JP5491773B2 - 自動食器洗浄機用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
本発明者らは、汚れ内部へ分子を拡散・浸透させるために、浸透剤分子の分子運動性が非常に重要であり、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのような嵩高い親水部を有する基剤よりも、できるだけ分子量の小さい基剤を選択することが望ましいと考え、(a)成分を見出すに至った。従ってアミンオキシドのアルキル基は、通常本用途に用いるものよりも炭素数が短いものが選ばれる。前記一般式(a−1)のR1及び一般式(a−2)のR4は、それぞれ炭素数3〜8の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基であり、直鎖型でも分岐鎖型でもよいが、好ましくは直鎖型である。従来、アミンオキシドは自動食器洗浄機用の洗浄剤に配合できることが知られているが、本発明では、最も長いアルキル基又はアルケニル基の炭素数を8以下、3以上、好ましくは6以上とすることで、運転中の泡立ちを抑制し自動食器洗浄機を支障なく使用することができ、優れた洗浄力を得ることができる。一般式(a−1)中のR1、R2及びR3の炭素数の合計、あるいは一般式(a−2)中のR4、R6及びR7の炭素数の合計は、12以下であることが、水への溶解性が良好で、食器表面での洗浄液の濡れ拡がり性を阻害せず、重なり合う皿の隙間にまで有効成分が到達し易くなり、結果的に良好な固着汚れ除去能が得られるという観点から好ましい。また、Xは、アミド基(例えば−CONH−、−NHCO−などが挙げられるが、好ましくは−CONH−である。)又はエーテル基(−O−)である。
(b)成分は、重合性の不飽和結合を有するカルボン酸基を有するモノマー又は2つのカルボン酸基からの無水化構造を有するモノマー〔以下、モノマー(b1)という〕と、重合性の不飽和結合を有する炭素数3〜10の脂肪族炭化水素化合物〔以下、モノマー(b2)という〕を含むモノマーとを重合してなる高分子化合物[高分子重合体といわれる場合もある]である。(b)成分の高分子化合物は、カルボン酸基及び2つのカルボン酸基の無水化構造から選ばれる1種以上を有するモノマー構成単位と炭素数3〜10の脂肪族炭化水素モノマー構成単位とを高分子化合物の全構成単位中に合計で80モル%以上、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有する。最も好ましくは、カルボン酸基を有するモノマー構成単位と炭素数3〜10の脂肪族炭化水素モノマー構成単位の合計が実質的に100モル%の高分子化合物である。
ことが出来る。
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(c)成分としてプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、エステラーゼ及びペルオキシダーゼから選ばれる1種以上の酵素、より好ましくはアミラーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素を含有する。中でも、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼから選ばれる2種以上の酵素を配合することが洗浄力向上の点で好ましく、とりわけアミラーゼ及びプロテアーゼの組合せがより好ましい。アミラーゼとプロテアーゼとを併用する場合、質量比は、アミラーゼ/プロテアーゼ=1/5〜3/1が好ましい。アミラーゼは、他の洗浄剤では除去が難しい糊化したでんぷんへの作用が期待されるために配合することが好ましい。アミラーゼの至適温度は30℃〜75℃が好ましく、より好ましくは35℃〜75℃、更に好ましくは40℃〜70℃、より更に好ましくは45℃〜65℃、特に好ましくは50℃〜60℃である。また、アミラーゼの至適pHは6.5〜10が好ましく、好ましくは7〜9.5、より好ましくは7.5〜9、特に好ましくは8〜9である。本発明では、(c)成分として、至適温度が30℃〜75℃であり、至適pHが6.5〜10であるアミラーゼを含むことが好ましく、このようなアミラーゼは(c)成分中の0.01〜5質量%、更に0.1〜3質量%を占めることが好ましい。アミラーゼの具体例としては、特に限定されるものではないが、デュラミルまたはステインザイム(いずれもノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製)の商品名で知られているアミラーゼなどを挙げることができるが、とりわけステインザイムが洗浄力向上の点で好ましい。他方、プロテアーゼに関しても、特に限定されるものではないが、界面活性剤等では除去が困難な変性蛋白などに対して著しい効果を示すことから、配合することが好ましい。