JP5331335B2 - パイプ用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
ところで、洗浄を必要とするものには、台所や浴室の排水パイプ等、人の手の届かない場所や物がある。排水パイプには廃油や食物屑、水垢、石鹸カス等が付着あるいは堆積し、排水の流れを悪くすることがある。さらに、これらの付着・体積物(汚れ)に微生物が繁殖し、悪臭の原因にもなっている。通常、この汚れは、見えない部分に付着することが多く、人の手のよる物理的な力での除去は困難である。このような、排水パイプ等、人の手の届かない場所やものを対象とした洗浄剤として、従来、洗浄力発現のために、酸素系漂白剤に有機過酸化物を併用する方法が用いられてきた。また、洗浄性や保存性の改善が図られた、洗浄剤についても報告されている(例えば、特許文献1〜4)。
本発明では、ヌメリに対する充分な洗浄力を得ることができるパイプ用洗浄剤を目的とする。さらに、洗浄実感を付与することができる、パイプ用洗浄剤を目的とする。
本発明のパイプ洗浄剤組成物は、(a)マンガンおよび/または銅化合物と、(b)キレート剤および/またはポリカルボン酸系高分子化合物と、(c)過酸化水素を発生する無機化合物と、(d)界面活性剤とを含有する。
本発明において、(a)成分は、銅化合物および/またはマンガン化合物である。
一般に、各種汚れの除去に適した洗浄成分は異なる。当該(a)成分を用いることにより、排水用等のパイプに付着した汚れを効果的に除去できる。
(a)成分としては、溶媒として使用されることが多い水と混合した際、容易に銅イオンまたはマンガンイオンを生成するものが好ましく、中でも、銅を含む水溶性金属塩、マンガンを含む水溶性金属塩であることがより好ましい。
銅を含む水溶性金属塩またはマンガンを含む水溶性金属塩としては、銅もしくはマンガンを含むそれぞれの硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩、過塩素酸塩、シアン化塩、塩化アンモニウム塩または酒石酸塩等が挙げられる。
銅を含む水溶性金属塩としては、硝酸銅、硫化銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅、過塩素酸銅、シアン化銅、塩化アンモニウム銅等の銅化合物が好ましく、硫酸銅が特に好ましい。
マンガンを含む水溶性金属塩としては、硝酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、過塩素酸マンガン等のマンガン化合物が好ましく、硫酸マンガンが特に好ましい。
これら(a)成分は、水和物であってもよい。
本発明のパイプ用洗浄剤組成物においては、(a)成分が、銅化合物およびマンガン化合物であることが好ましい。その中でも、硫酸銅および硫酸マンガンの両方を(a)成分として含有することが特に好ましい。これにより、パイプに付着したバイオフィルムやカビ等のヌメリ汚れをより効果的に除去できる。
本発明のパイプ用洗浄剤組成物中の(a)成分の割合は、0.001〜0.5質量%が好ましく、0.005〜0.3質量%がより好ましい。(a)成分の割合が0.001質量%以上であると、パイプに付着した汚れに対する洗浄力が向上する。(a)成分の割合が0.5質量%以下であると、他の成分との配合バランスをとることができる。
本発明において、(b)成分は、キレート剤(以下、(b1)成分という)および/またはポリカルボン酸系高分子化合物(以下、(b2)成分という)である。
当該(b)成分を用いることにより、パイプに付着した汚れに対する洗浄力が向上する。
本発明における(b)成分は、金属イオンに配位してキレート化合物(金属錯体)をつくるものである。
(b1)成分としては特に限定されず、トリポリリン酸塩等の無機ポリリン酸塩化合物;1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1−ジホスホン酸又はそれらの塩等のホスホン酸類;フマル酸、アジピン酸、マロン酸、シュウ酸、コハク酸又はそれらの塩等のポリカルボン酸類;酒石酸、クエン酸、リンゴ酸又はそれらの塩等のヒドロキシカルボン酸類;イソセリンジ酢酸又はその塩等のアミノポリカルボン酸類;下記一般式(I)〜(III)で表される化合物などが挙げられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
(b)成分としては、生分解性の良好なキレート剤を選択することができ、例えばメチルグリシンジ酢酸(MGDA)、β−アラニンジ酢酸(ADAA)、イソセリンジ酢酸(ISDA)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、セリンジ酢酸(SDA)、グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)等が挙げられる。
アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。例えばカルシウム(Ca)の場合、式(I)中の「−(COOX)p」は「−(COOCa1/2)p」と表される。
中でも、Xは、水素原子であることが好ましい。
