JP2012012551A - ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法 - Google Patents

ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法 Download PDF

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晃宏 後藤
Kuniyoshi Ogura
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【課題】着色が少なく、色相の良好なポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを得ることが可能なポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法を提供する。
【解決手段】ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を塩基性アルミナ、塩基性イオン交換樹脂及び合成吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の吸着剤により処理を行うポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法に関する。
(メタ)アクリル酸エステル、特にメタクリル酸エステルの用途には透明性が要求されるものが多く、着色原因物質の含有量はその商品価値を大きく左右する。例えば、メタクリル酸エステルを主成分とするメタクリル系樹脂は、耐候性、透明性、表面光沢、機械的強度、成型性等に優れた特性を有し、光学材料、看板、照明カバー、機械装置の窓、水族館水槽、或いは各種表示装置用部材等多くの用途に使用されている。しかしながら、切断面等の着色が外観上問題となることがある。
不純物を取り除くための吸着剤としては、酸性白土やベントナイト等を粉砕し酸処理した活性白土、アルカリの珪酸塩溶液を酸で加水分解したシリカゲル、酸化アルミニウムに特殊な処理を施した活性アルミナ、モレキュラ・シーブに代表されるような合成ゼオライト、天然産ゼオライト、木炭系、果実殻系、石炭系を始めとする活性炭等が挙げられる。メタクリル酸エステルに含まれる着色原因物質の除去方法としては、例えば、金属酸化物に接触させる方法(特許文献1)、塩基性イオン交換樹脂に接触させる方法(特許文献2)、及び活性白土、ハイドロタルサイト類に接触させる方法(特許文献3)等が提案されている。
ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、その光学特性、柔軟性、疎水性から建築材料、光学材料等に使用され、その製造時及び重合時に様々な理由で着色する。ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは高沸点、低融点であるため、蒸留や晶析等による不純物の除去が困難である。ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート等の高分子アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルにおける着色原因物質の除去方法としては、溶液をアルカリ水溶液で洗浄し、活性炭、活性白土、ハイドロタルサイト類化合物で処理する方法(特許文献4)、水分の存在下で活性白土、ハイドロタルサイト類等で処理する方法(特許文献5)等が提案されている。
特開平6−1749号公報 特開2001−288146号公報 特開2006−131506号公報 特開平11−80082号公報 特開2002−338519号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献4、5に記載されている吸着剤は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液に含まれる着色原因物質の吸着処理に用いた場合、着色低減の効果が無いことが判明した。さらに、活性白土、ハイドロタルサイトを吸着剤として使用した場合、処理後に着色が強くなることが判明した。また、アルカリ水溶液による洗浄効果には限界があり、洗浄操作を繰り返し行っても、あるレベル以上に着色を低減することは出来なかった。更に、アルカリ水溶液による洗浄方法や水分の存在下で吸着処理する方法は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートのエステル結合の加水分解が進行し、処理後に(メタ)アクリル酸不純物が含まれた。
本発明は、着色が少なく、色相の良好なポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを得ることが可能なポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法を提供することを目的とする。
本発明に係るポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を塩基性アルミナ、塩基性イオン交換樹脂及び合成吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の吸着剤により処理を行うことを特徴とする。
本発明に係る精製方法によれば、着色が少なく、色相の良好なポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを得ることができる。
本発明に係るポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を塩基性アルミナ、塩基性イオン交換樹脂及び合成吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の吸着剤により処理を行うことを特徴とする。
