JP5386240B2 - 自動食器洗浄機用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
本発明では、(a)成分として、重量平均分子量が1500〜20000、好ましくは2500〜11000であり、構成単位中のエチレングリコール構成単位の占める重量割合が20%未満であるポリアルキレングリコールを配合することで、洗浄効果及び低泡性の効果を発揮させることができる。(a)成分としては、特に制限されるものでないが、例えば、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール構成単位の占める重量割合が前記範囲のプロピレンオキシド・エチレンオキシドブロックコポリマーを使用できる。ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は光散乱法を用いて決定することができ、光散乱光度計(DLS−8000シリーズ、大塚電子株式会社製など)により測定することができる。
(b)成分は、重合性の不飽和結合を有するカルボン酸基を有するモノマー又は2つのカルボン酸基からの無水化構造を有するモノマー〔以下、モノマー(b1)という〕と、重合性の不飽和結合を有する炭素数3〜10の脂肪族炭化水素化合物〔以下、モノマー(b2)という〕を含むモノマーとを重合してなる高分子化合物[高分子重合体といわれる場合もある]である。(b)成分の高分子化合物は、カルボン酸基及び2つのカルボン酸基の無水化構造から選ばれる1種以上を有するモノマー構成単位と炭素数3〜10の脂肪族炭化水素モノマー構成単位とを高分子化合物の全構成単位中に合計で80モル%以上、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有する。最も好ましくは、カルボン酸基を有するモノマー構成単位と炭素数3〜10の脂肪族炭化水素モノマー構成単位の合計が実質的に100モル%の高分子化合物である。
アクリル酸(又はメタクリル酸)2−ヒドロキシエチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)−N,N−ジメチルアミノアルキル(炭素数1〜5)、アリルアミン、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキル(炭素数1〜5)アミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、二酸化硫黄を挙げることが出来る。
本発明では、(c)成分としてアルカリ剤[以下(c−1)成分という]及び金属イオン封鎖剤[以下(c−2)成分という]から選ばれる1種以上を配合することで、洗浄効果を十分に発揮させることができる。
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は運転中の泡立ちを抑制して、優れた洗浄力が得られるという目的から、(d)成分として、下記一般式(d−1)で表されるアミンオキシド及び下記一般式(d−2)で表されるアミンオキシドから選ばれる1種以上のアミンオキシドを含有することが好ましい。
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、洗浄効果を更に高める目的で、(e)成分として、(d)成分以外の界面活性剤を含有することができる。
本発明の洗浄剤には、洗浄力を更に向上させるために、一般に自動食器洗浄機用洗浄剤として配合することが知られている洗浄補助成分として、漂白剤及び漂白活性化剤[以下(f−1)成分という]、酵素[以下(f−2)成分という]並びに(b)成分以外の高分子重合体[以下(f−3)成分という]から選ばれる1種以上を配合することが好ましい。
その他、自動食器洗浄機用洗浄剤に用いることが知られている任意成分を配合してもよい。例えば、グリセリンやエタノールなどの有機溶剤、カルシウム塩や蟻酸などの酵素安定化剤、香料、防菌・防黴剤、色素等を挙げることができる。仕上がり後の清涼感を高めるために、或いは消臭のために香料を配合してもよい。色素は、粒子に色を付ける場合に用いてもよい。
前記成分を有効に使用するために、増量剤或いは希釈剤と呼ばれるものを配合してもよい。増量剤或いは希釈剤は、成分を希釈し、成分を適度の濃度に分散させることで、使用に適した量に設計することができる一方で、成分の安定性を保つためにも有効である。組成物が液体状の場合は水を用いることができる、粉末の場合は、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩を上げることができる。硫酸ナトリウムには一般的に無水塩と十水塩が知られているが、洗浄剤組成物の流動性を向上させるために無水塩を配合することが好ましい。なお増量剤或いは希釈剤は、非イオン界面活性剤やポリプロピレングリコールなどの液状成分や、少量成分を水溶液で添加する場合の担持体として作用することが考えられ、本発明は特に(a)成分、(d)成分および(e)成分の担持体としての役割が見込まれる。なお担持体として用いた場合、吸湿により流動性が低下する場合は、0.01〜10μm粒子径を持つアルミノシリケート、ゼオライト又はタルクなど水不溶性の物質で被覆して流動性や耐ケーキング性を高めてもよい。なお担持体は各成分への影響がない限り、前記のアルカリ剤や金属イオン封鎖剤であってもよい。
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の配合濃度につき説明する。
パナソニック株式会社製自動食器洗い機(機種NP−C10)を用い、評価に供される洗浄剤組成物を入れて標準コースで運転した。この洗浄機は、2.2Lの水を20℃から60℃まで徐々に昇温して洗浄し、その後すすぎを3回(昇温しない)行い、最終すすぎ(20℃から70℃まで徐々に昇温してすすぎ)後、乾燥する形式のものである。運転開始1分、4分、9分、14分、19分後に洗浄機上部より光を当てながら噴射ノズルの回転数を数えた。回転数が多いほど洗浄剤組成物が低泡性であることの指標となる。
パナソニック株式会社製自動食器洗い機(NP−60SS5)を用い、内部にガラスコップ1個、陶磁器茶碗1個及び木製箸2本をセットした上で、評価に供される洗浄剤組成物を入れて標準コースで運転した。運転終了後に、食器表面及び自動食器洗い機内部に油性物質やゲル状物質が付着していないか、フィルター上に残留物がないかを観察し、目視判定した。
