JP2012015419A - 太陽電池用透明導電性基板の製造方法及び太陽電池用透明導電性基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能な透明導電膜基板を簡便な方法で製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】 透明基材上にゾルゲル液を塗布する工程Aと、前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターンの反転パターンを有するモールドを押し当てることにより前記凹凸パターンを該ゾルゲル液に転写する工程Bと、前記ゾルゲル液を固化させることにより透明基材上に前記凹凸パターンが表面に設けられた酸化シリコン膜を形成する工程Cと、前記酸化シリコン膜上に透明導電膜を形成する工程Dと、を少なくとも備え、前記凹凸パターンが、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、からなることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】 透明基材上にゾルゲル液を塗布する工程Aと、前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターンの反転パターンを有するモールドを押し当てることにより前記凹凸パターンを該ゾルゲル液に転写する工程Bと、前記ゾルゲル液を固化させることにより透明基材上に前記凹凸パターンが表面に設けられた酸化シリコン膜を形成する工程Cと、前記酸化シリコン膜上に透明導電膜を形成する工程Dと、を少なくとも備え、前記凹凸パターンが、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、からなることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、薄膜太陽電池の発電効率の向上が図れる、太陽電池用透明導電性基板の製造方法及び太陽電池用透明導電性基板に関する。
太陽光に含まれる光子というエネルギー粒子がi層に当たると光起電力効果により、電子と正孔(hole)が発生し、電子はn層、正孔はp層に向かって移動する。この光起電力効果により発生した電子を上部電極と裏面電極により取り出して、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子が太陽電池である。
図10は、アモルファスシリコン太陽電池の概略断面図である。太陽電池100は、表面を構成するガラス基板101と、ガラス基板101上に設けられた酸化亜鉛系の透明導電膜からなる上部電極103と、アモルファスシリコンで構成されたトップセル105と、微結晶シリコンで構成されたボトムセル109と、透明導電膜からなるバッファ層110と、金属膜からなる裏面電極111とが積層されている。
トップセル105は、p層(105p)、i層(105i)、n層(105n)の3層構造で構成されており、このうちi層(105i)がアモルファスシリコンで形成されている。また、ボトムセル109もトップセル105と同様にp層(109p)、i層(109i)、n層(109n)の3層構造で構成されており、このうちi層(109i)が微結晶シリコンで構成されている。
このような太陽電池100において、ガラス基板101側から入射した太陽光は、上部電極103、トップセル105(p-i-n層)、バッファ層110を通って、裏面電極111で反射される。太陽電池には光エネルギーの変換効率を向上させるために、裏面電極111で太陽光を反射させたり、上部電極101には入射した太陽光の光路を伸ばすプリズム効果と光の閉じ込め効果を目的としたテクスチャーと呼ばれる構造を設けるなどの工夫がなされている。バッファ層110は裏面電極111に用いられている金属膜の拡散防止などを目的としている。
アモルファス太陽電池では発電層内の光路長を長くし、光が発電層に有効に吸収されるようにするため、通常、凹凸構造を有するFTO等の透明導電膜が形成された透明導電性基板を使用している(例えば、特許文献1参照)。
タンデム構造の太陽電池では短波長領域の光を吸収する発電層と長波長領域の光を吸収する発電層を積層しているがそれぞれの層で光を効率良く閉じ込めるため、短周期の凹凸構造と長周期の凹凸構造を有するいわゆる「ダブルテクスチャ」の適用が検討されており、実用化されているものもある(商品名:ASAHI−HU 旭硝子社製)。FTO等の透明導電膜を大気圧CVDで形成し結晶成長により凹凸構造を持たせている。
タンデム構造の太陽電池では短波長領域の光を吸収する発電層と長波長領域の光を吸収する発電層を積層しているがそれぞれの層で光を効率良く閉じ込めるため、短周期の凹凸構造と長周期の凹凸構造を有するいわゆる「ダブルテクスチャ」の適用が検討されており、実用化されているものもある(商品名:ASAHI−HU 旭硝子社製)。FTO等の透明導電膜を大気圧CVDで形成し結晶成長により凹凸構造を持たせている。
しかしながら、この方法では厚膜の透明導電膜を形成する必要があり、透過率が低下する問題点がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能な、太陽電池用透明導電膜基板を簡便な方法で製造することができる透明導電膜基板の製造方法を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能な、太陽電池用透明導電膜基板を提供することを第二の目的とする。
