JP7475969B2 - 発泡性洗浄剤組成物および洗濯槽の洗浄方法 - Google Patents

発泡性洗浄剤組成物および洗濯槽の洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性洗浄剤組成物およびそれを用いた洗濯槽の洗浄方法に関する。
発泡剤および界面活性剤を配合した発泡性洗浄剤は、水と接触させることで発泡作用による物理的な洗浄力と、殺菌剤および界面活性剤による化学的な洗浄力との相互作用により優れた洗浄効果を示すことから、トイレの便器、排水管、浴槽等に繁殖した雑菌や水垢等による汚れの洗浄のために広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。活発な発泡は、洗浄対象からの汚れの剥離のみならず、使用者が洗浄効果を視覚的に実感することができる点でも重要な役割を果たす。
全自動洗濯機の洗濯槽においては、洗濯槽の裏側に洗濯水が残りやすいことから、カビ、酵母、細菌等の微生物、洗剤由来成分、糸くず、皮脂等の衣類由来成分などによる汚れが発生しやすい。この汚れは洗濯機から出る悪臭の原因となるとともに、遊離した汚れが洗濯中に衣類を汚染するなどの不具合の原因ともなるものである。洗濯槽裏側の汚れの除去は容易ではない。特に全自動洗濯機ではその構造上、汚れが付着している状況を直接観察することができず、また、汚れが付着している部分には、洗濯機を分解しない限り直接触れることができないため、汚れ除去は容易ではなく、大変な労力を必要とする。前述の発泡性洗浄剤は洗濯槽用の洗浄剤としても用いられている。
しかし、このような発泡性洗浄剤を洗濯槽の洗浄に用いると、水面に界面活性剤による膜が形成された気泡である洗剤の泡が発生する。この洗剤の泡の体積(泡立ち)が増大することにより、洗浄溶液が全自動洗濯機の最高水位を超える異常水位に達し、全自動洗濯機の運転が異常停止してしまうことがあった。特に、従来からの縦型洗濯機と比較して少ない水の量で稼働することを特徴とするドラム式洗濯機の洗浄においては、この問題が顕著であった。また、洗浄溶液の水面における泡立ちが過剰になると、洗浄剤に含まれる塩素系漂白剤等の薬剤が飛び散るという問題もあった。
特開2018-024875号公報 特開平11-148098号公報
発泡剤および界面活性剤を配合した発泡性洗浄剤が水に接触したときに発生する泡は、2種類に分類することができる。第1の泡は発泡剤から発生する炭酸ガスの気泡であり、洗浄剤から発生し水面に上がっていく。この発泡剤から発生する炭酸ガスの気泡の勢い(以下において、「炭酸泡発泡性」又は「炭酸泡発泡感」という。)は、洗浄力に加え、上述した使用者への洗浄実感を演出するツールとして重要な役割を果たす。
第2の泡は界面活性剤の膜を有する泡(以下において、「洗剤の泡」ともいう。)である。界面活性剤が洗浄対象から汚れを引き離す際、親油基が内側に入り、親水基が外側を向いて並ぶことにより汚れを取り囲むが、界面活性剤は汚れの取り囲みに費やされるだけでなく、上述した第1の泡である炭酸泡の取り囲みにも費やされる。すなわち、炭酸泡の一部は水面に届く前に、界面活性剤の親油基で囲まれたポケットに納められ、これにより界面活性剤の膜を有する気泡(洗剤の泡)が形成される。
この界面活性剤の膜を有する洗剤の泡の発生量が過大になったり、洗剤の泡の消泡性が低いと、洗浄溶液水面における洗剤の泡立ちが過剰となり、全自動洗濯機の最高水位を超える異常水位に達し、全自動洗濯機の運転を異常停止させる原因となる。また、洗剤による泡立ちが過剰になると、洗浄剤に含まれる塩素系漂白剤等の薬剤が飛び散るという問題も生じる。さらに、炭酸泡の取り囲みに費やされる界面活性剤の量が多くなると、界面活性剤による洗浄力の低下にもつながる。
そこで本発明は、洗浄力と炭酸泡発泡性に優れ、且つ、過剰な洗剤の泡立ちが抑制された発泡性洗浄剤組成物およびそれを用いた洗濯槽の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、以下の通りである。
[1]
塩素系漂白剤と、炭酸塩および/または重炭酸塩と、有機酸と、アニオン性界面活性剤とを含有する発泡性洗浄剤組成物であって、上記アニオン性界面活性剤として、1種又は2種以上のα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含有する発泡性洗浄剤組成物。
[2]
上記α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩として、脂肪酸部位の炭素数が14~24の範囲にある化合物を1種又は2種以上含有する、[1]に記載の発泡性洗浄剤組成物。
[3]
上記α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩がアルカリ金属塩であり、脂肪酸部位に対応する脂肪酸がパルミチン酸又はステアリン酸であるα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を1種又は2種以上含有する、[1]又は[2]に記載の発泡性洗浄剤組成物。
[4]