具体例としては特に限定されるものではないが、例えばサビナーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製)の商品名で知られているプロテアーゼなどを配合することが好ましい。また、除去困難な変性油脂に対する効果を考慮する場合にはリパーゼを配合することが好ましく、特にアミラーゼ及びプロテアーゼの組合せに対してリパーゼを配合することが好ましい。(c)成分は、プロテアーゼと、至適温度が30℃〜75℃であり、至適pHが6.5〜10であるアミラーゼとの組み合わせであることが好ましい。なお、アミラーゼの至適温度及び至適pHは後述の実施例の方法により測定することができる。
本発明では、(d)成分としてアルカリ剤[以下(d−1)成分という]及び金属イオン封鎖剤[以下(d−2)成分という]から選ばれる1種以上を配合することで、(a)成分、(b)成分および(c)成分の効果を十分に発揮させることができる。
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(a)成分以外の界面活性剤〔以下、(e)成分という〕を含有することができる。具体的には、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤を挙げることができ、特に非イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル、ポリオキシブチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル、アルキレンオキシド付加モノアルキル基又はモノアルケニル基含有非イオン性界面活性剤混合物等のポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、蔗糖脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド、脂肪酸グリセリンモノエステル、酸化エチレン縮合型界面活性剤、アルキルグリセリルエーテル及びアルキルグリコシドの中から選ばれる一種以上が好ましい。本発明ではこの中から特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、具体的にはポリオキシエチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテルであって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が4〜12であり、エチレンオキサイド付加モル数が平均で1〜20モルであるものが好ましい。
本発明の洗浄剤には、洗浄力を更に向上させるために、一般に自動食器洗浄機用洗浄剤として配合することが知られている洗浄補助成分として、漂白剤及び漂白活性化剤[以下(f−1)成分という]、並びに(b)成分以外の高分子重合体[以下(f−2)成分という]から選ばれる1種以上を配合することが好ましい。
その他、自動食器洗浄機用洗浄剤に用いることが知られている任意成分を配合してもよい。例えば、グリセリンやエタノールなどの有機溶剤、カルシウム塩や蟻酸などの酵素安定化剤、香料、防菌・防黴剤、色素等を挙げることができる。仕上がり後の清涼感を高めるために、或いは消臭のために香料を配合してもよい。色素は、粒子に色を付ける場合に用いてもよい。
前記成分を有効に使用するために、増量剤或いは希釈剤と呼ばれるものを配合してもよい。増量剤或いは希釈剤は、成分を希釈し、成分を適度の濃度に分散させることで、使用に適した量に設計することができる一方で、成分の安定性を保つためにも有効である。組成物が液体状の場合は水を用いることができる、粉末の場合は、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩を挙げることができる。硫酸ナトリウムには一般的に無水塩と十水塩が知られているが、十水塩は洗浄剤組成物の流動性を悪化させるため、無水塩を配合することが好ましい。なお増量剤或いは希釈剤は、非イオン界面活性剤やポリプロピレングリコールなどの液状成分や、少量成分を水溶液で添加する場合の担持体として作用することが考えられ、本発明は特に(a)成分や(d)成分の担持体としての役割が見込まれる。なお担持体として用いた場合、吸湿により流動性が低下する場合は、0.01〜10μm粒子径を持つアルミノシリケート、ゼオライト又はタルクなど水不溶性の物質で被覆して流動性や耐ケーキング性を高めてもよい。なお担持体は各成分への影響がない限り、前記のアルカリ剤や金属イオン封鎖剤であってもよい。
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の配合濃度につき説明する。