また、本発明は、光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能な、太陽電池用透明導電膜基板を提供することを第二の目的とする。
本発明の請求項1に記載の透明導電性基板の製造方法は、太陽電池に用いられる透明導電性基板の製造方法であって、透明基材上に、ゾルゲル液を塗布する工程Aと、前記透明基板上に塗布された前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターンの反転パターンを有するモールドを押し当てることにより、前記凹凸パターンを該ゾルゲル液に転写する工程Bと、前記ゾルゲル液を固化させることにより、透明基材上に、前記凹凸パターンが表面に設けられた酸化シリコン膜を形成する工程Cと、前記酸化シリコン膜上に、透明導電膜を形成する工程Dと、を少なくとも備え、前記凹凸パターンが、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、からなること、を特徴とする。
本発明の請求項2に記載の透明導電性基板の製造方法は、請求項1において、前記ゾルゲル液として、シルセスキオキサンを少なくとも含むものを用いること、を特徴とする。
本発明の請求項3に記載の透明導電性基板の製造方法は、請求項1又は2において、前記工程Bにおいて、シリコンウェハをエッチングすることにより、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターンの反転パターンを有する原版を作製し、前記原版そのもの、あるいは前記原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものを、前記モールドとして用いること、を特徴とする。
本発明の請求項4に記載の透明導電性基板の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか一項において、前記モールドの原版を作製する際に、前記第一凹凸パターンの反転パターンをウェットエッチングにより形成し、前記第二凹凸パターンの反転パターンをドライエッチングにより形成すること、を特徴とする。
本発明の請求項5に記載の透明導電性基板は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法によって製造され、太陽電池に用いられる透明導電性基板であって、透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の面に配され、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、が表面に設けられた酸化シリコン膜と、前記酸化シリコン膜を覆うように配された透明導電膜と、を備えること、を特徴とする。
本発明の請求項2に記載の透明導電性基板の製造方法は、請求項1において、前記ゾルゲル液として、シルセスキオキサンを少なくとも含むものを用いること、を特徴とする。
本発明の請求項3に記載の透明導電性基板の製造方法は、請求項1又は2において、前記工程Bにおいて、シリコンウェハをエッチングすることにより、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターンの反転パターンを有する原版を作製し、前記原版そのもの、あるいは前記原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものを、前記モールドとして用いること、を特徴とする。
本発明の請求項4に記載の透明導電性基板の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか一項において、前記モールドの原版を作製する際に、前記第一凹凸パターンの反転パターンをウェットエッチングにより形成し、前記第二凹凸パターンの反転パターンをドライエッチングにより形成すること、を特徴とする。
本発明の請求項5に記載の透明導電性基板は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法によって製造され、太陽電池に用いられる透明導電性基板であって、透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の面に配され、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、が表面に設けられた酸化シリコン膜と、前記酸化シリコン膜を覆うように配された透明導電膜と、を備えること、を特徴とする。
本発明では、透明基材上に、前記凹凸パターンが表面に設けられた酸化シリコン膜を形成し(工程A〜工程C)、前記酸化シリコン膜上に、透明導電膜を形成している(工程D)ので、透明導電膜を比較的薄く形成することができ、光透過率の低下を防ぐことができる。また、前記凹凸パターンが、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、からなるので、ダブルテクスチャ構造により発電層内での光の行路長が長くなり(プリズム効果)、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高めることができる。
