JP2019210323A - 発泡性組成物 - Google Patents
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Description
(A)過炭酸ナトリウム及び(B)界面活性剤を含有し、水存在下で発泡する発泡性組成物であって、水100mlあたり(A)過炭酸ナトリウムが2.85質量部以上となる割合で使用される組成物。
項2.
組成物における(A)過炭酸ナトリウムの含有量が50〜99質量%であり、(B)界面活性剤の含有量が0.1〜20質量%である項1に記載の発泡性組成物。
項3.
組成物中の(B)界面活性剤1質量部に対して(A)過炭酸ナトリウムの含有量が2.5〜990質量部である、項1又は2に記載の発泡性組成物。
項4.
水100mlあたり(B)界面活性剤が0.2質量部以上となる割合で使用される項1〜3のいずれかに記載の発泡性組成物。
項5.
30分後の泡保持率が50%以上である項1〜4のいずれかに記載の発泡性組成物。
項6.
平均発泡量が500ml以上である項1〜5のいずれかに記載の発泡性組成物。
項7.
排水管、魚焼きグリル皿又は便器の水溜りの洗浄用である項1〜6のいずれかに記載の発泡性組成物。
項8.
(A)過炭酸ナトリウム及び(B)界面活性剤を含有する組成物を水に接触させることを含む発泡方法であって、組成物が水100mlあたり(A)過炭酸ナトリウムが2.85質量部以上となる割合で使用される、方法。
本発明の発泡性組成物は、(A)過炭酸ナトリウム及び(B)界面活性剤を含有し、水100mlあたり(A)過炭酸ナトリウムが2.85質量部以上となる割合で使用される固形の組成物であり、水に接触することで発泡する性質を有し、特に60℃以上の水に接触することで発泡量および泡持ちに優れる発泡特性を示す。このため、本発明の発泡性組成物は、好ましくは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上の水の存在下で使用される。なお、きめが細かいとは泡の平均直径が5mm以下に該当することをいう。
過炭酸ナトリウムとして、例えば従来公知の過炭酸ナトリウムが使用できる。過炭酸ナトリウムの平均粒子径は、本発明の効果が得られる限り制限されないが、例えば50μm〜2000μm、好ましくは100μm〜1000μm、より好ましくは150μm〜800μm、より一層好ましくは200μm〜400μmとできる。
本発明の発泡性組成物で使用できる界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
発泡性組成物中の(A)過炭酸ナトリウムの含有量と(B)界面活性剤の含有量との比率は、本発明の効果が得られる限り制限されないが、(B)界面活性剤1質量部に対して(A)過炭酸ナトリウムを、例えば2.5〜990質量部、好ましくは3.3〜330質量部、より好ましくは6〜190質量部、より一層好ましくは6.5〜95質量部とできる。(A)過炭酸ナトリウムの含有量と(B)界面活性剤の含有量との比率がこれらの範囲にあると発泡量、泡のきめの細かさ、又は泡持ちの点で有利である。
本発明の発泡性組成物は、本発明の効果が得られる範囲で、必要に応じて任意の成分を更に含有してもよい。任意の成分は、例えば、発泡性組成物の形態、使用態様、保存安定性等の観点から選択できる。
本発明の発泡性組成物は、固形の発泡性組成物、漂白組成物、洗浄組成物、漂白洗浄組成物の分野で一般に利用される方法によって製造できる。例えば、通常は各成分の粉体あるいは粒状体を混合して製造でき、混合したものをそのまま使用できるが、混合したものを造粒、打錠、混練押出成型等の手段によって所望の形状に成形して使用しても良い。この際必要に応じて、結合剤、滑沢剤等を配合して成形することができる。発泡量の観点からは、粉体あるいは粉体状の混合物が好ましい。なお、発泡性組成物を、浴槽、便器、貯水槽、S字型排水管等の水溜りの底部等に沈めて発泡させたい場合には、その比重を1以上とすることができる。このような比重を有する組成物とする場合には、重量調整剤である硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等を配合することが好ましいが、本発明の効果を阻害しない限りにおいて比重を調整できる効果を有するものであれば特にこれらに限定されない。
本発明の発泡性組成物の形態は用途、目的等に応じて適宜変更できる。例えば、粉剤、顆粒剤、錠剤(本明細書においてはタブレットを含む)、ブロック剤、ブリケット剤等の形態が挙げられ、ハンドリングと発泡量を考慮すると、粉剤、錠剤、顆粒剤、ブリケット剤が好ましく、特に粉剤、顆粒剤、ブリケット剤が好ましい。また、発泡性組成物の大きさは、本発明の効果が得られる限り制限されず、用途、使用対象、ハンドリング等に応じて適宜選択できる。また、発泡性組成物の重量は、本発明の効果が得られる限り制限されず、用途、使用対象、ハンドリング等に応じて適宜選択でき、例えば1製品あたり0.5〜100g、一般消費者の使い勝手の観点から好ましくは1製品あたり10〜50gとすることができる。