(a)成分の含有量は、本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物中に好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜8質量%、最も好ましくは0.5〜6質量%である。
<蛋白汚れ洗浄性能>
以下の条件で自動食器洗浄機により汚染皿の洗浄を行った。この洗浄機は、2.2Lの水を20℃から60℃まで徐々に昇温して洗浄し、その後すすぎを3回(昇温しない)行い、最終すすぎ(20℃から70℃まで徐々に昇温した)後、乾燥する形式のものである。汚染皿は3枚用い、当該洗浄機の食器受けの上段に垂直に並べた。その際、1枚目と2枚目の間隔を13mm、2枚目と3枚目の間隔を5mmとした。また、食器受けの下段には直径230mmの皿(障害皿)5枚を25mmの等間隔で配置した。なお、ここでの皿の間隔は、一方の皿の外面(裏面)の底部から他方の内面(表面)の縁までの距離である。本試験は、隣接する食器間の距離が狭まってしまった非理想的条件を想定したものであり、同時に障害皿の設置によって水流の掛かりにくい状況を想定している。
蛋白汚れ洗浄率(%)=(M2−M3)/(M2−M1)×100
汚染皿:卵黄0.7gを直径103mmの陶器皿にできるだけ均一に塗布し、115℃で1時間変性したもの
使用水:3.5°DHの水、2.2L
使用洗浄機:パナソニック株式会社製自動食器洗い機(機種NP−60SS5)
洗浄コース:標準コース
洗浄剤組成物の添加量:6g
以下の条件で自動食器洗浄機により汚染皿の洗浄を行った。この洗浄機は、2.2Lの水を20℃から60℃まで徐々に昇温して洗浄し、その後すすぎを3回(昇温しない)行い、最終すすぎ(20℃から70℃まで徐々に昇温した)後、乾燥する形式のものである。澱粉汚れのモデルとしては、オブラートを使用した。陶器皿の内面を少量の水で湿潤させた後、オブラートを接触させて付着させ、その後、50℃の電気乾燥機内にて1時間乾燥させたものを汚染皿として用いた。一度の試験で汚染皿は3枚使用し、当該洗浄機の食器受けの下段に固定した。その際、隣接する食器間の距離が狭まってしまった非理想的条件を想定した試験を行う目的で、1枚目と2枚目の間隔を13mm、2枚目と3枚目の間隔を5mmとなるよう、調整した。なお、ここでの皿の間隔は、一方の皿の外面(裏面)の底部から他方の内面(表面)の縁までの距離である。
澱粉汚れ洗浄率(%)=(M2−M3)/(M2−M1)×100
汚染皿:少量の水で湿潤させた直径103mmの陶器皿に、オブラート1枚を付着させた後、50℃で1時間乾燥させたもの
使用水:3.5°DHの水、2.2L
使用洗浄機:パナソニック株式会社製自動食器洗い機(機種NP−60SS5)
洗浄コース:標準コース
洗浄剤組成物の添加量:6g
パナソニック株式会社製自動食器洗い機(機種NP−C10)を用い、評価に供される洗浄剤組成物を入れて標準コースで運転した。この洗浄機は、2.2Lの水を20℃から60℃まで徐々に昇温して洗浄し、その後すすぎを3回(昇温しない)行い、最終すすぎ(20℃から70℃まで徐々に昇温してすすぎ)後、乾燥する形式のものである。運転開始1分、4分、9分、14分、19分後に洗浄機上部より光を当てながら噴射ノズルの回転数を数えた。回転数が多いほど洗浄剤組成物が低泡性であることの指標となる。
アミンオキシドの炭素数の違いによる効果の違いを調べるために、表1に示されたアルキル基の炭素数の異なる直鎖アルキルジメチルアミンオキシド2質量%、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体5質量%、炭酸ナトリウム7質量%、クエン酸ナトリウム20質量%、シリケート5質量%、過炭酸ナトリウム20質量%、アミラーゼ0.5質量%、プロテアーゼ1質量%、及び残部の無水芒硝からなる粉末の自動食器洗浄機用の洗浄剤組成物を得た。これら洗浄剤組成物につき前記評価方法により洗浄性能を調べた。結果を表1に示した。なおイソブチレン/無水マレイン酸共重合体としては、イソブチレン/無水マレイン酸のモル比が50/50、重量平均分子量6000(クラレ社製 イソバン600L)のものを用いた。シリケートは結晶性珪酸塩(プリフィード(商品名)、株式会社トクヤマシルテック製)を用いた。過炭酸ナトリウムはメタホウ酸ナトリウムで被覆したものを用いた。またアミラーゼは、デュラミル120T(商品名)(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社、平均粒径600μm、至適温度75℃、至適pH約6)を、プロテアーゼは、サビナーゼ18.0T(商品名)(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社、平均粒径600μm)を用いた。
表2の組成の自動食器洗浄機用の洗浄剤組成物を評価した。