また、前記凹凸パターンを有する酸化シリコン膜は、透明基材上にゾルゲル液を塗布し(工程A)、前記透明基板上に塗布された前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターンの反転パターンを有するモールドを押し当てることにより、前記凹凸パターンを該ゾルゲル液に転写し(工程B)、前記ゾルゲル液を固化させる(工程C)ことにより形成しているので、簡便な方法でダブルテクスチャ構造を有する酸化シリコン膜えを形成することができる。
従って、本発明の透明導電膜基板の製造方法では、光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能な、太陽電池用透明導電膜基板を簡便な方法で製造することができる。
また、前記凹凸パターンを有する酸化シリコン膜は、透明基材上にゾルゲル液を塗布し(工程A)、前記透明基板上に塗布された前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターンの反転パターンを有するモールドを押し当てることにより、前記凹凸パターンを該ゾルゲル液に転写し(工程B)、前記ゾルゲル液を固化させる(工程C)ことにより形成しているので、簡便な方法でダブルテクスチャ構造を有する酸化シリコン膜えを形成することができる。
従って、本発明の透明導電膜基板の製造方法では、光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能な、太陽電池用透明導電膜基板を簡便な方法で製造することができる。
また、本発明の透明導電膜基板は、透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の面に配され、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、が表面に設けられた酸化シリコン膜を備えているので、ダブルテクスチャ構造により発電層内での光の行路長が長くなり(プリズム効果)、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高めることができる。また、前記酸化シリコン膜を覆うように透明導電膜が配されているので、透明導電膜を比較的薄く形成することができ、光透過率の低下を防ぐことができる。従って、本発明の透明導電膜基板は、光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能である。
以下、本発明に係る透明導電性基板の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の透明導電性基板1の一構成例を模式的に示す断面図である。
この透明導電性基板1は、太陽電池に用いられる透明導電性基板であって、透明基材2と、前記透明基材2の少なくとも一方の面に配され、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3b、が表面に設けられた酸化シリコン膜4と、前記酸化シリコン膜4を覆うように配された透明導電膜5と、を備えること、を特徴とする。
この透明導電性基板1は、太陽電池に用いられる透明導電性基板であって、透明基材2と、前記透明基材2の少なくとも一方の面に配され、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3b、が表面に設けられた酸化シリコン膜4と、前記酸化シリコン膜4を覆うように配された透明導電膜5と、を備えること、を特徴とする。
本発明の透明導電性基板1は、透明基材2と、前記透明基材2の少なくとも一方の面に配され、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3b、が表面に設けられた酸化シリコン膜4を備えているので、ダブルテクスチャ構造により発電層内での光の行路長が長くなり(プリズム効果)、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高めることができる。また、前記酸化シリコン膜4を覆うように透明導電膜5が配されているので、透明導電膜5を比較的薄く形成することができ、光透過率の低下を防ぐことができる。従って、本発明の透明導電性基板1は、光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能である。
透明基材2は、たとえば、ガラスや透明樹脂等、太陽光の透過性に優れ、かつ、耐久性のある絶縁材料からなる。
酸化シリコン(例えばSiO2)膜3は、前記透明基材2の少なくとも一方の面2aに配される。
そして特に本発明の透明導電性基板1では、酸化シリコン膜4は、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a(図1中、点線で示している)、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3b、が表面に設けられている。
そして特に本発明の透明導電性基板1では、酸化シリコン膜4は、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a(図1中、点線で示している)、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3b、が表面に設けられている。