以下の条件で自動食器洗浄機により汚染皿の洗浄を行った。この洗浄機は、2.2Lの水を20℃から60℃まで徐々に昇温して洗浄し、その後すすぎを3回(昇温しない)行い、最終すすぎ(20℃から70℃まで徐々に昇温した)後、乾燥する形式のものである。汚染皿は3枚用い、当該洗浄機の食器受けの上段に垂直に並べた。その際、1枚目と2枚目の間隔を13mm、2枚目と3枚目の間隔を5mmとした。また、食器受けの下段には直径230mmの皿(障害皿)5枚を25mmの等間隔で配置した。なお、ここでの皿の間隔は、一方の皿の外面(裏面)の底部から他方の内面(表面)の縁までの距離である。本試験は、隣接する食器間の距離が狭まってしまった非理想的条件を想定したものであり、同時に障害皿の設置によって水流の掛かりにくい状況を想定している。
蛋白汚れ洗浄率(%)=(M2−M3)/(M2−M1)×100
汚染皿:卵黄0.7gを直径103mmの陶器皿にできるだけ均一に塗布し、115℃で1時間変性したもの
使用水:3.5°DHの水、2.2L
使用洗浄機:パナソニック株式会社製自動食器洗い機(機種NP−60SS5)
洗浄コース:標準コース
洗浄剤組成物の添加量:6g
表1の組成の自動食器洗浄機用の洗浄剤を評価した。
表1で示された成分のうち、まず酵素成分以外の粉末成分を混合した。そこにアミンオキシドやノニオン性界面活性剤などの液状成分を添加して混合を続け、最後に酵素成分を添加して組成物を得た。
・ポリプロピレングリコール(1):旭硝子社製 エクセノール3020、重量平均分子量3000
・ポリプロピレングリコール(2):旭硝子社製 プレミノール S4011、重量平均分子量10000
・ポリプロピレングリコール(3):旭硝子社製 PPG−1000、重量平均分子量1000
・ポリアルキレングリコール(1):プロピレンオキシド/エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー(重量平均分子量3500、構成単位中のエチレングリコール構成単位の占める重量割合10%)、BASF社製 Pluronic RPE3110
・ポリアルキレングリコール(2):エチレンオキシド/プロピレンオキシド/エチレンオキシドブロックコポリマー(重量平均分子量3500、構成単位中のエチレングリコール構成単位の占める重量割合40%)、BASF社製 Pluronic PE7400
・イソブチレン/無水マレイン酸共重合体:イソブチレン/無水マレイン酸=50/50(モル比)、重量平均分子量=6000、クラレ社製 イソバン600L
・ジイソブチレン/マレイン酸共重合体:ジイソブチレン/マレイン酸=50/50(モル比)、重量平均分子量=12000、ローム・アンド・ハース社製 アキュゾール460ND
・アクリル酸/マレイン酸共重合体:アクリル酸/マレイン酸=70/30(モル比)、重量平均分子量=7万、BASF社製 ソカランCP45
・シリケート:結晶性珪酸塩(プリフィード(商品名)、株式会社トクヤマシルテック製)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル:炭素数12の直鎖1級アルコールにエチレンオキサイドを平均で4モル付加したノニオン性界面活性剤
・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム:炭素数12の直鎖アルキルとスルホン酸基がベンゼン環に結合したアニオン性界面活性剤
・過炭酸ナトリウム:メタホウ酸ナトリウムで表面を被覆した過炭酸ナトリウム。平均粒径700μm
・プロテアーゼ:サビナーゼ18.0T(商品名)(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社)、平均粒径600μm
・アミラーゼ:デュラミル120T(商品名)(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社)、平均粒径600μm
Claims (6)
- (a)成分として、重量平均分子量が1500〜20000であり構成単位中のエチレングリコール単位の占める重量割合が20%未満であるポリアルキレングリコール、
(b)成分として、カルボン酸基及び2つのカルボン酸基からの無水化構造から選ばれる1種以上を有するモノマー構成単位〔以下、モノマー構成単位(b1)という〕と炭素数3〜10の脂肪族炭化水素モノマー構成単位〔以下、モノマー構成単位(b2)という〕とを含有する高分子化合物であって、モノマー構成単位(b1)とモノマー構成単位(b2)とを高分子化合物の全構成単位中に合計で80モル%以上含有する高分子化合物、
並びに(c)成分として、アルカリ剤及び金属イオン封鎖剤から選ばれる1種以上
を含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。 - (b)成分が、重合性の不飽和結合を有するカルボン酸基を有するモノマー又は2つのカルボン酸基からの無水化構造を有するモノマー〔以下、モノマー(b1)という〕と、重合性の不飽和結合を有する炭素数3〜10の脂肪族炭化水素化合物〔以下、モノマー(b2)という〕を含むモノマーとを重合してなる高分子化合物であって、モノマー(b1)がアクリル酸及びその塩、マレイン酸及びその塩並びに無水マレイン酸から選ばれる1種以上のモノマーであり、モノマー(b2)がペンテン、オクテン、イソブテン及びジイソブテンから選ばれる1種以上のモノマーである、請求項1に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- (b)成分の高分子化合物において、モノマー構成単位(b1)とモノマー構成単位(b2)のモル比が、モノマー構成単位(b1)/モノマー構成単位(b2)=20/80〜90/10である、請求項1又は2に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 更に(e)成分として(d)成分以外の界面活性剤を0.1〜10質量%含有する、請求項4記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- (a)成分/(d)成分が質量比で0.1〜10である請求項4又は5に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
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