本発明の発泡性組成物は、台所シンク用洗剤、拭き掃除用洗剤、洗濯用洗剤、便器用洗剤、便器貯水タンク用洗剤、浴室用洗剤、貯水槽用洗剤、排水管(例えば洗面、台所シンク、浴室等の排水管)用洗剤、洗濯槽用洗剤、窓ガラス用洗剤、眼鏡用洗剤、義歯用洗剤、自動車等輸送機器用洗剤、水筒用洗剤、飲料用ペットボトル用洗剤等の洗剤などとして使用でき、これらの使用目的に適した任意の成分を必要に応じて含むことができる。本発明の発泡性組成物は、好ましくは排水管、魚焼きグリル皿又は便器の水溜りの洗浄用として使用される。
本発明において、発泡性組成物の発泡量、平均発泡量及び泡保持率は、後述の実施例における試験1にしたがって決定される。試験1において発泡性組成物量を20g、水温を80℃、水量を200mlと固定した場合(例えば後述の実施例1、3及び5、比較例1及び2)の発泡量、平均発泡量及び泡保持率をその発泡性組成物固有の発泡量、固有の平均発泡量及び固有の泡保持率とする。固有の発泡量、固有の平均発泡量及び固有の泡保持率とは別に、試験1における発泡性組成物量、水温、水量等を変更して、例えば発泡性組成物の実際の使用状況に近似の条件にして、発泡量、平均発泡量及び泡保持率を決定することもできる(例えば後述の実施例2、4、6〜8、参考例1〜3、比較例3)。本明細書において、試験1の発泡性組成物量、水温、水量等を特定せず、単に、発泡量、平均発泡量、泡保持率というときは、上記の固有の発泡量、固有の平均発泡量及び固有の泡保持率を意味する。
発泡性組成物の調製に使用した物質は以下のとおりである。
・過炭酸ナトリウム(製品名:PC−3、旭電化工業社製、平均粒子径400μm)
・過炭酸ナトリウム(細粒)(製品名:PC−5、旭電化工業社製、平均粒子径250μm)
・過硫酸塩化合物(製品名:オキソン、デュポン社製、平均粒子径200μm)
・過ホウ酸ナトリウム(製品名:ペルボン、三菱瓦斯化学社製、平均粒子径300μm)
・クエン酸(一般品、平均粒子径300μm)
・炭酸水素ナトリウム(一般品、平均粒子径150μm)
・炭酸ナトリウム(一般品、平均粒子径100μm)
・ラウリルスルホ酢酸ナトリウム(製品名:LATHANOL LAL、ステファン社製、平均粒子径100μm)
・αオレフィンスルホン酸ナトリウム(製品名:ASCO90、Aekyung Specialty Chemicals社製、平均粒子径100μm)
表1に示す配合成分を表1に示す配合率で混合して発泡性組成物を調製した。具体的には、19gの過炭酸ナトリウムと1gのαオレフィンスルホン酸ナトリウムを常温(20±10℃)で混合して発泡性組成物を調製した。
洋式水洗トイレの水溜り部における発泡性組成物の発泡性を想定するためのモデル試験を行った。具体的には、2Lビーカー(内径14cm、底面積約150cm2、高さ20cm)に入れられた水温80℃の水200mlに、調製した発泡性組成物20gを投入して室温で静置し、液のpHと、発生した泡のきめの細かさと、発泡性組成物投入1、5、10、15、20、30分後の泡の容積とを観察した。なお、発泡性組成物投入5分後に、ビーカー壁面にある10個の泡の直径を測定し、その平均値が5mm以下であればきめの細かい泡と判定した。
15分後の泡保持率(%)=(15分後の発泡量/最大発泡量)
30分後の泡保持率(%)=(30分後の発泡量/最大発泡量)
さらに、魚焼きグリル皿及びグリル網における発泡性組成物の使用による発泡の様子について試験を行った。ホーロー製の魚焼き用のグリル皿(内径:縦約20cm×横約30cm×深さ約3cm、底面積約600cm2)に魚焼き用のグリル網を設置し、水温80℃の水200mlを入れた後、発泡性組成物を投入し、1、5、10分後の泡の容積(底面積600cm2×泡の高さcm)とを観察した。結果を表1に示す。
水温を60℃としたことを除いては実施例1と同様にして発泡性組成物を調製し試験1を行った。結果を表1に示す。また、10分後の発泡の様子を図1に示す。
実施例2においては、きめ細かな泡が得られた(図1)。また、発泡性組成物投入5分後には900mlの発泡量が得られ、泡保持率は100%であった。
過炭酸ナトリウムを細粒グレードのPC-5に代えたことを除いては実施例1と同様にして発泡性組成物を調製し試験1及び試験2を行った。結果を表1に示す。また、試験2における5分後の発泡の様子を図2に示す。
