JP2015086295A - 食器用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Masahiro Suzuki
政宏 鈴木
佳弘 蓬田
Yoshihiro Yomogida
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Abstract

【課題】脂質とタンパク質とが複合し、乾燥して食器表面に強固に固着している汚れに対して優れた洗浄性能を示す食器用洗浄剤組成物、及びそれを用いた食器の洗浄方法を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される化合物(A)、ポリエチレンイミン及びそのアルコキシル化物から選ばれる1種又は2種以上のポリマー(B)を含有し、前記(A)成分の含有量が0.1質量%以上、50質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上、30質量%以下である食器用洗浄剤組成物、及び食器の洗浄方法【選択図】なし

Description

本発明は、食器用洗浄剤組成物、及びそれを用いた食器の洗浄方法に関する。
脂質とタンパク質とが複合している汚れ、例えば半熟卵黄等の汚れは、乾燥すると食器
に強固に固着するため、自動食器洗浄機により洗浄を行うことが困難である。したがって、このような汚れを自動食器洗浄機で洗浄する場合には、食器を予め水に浸漬させたり、軽く手洗いする等の前処理が必要であるため、手間がかかっている。
そこで、このような手間のかかる前処理を行わずに汚れを落とすことができる食器用洗浄剤の開発が望まれている。
自動食器洗浄機用の洗浄剤においては、近年、環境配慮の観点から生分解性が良好な有機キレート剤が多く配合されるようになってきている。そのような有機キレート剤としては、例えば、グリシン−N,N−二酢酸誘導体(以下、「GDA」ともいう。)が挙げられる。このGDAは、生分解性が良好であり、かつ高いキレート性能を有する洗浄基剤であることから、界面活性剤の使用量を低減させるための材料として注目されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献2には、疎水性に変性されたポリカルボン酸塩と親水性に変性されたポリカルボン酸塩との混合物、錯化剤、低起泡性非イオン性界面活性剤、漂白剤、ビルダー、酵素等を含有する洗浄調製物が記載されており、錯化剤の1種としてGDAが記載されている。
また、特許文献3には、特定の構造を有する両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン及びこれらの四級化生成物を含む洗濯洗剤又は洗浄組成物が記載されている。
特表2008−540375号公報 特表2011−500878号公報 特表2008−534727号公報
特許文献2に記載される洗浄剤は、ウォータースポットの形成を抑制することを目的としたものであり、脂質とタンパク質とが複合した汚れに対する洗浄力については検討がなされていない。また特許文献2には錯化剤の1種としてGDAが記載されるのみでGDAと洗浄性との関係、及びその配合量については十分に検討がなされていない。
また、特許文献3には、両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミンに関する記載があるが、これとGDAとを共に用いることに関する記載はなく、また、脂質とタンパク質とが複合した汚れに対する洗浄力について検討がなされていない。
本発明は、脂質とタンパク質とが複合し、乾燥して食器表面に強固に固着している汚れに対して優れた洗浄性能を示す食器用洗浄剤組成物、及びそれを用いた食器の洗浄方法を提供する。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1)で表される化合物(A)、ポリエチレンイミン及びそのアルコキシル化物から選ばれる1種又は2種以上のポリマー(B)を含有し、前記(A)成分の含有量が0.1質量%以上、50質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上、30質量%以下である食器用洗浄剤組成物。
Figure 2015086295
(式中、Rは炭素数1以上、12以下の炭化水素基、及び−CH2CH2COOM0で表される置換基から選ばれる1種を示し、M0、M1、M2、及びM3は、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びアルキルアンモニウムから選ばれる1種を示す。)
[2]前記食器用洗浄剤組成物の濃度が0.02質量%以上、0.4質量%以下である洗浄水を食器に付着した被洗浄物と接触させる、食器の洗浄方法。
[3]一般式(1)で表される化合物(A)、ポリエチレンイミン及びそのアルコキシル化物から選ばれる1種又は2種以上のポリマー(B)を含有し、前記(A)成分の含有量が0.1質量%以上、50質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上、30質量%以下である食器用洗浄剤組成物を食器に接触させる食器の洗浄方法。
本発明によれば、脂質とタンパク質とが複合し、乾燥して食器表面に強固に固着している汚れに対して優れた洗浄性能を示す食器用洗浄剤組成物、及びそれを用いた食器の洗浄方法を提供することができる。
