JP2012012474A - 筆記板用消去性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリプロピレンフィルムを貼りあわせた筆記板上に筆記し、得られた筆跡が筆記直後、長期間経過後でも容易に消去することができる筆記板用消去性インキ組成物の提供。
【解決手段】顔料と、有機溶剤と、該有機溶剤に可溶な皮膜形成性樹脂と、該皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物とから少なくともなり、HLB値が15〜20のノニオン界面活性剤によって親水性化された液状化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、筆記板用消去性インキ組成物に関する。更に、詳細にはポリプロピレンフィルムを貼りあわせた筆記板上に筆記し得られた筆跡が、筆記直後、長時間放置後でも容易に消去することができる筆記板用消去性インキ組成物に関する。
従来、筆記板用消去性インキ組成物には、筆記板に形成した筆跡を、乾いた布等の消去具で擦ることによって筆跡を剥離させて消去させるものとして、顔料と、有機溶剤と、該有機溶剤に可溶な樹脂及び剥離剤とを組み合わせからなるものが提案されている。その中でも剥離剤又は消去性付与剤として各種界面活性剤を使用したものが知られている。
特許文献1の筆記板用消去性インキ組成物には、常温で液状であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノアルキルエーテルを使用すること、特許文献2の筆記板用マーキングペンインキには、消去性付与剤としてポリエチレングリコール脂肪酸エステルを使用することが、特許文献3の筆記板用消去性インキ組成物には、消去性付与剤としてHLB値が9〜14であるポリオキシエチレン水素添加硬化ヒマシ油を使用することが、特許文献4のマーキングインキ組成物には、消去性付与剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することが、特許文献5の油性消去性マーキングペン用インキ組成物は、HLB2〜7のショ糖脂肪酸エステルを使用する等のノニオン界面活性剤を使用することが、特許文献6には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルの硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル又はこれらの塩を使用することが、特許文献7には、HLBの差が1以上の異なる二種類からなり、そのHLB値が5〜9とHLB値が10〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステルを併用する等のアニオン界面活性剤を使用することが開示されている。
特許第3075622号公報 特許第2949444号公報 特開2010−090247号公報 特開2005−097368号公報 特開2001−288365号公報 特開2008−031323号公報 特開2005−075893号公報
しかしながら、特許文献1から特許文献5に記載されるようなノニオン界面活性剤は、全てHLB値が14以下のものであるので、こららのノニオン界面活性剤を使用しても、ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた筆記板上の表面は親油性であるため、併用する剥離剤の筆記板上への浸透を促進してしまい、筆跡を数日間放置するだけでも筆跡が筆記板面に付着してしまい、容易に消去できない。
また、特許文献6やのポリオキシアルキレンアルキルエーテルの硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルの硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル又はこれらの塩や、特許文献7に記載されているポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステルは、全てアニオン界面活性剤であり、水溶液中とは異なり親油性である有機溶剤や剥離剤中では溶解して親水性イオンに電離することができずに乳化分散するだけである為、剥離剤を親水化することができないので、前者と同様に剥離剤の筆記板面への浸透の促進を抑制することはできない。
本発明は、ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた筆記板面に筆記した筆跡を初期及び長時間放置した場合にも容易に消去することを目的とする。
本発明は、顔料と、有機溶剤と、該有機溶剤に可溶な皮膜形成性樹脂と、該皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物とから少なくともなり、前記皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物が親水性である筆記板用消去性インキを要旨とする。
更に、前記皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物が、HLB値が15〜20のノニオン界面活性剤によって親水性化されている筆記板用消去性インキを要旨とする。
