JP3642581B2 - 発熱発泡型洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、発熱発泡型洗浄剤組成物に関するものである。より詳しくは、発熱作用と発泡作用を同時に惹起し、それに伴う強力な膨張現象を利用する洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の洗浄剤は、汚れの種類に応じて、また被洗浄体の種類に応じて、溶解性、分散力に優れた水・溶媒をベースとし、▲1▼界面活性を有する界面活性剤、▲2▼化学反応性を有する酸類・アルカリ類・酸化剤・還元剤、▲3▼吸着力・研磨力を有する吸着剤・研磨剤、▲4▼生物学的分解力を有する酵素等を利用し、各種用途に合わせて開発・商品化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの洗浄剤にあっては、いずれの場合も手でこする(擦る)、もむ(揉む)、ふく(拭く)またはこれを用具で行う、洗濯機で行う等の物理的力を必要とし、最終的には人間の力に頼っている。更に、より洗浄効果を高めるために温度を加えたり、処理に長時間をかけたりしているのが実情である。
【0004】
ところで、洗浄を必要とするものには、排水パイプ等人の手の届かない場所や物がある。また換気扇、運動靴等汚れが強く洗浄し難いものや便器等洗浄の嫌われる物等もある。そして、かかる場所、物の洗浄に、人力を介した物理的力を必要としない洗浄剤の開発が長らく要望されてきた。
【0005】
そして、かかる要望に応えるべく、多くの発泡型洗浄剤、例えば、特公昭56−21797号公報や特公昭57−61078号公報等に記載された熱処理された過酸化物を主成分とするものや、特公昭59−53314号公報、特公昭60−26440号公報、特開昭58−196298号公報、特開昭61−166899号公報、特開平2−147696号公報等に記載された過酸化物と発泡補助剤を組み合わせたものが開発されている。
しかしながら、これらの洗浄剤は使用前に加熱処理を必要としたり、発泡効果が必ずしも十分とはいえない。
また同様な目的を達成すべく多数の発熱型洗浄剤も開発されている。例えば、特公昭58−3000号公報、特公昭62−24040号公報、特公平1−51520号公報、特開昭62−100599号公報等に記載された洗浄剤はいずれも使用時の発熱反応を利用して汚れ部の洗浄効果を期しているものであるが、溶解熱、反応熱等により被洗浄物の表面温度が100℃前後に至るものは被洗浄物を損なう恐れがあり、逆に発熱温度の低いものは十分な洗浄効果を発揮し得ず、いずれも実用的とはいい難い。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは鋭意研究を進めた結果、発熱作用と発泡作用を同時に惹起し、汚れ部分を加温しつつ、膨張時の泡の圧力によって汚物を剥離させることにより、擦り、揉み、拭き等の物理的力を併用せずとも効果的に洗浄効果を挙げ得る洗浄剤組成物の開発に成功し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、二つの態様の発熱発泡洗浄剤組成物に関する。
第1の態様は、ヒドラジン類を含有する洗浄剤組成物をA剤とし、過酸化物を含有する洗浄剤組成物をB剤とする二剤型の発熱発泡型洗浄剤組成物、特に、該A剤及び/又は該B剤が界面活性剤、発泡剤及び反応開始剤の1種以上を含有してなる発熱発泡型洗浄剤組成物に関するものであり、
第2の態様は、粉末状ヒドラジン類および無機過酸化物を含有する粉末状洗浄剤組成物をC剤とし、その反応開始剤を含有する組成物をD剤とする二剤型の発熱発泡型洗浄剤組成物、に関するものである。
【0008】
本発明は、いずれの態様においても、ヒドラジン類と過酸化物との反応等によって生ずる反応熱及び生成ガスにより、又それに伴う膨張力を利用して汚れ部を洗浄する方法において、擦り、揉み、拭き等の物理的力なしに洗浄効果を挙げ得る洗浄剤組成物を提供することを目的とするものであり、ヒドラジン類と過酸化物との反応がベースとなる。
【0009】
したがって、第1の態様におけるA剤中に含有されるヒドラジン類としては、過酸化物と反応してガスを生成し得るものであればいずれでもよく、無機系ヒドラジン類、有機系ヒドラジン類の別を問わずすべて単独又は組み合わせの形で使用することが可能である。
例えば、水加ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、臭化水素酸ヒドラジン等の無機系ヒドラジン類、及びアジピン酸ジヒドラジド、カーボジヒドラジド、フェニルヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジドモノカリウム、マレイン酸ヒドラジドモノナトリウム、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド等の有機系ヒドラジン類が単独で又は組み合わせの形で利用可能である。
【0010】
第2の態様においては、C剤中の粉末状ヒドラジン類として上記のヒドラジドの中でも、特にアジピン酸ジヒドラジド、カーボジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド及びイソフタル酸ジヒドラジドよりなる群から選ばれる1種以上の粉末状ヒドラジン類の使用が好ましい。
【0011】
