JP5985547B2 - 浮上性発泡錠剤 - Google Patents

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Description

本発明は、塩素化イソシアヌル酸化合物、有機酸および炭酸塩を有効成分とする浮上性発泡錠剤に関するものである。
塩素化イソシアヌル酸化合物は、化学的に安定な固体の化合物であって、その取扱いが容易であり、水と接触させると加水分解して、強い酸化能を有し、且つ安定性に優れた活性塩素を放出する。
このような塩素化イソシアヌル酸化合物は、例えば、台所、浴室、洗面所、トイレ等の排水管や貯水部の洗浄、あるいは衣類等の洗濯に使用される固形洗浄剤の漂白剤、殺菌剤、消臭剤成分として、発泡成分の有機酸および炭酸塩と共に配合されて錠剤に成形されている。
本発明に関連する従来技術について、文献を引用して以下に述べる。
特許文献1には、風呂用添加剤組成物に関する発明が開示されている。
この文献には、塩素化イソシアヌル酸化合物を5〜95重量%含有し、炭酸塩を1〜90重量%含有し、有機酸を1〜90重量%含有する錠剤が記載されている。
特許文献2には、発泡性清浄剤の製造方法に関する発明が開示されている。
この文献には、塩素化イソシアヌル酸化合物、炭酸塩およびアジピン酸を成分とする、便所用、風呂水用、入れ歯用等の洗浄剤として使用し得る錠剤が開示されている。
また、この文献の第5頁の表4には、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの2水和物を45.49重量%含有し、アジピン酸を40.00重量%含有し、炭酸ナトリウムを14.51重量%(注:炭酸ナトリウムに対するアジピン酸の当量比:2.0)含有し、直径が30mmであって、重量が10gの錠剤が記載されている。
これら、塩素化イソシアヌル酸化合物を用いた従来の発泡錠剤は、組成および製造方法に工夫がなされ広く市場に流通している。しかしながら、これらの発泡錠剤は、発泡溶解することにより塩素化イソシアヌル酸化合物の溶解性を高めているものの、拡散性は不十分である。そのため、溶解槽の底部の、ほぼ限られた領域内に留まって、水と反応し発泡溶解するため局部的に活性塩素が高濃度となり、溶解槽を形成している部材や洗浄対象物が劣化するなどの悪影響が見られる。
特許文献3には、殺菌消毒用錠剤に関する発明が開示されている。
この文献には、ハロゲン化ベンザルコニウムを3〜30重量%含有し、炭酸塩を20〜40重量%含有し、リン酸1アルカリ金属塩、クエン酸、酒石酸およびリンゴ酸から選択される化合物を40〜70重量%含有し、水を0.5〜5.0重量%含有する殺菌消毒用錠剤が記載されている。
また、第2頁の表1には、水を0.3重量%含有し、塩化ベンザルコニウムを10.0重量%含有し、炭酸水素ナトリウムを25.7重量%含有し、リン酸1カリウムを64.0重量%含有し、直径が25mm、厚さが4mmであって、重量が4.0gの錠剤が記載されている。そして、第3頁の表2には、前記の錠剤を水に投入すると、急激な発泡により10〜15秒で水の表面に浮上した点が記載されている。
この場合、浮上した錠剤については、水との接触面が減少することにより溶解時間が著しく長くなり、溶解性に問題があるとされている。
特許文献4には、農薬錠剤に関する発明が開示されている。
この文献には、農薬活性成分、炭酸塩および有機酸(固体酸)を含有し、上面および下面に凹部を設けた略円柱形の錠剤とすることにより、水田等で使用される際に、水底の土壌中に埋もれることなく、水面を浮遊しながら速やかに拡散する点が記載されている。
この発明は、浮上しやすい形状に加工することにより、農薬の水面施用に適した錠剤を提供している。
特許文献5には、表面発泡型浴用剤に関する発明が開示されている。
この文献には、炭酸塩、有機酸および結合剤を含有し、1粒子または1片の重量を2.5g以下とし、その比重を2.0以下とすることにより、浴湯表面で発泡し、溶解性に優れ、発泡後のザラツキがなく、浴槽の部材に悪影響を及ぼさない点が記載されている。
この成型品は、浴槽内での分散性に優れているものの、一部の成型品は水面で溶解することができず浴槽底部で溶解するため、発泡後のザラツキ解消と浴槽の材質劣化を抑制する効果は不十分である。
特開昭56−150011号公報 特開昭61−192800号公報 特開昭56−161301号公報 特開平6−293603号公報 特開平6−271455号公報