本発明の筆記板用消去性インキ組成物は、ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた筆記板面と、顔料を含んだ皮膜形成性樹脂皮膜との間に、皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物が介在し、乾いた布などの擦過によって顔料を含んだ皮膜を除去できるが、この皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物が、親水性であるため、筆跡を長期間放置しても、ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた筆記板面に皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物が浸透しないので、長期間経った後の筆跡も乾燥した布等で擦過することにより容易に消去することができるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する顔料は、着色剤として使用するものであり、従来より公知のアゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、オインジゴ系顔料などの有機顔料やカーボンブラック、紺青、ベンガラ、酸化チタン等の無機顔料及びアルミニウム粉末、真鍮粉末などの金属粉顔料や、これらの顔料と樹脂粉体とを組み合わせた着色加工粉体、蛍光顔料及びパール顔料などの中から、筆記板用消去性インキ組成物中に微粒子として安定に分散し得るものを適宣選択して用いることができる。特に表面をポリビニルブチラールにて樹脂コーティングした加工顔料は、分散性、経時安定性、作業性及び筆記板用消去性インキ組成物中に他の樹脂を配合しなくとも良いなどの面から好ましく用いることができる。加工顔料の具体例として、フジASブラック810、同レッド575、同レッド568、同レッド5115、同ブルー650、同グリーン710、同グリーン737、同グリーン7500、同オレンジ200、同オレンジ250、同2020、同イエロー458、同イエロー4030、同バイオレット945、同バイオレット9200、同ホワイト165(以上、冨士色素(株)製)、マイクロピグモ AMBK−2ブラック、同 AMBK−8ブラック、同 AMRD−2レッド、同 AMRD−8レッド、同 AMBE−4ブルー、同 AMBE−8ブルー、同 AMGN−2グリーン、同 AMGN−6グリーン、同 AMGN−8グリーン、同 AMOE−6オレンジ、同 AMYW−12イエロー、同 AMPK−2ピンク、同 AMVT−2バイオレット(以上、オリエント化学工業(株)製)などがある。その使用量は、顔料の種類や他のインキ成分により異なるものの、筆記板用消去性インキ組成物に対して1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%である。
本発明に使用される有機溶剤としては、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第三ブチルアルコール等の低級アルコールや、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の低級脂肪族ケトンや、酢酸エチル、酢酸ブチル等の低級脂肪酸の低級アルコールエステルや、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素や、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素や、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールアルキルエーテルやこれらのエステル等が挙げられる。近年では、人体に対する安全性より、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコ−ルや、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルが用いられることが多い。これら有機溶剤の中から選ばれる一種又は二種以上の混合溶剤が好適に用いられる。その使用量は、使用する他の成分との混和性を考慮して種々の混合比が決定されるが、筆記板用消去性インキ組成物全量に対して50〜90重量%、好ましくは55〜85重量%である。
本発明に使用される皮膜形成性樹脂は、上記有機溶剤に可溶な天然樹脂、合成樹脂が使用できる。例えば、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性グリセリンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノールグリセリンエステル等のロジン系樹脂、フェノール樹脂、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂、石油系樹脂、ケトン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物等が挙げられ、単独もしくは複数混合して使用可能であるが、上記エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコ−ルや、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルに可溶な樹脂としてポリビニルブチラールを用いることが多い。具体的にはエスレックBL−1、同BL−1H、同BL−2、同BL−2H、同BL−5、同BL−10、同BL−S、同BX−L、同BM−1、同BM−2、同BM−5、同BM−S、同BH−3、同BH−6、同BH−S、同BX−1、同BX−5(以上、積水化学工業(株)製)、デンカブチラール#3000−1、同#3000−2、同#3000−4、同#3000−K、同#4000−1、同#4000−2、同#5000−A、同#5000−D、同#6000−C、同#6000−EP、同#6000−CS、同#6000−AS(以上、電気化学工業(株)製)等が1種又は2種以上が使用可能である。これら皮膜形成性樹脂の使用量は、筆記板用消去性インキ組成物全量に対して1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%である。使用量が少ないと皮膜形成せず、使用量が多いと板面への定着が強くなり、インキも高粘度となりインキの吐出不良を生ずるため筆記板用消去性インキ組成物として好ましくない。なお、前記顔料が樹脂を用いた加工顔料の場合は、加工顔料中の樹脂にて代替することも可能である。
