JP2012007153A - 食器洗い機用粒状洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
粒状(粉末状)食器洗い機用洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】A:メチルグリシン二酢酸及び/又はその塩 8〜40質量%、
B:マレイン酸/アクリル酸共重合体及び/又はその塩 2〜11質量%、
C:リパーゼ、及び
D:下記式(1−1)及び(1−2)で表されるノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上
R1−O−(EO)p(AO)q(EO)r−H (1−1)
R2−CO(EO)p(AO)q(EO)r−R3 (1−2)
を含有し、且つ、
A/B(質量基準比)=4〜12
である食器洗い機用粒状洗浄剤組成物。
【選択図】なし
Description
一方、食洗機に求められる省エネ傾向も加速している。これにより、低温且つ短時間での洗浄が余儀なくされているが、このような条件下での洗浄は過酷であり、高洗浄力の発現にとってのハードルがより一層高くなっている。
従って、当該分野における最大の技術課題は洗浄力発現にとって過酷条件下でも優れた洗浄力を発揮できる洗浄剤組成物の開発である。
油脂汚垢に対する課題解決手段の一つが酵素リパーゼの活用である。リパーゼは、食器に付着した油脂汚垢に作用して、グリセリンと脂肪酸に分解させることができる点で優れているが、油脂汚垢の分解によって生じる脂肪酸と、水道水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンとが結合して石鹸スカムを発生させてしまう。石鹸スカムは、特にプラスティック製食器に著しく再付着する課題があることから、これまで食洗機洗浄剤分野への応用は遅々として進展しなかった。
特許文献2には、リパーゼ、メチルグリシンジ酢酸塩、マレイン酸/アクリル酸共重合体の塩等を含む、油洗浄力、耐ケーキング性(耐固化性)の良好な食器洗い機用洗浄剤組成物が開示されている。
しかしながら、これら特許文献に記載の組成物は酵素を必須成分として含有するものではない。従って、リパーゼで分解されて生ずる石鹸スカムのプラスティック製食器への再汚染の問題への言及は当然ないし、その問題を解決できるものでもない。
A:メチルグリシン二酢酸及び/又はその塩 8〜40質量%、
B:マレイン酸/アクリル酸共重合体及び/又はその塩 2〜11質量%、
C:リパーゼ、及び
D:下記式(1−1)及び(1−2)で表されるノニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上
R1−O−(EO)p(AO)q(EO)r−H (1−1)
R2−CO(EO)p(AO)q(EO)r−R3 (1−2)
(式中、R1は、水素原子または炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、R2は、炭素数9〜21の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、R3は、炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。EOはエチレンオキサイド基を、AOは炭素数3〜4のアルキレンオキサイド基を示す。p及びrはエチレンオキサイド基の平均付加モル数、qはアルキレンオキサイド基の平均付加モル数であり、かつp及びqそれぞれが1〜25の範囲の数でありrは0〜25の範囲である。)
を含有し、且つ、
A/B(質量基準比)=4〜12
であることを特徴とする食器洗い機用粒状洗浄剤組成物を提供する。
A:メチルグリシン二酢酸及び/又はその塩 8〜40質量%、
B:マレイン酸/アクリル酸共重合体及び/又はその塩 2〜11質量%、
C:リパーゼ、及び
D:R−O−(EO)p(AO)q−H (1−3)
(式中、Rは、水素原子または炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、EOはエチレンオキサイド基を、AOは炭素数3〜4のアルキレンオキサイド基を示す。p及びqはそれぞれエチレンオキサイド基及びアルキレンオキサイド基の平均付加モル数であり、かつp及びqそれぞれが1〜25の範囲の数である。)
を含有し、且つ、
A/B(質量基準比)=4〜12
であることを特徴とする食器洗い機用粒状洗浄剤組成物を提供する。
メチルグリシンジ酢酸(MGDA)及び/又はその塩は、リパーゼを油脂汚れに作用させた際に生じる石鹸スカムが食器等に再付着するのを防止するのに寄与する。メチルグリシンジ酢酸及び/又はその塩は、下記式(2)で表される。
M1OOCCH(CH3)N(CH2COOM2)(CHCOOM3) (2)
式中、M1〜M3は、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを示す。M1〜M3は、アルカリ金属であるのが好ましく、ナトリウムであるのが特に好ましい。