本発明は、塩素化イソシアヌル酸化合物を配合した従来の発泡錠剤の問題点に鑑み、水に投入した後、一旦は水底に沈降するものの、ほどなく水底から浮上し、発泡しながら溶解することで、活性塩素を溶解槽内において均一に拡散させることができる錠剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、塩素化イソシアヌル酸化合物、有機酸および炭酸塩を有効成分として配合した錠剤において、有効成分の組成および錠剤の形状を最適化することにより、所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、第1の発明は、塩素化イソシアヌル酸化合物、有機酸および炭酸塩を含有する錠剤であって、塩素化イソシアヌル酸化合物を50重量%以下の割合で含有し、炭酸塩に対する有機酸の含有割合が当量比として1.083.88であり、形状が略円柱形であり、比重が1.0〜1.68であり、錠剤の高さに対する錠剤の直径の比率が3.03.4であることを特徴とする浮上性発泡錠剤である
第2の発明は、有機酸と炭酸塩を合わせた含有量が、50〜99.9重量%の割合であることを特徴とする第1の発明の浮上性発泡錠剤である
本発明の浮上性発泡錠剤を、例えば、水を入れた浴槽に投入すると、発泡しながら一旦は浴槽の底に沈降するものの、ほどなく浴槽の底から離れて(浮き上がり)、溶解するので、浴槽の底部に留まったままで溶解する場合とは異なって、浴槽底部の水中における活性塩素の局部的な高濃度化を回避し、浴槽の部材の劣化を防ぐことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施において使用し得る塩素化イソシアヌル酸化合物としては、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(水和物を含む)、ジクロロイソシアヌル酸カリウム等が挙げられるが、水に対する溶解速度が速いと云う点において、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムまたはジクロロイソシアヌル酸カリウムが好適に使用される。
本発明の浮上性発泡錠剤においては、塩素化イソシアヌル酸化合物の含有割合が50重量%以下であればよいが、0.1〜50重量%であることが好ましく、10〜45重量%であることがより好ましい。
塩素化イソシアヌル酸化合物の含有割合が極端に少ない場合では、放出される活性塩素量が不十分な為に、期待される殺菌効果や漂白効果が十分に得られない惧れがある。
また、多過ぎる場合には、後述する発泡成分の含有割合が少なくなる為に、十分な発泡が行われず、錠剤の浮力が得られない惧れがある。
本発明の実施において使用し得る有機酸としては、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、安息香酸等の固体酸が挙げられる。
同じく、炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、セスキ炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム等が挙げられ、これらのうち炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムが、入手の容易さと価格が安価である点において好ましい。
これらの有機酸および炭酸塩は、それぞれ1種または種類の異なる2種以上を任意に組み合わせて使用してもよいが、錠剤の形状を維持しつつ、良好な発泡性能を確保するために、それぞれ溶解性の異なる2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
前記の有機酸および炭酸塩は、発泡成分(発泡剤)として作用し、本発明の浮上性発泡錠剤を水に投入した場合には、有機酸と炭酸塩が反応して炭酸ガスを発生し、錠剤が発泡する。
本発明の浮上性発泡錠剤中に配合される有機酸と炭酸塩の量は、当該錠剤を水底から浮上させる為に必要な、炭酸ガスの発生速度と発生量が得られるように決定される。
炭酸塩に対する有機酸の含有割合を、当量比として1よりも大きくするほど、炭酸ガスの発生速度が速くなるので、錠剤を浮上させる浮力が大きくなる。また、有機酸の溶解性が高いほど、炭酸ガスの発生速度が速くなるので、錠剤を浮上させる浮力が大きくなる。
一方、炭酸塩に対する有機酸の含有割合が大き過ぎる場合は、発泡速度は速いものの、発生する炭酸ガスの総量が少なくなるため、錠剤を浮上させる浮力を十分に得ることができない。そのため、炭酸塩に対する有機酸の配合割合を一定の範囲内に設定することが肝要である。
