設し固定される。この間隙S1、S2、S3の距離は、特に限定されないが、例えば、0.2〜3.0mm程度、好ましくは0.2〜2.0mmである。間隙Sの距離が狭いと隣接するプレート材間での変位が充分得られず、特に積層構造部材10の縦方向での変形量が小さくなり振動の緩和、吸収が困難になる。また、間隙Sが広くなると、プレート材11間の変位が大きくなり、特に斜め入力時に変位にバラツキを生じやすくなり操縦安定性を低下させるおそれがあり、さらにビード部4が動きやすくし発熱によるビード部耐久性を低下させるおそれがある。間隙S1、S2の各距離は、等間隔でもよいし、異なっていてもよい。
積層構造部材10は、タイヤ成型時にバットレス部4に複数のプレート材11とシート状ゴム材を交互に配して積層し成形することができる。
また、積層構造部材10は、複数の円環状プレート材11と複数のシート状ゴム材とを交互に積層してなる成形体を予め形成し、タイヤ成型時にこの成形体をビード部4に配設することもできる。
この積層構造部材10は、タイヤ1に路面の凹凸からの振動がタイヤ縦方向に入力されると、積層されたプレート材11がそれぞれ縦方向に段階的に変位することで、横方向の変形を生じることなく縦方向の振動のみを緩和、吸収し、振動の伝達特性を改善しロードノイズを低減させることができる。
また、タイヤ1には、ベルト7両側のベルト端部7aから外れたタイヤ軸方向外側とタイヤ最大幅部Wの間に位置するバットレス部Bで、前記カーカス6のタイヤ径方向外側のバットレス部Bに、前記ビード部4に埋設したものと同様の複数の円環状プレート材21を積層した積層構造部材20が埋設されている。
積層構造部材20の構成、及びプレート材21の形状等は図4、図5に示すものと同様であるので、ここではその説明を省略する。
積層構造部材20は、タイヤ成型時にバットレス部Bに複数のプレート材21とシート状ゴム材を交互に配して積層し成形することができる。
また、積層構造部材20は、複数の円環状プレート材21と複数のシート状ゴム材とを交互に積層してなる成形体を予め形成し、タイヤ成型時にこの成形体をバットレス部Bに配設することもできる。
この積層構造部材20も、前記ビード部4に埋設された積層構造部材10と同様に、タイヤ1に路面の凹凸からの振動がタイヤ縦方向に入力されると、積層されたプレート材21がそれぞれ縦方向に段階的に変位することで、横方向の変形を生じることなく縦方向の振動のみを緩和、吸収し、振動の伝達特性を改善し、積層構造部材10との相乗効果を奏してロードノイズの低減をより効果的に発揮することができる。
タイヤの振動モードは、ベルト端部、サイド部の最大幅位置とビード固定部が節となり、バットレス部とビード部の径方向外側部分が腹を持つモードであることが知られている。そこで本発明は、ビード部の径方向外側部分の振動モードの振幅を抑制ないし調整すればタイヤの振動伝達特性が低減できることから、ビード部の径方向に変形し振動を緩和、吸収する特定の積層構造部材を配置したもので、さらにバットレス部にも同様の構造部材を配することでその効果を向上することができる。
このようにして、ロードノイズを低減させることができるというのは、振動モード自体を変更したことによるが、定性的には振動の腹を持つ部分の振幅を小さくし、さらにその固有振動数を下げることにより、全体のエネルギーレベルを下げることができたためと説明できる。
さらに、この積層構造部材20は、タイヤ1に縦方向、横方向あるいは両方向同時の外力が入力されると、積層されたプレート材21が縦、横方向共に段階的に変位することで、タイヤの縦方向及び横方向の剛性をそれぞれ独立して制御することができる。特に、縦方向の入力に対する変位を生じやすくすることで、タイヤの縦方向の撓み(入力)に対しては柔であり、横方向の撓み(入力)に対しては剛であることで、タイヤの操縦安定性と乗り心地性を両立させる効果もある。
前記プレート材11、21としては、その材質は特に制限されないが、その材料の縦弾性係数(ヤング率)が10〜25,000kgf/mmの範囲にあるものが好ましく、特に1,000〜25,000kgf/mmの範囲にあるものが好ましい。
上記ヤング率の範囲にあるプレート材11、21の材料としては、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、モリブデン、ニッケル、クロムなどの合金鋼、軟鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、鉛等の金属が挙げられる。