実施例3においては、きめ細かな泡が得られ、発泡性組成物投入1分後には1500mlの発泡量が得られ、泡保持率は85%及び77%であった。また、試験2のような空気と接触する面積が大きな場合であってもきめ細かな泡(図2)が得られ、発泡性組成物投入1分後にはグリル皿の内容積に相当する1800mlの十分な発泡量が得られた。試験1、試験2のいずれでも、実施例1との対比において細粒グレードの使用によって発泡量が増大した。
過炭酸ナトリウムを細粒グレードのPC-5に代え、水温を60℃としたことを除いては実施例1と同様にして発泡性組成物を調製し試験1を行った。結果を表1に示す。
実施例4においては、きめ細かな泡が得られ、発泡性組成物投入1分後には900mlの発泡量が得られ、泡保持率は100%であった。実施例2との対比において細粒グレードの使用によって発泡量が増大した。
界面活性剤をαオレフィンスルホン酸ナトリウムからラウリルスルホ酢酸ナトリウムに代えたことを除いては実施例1と同様にして発泡性組成物を調製し試験1を行った。結果を表1に示す。
実施例5においては、きめ細かな泡が得られ、発泡性組成物投入1分後には1050mlの発泡量が得られ、泡保持率は100%及び90%であった。実施例1と異なる界面活性剤を使用しても実施例1と同等の発泡性が確認された。
過炭酸ナトリウムを過硫酸塩化合物に代えたことを除いては実施例1と同様にして発泡性組成物を調製し試験1を行った。結果を表1に示す。
比較例1においては、初期段階から発泡量が不十分で泡持ちも悪く、過硫酸塩化合物は80℃の温水では発泡性が不十分であることが確認された。
過炭酸ナトリウムを過ホウ酸ナトリウムに代えたことを除いては実施例1と同様にして発泡性組成物を調製し試験1を行った。結果を表1に示す。
比較例2においては、初期段階から発泡量が不十分で泡持ちも悪く、過ホウ酸ナトリウムは80℃の温水では発泡性が不十分であることが確認された。
過炭酸ナトリウムに代えてクエン酸、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを表2に示す量で使用したことを除いては実施例1と同様にして発泡性組成物を調製し試験1を行った。結果を表1、図3及び図4に示す。
比較例3においては、泡のきめが粗く(図3)、発泡量は発泡性組成物投入1分後で1800mlと非常に大きかったものの、5分後には300mlと大きく減少し、10分後〜30分後では45mlとなった(図4)。泡保持率は3%であった。炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及びクエン酸の組み合わせは80℃の温水では発泡性が不十分であることが確認された。
実施例1と同様にして発泡性組成物を調製し、表2に示す量(6g,10g,14g)の発泡性組成物を80℃の水へ投入して試験1を行った。結果を表2に示す。
水温80℃条件下、過炭酸ナトリウム濃度及び界面活性剤濃度が高いほど平均発泡量及び泡保持率が高くなった。
表3に示す配合成分を表3に示す配合率で混合して、排水管用、魚焼きグリル用、および便器水溜り用の発泡性組成物を調製した。組成物を構成する各物質は、実施例または比較例において使用された物質と同じものを使用した。
Claims (8)
- (A)過炭酸ナトリウム及び(B)界面活性剤を含有し、水存在下で発泡する発泡性組成物であって、水100mlあたり(A)過炭酸ナトリウムが2.85質量部以上となる割合で使用される組成物。
- 組成物における(A)過炭酸ナトリウムの含有量が50〜99質量%であり、(B)界面活性剤の含有量が0.1〜20質量%である請求項1に記載の発泡性組成物。
- 組成物中の(B)界面活性剤1質量部に対して(A)過炭酸ナトリウムの含有量が2.5〜990質量部である、請求項1又は2に記載の発泡性組成物。
- 水100mlあたり(B)界面活性剤が0.2質量部以上となる割合で使用される請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性組成物。
- 30分後の泡保持率が50%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性組成物。
- 平均発泡量が500ml以上である請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性組成物。
- 排水管、魚焼きグリル皿又は便器の水溜りの洗浄用である請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性組成物。
- (A)過炭酸ナトリウム及び(B)界面活性剤を含有する組成物を水に接触させることを含む発泡方法であって、組成物が水100mlあたり(A)過炭酸ナトリウムが2.85質量部以上となる割合で使用される、方法。
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