上記有機酸として少なくともリンゴ酸を含有する、[1]~[3]のいずれか1項に記載の発泡性洗浄剤組成物。
[5]
上記α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とリンゴ酸の質量比を表すα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩/リンゴ酸が1/1~1/10である、[4]に記載の発泡性洗浄剤組成物。
[6]
上記塩素系漂白剤として少なくともジクロロイソシアヌル酸塩を含有する、[1]~[5]のいずれか1項に記載の発泡性洗浄剤組成物。
[7]
洗濯槽の洗浄に用いられる、[1]~[6]のいずれか1項に記載の発泡性洗浄剤組成物。
[8]
洗濯槽の洗浄方法であって、
[1]~[7]のいずれか1項に記載の発泡性洗浄剤組成物を洗濯槽に投入すること、及び
上記洗濯槽に水を貯留させること
をこの順序で含み、上記発泡性洗浄剤組成物の投入量が、上記洗濯槽に貯留させる水量に対し0.1質量%以上である洗濯槽の洗浄方法。
本発明により、洗浄力と炭酸泡発泡性に優れ、且つ、過剰な洗剤の泡立ちが抑制された発泡性洗浄剤組成物およびそれを用いた洗濯槽の洗浄方法を提供することが可能となった。
実施例2の錠剤から発生する炭酸泡の発泡感を評価するための観察画像。 比較例1の錠剤から発生する炭酸泡の発泡感を評価するための観察画像。 比較例2の錠剤から発生する炭酸泡の発泡感を評価するための観察画像。 比較例3の錠剤から発生する炭酸泡の発泡感を評価するための観察画像。
以下、本発明を実施するための形態(以下において、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
本実施形態に係る発泡性洗浄剤組成物は、塩素系漂白剤と、炭酸塩および/または重炭酸塩と、有機酸と、アニオン性界面活性剤としてα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とを含有する。炭酸塩又は重炭酸塩は、後述するように水溶液中で有機酸と反応して炭酸泡を発生し、洗浄対象から汚れを剥がす効果を有する。従来の発泡性洗浄剤組成物において、塩素系漂白剤、発泡剤及び有機酸と併用される界面活性剤は、化学的な洗浄力のために使用されるが、通常、発泡剤から発生する炭酸泡の勢い(炭酸泡発泡性)を減少させる。一方、界面活性剤が炭酸泡を取り囲むことにより洗剤の泡を発生させ、上述した洗剤の泡立ちが過剰になることによる問題を生じさせる。特に界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を使用した場合は洗剤の泡立ちが過剰となる傾向がみられる。
本実施形態において界面活性剤としてα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を使用することにより、炭酸泡の発泡性が活発化され、洗浄効果と共に上述した洗浄実感を使用者に与えることができる。さらに、過剰な洗剤の泡立ちを抑制することができるため、特に洗濯槽用洗浄剤として用いられた場合には、洗浄溶液が異常水位に達することによる運転の異常停止や、塩素系漂白剤等の薬剤が飛び散るという問題を解消することができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
<(A)塩素系漂白剤>
本実施形態に係る発泡性洗浄剤組成物(以下において、「本洗浄剤組成物」又は単に「洗浄剤組成物」などという。)は、塩素系漂白剤を含有することで優れたカビの漂白および殺カビ・殺菌効果を有する。
塩素系漂白剤としては、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウムなどのジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、サラシ粉、高度サラシ粉、亜塩素酸ナトリウムなどの水系で次亜塩素酸又は亜塩素酸を発生しうるものを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、カビ・細菌に対する抗菌スペクトルが広いことやカビの漂白性、溶解性の観点から、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどのジクロロイソシアヌル酸塩を用いることが好ましい。
本洗浄剤組成物中の塩素系漂白剤の配合率は、洗浄剤組成物全体の好ましくは10~40質量%であり、より好ましくは15~35質量%であり、さらに好ましくは20~30質量%である。塩素系漂白剤を40質量%より多く添加した場合は、殺カビ・殺菌効果を得るために必要な量よりも過剰であることがある。また、塩素系漂白剤の配合率が10質量%未満では十分な殺カビ・殺菌効果が発揮されないことがある。本洗浄剤組成物が2種以上の塩素系漂白剤を含有する場合、上記配合率は合計の配合率を意味する。
<(B)炭酸塩および/または重炭酸塩>