第1の態様においては、ヒドラジン類のA剤における濃度は、液体の場合、通常ヒドラジン換算で1〜30重量%であり、好ましくは2〜20重量%、固体の場合は通常1〜100重量%であり、好ましくは1〜70重量%である。ヒドラジン量が少ないときは、反応力が低くなるため発熱効果があがらず、また多過ぎると、製剤上の溶解性、保存安定性に支障があったり、家庭内での取扱い上危険でもあり、好ましくない。
また、第2の態様においては、C剤中の粉末状ヒドラジン類の濃度は、通常0.5〜65重量%、好ましくは1〜50重量%である。ヒドラジン量が少ないときは、反応力が低くなるため発熱効果があがらず、また多過ぎても効果が増大しないからである。
【0012】
本発明に使用される過酸化物としては、一定条件下で過酸化水素又は酸素ガスを発生し得るものであれば採用可能である。一般に有機系、無機系の別を問わず過酸化物であれば利用可能である。
例えば、第1の態様においては、B剤中に含有される過酸化物として過酸化水素そのもの、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム等の過炭酸のアルカリ金属塩、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム等の過ホウ酸のアルカリ金属塩、トリポリリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸の過酸化水素付加物、ケイ酸ナトリウム過酸化水素付加物、尿素過酸化水素付加物、硫酸ナトリウム・塩化ナトリウム等の過酸化水素付加物、過酢酸等の脂肪族カルボン酸のモノ過酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸のモノ又はジ過酸、過安息香酸、モノ過フタール酸等の芳香族カルボン酸のモノ又はジ過酸、或いはそれらの有機過酸のアルカリ金属塩等を単独で又は組み合わせの形で用いることができる。
【0013】
また、第2の態様においては、C剤中に含有される過酸化物として上記の中でも無機過酸化物が好ましく、特に、過炭酸アルカリ金属塩、過ホウ酸アルカリ金属塩、トリポリリン酸、ピロリン酸またはオルトリン酸の過酸化水素付加物、ケイ酸ナトリウムの過酸化水素付加物、尿素の過酸化水素付加物、および硫酸ナトリウム・塩化ナトリウムの過酸化水素付加物よりなる群から選ばれる1種以上を用いるのが有利である。
【0014】
過酸化物の濃度は、第1の態様においては、B剤中、液体の場合、過酸化物として通常3〜70重量%、好ましくは5〜50重量%であり、固体の場合は通常20〜100重量%、好ましくは30〜90重量%である。そしてB剤中の有効酸素量は通常約1〜25%であり、好ましくは約1.5〜20%である。有効酸素量が低い時は反応力が弱くなるため発泡効果が挙がらず、また高過ぎると製剤上の保存安定性に支障があったり家庭内での取り扱い上危険でもあり、好ましくない。
また、第2の態様においては、C剤中の無機過酸化物の濃度は、通常30〜99重量%であり、好ましくは45〜99重量%である。そしてC剤中の有効酸素量は通常約1〜25%であり、好ましくは約5〜20%である。有効酸素量が低い時は反応力が弱くなるため発泡効果が挙がらず、また高過ぎると家庭内での取り扱い上危険であり、好ましくない。
【0015】
本発明の洗浄剤組成物は、第1の態様においては、好ましくは発泡剤を必要とするところに特徴がある。これは、発泡作用と発熱作用を利用して物理的力の助けなしに洗浄効果をあげようとする本発明の洗浄剤組成物においては、効果的な発泡が不可欠だからである。
本発明に使用可能な発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸カルシウム、重炭酸セシウム、重炭酸マグネシウムまたは重炭酸リチウム等の重炭酸塩等が挙げられ、これらを単独でまたは組み合わせて本発明に使用することができる。このような発泡剤はA剤及び/又はB剤に含有される。
【0016】
本発明に使用される発泡剤の濃度はA剤とB剤の混合時に0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。発泡剤の濃度と発泡量の関係は実験例2において詳述する。
【0017】
一方、第2の態様においては、C剤は粉末状無機過酸化物であり、それ自身発泡性を有するため、発泡剤の添加なしでも第1の態様と同様の強い発泡効果が得られ強力な洗浄効果が得られる。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物は好ましくは、界面活性剤を必要とする。本発明に使用される界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系を問わず利用可能である。また両性界面活性剤も利用可能である。例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアルカノールアミド、ノニルフェノールエチレンオキサイド、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステル、ナトリウムアルキルジ(アミノエチル)グリシン、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等が挙げられる。
界面活性剤の本発明における役割は、発泡に伴う膨張効果が主であり、これに加えて対象物の汚れの除去という洗浄効果並びに使用前の過酸化水素の安定化等にも寄与すると考えられており、これらの機能を有する通常の界面活性剤はすべて使用できる。本発明における界面活性剤はいずれの態様においてもA剤及び/又はB剤、C剤及び/又はD剤に含有される。