このような技術的見地から、本発明の実施においては、炭酸塩に対する有機酸の含有量の割合、即ち当量比を1.0〜5.0とすることが好ましく、1.3〜4.0とすることがより好ましく、1.5〜3.0とすることが更に好ましい。
なお、当量比とは炭酸塩の反応当量に対する有機酸の反応当量の割合である(下式の(I)および(II)参照)。
反応当量=(100g×配合割合)/(1グラム当量) ・・・(I)
1グラム当量=(分子量)/(価数) ・・・・・・(II)
但し、式(II)中の価数とは、酸としての価数または塩基としての価数を意味する。
また、本発明の浮上性発泡錠剤中に配合される有機酸と炭酸塩の量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、錠剤が発泡により十分な浮力を得るためには、有機酸と炭酸塩を合わせて(合計)、50〜99.9重量%の割合で含有することが好ましく、55〜90重量%の割合で含有することがより好ましい。
本発明の錠剤の形状については、錠剤の強度および生産性の観点から、略円柱形であることが好ましい。また、錠剤の上下面は平面であってもよいし、内側に湾曲した凹面であってもよいし、外側に湾曲した凸面であってもよい。
本発明の錠剤のサイズについては、錠剤の高さ(H)に対する錠剤の直径(D)の比率(以下、D/Hと云う)を、2.0〜8.0の範囲内に設定することが好ましく、3.0〜8.0の範囲内に設定することがより好ましい。
D/Hが2.0〜8.0の範囲内であれば、十分な浮力を得ることができ、かつ、錠剤が割れたり欠けたりし難くなる。D/Hが3.0〜8.0の範囲内であれば、更に大きな浮力を得ることができる。
本発明の浮上性発泡錠剤においては、便宜上、D/Hを2.0以上に設定した場合の形状を盤状と云い、D/Hが2.0未満の場合の形状を棒状と云う。
本発明においては、錠剤の形状を盤状とすることにより、発泡による浮上性能が発揮され、錠剤を5〜50℃の水中に投入した後、一旦は水底に沈降するものの、ほどなく水底から浮上し、発泡しながら溶解することができる。
本発明の錠剤の比重については、浮上性能の見地から、1.0〜1.8の範囲にあることが好ましい。
比重がこの範囲内であれば、錠剤を水が入った浴槽などの溶解槽に投入した場合、発泡しながら一旦は水底に沈降するものの、ほどなく水底から浮上し、発泡しながら溶解するので、溶解槽底部における活性塩素の局部的な高濃度化を回避することができ、活性塩素を溶解槽内において均一に拡散させることができる。
本発明の錠剤を着色または賦香するために、従来知られた染料、顔料や香料を配合することができる。錠剤中にそれらが適宜量含有することにより、錠剤や錠剤の適用場所が容易に視認可能となり、また心地よい香りが発生して、塩素系化合物に由来する不快臭がマスキングされる。その結果、商品の質感が高められ、快適な使用感が得られる。
その他、本発明の効果を損なわない範囲において、食塩、アルカリ金属の珪酸塩、燐酸塩、硫酸塩、ほう素化合物等の増量剤や、用途に応じて界面活性剤、結合剤、崩壊剤、防錆剤等を配合してもよい。なお、本発明の浮上性発泡錠剤に配合される各成分は、本発明の効果を損なわない範囲において、合計で100重量%になるように配合割合を調整される。
本発明の錠剤は、粉末状または顆粒状の原料を、臼と杵から成る金型の中に充填して加圧成形(以下、打錠と云うことがある)する方法により製造される。このような錠剤を工業的に製造するに当たっては、金型と加圧装置から構成される公知の加圧式打錠機が使用される。
前記の加圧式打錠機としては、一錠ずつ打錠する単発式打錠機や、複数の金型を回転する円盤に沿って装着し、これが1回転する間に、原料の充填、加圧成形、錠剤の取り出しという一連の作業を連続的に行えるロータリー式打錠機を用いることができる。
本発明の錠剤を製造するに当たっては、20〜100kN程度の打錠圧が好ましく、打錠圧が20kNより低い場合には、成形された錠剤の強度が弱く、取り扱い時または輸送中に錠剤が崩れ易くなり、また100kNより高くした場合には、錠剤を臼から取り出す際に、帽子状に剥離(キャッピング)したり、層状に剥離(ラミネーティング)する現象が発生し易くなる。
以下、実施例および比較例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例において使用した原料の薬剤と、実施した評価試験は次のとおりである。
[塩素化イソシアヌル酸]