[食器用洗浄剤組成物]
本発明の食器用洗浄剤組成物は、一般式(1)で表される化合物(A)、ポリエチレンイミン及びそのアルコキシル化物から選ばれる1種又は2種以上のポリマー(B)を含有し、前記(A)成分の含有量が0.1質量%以上、50質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上、30質量%以下である食器用洗浄剤組成物であるため、脂質とタンパク質とが複合し、乾燥して食器に対して強固に固着した汚れについて優れた洗浄性能を示す。なお、前記食器用洗浄剤組成物は、粉末状、粒状、溶液状等のいずれの形態であってもよい。
<(A)成分>
(A)成分は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2015086295
(式中、Rは炭素数1以上、12以下の炭化水素基、及び−CH2CH2COOM0で表される置換基から選ばれる1種を示し、M0、M1、M2、及びM3は、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びアルキルアンモニウムから選ばれる1種を示す。)
前記一般式(1)中のRが示す炭化水素基としては、アルキル基、又はアルケニル基が好ましい。本発明において、アルキル基の炭素数は1以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは3以下である。また、アルケニル基の炭素数は、2以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは3以下である。炭素数が前記範囲内であれば、得られる食器用洗浄剤組成物の生分解性と洗浄力とが良好となる。
好ましいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基等を挙げることができ、これらの中では、メチル基が好ましい。ここで「各種」とは、n−、sec−、tert−、iso−を含む各種異性体を意味する。
また、好ましいアルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基等が挙げられる。
また、前記Rは、−CH2CH2COOM0で表される置換基であってもよい。Rが前記置換基であると、脂質とタンパク質とが複合し、食器表面に固着している汚れに対する洗浄能力が向上する。
前記一般式(1)中のM0、M1、M2、及びM3は、それぞれ独立に水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びアルキルアンモニウムを挙げることができる。これらの中では、入手容易性の観点及び製造コスト低減の観点から、水素原子、アルカリ金属が好ましく、特にナトリウムが好ましい。
(A)成分の具体例としては、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム及びグルタミン酸二酢酸四ナトリウムが更に好ましく、メチルグリシン二酢酸三ナトリウムがより更に好ましい。
前記(A)成分の形態は、液体、固体のいずれでもよいが、製造を効率的に行う観点、取り扱い性の観点から、固体の形態の(A)成分を使用することが好ましい。
前記(A)成分は、食器用洗浄剤組成物中に0.1質量%以上、50質量%以下含まれる。(A)成分の含有量が0.1質量%以上であると有機キレート剤としての効果を十分に得ることができ、50質量%以下であると原材料コストを抑えて効率的に製造することができる。なお、本明細書における(A)成分の含有量は、有効分に換算した含有量である。
有機キレート剤としての効果を十分に得る観点、原材料コストを抑えて効率的に製造する観点から、食器用洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは11質量%以上であり、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
<(B)成分>
(B)成分は、ポリエチレンイミン及びそのアルコキシル化物から選ばれる1種又は2種以上のポリマーである。
ポリエチレンイミンとしては、構成単位であるエチレンイミン−CH2CH2NH−から構成されるポリマーを挙げることができる。このポリエチレンイミン主鎖は、窒素上の水素が、構成単位であるエチレンイミンのもう一つの鎖によって置換される場合、分岐することがある。すなわち、前記ポリエチレンイミンは、完全な線状構造を有するものではなく、1級、2級及び3級アミノ窒素を含む分岐鎖構造を有している。
前記ポリエチレンイミンとしては、活性水素を1分子中に好ましくは10個以上、より好ましくは12個以上有しているものが好ましく、好ましくは200個以下、より好ましくは100個以下有しているものが好ましい。
ポリエチレンイミンの重量平均分子量は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは1200以上であり、そして、好ましくは10,000以下、より好ましくは6,000以下、より好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,000以下である。ポリエチレンイミンの重量平均分子量が前記範囲内であると、脂質とタンパク質とが複合し、乾燥して食器に対して強固に固着した汚れに対する高い洗浄効果が得られる。