本洗浄剤組成物は、炭酸塩および/または重炭酸塩を含有することで、水溶液中で後述の有機酸と反応して炭酸泡を発生し、洗浄対象物の汚れを剥がす効果を有する。洗浄対象が洗濯槽の場合、洗濯槽の裏側に付着した汚れを剥がす効果を有する。さらに炭酸塩または重炭酸塩から発生する炭酸泡は、洗浄対象物の汚れを剥がす効果を有するだけでなく、炭酸泡の発泡性が良好な場合には使用者が洗浄効果を視覚的に実感することができる点でも重要な役割を果たす。
炭酸塩の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。重炭酸塩の具体例としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸マグネシウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウム等が挙げられる。これらの炭酸塩及び重炭酸塩は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、炭酸泡の発泡性の観点から、重炭酸ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムを用いることが好ましい。
本洗浄剤組成物中の炭酸塩および/または重炭酸塩の配合率は、洗浄剤組成物全体の好ましくは20~60質量%であり、より好ましくは30~50質量%であり、さらに好ましくは35~45質量%である。炭酸塩および/または重炭酸塩を60質量%より多く添加した場合は、pHが上がり過ぎ、発泡剤がイオン化し、発泡率が低下するおそれがある。また、炭酸塩および/または重炭酸塩の配合率が10質量%未満では、有機酸との反応により発生する炭酸ガスの量が少なくなり、発泡率が低下することがある。本洗浄剤組成物が2種以上の炭酸塩および/または重炭酸塩を含有する場合、上記配合率は合計の配合率を意味する。
<(C)有機酸>
本洗浄剤組成物は、有機酸を含有することで、水溶液中で前述した炭酸塩および/または重炭酸塩と反応して炭酸泡を発生し、洗浄対象物の汚れを剥がす効果や、炭酸泡の発泡性が良好な場合には使用者に洗浄実感を与える効果を有する。
有機酸としては、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、グルコン酸、サリチル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、グルタン酸、安息香酸等が挙げられるこれらの有機酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、炭酸泡の発泡性の観点から、リンゴ酸を使用することが好ましい。
本洗浄剤組成物中の有機酸の配合率は、洗浄剤組成物全体の好ましくは5~40質量%であり、より好ましくは8~30質量%であり、さらに好ましくは10~20質量%である。有機酸を40質量%より多く添加した場合は、pHが下がり過ぎ、炭酸ガスが水溶液に溶け込み発泡率が低下するおそれがある。また、有機酸の配合率が5質量%未満では炭酸塩および/または重炭酸塩との反応により発生する炭酸ガスの量が少なくなり、発泡率が低下することがある。本洗浄剤組成物が2種以上の有機酸を含有する場合、上記配合率は合計の配合率を意味する。
<(D)α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩>
本洗浄剤組成物は、界面活性剤として、アニオン性界面活性剤であるα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含有する。本洗浄剤組成物において界面活性剤としてα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を使用することで、優れた洗浄効果が得られることに加え、驚くべきことに炭酸泡の発泡性が向上し活発な炭酸泡発泡性が得られると共に、過剰な洗剤の泡立ちを抑制することができる。
本実施形態において、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の脂肪酸部位の炭素数は、好ましくは14~24であり、より好ましくは16~18である。ここで、脂肪酸部位の炭素数とは、具体的には後掲の一般式(1)中のR-C-COO-で表される炭酸部位に含まれる炭素数を意味する。脂肪酸部位の炭素数が13以下の場合、洗浄効果が低下する傾向にあり、一方炭素数が25以上の場合、洗剤の泡立ちが過剰となる傾向にある。このような脂肪酸部位に対応する脂肪酸は、飽和及び不飽和のいずれでもよく、また直鎖脂肪酸でも分岐鎖脂肪酸でもよい。また、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩はアルカリ金属塩であることが好ましい。
本実施形態において、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、好ましくは下記一般式(1)で表されるアニオン性界面活性剤である。
一般式(1)において、Rは炭素数12~22の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルまたはアルケニル基を表し、好ましくは炭素数14~16の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルまたはアルケニル基を表す。