本発明に使用する皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物は、脂肪族二塩基酸エステル、脂肪族一塩基酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、炭酸ジアルキル等をHLB15〜20のノニオン界面活性剤にて1:1〜1:0.1の比率にて撹拌機等で混合撹拌して親水化したものを該有機溶剤を用いた筆記板用消去性インキ中で乳化分散して用いる。尚、ノニオン界面活性剤は上記比率より多くなると筆跡皮膜が乾燥せず消去時のボード面を汚してしまうため筆記板用消去性インキ組成物として好ましくない。更に、ノニオン界面活性剤が上記比率より少なかったり、HLB値が15.0より小さいものでは、親水化した液状化合物を得ることができないので、ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた筆記板面では長期間経った後の筆跡を消去することができない。
上記の脂肪族二塩基酸エステル、脂肪族一塩基酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、炭酸ジアルキルは、具体的には、DINA(アジピン酸ジイソノニル)、DIDA(アジピン酸ジイソデシル)、DOA(アジピン酸ジ2−エチルヘキシル)、DTDA(アジピン酸ジトリデシル)、DOS(セバシン酸ジ2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOZ(アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル)、DODM(デカン酸ジ2−エチルヘキシル)、610A(デカン酸ジアルキルのうちジアルキルのアルキル基が6、8、10の混合物)(以上、田岡化学工業(株))等の脂肪族二塩基酸エステル、NIKKOL BM(ミリスチン酸ブチル)、同 BS(ステアリン酸ブチル)、同 EOO(オレイン酸エチル)、同 CIO(2−エチルヘキサン酸セチル)、同 ICIS(イソステアリン酸2−ヘキシルデシル)、同 ICM−R(ミリスチン酸2−ヘキシルデシル)、同ICS−R(ステアリン酸2−ヘキシルデシル)、同IOP(パルミチン酸2−エチルヘキシル)、同 IPIS(イソステアリン酸イソプロピル)、同 IPM−100、同 IPM−EX(以上、ミリスチン酸イソプロピル)、同 IPP、同IPP−EX(以上、パルミチン酸イソプロピル)、同 ISPV(パルミチン酸イソステアリル)、同 ODM−100(ミリスチン酸オクチルドデシル)、同 STO(ステアリン酸2−エチルヘキシル)、同 VFE(リノール酸エチル)、同 VF−IP(リノール酸イソプロピル)(以上、日光ケミカルズ(株)製)、エキセパール HO(2−エチルヘキサン酸セチル)、同 IPM(ミリスチン酸イソプロピル)、同 IPP(パルミチン酸イソプロピル)、同 EH−P(パルミチン酸2−エチルヘキシル)、同 OD−M(ミリスチン酸オクチルドデシル)、同BS(ステアリン酸ブチル)、同 EH−S(ステアリン酸2−エチルヘキシル)、同 TD−S(ステアリン酸イソトリデシル)、ビニサイザー 30(オレイン酸イソブチル)(以上、花王(株)製)等の脂肪族一塩基酸エステル、NIKKOL DGTIS(トリイソステアリン酸ジグリセリル)、NIKKOL PDD(ジカプリン酸プロピレングリコール)、NIKKOL Pentalan 408(テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル)、NIKKOL Sefsol−218(モノカプリル酸プロピレングリコール)、NIKKOL Sefsol−228(ジカプリル酸プロピレングリコール)、NIKKOL Trialan 308(トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン)、NIKKOL Trialan 318H(トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン)、NIKKOL Trifat S−308(トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル)、NIKKOL トリエスター F−810(トリ(カプリル/カプリン)グリセリル)、NIKKOL ニコソルブ 108(2−エチルヘキサン酸2−ブチル−2−エチル1,3−プロパン)(以上、日光ケミカルズ(株)製)等の多価アルコール脂肪酸エステル、Lialcarb SR−1000/R(炭酸ジアルキル(C14、15)、日光ケミカルズ(株)製)等の炭酸ジアルキル等が挙げられる。
上記のHLB15〜20のノニオン界面活性剤は、具体的には、NIKKOL BL−21(ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、HLB19.0)、同 BL−25(ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル、HLB19.5)、同BC−15(ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル、HLB15.5)、同BC−20(ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、HLB17.0)、同 BC−23(ポリオキシエチレン(23)セチルエーテル、HLB18.0)、同 BC−25(ポリオキシエチレン(25)セチルエーテル、HLB18.5)、同 BC−30(ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル、HLB19.5)、同BC−40(ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル、HLB20.0)、同 BS−20(ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、HLB18.0)、同 