ポリエチレンイミンの重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されたものである。
ポリエチレンイミンのアルコキシル化物としては、特に限定されるものではないが、エチレンイミン単位1個に対して、好ましくは平均1個以上、より好ましくは平均5個以上更に好ましくは平均10個以上、そして、好ましくは平均40個以下、より好ましくは30個以下、より好ましくは平均25個以下、更に好ましくは平均20個以下のアルコキシル部分を有する(ポリ)アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーを挙げることができる。
アルコキシル化物の具体例としては、例えば、ポリエチレンイミンのエトキシル化物、ポリエチレンイミンのプロポキシル化物、又はポリエチレンイミンのエトキシル−プロポキシル化物を挙げることができ、ポリエチレンイミンのエトキシル化物又はポリエチレンイミンのエトキシル−プロポキシル化物が好ましく、洗浄時の起泡性及び濯ぎ時の泡切れ性の点で、ポリエチレンイミンのエトキシル化物がより好ましい。
ポリエチレンイミンのアルコキシル化物の重量平均分子量は、好ましくは200以上、より好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは3,000以上であり、そして、好ましくは20,000以下、より好ましくは15,000以下、より好ましくは10,000以下、更に好ましくは7,000以下である。
ポリエチレンイミンのアルコキシル化物の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されたものである。
ポリエチレンイミンのアルコキシル化物は、前記ポリエチレンイミンへのアルキレンオキシドの付加反応により得ることができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下、出発物質であるポリエチレンイミンに対して、100℃以上、180℃以下でエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを添加して反応させる方法等の通常の方法によって行うことができる。
前記(B)成分は、食器用洗浄剤組成物中に0.1質量%以上、30質量%以下含まれる。(B)成分の含有量が前記範囲内であると脂質とタンパク質とが複合した乾燥固着汚れに対する洗浄性能を向上させることができる。前記洗浄性能を向上させる観点から、食器用洗浄剤組成物中の(B)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下である。
<(C)成分>
本発明においては、前記(A)成分及び(B)成分の他に脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤(C)を含むことにより、更なる性能の向上が図られる場合がある。
脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
また、前記(C)成分の界面活性剤としては、炭素数が16以上、18以下である脂肪酸に由来するものが好ましく、具体的には、グリセリルパルミテート、グリセリルマルガレート、グリセリルステアレート、グリセリルオレエート、パーム核油組成脂肪酸グリセリド、ソルビタンパルミテート、ソルビタンマルガレート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ポリエチレングリコールパルミテート、ポリエチレングリコールマルガレート、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンマルガレート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ショ糖パルミテート、ショ糖マルガレート、ショ糖ステアレート、及びショ糖オレエートから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中では、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、グリセリルステアレート、グリセリルオレエート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、及びパーム核油組成脂肪酸グリセリドが好ましい。
食器用洗浄剤組成物が(C)成分を含有する場合、(C)成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上、より更に好ましくは2.0質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9.5質量%以下、更に好ましくは9質量%以下、より更に好ましくは8.5質量%以下、より更に好ましくは8.0質量%以下である。(C)成分の含有量が0.1質量%以上であると、脂質とタンパク質とが複合し、乾燥している汚れに対する洗浄性能が向上し、10質量%を超えると性能の向上が期待できず、コスト的にも不利である。
<配合比>