は、炭素数1~6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基を表し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
は対イオンを表し、たとえばナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられ、なかでもアルカリ金属イオンが好ましい。
本洗浄剤組成物は、一形態において、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩として、脂肪酸部位に対応する脂肪酸がパルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)及びオレイン酸(炭素数18)から選択されるアルカリ金属塩を1種又は2種以上含有することが好ましく、脂肪酸部位に対応する脂肪酸がパルミチン酸およびステアリン酸から選択されるアルカリ金属塩を1種又は2種以上含有することがより好ましい。
α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の配合率は、洗浄剤組成物全質量に対して、好ましくは0.1~10質量%であり、より好ましくは1~5質量%であり、さらに好ましくは2~3質量%である。洗剤の泡立ちを抑制する観点から10質量%以下であることが好ましく、また、洗浄効果の観点から0.1質量%以上であることが好ましい。本洗浄剤組成物が2種以上のα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含有する場合、上記配合率は合計の配合率を意味する。
本実施形態において、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は有機酸としてリンゴ酸と併用されることが炭酸泡の活発な発泡性の観点から好ましい。洗浄剤組成物に含有されるα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とリンゴ酸の配合比は、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩/リンゴ酸(質量比)として、好ましくは1/1~1/10であり、より好ましくは1/2~1/8である。
本洗浄剤組成物は、25℃の水で0.05~0.3質量%の水溶液に希釈したときのpHが5.0~7.0の範囲である組成物となるよう調整されることが好ましい。洗浄剤組成物を上記希釈液にしたときのpHが上記範囲であることは、次亜塩素酸イオン態より殺菌効果の高い、次亜塩素酸態の発生量が多く、殺カビ・殺菌効果に優れる観点から好ましい。洗浄剤組成物の希釈液のpHが上記範囲となるよう、炭酸塩及び/又は重炭酸塩と有機酸の配合比を調整したり、pH調製剤を適宜選択して使用することができる。
<任意成分>
本洗浄剤組成物には、(A)~(D)成分の良好な安定性および効果を損なわない範囲で、任意成分として上記pH調整剤以外にも更に任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、賦形剤、滑沢剤、吸湿剤、結合剤、崩壊剤、香料、消臭剤、防錆剤、色素、懸濁剤、増粘剤、ハイドロトロープ剤、キレート剤(例えば、クエン酸3ナトリウム)等を挙げることができる。
本実施形態に係る発泡性洗浄剤組成物は固形状であることが好ましく、固形状である場合その形態は特に限定されるものではなく、洗浄対象等に応じて適宜変更することができる。形態の一例として、錠剤、細粒剤、粉剤等が挙げられる。中でも、発泡性洗浄剤組成物の投入のしやすさや、洗浄対象の貯水した部位の底部に組成物が沈み、発泡が底部から水面まで洗浄対象全体に広がりやすいことから、特に錠剤が好ましい。
錠剤型に成形する場合には、従来公知の賦形剤、滑沢剤、吸湿剤、結合剤、崩壊剤、離型剤、湿剤等を使用することもできる。
錠剤化に当たって使用する賦形剤の例としては、グルコース、乳糖、とうもろこしでんぷん、馬鈴薯でんぷん、α化でんぷん、トレハロース、無水リン酸水素ナトリウム等を挙げることが出来る。また、滑沢剤の例としては、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、安息香酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸カルシウム等を挙げることができる。更に吸湿剤の例としては、硫酸ナトリウム、無水石膏、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等が、結合剤(バインダー)の例としては、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリメチルシラノール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールエーテル、結晶セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が、崩壊剤の例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ベントナイト、カオリン、ヘクトライト等をそれぞれ挙げることができる。これらの成分と本実施形態に係る発泡性洗浄剤組成物が必須成分として含有する上記各成分の粉体を混合し、打錠、造粒、混練押出成形等の手段により任意の形状に成形することができる。
