JP2012012445A - アゾ顔料の製造方法及びアゾ顔料 - Google Patents
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Abstract
Description
また、顔料を使用するにあたっては、他にも、所望の透明性又は隠蔽性を発現させること、使用される媒体中において微小粒子まで分散し、かつ、その分散状態が安定であること、等の性質も必要となる。これらの性質は化学構造のみならず、粒子径や粒子形、及び結晶性に大きく影響されるため、これらの制御は非常に重要である(例えば特許文献1参照)。特に、良好なイエロー色相を有し、光、湿熱及び環境中の活性ガス、中でも着色力が高く、光に対して堅牢な顔料が強く望まれている。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
式(1)で表されるアミンの酸塩とジアゾ化剤とを混合してジアゾニウム化合物を得る工程(a)を含むことを特徴とする一般式(2)で表されるアゾ顔料の製造方法。
[2]
さらに、前記工程(a)で得たジアゾニウム化合物とカップリング成分とを混合して反応させる工程(b)を含むことを特徴とする請求項1記載のアゾ顔料の製造方法。
[3]
さらに、工程(b)で得た反応液に水を加える工程(c)を含むことを特徴とする上記[2]に記載のアゾ顔料の製造方法。
[4]
前記工程(a)における混合が20℃〜50℃で行われることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のアゾ顔料の製造方法。
[5]
前記アゾ顔料が下記式(3)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のアゾ顔料の製造方法。
前記酸塩が硫酸塩であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のアゾ顔料の製造方法。
[7]
前記酸塩が一般式(4)又は式(5)で表される化合物を出発物質として製造されたことを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のアゾ顔料の製造方法。
[8]
上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とするアゾ顔料。
上述のように、式(1)で表されるアミンの酸塩とジアゾ化剤とを混合してジアゾニウム化合物を得る工程(a)を含むことを特徴とする。アミンの酸塩はフリーのアミンに比して工程(a)において使用される媒質に対する溶解度が低い。そのためアミンの酸塩を用いると、製造時のジアゾ化反応が緩やかになり反応温度制御が容易となる。その結果、合成される顔料の純度が上がり、濾過性や沈降性が向上するという効果が得られる。
本発明の製造方法では、該工程(a)で得られたジアゾニウム化合物とカップリング成分とを混合して反応させた反応液を得る工程(b)を含むことが好ましい。
本発明の製造方法は、工程(b)で得られた反応液に水を加える工程(c)を含むことがより好ましい。該反応液に水を添加することで、反応液中に生成したアゾ顔料を短時間で、かつ、高収率で取り出すことができる。これは、水を添加することで、生成したアゾ顔料が凝集して粗大粒子を形成するためと推定される。
工程(a)では、ジアゾ化剤と式(1)で表されるアミンの酸塩とを混合させることで、該アミンの酸塩とジアゾ化剤との反応によりジアゾニウム化合物が誘導される。この反応は酸を含む媒質中で行うことが好ましい。本明細書では、このジアゾニウム化合物を含む液を「ジアゾニウム化合物調製液」と呼ぶ。アミンの酸塩と酸とジアゾ化剤の混合の方法に特に限定はないが、アミンの酸塩と酸の溶液中にジアゾ化剤を添加することが好ましい。工程(a)におけるジアゾ化剤とは、アミンの酸塩をジアゾニウム化合物に誘導するために使用されるものであり、そのような作用を持つものであれば限定はされない。ジアゾ化剤として代表的なものには、亜硝酸塩(例えば亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウムが挙げられる)、亜硝酸イソアミル、ニトロシル硫酸が挙げられ、更に好ましくは亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、ニトロシル硫酸であり、その中でもニトロシル硫酸が特に好ましい。