BO−15V(ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル、HLB16.0)、同 BO−20V(ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、HLB17.0)、同 BO−50V(ポリオキシエチレン(50)オレイルエーテル、HLB18.0)、同 BB−20(ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル、HLB16.5)、同BB−30(ポリオキシエチレン(30)ベヘニルエーテル、HLB18.0)、BD−10(ポリオキシエチレン(10)(C12〜15)合成アルキルエーテル、HLB15.5)(以上、日光ケミカルズ(株)製)、エマルゲン120(ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル、HLB15.3)、エマルゲン123P(ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、HLB16.9)、同130K(ポリオキシエチレン(41)ラウリルエーテル。HLB18.1)、同147(ポリオキシエチレン(19)ラウリルエーテル、HLB16.3)、同150(ポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル、HLB18.4)、同350(ポリオキシエチレン(50)ステアリルエーテル、HLB17.8)、同430(ポリオキシエチレン(30)オレイルエーテルHLB16.2)、同4085(ポリオキシエチレン(85)モノテトラデシルエーテル、HLB18.9、同2025G(ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエーテル、HLB15.7)(以上、花王(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、NIKKOL PBC−34(ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、HLB16.5、日光ケミカルズ(株)製)等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、NIKKOL MYS−25(モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25エチレンオキサイド)、HLB15.0)、同 MYS−45(モノステアリン酸ポリエチレングリコール(45エチレンオキサイド)、HLB18.0)、同 MYS−55(モノステアリン酸ポリエチレングリコール(55エチレンオキサイド)、HLB18.0)、同 CDS−600P(ジステアリン酸ポリエチレングリコール、HLB16.5)(以上、日光ケミカルズ(株)製)、エマノーン3199B(モノステアリン酸ポリエチレングリコール(141エチレンオキサイド)、HLB19.4)、同3299V(ジステアリン酸ポリエチレングリコール(140エチレンオキサイド)、HLB18.9)、同3299RV(ジステアリン酸ポリエチレングリコール(250エチレングリコールオキサイド)、HLB19.2)(以上、花王(株)製)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、NIKKOL TL−10(モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、HLB16.9)、同 TP−10(モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、HLB15.6)、同 TO−10M、同 TO−10(以上、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、HLB15.0)、同 TI−10(モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、HLB15.0)(以上、日光ケミカルズ(株)製)、レオドール TW−L120、同 スーパーTW−L120(以上、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、HLB、16.7)、同 TW−P120(モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、HLB15.6)、同 TW−O120(モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、HLB15.0)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、NIKKOL HCO−80(ポリオキシエチレン(80)水添加硬化ヒマシ油、HLB15.0)、同 HCO−100(ポリオキシエチレン(100)水添加硬化ヒマシ油、HLB16.5)(以上、日光ケミカルズ(株)製)のポリオキシエチレン水添加硬化ヒマシ油、NIKKOL Decaglyn 1−L(モノラウリン酸デカグリセリル、HLB15.5、日光ケミカルズ(株)製)のポリグリセリン脂肪酸エステル、リョートーシュガーエステル S−1570(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB15.0)、同 S−1670(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB16.0)、同 P−1570(ショ糖パルミチン酸エステル、HLB15.0)、同P−1670(ショ糖パルミチン酸エステル、HLB16.0)、同 M−1695(ショ糖ミリスチン酸エステル、HLB16.0)、同 O−1570(ショ糖オレイン酸エステル)、同 L−1695(ショ糖ラウリン酸エステル、HLB16.0)(以上、三菱化学フーズ(株)製)等のショ糖脂肪酸エステルの1種叉は2種以上が使用可能である。