本実施形態に係る発泡性洗浄剤組成物を用いて洗浄される対象は、例えば、洗濯槽、トイレの便器、排水管、浴槽等の貯水可能な部位を備えるものが挙げられる。本洗浄剤組成物を用いてこれらの洗浄対象を洗浄するには、あらかじめ貯水された洗浄対象部位に本洗浄剤組成物を添加するか、または、先に本洗浄剤組成物を洗浄対象部位に投入した後に水を添加すればよい。特に、本洗浄剤組成物においては界面活性剤による過剰な泡立ちを抑制することから、すすぎ性に優れるとともに、洗濯槽の洗浄に用いた際にも上限水位を超え、運転が異常停止するといった不具合を防止することができる。
本実施形態に係る発泡性洗浄剤組成物を用いて洗濯槽を洗浄するには、従来公知の洗濯槽用洗浄剤組成物の使用方法とほぼ同様にすればよいが、使用量としては、洗濯槽に貯留させる水量に対し0.1質量%以上であることが好ましい。例えば、洗濯槽に「高水位」で水を溜めたときの水の量が50リットルの場合は、まず洗濯槽に50g以上の本洗浄剤組成物を添加し、次いで洗濯槽の「高水位」まで給水する。その後、標準サイクル(洗い→すすぎ→脱水)で1サイクル運転することにより洗濯槽を洗浄することができる。
本洗浄剤組成物の使用量の上限値としては、例えば、泡立ちが過剰となることを抑制する観点から適宜設定することができる。例えば、洗濯槽に貯留させる水量に対し1質量%以下であることが好ましい。
以下、本実施形態を例を用いて説明する。
実施例及び比較例において使用した原料は以下の通りである。
<(A)塩素系漂白剤>
A-1:ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム
<(B)炭酸塩および/または重炭酸塩>
B-1:重炭酸ナトリウム
<(C)有機酸>
C-1:リンゴ酸
C-2:フマル酸
C-3:コハク酸
<(D)α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩>
D-1:α-スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(脂肪酸部位の炭素数16:脂肪酸部位の炭素数18=85:15(質量比)の混合物)(商品名:MIZULAN P82、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)。
<(D’)比較用界面活性剤>
D’-1:α-オレフィンスルホン酸塩(商品名:リポラン800CJ、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
D’-2:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(商品名:エマルゲンLS-100、花王株式会社製)
D’-3:C13,C15オキソアルコールエトキシレート(商品名:LUTENSOL AO8、BASFジャパン株式会社製)
<その他の成分>
・硫酸ナトリウム
・クエン酸3ナトリウム
・ステアリン酸カルシウム
・ポリエチレングリコール
・グルコース
[発泡性洗浄剤組成物の製造例]
(実施例1~7、比較例1~3)
表1に示す組成に従って、各成分を均一に混合することにより混合物を調製した。得られた混合物2gを打錠機により直径15mm×厚さ10mmの錠剤に打錠することにより、錠剤型の各発泡性洗浄剤組成物を製造した。なお、得られた各混合物の0.1質量%希釈液(水温25℃)のpHは5.0~7.0の範囲にあった。
各例の発泡性洗浄剤組成物について、炭酸泡発泡感、消泡性及び洗浄力を以下のようにしてそれぞれ評価した。その評価結果を表1に示す。
[炭酸泡発泡感]
250mlの水道水を入れたガラスビーカーに、実施例1~7および比較例1~3の各組成物からなる錠剤を2g投入し、錠剤から発生する気泡(炭酸泡)をハイスピードマイクロスコープ(VW-9000および標準カラーカメラユニットVW-300C、キーエンス製)により観察した。ガラスビーカー底部に錠剤が落下してから1秒後における観察画像を、前記ハイスピードマイクロスコープを用いて解析することにより炭酸泡発泡感を評価した。具体的には、最も気泡数が多く観察される観察画像上の3cm×3cm=9cmの領域を選択して、気泡径3mm以上の気泡が当該領域の単位面積当たり何個含まれるかを計測し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
A:気泡径3mm以上の気泡が3個/cm以上
B:気泡径3mm以上の気泡が1個/cm以上3個/cm未満
C:気泡径3mm以上の気泡が1個/cm未満