本発明においては、塩基性アルミナ、塩基性イオン交換樹脂、合成吸着剤を吸着剤としてポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を処理することにより、該溶液に含まれる着色原因物質を選択的に吸着・除去できるため、着色を低減したポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを得ることができる。また、該吸着剤はポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液と容易に分離することができるため、簡便にポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを精製することができる。
なお、本発明において、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートとは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのジアクリル酸エステル又はジメタクリル酸エステルを意味する。(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリル酸エステルとはポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート以外のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。(メタ)アクリル酸無水物とはアクリル酸又はメタクリル酸の無水物を意味する。
(ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液の製造方法)
本発明において、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは下記式(1)で表される化合物である。
HO−(CH2CH2CH2CH2O)n−H ・・・(1)
前記式(1)において、nは平均値であり、3〜40の実数であることが好ましい。なお、ポリテトラメチレンエーテルグリコールはテトラヒドロフラン(THF)の開環付加により合成され、その付加数には分布が生じるため、前記式(1)においてnは付加数の平均値とする。また、nは水酸基価数を測定した値から算出した値とする。
精製対象であるポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液は、既知の製法で製造されるが、収率や塩素、硫黄系化合物を含まない観点から、以下に示すエステル交換反応による製造方法又は(メタ)アクリル酸無水物を用いるエステル化反応による製造方法が好ましい。なお、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液には、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート以外に、製造過程で副生する着色原因物質等が含まれる。
(エステル交換反応による製造方法)
エステル交換反応による製造方法は、前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールと過剰量の(メタ)アクリル酸エステルを触媒の存在下、副生するアルコールを(メタ)アクリル酸エステルとの共沸により抜き出しながら反応させて行う。エステル交換反応に使用される(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等が挙げられる。
エステル交換反応に際しては、(メタ)アクリル酸エステルをポリテトラメチレンエーテルグリコールに対して過剰量使用することが、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの消費速度増加、(メタ)アクリル酸エステルとの共沸によるアルコール除去効率向上等の効果により、反応が短時間で終了する観点から好ましい。具体的には、ポリテトラメチレンエーテルグリコール1モルに対して、(メタ)アクリル酸エステルを2.2〜20倍モルの範囲で使用することが好ましい。反応時間をより短縮できる観点から、(メタ)アクリル酸エステルの使用量は2.4倍モル以上であることがより好ましい。また、生産性をより向上できる観点から、(メタ)アクリル酸エステルの使用量は10倍モル以下であることがより好ましい。
エステル交換反応に使用される触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミド;チタン酸テトラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブチル等のチタンのアルコキシド;ジブチルすずオキサイド、ジオクチルすずオキサイド等のすず系化合物等を挙げることができる。これらの触媒の中でも、水の添加により触媒を水相に溶解させることが可能なアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド、及び、水の添加により不溶化させて、ろ過により容易に除去できるチタンのアルコキシドが好ましい。マイケル付加物の副生が少ないことからチタンのアルコキシドがより好ましい。前記触媒は単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
触媒を反応器に仕込む方法としては、例えば、全量を最初に反応器に仕込む方法、最初に一部を仕込み、残りを後で供給する方法等が挙げられる。触媒の使用量は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール1モルに対して通常0.000001〜0.1倍モルの範囲で使用できる。反応速度の点から、このモル比は0.000005倍以上が好ましく、0.00001倍以上がより好ましい。触媒の処理が煩雑になること、廃棄物量が多くなることから、0.001倍以下が好ましく、0.0005倍以下がより好ましい。チタン系触媒を使用する場合には、反応系中に水分が多いと触媒が活性を失いやすいため、触媒を加える前に(メタ)アクリル酸エステルや溶媒を使用して、共沸脱水を行うことが好ましい。