この第一凹凸パターン3a及び第二凹凸パターン3bの周期は、透明導電性基板1が用いられる太陽電池の発電層において感度を有する波長と同程度の大きさとなされている。
具体的には、例えば後述するようなタンデム構造の太陽電池では、短波長領域の光を吸収する発電層(第一光電変換ユニット)と長波長領域の光を吸収する発電層(第二光電変換ユニット)とが積層されており、それぞれの発電層(光電変換ユニット)において感度を有する波長と同程度とする。すなわち、第一凹凸パターン3aの周期は第二光電変換ユニットにおいて感度を有する波長と同程度とし、第二凹凸パターン3bの周期は第一光電変換ユニットにおいて感度を有する波長と同程度とする。
具体的には、例えば後述するようなタンデム構造の太陽電池では、短波長領域の光を吸収する発電層(第一光電変換ユニット)と長波長領域の光を吸収する発電層(第二光電変換ユニット)とが積層されており、それぞれの発電層(光電変換ユニット)において感度を有する波長と同程度とする。すなわち、第一凹凸パターン3aの周期は第二光電変換ユニットにおいて感度を有する波長と同程度とし、第二凹凸パターン3bの周期は第一光電変換ユニットにおいて感度を有する波長と同程度とする。
太陽電池の発電層において、それぞれ感度を有する波長と同程度の大きさの周期を持つ第一凹凸パターン3a及び第二凹凸パターン3bにより、長波長光にも短波長光に対しても太陽電池の発電層内での光の行路長を長くすることができる(プリズム効果)。すなわち、発電層に光を閉じ込めることができる。
透明導電膜5は、透明基材2の一方の面2a側において前記酸化シリコン膜4を覆うように配される。
透明導電膜5としては、たとえばAZO(Al-Zn-O)、GZO(Ga-Zn-O)などの光透過性を有する金属酸化物からなる。
透明導電膜5としては、たとえばAZO(Al-Zn-O)、GZO(Ga-Zn-O)などの光透過性を有する金属酸化物からなる。
次に、このような透明導電性基板1の製造方法について説明する。
図2は、本発明の透明導電性基板の製造方法を工程順に示す断面図である。
本発明の透明導電性基板の製造方法は、透明基材2上に、ゾルゲル液を塗布する工程Aと、前記透明基板上に塗布された前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターン3の反転パターンを有するモールドを押し当てることにより、前記凹凸パターン3を該ゾルゲル液に転写する工程Bと、前記ゾルゲル液を固化させることにより、透明基材2上に、前記凹凸パターン3を有する酸化シリコン膜4を形成する工程Cと、前記酸化シリコン膜4上に、透明導電膜5を形成する工程Dと、を少なくとも備え、前記凹凸パターン3が、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3b、からなること、を特徴とする。
図2は、本発明の透明導電性基板の製造方法を工程順に示す断面図である。
本発明の透明導電性基板の製造方法は、透明基材2上に、ゾルゲル液を塗布する工程Aと、前記透明基板上に塗布された前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターン3の反転パターンを有するモールドを押し当てることにより、前記凹凸パターン3を該ゾルゲル液に転写する工程Bと、前記ゾルゲル液を固化させることにより、透明基材2上に、前記凹凸パターン3を有する酸化シリコン膜4を形成する工程Cと、前記酸化シリコン膜4上に、透明導電膜5を形成する工程Dと、を少なくとも備え、前記凹凸パターン3が、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3b、からなること、を特徴とする。
本発明では、透明基材2上に、前記凹凸パターン3を有する酸化シリコン膜4を形成し(工程A〜工程C)、前記酸化シリコン膜4上に、透明導電膜5を形成している(工程D)ので、透明導電膜5を比較的薄く形成することができ、光透過率の低下を防ぐことができる。また、前記凹凸パターン3が、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3b、からなるので、ダブルテクスチャ構造により長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高めることができる。
また、前記凹凸パターン3を有する酸化シリコン膜4は、透明基材2上にゾルゲル液を塗布し(工程A)、前記透明基材2上に塗布された前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターン3の反転パターンを有する賦形型(モールド)20を押し当てることにより、前記凹凸パターン3を該ゾルゲル液に転写し(工程B)、前記ゾルゲル液を固化させる(工程C)ことにより形成しているので、簡便な方法でダブルテクスチャ構造を有する酸化シリコン膜4を形成することができる。
従って、本発明の透明導電性基板の製造方法では、光の透過率を低下させることなく、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高め、薄膜太陽電池の発電効率を高めることが可能な、太陽電池用透明導電性基板1を簡便な方法で製造することができる。