前記食器用洗浄剤組成物が(C)成分を含有する場合、前記食器用洗浄剤組成物における、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計含有量は、優れた洗浄性能を得る観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは14質量%以上、より更に好ましくは16質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下である。
前記食器用洗浄剤組成物中の(A)成分100質量部に対する(B)成分の含有量は、脂質とタンパク質とが複合した乾燥固着汚れに対する洗浄性能を向上させる観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、油の再付着防止性能を向上させる観点から、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。
前記食器用洗浄剤組成物が(C)成分を含有する場合、前記食器用洗浄剤組成物中の(A)成分100質量部に対する(C)成分の含有量は、乾燥固着汚れに対する洗浄性能を向上させる観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上であり、油の再付着防止性能を向上させる観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは35質量部以下である。
また、前記食器用洗浄剤組成物が(C)成分を含有する場合、前記食器用洗浄剤組成物中の(B)成分100質量部に対する(C)成分の含有量は、乾燥固着汚れに対する洗浄性能を向上させる観点から、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上、更に好ましくは70質量部以上であり、泡立ちを抑制する観点から、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは90質量部以下である。
<pH>
食器用洗浄剤組成物の0.1質量%水溶液の25℃におけるpHは、洗浄力の観点から、8以上が好ましく、9以上がより好ましく、9.5以上が更に好ましく、そして、洗浄剤組成物の安定性の観点から、13以下が好ましく、12以下がより好ましく、11.5以下が更に好ましい。
<任意成分>
食器用洗浄剤組成物においては、通常の洗浄剤に用いることができるその他の成分を配合することができる。例えば、後述の(D)成分、酵素、アルカリ剤、(A)成分以外の金属イオン封鎖剤、前記(C)成分以外の界面活性剤、漂白剤、漂白活性化剤、吸油性粉体、増量剤又は希釈剤、カルシウム塩や蟻酸等の酵素安定化剤、香料、防菌・防黴剤、及び色素等を挙げることができる。
((D)成分)
本発明においては、食器用洗浄剤組成物の洗浄性能を向上させる観点から、反応性不飽和基を有する炭素数3以上、6以下のカルボン酸又はその塩(d−1)由来の構成単位、及び炭素数2以上、12以下のオレフィン(d−2)由来の構成単位を含む共重合体(D)(以下、「(D)成分」ともいう)を含んでいてもよい。
反応性不飽和基を有する炭素数3以上、6以下のカルボン酸又はその塩(以下、(d−1)成分ともいう)としては、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸及びシトラコン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、これらの酸無水物であってもよい。前記(d−1)成分は、モノカルボン酸、ジカルボン酸のいずれでもよいが、洗浄性を向上させる観点から、ジカルボン酸の方が好ましい。
炭素数2以上、12以下のオレフィン(以下、(d−2)成分ともいう)としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ジイソブチレン、ペンテン、及びヘキセンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。前記オレフィンの炭素数としては、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、そして、好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下である。
(D)成分中、(d−2)成分に対する(d−1)成分のモル比[(d−1)成分/(d−2)成分]は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。
食器用洗浄剤組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、乾燥半熟卵黄汚れに対する洗浄性の観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、(D)成分の水に対する溶解性の観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、より更に12質量%以下である。
(酵素)
本発明の食器用洗浄剤組成物は、酵素を含有していることが好ましい。酵素としては、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、エステラーゼ、ペルオキシダーゼから選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、市販品として粒状化されたものを用いることができる。いずれの酵素も他成分との保存安定性等を考慮して適宜選択すればよい。これらの中では、他の界面活性剤では除去が難しい糊化したデンプンへの作用が期待されるアミラーゼが好ましい。また、界面活性剤等では除去が困難な変性タンパク質等に対して著しい効果を示すことからプロテアーゼも好ましい。