メチルグリシンジ酢酸及び/又はその塩の含有量は、本発明の組成物に対して8〜40質量%、好ましくは10〜35質量%である。含有量が8質量%未満では石鹸スカムの再付着防止力が不十分となり、40質量%を超えると耐ケーキング性、洗浄剤基剤臭が悪化する。
如何なる理論にも拘束されるものではないが、A成分の作用機序は単なるカルシウム捕捉ではないと思われる。なんとなれば、文献(Extraction of Heavy Metals from Soils Using Biodegradable Chelating Agents:Eviron.Sci.Technol.2004,38,937-944及びNitrogen-and Phosphorous-Free Strong Sequestering Builders:Tenside Detergents,12,1975,Heft1)上のクエン酸塩、トリポリリン酸塩、ニトリロトリ酢酸塩のカルシウムイオン錯安定化定数はMGDAのそれよりも低く、エチレンジアミン4酢酸塩のカルシウム錯安定化定数はMGDAのそれよりも高い。しかしながら、石鹸スカム再付着の抑制効果はこの錯安定化定数の序列とは一致しないからである。MGDA、クエン酸塩、トリポリリン酸塩、ニトリロトリ酢酸塩及びエチレンジアミン4酢酸塩の中で、MGDAのみが、後述するB成分との至適組み合わせ範囲において、リパーゼを作用させた際に生じる石鹸スカムの付着を顕著に抑制できる。恐らく、カルシウムイオン、マグネシウムイオンの封鎖力ではなく、封鎖状態(分散状態)が異なるためではないかと考えられる。
マレイン酸/アクリル酸共重合体及び/又はその塩は、食器洗い機用洗浄剤組成物において、通常、高分子キレート剤として使用されている。
本発明に用いるアクリル酸/マレイン酸共重合体は、アクリル酸とマレイン酸とのモル比が70/30〜30/70であるものが好ましい。
本発明に用いるアクリル酸/マレイン酸共重合体としては、標準物質をポリアクリル酸ナトリウムとしたゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量が1,000以上であるものが好ましく、1,500〜200,000の範囲のものがより好ましく、2,000〜100,000の範囲のものがさらに好ましく、10,000〜100,000の範囲のものがよりさらに好ましく、40,000〜60,000の範囲のものが最も好ましい。重量平均分子量が1,000以上であると、石鹸スカムの再付着防止性が向上する。200,000以下であると粒状洗浄剤組成物の耐ケーキング性が向上する。
マレイン酸/アクリル酸共重合体が塩の形態である場合には、アルカリ金属塩であるのが好ましく、例えばナトリウム塩及びカリウム塩などが好ましい例としてあげられる。
B成分は、公知の方法により合成しても良く、又は市場で入手できるものを使用しても良い。市場で入手可能な物としては、例えば日本触媒(株)製のアクアリックTL400(重量平均分子量:50000)、BASF社製のソカランCP7、CP5及びCP12S(重量平均分子量:CP7=50000、CP5=70000、CP12S=3000)等が挙げられる。
マレイン酸/アクリル酸共重合体及び/又はその塩の含有量は、本発明の組成物の全質量に対して、2〜11質量%、好ましくは、3〜7質量%である。含有量が2質量%未満では石鹸スカムの再付着防止が不十分となり、11質量%を超えると耐ケーキング性が悪化する。
本発明の組成物に含まれるA成分とB成分との質量比は、4〜12であり、好ましくは6〜10である。質量比が4未満及び12を超えた場合、石鹸スカムの再汚染性が高くなる。
このように、本発明の組成物はA,B両成分が必須であり、且つ、至適な比率範囲が存在する。如何なる理論にも拘束されるものではないが、両成分の相乗作用でカルシウムイオンやマグネシウムイオンを効率よく封鎖できるものと思われる。
本発明ではいかなるリパーゼも使用できるが、粒状物の形で供給され、後述の方法により求められる酵素の比活性が1gあたり0.1〜10000LU/gの力価のものが好ましい。
リパーゼの活性値が100LU/gのとき、本発明の組成物中にリパーゼを0.01〜0.5重量%配合することが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3重量%である。配合量が0.01質量%未満であると油脂の洗浄力が十分に得られず、0.5質量%を超えると洗浄剤基剤臭が悪化する。
リパーゼとしては市販品を使用することができる。例えば、Lipex,Lipolase(いずれもノボザイムズ社製)が挙げられる。
リパーゼの比活性の測定方法はpH一定状態におけるトリオレインの加水分解に基づいて行われるものであり、酵素1g当たりの活性で示される。活性単位は「LU/g」である。