エステル交換反応は、生産性及び溶媒回収の負荷等の観点から無溶媒で行うことが好ましいが、必要に応じて反応に不活性な溶媒を用いることもできる。不活性な溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等が挙げられる。この中でも、副生するアルコールと共沸しやすい溶媒が好ましい。溶媒の使用量は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール1質量部に対して1〜30質量部であることが好ましい。
エステル交換反応は、常圧又は減圧下、20〜140℃で行うのが好ましい。反応速度の観点から反応温度は40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル及びポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの分解、着色、重合等を抑制する観点から、反応温度は120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。
反応方式としては、例えば、単一の反応器内に全ての原料を仕込んで反応を完結させる回分式、反応器内に原料を連続的に供給して連続的に反応させる連続式、反応器と配合タンクとを備え、反応器と配合タンクとの間で原料を循環させながら反応器で反応させる循環式等が挙げられる。反応は共沸により、副生するアルコールを系外に除去しながら行うため、複数段の蒸留塔(精留塔)を用いることが好ましい。蒸留塔には、例えば、ステンレス鋼、ガラス、陶磁器製等のラシヒリング、レッシングリング、ディクソンパッキン、ポールリング、サドル、スルザーパッキン等の充填物を使用した充填塔、多孔板塔や泡鐘塔等の棚段塔等が使用できる。蒸留塔と反応器との接続は、反応器の上部に蒸留塔が連接された形態、反応器と接続された別容器の上部に蒸留塔が連接された形態、蒸留塔の上段から下段のいずれかの位置に反応器が接続された形態のいずれでも良い。いずれの接続形態においても、反応器と蒸留塔の間の経路は一つでも複数でも良く、途中に熱交換器等の装置が介在していてもよい。
エステル交換反応完結後、必要により反応液に水を加えて触媒を溶解又は沈殿させ、分液やろ過等の方法により触媒を除去する。過剰の(メタ)アクリル酸エステルの回収は、触媒除去の前後のいずれに行っても良い。回収は、常圧又は減圧下加熱して蒸発、凝縮させることによって実施できる。その後、反応液を有機溶媒に溶解させて洗浄することが好ましい。該有機溶媒としては、炭化水素、エーテル、エステル系溶剤等が挙げられる。
その後、強塩基性化合物を含む水溶液を使用して洗浄することが好ましい。ここで、強塩基性化合物とは、ブレンステッド塩基、すなわちプロトンを受け取ることができる化合物であり、その受容能が高い化合物を示す。強塩基性化合物としては、具体的には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物等が挙げられる。この中でも、水への溶解度や扱いやすさの観点から、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましい。強塩基性化合物の使用量は、洗浄時の水相のpHが12以上になる量が好ましい。使用量の上限は無いが、廃水量の観点から該pHが14を示すまでに必要な量の10倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましい。強塩基性化合物を含む水溶液の濃度は、強塩基性化合物の溶解度の範囲で適宜選択できるが、廃水量の観点から3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。洗浄温度は0〜80℃が好ましい。操作性の観点から洗浄温度は10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの分解、重合等を抑制する観点から、洗浄温度は70℃以下がより好ましく、60℃以下が更に好ましい。洗浄を行う時間としては10分〜24時間が好ましい。10分以上の場合、処理を充分に行うことができ、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの着色が十分に低減される。一方、24時間以下の場合、処理効率が大きく向上する。なお、異なる強塩基性化合物を含む水溶液により複数回洗浄を行うこともできる。
その後、有機層に残存する強塩基性化合物を除去するために水による洗浄を行うことが好ましい。洗浄に使用する水は、蒸留水やイオン交換樹脂等で脱イオンされた純水を使用することが好ましい。洗浄回数は何回でもよいが、3回目以降の洗浄は効果がほとんど無いことから、1〜2回が好ましい。
以上のエステル交換反応及び精製工程では、公知の重合防止剤を使用することが出来る。重合防止剤としては、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルに対して不活性な重合防止剤が好ましい。例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン等のキノン系重合防止剤;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合防止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系重合防止剤;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルや4−アセトアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のヒンダートアミン系重合防止剤;金属銅、硫酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合防止剤等が挙げられる。これらの重合防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。重合防止剤の添加量は、その種類や条件により適宜選択できるが、反応液の質量に対して0.01〜10000ppmの範囲が好ましい。また、反応液に酸素を含む気体をバブリングさせることにより、重合防止効果が向上する場合がある。