【0019】
本発明の発熱発泡型洗浄剤組成物における界面活性剤の使用濃度は、通常A剤とB剤の混合時に0.1〜70重量%であり、好ましくは3〜50重量%である。また、C剤とD剤の混合時は通常0.2〜50重量%、好ましくは0.2〜35重量%である。本発明の洗浄剤組成物は、使用時にA剤とB剤あるいはC剤とD剤の混合直後の激しい発熱・発泡を利用することにより洗浄効果を高めることを特徴としている。即ち、A剤とB剤あるいはC剤とD剤の混合により発生した泡が強い圧力を対象物に与えるためには発生した泡が安定化しなければならず、そのためには一定濃度以上の界面活性剤の存在が不可欠であるからである。界面活性剤の泡安定化効果・消泡防止効果については後述の実験例1及び3において詳述する。
【0020】
本発明の第1の態様の洗浄剤組成物の最も特徴とするところは、好ましくは反応開始剤を必要とする点にある。本発明の洗浄剤組成物は対象物に使用した場合に急激な発熱と発泡により、汚染部を洗浄する効果を発揮するものであるが、反応開始剤を添加しないときは、反応が緩慢で、期待される発熱・発泡効果が十分に生じず、ときには全く反応が起こらない場合がある。そこで、本発明者らは反応開始剤の探索及びこれらの反応開始剤の単独添加及び組み合わせ添加の影響を詳細に検討した結果、望ましい発熱効果及び発泡効果を生ずる反応開始剤を発見し、その最適添加範囲を明らかにした。
本発明の第2の態様の洗浄剤組成物では、第1の態様と同様の理由から反応開始剤は必要であり、製品として長期間の経時安定化及び反応開始剤の劣化防止等のためD剤として別剤としている。
【0021】
かかる効果を有する反応開始剤としては、第1の態様では、硫酸、硝酸、塩酸及び炭酸の第I族B、第II族B、第VII族A及び第VIII 族金属塩、モリブデン酸アルカリ金属塩、及びモリブデン酸アンモニウムよりなる群から選ばれる1種以上が使用可能である。例えば硫酸銅、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸コバルト、硝酸銅、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸コバルト、塩化銅、塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、炭酸銅、炭酸マンガン、炭酸鉄、炭酸コバルト、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸アンモニウム等が挙げられる。
【0022】
本発明の第1の態様の洗浄剤組成物における反応開始剤は、A剤及び/又はB剤に含有させ、その濃度はA剤とB剤の混合時に0.0005〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%である。組み合わせ添加の場合、該硫酸銅の濃度が、A剤及びB剤の混合時に0.0005〜10重量%であり、かつ該コバルト塩の濃度が混合時に硫酸銅重量の1/20〜10倍である。例えば硫酸銅と硫酸コバルトの組み合わせについては、硫酸コバルトが硫酸銅重量の1/20〜10倍量、好ましくは1/10〜5倍量である。
その他、各種銅塩と各種マンガン塩及び各種の鉄塩の組み合わせ、各種コバルト塩と各種鉄塩及び各種マンガン塩の組み合わせ、及び各種鉄塩と各種マンガン塩の組み合わせについても、硫酸銅と硫酸コバルトの組み合わせ同様の結果を得た。
【0023】
本発明の第2の態様の洗浄剤組成物における反応開始剤は、上記の中でも特に、硫酸、硝酸、塩酸及び炭酸の銅塩および金属キレート剤の銅塩よりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。かかる反応開始剤の濃度は、C剤に対して通常0.004〜5重量%、好ましくは0.02〜5重量%である。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物は前記のようにA剤とB剤あるいはC剤とD剤とにより構成される。第1の態様においてはA剤は前記のようにヒドラジン類を含有しB剤は過酸化物を含有するが、第2の態様においてはC剤は粉末状ヒドラジン類と無機過酸化物を含有し、D剤は反応開始剤を含有する。そして好ましくはA剤及び/又はB剤には発泡剤、界面活性剤、反応開始剤等が必要に応じて含めることができ、またA剤、B剤、C剤及びD剤には、それぞれその他にも適宜炭酸ソーダ、ボウ硝などの増量剤、イミド硫酸塩、アミノ酸、多塩基性カルボン酸などのキレート剤、安定剤、増粘剤、殺菌剤、消臭剤、着色剤、香料、アルカリ剤、その他洗浄助剤等を添加してもよい。なお、本発明の第1の態様では、このようなA剤、B剤は、液体、固体、粉体、顆粒、ゲル等の種々の製剤とすることができ、またこれら製剤を各種用途に応じて種々組み合わせることもできる。また、第2の態様ては、C剤は粉末であり、D剤は液体、固体、粉体、顆粒、ゲル等の種々の製剤とすることができ、またこれら製剤を各種用途に応じて種々組み合わせることもできる。
【0025】
また、使用に際しては、本発明の第1の態様の洗浄剤組成物は、A剤とB剤とを同時に混合して用いてもよいし、また、A剤、B剤のいずれかを先に洗浄する対象物に適用した後、残りを適用することにより本発明における発熱・発泡作用を発揮させて洗浄してもよく、特にその使用方法に限定はない。なお、A剤、B剤の使用量においても、その混合時に前記のような各成分が所定の濃度になるように適宜調整される。