pが1のとき、「−COOX」基のピリジン環への結合位置は、窒素原子に対してα位であることが好ましい。pが2のときも、少なくとも1つの「−COOX」基はα位に結合していることが好ましい。残りの「−COOX」基は、β位またはγ位のいずれに結合していてもよい。
X1〜X4において、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子としては、前記式(I)中のXにおけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子と同じものが挙げられる。
なお、X1〜X4のいずれかがアルカリ土類金属原子である場合、例えばX1〜X4がカルシウム(Ca)の場合、式(II)中の「−COOX1」は「−COOCa1/2」となる。
カチオン性アンモニウム基としては、例えば、「(R11)(R12)(R13)(R14)N+」(ただし、R11〜R14はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である)等が挙げられる。
上記の中でも、X1〜X4は、いずれもナトリウムまたはカリウムであることが好ましい。X1〜X4は、互いに、同一のものであっても、異なっていてもよい。
Qは、水素原子またはアルキル基を表す。Qにおいて、アルキル基としては、炭素数1〜4であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。n1は、0又は1の整数を表し、1であることが好ましい。
A1において、アルキル基としては、炭素数1〜4であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
X5〜X7において、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子およびカチオン性アンモニウム基としては、前記式(II)中のX1〜X4におけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子およびカチオン性アンモニウム基とそれぞれ同じものが挙げられる。
なお、X5〜X7のいずれかがアルカリ土類金属原子である場合、例えばX5がカルシウム(Ca)の場合、式(III)中の「−COOX5」は「−COOCa1/2」となる。
上記の中でも、X5〜X7は、いずれもナトリウムまたはカリウムであることが好ましい。
X5〜X7は、互いに、同一のものであっても、異なっていてもよい。
当該アルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜18がより好ましい。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基等が挙げられる。
なお、より高い洗浄力(酸化促進効果)が得られる点では、イミノ基であることが好ましい。
当該アルキル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状のいずれであってもよく、置換基を有するアルキル基であってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜18がより好ましい。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基等が挙げられ、金属原子への配位が安定して洗浄力(漂白性能)が向上する点から、カルボキシ基であることが特に好ましい。
なお、より高い洗浄力(酸化促進効果)が得られる点では、窒素原子であることが好ましい。
当該アルキル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状のいずれであってもよく、置換基を有するアルキル基であってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜18がより好ましい。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基等が挙げられ、金属原子への配位が安定して洗浄力(漂白性能)が向上する点から、カルボキシ基であることが特に好ましい。
本発明において、「ポリカルボン酸系高分子化合物」とは、カルボキシ基を含む構成単位を有する重合物を意味し、好ましくは重量平均分子量が1000以上の重合物である。
(b2)成分の重量平均分子量としては、1000以上が好ましく、1500〜200000の範囲がより好ましく、2000〜10000の範囲がさらに好ましい。(b2)成分の重量平均分子量が1000以上、特に2000以上であると、酸化触媒としての性能が向上し、200000以下であると、(b2)成分の粘度の増加が抑制されて取扱い性が良好となる。
なお、本発明において、「重量平均分子量」とは、標準物質をポリエチレングリコール(PEG)としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析を行った値を示す。
例えば、下記の一般式(IV)または一般式(V)で表される構成単位を有するものが好ましく挙げられる。
Aにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記式(VI)中、Yは、カルボキシ基又はアミノ基を表す。