また、樹脂として、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリエステル系樹脂(PET、PBN,PEN等)、ポリニトリル系樹脂(PAN、AS等)、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂(PMMA、EEA等)、ポリビニル系樹脂(EVA、PVA、PVC等)、セルロース系樹脂(酢酸セルロース等)、フッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等)の熱可塑性樹脂、また、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ウレタン系、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらの複数樹脂のブレンド材でもよい。
また、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することもできる。
さらに、樹脂類としては、ステンレス等の金属フィラメントやナイロン、PET、ガラス繊維、炭素繊維等の有機、無機繊維で強化された強化プラスチック(MRP、FRP)でもよい。
積層構造部材10、20は、上記の2種以上の材質からなるプレート材を組み合わせて形成してもよい。
なお、プレート材11、21の表面は、ゴムとの接着性を向上する目的で、研磨やブラスト法による物理的表面処理、各種ゴム糊やレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液等の接着剤の塗布、真鍮や亜鉛等の金属めっき処理を施すことが好ましい。
ここで、プレート材11、21とその間隙S内に配されるゴム材料とは、両者のヤング率との差が大きい程好ましい。これにより、タイヤ1にかかる入力に対して各プレート材11、21が積層構造部材10、20の層間で変位しやすくなり、その結果積層構造部材10、20がタイヤ径方向に撓みやすくなりロードノイズの向上が得られやすくなる。タイヤ用の加硫ゴム材料のヤング率は一般的に0.1〜0.5kgf/mmの範囲にあるので、この観点からプレート材11、21のヤング率は上記1,000kgf/mm以上にあることが好ましい。ヤング率が10kgf/mm未満の場合、バットレス部10のゴムの動きと同化して積層構造部材11が動くようになり本発明の効果が充分得られなくなる。
また、前記積層構造部材10、20における円環状プレート材11、21のタイヤ径方向の配置角度は、JIS規定の標準リムを使用し、規定内圧、最大荷重付加時に、タイヤ回転軸から接地面に下ろした鉛直線に対して0±20°の範囲に配置されていることが好ましい。
前記プレート材11、21の配置角度が前記鉛直線に対して±20°の範囲を外れると、タイヤ1への振動入力が積層構造部材10、20に対して傾斜してかかるようになり、積層構造部材10、20への入力バランスが崩れてしまい、振動伝達特性を悪化させロードノイズを逆に増加させるおそれがある。さらに、ビード部4やバットレス部Bの縦方向と横方向の剛性バランスが崩れ操縦安定性や乗り心地性を低下させる可能性もある。
ただし、バットレス部Bに配されるプレート材21の配置角度は、傾斜角度が大きくなると積層構造部材20の縦方向入力に対する減衰性能が低下し、タイヤ1の縦剛性及び横剛性のバランスが得難くなる傾向にあるので、0±10°の範囲内とすることがより好ましい。
また、本発明では、図6に示すタイヤ30のように、カーカス6の少なくとも1枚のカーカスプライがバットレス部Bの積層構造部材20の位置でタイヤ周上で分断され、そのカーカスプライ分断端部がタイヤ周上で積層構造部材20の円環状プレート材21間の間隙Sに挟持されているものでもよい。
タイヤ30は、カーカス6が2プライ構造のタイヤであり、カーカスプライの内で2ndプライ62がタイヤ両サイドにおいて積層構造部材20の位置でタイヤ周上で分断され、そのトレッド2側のプライ分断端部62aがプレート材21bと21cの間にタイヤ周上で挟持され、サイドウォール部3側のプライ分断端部62bがプレート材21cと21dの間に挟持され、プレート材12cを介してカーカス6の2ndプライ62を一体に形成している。また、図の例では、1stプライ61は分断されずに連続してカーカスを形成しているが、1stプライ61も2ndプライと同様に分断構造にすることができる。
このようにカーカスプライが積層構造部材11の部位で分断されることで、バットレス部Bの縦方向の変形量を大きくすることで振動の緩和、吸収を向上し、さらに乗り心地性をより改善することも可能となる。
以下に、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