本発明において、前記凹凸パターン3を有する前記酸化シリコン膜4は、ナノインプリント法を用いて形成される。
すなわち、形成しようとする凹凸パターン3の反転パターン21を造形した原版を用意し、該原版そのもの、あるいは前記原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものを賦形型(モールド)20として用いる。図2(a)〜(c)に示すように、透明基材2上に塗布したゾルゲル液塗布膜4aに賦形型20に押し当てることにより賦形型20の凹凸パターン21を前記塗布膜4aに賦形する。
すなわち、形成しようとする凹凸パターン3の反転パターン21を造形した原版を用意し、該原版そのもの、あるいは前記原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものを賦形型(モールド)20として用いる。図2(a)〜(c)に示すように、透明基材2上に塗布したゾルゲル液塗布膜4aに賦形型20に押し当てることにより賦形型20の凹凸パターン21を前記塗布膜4aに賦形する。
まず、形成しようとする凹凸パターン3の反転パターン21を持つ原版(マスター)を用意する。この凹凸パターン3は、所定の周期を有する第一凹凸パターン3a、及び前記第一凹凸パターン3aをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターン3aよりも短周期を有する第二凹凸パターン3bを有する。
図3は、本発明において用いられる賦形型20の製造方法を示す断面図である。
まず、シリコンウェハ22をエッチングすることにより、第一凹凸パターン3a及び第二凹凸パターン3bの反転パターン21を有する原版(マスター)を作製する。具体的には、例えば前記第一凹凸パターン3aの反転パターン21aをウェットエッチングにより形成し(図3(a)参照)、前記第二凹凸パターン3bの反転パターン21bをドライエッチングにより形成する(図3(b)参照)。
図3は、本発明において用いられる賦形型20の製造方法を示す断面図である。
まず、シリコンウェハ22をエッチングすることにより、第一凹凸パターン3a及び第二凹凸パターン3bの反転パターン21を有する原版(マスター)を作製する。具体的には、例えば前記第一凹凸パターン3aの反転パターン21aをウェットエッチングにより形成し(図3(a)参照)、前記第二凹凸パターン3bの反転パターン21bをドライエッチングにより形成する(図3(b)参照)。
ウェットエッチングの条件としては、特に限定されるものではないが、例えばKOH1wt%,IPA(イソプロピルアルコール)20wt%の水溶液をエッチング液として用いて、液温75℃で4時間、とする。
また、ドライエッチングの条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、一般的な平行平板型の13.56MHzの高周波電源を用いてカソード電極に基板を設置する反応性イオンエッチング(RIE)方式の装置[株式会社アルバック社製、RMD−450]を用い、電力密度を2[W/cm2 ]に設定し、圧力が35[Pa]、プロセスガスとしてCF4 が150sccm、Cl2 が300sccm、O2 が200sccmの混合ガスを流してプラズマを励起し、エッチングを3分間実施した。
また、ドライエッチングの条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、一般的な平行平板型の13.56MHzの高周波電源を用いてカソード電極に基板を設置する反応性イオンエッチング(RIE)方式の装置[株式会社アルバック社製、RMD−450]を用い、電力密度を2[W/cm2 ]に設定し、圧力が35[Pa]、プロセスガスとしてCF4 が150sccm、Cl2 が300sccm、O2 が200sccmの混合ガスを流してプラズマを励起し、エッチングを3分間実施した。
その後、原版をそのまま賦形型20として用いてもよいが、原版は一般的に高価であり汚れた場合に洗浄が困難なため、原版に熱可塑性樹脂等からなる樹脂シートに原版の凹凸パターンを転写し、該樹脂シートを賦形型20として用いてもよい。最終的に作製したい凹凸パターンが原版の有する凹凸パターンと同じ凹凸パターンであるなら間に樹脂シート転写を1回挟むだけでよく、最終的に作製したい凹凸パターンが原版の凹凸パターンの反転パターンであるなら、原版からNi電鋳等を用いて原版の反転パターンを作成し、その反転パターンから賦形型20となる樹脂シートを作製すべきである。
このような賦形型20に用いる樹脂シートとしては特に限定されるものではないが、例えば安価で離型性に優れたポリメチルペンテンからなるシートを用いることが好ましい。
このような賦形型20に用いる樹脂シートとしては特に限定されるものではないが、例えば安価で離型性に優れたポリメチルペンテンからなるシートを用いることが好ましい。
ここで、図4は、ウェットエッチング法を用いて作製した賦形型を用いてナノインプリント法により形成した酸化シリコン膜のSEM像を示す図であり、図5〜8は、ウェットエッチング後にさらにドライエッチング法を用いて作製した賦形型を用いてナノインプリント法により形成した酸化シリコン膜のSEM像を示す図である。図5〜8はドライエッチング法の処理時間を変更した結果を表しており、その処理時間が3分(図5)、5分(図6)、7分(図7)、10分(図8)の場合を示す。