また、工程(a)における、アミンの酸塩に対するジアゾ化剤の添加量は、好ましくはモル比で1.0〜20倍であり、より好ましくは1.0〜10倍であり、1.0〜5倍が更に好ましい。1.0倍以上であるとジアゾニウム化合物への誘導が容易であり、20倍以下であれば副反応によりジアゾニウム化合物が分解することを防止できる。
工程(b)は、工程(a)で得たジアゾニウム化合物調整液とカップリング成分とを混合させて、前記工程(a)で得たジアゾニウム化合物調整液中のジアゾニウム化合物とカップリング成分とをカップリングさせる工程である。工程(a)で得たジアゾニウム化合物調整液とカップリング成分との混合の方法に、特に限定はないが、カップリング成分と溶媒の混合物中に、工程(a)で得たジアゾニウム化合物調整液を添加するか、又は工程(a)で得たジアゾニウム化合物調製液にカップリング成分を添加することが好ましい。
ウンデセンなどの有機塩基や炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられる。他に有機酸と強塩基の塩として、酢酸リチウム、酢酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩等も挙げられる。
塩基を添加する場合、塩基の添加時期は特に限定されない。カップリング成分と塩基と溶媒の混合液に工程(a)のジアゾニウム化合物調整液を混合しても良く、カップリング成分と溶媒の混合液へ工程(a)のジアゾニウム化合物調整液と塩基とを交互に混合しても良い。
工程(c)は、上記工程(b)で得た反応液に水を加える工程である。
添加する水の量としては、カップリング成分に対して質量比で0.5〜50倍が好ましく、1〜20倍がより好ましく、1〜10倍が更に好ましい。また、添加時には攪拌機が用いられることが好ましい。攪拌機としては通常ものが使用され、特に限定されない。製造設備に依存することはあるが、好ましい攪拌の回転数は、30〜300rpmが好ましく、40〜200rpmがより好ましく、更に好ましくは50〜200rpmである。
すなわち、例えば、反応系から遊離したものを精製せずに、あるいは再結晶、造塩等にて精製する操作を単独、あるいは組み合わせて行ない、供することができる。
本発明のアゾ顔料の製造方法によって製造されるアゾ顔料は下記一般式(2)で表される。
以下、本発明における一般式(2)で表されるアゾ顔料について詳細に説明する。なお当該アゾ顔料は、その塩又は水和物であってもよい。
R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
R1及びR2の置換基の例としては、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、イミド基、ホスホリル基、又はイオン性親水性基を挙げることができ、各々は更に置換基を有していてもよい。
R1及びR2としては、メチル基、i−プロピル基、t−ブチル基が更に好ましい。
R1及びR2で表されるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。中でも塩素原子、又は臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
Wの置換基例は、前記一般式(2)中のR1及びR2の例と同義である。
中でも特に好ましいWは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基であり、特に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基、又はアルコキシカルボニル基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルコキシカルボニル基がより好ましく、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基が最も好ましい。
前記一般式(2)で表されるアゾ化合物の具体例(例示アゾ化合物Pig−1〜Pig−8)を以下に示すが、本発明のアゾ化合物は、下記の例に限定されるものではない。