これらで得られた液状化合物の使用量は筆記板用消去性インキ組成物全量に対して0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。使用量が少ないと筆跡皮膜を消去することができない。また、使用量が多いと筆跡皮膜にひび割れを生じさせてしまい筆跡が薄く見えてしまう白化現象を生じさせてしまうため筆記板用消去性インキ組成物として好ましくない。
以上に示した成分以外に必要に応じて、防腐剤、防黴剤、湿潤剤、粘度調整剤、凍結防止剤、ペン先乾燥防止剤、消泡剤、可塑剤、各種活性剤、樹脂の溶解性を妨げない程度の有機溶剤など、種々の添加剤を適宣選択して使用することができる。
本発明の筆記板用消去性インキ組成物の製造方法は、上記せる各成分を必要量混合し、ホモミキサー、ラボミキサー等の高速撹拌機や、ボールミル、サンドミル又はビーズミル等の分散機にて混合・分散することにより容易に得ることができる。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
フジ AS ブラック 810(ポリビニルブチラールで黒色顔料をコーティングした加工顔料、冨士色素(株)製) 8.0部
ソルミックスAP−4(エチルアルコール85.5%、イソプロピルアルコール13.4%、アセトン1.1%の混合溶液、日本アルコール販売(株)製) 50.0部
イソプロピルアルコール 33.0部
NIKKOL BL−21(ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、HLB19.0、日光ケミカルズ(株)製) 2.0部
NIKKOL CIO(2−エチルヘキサン酸セチル、日光ケミカルズ(株)製)
7.0部
上記成分のうち、NIKKOL BL−21を2.0部と、NIKKOL CIOを7.0部とをホモミキサーにて1時間撹拌した後、上記の他の成分と共にホモミキサーにて5時間撹拌して、黒色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(実施例2)
フジ AS レッド 5115(ポリビニルブチラールで赤色顔料をコーティングした加工顔料、冨士色素(株)製) 6.5部
ソルミックスAP−4(前述) 55.0部
イソブチルアルコール 32.0部
NIKKOL PBC−34(ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレンセチルエーテル、HLB16.5、日光ケミカルズ(株)製) 1.5部
DOS(セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、田岡化学工業(株)) 5.0部
上記成分のうち、NIKKOL PBC−34を1.5部と、DOSを5.0部とをホモミキサーにて1時間撹拌した後、上記の他の成分と共にホモミキサーにて5時間撹拌して、黒色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(実施例3)
フジ AS ブルー 650(ポリビニルブチラールで青色顔料をコーティングした加工顔料、冨士色素(株)製) 8.0部
ソルミックスAP−4(前述) 50.0部
イソプロピルアルコール 33.0部
エマノーン3199B(モノステアリン酸ポリエチレングリコール(141エチレンオキサイド)、HLB19.4、花王(株)製) 2.0部
DINA(アジピン酸ジイソノニル、田岡化学工業(株)) 4.5部
NIKKOL IPIS(イソステアリン酸イソステアリル、日光ケミカルズ(株)製)
2.5部
上記成分のうち、エマノーン3199Bを2.0部と、DINAを4.5部とをホモミキサーにて1時間撹拌した後、上記の他の成分と共にホモミキサーにて5時間撹拌して、黒色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(実施例4)
フジ AS グリーン 7500(ポリビニルブチラールで緑色顔料をコーティングした加工顔料、冨士色素(株)製) 7.0部
ソルミックスAP−4(前述) 50.0部
n−プロピルアルコール 34.0部
NIKKOL TI−10(モノイソステアリン酸ポリオき水エチレン(20)ソルビタン、HLB15.0、日光ケミカルズ(株)製) 2.0部
Lialcarb SR−1000/R(炭酸ジアルキル(C14、15)、日光ケミカルズ(株)製) 7.0部
上記成分のうち、NIKKOL TI−10を2.0部と、Lialcarb SR−1000/Rを7.0部とをホモミキサーにて1時間撹拌した後、上記の他の成分と共にホモミキサーにて5時間撹拌して、黒色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(実施例5)
フジ AS オレンジ 2020(ポリビニルブチラールで橙色顔料をコーティングした加工顔料、冨士色素(株)製) 7.0部
ソルミックスAP−4(前述) 50.0部
n−ブチルアルコール 34.0部
NIKKOL HCO−100(ポリオキシエチレン(100)水素添加硬化ヒマシ油、HLB16.5、日光ケミカルズ(株)製) 2.0部
NIKKOL PDD(ジカプリン酸プロピレングリコール、日光ケミカルズ(株)製)
7.0部
上記成分のうち、NIKKOL HCO−100を2.0部と、NIKKOL PDDを7.0部とをホモミキサーにて1時間撹拌した後、上記の他の成分と共にホモミキサーにて5時間撹拌して、黒色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(実施例6)
フジ AS イエロー 4030(ポリビニルブチラールで黄色顔料をコーティングした加工顔料、冨士色素(株)製) 6.0部
ソルミックスAP−4(前述) 50.0部
イソプロピルアルコール 35.0部
NIKKOL Decaglyn 1−L(モノラウリン酸デカグリセリル、HLB15.5、日光ケミカルズ(株)製) 2.0部
DODN(デカン酸ジ2−エチルヘキシル、田岡化学工業(株)) 4.0部