食器用洗浄剤組成物が酵素を含有する場合、酵素の含有量は、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、より更に好ましくは1.5質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは14質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
(アルカリ剤)
アルカリ剤としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アミン化合物等を用いることができる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。また、ソーダ灰として知られている炭酸ナトリウムの無水塩を用いてもよい。
アルカリ金属珪酸塩としては、結晶性層状珪酸ナトリウム((株)トクヤマシルテック製、商品名「プリフィード」)等を用いることができる。また、非晶質のものを用いてもよい。なおアルカリ金属珪酸塩は食器の酸化防止剤としても有効である。
アミン化合物としては、アルカノールアミンを挙げることができる。本発明では特に1級のアルカノールアミンが好ましく、具体的にはモノエタノールアミンを挙げることができる。これらアルカリ剤の中では、アルカリ金属炭酸塩が好ましい。
アルカリ剤は、粉末状、顆粒状のものを用いることができる。顆粒状のものは、造粒処理等によって粒子径や、嵩比重を適宜調整して用いることができる。
食器用洗浄剤組成物がアルカリ剤を含む場合、アルカリ剤の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは55質量%以下である。
(金属イオン封鎖剤)
(A)成分以外の金属イオン封鎖剤としては、トリポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩を用いることができる。食器用洗浄剤組成物をリンを含有しないものとする場合には、(A)成分以外の金属イオン封鎖剤として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、ニトリロ三酢酸、1,3−プロパンジアミン三酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、及びヒドロキシエチルエチレンジアミンジカルボキシメチルグルタミン酸等のポリカルボン酸又はその塩を用いることができる。
これらの中では、クエン酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ヒドロキシエチルエチレンジアミンジカルボキシメチルグルタミン酸、及びそれらのアルカリ金属塩が好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、前記(C)成分以外の非イオン性界面活性剤や、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤を挙げることができる。
本発明においては、洗浄力を更に向上させる洗浄補助成分として、一般的に食器用洗浄剤として配合される漂白剤、漂白活性化剤等を配合してもよい。
(漂白剤)
漂白剤としては、モノパーオキシフタル酸マグネシウム等の有機過酸又はその塩、アルカリ金属の過ホウ酸塩(1水和物又は4水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過ケイ酸塩等の水溶液中で過酸化水素を発生する過酸化物から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。これらの中では、過硫酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、及び過ホウ酸ナトリウム等の無機過酸化物がより好ましい。
(漂白活性化剤)
本発明においては、洗浄力を更に向上させる洗浄補助成分として、一般的に食器用洗浄剤として配合される漂白活性化剤を配合してもよい。
漂白活性化剤は漂白剤と併用するものであって、漂白剤から放出される過酸化水素と反応して、より酸化還元電位が高い有機過酸を生成する物質である。具体的には、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、テトラアセチルメチレンジアミン(TAMD)、アルカノイルオキシベンゼンカルボン酸又はその塩や、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、例えばn−ノナノイル又はiso−ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−又はiso−NOBS)から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