本発明のアゾ顔料の製造方法において出発物質として使用されるアミンの酸塩は式(1)で表される。
一般式(4)中の好ましいR3の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基であり、最も好ましくはエチル基である。
例えば水、アルコール(炭素数1〜10)、アセトニトリル、酢酸エステル(炭素数2〜10)、芳香族炭化水素(炭素数6〜20)、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、o−,m−,p−キシレン(又はこれらの混合物)、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、アセトン、N−メチルピロリドンが好ましく、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、アセトン、N−メチルピロリドンがより好ましく、水、メタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、トルエンが更に好ましい。また、これらを任意の二種以上の組み合わせ及び組成比で混合した混合溶剤を用いても良い。
反応時間としては、5分〜8時間が好ましく、15分〜5時間がより好ましく、30分〜3時間が更に好ましい。
上記の操作は、窒素の替わりにアルゴン・空気等、他の気体も同様に用いることが出来る。また、これらの気体をバブリングしても良い。
本発明の製造方法で得られた本発明のアゾ顔料の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。
下記式(1)で表される化合物52.0部を230部のイソプロパノールに加え、45℃に加熱して完溶させた。この溶液に濃硫酸36.3部を20分かけて滴下した。滴下終了後、反応液を5℃まで冷却し、生成した粉末を濾別した。イソプロパノールで十分にかけ洗いした後、50℃で3時間乾燥し、式(1)で表される化合物の硫酸塩を84.1部(収率99.1%)得た。
前記式(1)で表される化合物50.0部を220部のイソプロパノールに加え、45℃に加熱して完溶させた。この溶液に濃塩酸27.0部を20分かけて滴下した。滴下終了後、反応液を5℃まで冷却し、生成した粉末を濾別した。イソプロパノールで十分にかけ洗いした後、50℃で3時間乾燥し、前記式(1)で表される化合物の塩酸塩を50.0部(収率81.0%)得た。
ホルムアミジン酢酸塩68.5部及びシアノ酢酸メチル80.7部を、メタノール60部とともに室温で攪拌した。ついで、窒素気流下、トリエチルアミン79.9部を添加した。その後内温65℃になるまで加温し、3時間加熱還流下攪拌して、下記式(5)で表される化合物を含む溶液を得た。
次に該反応液の内温を30〜40℃に冷却し、イソプロパノールを120部注入した。続いて、同温度でメチルヒドラジン30.3部を滴下して、内温50℃まで加熱し、2時間攪拌した。その後内温20℃に降温し、アセトン390部を滴下、そのまま30分攪拌した。ついで、無水酢酸67.9部を滴下、そのまま30分攪拌した。更に、内温20〜30℃下、濃硫酸162部を滴下した。1時間同温にて攪拌後、得られた結晶を濾別した。イソプロパノールで十分にかけ洗いした後、50℃で3時間乾燥し、前記式(1)で表される化合物の硫酸塩を138部得た。
シアノ酢酸メチル207.3部及びオルトぎ酸トリエチル620.0部を内温20〜30℃下注入し、攪拌・混合した。更に、氷酢酸56.5部及び無水酢酸533.9部を内温20〜30℃下、注入し攪拌・混合した。
窒素バブリング下、昇温し、常圧にて揮発成分を留去しながら、110℃にて4時間攪拌した。その後、酢酸及び無水酢酸が留去されるまで更に攪拌を続け、定量的に下記式(4−1)で表される化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):8.4(1H,s)、4.5(2H,q,OCH2−)、3.7(3H,s,CO2CH3)、1.3(3H,t,OCH2CH3)