【0026】
なお、A剤、B剤がともに粉体である場合、これらを混合することによって第2の態様のC剤を実質的に調製することができる。そして、さらに反応開始剤をD剤として使用すれば、第2の態様の洗浄剤組成物を得ることができる。その意味において、本発明の第2の態様は、第1の態様の一つの場合とみることもできる。
【0027】
【実施例】
以下、実験例および試験例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実験例等によりなんら限定されるものではない。
本洗浄剤組成物の洗浄効果は、発熱効果と発泡効果に基づくものであるので、まず発熱効果及び発泡効果に及ぼす洗浄剤組成物中の界面活性剤、発泡剤又は反応開始剤の効果についての実験例を以下に第1の態様(実験例1〜4)および第2の態様(実験例5〜8)に分けて示す。
【0028】
実験例1 界面活性剤の効果
ヒドラジン、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を含むA液と過酸化水素水(6%)からなるB液とを各4mlずつメスシリンダー中で混合した場合の液温(反応温度)と発泡量を測定した。その結果を表1に示す。
【0029】
ヒドラジン無添加の場合(処方No.1〜No.4)は反応は起こらず、発泡もない。処方No.5、6及び7の比較では、界面活性剤の泡の安定、消泡防止の効果が顕著である。すなわち、界面活性剤無添加では、反応はするが発泡はみられない。0.1%添加では、発泡はするが消泡が早い。0.5%添加では、発泡量も多く、消泡もみられない。同様の傾向は処方No.8〜No.10の比較でも明らかである。
【0030】
以上から、本発明の洗浄剤組成物においては発泡効果の促進、消泡防止のために、界面活性剤が不可欠であることがわかる。
【0031】
【表1】
【0032】
実験例2 発泡剤の効果
(1)500mlのメスシリンダーを使用し、下記処方からなるA液及びB液を各10mlずつ取って混合し、発泡量、発泡速度、反応温度等を測定した。
ここにA液は、アジピン酸ジヒドラジド9%、重炭酸ナトリウムX%、尿素1%、硫酸銅0.2%、硫酸コバルト0.39%、アンモニア水(18%)1.85%、ラウリルエーテルサルフェート5%、α−オレフィンスルホン酸塩の10%及びアルキルフェノールエーテル硫酸エステル塩の5%を含む水溶液であり、B液は、過酸化水素水(35%)17%、リン酸ナトリウム4%、ラウリルエーテルサルフェート2%及びアルキルフェノールエーテル硫酸エステル塩の5%を含む水溶液である。
【0033】
その結果を表2に示す。Xが8の場合、すなわち、アジピン酸ジヒドラジドと重炭酸ナトリウムがほぼ等量の場合に発泡量が最も多く、発泡速度も速く、反応液の温度も最大となることがわかる。なお、表2中の温度の欄で底部、100ml、200mlとはメスシリンダーの底部、100mlの目盛、200mlの目盛の部位の温度を意味する。
【0034】
【表2】
【0035】
(2)次に各種ヒドラジンと発泡剤の組合せの効果を調べた。実験条件は実験例1と同様であるが、A液の組成は表3に示す処方の通りである。界面活性剤としては、アニオン系のα−オレフィンスルホン酸塩を用いた。
【0036】
その結果を表3に示す。水加ヒドラジンの場合は処方No.1と2及び処方No.3と4の比較から、アジピン酸ジヒドラジドの場合は処方No.5と6の比較から、重炭酸ナトリウムの発泡量に対する効果が顕著である。
【0037】
【表3】
【0038】
実験例3 反応開始剤及び界面活性剤の効果
表4に示した処方により、実験例1と同様の条件で反応開始剤及び界面活性剤(α−オレフィンスルホン酸塩)の効果を調べた。
【0039】
その結果を表4に示す。処方No.1、2及び3の比較から、反応開始剤である硫酸銅の発熱及び発泡に対する効果は顕著である。すなわち、硫酸銅の添加により10℃以上の温度上昇と2倍の発泡量が得られた。なお、硫酸銅は、A剤B剤のいずれに添加しても同様の効果を示す。
【0040】
また、処方No.2と5を比較すると、界面活性剤無添加の発泡量(60ml)に対し、5.0%の界面活性剤の添加により約4倍(230ml)の発泡量が得られたことがわかる。この実験でも界面活性剤の発泡効果、消泡防止効果は顕著である。
【0041】
【表4】
【0042】
実験例4 反応開始剤濃度の発泡及び発熱に対する効果
この実験では、1000mlメスシリンダー中でA剤、B剤を各10mlずつ混合し、発泡量、発泡速度及び反応温度を測定した。A剤としては、アジピン酸ジヒドラジド9%、重炭酸アンモニウム8%、尿素1%、アンモニア水(18%)1.85%、香料0.1%及び界面活性剤2%を含む水溶液であり、B剤としては、過酸化水素水(35%)17%、リン酸ナトリウム4%、界面活性剤2%を含む水溶液である。
【0043】
実験結果を表5から表13に示す。表5は反応開始剤として硫酸銅を各種濃度で単独使用した場合の、そして表6は硫酸コバルトを単独使用した場合の結果である。また表7から表13までは硫酸銅と硫酸コバルトの組合せ使用をした場合の結果である。表中、発泡倍率とは最高時の泡の高さと混合液量の高さの比を表す。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】
【表10】
【0050】
【表11】
【0051】
【表12】
【0052】
【表13】
【0053】