200mL(内径63mm、高さ80mm)のビーカーにマグネットスターラーバー(直径8mm、長さ30mm、円柱状)を入れ、22.5℃±0.5℃のベース溶液100±0.2mL(α−SF−Na〔C14/16=2/8(質量比)のアルキル基をもつα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩〕200ppm、炭酸ナトリウム200ppm、ドイツ硬度3゜DH(イオン交換水に塩化カルシウムを添加して調製))と、基質として0.2gのトリオレイン(Fulka社試薬)を添加し、15〜20分撹拌しpH一定になったところを初期pH(約10〜10.5)とする。使用装置は滴定装置TS−980(平沼産業製)を用いて回転数は200rpmに設定して行う。なお、滴定装置にpH電極も組み込まれているのでこの電極を使用する。
次いで、室温で攪拌したまま、酵素活性値既知の標準リパーゼを2mg〜20mgの範囲で精秤し、100mLのイオン交換水に溶解さておいた前記ベース溶液1mLを加えトリオレイン基質の分解反応を開始させると共に、初期pH値(約10〜10.5)を保つように0.1N-KOH溶液を滴下する。60分後の0.1N-KOH溶液の滴下量を測定し、標準リパーゼ1g当たりの0.1N-KOH溶液滴下量sを求める。
酵素活性値未知のリパーゼについても2mg〜20mgの範囲で精秤し、100mLのイオン交換水に溶解さておいた前記ベース溶液1mLを加え、同様の操作を行い活性値未知リパーゼ1g当たりの0.1N-KOH溶液滴下量Aを求め、比活性値を算出する。
比活性値 LU/g=(A/s)x100
下記式(1−1)、(1−2)で示されるノニオン界面活性剤、又は下記式(1−3)で示されるノニオン界面活性剤である。
R1−O−(EO)p(AO)q(EO)r−H (1−1)
R2−CO(EO)p(AO)q(EO)r−R3 (1−2)
式中、R1は、水素原子または炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基が好ましい。炭素数12〜14の直鎖または分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基がより好ましい。
R2は、炭素数9〜21の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。炭素数11〜13の直鎖または分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
R3は、炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
EOはエチレンオキサイド基を、AOは炭素数3〜4、好ましくは炭素数3のアルキレンオキサイド基を示す。p及びrはエチレンオキサイド基の平均付加モル数、qはアルキレンオキサイド基の平均付加モル数であり、p及びqはそれぞれ1〜25、好ましくは2〜15の範囲の数であり、rは0〜25、好ましくは0〜5の範囲の数である。
式中、Rは、水素原子または炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基が好ましい。炭素数12〜14の直鎖または分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基がより好ましい。
EOはエチレンオキサイド基を、AOは炭素数3〜4、好ましくは炭素数3のアルキレンオキサイド基を示す。p及びqはそれぞれエチレンオキサイド基及びアルキレンオキサイド基の平均付加モル数であり、p及びqはそれぞれ1〜25、好ましくは2〜15の範囲の数である。
高級アルコールとしては、天然または合成の1級または2級アルコールを使用することができる。具体的には、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。このうち、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、トリデシルアルコール等の1級合成アルコールや椰子油高級アルコール等の天然アルコールが好ましい。これらの高級アルコールは、商業的に入手することができる。市販品としては、ドバノックス(登録商標)、ダイヤドール(登録商標)、ネオドール(登録商標)、サフォール(登録商標)等の1級合成アルコールや、椰子油高級アルコール等の天然アルコール、更にはソフタノール(登録商標)等の2級アルコールがあげられる。
好ましい脂肪酸アルキルエステルはラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ヤシ脂肪酸メチル、ヤシ脂肪酸エチルなどが挙げられる。
更に好ましいものとして、上記式(1−1)及び(1−3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおいて、エチレンオキサイドが狭い付加モル分布でアルコールに付加していることが挙げられる。具体的には、特開平1−164437号公報及び特開2000−61304号公報記載の方法を用いれば、狭いEO付加モル分布をもったポリオキシエチレンアルキルエーテルを容易に得ることができる。これにAOを所定量付加重合することにより、上記式(1−1)及び(1−3)においてR1及びRの各々が炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である非イオン性界面活性剤が得られる。