メチルヒドラジン36.4部をイソプロパノール51.0部とともに内温20〜25℃で攪拌した。この溶液に、前記(4−1)で表される化合物100.0部を、予めイソプロパノール55.7部に溶解させた溶液を内温が20〜25℃を保ちながら滴下した。その後、約15分攪拌し、内温20〜25℃に安定させた。次いで、内温45℃まで加熱し、45℃にて60〜90分攪拌した。反応終了後、同温度で濃硫酸79.9部を上記反応液に滴下し、10℃以下まで冷却後、60分攪拌した。生成した結晶を濾別し、予め0〜5℃に冷却したノルマルヘプタン99.1部/イソプロパノール19.9部の混合溶媒にて洗浄した。50℃で3時間乾燥し、式(1)で表される化合物の硫酸塩を155.0部得た。
1H−NMR同定データ(化学シフト値)の結果は以下の通りである。
1H−NMR(300MHz,CD3OD):8.0(1H,s,H),3.8(3H,s,OMe),3.7(3H,s,NMe)
氷酢酸64.8g、プロピオン酸16.2gの混合溶媒の中に、合成例1で合成された上記式(1)で表される化合物の硫酸塩26.3gを加えて200rpmで攪拌した。このとき系は懸濁液であった。この懸濁液を5℃まで冷却し、ニトロシル硫酸(43質量%硫酸溶液)34.1gを5分かけて滴下した。この間、内温が13℃まで上昇した。滴下終了後、25℃〜30℃まで昇温して1時間攪拌した。反応終了後、25℃以下に冷却し、同温度を維持しながら2.4gの尿素を分割しながら添加した。15分攪拌してジアゾニウム化合物調製液を得た。このジアゾニウム化合物調製液を、メタノール180.0gに下記式(6−1)で表される化合物20.0gを懸濁させた液の中に0℃以下で滴下した。滴下終了後、同温度にて2時間攪拌して反応させた。反応終了後、240.0gの水を加えて、一晩静置した。翌日、上澄みをデカンテーションして除去し、除去した量と同量の水を添加した。28質量%アンモニア水を添加してpHを6.0に調整してから、結晶を110mmヌッチェを用いて濾別した。十分な量の水でかけ洗いした後、60℃で7時間乾燥して、(Pig−1)を35.3g(収率94.8%)得た。
合成例1で合成された上記式(1)の硫酸塩を合成例2で合成された上記式(1)の塩酸塩に変えたことは実施例1と同様にして、(Pig−1)を得た。
[実施例3]
合成例1で合成された上記式(1)の硫酸塩を合成例4で合成された上記式(1)の硫酸塩に変えたことは実施例1と同様にして、(Pig−1)を得た。
[実施例5]
氷酢酸64.8g、プロピオン酸16.2gの混合溶媒の中に、合成例1で合成された上記式(1)で表される化合物の硫酸塩26.3gを加えて200rpmで攪拌した。この懸濁液を5℃まで冷却し、ニトロシル硫酸(43質量%硫酸溶液)34.1gを10分かけて滴下した。滴下終了後、内温10℃で1時間攪拌した。反応終了後、同温度を維持しながら2.4gの尿素を分割しながら添加した。15分攪拌してジアゾニウム化合物調製液を得た。以下、実施例1と同様にして前記式(6−1)で表される化合物20.0gと反応させ、(Pig−1)を35.3g(収率94.8%)得た。
合成例1で合成された上記式(1)の硫酸塩を用いる代わりに、式(1)の化合物フリー体16.1gに変えた。氷酢酸64.8g、プロピオン酸16.2gの混合溶媒の中に式(1)の化合物フリー体を添加したところ、完溶した。この溶液を5℃まで冷却し、ニトロシル硫酸(43質量%硫酸溶液)34.1gを滴下したところ発熱が激しく、内温が25℃まで上昇した。内温を25℃以下に維持するよう滴下したため、滴下時間は15分を要した。以降は実施例1と同様にして、(Pig−1)を得た。
実施例1〜5及び比較例1について、得られた(Pig−1)の純度、デカンテーションできた溶媒の量、濾過性を比較した。デカンテーションできた溶媒の量が多いほど、後工程で中和するのに必要なアンモニア水の所要量が少なくなるため、中和で生成する無機塩の顔料への混入が少なくなり好ましい。結果を下表に示す。なお、(Pig−1)の純度測定は、SHIMADZU社製C−R10A CHROMATOPACを用いて行った。濾過性については、濾過時間が1分以内:◎、1分より長く2分以下:○、2分より長く3分以下:△、3分より長い:×とした。