Yにおけるアミノ基としては、−NR1R2(ただし、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である)等が好ましく挙げられる。
n3は、0から2の整数を表し、0が好ましい。
式(IV)および式(V)中、複数のAは、互いに、同一であってもよく、異なっていてもよい。
ただし、各式において、複数のAのうち、少なくとも一つは前記一般式(VI)で表される基であって、Yがカルボキシ基である。
(b2)成分の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリヒドロキシアクリル酸、ポリフマル酸、ポリアセタールカルボン酸、アクリル酸とマレイン酸との共重合体(アクリル酸/マレイン酸共重合体)、アクリル酸とアクリル酸アミドとの共重合体(アクリル酸/アクリル酸アミド共重合体)、アミノポリカルボン酸系の重合体などが挙げられる。
上記の中でも、パイプに付着した汚れに対する洗浄力が良好であることから、アクリル酸/マレイン酸共重合体、アミノポリカルボン酸系の重合体がより好ましく、アクリル酸/マレイン酸共重合体が特に好ましい。
アミノポリカルボン酸系の重合体としては、例えばBASF製のTrilonP(商品名)等の市販品が好適なものとして挙げられる。
また、(b)成分がポリカルボン酸系高分子化合物(b2)の場合には、前記(a)成分に対する前記(b2)成分の割合[b2/a]は、質量比で1倍以上であることが好ましく、質量比で2倍以上であることがより好ましく、質量比で5倍以上であることがさらに好ましく、質量比で10倍以上であることが特に好ましい。
前記(b)成分が前記(a)成分に対して過剰である方が、洗浄力(漂白効果)および後述の(c)成分の分解抑制の点から好ましい。
中でも、(b)成分には、パイプに付着したバイオフィルムやカビ等の汚れに対する洗浄力に優れることから、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸又はその塩であることが好ましい。
本発明のパイプ用洗浄剤組成物中の(b)成分の割合は、1〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましい。(b)成分の割合が下限値以上であると、パイプ槽に付着した汚れに対する洗浄力が向上する。(b)成分の割合が上限値以下であると、他の成分との配合バランスをとることができる。
本発明における(b’)酸型キレート剤とは、前記(b1)成分のうち、酸型のキレート剤、すなわち完全中和の形態でないものであり、好ましくはカルボキシ基、スルホン酸基、又はリン酸基を有するものを言う。
当該(b’)成分を用いることにより、パイプ用洗浄剤組成物の作用時に、(b’)成分が炭酸塩と反応して二酸化炭素を発生し、そして発泡音を発生することにより、洗浄実感を付与できる。
有機キレート剤としてホスホン酸系キレート剤、カルボン酸系キレート剤が好ましく、アミノポリカルボン酸系キレート剤がより好ましい。生分解性の良好なキレート剤としては、例えばメチルグリシンジ酢酸(MGDA)、β−アラニンジ酢酸(ADAA)、イソセリンジ酢酸(ISDA)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、セリンジ酢酸(SDA)、グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)等が知られている。
この内、(b’)成分としては、オキシカルボン酸であるクエン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸が好ましく、中でもリンゴ酸、クエン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸がより好ましい。
本発明のパイプ用洗浄剤組成物中の(b’)成分の割合は、15〜40質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。(b’)成分の割合が下限値以上であると、パイプ槽に付着した汚れに対する洗浄力が向上する。(b’)成分の割合が上限値以下であると、他の成分との配合バランスをとることができる。
本発明において、(c)成分は過酸化水素を発生する無機化合物である。
当該(c)成分を用いることにより、パイプに付着した汚れに対する洗浄力が発揮される。
(c)成分としては、水溶液中で過酸化水素を発生するものであればよく、例えば、過炭酸、過ホウ酸、過硫酸などの無機過酸、またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)もしくはアンモニウム塩などが挙げられる。
具体的には、過炭酸ナトリウム(炭酸ナトリウム過酸化水素付加物)、過炭酸カリウム等の過炭酸塩;過ホウ酸ナトリウム等の過ホウ酸塩;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、モノ過硫酸水素カリウム、過リン酸水素ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の過酸化水素付加物が挙げられる。中でも、洗浄力とハンドリング面で優れていることから、過炭酸塩、過ホウ酸塩が好ましく、過炭酸塩がより好ましく、特に経時安定性の点から、過炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明のパイプ用洗浄剤組成物中の(c)成分の割合は、20〜80質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。(c)成分の割合が下限値以上であると、パイプに付着した汚れに対する洗浄力がより得られやすくなる。(c)成分の割合が上限値以下であると、他の成分との配合バランスをとることができる。