これらの結果から結論できることは、次の通りである。
第一に、発泡量については銅、コバルトともに添加量を増やすと、増加傾向があることである。ただし、開始剤の単独又は組み合わせ添加のいずれにおいてもその添加量が必要以上に増えると発泡量の増加が伸び悩みとなる。その理由は定かでないが、過剰の開始剤が泡形成に悪影響を与える、二剤の化学反応とは別に過酸化物の分解が起こる、反応が瞬時に起こると急激な膨張のため二剤の混合不良が部分的に生じる、等の諸原因により、開始剤濃度増加の効果が減殺されるものと考えられる。
【0054】
第二に、発泡時間については、銅単独添加の場合は、コバルト単独添加の場合の10分の1の量で同等の発泡速度が得られる。銅とコバルトの組合せ使用の場合は、発泡速度が著しく速くなる。
【0055】
第三に、反応温度については、反応開始剤の添加により反応が促進され、反応温度が上昇する。特にコバルト単独添加の場合は、反応液の上部の温度も上昇している点で注目される。銅単独添加の場合は、添加量が増えると上部温度の低下が見られるが、これは上述と同様の諸原因によるためと考えられる。この点、銅とコバルトの組合せ使用の場合には、添加濃度が低くても上部温度は上昇しており、本発明に有利に使用できると解される。本発明に有利に使用できる洗浄剤組成物の反応温度は30〜100℃であり、好ましくは40〜85℃である。
【0056】
上述の傾向は、水加ヒドラジンまたはアジピン酸ジヒドラジドを含むA剤と過酸化水素水(B剤)との反応において、硫酸銅、硫酸コバルト、炭酸コバルトの単独又は組み合わせ添加の効果を調べた表14、表15の結果においても確認された。なお、表中の各処方欄の数字は対応する成分のA剤中での重量%を示す。
【0057】
【表14】
【0058】
【表15】
【0059】
さらに、各種反応開始剤添加の効果を調べるため、500mlのメスシリンダーを使用し、下記処方からなるA液及びB液を各10mlずつ取って混合し、発泡量、反応温度等を測定した。
ここに、A液はアジピン酸ジヒドラジド7.5%、重炭酸アンモニウム8%、アンモニア水(18%)1.85%、尿素1%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル3.5%、アルキルフェノールエーテル硫酸エステル塩3.5%、α−オレフィンスルホン酸塩8%及び反応開始剤各0.02%を含む水溶液であり、B液は過酸化水素水(35%)17%、リン酸ナトリウム4%及びラウリルエーテルサルフェート2%を含む水溶液である。
【0060】
その結果を表16に示す。表16から明らかなように、供試の開始剤は単独又は組み合わせにおいて硫酸銅単独又はその組み合わせとほぼ同等の発熱・発泡効果を示し、特に硝酸銅とコバルト塩との組み合わせが優れていた。
【0061】
【表16】
【0062】
実験例5
表17に示す過炭酸ナトリウム(有効酸素12%以上)、カーボジヒドラジド(95%以上)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる粉末状のC剤及び反応開始剤として、1%エチレンジアミンテトラ酢酸銅二ナトリウムからなる粉末状のD剤について、その作用効果を調べた。即ち、C剤5g、D剤2gを500mlメスシリンダー中に投入し、水30mlを加え、混合にその時の液温及び発泡量を測定した。
【0063】
【表17】
【0064】
その結果を表17に示す。表17から明らかなように、C剤中の過酸化物として過炭酸ナトリウム(有効酸素12%以上)を使用した場合、0.5%以上のヒドラジド及び5%の界面活性剤をC剤中に含め、反応開始剤(D剤)を用いる限り、その過酸化物の有効な濃度範囲は、99%から30%の広い範囲にわたることが観察された。
一方、ヒドラジドに関しては、カーボジヒドラジド(95%以上)を使用した実験であるが、30%以上の過酸化物及び5%の界面活性剤をC剤中に含める限り、0.5%から65%の広い範囲において、ヒドラジドは有効な発熱・発泡効果を示すことが観察された。
なお、C剤のみでD剤を併用しなかった場合は、過酸化物及びヒドラジドを上記の範囲で使用しても発熱・発泡は全く見られなかった。
【0065】
実験例6
C剤としてはカーボジヒドラジド15%、過炭酸ナトリウム80%、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム混合物5%からなる粉剤に対して、D剤としては反応開始剤エチレンジアミンテトラ酢酸銅二ナトリウムと炭酸ナトリウムからなる粉剤(粉剤中のエチレンジアミンテトラ酢酸銅二ナトリウムの濃度はX%に調整)を用い、その各濃度における作用効果を調べた。即ちC剤5g、D剤2gを500mlメスシリンダー中に投入し、水30mlを加え、混合し、その時の液温及び発泡量を測定した。
その結果を表18に示す。
【0066】
【表18】
【0067】
表18には、エチレンジアミンテトラ酢酸銅二ナトリウムの濃度として、D剤中の濃度(X%)と共にC剤に対する濃度(Y%)をも併記した。表18から明らかなように、反応開始剤であるエチレンジアミンテトラ酢酸銅二ナトリウムのC剤に対する濃度(Y%)が0%では全く発熱・発泡が見られなかったが、0.004%から5.0%の範囲で強い発熱・発泡効果が観察された。
【0068】
実験例7