市販品の例として、ソフタノールEPシリーズ(日本触媒社製)、プルラファックシリーズ(BASF社製)、レオックス、レオコン、ライオノールシリーズ(ライオン社製)等が例示できる。
(D)成分の含有量は、組成物の全質量を基準として、好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは1〜3質量%である。(D)成分の含有量が0.5質量%未満では食器の仕上がりが不十分となる場合があり、一方、5質量%を超えても効果が飽和するので経済的観点から好ましくない。
本発明の洗浄剤には、本発明の目的に反しない限り、食器を洗浄するための洗浄剤に通常含まれる如何なる成分も含むことができる。例えば、漂白剤、漂白活性化剤、アルカリビルダー、アミラーゼ、プロテアーゼ、植物抽出エキス、香料、吸油剤、消泡剤、食器保護剤、増粘剤、着色剤、防腐剤、工程剤等を用いることができる。
a)MGDA:
メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(BASF社製、Trilon M)
a)の比較品:
比較品1;クエン酸ナトリウム(磐田化学社製)
比較品2;STPP:トリポリリン酸ナトリウム(関東化学社製)
比較品3;EDTA:エチレンジアミン4酢酸ナトリウム(BASF社製 Trilon B)
比較品4;NTA:ニトリロトリ酢酸ナトリウム(BASF社製 Trilon A)
MAコポリマー:アクリル酸/マレイン酸共重合体(BASF社製 ソカランCP7 重量平
均分子量5万)
b)の比較品:
比較品1;ポリアクリル酸(BASF社製 ソカランPA30)
比較品2;疎水変性されたポリカルボキシレート(BASF社製 ソカランCP9)
リパーゼ1;ノボザイムズ社製(Lipex100T 力価 100LU/g)
リパーゼ2;ノボザイムズ社製(Lipolase100T 力価 100LU/g)
− ノニオン界面活性剤1:
式(1−3)で表されるノニオン界面活性剤(R=炭素数12〜13のアルキル基、AO=炭素数3のアルキレンオキシド、p=3、q=3;ライオン化学製 NNAEP-3030)
− ノニオン界面活性剤2:
式(1−3)で表されるノニオン界面活性剤(R=炭素数13〜15のアルキル基、AO=炭素数3のアルキレンオキシド、p=2、q=5;BASF社製 プルラファックLF403
− ノニオン界面活性剤3:
式(1−1)で表されるノニオン界面活性剤。R1=天然アルコール由来の炭素数12及び14アルキル基(C12/C14=75/25)、AO=炭素数3のアルキレンオキシド、p=3、q=4、r=2の順にブロック付加させて得られたノニオン界面活性剤。
ノニオン界面活性剤3 の合成:
P&G社製の天然アルコールCO−1270の224.4gと、30質量%NaOH水溶液の2.0gとを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながら酸化エチレン(ガス状)102gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えて反応させた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、さらに酸化プロピレン(ガス状)268gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら徐々に加えて反応させた。温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、さらに酸化エチレン102gを反応させた。熟成後、未反応の酸化エチレンを留去した後、温度を100℃以下まで冷却し、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、ノニオン界面活性剤3を得た。
− ノニオン界面活性剤4:
式(1−2)で表されるノニオン界面活性剤。R2=炭素数11及び13アルキル基、R3=メチル基、AO=炭素数3のアルキレンオキシド、p=3、q=1、r=0となるようにランダムに付加したノニオン界面活性剤。
ノニオン界面活性剤4の合成:
化学組成が2.5MgO・Al2O3・nH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名:キョーワード300)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280g及びミリスチン酸メチルエステル70gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、酸化エチレン211gおよび酸化プロピレン93gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別して、ノニオン界面活性剤4を得た。