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(四国化成工業社製、商品名「SDIC−MG」、活性塩素含有量(Cl2換算):64.48%(理論値))
[有機酸]
・コハク酸(和光純薬工業製、試薬)
・フマル酸(同上)
・アジピン酸(同上)
[炭酸塩]
・炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業製、試薬)
・炭酸ナトリウム(同上)
[増量剤]
・硫酸ナトリウム(四国化成工業社製、「中性無水芒硝A0」)
・硫酸カリウム(和光純薬工業製、試薬)
・硫酸マグネシウム(同上)
・塩化ナトリウム(同上)
[崩壊剤]
・アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業製、試薬)
[結合剤]
・ヒドロキシプロピルセルロース(和光純薬工業製、試薬)
[溶解試験]
容量1Lのビーカーに、所定の温度(5〜50℃)に調整した水道水1Lを入れ、そこに錠剤を1錠投入して、錠剤の動きを観察しながら、錠剤が溶解する時間を計測した。
錠剤の溶解時間については、錠剤が水面に浮上するまでの時間(浮上時間)と、続いて錠剤が水面で発泡しながら浮遊した状態で溶解が終了するまでの時間(浮遊時間)を計測し、これらの時間を合計して溶解時間とした。
錠剤の浮上性能については、6〜10錠の錠剤をビーカーに投入して、錠剤が割れたり崩壊したりすることなく、錠剤の全数がビーカーの底から浮上した場合を○と判定した。
また、錠剤が割れたり崩壊したりして、錠剤の全数は浮上しないが、一部が浮上した場合を△と判定し、全ての錠剤が浮上しない場合を×と判定した。そして、判定が△の場合には、浮上した錠剤の割合を併記した。ちなみに本発明の「浮上性発泡錠剤」とは、○又は△のいずれかの判定である錠剤をいう。
なお、錠剤の浮上性能の評価に当たり、錠剤の「浮上」とは、必ずしも水面まで浮上した状態でなくてもよく、ビーカーの底面から離れた状態であれば、浮上と見做した。
〔実施例1〕
塩素化イソシアヌル酸としてジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと、有機酸としてコハク酸およびフマル酸と、炭酸塩として炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを、各々表1に示した組成(重量%)となるように混合した。
続いて、この混合物を、金型(臼杵)を用いて約50kNの圧力で加圧成形し、円柱形の錠剤を作成した。この錠剤の形状、直径D、高さH、重量、比重および活性塩素含有量(以下、これらを纏めて形状等と云う)を表1に示した。
また、この錠剤について溶解試験を行ったところ、得られた結果は、表1に示したとおりであった。
〔実施例2〜21〕
実施例1と同様にして、表1および表2に記載の組成を有する錠剤を作成し、それらの形状等を表1および表2に示した。これらの錠剤について溶解試験を行ったところ、得られた結果は、表1および表2に示したとおりであった。
Figure 0005985547
Figure 0005985547
〔比較例1〜3〕
実施例1と同様にして、表3に記載の組成を有する錠剤を作成し、それらの形状等を表3に示した。これらの錠剤について溶解試験を行ったところ、得られた結果は、表3に示したとおりであった。
これらの錠剤は何れも浮上しなかった。比較例1の錠剤は、実施例の錠剤に比べて、比較的短時間で溶解した。比較例2の錠剤は、比較例1の場合に比べて、更に短時間で溶解した。比較例3の錠剤は、発泡量が少なく溶け残りがあった。
〔比較例4〕
成形圧力を約60kNに設定した以外は、実施例1と同様にして、表3に記載の組成を有する錠剤を作成し、その形状等を表3に示した。この錠剤について溶解試験を行ったところ、得られた結果は、表3に示したとおりであった。
この錠剤は、その形状が棒状である為、発泡による浮力が十分に得られずに浮上しなかった。
〔比較例5〕
金型を変更して錠剤の直径を30mmにした以外は、実施例1と同様にして、表3に記載の組成を有する錠剤を作成し、その形状等を表3に示した。
この錠剤については、成形時に割れが多発し、D/Hの設定に課題が認められるため、溶解試験を行わなかった。
〔比較例6〕
表3に示した組成の混合物を調製し、ブリケッティングマシンを使用して加圧成形した。続いて、この成形物から、破砕整粒機を使用して、1粒の重量が約0.09gのブリケット状錠剤を作成し、その形状等を表3に示した。