C剤としてはカーボジヒドラジド10%、過炭酸ナトリウム80%、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムX%に炭酸ナトリウムを加えて100%とした粉剤であり、D剤としては1%エチレンジアミンテトラ酢酸銅二ナトリウムを炭酸ナトリウムで100%とした粉剤について界面活性剤の各濃度における作用効果を調べた。即ち、C剤5g、D剤2gを500mlメスシリンダー中に投入し、水30mlを加え、混合し、その時の液温及び発泡量を測定した。その結果を表19に示す。
【0069】
【表19】
【0070】
表19から明らかなように、界面活性剤の濃度が0%のときは発熱・発泡効果が見られず、0.1%の場合でも十分な効果が得られなかったが、0.3%(C剤とD剤の混合時の濃度約0.2%)から10.0%の範囲では、強い発熱・発泡効果が観察された。なお、界面活性剤の濃度が10%以上の場合についてはD剤として、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの濃度が45%、80%及び99%(C剤とD剤の混合物の濃度約35%)とし、同条件下で実験を行ったところ強い発熱発泡効果が観察された。
【0071】
実験例8
各種ヒドラジド、各種反応開始剤等、その他の具体例について、表20に記載の処方から成るC剤5g、D剤2gを500mlメスシリンダー中に投入し、30mlの水を加え、混合し、その時の液温及び発泡量を測定した。
ここにC剤はヒドラジド10%、過炭酸ナトリウム80%、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム5%に炭酸ナトリウムを加えて100%とした粉剤であり、D剤は1%反応開始剤を炭酸ナトリウムで100%とした粉剤である。
【0072】
【表20】
【0073】
その結果は、表20に示すように、反応開始剤として硫酸銅、硝酸銅、炭酸銅を用いた場合も、エチレンジアミンテトラ酢酸銅二ナトリウムを用いた場合と同様に優れた発熱・発泡効果を示した。また、硫酸銅等の銅塩とエチレンジアミンテトラ酢酸銅二ナトリウムとの併用も強力な発熱・発泡効果を示した。
D剤の希釈剤として炭酸ナトリウムの代わりに重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、モリブデン酸アンモニウム、硫酸カリウムを使用した場合も優れた発熱・発泡効果を示した。また、D剤が水溶液の場合も発熱・発泡効果を示した。
ヒドラジドとしては、カーボジヒドラジドとアジピン酸ジヒドラジドとの間に効果上の差は見られなかった。
また、過酸化物として、過炭酸ナトリウムの代わりに過硼酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムの混合物を使用した場合も優れた発熱・発泡効果が観察された。
【0074】
次に、本発明をその特徴であるこする、温める等の物理的力を必要としない本発明品と市販品を対比し、その洗浄効力に関する試験例を挙げて説明する。
試験例1(第1の態様による)
試験方法
対象として、その使用形態が異なる代表例である(1)風呂釜、(2)浴室タイル、(3)運動靴について、一般家庭で通常通り使用しながら一定期間だけ洗わず、掃除せず、汚れを付着、蓄積させた物を被洗浄体として、試験に使用した。(対象の件数は3〜5件試みた。)
本発明品は下記の洗浄剤組成物を使用した。
【0075】
組成物1
A剤:水加ヒドラジン(6〜15%)と界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、硫酸銅を適宜混合した水に溶解した水溶液
B剤:過酸化水素(4〜6%)の水溶液
【0076】
組成物2
A剤:アジピン酸ジヒドラジド(6〜12%)と界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノールエーテル硫酸エステル塩)、硫酸銅、硫酸コバルト、重炭酸ナトリウムを適宜混合した水に溶解した水溶液
B剤:過酸化水素(4〜6%)の水溶液
【0077】
試験結果
(1)風呂釜
水を抜いた浴槽で下部通水孔より、風呂釜内に各発明品A剤及びB剤の同量を同時に注入し通水孔を閉じた(使用量は100ml、150mlの2条件で試験)。
本発明品を注入したところ、各組成物、各使用量ともに1分以内で発熱・発泡が起こり、急激に液の膨張が始まり、その膨張液が上部の通水孔より、温かい泡として勢いよく排出された。
この時、風呂釜内の毛髪等を含む汚れ物質が泡と共に排出された(各条件について試験件数3件全てに観察)。注入所定時間(5分、30分間の2条件で試験)後、水道のホースを下部通水孔に入れ、勢いよく水を流し、風呂釜内を洗った。この時も風呂釜内に残っていた汚れ物質が排出された。
【0078】
一方、市販品(主成分:過炭酸ナトリウム)を説明書に従い比較試験した。水又はお湯をはった浴槽で下部通水孔に洗浄剤が入った容器を固定し、容器を10回ぐらい押しながら洗浄剤を風呂釜内に送り込みその後容器をはずした。ただしこの状態では汚れは全く排出されなかった。次に風呂釜を加熱し、1〜2分間わかした。この時はじめて通水孔より若干の汚れ物質が排出された(試験件数5件中3件に観察)。そして最後にお湯をはったままで水道のホースを下部通水孔に入れ、勢いよく水を流し、風呂釜内を洗った。この時多くの汚れ物質が排出された。
この様に、本発明品は浴槽に水をはる事なく、洗浄剤を溶かす手間もなく、更に水をわかす事もなく、A剤及びB剤の2液を注入するだけで、短時間で市販品と同等かそれ以上の洗浄効力を示し、本発明品は発熱、発泡を伴う膨張現象の作用効果の優位性を認めた。
【0079】
(2)浴室床タイル