本発明では洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、親水性漂白活性化剤を配合することが好ましい。親水性漂白活性化剤としては、例えば、テトラアセチルメチレンジアミン(TAED)、テトラアセチルメチレンジアミン(TAMD)が挙げられ、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)が効果的である。
(吸油性粉体)
吸油性粉体としては、非晶質シリカ、デキストリン等を用いることができる。
非晶質シリカの市販品としては、トクシールNR、トクシールNP(Oriental Silicas Corporation製)、フローライト(富田製薬(株)製)、TIXOLEX25(韓仏化学社製)、サイロピュア(富士シリシア(株)製)等が挙げられる。
デキストリンとしては、各種穀物由来のデンプンを酸又はアミラーゼで加水分解して得られたものが挙げられる。加水分解の度合いや構造により種々の分解物があるが、例えば、アミロデキストリン(可溶性デンプン)、エリトロデキストリン、アクロデキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン等が挙げられる。中でも、DE値(デンプンの分解率=グルコース相当質量/全固形分質量×100)が0.1以上、10以下のものが好ましく、0.1以上、5以下のものがより好ましい。また、冷水や温水でも急速に溶解するものが好ましく、耐アルカリ性の観点からDE値が0.1以上、3以下のものが好ましい。
前記吸油性粉体の中では、非晶質シリカが好ましい。前記吸油性粉体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(増量剤、希釈剤)
前記食器用洗浄剤組成物を粉末状又は粒状の洗浄剤とする場合、増量剤又は希釈剤として、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩等を含有させることが好ましい。増量剤又は希釈剤を配合すれば、各成分を希釈し、適度な濃度に分散させることで、使用に適した量に設計することができ、また、各成分の安定性を保持させるためにも有効である。
硫酸ナトリウムとしては、四国化成工業(株)製の「A6ボウショウ」等の市販品を用いることができる。本発明に用いることができるボウショウとしては、溶解性の観点から、粒径20μm以下のものが全体の90質量%以上を占めるものが好ましい。
なお、前記食器用洗浄剤組成物が増量剤及び希釈剤を含む場合、増量剤及び希釈剤の合計含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。増量剤及び希釈剤の合計含有量が前記範囲内であると各成分の安定性を向上させることが可能であり、また、持ち運び易い洗浄剤組成物とすることができる。
<食器用洗浄剤組成物の形態>
前記食器用洗浄剤組成物は、粉末状の洗浄剤として使用してもよく、また、水、有機溶媒等に溶解させ溶液状の洗浄剤として使用してもよく、更に、粒状に造粒したものを洗浄剤として使用してもよい。
溶液状の洗浄剤とする場合に使用することができる溶媒としては、水、エタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、フェノキシエタノール、フェニルグリコール、フェノキシイソプロパノール、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチレンジグリコール、及びベンジルアルコールから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
溶液状の洗浄剤の溶媒として用いる場合、食器用洗浄剤組成物中の溶媒の量は、組成物の安定性を向上させる観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、安価に製造する観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
粉末状又は粒状の洗浄剤とする場合、食器用洗浄剤組成物を混合する方法としては、前記各成分をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株))、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)、リボン型混合機((株)特寿工作所製)、V型ブレンダ((株)ダルトン製)、ベンチニーダ((株)入江商会製)等の公知の混合機を用いて混合する方法を挙げることができ、攪拌時に剪断力があまりかからないナウターミキサーを用いることが好ましい。また、前記各成分の一部ないし全てを混合した後、造粒機で共造粒しても構わない。
造粒方法としては、押出造粒法、転動造粒法、解砕造粒法、流動層造粒法、噴霧造粒法、破砕造粒法等を挙げることができ、これらの中では押出造粒法、転動造粒法がより好ましい。
(バインダー)
前記食器用洗浄剤組成物を造粒する場合には、造粒物の物理的強度を向上させることを目的として、ポリマー等のバインダーを用いてもよい。
ポリマーとしては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンフェノールエーテルが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールがより好ましい。
バインダーとしては、前記化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、ポリプロピレングリコールは、粉末状の洗浄剤組成物とした場合における消泡性を向上させる観点から、消泡剤としても用いることができる。