NIKKOL ICM−R(ミリスチン酸2−エチルヘキシル、日光ケミカルズ(株)製)
3.0部
上記成分のうち、NIKKOL Decaglyn 1−Lを2.0部と、DODNを4.0部と、ICM−Rを3.0部とをホモミキサーにて1時間撹拌した後、上記の他の成分と共にホモミキサーにて5時間撹拌して、黒色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(実施例7)
フジ AS バイオレット 9200(ポリビニルブチラールで紫色顔料をコーティングした加工顔料、冨士色素(株)製) 5.0部
ソルミックスAP−4(前述) 55.0部
n−プロピルアルコール 33.0部
リュートーシュガーエステル S−1570(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB15.0、三菱化学フーズ(株)製) 2.0部
NIKKOL IPM−EX(ミリスチン酸イソプロピル、日光ケミカルズ(株)製)
5.0部
上記成分のうち、リョートーシュガーエステル S−1570を2.0部と、NIKKOL IPM−EXを5.0部とをホモミキサーにて1時間撹拌した後、上記の他の成分と共にホモミキサーにて5時間撹拌して、黒色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(比較例1)
実施例1のBL−21(前述)2.0部を除き、BL−2(POE(2)ラウリルエーテル、HLB9.5、日光ケミカルズ(株)製)2.0部に変えた以外は、実施例1と同様にして、黒色の筆記板用筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(比較例2)
実施例2のNIKKOL PBC−34(前述)1.5部を除き、NIKKOL PBC−31(ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、HLB9.5、日光ケミカルズ(株)製)に変えた以外は、実施例2と同様にして、赤色の筆記板用筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(比較例3)
実施例3のエマノーン3199B(前述)2.0部を除き、ハイテノール12(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩、第一工業製薬(株)製)2.0部に変えた以外は、実施例3と同様にして、青色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(比較例4)
実施例4のNIKKOL TI−10(前述)2.0部を除き、プライサーフA208B(ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテルリン酸エステル、HLB7.0、第一工業製薬(株)製)1.0部、フォスファノール RS−710(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、HLB13.3、東邦化学工業(株)製)1.0部に変えた以外は、実施例3と同様にして、緑色の筆記板用消去性インキ組成物を得た。
(比較例5)
実施例2のDOS(前述)5.0部を除き、NIKKOL DIS(セバシン酸ジイソプロピル(皮膜形成樹脂を溶解する脂肪族二塩基酸エステル)、日光ケミカルズ(株)製。)5.0部に変えた以外は、実施例2と同様にして、赤色の筆記板用筆記板用消去性インキ組成物を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜5にて作成したインキを用いて塗布具(EMWLM、ぺんてる製)に充填し、これをサンプルとして用いて試験1〜5を実施した。結果を表1に示す。
試験1
筆跡の消去性1(初期消去性)
10回ノックしてインキ出し後、20℃60%の環境下で表面にポリプロピレンフィルムを貼りあわせた筆記板(製品名:マグネットシートNo.88、(株)大創産業製)に各サンプルを用いて2×8cmの大きさで5丸筆記して1分後に、4枚重ねした紙製のウエス(品名キムワイプ S−200、(株)クレシア製)を用い1000gの重りをのせて、筆跡が消えるまでの回数を確認した。
試験2
筆跡の消去性2(経時消去性1)
10回ノックしてインキ出し後、表面にポリプロピレンフィルムを貼りあわせた筆記板(前術)に各サンプルを用いて2×8cmの大きさで5丸筆記して室温にて3日間放置後に、4枚重ねした紙製のウエス(前述)を用い1000gの重りをのせ、筆跡が消去できるまでの回数を確認した。
試験3
筆跡の消去性3(経時消去性2)
10回ノックしてインキ出し後、表面にポリプロピレンフィルムを貼りあわせた筆記板(前術)に各サンプルを用いて2×8cmの大きさで5丸筆記して室温にて1ヶ月放置後に、4枚重ねした紙製のウエス(前述)を用い1000gの重りをのせ、筆跡が消去できるまでの回数を確認した。
Figure 2012012474

Claims (2)

  1. 顔料と、有機溶剤と、該有機溶剤に可溶な皮膜形成性樹脂と、該皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物とから少なくともなり、前記皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物が親水性である筆記板用消去性インキ組成物。
  2. 前記皮膜形成性樹脂を溶解しない液状化合物が、HLB値が15〜20のノニオン界面活性剤によって親水性化されている請求項1記載の筆記板用消去性インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017057344A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 株式会社Screenホールディングス インクジェット用水性インク組成物及び固体製剤

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