((メタ)アクリル酸無水物を用いるエステル化反応による製造方法)
(メタ)アクリル酸無水物を用いるエステル化反応による製造方法は、必要により触媒の存在下、(メタ)アクリル酸無水物とポリテトラメチレンエーテルグリコールとを反応させることによって実施できる。通常、ポリテトラメチレンエーテルグリコール1モルに対して、(メタ)アクリル酸無水物を2.0〜20倍モルの範囲で使用することが好ましい。反応時間をより短縮できる観点から、メタクリル酸無水物の使用量は2.4倍モル以上がより好ましい。また、生産性をより向上できる観点から、メタクリル酸無水物の使用量は6倍モル以下がより好ましく、4倍モル以下が更に好ましい。
エステル化反応に使用される触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩;トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等の塩基性有機化合物等を挙げることができる。これらの触媒の中でも、取り扱いやすさと反応速度の観点からリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩が好ましい。触媒は単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
触媒を反応器に仕込む方法としては、例えば、全量を最初に反応器に仕込む方法、最初に一部を仕込み、残りを後で供給する方法等が挙げられる。触媒の使用量は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール1モルに対して通常0.0001〜0.1倍モルの範囲で使用できる。反応速度の観点から、このモル比は0.0005倍以上が好ましく、0.001倍以上がより好ましい。触媒の処理が煩雑になること、廃棄物量が多くなることから、0.05倍以下が好ましく、0.001倍以下がより好ましい。
エステル化反応は、生産性及び溶媒回収の負荷等の観点から、無溶媒で行うことが好ましいが、必要に応じて反応に不活性な溶媒を用いることもできる。不活性な溶媒及び量としては、前記エステル交換反応と同様の条件とすることができる。また、反応温度、反応圧力についても前記エステル交換反応と同様の条件とすることができる。
反応方式としては、例えば前記エステル交換反応同様、回分式、連続式、循環式等が挙げられる。エステル化反応は副生する(メタ)アクリル酸を回収しながら行っても良い。(メタ)アクリル酸の回収は、常圧又は減圧下加熱して蒸発、凝縮させることによって実施できる。反応終了後に前記と同様の方法で(メタ)アクリル酸の回収を行ってもよい。
その後、前記エステル交換反応と同様に有機溶媒に溶解させて洗浄し、強塩基性化合物を含む水溶液を使用して洗浄した後に水洗を行うことが好ましい。強塩基性化合物の種類、量、洗浄方法については、前記エステル交換反応と同様の条件が使用できる。この洗浄により、残存した(メタ)アクリル酸無水物の分解処理も可能である。以上のエステル化反応及び精製工程では、公知の重合防止剤を使用することが出来る。重合防止剤の種類及び使用方法としては、前記エステル交換反応と同様の条件が使用できる。
(吸着剤による処理)
本発明においては、前記方法により製造されたポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を、塩基性アルミナ、塩基性イオン交換樹脂及び合成吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の吸着剤により処理を行う。
前記方法によりポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を製造した場合、該溶液中には着色原因物質が含まれる。本発明においては、塩基性アルミナ、塩基性イオン交換樹脂を用いた場合にはイオン結合による化学的吸着により、合成吸着剤を用いた場合には細孔への物理的吸着により該着色原因物質を吸着し除去することができる。
本発明に係る塩基性アルミナは、アルミナを10質量%含む水性スラリーのpHが8〜11の弱塩基性を示すアルミナである。塩基性アルミナは、一般にBrockmannの活性度I〜Vで示されるが、前記pHの範囲を満たしていれば前記活性度の範囲のものでも、それ以外のものでも使用可能である。塩基性アルミナとしては、当該分野で通常知られる公知のものであればよく、所謂αアルミナ以外のアルミニウム酸化物(遷移アルミナ)が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明に係る塩基性イオン交換樹脂は、イオン交換可能な塩基性基を有する合成樹脂であり、強塩基性、中塩基性、弱塩基性のイオン交換樹脂のいずれも使用可能である。塩基性基としては、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。塩基性イオン交換樹脂としては、着色の低減効果の観点からアミン型の弱塩基性イオン交換樹脂が好ましい。具体的には、1級又は2級アミノ基を官能基として有するイオン交換樹脂が挙げられる。塩基性イオン交換樹脂の構造は、アクリル系でもスチレン系でも良く、ゲル型でもMR型でも良い。具体的には、ローム・アンド・ハース社製のIRA67、IRA96SB、A−21(いずれも商品名)、三菱化学(株)製のWA10、WA20、WA21J、WA30(いずれも商品名)等が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、塩基性イオン交換樹脂由来の塩基性物質を除去するために、必要により酸性イオン交換樹脂と組み合わせて使用しても良い。