d)の比較品:
ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル(日本エマルジョン製 エマレックス720)
硫酸ナトリウム(日本化学(株)製 中性無水芒硝)
水(イオン交換水)
共通成分:X
無機過酸化物:過炭酸ナトリウム(日本パーオキサイド製、商品名:PC-A 20%)
TAED:テトラアセチルエチレンジアミン(クラリアント製 ペラクティブAN 1%)
炭酸ナトリウム(旭硝子社製、粒灰 15%)
アミラーゼ(ノボザイムズ社製、デュラミル120T)1%
プロテアーゼ(ノボザイムズ社製、エバラーゼ8.0T)1%
植物抽出物(豊玉香料社製、水溶性ローズマリーエキス)0.2%
アルミン酸:アルミン酸ナトリウム(住友化学社製、NAP-120)0.1%
消泡剤(ダウ コーニング社製、2-4248S) 0.3%
香料:特開2002-146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A 0.05%
無水ケイ酸(トクヤマ社製、トクシールNP) 2%
共通成分:Y
炭酸ナトリウム(旭硝子社製、粒灰 15%)
アミラーゼ(ノボザイムズ社製、デュラミル120T)1%
プロテアーゼ(ノボザイムズ社製、エバラーゼ8.0T)1%
植物抽出物(豊玉香料社製、水溶性ローズマリーエキス)0.2%
アルミン酸:アルミン酸ナトリウム(住友化学社製、NAP-120)0.1%
消泡剤(ダウ コーニング社製、2-4248S) 0.3%
香料:特開2002-146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A 0.05%
無水ケイ酸(トクヤマ社製、トクシールNP) 2%
〔再汚染防止能及び油洗浄力〕
牛脂/ラード/バター/サラダ油=3/3/3/1の混合油8gをのせた直径21cm陶器皿2枚と、レトルトカレー(ボンカレーゴールド21 辛口)8gをのせた直径15cm陶器皿2枚のモデル汚垢を用意した。
洗浄前に油付着、石鹸スカムの付着のないことを確認した紺色のポリプロピレン(PP)製弁当箱(縦110mm、横170mm、高さ35mm)を、モデル汚垢を付着させた陶器皿4枚と共に、自動食器洗い乾燥機「パナソニック(株)製、機種NP−40SX2」にセットし、実施例及び比較例の組成物6gを使用して標準コース洗浄を行った。
洗浄後、PP製弁当箱へのモデル汚垢及び石鹸スカムの付着の程度並びに油洗浄力を以下の基準で評価した。
洗浄後の紺色PP製弁当箱の油付着の程度を手触りで評価した。○以上を合格とした。
◎:油の残留した感触が全くない
○:油の残留した感触が極僅かに感じられる。
△:油の残留した感触が感じられる。
×:油がべっとりと残っている。
洗浄後の紺色PP製弁当箱の石鹸スカム付着の程度を目視で評価した。○以上を合格とした。
◎:石鹸スカムの付着が全く見られない
○:石鹸スカムが極僅かに付着している
△:石鹸スカムがかなり付着している
×:石鹸スカムが全面に付着している
洗浄後の紺色PP製弁当箱の油付着の程度を手触りで評価した。○以上を合格とした。
◎:陶器皿の油汚れがすっきり落ちて、油の残留した感触もなく、PP製弁当箱の油再付着も認められず、食器洗い機庫内面(隅の部分)にも油の残留した感触がない。
○:陶器皿の油汚れがすっきり落ちて、油の残留した感触もないが、PP製弁当箱の油再付着が極僅かに認められ、食器洗い機庫内面(隅の部分)にも極僅かに油の残留した感触がある。
△:陶器皿の油汚れは落ちているように見えるが、触ってみると油の残留した感触があり、PP製弁当箱の油再付着が認められ、食器洗い機庫内面(隅の部分)にも油の残留した感触がある。
×:陶器皿の油汚れが残っており、触ってみると明らかに油の残留した感触があり、PP製弁当箱の油再付着が認められ、食器洗い機庫内面(隅の部分)にも油の残留した感触がある。
実施例1〜38及び比較例1〜38の組成物700gを、幅16cm×奥行き10cm×高さ9cmのポリエチレン(PE)製容器に充填し、40℃、75%RHの条件下に2ヶ月保存する。
(i)保存後の洗浄剤をスプーンですくって、すくいやすさを評価した。
◎:洗浄剤のケーキングがなく、問題なくすくえる
○:洗浄剤の表面にケーキングが認められるが、問題なくすくうことができる
△:洗浄剤のほぼ全体にケーキングが認められるが、スプーンを押し込んですくうことができる
×:洗浄剤全体にケーキングが発生し、スプーンを押し込んでもすくうことができない
洗浄剤基剤臭評価基準:○以上を合格とする。
◎:基剤臭の劣化がない
○:基剤臭の劣化がやや認められる
△:基剤臭の劣化が認められる
×:著しい基剤臭の劣化が認められる
結果を表1〜表4に示す。なお、表中の数字は、組成物の全量を基準とする質量%を示す。