造粒物中にポリプロピレングリコールを含有させる場合、その含有量は好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。
造粒物中にポリエチレングリコールを含有させる場合、その含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
粉末状の洗浄剤として使用する際のかさ比重は、製造し易さ、及び溶解性向上の観点から、好ましくは0.7g/cm3以上、より好ましくは0.75g/cm3以上であり、そして、好ましくは0.9g/cm3以下、より好ましく0.85g/cm3以下である。
本発明の食器用洗浄剤組成物は、従来の食器用洗浄剤組成物に比べて洗浄性能が高いため使用量を低減することができる。また、使用量を低減することができるため、容器のコンパクト化を図ることが可能であり、包装材料の使用量を低減することができる。
また、本発明の食器用洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機用の洗浄剤組成物として好適である。
[食器の洗浄方法]
本発明の食器の洗浄方法は、前記食器用洗浄剤組成物の濃度が0.02質量%以上、0.4質量%以下である洗浄水を食器に付着した被洗浄物と接触させるものである。
本発明の洗浄方法において、前記(C)成分を含有する場合、前記洗浄水中の前記(A)、(B)及び(C)成分の合計濃度は、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であり、そして、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.15質量%以下、より更に好ましくは0.12質量%以下である。前記濃度が下限値以上であれば洗浄力が向上し、上限値以下であれば経済性に優れる上に、容量の小さい、持ち運びに便利な洗浄剤とすることができる。
また、本発明の食器の洗浄方法は、下記一般式(1)で表される化合物(A)、ポリエチレンイミン及びそのアルコキシル化物から選ばれる1種又は2種以上のポリマー(B)を含有し、前記(A)成分の含有量が0.1質量%以上、50質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上、30質量%以下である食器用洗浄剤組成物を食器に接触させるものである。
Figure 2015086295
(式中、Rは炭素数1以上、12以下の炭化水素基、及び−CH2CH2COOM0で表される置換基から選ばれる1種を示し、M0、M1、M2、及びM3は、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びアルキルアンモニウムから選ばれる1種を示す。)
実施例1
実施例1の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を以下の(1)〜(3)の手順にしたがって調製した。
(1)炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、(C)成分、及びプリフィード顆粒(珪酸ナトリウム)を混合し、第1混合物を調製した。
(2)前記第1混合物に、(A)成分、香料及び(B)成分を添加して混合し、第2混合物を調製した。
(3)前記第2混合物に、更に過炭酸ナトリウム、テトラアセチルエチレンジアミン、α−アミラーゼ、及びプロテアーゼを添加して混合し、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を調製した。
実施例2〜4、比較例1
表1に記載の割合で配合したこと以外は、実施例1と同様の手順にしたがって自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を調製した。
<洗浄性の評価>
・試験皿の作成
(1)鶏卵(5個)を割って、卵黄取り分け器を用いて卵白を除き卵黄を取り分けた。
(2)スクリュー管(No.8)に卵黄5個分を入れて、水浴(73〜75℃)にて10分加熱を行った。
(3)水浴よりスクリュー管を取り出し、25℃にて1時間静置し、半熟卵黄を茶こしに
かき出し、裏ごしした。
(4)半熟卵黄を裏ごしした後、茶こし下部より排出されたものをよくかき混ぜた後、3gとり、絵筆で陶器皿(白玉渕業務用9吋リムミート皿(直径233mm×24mm、有限会社鎌田商店製)に対して均一に塗布した。
(5)陶器皿に塗った半熟卵黄を室温で一昼夜乾燥させて試験皿とした。
・洗浄試験
前記実施例及び比較例で調製した自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を洗浄時の洗浄液中の濃度が0.15質量%となるように、食器洗い乾燥機(パナソニック(株)、型番「NP−P45M2PS」(ビルトインタイプ))の専用洗剤入れに投入し、スピーディーコースにて洗浄を行った。なお、汚れを塗った陶器皿は、前記食器洗い乾燥機の右下部位の最も右側に、汚れを塗った面を内側にして立てておき、そのすぐ横に汚れをつけていない陶器皿を2枚立てた。
・評価方法
試験皿の表面に残った半熟乾燥卵黄の量を目視により、0〜5の6段階で評価した。結果を表1に示す。
(判定基準)
5:完全に洗浄されている。