このブリケット状錠剤を3.0g計り取って溶解試験を行ったところ、得られた結果は表3に示したとおりであった。
これらのブリケット状錠剤には、(イ)沈降したまま、(ロ)水面に浮上したまま、及び(ハ)沈降せずに水中で浮遊したままの錠剤が混在していた。即ち、これらのブリケット状錠剤は、水に投入されると、水面、水底および水中で分散した状態で、各々発泡、溶解した。
〔比較例7〜8〕
実施例1と同様にして、表3に記載の組成を有する錠剤を作成し、それらの形状等を表3に示した。これらの錠剤について溶解試験を行ったところ、得られた結果は、表3に示したとおりであった。これらの錠剤は何れも浮上した。しかし、塩素化イソシアヌル酸化合物を含まない、有機酸と炭酸塩のみの組成であるので、活性塩素を溶解槽内において均一に拡散させることができる錠剤を提供するという本発明の目的に合致しない。
Figure 0005985547
〔実施例22〕
容量275LのFRP製浴槽に、40℃の水道水を200L入れ、そこに実施例1において作成した錠剤1錠を投入し、浴槽の排水口または排水口の近傍に落下させたところ、65秒後に水面に浮上し、25秒間浮遊して溶解した。
続いて、錠剤の溶解が完了して5分経過した後、浴槽の排水口近傍の水を採取し、活性塩素濃度を測定したところ、26mg/Lであった。
なお、浴槽内の水が十分に攪拌されて均一になった場合の、水中における活性塩素濃度は3.8mg/L(理論値)である。
〔比較例9〕
実施例1において作成した錠剤の代わりに、比較例2において作成した錠剤を使用した以外は、実施例22と同様の操作を行ったところ、錠剤は浮上することなく浴槽底部に沈降したままで、錠剤の投入から50秒後に溶解した。
続いて、実施例22と同様にして、浴槽の排水口近傍の水を採取し、活性塩素濃度を測定したところ、286mg/Lであった。
なお、実施例22の場合と同様に、浴槽内の水が十分に攪拌されて均一になった場合の水中における活性塩素濃度は3.8mg/L(理論値)である。
〔比較例10〕
実施例1において作成した錠剤の代わりに、比較例6において作成した錠剤を使用した以外は、実施例22と同様の操作を行ったところ、水面、水底および水中で分散した状態で、各々発泡し、5〜10秒後に溶解した。
続いて、実施例22と同様にして、浴槽の排水口近傍の水を採取し、活性塩素濃度を測定したところ、213mg/Lであった。
なお、実施例22の場合と同様に、浴槽内の水が十分に攪拌されて均一になった場合の水中における活性塩素濃度は3.8mg/L(理論値)である。
比較例6のブリケット状錠剤は、溶解槽において分散して溶解するものの、水底に沈降したまま溶解するものが常に存在するため、水底における活性塩素の局部的な高濃度化を十分に回避することができず、活性塩素を溶解槽内において均一に拡散させることができる錠剤とは言い難い。したがって、ブリケット状錠剤は本発明の「浮上性発泡錠剤」には該当せず、浮上性能としても△(錠剤の全数は浮上しないが、一部が浮上)には該当しない。
実施例1〜21の試験結果によれば、本発明の浮上性発泡錠剤を水中に投入した場合の、溶解初期の浮上時間と溶解中期から後期にかけての浮遊時間が、適度に釣り合っており、塩素化イソシアヌル酸化合物から水中に放出される活性塩素の拡散性が優れていると認められる。
実施例22、比較例9および比較例10の試験結果によれば、本発明の浮上性発泡錠剤を浴槽中の水の清浄剤として使用した場合には、浴槽を形成あるいは浴槽に使用されている部材が活性塩素により劣化するのを防ぐことができる。
本発明によれば、塩素化イソシアヌル酸を含有する錠剤を発泡・溶解させながら、浮上させることにより、溶解後の水中における活性塩素濃度を、特に攪拌することなく、均一にすることができる。また、活性塩素に接触する部材の劣化を防ぐことができるので、産業上の利用可能性は多大である。


Claims (2)

  1. 塩素化イソシアヌル酸化合物、有機酸および炭酸塩を含有する錠剤であって、塩素化イソシアヌル酸化合物を50重量%以下の割合で含有し、炭酸塩に対する有機酸の含有割合が当量比として1.083.88であり、形状が略円柱形であり、比重が1.0〜1.68であり、錠剤の高さに対する錠剤の直径の比率が3.03.4であることを特徴とする浮上性発泡錠剤。
  2. 有機酸と炭酸塩を合わせた含有量が、50〜99.9重量%の割合であることを特徴とする請求項1に記載の浮上性発泡錠剤。
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