各本発明品A剤をタイル面に均一にスプレーし、しばらくした後約同量のB液をA剤スプレー面上に均一にスプレーした(使用量は各液量60〜100g/m2 )。二剤スプレー後、1分間以内で発熱、発泡がおこり、急激に液の膨張がはじまり、タイル面を泡でおおった。スプレー終了所定時間(5分、30分間の2条件で試験)後、水道のホースで水を流し、タイル面を洗った。その結果、各条件ともにタイル面の汚れは除去され、きれいになった。
【0080】
一方、市販品(主成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤))を説明書に従い比較試験した。洗浄液原液をスポンジに浸みこませタイル面をこすりながら洗った。又、別の方法として原液をタイル面にスプレーし、スポンジでこすり洗った。そして、水道のホースで水を流し、タイル面を洗った。
その結果、いずれの方法もタイル面の汚れは除去され、きれいになった。ただし、原液をスプレーし、こすらず水で流しただけでは部分的に汚れが残り、市販品は物理的力の必要性を示した。
【0081】
この様に本発明品は、こすることなく、A剤及びB剤の2液をスプレーするだけで市販品と同等かそれ以上の洗浄効力を示し、本発明品は温度効果による汚れの溶解促進又強い膨張パワーによる汚れの剥離の各現象の作用効果の優位性を認めた。
【0082】
(3)運動靴
各発明品A剤をポリ容器に入れた運動靴全面に均一に振りかけしばらくした後、約同量のB剤を同様に振りかけた。又別の方法としてA剤とB剤を一緒に運動靴全面に振りかけた(使用量は50ml、100mlの2条件で試験)。いずれの方法も二剤混合後1分以内で発熱、発泡がおこり急激に液の膨張がはじまり、運動靴が見えなくなるまで泡で覆われた。振りかけ終了所定時間(15分、30分間の2条件で試験)後、水をかけながらゆすぎ洗いをした。その結果、各条件ともに靴の汚れは除去され、きれいになった。
【0083】
一方、市販品(主成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤))を説明書に従い比較試験した。
運動靴をぬるま湯に充分に浸し、洗浄剤を汚れた部分に直接つけ、水をふくませたブラシでこすり伸ばすようにして洗った。その後、水で靴全体をすすぎ洗いをした結果、汚れは除去されきれいになった。
【0084】
この様に本発明品は湯を使う事なく、こする事なく、A剤及びB剤の2液を振りかけるだけで市販品と同等かそれ以上の洗浄効力を示し、本発明品は温度効果による汚れの溶解促進又膨張パワーによる洗浄液の分散、汚れの表出の各現象の作用効果の優位性を認めた。
【0085】
試験例2(第1の態様または第2の態様による)
試料の調製
(第1の態様)
以下の洗浄力試験に使う目的で発泡倍率の異なる試料(No.1〜9)を作成した。即ち、500ml容メスシリンダーに表21に示した各試料A剤及びB剤を各々10ml注入し、室温で静置した。そして経過時間に伴う泡の高さ及び液中の温度を測定した。なお、ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アニオン系界面活性剤としてはα−オレフィンスルホン酸塩を用いた。
【0086】
発泡倍率=(最高時の泡の高さ)/(混合液量の高さ)
発泡速度=(最高時の泡の高さに要した時間)−(発泡開始するまでに要した時間)
【0087】
【表21】
【0088】
(第2の態様)
以下の洗浄力試験に使う目的で各作用効果の異なる試料(No.1〜10)を作成した。即ち、500ml容メスシリンダーに表22に示した各試料C剤5g及びD剤2gを投入し、水20mlを加えて混合し、その時の液温、発泡量、発泡速度等を測定した。
【0089】
【表22】
【0090】
洗浄力試験
(1)ステンレス板(3×8cm)に人工汚垢(牛脂20部・卵黄16部・澱粉12部・炭酸カルシウム10部・食塩1部・グルタミン酸ナトリウム1部・石鹸5部・水35部の混合物)0.3gを塗布し、乾燥機で約100℃、1時間加熱乾燥したものを試験用テストピースとして用いた。
【0091】
(第1の態様)
500ml容ビーカーにテストピースを入れ、表21に示した各試料A剤及びB剤を各々10ml注入し静置した。そして15分後、30分後の各経過時間に於ける汚垢の付着量を測定した。
(第2の態様)
500ml容ビーカーにテストピースを入れ、表22に示した各試料C剤5g及びD剤2gを散布し、その後20mlの水を加え静置した。そして30分経過後における汚垢の付着量を測定した。
洗浄率=(洗浄前の汚垢重量−洗浄後の汚垢重量)/(洗浄前の汚垢重量)×100
【0092】
その結果は表21及び表22に示すように、発泡倍率又は発泡量が高くなる程洗浄力が強く、発熱温度が高い程洗浄力が増加した。
一方、市販品は風呂釜用洗浄剤及び浴槽用洗浄剤の2種類について比較試験した。いずれの市販洗浄剤についても、約40℃のぬるま湯に各標準使用量の洗浄剤を加えた液20mlを使用し、上記試験同様に評価した。その結果は表23の通りである。種類によって異なるが、発泡倍率の高い試料はほぼ同等の洗浄力を示した。
【0093】
【表23】
【0094】
(2)布片(4×4cm)人工汚垢(牛脂15部・炭酸カルシウム10部・石鹸5部・コレステリン5部・パルミチン10部・カーボン0.5部・水54.5部の混合物)中に浸漬・攪拌し、乾燥機で約50℃、30分間ついで約75℃、1時間乾燥したものを試験用テストピースとして用いた。
(第1の態様)