また、(c)成分としては、例えばパイプ用洗浄剤組成物に含まれ水分等との接触による分解を防止するため、(c)成分の表面にコーティング処理を施したものも用いることができる。例えば、特許第2918991号公報に記載のように、流動状態を保った過炭酸ナトリウム粒子に、ホウ酸水溶液とケイ酸アルカリ金属塩水溶液とを別々に噴霧し、乾燥して造粒されたもの等が好適に利用できる。
本発明において、(d)成分は、界面活性剤であれば特に限定されず、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。当該(d)成分を用いることにより、パイプ用洗浄剤組成物の、汚れへの浸透性が向上するとともに、ヌメリ汚れをパイプから剥離し、パイプから剥離した汚れの溶液(好ましくは水溶液)中での分散性も向上する。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖または分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LASまたはABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩またはアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル(またはアルケニル)基を有するアルキル(またはアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル(またはアルケニル)基を有するアルキル(またはアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル(またはアルケニル)基を有するアルキル(またはアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)炭素数8〜20の飽和または不飽和α−スルホ脂肪酸塩またはそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル(α−SFまたはMES)。
(10)長鎖モノアルキル、ジアルキルまたはセスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキルまたはセスキアルキルリン酸塩。
(12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは4〜20モル、さらに好ましくは5〜17モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(またはアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(i)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
R9CO(OA)nOR10・・・(i)
(式(i)中、R9COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R10は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級アルキル基である。)
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
(9)脂肪酸アルカノールアミド。
(10)ポリオキシエチレンアルキルアミン。
(11)アルキルグリコシド
(12)アルキルアミンオキサイド
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
また、本発明における融点とは、JIS K8001「試薬試験法通則」に記載されている凝固点測定法によって測定された値である。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(上記長鎖アルキルは炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基、短鎖アルキルは炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、またはポリオキシアルキレン基を示す。)
また、これらのカチオン界面活性剤は、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
(1)ベタイン類
ラウリン酸アミドプロピルベタインや、ステアリン酸アミドエチルベタイン、カルボベタイン、スルホベタイン等。
(2)イミダゾリン誘導体類
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインや、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等。
(3)リン酸塩型