タイヤサイズを215/60R16(主溝4本のリブパターン)とし、厚み0.5mmのプレート材3枚の間に厚み0.5mmのゴム材を交互に配して積層構造を形成した積層構造部材をビード部に埋設した実施例1〜3、7のタイヤ、積層構造部材をビード部とバットレス部(プレート材4枚の積層構造)に埋設した実施例4〜6のタイヤを試作した。各実施例に使用したプレート材は表1に示す。プレート材としては、炭素0.33%含有炭素鋼板(ヤング率210,000kgf/mm)、アルミニウム合金(ヤング率1,100kgf/mm)及びナイロン6樹脂(ヤング率110kgf/mm)プレートを表1に記載の組み合わせで使用した。実施例7,比較例2のタイヤは、ビード部に埋設した積層構造部材のプレート材配置角度を該部材の上部がタイヤ軸方向内側(カーカス6側)に15°又は23°の傾斜角度で配置した。比較例1のタイヤは図7に示す従来構造のタイヤである。各試作タイヤについて、下記条件で振動伝達特性を測定した。
使用リム16×6.5JJ、空気圧200kPa、縦荷重480kgfの条件にて、トレッド中心にタイヤ径方向に振動入力を付与し、タイヤサイド部における振動伝達特性として、周波数0〜500Hzでの応答レベルの和(dB)を測定し、比較例1のタイヤを基準として、その差で表1に示した。
図8に、実施例1、2、4及び比較例の周波数0〜500Hzにおけるタイヤサイド最大幅部での振動伝達特性(周波数応答レベル(dB)の波形)を例示する。実施例1は一点鎖線、実施例2は細実線、実施例4は太実線、比較例1は破線で示した。
なお、各タイヤのカーカスはポリエステルコード1100dtex/2(打ち込み密度23本/25mm)の2プライ、ベルトはスチールコード2+2×0.25mm(打ち込み密度25本/25mm)の2プライ、キャッププライはナイロン66コード940dtex/2(打ち込み密度21本/25mm)の1プライとし、実施例と比較例で同一とした。
Figure 2008201323
表1に示されるように、比較例1のタイヤに対して、各実施例タイヤは周波数0〜500Hzにおける応答レベルの和が小さく、タイヤサイド部における振動伝達が小さくなりロードノイズの低減に効果があることがわかる。
本発明は、乗用車用を始めとして、ライトトラック、バスやトラック用の大型タイヤなど各種サイズ、用途の空気入りタイヤに適用することができる。
実施形態の空気入りタイヤの半断面図である。 同上タイヤのビード部の拡大断面図である。 同上タイヤのバットレス部の拡大断面図である。 プレート材の正面図及び側面図である。 積層構造部材の側面図である。 他の実施形態のタイヤのバットレス部の拡大断面図である。 従来例の空気入りタイヤの半断面図である。 タイヤの振動伝達特性を例示するグラフ図である。
符号の説明
1……空気入りタイヤ
2……トレッド部
3……サイドウォール部
4……ビード部
5……ビードコア
6……カーカス
7……ベルト
10……積層構造部材
11……プレート材
R……リムフランジ接触位置
W……タイヤ最大幅部

Claims (5)

  1. 1対のビードコアを備えたビード部と、前記ビード部から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部と、前記サイドウォール部間に設けたトレッド部とを有し、少なくとも1層のカーカスプライを前記1対のビードコア及びビードフィラーの周りをタイヤ内側からタイヤ外側に折り返し係止したカーカスと、該カーカスのトレッド部における外周側に少なくとも2層のベルトプライからなるベルトを配置した空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードフィラーの配置領域内で、タイヤ最大幅位置とリムフランジ接触位置の間における前記カーカスのタイヤ径方向外側のビード部に、複数の円環状プレート材とゴム材とを交互に配して積層した積層構造部材を埋設した
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. さらに、前記ベルトの両端部外側とタイヤ最大幅位置の間で、前記カーカスのタイヤ径方向外側のバットレス部に、複数の円環状プレート材とゴム材とを交互に配して積層した積層構造部材を埋設した
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記プレート材の縦弾性係数が10〜25,000kgf/mmの範囲にある
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記プレート材のタイヤ径方向の配置角度が、該タイヤ回転軸から接地面に下ろした鉛直線に対して0±20°の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスの少なくとも1枚のカーカスプライが前記バットレス部の積層構造部材の位置において該タイヤ周上で分断され、該カーカスプライ分断端部がタイヤ周上で前記円環状プレート材間の間隙に挟持されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
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