尚、比較例11及び30は洗浄中に泡立ちが多すぎて食器洗い機が運転停止したため、石鹸スカム付着のなさ、プラスチック食器への油再付着のなさ、油汚れ洗浄力の評価は出来なかった。
表1〜表2の組成に従い、粒状の食器洗い機用洗浄剤6Kgを調製した。
まず、粉体成分である、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、植物抽出物、アルミン酸、消泡剤をリボンミキサー(株式会社吉田製作所製、リボンミキサー1102−1500型、巾900mm×長さ1800mm×深さ1100mm)に入れ25rpmで攪拌し、次に撹拌しながら液体成分である、(D)成分、および香料をノズルJPX020(株式会社いけうち製)で噴霧(0.4MPa)して液体−粉体混合物を調製した。液体成分の噴霧終了後、該液体−粉体混合物に無水ケイ酸を添加して25rpm、10分間混合した。次いで(A)成分、(B)成分、(C)成分、アミラーゼ、プロテアーゼ、過炭酸ナトリウム、テトラアセチルアチレンジアミンを添加して25rpm、10分間混合して粒状の食器洗い機用洗浄剤を得た。
表3〜表4の組成に従い、粒状の食器洗い機用洗浄剤6Kgを調製した。
まず、粉体成分である、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、植物抽出物、アルミン酸、消泡剤をリボンミキサー(株式会社吉田製作所製、リボンミキサー1102−1500型、巾900mm×長さ1800mm×深さ1100mm)に入れ25rpmで攪拌し、次に撹拌しながら液体成分である、(D)成分、および香料をノズルJPX020(株式会社いけうち製)で噴霧(0.4MPa)して液体−粉体混合物を調製した。液体成分の噴霧終了後、該液体−粉体混合物に無水ケイ酸を添加して25rpm、10分間混合した。次いで(A)成分、(B)成分、(C)成分およびアミラーゼ、プロテアーゼを添加して25rpm、10分間混合して粒状の食器洗い機用洗浄剤を得た。
Claims (7)
- A:メチルグリシン二酢酸及び/又はその塩 8〜40質量%、
B:マレイン酸/アクリル酸共重合体及び/又はその塩 2〜11質量%、
C:リパーゼ、及び
D:下記式(1−1)及び(1−2)で表されるノニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上
R1−O−(EO)p(AO)q(EO)r−H (1−1)
R2−CO(EO)p(AO)q(EO)r−R3 (1−2)
(式中、R1は、水素原子または炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、R2は、炭素数9〜21の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、R3は、炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。EOはエチレンオキサイド基を、AOは炭素数3〜4のアルキレンオキサイド基を示す。p及びrはエチレンオキサイド基の平均付加モル数、qはアルキレンオキサイド基の平均付加モル数であり、かつp及びqそれぞれが1〜25の範囲の数でありrは0〜25の範囲である。)
を含有し、且つ、
A/B(質量基準比)=4〜12
であることを特徴とする食器洗い機用粒状洗浄剤組成物。 - A/B=6〜10である請求項1記載の食器洗い機用粒状洗浄剤組成物。
- A成分が、メチルグリシン二酢酸のアルカリ金属塩である請求項1又は2記載の食器洗い機用粒状洗浄剤組成物。
- A成分の含有量が、10〜35質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の食器洗い機用粒状洗浄剤組成物。
- B成分が、マレイン酸/アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩である請求項1〜4のいずれか1項記載の食器洗い機用粒状洗浄剤組成物。
- B成分の含有量が、3〜7質量%である請求項1〜5のいずれか1項記載の食器洗い機用粒状洗浄剤組成物。
- A:メチルグリシン二酢酸及び/又はその塩 8〜40質量%、
B:マレイン酸/アクリル酸共重合体及び/又はその塩 2〜11質量%、
C:リパーゼ、及び
D:R−O−(EO)p(AO)q−H (1−3)で表されるノニオン界面活性剤
(式中、Rは、水素原子または炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、
EOはエチレンオキサイド基を、AOは炭素数3〜4のアルキレンオキサイド基を示す。
p及びqはそれぞれエチレンオキサイド基及びアルキレンオキサイド基の平均付加モル数
であり、かつp及びqそれぞれが1〜25の範囲の数である。)
を含有し、且つ、
A/B(質量基準比)=4〜12
であることを特徴とする食器洗い機用粒状洗浄剤組成物。
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