レシチン(ホスファチジルコリン等)等。
また、これらの両性界面活性剤は、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明のパイプ用洗浄剤組成物は、当該パイプ用洗浄剤組成物の製造方法に応じて、バインダ化合物を用いてもよい。
バインダ化合物としては、各種ノニオン界面活性剤、炭素数8〜24の脂肪酸(好ましくは炭素数12〜20の飽和脂肪酸)、炭素数8〜24の高級アルコール、重量平均分子量500〜25000のポリエチレングリコール等が挙げられる。
中でも、重量平均分子量500〜25000のポリエチレングリコールが好ましく、重量平均分子量2000〜15000のポリエチレングリコールがより好ましい。当該ポリエチレングリコールとしては、凝固点が50〜65℃であるものが好ましい。
当該ポリエチレングリコールとして具体的には、ポリエチレングリコール♯4000(商品名、ライオン株式会社製;重量平均分子量3040、凝固点55℃)、ポリエチレングリコール♯6000(商品名、ライオン株式会社製;重量平均分子量8300、凝固点58℃)等の市販品が好ましく、ポリエチレングリコール♯6000が特に好ましい。
なお、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。
バインダ化合物は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
具体的には、上記で説明した原料を混合のみするドライブレンド法;造粒処理を施す乾式造粒法、乾燥/造粒法(例えば撹拌造粒法、破砕造粒法など)、湿式造粒/乾燥法(例えばペースト造粒/乾燥法、湿潤造粒/乾燥法など);噴霧乾燥法等が挙げられる。
本発明のパイプ用洗浄剤組成物の製造方法としては、良好な洗浄力が得られ、また、製造されたパイプ用洗浄剤組成物の変色が抑制されること等から、(a)成分と(b)成分とを予め混合して調製した混合物(金属錯体)を用いて配合する方法、またはバインダ化合物を用いて、(a)成分と(b)成分とバインダ化合物とを予め混合し造粒処理を施して調製した造粒物を用いて配合する方法、もしくは(a)成分とバインダ化合物とを予め混合し造粒処理を施して調製した造粒物を用いて配合する方法なども好適に用いることができる。
また、本発明のパイプ用洗浄剤組成物によれば、従来配合されていた有機過酸化物を用いることなく、充分な洗浄力を得ることができる。本発明のパイプ用洗浄剤組成物を水に溶解した際、(c)成分から発生する過酸化水素が、(a)成分と(b)成分とが形成する金属錯体により活性化されるためと考えられる。この(a)成分と(b)成分とが形成する金属錯体は、従来の金属錯体に比べて、過酸化水素の活性化能が格段に高いものと推測される。
さらに、本発明のパイプ用洗浄剤組成物によれば、酸型キレート剤を含有することにより、作用時に発泡音を発生し、洗浄実感を得ることができる。
(実施例1〜8、参考例1、比較例1〜4)
表1に示した質量比率で各成分を配合して、パイプ用洗浄剤組成物を調製した。パイプ用洗浄剤組成物の調製は、表1に示す配合組成に従って、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1分間転動し混合することによってパイプ用洗浄剤組成物を得た。得られた、パイプ用洗浄剤組成物について、ヌメリ洗浄力の評価を行い、その結果を表1に示す。
なお、表1中の配合量の単位は質量%であり、いずれも純分換算量を示す。
表2に示した質量比率で各成分を配合して、パイプ用洗浄剤組成物を調製した。パイプ用洗浄剤組成物の調製は、表2に示す配合組成に従って、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1分間転動し混合することによってパイプ用洗浄剤組成物を得た。
得られた、パイプ用洗浄剤組成物について、ヌメリ洗浄力、泡立ち、発泡音の評価を行い、その結果を表2に示す。
なお、表2中の配合量の単位は質量%であり、いずれも純分換算量を示す。
表3に示した質量比率で各成分を配合して、パイプ用洗浄剤組成物を調製した。パイプ用洗浄剤組成物の調製は、表3に示す配合組成に従って、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1分間転動し混合することによってパイプ用洗浄剤組成物を得た。
得られた、パイプ用洗浄剤組成物について、ヌメリ洗浄力の評価を行い、その結果を表3に示す。
なお、表3中の配合量の単位は質量%であり、いずれも純分換算量を示す。
<(a)成分:マンガンおよび/または銅化合物>
・MnSO 4 ・5H 2 O:硫酸マンガン(II)5水和物、関東化学株式会社製
・CuSO 4 ・5H 2 O:硫酸銅(II)5水和物、関東化学株式会社製
・IDS:2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム、日本触媒株式会社製
・HIDS:3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウムイミノジコハク酸ナトリウム、日本触媒株式会社製
・MGDA:メチルグリシン二酢酸ナトリウム、日本触媒株式会社製
・クエン酸3Na:扶桑化学工業株式会社製