500ml容ビーカーにテストピースを入れ、表21に示した各試料A剤及びB剤の各々10mlをまずA液を入れ、次いでB液を入れ静置した。そして30分後、汚垢の除去の程度を布片への残存カーボンから目視で評価した。
【0095】
(第2の態様)
500ml容ビーカーにテストピースを入れ、表22に示した各試料C剤5g及びD剤2gを散布し、その後20mlの水を加え、静置した。そして30分経過後、汚垢の除去の程度を布片への残存カーボンから目視で評価した。
その結果、発泡量又は発泡倍率が高くなる程、布地にからんでいる汚垢カーボンの剥離浮上する作用が強く、高い除去効果を示した。
【0096】
一方、市販品は運動靴用洗浄剤(成分:過炭酸ナトリウム)及び酸素系漂白剤(成分:過酸化水素)の2種類について、比較試験した。いずれの市販洗浄剤についても、約40℃のぬるま湯に各標準使用量の洗浄剤を加えた液20mlを使用し、上記試験同様に評価した。
その結果、表24に示すようにいずれも除去率の評価は×であった。
【0097】
【表24】
【0098】
(3)内径25mmのガラス製のU字管状(内容量水にて100ml)のパイプに毛髪を含んだ細かく切った布片約3gを若干の水を浸し塊として、容易に流水では排出しない状態で、U字管の先端部分に詰め、排水管に水不溶物が詰まった場合のモデルとして用いた。
【0099】
(第1の態様)
U字管の上部入口に表21に示した各試料A剤及びB剤を加え、直後に入口を密栓した。そして、管内の塊が下部出口から排出する試料の使用量及びその時間を観察した。
【0100】
排出力=(排出に要したA剤+B剤の使用量)/(排出に要した時間)
【0101】
その結果、発泡倍率が15倍以上になると、少ない使用量で1分以内の短い時間で塊の排出を示し、発生ガス圧・膨張圧の力を発揮した。
【0102】
また、発泡倍率の低い場合でも使用量を増やす事で排出を認めた。ただし、発泡速度が遅い場合では、排出しなかった。
【0103】
【発明の効果】
本発明の発熱発泡型洗浄剤組成物は、使用時に発熱と激しい発泡を生じ、汚れ対象物に物理的力を加えることなく、効果的に汚れを除去することを可能とする。したがって、手の届かない場所や物の洗浄に効果的に利用することが可能である。
Claims (7)
- 水加ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、臭化水素酸ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド、フェニルヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、カーボジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジドモノカリウム、マレイン酸ヒドラジドモノナトリウム、ベンゼンスルホニルヒドラジド、及びp−トルエンスルホニルヒドラジドよりなる群から選ばれる1種以上のヒドラジン類を含有する洗浄剤組成物をA剤とし、過酸化物を含有する洗浄剤組成物をB剤とし、該A剤及び/又は該B剤が反応開始剤として、硫酸銅と硫酸コバルト、硫酸銅と硝酸コバルト、硫酸銅と炭酸コバルト、硝酸銅と硫酸コバルト、硝酸銅と硝酸コバルト又は硝酸銅と炭酸コバルトの組み合わせを含有する二剤型の発熱発泡型洗浄剤組成物。
- 過酸化物が、無機過酸化物、無機過酸化水素付加体、有機過酸化物、及び有機過酸化水素付加体よりなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載の発熱発泡型洗浄剤組成物。
- 更に、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤よりなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有する請求項1又は2記載の発熱発泡型洗浄剤組成物。
- 更に、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸カルシウム、重炭酸セシウム、重炭酸マグネシウム、及び重炭酸リチウムよりなる群から選ばれる1種以上の発泡剤を含有する請求項1〜3いずれか記載の発熱発泡型洗浄剤組成物。
- アジピン酸ジヒドラジド、カーボジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド及びイソフタル酸ジヒドラジドよりなる群から選ばれる1種以上の粉末状ヒドラジン類および無機過酸化物を含有する粉末状洗浄剤組成物をC剤とし、硫酸、硝酸、塩酸及び炭酸の銅塩および金属キレート剤の銅塩よりなる群から選ばれる1種以上の反応開始剤を含有する組成物をD剤とする二剤型の発熱発泡型洗浄剤組成物。
- 無機過酸化物が、過炭酸アルカリ金属塩、過ホウ酸アルカリ金属塩、トリポリリン酸、ピロリン酸またはオルトリン酸の過酸化水素付加物、ケイ酸ナトリウムの過酸化水素付加物、尿素の過酸化水素付加物、および硫酸ナトリウム・塩化ナトリウムの過酸化水素付加物よりなる群から選ばれる1種以上である請求項5記載の発熱発泡型洗浄剤組成物。
- 更に、C剤及び/又はD剤がノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤よりなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有する請求項5又は6記載の発熱発泡型洗浄剤組成物。
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