なお、図4〜8において、(a)は低倍率(1万倍)の写真を、(b)は高倍率(5万倍)の写真を、それぞれ表している。
図4〜8より、以下の点が明らかとなった。
(イ)図4より、第一凹凸パターンのみが形成されている。
(ロ)図5〜8より、さらにドライエッチングを行うことにより、第一凹凸パターン上に該第一凹凸パターンよりも短周期の第二凹凸パターンが形成されている。
(ハ)ドライエッチング法の処理時間が増加するにつれて、第二凹凸パターンの急峻性が増す傾向がある。
なお、図4〜8において、(a)は低倍率(1万倍)の写真を、(b)は高倍率(5万倍)の写真を、それぞれ表している。
図4〜8より、以下の点が明らかとなった。
(イ)図4より、第一凹凸パターンのみが形成されている。
(ロ)図5〜8より、さらにドライエッチングを行うことにより、第一凹凸パターン上に該第一凹凸パターンよりも短周期の第二凹凸パターンが形成されている。
(ハ)ドライエッチング法の処理時間が増加するにつれて、第二凹凸パターンの急峻性が増す傾向がある。
(1)図2(a)に示すように、透明基材2上にゾルゲル液を塗布する(工程A)。
透明基材2に塗布するゾルゲル液としては、シルセスキオキサンを少なくとも含むものを用いる。ゾルゲル液としては、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリエトキシシラン等からなるゾルゲル液や、シルセスキオキサン等が挙げられ、アルコキシシランからなるゾルゲル液が好ましい。
ゾルゲル液は、例えばメチルトリエトキシシラン、エタノール、水、塩酸を混合して調整する。このとき、全オルガノアルコキシシランに対するエタノール、水、塩酸のモル比は例えば1:4:2×10−3 である。
例えばスピンコーター、ディップコーターもしくはバーコーター等を用いて透明基材2の少なくとも一方の面2aにゾルゲル液を塗布し、適当な時間乾燥させる。
透明基材2に塗布するゾルゲル液としては、シルセスキオキサンを少なくとも含むものを用いる。ゾルゲル液としては、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリエトキシシラン等からなるゾルゲル液や、シルセスキオキサン等が挙げられ、アルコキシシランからなるゾルゲル液が好ましい。
ゾルゲル液は、例えばメチルトリエトキシシラン、エタノール、水、塩酸を混合して調整する。このとき、全オルガノアルコキシシランに対するエタノール、水、塩酸のモル比は例えば1:4:2×10−3 である。
例えばスピンコーター、ディップコーターもしくはバーコーター等を用いて透明基材2の少なくとも一方の面2aにゾルゲル液を塗布し、適当な時間乾燥させる。
(2)次に、図2(b)に示すように、前記透明基板上に塗布された前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターン3の反転パターン21を有する賦形型(モールド)20を押し当てることにより、前記凹凸パターン3を該ゾルゲル液に転写する(工程B)
ゾルゲル液塗布膜4aに賦形型20を貼り合せ加圧し、凹凸パターンを転写する。
ゾルゲル液塗布膜4aに賦形型20を貼り合せ加圧し、凹凸パターンを転写する。
(3)次に、図2(c)に示すように、前記ゾルゲル液を固化させることにより、透明基材2上に、前記凹凸パターン3を有する酸化シリコン膜4を形成する(工程C)。
その後、賦形型20の離型を行なう。ゾルゲル液塗布膜4aに賦形型20を押し当てた後、すぐに離型しても良いし、加熱してゾルゲル液をある程度凝固させた後で離型しても良い。
その後、賦形型20の離型を行なう。ゾルゲル液塗布膜4aに賦形型20を押し当てた後、すぐに離型しても良いし、加熱してゾルゲル液をある程度凝固させた後で離型しても良い。
(4)次に、図2(d)に示すように、前記酸化シリコン膜4上に、透明導電膜5を形成する(工程D)。
例えばスパッタリング法を用いて透明導電膜5を成膜する。
透明導電膜材料としては、特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の酸化亜鉛(ZnO)系材料が挙げられる。中でも、比抵抗の低い薄膜を成膜することができる点て、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)が好ましい。
以上のようにして、図1に示すような透明導電性基板1が得られる。
例えばスパッタリング法を用いて透明導電膜5を成膜する。
透明導電膜材料としては、特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の酸化亜鉛(ZnO)系材料が挙げられる。中でも、比抵抗の低い薄膜を成膜することができる点て、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)が好ましい。
以上のようにして、図1に示すような透明導電性基板1が得られる。
次に、上述したような本発明の透明導電性基板を用いた太陽電池について説明する。
図6は、太陽電池(光電変換装置)の層構成の一例を示す構造断面図である。
この光電変換装置10は、透明導電性基板1の一面1a上に、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニット30と第二光電変換ユニット40とを、前記透明導電膜5に順に重ねて設け、さらに、第二光電変換ユニット40の上に、裏面電極50を重ねて形成したものである。