本発明に係る合成吸着剤とは、化学的に安定で、かつ温和な条件にて再生可能で、活性炭に匹敵する高比表面積を有する化学合成によって製造された有機高分子の多孔体を示す。合成吸着剤はスチレン系、アクリル系のいずれも使用可能であるが、着色の低減効果の観点からアクリル系の合成吸着剤が好ましい。スチレン系の合成吸着剤としてはローム・アンド・ハース社製のXAD4、FPX66、XAD1180N、XAD2000(いずれも商品名)、三菱化学(株)製のダイヤイオンHP20、ダイヤイオンHP21、セパビーズSP70、セパビーズSP700、セパビーズSP850(いずれも商品名)等が挙げられる。アクリル系の合成吸着剤としてはローム・アンド・ハース社製のXAD7HP(商品名)、三菱化学(株)製のダイヤイオンHP2MG(商品名)等が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
塩基性アルミナ、塩基性イオン交換樹脂及び合成吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の吸着剤による処理を行う時点は、例えば前記エステル交換反応によりポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を製造した場合には、エステル交換反応完結後であって、触媒除去、(メタ)アクリル酸エステル除去、有機溶媒洗浄、強塩基性化合物を含む水溶液による洗浄、溶媒除去の操作の前後又はその工程と同時に行うことができる。また、(メタ)アクリル酸無水物を用いたエステル化反応によりポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を製造した場合には、エステル化反応完結後であって、(メタ)アクリル酸除去、強塩基性化合物を含む水溶液による洗浄、溶媒除去の操作の前後又はその工程と同時に行うことができる。いずれの方法によりポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを製造した場合にも、吸着剤の使用量及び吸着処理後の不純物含有量の観点から、強塩基性化合物を含む水溶液による洗浄より後に吸着剤による処理を行うことが好ましい。
本発明においてポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を吸着剤で処理する方法としては、特に限定されない。例えば、反応容器に任意の順序でポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液、吸着剤、必要により溶媒を入れて攪拌する回分法や、吸着剤を塔に充填し、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を流通させる連続法等が挙げられる。
吸着剤として塩基性イオン交換樹脂を用いた場合、塩基性イオン交換樹脂は使用後、有機溶媒、アルカリ金属水酸化物を含む溶液又は純水と接触させることにより再生することができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物を含む溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液等が挙げられる。前記連続法で吸着処理を行う場合には、流通させる溶液をポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液から、前記有機溶媒、アルカリ金属水酸化物等の溶液に切り替えるだけで再生できるため、簡便で生産性が高い。塩基性イオン交換樹脂は、前記有機溶媒、アルカリ金属水酸化物を含む溶液又は純水で洗浄した後、乾燥して使用することが好ましい。吸着剤として塩基性アルミナを用いた場合には、塩基性アルミナは、前記有機溶媒による洗浄及び水洗後、常圧又は減圧下、加熱して乾燥することにより再生することができる。
吸着剤は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートに対し任意の量が使用可能である。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート100質量部に対し、0.001〜1000質量部の吸着剤を使用できる。ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を処理する際、該溶液は水分を含有していてもよい。該溶液中に含まれてもよい水分量は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート1質量部に対して、0.1質量部以下であることが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を吸着剤で吸着処理する際、必要に応じて該溶液に不活性な溶媒を加えて混和させてもよい。不活性な溶媒の種類及びその使用量としては前記エステル交換反応における条件と同様の条件を使用できる。
吸着処理を行う時間としては10分〜24時間であることが好ましい。10分以上の場合、処理を充分に行うことができ、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの着色が十分に低減される。一方、24時間以下の場合、処理効率が大きく向上する。吸着処理を行う際の温度としては、系内の温度が10〜80℃であることが好ましい。10℃より低い場合には、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの粘性が高くなり操作性が低下する場合がある。前記温度は20℃以上であることがより好ましい。一方、80℃をこえる場合には、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの分解反応が起こる場合がある。前記温度は50℃以下であることがより好ましく、35℃以下であることが更に好ましい。
なお、吸着処理の前後において、不溶化した触媒、吸着剤、ごみなどの不溶性の不純物を取り除くためにろ過を行ってもよい。ろ過は、加圧ろ過でも減圧ろ過でもよい。また、ろ過の負荷防止のために、ろ過助剤としてケイ藻土等を使用してもよい。また、吸着処理において公知の重合防止剤を使用することが出来る。重合防止剤の種類及び使用方法としては、前記エステル交換反応と同様の条件を使用することができる。