4:若干汚れが残っているが、ほとんど洗浄できている(許容範囲内)。
3:大部分洗浄できているが、汚れが残っている。または、全体的に薄く残っている(許
容範囲外)。
2:少し洗浄できているが、大部分汚れが残っている。
1:ほとんど洗浄できていない。
0:全く洗浄できていない。
<pH測定>
pHメーター((株)堀場製作所製、型番「F−52」、pH電極6367−10D)を用いて、JIS Z−8802:1984にしたがって25℃におけるpH値を測定した。測定溶液としては、前述の方法で調製した洗浄剤組成物を脱イオン水により0.1質量%に希釈したものを用いた。結果を表1に示す。
Figure 2015086295
表に記載の化合物の詳細は以下のとおりである。なお、表中に記載された含有量の単位は質量%であり、有効分の濃度を考慮していない値である。
a−1:BASFジャパン(株)製、「Trilon M Powder」(メチルグリシン二酢酸三ナトリウム)、有効成分87質量%
a−2:アクゾノーベル(株)製、「ディゾルビンGL−47−S」(L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム)、有効成分47質量%
b−1:ポリエチレンイミン(東亜合成(株)製、平均分子量300)を用い、エチレンオキシドを付加させた化合物(ポリエチレンイミンのエチレン部分のプロトン:エチレンオキシドのエチレン部分のプロトン=1:17、エチレンオキシド付加後の分子量4500)
b−2:和工純薬工業(株)製、ポリエチレンイミン(平均分子量1800)
c−1:花王(株)製、「エキセルVS−95」、有効成分100質量%
*1:和光純薬工業(株)、炭酸ナトリウム、有効成分100質量%
*2:日本パーオキサイド(株)製、「KCPZ」
(メタホウ酸ナトリウムで表面を被覆した過炭酸ナトリウム)
*3:東京化成工業(株)製
*4:(株)トクヤマシルテック製、「プリフィード顆粒」
*5:和光純薬工業(株)製、試薬特級
*6:ノボザイムズ ジャパン(株)製、「デュラミル120T」
*7:ノボザイムズ ジャパン(株)製
*8:花王(株)製
表1より明らかなように、本発明の食器用洗浄剤組成物は、脂質とタンパク質とが複合し、乾燥して食器表面に強固に固着している汚れに対して優れた洗浄性能を示す。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物(A)、ポリエチレンイミン及びそのアルコキシル化物から選ばれる1種又は2種以上のポリマー(B)を含有し、前記(A)成分の含有量が0.1質量%以上、50質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上、30質量%以下である食器用洗浄剤組成物。
    Figure 2015086295
    (式中、Rは炭素数1以上、12以下の炭化水素基、及び−CH2CH2COOM0で表される置換基から選ばれる1種を示し、M0、M1、M2、及びM3は、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びアルキルアンモニウムから選ばれる1種を示す。)
  2. 更に、脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤(C)を含む、請求項1に記載の食器用洗浄剤組成物。
  3. 前記(C)成分の含有量が、0.1質量%以上、10質量%以下である、請求項2に記載の食器用洗浄剤組成物。
  4. 前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分の合計含有量が、10質量%以上、80質量%以下である、請求項2又は3に記載の食器用洗浄剤組成物。
  5. 更に、酵素を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の食器用洗浄剤組成物。
  6. 前記食器用洗浄剤組成物の0.1質量%水溶液の25℃におけるpHが、8以上、13以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の食器用洗浄剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の食器用洗浄剤組成物の濃度が0.02質量%以上、0.4質量%以下である洗浄水を食器に付着した被洗浄物と接触させる、食器の洗浄方法。
  8. 下記一般式(1)で表される化合物(A)、ポリエチレンイミン及びそのアルコキシル化物から選ばれる1種又は2種以上のポリマー(B)を含有し、前記(A)成分の含有量が0.1質量%以上、50質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上、30質量%以下である食器用洗浄剤組成物を食器に接触させる食器の洗浄方法。
    Figure 2015086295
    (式中、Rは炭素数1以上、12以下の炭化水素基、及び−CH2CH2COOM0で表される置換基から選ばれる1種を示し、M0、M1、M2、及びM3は、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びアルキルアンモニウムから選ばれる1種を示す。)
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