また、各錠剤についての上記観察画像の中から、実施例2の観察画像を図1に、比較例1~3の観察画像をそれぞれ図2~図4に示す。上記基準に基づく評価結果並びに図1~図4の観察画像から明らかなように、実施例1~7の洗浄剤組成物は、比較例1~3の洗浄剤組成物と比べ、錠剤から発生する気泡径が大きく、炭酸泡が活発に発生しており、炭酸泡発泡感に優れることがわかる。
[消泡性]
実施例1~7および比較例1~3の各組成物からなる錠剤2gを、水道水2Lに全て溶解させ、試験溶液を調製した。試験溶液50mlを入れた1Lのメスシリンダーに対し、水面から45cmの高さから、同じ試験溶液500mlをさらに滴下し、試験溶液を泡立たせた。この操作の直後、上昇した泡の最上部および水面の目盛りを記録し、初期泡体積(V)を測定した。そのまま5分静置後、再度泡の最上部および水面の目盛りを記録し、5分後の泡体積(V)を測定した。[(V-V)/(V)]×100(%)の値を消泡率とし、以下の基準で評価した。消泡率が低い場合、発生した洗剤泡が残りやすいため、消泡率が低いほど洗浄/撹拌中に洗剤泡の堆積が進み、泡立ちが過剰になることを示す。
<評価基準>
A:消泡率70%以上
B:消泡率40%以上70%未満
C:消泡率40%未満
[洗浄力]
洗濯槽のモデル汚れとして、オレイン酸、トリオレイン、スクアレン、パルミチン酸、赤色色素、クロロホルムを均一に混合し、汚垢液を調製した。2.5cm×5cmの大きさのPP板に、汚垢液をスポイトで滴下した後1時間吊下げて乾燥させ、約0.02gの汚垢を付着させることにより洗浄対象の試験片を用意した。
実施例1~7および比較例2、3の各組成物0.7gを、水温30℃の水道水700mlに添加することにより洗浄液を調製した。前記の通り作成した試験片を各洗剤液とともにリーナッツ試験機にセットし、300rpmの回転数で5分間洗浄を行った。洗浄後、洗浄液に代えて水道水700mlを用いた他は同条件ですすぎを行った。すすぎ後の各試験片を一昼夜吊下げて乾燥させた後、赤色色素による汚れが視認できるか否かにより、洗浄力を評価した。
<評価基準>
D:試験片に汚れが視認できなかった。
E:試験片に汚れが残存していた。
なお、炭酸泡発泡感及び消泡性の評価がいずれもCであった比較例1については洗浄力の評価は行っていない。
表1より、実施例1~7は、炭酸泡の発泡感、消泡性及び洗浄力のすべてに優れることがわかる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。

Claims (7)

  1. 塩素系漂白剤と、炭酸塩および/または重炭酸塩と、有機酸と、アニオン性界面活性剤とを含有する発泡性洗浄剤組成物であって、前記アニオン性界面活性剤として、1種又は2種以上のα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含有し、前記有機酸として、リンゴ酸、フマル酸又はコハク酸を含有し、前記発泡性洗浄剤組成物の全質量に対する各成分の配合率は、前記塩素系漂白剤が10~40質量%であり、前記炭酸塩および/または前記重炭酸塩が20~60質量%であり、前記有機酸が5~40質量%であり、前記α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩が1~10質量%である発泡性洗浄剤組成物。
  2. 前記α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩として、脂肪酸部位の炭素数が14~24の範囲にある化合物を1種又は2種以上含有する、請求項1に記載の発泡性洗浄剤組成物。
  3. 前記α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩がアルカリ金属塩であり、脂肪酸部位に対応する脂肪酸がパルミチン酸又はステアリン酸であるα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を1種又は2種以上含有する、請求項1又は2に記載の発泡性洗浄剤組成物。
  4. 前記有機酸として少なくともリンゴ酸を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡性洗浄剤組成物。
  5. 前記塩素系漂白剤として少なくともジクロロイソシアヌル酸塩を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡性洗浄剤組成物。
  6. 洗濯槽の洗浄に用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の発泡性洗浄剤組成物。
  7. 洗濯槽の洗浄方法であって、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の発泡性洗浄剤組成物を洗濯槽に投入すること、及び
    前記洗濯槽に水を貯留させること
    をこの順序で含み、前記発泡性洗浄剤組成物の投入量が、前記洗濯槽に貯留させる水量に対し0.1質量%以上である洗濯槽の洗浄方法。
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