本発明に係る精製方法により処理を行ったポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは着色が少なく、該ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを使用したポリマーは光学部材材料として優れる。
以下、実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<色調の測定方法>
塩化白金酸カリウム(PtCl4・2KCl)1.245gと結晶塩化コバルト1.009gを塩酸100mlに溶かし水を加えて全量が1000mlになるようにした。この液10、20、30、50及び100mlをそれぞれ希釈して500mlとし、色調の標準溶液とした。この標準溶液はAPHAの10、20、30、50及び100にそれぞれ相当する。この標準溶液を光路長5cmの石英セルに入れ、紫外可視分光光度計UV−1700(商品名、(株)島津製作所製)を使用し、波長417nmにおける吸収を求め、各標準溶液のAPHAの値と吸光度から検量線を作成した。試料の波長417nmにおける吸光度を同様の方法で測定し、該検量線から試料の色調を算出した。
<合成例1> エステル交換法によるポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの合成(PBOM−A)
精留塔(内径35mm、理論段数20段)、攪拌羽根、温度計及びエアー吹き込み管を付した3Lの5つ口フラスコを準備した。フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(商品名:PTG−650SN、平均分子量650、保土ヶ谷化学(株)製)600g、メタクリル酸メチル(MMA)1150g、次亜リン酸ナトリウム2.5g及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.5gを入れた。フラスコの内液をエアーバブリング及び攪拌しながら、フラスコをオイルバスで加熱した。内温100〜110℃でMMAと水を共沸により抜き出した。水が共沸しなくなった時点で、チタンテトラ−n−ブトキシドを5g添加した。その後内温100〜120℃で塔頂温度が64〜66℃の範囲になるように還流比を調整して、MMAとメタノールを共沸により抜き出しながら、反応を実施した。MMAとメタノールが共沸しなくなったところで内温を30℃に下げた。
反応液に水60gと珪藻土を12g加えて、1時間攪拌した後、再度加熱を開始して、減圧を行い、MMAを留去した。更に反応液に水30gと珪藻土を7g加えて、1時間攪拌した後、再度加熱を開始して、減圧を行い、水とMMAを留去した。残った反応液にヘキサン1.2Lを加えて溶解させた後、孔径4μmのろ紙を用いて50℃にてろ過を行った。得られたろ液を10%水酸化ナトリウム水溶液100gで洗浄後、500mlの水で3回洗浄した。洗浄後、減圧にして加熱し、ヘキサンを留去した。
得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレート(PBOM−A)中にポリテトラメチレンエーテルグリコールは検出されなかった。このPBOM−Aの色調は24であった。
[実施例1]
合成例1で得られたPBOM−A 40gに塩基性アルミナ(商品名:activated,basic,Brockmann I、sigma−aldrich社製)を4g添加した。室温で6時間攪拌した後、孔径0.5μmのメンブレンフィルターを使用して加圧ろ過した。このポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの色調は13であった。
[実施例2、3]
吸着剤として表1に示す塩基性アルミナを使用した以外は実施例1と同様に行った。色調を表1に示す。
[比較例1]
合成例1で得られたPBOM−A 40gにヘキサンを40g加えて溶解し、10%水酸化ナトリウム10gで洗浄した。その後、純水100gを使用し、3回洗浄した。洗浄後、エバポレータで有機相からヘキサンを除去し、孔径0.5μmのメンブレンフィルターを使用して加圧ろ過した。このポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの色調は22であった。
[比較例2〜9]
吸着剤として表1に示す吸着剤を使用した以外は実施例1と同様に行った。色調を表1に示す。
[比較例10、11]
吸着剤として表1に示すアルミナを使用した以外は実施例1と同様に行った。色調を表1に示す。
<合成例2> メタクリル酸無水物を原料に使用したポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの合成(PBOM−B)
攪拌羽根、温度計及びエアー吹き込み管を付した1Lの4つ口フラスコを準備した。フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(商品名:PTG−650SN、平均分子量650、保土ヶ谷化学(株)製)130g、メタクリル酸無水物74gを入れた。フラスコの内液をエアーバブリング及び攪拌しながら、フラスコをオイルバスで加熱した。内温80℃で6時間反応させた。反応液を別容器に移しヘキサン0.6Lを加えて溶解させた。10%水酸化ナトリウム水溶液300g及び120gで洗浄後、300mlの水で3回洗浄した。洗浄後、減圧にして加熱し、ヘキサンを留去した。
得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレート(PBOM−B)中にポリテトラメチレンエーテルグリコールは検出されなかった。このポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの色調は29であった。
[実施例4]
合成例2で得られたPBOM−Bを使用し、実施例1と同様に試験を行った。このポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの色調は12であった。