・MA剤:アクリル酸/マレイン酸共重合体のナトリウム塩、商品名「ソカランCP7」、BASF製;重量平均分子量70000
・EDTA−4Na:エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム、商品名「ディゾルビンNA」、ライオンアクゾ社製
・1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム(HEDP−Na):BRIQUEST ADPA-60SH(商品名)、ローディアジャパン株式会社製
<(b’)成分:酸型キレート剤>
・リンゴ酸:扶桑化学工業株式会社製
・クエン酸:扶桑化学工業株式会社製
・コハク酸:川崎化学株式会社製
・フマル酸:扶桑化学工業株式会社製
・過炭酸Na:商品名「SPC−G」、三菱ガス化学株式会社製
・LAS−Na:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、商品名「ライポンPS860」、ライオン株式会社製
芒硝:硫酸ナトリウム、商品名「中性無水ボウショウ」、日本化学工業株式会社製;溶解促進剤
<ヌメリ洗浄力の評価方法>
家庭で、2ヶ月間使用して、ほぼ全面にヌメリが付着したキッチンストレーナを被洗浄体とした。該キッチンストレーナを水平に寝かせ、1cm幅で、長さ5cmの直線となるように、パイプ用洗浄剤組成物2gを塗布した。キッチンストレーナを垂直に立たせ、30分間放置した。30分間放置後、キッチンストレーナを水洗し、汚れの落ち具合を目視で観察した。洗浄力の評価は、以下の基準で行った。
10点:汚れの落ち具合は90%以上であった
9点:汚れの落ち具合は80%以上、90%未満であった
8点:汚れの落ち具合は70%以上、80%未満であった
7点:汚れの落ち具合は60%以上、70%未満であった
6点:汚れの落ち具合は50%以上、60%未満であった
5点:汚れの落ち具合は40%以上、50%未満であった
4点:汚れの落ち具合は30%以上、40%未満であった
3点:汚れの落ち具合は20%以上、30%未満であった
2点:汚れの落ち具合は10%以上、20%未満であった
1点:汚れの落ち具合は10%未満であった
アクリル樹脂製のS字パイプに20℃の水道水を120g入れた。次いで、パイプ用洗浄剤組成物10gを投入した際の泡立ちを目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:パイプ中段〜上段(15〜30cm)まで、発泡が起きる
×:発泡が15cm未満である
アクリル樹脂製のS字パイプに20℃の水道水を120g入れた。次いで、パイプ用洗浄剤組成物10gを投入した際の発泡音を聞き、以下の基準で評価した。
○:激しい発砲音が生じる
×:発泡音は殆どしない
表2の結果より、実施例10〜15は、比較例5〜7と比べ、ヌメリ洗浄力の向上が見られた。加えて、実施例10〜15は、全て泡立ち評価と発泡音の評価が良好であった。
この結果、実施例10〜15では、ヌメリ洗浄力の向上と、発泡音による洗浄実感の付与ができることが判った。
表3の結果では、実施例17〜25の結果が示すとおり、(b)成分を(b’)成分と他のキレート剤との組み合わせることにより、更なるヌメリ洗浄力向上が図れることが判った。
Claims (3)
- (a)成分:銅もしくはマンガンを含むそれぞれの硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩、過塩素酸塩、シアン化塩、塩化アンモニウム塩および酒石酸塩から選択される1種以上と、
(b)成分:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、クエン酸、イミノジコハク酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸、メチルグリシンジ酢酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸およびこれらの塩、ならびにアクリル酸/マレイン酸共重合体から選択される1種以上と、
(c)成分:過酸化水素を発生する無機化合物と、
(d)成分:界面活性剤と、
を含有するパイプ用洗浄剤組成物。 - 前記(b)成分が1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、クエン酸、イミノジコハク酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸、メチルグリシンジ酢酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸およびこれらの塩から選択される1種以上である場合には、(a)成分に対する(b)成分の割合が1モル等量以上であり、
前記(b)成分がアクリル酸/マレイン酸共重合体である場合には、(a)成分に対する(b)成分の割合は、質量比で1倍以上である、請求項1に記載のパイプ用洗浄剤組成物。 - 前記(a)成分の含有量は0.001〜0.5質量%、前記(b)成分の含有量は1〜50質量%、(c)成分の含有量は20〜80質量%、(d)成分の含有量は0.1〜20質量%である、請求項1または2に記載のパイプ用洗浄剤組成物。
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