氷酢酸58.3g、濃硫酸22.6gの混合溶媒に、ニトロシル硫酸(43質量%硫酸溶液)43.3gを25℃以下で滴下した。この溶液に合成例3で合成された上記式(1)の硫酸塩33.7gを分割しながら10分かけて添加した。この間反応温度は25℃以下を維持した。添加終了後、25〜30℃に昇温し、150rpmで1時間攪拌した。反応終了後、25℃以下に冷却し、同温度を維持しながら2.5gの尿素を分割しながら添加した。15分攪拌してジアゾニウム化合物調製液を得た。このジアゾニウム化合物調製液を、あらかじめ0℃以下に冷却したメタノール200gの中に滴下し、続いて同温度にて上記式(6−1)で表される化合物25.0部を分割しながら3時間かけて添加した。添加終了後、同温度にて2時間攪拌して反応させた。反応終了後、175gの水を加えて、一晩静置した。翌日、上澄みをデカンテーションして除去し、除去した量と同量の水を添加した。28質量%アンモニア水を添加してpHを6.0に調整してから、結晶を110mmヌッチェを用いて濾別した。十分な量の水でかけ洗いした後、60℃で7時間乾燥して、(Pig−1)を45.2g(収率97.1%)得た。
氷酢酸58.3g、濃硫酸22.6gの混合溶媒に、ニトロシル硫酸(43質量%硫酸溶液)43.3gを25℃以下で滴下した。この溶液に合成例3で合成された上記式(1)の硫酸塩33.7gを分割しながら10分かけて添加した。この間反応温度は25℃以下を維持した。添加終了後、25〜30℃に昇温し、1時間150rpmで攪拌してジアゾニウム化合物調製液を得た。あらかじめ0℃以下に冷却したメタノール300gの中に2.5gの尿素を溶解させ、この中に前記ジアゾニウム化合物調製液を滴下した。続いて同温度にて上記式(6−1)で表される化合物25.0gを分割しながら3時間かけて添加した。添加終了後、同温度にて2時間攪拌して反応させた。反応終了後、攪拌を止め一晩静置した。翌日、上澄みをデカンテーションして除去し、除去した量と同量の水を添加した。28質量%アンモニア水を添加してpHを6.0に調整してから静置した。1時間後上澄みをデカンテーションして除去し、除去した量と同量の水を添加した。再度1時間静置後、上澄みをデカンテーションして除去し、除去した量と同量の水を添加して結晶を110mmヌッチェを用いて濾別した。十分な量の水でかけ洗いした後、60℃で7時間乾燥して、(Pig−1)を44.7g(収率97.1%)得た。
実施例6及び7で得られた式(Pig−1)の純度、デカンテーションできた溶媒の量、濾過性は下表の通りであった。純度測定及び濾過性の評価は実施例1〜5と同様に行った。
氷酢酸55.0g、プロピオン酸37.0gの混合溶媒の中に、合成例3で合成された上記式(1)で表される化合物の硫酸塩15.0gを加えて攪拌した。このとき系は懸濁液であった。この懸濁液を5℃まで冷却し、ニトロシル硫酸(43質量%硫酸溶液)19.3gを5分かけて滴下した。この間、内温が9℃まで上昇した。滴下終了後、25℃〜30℃まで昇温して1時間150rpmで攪拌した。反応終了後、25℃以下に冷却し、同温度を維持しながら0.3gの尿素を分割しながら添加した。15分攪拌してジアゾニウム化合物調製液を得た。このジアゾニウム化合物調製液を、アセトン150gに下記式(7)で表される化合物10.0gを懸濁させた液の中に3℃以下で滴下した。滴下終了後、同温度にて2時間攪拌して反応させた。反応終了後、結晶を濾別した。十分な量のアセトン及び水でかけ洗いした後、400gの水に懸濁させ、水酸化カリウム水溶液でpH5.7になるまで中和した。10分攪拌後、結晶を110mmヌッチェを用いて濾別した。十分な量の水でかけ洗いした後、60℃で7時間乾燥して、(Pig−2)を17.1g(収率91%)得た。得られた(Pig−2)の純度は96.4%であった。
Claims (8)
- さらに、前記工程(a)で得たジアゾニウム化合物とカップリング成分とを混合して反応させる工程(b)を含むことを特徴とする請求項1記載のアゾ顔料の製造方法。
- さらに、工程(b)で得た反応液に水を加える工程(c)を含むことを特徴とする請求項2に記載のアゾ顔料の製造方法。
- 前記工程(a)における混合が20℃〜50℃で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゾ顔料の製造方法。
- 前記酸塩が硫酸塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアゾ顔料の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とするアゾ顔料。
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