<合成例3> エステル交換法によるポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの合成(PBOM−C)
精留塔(内径35mm、理論段数20段)、攪拌羽根、温度計及びエアー吹き込み管を付した3Lの5つ口フラスコを準備した。フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(商品名:PTG−1400SN、平均分子量1400、保土ヶ谷化学(株)製)800g、メタクリル酸メチル(MMA)700g、次亜リン酸ナトリウム1.6g及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.3gを入れた。フラスコの内液をエアーバブリング及び攪拌しながら、フラスコをオイルバスで加熱した。内温100〜110℃でMMAと水を共沸により抜き出した。水が共沸しなくなった時点で、チタンテトラ−n−ブトキシドを3.3g添加した。その後内温100〜120℃で塔頂温度が64〜66℃の範囲になるように還流比を調整して、MMAとメタノールを共沸により抜き出しながら、反応を実施した。MMAとメタノールが共沸しなくなったところで内温を30℃に下げた。
反応液に水30gと珪藻土を7g加えて、1時間攪拌した後、再度加熱を開始して、減圧を行い、水とMMAを留去した。得られた反応液を孔径4μmのろ紙を用いて50℃にてろ過を行った。ろ液85gを別容器に移し、ヘキサンを255mL加えて溶解させた。10%水酸化ナトリウム水溶液20gで3回洗浄後、50mlの水で3回洗浄した。洗浄後、減圧にして加熱し、ヘキサンを留去した。
得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレート(PBOM−C)中にポリテトラメチレンエーテルグリコールは検出されなかった。このポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの色調は88であった。
[実施例5]
合成例3で得られたPBOM−C 20gに塩基性アルミナ(商品名:activated,basic,Brockmann I、sigma−aldrich社製)を1g添加した。40℃で1時間攪拌した後、孔径0.5μmのメンブレンフィルターを使用して加圧ろ過した。このポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの色調は23であった。
[比較例12]
合成例3で得られたPBOM−C 20gにヘキサンを6g加えて溶解し、1mol/L塩酸水溶液20gで洗浄した。その後、有機相にヘキサンを60g追加し、純水40gを使用し、3回洗浄した。洗浄後、エバポレータで有機相からヘキサンを除去し、孔径0.5μmのメンブレンフィルターを使用して加圧ろ過した。このポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの色調は73であった。
[比較例13]
合成例3で得られたPBOM−C 20gにヘキサンを6g加えて溶解し、10%水酸化ナトリウム20gで洗浄した。その後、有機相にヘキサンを60g追加し、純水40gを使用し、3回洗浄した。洗浄後、エバポレータで有機相からヘキサンを除去し、孔径0.5μmのメンブレンフィルターを使用して加圧ろ過した。このポリテトラメチレンエーテルグリコールジメタクリレートの色調は69であった。
[比較例14〜16]
吸着剤として表2に示す吸着剤を使用した以外は実施例5と同様に行った。色調を表2に示す。
[実施例6〜8]
吸着剤として表3に示す塩基性イオン交換樹脂を使用した以外は実施例1と同様に行った。色調を表3に示す。なお、表3に示す塩基性イオン交換樹脂は予め前処理されフリーのアミン又は塩基型にされたものであり、これを3倍の質量のメタノールで3回洗浄後、50℃で10時間真空乾燥して使用した。
[比較例17、18]
吸着剤として表3に示す酸性イオン交換樹脂を使用した以外は実施例1と同様に行った。色調を表3に示す。なお、表3に示す酸性イオン交換樹脂は予め前処理され酸型にされたものであり、これを3倍の質量のメタノールで3回洗浄後、50℃で10時間真空乾燥して使用した。
[実施例9]
吸着剤として表3に示す合成吸着剤を使用した以外は実施例1と同様に行った。色調を表3に示す。なお、表3に示す合成吸着剤を3倍の質量のメタノールで3回洗浄後、50℃で10時間真空乾燥して使用した。該合成吸着剤は中性である。
実施例と比較例から明らかなように、本発明に係る方法は従来技術に比べ、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの脱色に有効である。これにより、着色が少ないポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートが提供される。
Figure 2012012551
Figure 2012012551
Figure 2012012551

Claims (2)

  1. ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を塩基性アルミナ、塩基性イオン交換樹脂及び合成吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の吸着剤により処理を行うポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法。
  2. 前記吸着剤による処理の前に、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液を、強塩基性化合物を含む水溶液を使用して洗浄する請求項1に記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの精製方法。
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