図6は、太陽電池(光電変換装置)の層構成の一例を示す構造断面図である。
この光電変換装置10は、透明導電性基板1の一面1a上に、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニット30と第二光電変換ユニット40とを、前記透明導電膜5に順に重ねて設け、さらに、第二光電変換ユニット40の上に、裏面電極50を重ねて形成したものである。
また、第一光電変換ユニット30は、p型半導体層(p層)31、実質的に真性なi型半導体層(i層)32、n型半導体層(n層)33とを備えたpin構造を有している。すなわち、p型半導体層(p層)31、実質的に真性なi型半導体層(i層)32、n型半導体層(n層)33を、この順に積層することにより第一光電変換ユニット30を構成している。
この第一光電変換ユニット30は、たとえばアモルファス(非晶質)シリコン系材料による光電変換ユニットとすることができ、第一光電変換ユニット30を構成するp型半導体層(p層)31、i型半導体層(i層)32がアモルファスのシリコン系薄膜からなり、n型半導体層(n層)33が結晶質のシリコン系薄膜からなる。第一光電変換ユニット30は、p型半導体層(p層)31の厚さが、たとえば80Å、i型半導体層(i層)32の厚さが、たとえば1800Å、n型半導体層(n層)33の厚さが、たとえば100Åとすることができる。
さらに、前記第一光電変換ユニット30において、前記i型半導体層(i層)32とn型半導体層(n層)33との間に、アモルファスのシリコン系薄膜からなるn層がバッファ層35として配されている。
第一光電変換ユニット30において、アモルファスのシリコン系薄膜からなるi層32と結晶質のシリコン系薄膜からなるn層33との間に、アモルファスのシリコン系薄膜からなるn層がバッファ層35として配されているので、アモルファスのシリコン系薄膜からなるi層32と、結晶質のシリコン系薄膜からなるn層33との界面における不整合を緩和することができる。これにより、第一光電変換ユニット30において結晶質のシリコン系薄膜からなるn層33の働きを有効に活用することができ、該n層と、第二光電変換ユニット40を構成し結晶質のシリコン系薄膜からなるp層41との界面の格子整合を得るとともに、第一光電変換ユニット30側の開放電圧(Voc)を向上させることができる。
第一光電変換ユニット30において、アモルファスのシリコン系薄膜からなるi層32と結晶質のシリコン系薄膜からなるn層33との間に、アモルファスのシリコン系薄膜からなるn層がバッファ層35として配されているので、アモルファスのシリコン系薄膜からなるi層32と、結晶質のシリコン系薄膜からなるn層33との界面における不整合を緩和することができる。これにより、第一光電変換ユニット30において結晶質のシリコン系薄膜からなるn層33の働きを有効に活用することができ、該n層と、第二光電変換ユニット40を構成し結晶質のシリコン系薄膜からなるp層41との界面の格子整合を得るとともに、第一光電変換ユニット30側の開放電圧(Voc)を向上させることができる。
第二光電変換ユニット40は、p型半導体層(p層)41、実質的に真性なi型半導体層(i層)42、n型半導体層(n層)43とを備えたpin構造を有している。すなわち、p型半導体層(p層)41、実質的に真性なi型半導体層(i層)42、n型半導体層(n層)43を、この順に積層することにより第二光電変換ユニット40を構成している。
この第二光電変換ユニット40は、結晶質を含むシリコン系材料による光電変換ユニットとすることができる。第二光電変換ユニット40は、p型半導体層(p層)41の厚さが、たとえば150Å、i型半導体層(i層)42の厚さが、たとえば15000Å、n型半導体層(n層)43の厚さが、たとえば300Å、とすることができる。ここで結晶質を含むシリコンとは、いわゆる微結晶シリコン、アモルファス中に微結晶が分散したシリコン、および、いわゆるマイクロクリスタルシリコンを含む。
この第二光電変換ユニット40は、結晶質を含むシリコン系材料による光電変換ユニットとすることができる。第二光電変換ユニット40は、p型半導体層(p層)41の厚さが、たとえば150Å、i型半導体層(i層)42の厚さが、たとえば15000Å、n型半導体層(n層)43の厚さが、たとえば300Å、とすることができる。ここで結晶質を含むシリコンとは、いわゆる微結晶シリコン、アモルファス中に微結晶が分散したシリコン、および、いわゆるマイクロクリスタルシリコンを含む。
裏面電極50は、Ag(銀)やAl(アルミニウム)など導電性の光反射膜によって構成されていれば良い。この裏面電極50は、たとえばスパッタ法や蒸着法により形成することができる。
また、裏面電極50は、第二光電変換ユニット40のn型半導体層(n層)43と裏面電極50との間に、ITOやSnO2 、ZnOといった導電性酸化物からなるバッファ層51を形成した積層構造とすることも可能である。
また、裏面電極50は、第二光電変換ユニット40のn型半導体層(n層)43と裏面電極50との間に、ITOやSnO2 、ZnOといった導電性酸化物からなるバッファ層51を形成した積層構造とすることも可能である。
この太陽電池10では、図6において白抜き矢印で示すように、透明基材2の他面2b側から太陽光Sを入射させる。