表2で示された成分のうち、まず酵素成分以外の粉末成分を混合した。そこにアミンオキシドや非イオン界面活性剤などの液状成分を添加して混合を続け、最後に酵素成分を添加して組成物を得た。
・イソブチレン/無水マレイン酸共重合体:イソブチレン/無水マレイン酸=50/50(モル比)、重量平均分子量=6000、クラレ社製 イソバン600L
・ジイソブチレン/マレイン酸共重合体:ジイソブチレン/マレイン酸=50/50(モル比)、重量平均分子量=12000、BASF社製 Sokalan CP9
・アクリル酸/マレイン酸共重合体:アクリル酸/マレイン酸=70/30(モル比)、重量平均分子量=7万、BASF社製 ソカランCP45
・シリケート:結晶性珪酸塩(プリフィード(商品名)、株式会社トクヤマシルテック製)
・アミラーゼ1:ステインザイムウルトラ(商品名)(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社)、平均粒径600μm、至適温度55℃、至適pH約8.5
・アミラーゼ2:デュラミル120T(商品名)(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社)、平均粒径600μm、至適温度75℃、至適pH約6
・プロテアーゼ:サビナーゼ18.0T(商品名)(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社)、平均粒径600μm
・非イオン界面活性剤:炭素数12の直鎖1級アルコールにエチレンオキサイドを平均で4モル付加した非イオン界面活性剤
・過炭酸ナトリウム:メタホウ酸ナトリウムで表面を被覆した過炭酸ナトリウム。平均粒径700μm
Claims (7)
- (a)成分として下記一般式(a−1)で表されるアミンオキシド及び下記一般式(a−2)で表されるアミンオキシドから選ばれる1種以上のアミンオキシド、(b)成分としてカルボン酸基及び2つのカルボン酸基からの無水化構造から選ばれる1種以上を有するモノマー構成単位と炭素数3〜10の脂肪族炭化水素モノマー構成単位とを重合体の全構成単位中に合計で80モル%以上含有する高分子化合物、(c)成分としてプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、エステラーゼ及びペルオキシダーゼから選ばれる1種以上の酵素、並びに、(d)成分としてアルカリ剤及び金属イオン封鎖剤から選ばれる1種以上を含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物であって、
(c)成分として、至適温度が30℃〜70℃であり、至適pHが6.5〜10であるアミラーゼを含む、
自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。〕
- (c)成分として、至適温度が30℃〜70℃であり、至適pHが6.5〜10であるアミラーゼと、プロテアーゼとを含有する請求項1に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 前記アミラーゼと前記プロテアーゼの質量比が、アミラーゼ/プロテアーゼ=1/5〜3/1である、請求項2に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- (b)成分が、重合性の不飽和結合を有するカルボン酸基を有するモノマー又は2つのカルボン酸基からの無水化構造を有するモノマー〔以下、モノマー(b1)という〕と、重合性の不飽和結合を有する炭素数3〜10の脂肪族炭化水素化合物〔以下、モノマー(b2)という〕を含むモノマーとを重合してなる高分子化合物であって、モノマー(b1)がアクリル酸及びその塩、マレイン酸及びその塩並びに無水マレイン酸から選ばれる1種以上のモノマーであり、モノマー(b2)がペンテン、オクテン、イソブテン及びジイソブテンから選ばれる1種以上のモノマーである、請求項1〜3の何れか1項に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 更に(e)成分として(a)成分以外の界面活性剤を0.1〜5質量%含有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- (a)成分/(e)成分が質量比で0.3〜10である請求項5に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 陰イオン界面活性剤を含有しない請求項1〜6の何れか1項に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
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