このような構成の太陽電池10は、太陽光に含まれる光子というエネルギー粒子がi層に当たると光起電力効果により、電子と正孔(hole)が発生し、電子はn層、正孔はp層に向かって移動する。この光起電力効果により発生した電子を上部電極3と裏面電極63により取り出して、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
また、透明基材2側から入射した太陽光は、各層を通過して裏面電極50で反射される。
このような構成の太陽電池10は、太陽光に含まれる光子というエネルギー粒子がi層に当たると光起電力効果により、電子と正孔(hole)が発生し、電子はn層、正孔はp層に向かって移動する。この光起電力効果により発生した電子を上部電極3と裏面電極63により取り出して、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
また、透明基材2側から入射した太陽光は、各層を通過して裏面電極50で反射される。
そして特に、この太陽電池10では、上述したような透明導電性基板1を備えているので、長周期を有する第一凹凸パターン3a及び短周期を有する第二凹凸パターン3bが表面に設けられた酸化シリコン膜4により、長波長光にも短波長光に対しても光電変換ユニット(発電層)内での光の行路長が長くなり(プリズム効果)、長波長光にも短波長光に対しても発電層への光閉じ込め効率を高めることができる。また、前記酸化シリコン膜4を覆うように透明導電膜5が配されているので、透明導電膜5を比較的薄く形成することができ、光透過率の低下を防ぐことができる。これにより太陽電池10は、より多くの光を利用することができ発電効率が高められたものとなる。
なお、上述した説明では、タンデム構造の太陽電池を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばシングル構造やトリプル構造の太陽電池についても、本発明の透明導電性基板1を用いることにより、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の透明導電性基板及びその製造方法について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、太陽電池用透明導電性基板の製造方法及び太陽電池用透明導電性基板に広く適用可能である。
1 透明導電性基板、2 透明基材、3 凹凸パターン、3a 第一凹凸パターン、3b 第二凹凸パターン、4 酸化シリコン膜、5 透明導電膜。
Claims (5)
- 太陽電池に用いられる透明導電性基板の製造方法であって、
透明基材上に、ゾルゲル液を塗布する工程Aと、
前記透明基板上に塗布された前記ゾルゲル液に、所望の凹凸パターンの反転パターンを有するモールドを押し当てることにより、前記凹凸パターンを該ゾルゲル液に転写する工程Bと、
前記ゾルゲル液を固化させることにより、透明基材上に、前記凹凸パターンが表面に設けられた酸化シリコン膜を形成する工程Cと、
前記酸化シリコン膜上に、透明導電膜を形成する工程Dと、を少なくとも備え、
前記凹凸パターンが、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、からなること、を特徴とする透明導電性基板の製造方法。 - 前記ゾルゲル液として、シルセスキオキサンを少なくとも含むものを用いること、を特徴とする請求項1に記載の透明導電性基板の製造方法。
- 前記工程Bにおいて、
シリコンウェハをエッチングすることにより、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターンの反転パターンを有する原版を作製し、
前記原版そのもの、あるいは前記原版に対して1回以上電鋳又はエンボス加工を繰返すことにより複製したものを、前記モールドとして用いること、を特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性基板の製造方法。 - 前記モールドの原版を作製する際に、前記第一凹凸パターンの反転パターンをウェットエッチングにより形成し、
前記第二凹凸パターンの反転パターンをドライエッチングにより形成すること、を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の透明導電性基板の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法によって製造され、太陽電池に用いられる透明導電性基板であって、
透明基材と、
前記透明基材の少なくとも一方の面に配され、所定の周期を有する第一凹凸パターン、及び前記第一凹凸パターンをなす凹凸上に配され、該第一凹凸パターンよりも短周期を有する第二凹凸パターン、が表面に設けられた酸化シリコン膜と、
前記酸化シリコン膜を覆うように配された透明導電膜と、
を備えること、を特徴とする透明導電性基板。
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- 2010-07-02 JP JP2010152384A patent/JP2012015419A/ja active Pending
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